JPH09278734A - 光学活性シアンヒドリンの製造法 - Google Patents
光学活性シアンヒドリンの製造法Info
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- JPH09278734A JPH09278734A JP9036894A JP3689497A JPH09278734A JP H09278734 A JPH09278734 A JP H09278734A JP 9036894 A JP9036894 A JP 9036894A JP 3689497 A JP3689497 A JP 3689497A JP H09278734 A JPH09278734 A JP H09278734A
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Abstract
造する。 【解決手段】シアンヒドリンのジアステレオマー混合物
をアミン及び有機溶媒の存在下で2位炭素原子の異性化
を行いながら、一方の光学活性シアンヒドリンを晶析さ
せることにより、下記一般式(1) 【化1】 (式中R1及びR2は水素原子又はアミノ基の保護基を
示し、*2及び*3立体配置は、*2がR配置のとき*
3はS配置、又は*2がS配置のとき*3はR配置を示
す。)で表される光学活性シアンヒドリンの製造法
Description
護)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチ
ロニトリル(以下光学活性AHPBNという場合もあ
る。)を効率的に収率良く製造する方法に関する。本発
明の光学活性AHPBNは、抗癌剤であるベスタチン、
降圧剤であるレニンインヒビター、HIV治療薬などの
中間体として重要な化合物である。
性AHPBNを選択的に合成する方法としては、Tet
rahedron Letters、Vol29、p3
295,1988に記載された方法がある。
BNの選択的合成には、高価な試薬と−20℃以下とい
う極めて低温の反応条件を要するという欠点があり、そ
のためこの方法は工業的に適していない。一方、N−保
護−L−フェニルアラニナールに、亜硫酸水素ナトリウ
ム及びシアン化カリを反応させる方法は(特開昭62−
33141)常温で行なえるが光学活性体の選択性が悪
くかつ、工業的に容易に光学活性体のみを分離する方法
も知られていないため、低収率でしか光学活性体が得ら
れず、光学活性体を得る方法としては高価なものとなら
ざるを得なかった。
ついて鋭意検討した結果、AHPBNのジアステレオマ
ーをアミンおよび有機溶媒の存在下に処理することによ
り、2位の炭素原子を異性化させることが出来、溶解度
の低い方の光学活性体を系外に取り出すことにより連続
的に異性化が起き、溶解度の低い方の光学活性体を高収
率で得られること、また、AHPBNのジアステレオマ
ーを含有する(a)エーテル系溶媒単独またはエーテル
系溶媒と脂肪族炭化水素系溶媒との混合溶媒もしくは
(b)芳香族炭化水素系溶媒と脂肪族炭化水素系溶媒と
の混合溶媒から、光学活性体、例えば(2R,3S)体
を析出させるならば目的とする(2R,3S)体を選択
的に高収率で析出させることが出来ること、更にこれら
の両者の方法を組み合わせることにより、それぞれ単独
で実施するよりも更に高収率で光学活性AHPBNを得
ることが出来ることを見いだし、本発明を完成した。す
なわち、本発明は次の(1)〜(14)に関する。
ヒドロキシ−4−フェニルブチロニトリルのジアステレ
オマー混合物をアミン及び有機溶媒の存在下で処理する
ことを特徴とする下記一般式(1)
示し、*2及び*3の立体配置は、*2がR配置のとき
*3はS配置、又*2がS配置のとき*3はR配置を示
す。)で表される光学活性シアンヒドリンの製造法 (2)アミンの使用量がN−(保護)−3−アミノ−2
−ヒドロキシ−4−フェニルブチロニトリルのジアステ
レオマー混合物に対して、0.1〜10mol%で、処
理温度が0℃から還流の温度である(1)記載の製造法
はエーテル系溶媒と脂肪族炭化水素系溶媒との混合溶媒
又は芳香族炭化水素系溶媒単独又は脂肪族炭化水素系溶
媒との混合溶媒である(1)記載の製造法 (4)エーテル系と脂肪族炭化水素系溶媒の混合比及び
芳香族炭化水素系溶媒と脂肪族炭化水素系溶媒との混合
比が各々1:0〜6である(3)記載の製造法 (5)エーテル系溶媒がイソプロピルエーテル、脂肪族
炭化水素系溶媒がn−ヘプタン、芳香族炭化水素系溶媒
がトルエンである(3)記載の製造法 (6)アミンが3級アミンである(1)ないし(3)記
載の製造法 (7)アミンがトリエチルアミンである(6)記載の製
造法 (8)一般式(1)においてR1又はR2のいずれかが
置換又は非置換ベンジルオキシカルボニル基で、もう一
方が水素原子である(1)記載の製造法
−N−(保護)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フ
ェニルブチロニトリルをアミン及び有機溶媒の存在下で
処理することを特徴とし、それぞれ対応する(2R,3
S)体又は(2S,3R)体の製造法 (10)(2RS,3S)−N−(保護)−3−アミノ
−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチロニトリルをアミ
ン及び芳香族炭化水素系溶媒と脂肪族炭化水素系溶媒と
の混合溶媒の存在下で処理することを特徴とし、かつ該
混合溶媒の混合比率が1:2〜6である(2R,3S)
−N−(保護)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フ
ェニルブチロニトリルの製造法
−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチロニ
トリルをアミン及び有機溶媒の存在下に処理し、(2
R,3S)−N−(保護)−3−アミノ−2−ヒドロキ
シ−4−フェニルブチロニトリルを得、ついで加水分解
することを特徴とする(2R,3S)−3−アミノ−2
−ヒドロキシ−4−フェニルブタン酸の製造法 (12)加水分解反応が、10〜40%の鉱酸水溶液を
(2R,3S)−N−(保護)−3−アミノ−2−ヒド
ロキシ−4−フェニルブチロニトリルの1重量部に対
し、3〜20倍容量用い、50℃〜還流の温度で行なう
ことを特徴とする(11)記載の製造法 (13)Nー保護−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−
フエニルブチロニトリルのジアステレオマーを含有する
(a)エーテル系溶媒単独またはエーテル系溶媒と脂肪
族炭化水素系溶媒との混合溶媒もしくは(b)芳香族炭
化水素系溶媒と脂肪族炭化水素系溶媒との混合溶媒か
ら、(2R,3S)体を選択的に析出させることを特徴
とする(2R,3S)−N−保護−3−アミノ−2−ヒ
ドロキシ−4−フェニルブチロニトリルの製造法 (14)(2R,3S)体を選択的に析出させて残った
ろ液に更にアミンを添加して該ろ液から(2R,3S)
体を得る上記(13)記載の製造法
のとおりである。本発明により光学活性シアンヒドリン
を収率よく得るには、シアンヒドリンのジアステレオマ
ー混合物をアミン及び有機溶媒で処理すればよい。処理
方法はジアステレオマー混合物とアミン及び該溶媒を接
触させればよく、好ましくはサスペンジョンすればよ
い。析出した光学活性シアンヒドリン結晶はろ過等の常
法により、これを取り出すことができる。
アステレオマー混合物としては、(2RS,3R),
(2RS,3S)いずれでもよいが、(2RS,3S)
体が好ましい。(2RS,3R),(2RS,3S)の
各ジアステレオマー混合物は、それぞれD−及びL−フ
ェニルアラニナールより後記の方法で得ることができ
る。原料ジアステレオマーにおけるそれぞれの光学活性
体の混合割合はいずれでもよい。これらのジアステレオ
マー混合物は通常用いられるシアンヒドリンの製造法に
よって得られたものであればいずれでもよい。また該ジ
アステレオマー混合物は湿気を帯びたままの結晶でもよ
いし、乾燥結晶でもよい。また、上記混合物に限らず、
場合によっては、純粋な(2S,3S)又は(2R,3
R)体を用いることもでき、これらもそれぞれL−又は
D−フェニルアラニナールより製造し、必要なものを抽
出するなどして得ることができる。以下にジアステレオ
マー混合物の製造法の一例をあげる。
ルアラニナールをジクロロメタン、クロロホルム等のハ
ロゲン化溶媒または酢酸エチル等のエステル溶媒に溶解
し、亜硫酸水素ナトリウム水溶液を加えて、この溶液を
冷却し、次いでこれに水とシアン化ナトリウムやシアン
化カリウム等の青酸金属塩を加え、室温で対応するシア
ンヒドリンを合成する。
の有機層を濃縮する。合成したシアンヒドリンは、この
際結晶化するが結晶化しにくい場合には、シアンヒドリ
ンの結晶をシードすると容易に結晶化する。これによ
り、結晶化したシアンヒドリンをろ過し単離する。シア
ンヒドリンはこのまま湿気を帯びたウェット品として用
いればよいが、常法で乾燥して乾燥結晶として用いても
よい。
トリウムと青酸金属塩はそれぞれ出発物質である(D
or L)−N−(保護)−フェニルアラニナールに対
し通常1.0〜1.2倍モル程度用いられる。
ノ基の保護基としては特に制限はなく、公知のアミノ基
の保護基はいずれも使用できる。好ましくはアシル型保
護基(ウレタン型保護基も含む)として(1)アセチ
ル、トリフルオロアセチル等のハロゲン原子などで置換
されていてもよい低級アルキル(炭素数1〜6)カルボ
ニル、(2)置換(置換基としてはニトロ(炭素数1〜
6)、低級アルキル、ハロゲン等)および非置換ベンゾ
イル、フタリル等のアリ−ルカルボニル、(3)置換
(置換基としてはニトロ、(炭素数1〜6)低級アルキ
ル、ハロゲン等)および非置換ベンジルオキシカルボニ
ル、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル、シクロ(炭
素数5〜6)アルカノオキシカルボニル等のウレタン形
成型アシル保護基等の炭素数1〜12のアシル保護基が
あげられる。その他保護基としては、ベンジル、置換
(置換基としてはニトロ、(炭素数1〜6)低級アルキ
ル、ハロゲン等)および非置換アリールスルホニル、o
−ニトロベンゼンスルホニル、トリチル等の各基があげ
られる。好ましくは、例えばt−ブチルオキシカルボニ
ル基等の炭素数1〜8のウレタン型保護基、特に好まし
くは、置換(置換基としてはニトロ、(炭素数1〜6)
低級アルキル、ハロゲン等)および非置換ベンジルオキ
シカルボニル基である。
混合物は、(2RS,3R),(2RS,3S)いずれ
でもよいが、(2RS,3S)体が好ましい。(2R
S,3R),(2RS,3S)の各ジアステレオマー混
合物は、それぞれD−及びL−フェニルアラニナールよ
り前記の方法で得ることができる。原料ジアステレオマ
ーにおけるそれぞれの光学活性体の混合割合はいずれで
もよい。また、上記混合物に限らず、場合によっては、
純粋な(2S,3S)又は(2R,3R)体を用いるこ
ともでき、これらもそれぞれL−又はD−フェニルアラ
ニナールより製造し、必要なものを抽出するなどして得
ることができる。
ドリンのジアステレオマー混合物をアミンの存在下有機
溶媒と接触させるものであれば浸漬、サスペンジョン等
いずれでもよいが、サスペンジョンが好ましい。処理時
間は特に問わないが、あまり短いと光学活性体の純度の
向上が少ないので通常は30分以上がよい。より好まし
くは1〜10時間である。処理温度としては通常0℃か
ら還流の温度、好ましくは室温〜70℃で処理する。
のジアステレオマー混合物に対し0.1〜10mol
%、好ましくは0.5〜8mol%、更に好ましくは、
1.0〜5mol%を存在させる。
ないが、炭素数1〜6の低級アルキルで置換された、モ
ノ、ジ又はトリ置換アミンが好ましい。具体的にはメチ
ルアミン、エチルアミン、プロピルアミン・ブチルアミ
ン等の1級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン・
ジプロピルアミン・ジイソプロピルアミン等の2級アミ
ン、トリメチルアミン・トリエチルアミン・トリプロピ
ルアミン・トリブチルアミン等の3級アミンがあげられ
る。特にトリエチルアミン等の炭素数1〜4のアルキル
基で置換された3級アミンが扱い易いので好ましい。
エーテル系溶媒単独又は芳香族炭化水素系溶媒単独でも
よいが、これらの溶媒と他の溶媒との混合溶媒がより好
ましい。混合する他の溶媒としては、脂肪族炭化水素系
溶媒が好ましい。具体的に好ましいエーテル系溶媒とし
ては、イソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、t−
ブチルメチルエーテル等の低級アルキル(C1〜C4)
エーテルがあげられ、特にイソプロピルエーテルが好ま
しい。脂肪族炭化水素系溶媒としてはn−ヘキサン、n
−ヘプタン、n−オクタン等のC5〜C10の脂肪族炭
化水素系溶媒があげられ、特にn−ヘプタンが好まし
い。芳香族炭化水素系溶媒としては、トルエン、キシレ
ン、ベンゼン等のベンゼン系溶媒(非置換または、C1
〜C6低級アルキルまたはハロゲン置換ベンゼンなど)
があげられ、トルエンが好ましい。混合溶媒として特に
好ましいものは、イソプロピルエーテルと、n−ヘプタ
ンの混合溶媒又はトルエンと、n−ヘプタンの混合溶液
であるが、トルエンとn−ヘプタンの混合溶媒が特に好
ましい。
混合比は通常容量割合で1:0〜6、好ましくは1:1
〜2程度である。また、芳香族炭化水素系溶媒と脂肪族
炭化水素系溶媒の混合比は容量割合で1:0〜6、好ま
しくは1:2〜6、より好ましくは1:4程度である。
エーテル系溶媒単独又はその混合溶媒あるいは芳香族炭
化水素系溶媒単独又はその混合溶媒の使用量としてはシ
アンヒドリンのジアステレオマー混合物1重量部に対し
1〜10倍容量程度が好ましい。本発明では、アミンを
用いることなく、上記したようなエーテル系溶媒単独、
エーテル系溶媒と脂肪族炭化水素性溶媒との混合溶媒あ
るいは上記したような芳香族炭化水素系溶媒と脂肪族炭
化水素系溶媒との混合溶媒に、シアンヒドリンのジアス
テレオマー混合物を含有させて、光学活性シアンヒドリ
ン、例えば(2R,3S)体を選択的に析出させて、式
(1)の光学活性シアンヒドリンを製造することもでき
る。このような方法は、アミンと有機溶媒とを用いる上
記した方法と同様にして実施することができる。また、
このような方法によって光学活性シアンヒドリンを選択
的に析出させて光学活性シアンヒドリンを得た後、更に
結晶として光学活性シアンヒドリンを回収した後のろ液
にアミンを添加して上記したと同様の方法を実施するこ
とによって、残ったろ液から更に光学活性シアンヒドリ
ンを結晶として得ることもできる。本発明の処理によ
り、シアンヒドリンのジアステレオマー混合物中の有機
溶媒、例えばエーテル系溶媒への溶解のより小さい光学
活性体の純度が、原料に比して高くなった光学活性体を
得ることができる。例えば、原料が(2RS,3S)体
の場合、(2R,3S)体の純度の高いものが得られ
る。本発明の処理を、必要に応じて繰り返すことによ
り、純度90%以上、更には純度97%以上、より高純
度では99%以上のものを得ることができる。
ジアステレオマー混合物中の有機溶媒例えばエーテル系
溶媒への溶解度のより小さい光学活性体の純度が、原料
に比して高くなった光学活性体を得ることができる。例
えば、原料が(2RS,3S)体の場合、(2R,3
S)体の純度の高いものが得られる。本発明の処理を、
必要に応じて繰り返すことにより、純度90%以上、更
には純度97%以上、より高純度では99%以上のもの
を得ることができる。
活性シアンヒドリン、即ちスレオ体である(2R,3
S)体又は(2S,3R)体を例えば、特開昭52−1
36118に記載の方法、すなわち光学活性シアンヒド
リンの1重量部に対し1〜30倍容量、好ましくは3〜
20倍容量の酸水溶液好ましくは、塩酸・硫酸等の鉱酸
水溶液を単独もしくは、ジオキサン又はテトラヒドロフ
ラン等の有機溶媒との混合溶媒として用い、室温から還
流の温度好ましくは、50℃〜還流の温度で加水分解し
て、光学活性スレオ(2R,3S)又は(2S,3R)
−3−(保護)−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニ
ルブタン酸を合成することができる。尚、用いる酸水溶
液の濃度は通常5〜50%程度、好ましくは10〜40
%である。
ニルアラニノールからOrg.S−yn.69,212
−219または、Tetra.Lett.,33,50
29,1992方法に従って合成される。
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
成 L−ベンジルオキシカルボニル−フェニルアラニノール
45.6g(160mmol)とTEMPO(2,2,
6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、フリ
ーラジカル)10mgを塩化メチレン480mlに溶解し、
水80mlに臭化ナトリウム16.5gを溶解した溶液
をこれに加えた。炭酸水素ナトリウム39.2gと12
%次亜塩素酸ナトリウム水溶液100.64gを水に加
えて溶解し、この溶液を0〜10℃で上記水溶液に滴下
した。0〜10℃で1時間反応した後、静置して有機層
を取り出し、これを1.33gのヨウ化カリウム溶液を
溶かした10%硫酸水素カリウム溶液208mlと、1
0%チオ硫酸ナトリウム溶液107ml、水100ml
で洗浄し、有機層を濃縮した。これをそのまま次の反応
に用いてもよいし、500mlのn−ヘキサンを加え、
ベンジルオキシカルボニル−フェニルアラニナールを結
晶化させ結晶を取り出すこともできる。
2(S,2H) 5.24(d,1H),7.12−7.35(m,10
H),9.65(S,1H)
オマー混合物の合成 L−ベンジルオキシカルボニル−フェニルアラニナール
41.71g(147.2mmol)を酢酸エチル52
0mlに溶解した。これに亜硫酸水素ナトリウム19.
96gを水160mlに溶解した水溶液を加えた。この
溶液を0〜10℃に冷却し、シアン化ナトリウム9.0
8gを水160mlに溶解した水溶液を滴下した。滴下
後室温に戻し6〜8時間反応を行った。反応終了後、有
機層を分液し、飽和食塩水150mlで洗浄した後、硫
酸ナトリウムを加えて、溶媒を脱水した。硫酸ナトリウ
ムをろ過し、ろ液を濃縮した。この濃縮液をそのまま次
の反応へ用いてもよい。この濃縮液にイソプロピルエー
テル300mlとn−ヘプタン100mlを加え、シア
ンヒドリンを結晶化させた。この結晶をろ過して室温で
減圧乾燥した。
ナールより収率90.5% 得られた結晶はHPLC分析により、(2R,3S)体
(スレオ):(2S,3S)体(エリスロ)=65:3
5であった。 〔α〕20 D =−69.9°(C=1,CH3 OH)
オマー混合物の合成 N−ベンジルオキカシルボニル−L−フェニルアラニナ
ール28.3gの酢酸エチル100ml溶液に、室温
下、ピロ亜硫酸ナトリウム11.4gの水100ml溶
液を加え、1時間攪拌した。次いで、シアン化ナトリウ
ム4.9gの水40ml溶液を滴下し、室温下2時間反
応を行った。反応終了後、有機層を分液し、飽和食塩水
60mlで洗浄後無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し
た。硫酸ナトリウムをろ過し、減圧濃縮して3−ベンジ
ルオキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−4−フェ
ニルブチロニトリルのジアステレオマー混合物を濃縮残
渣として得た。HPLC分析の結果、(2R,3S)体
(スレオ):(2S,3S)体(エリスロ)=64:3
6であった。
ンヒドリンの合成 i)参考例2で得られたスレオ、エリスロ混合物37.
2g(スレオ:エリスロ=65:35)にイソプロピル
エーテル335gを加え、45℃で5時間サスペンジョ
ンした。室温に戻してから、結晶をろ過し、イソプロピ
ルエーテルで洗浄した。結晶は室温で減圧乾燥した。 乾燥結晶 22.44g (収率55.0%) 得られた結晶はHPLC分析により、スレオ:エリスロ
=98:2であった。 〔α〕20 D =−80.5°(C=1,CH3 OH) ii)ろ液にトリエチルアミン0.09gを加え、50
℃で10時間攪拌していると、結晶が徐々に析出してき
た。室温に戻してからこれをろ過し、イソプロピルエー
テルで洗浄した。結晶は室温で減圧乾燥した。 乾燥結晶 7.85g ( i)及びii)の合計での
収率76.0%) 得られた結晶はHPLC分析により、スレオ:エリスロ
=93:7であった。 〔α〕20 D =−79.8°(C=1,CH3 OH)
ンヒドリンの合成 参考例2で得られたスレオ、エリスロ混合物13.0g
(スレオ:エリスロ=65:35)にイソプロピルエー
テル39gとトリエチルアミン0.11gを加えて、5
0℃で5時間サスペンジョンした。室温に戻してから、
結晶をろ過し、結晶をイソプロピルエーテルで洗浄し
た。結晶は室温で減圧乾燥した。 乾燥結晶 10.58g(収率 76.8%) 得られた結晶はHPLC分析により、スレオ:エリスロ
=98:2であった。 〔α〕20 D =−80.6°(C=1,CH3 OH)
ンヒドリンの合成 参考例2で得られたスレオ、エリスロ混合物5.0g
(スレオ:エリスロ=65:35)にイソプロピルエー
テル15gとn−ヘプタン15g、更にトリエチルアミ
ン0.04gを加え、50℃で43時間攪拌サスペンジ
ョンした。室温に戻してから、結晶をろ過し結晶をイソ
プロピルエーテルで洗浄した。結晶は室温で減圧乾燥し
た。 乾燥結晶 4.34g (収率 86.8%) 得られた結晶はHPLC分析により、スレオ:エリスロ
=99:1であった。
9(b,1H) 4.56(b,1H),5.06(s,2H),5.3
0(d,1H) 7.16−7.35(m,10H)
エリスロ=64:36)にトルエン40mlを加え、さ
らにn−ヘプタン160mlを加えて攪拌後、トリエチ
ルアミン0.5gを加えて、45〜50℃で2時間加熱
攪拌した。析出した結晶をろ過し、n−ヘプタン洗浄後
乾燥して目的とする(2R,3S)−3−ベンジルオキ
カルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチ
ロニトリル27.9g(収率90%)を白色結晶として
得た。HPLC分析の結果、スレオ:エリスロ=95:
5であった。 m.p.109−110℃ 〔α〕20 D =−80.2°(C=1,CH3 OH)1 H NMR(CDCl3 )δ(ppm) 3.01(m,2H),4.04(b,1H),4.4
9(b,1H),4.56(b,1H),5.06
(s,2H),5.30(d,1H),7.16−7.
35(m,10H) 上記のとおり分析結果は実施例3と一致した。
−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタン酸の合成 実施例3と同様の操作で得られた(2R,3S)−光学
活性シアンヒドリン10.0g(スレオ:エリスロ=9
9:1)にジオキサン85ml、35%塩酸85mlを
加えて、80℃で7時間加熱処理した。反応終了後、室
温に戻しイソプロピルエーテル100mlを加え攪拌
後、分液して水層を取りだした。水層を濃縮乾固し、水
55mlを加えてから、28%アンモニア水でpH6に
調整した。室温で6時間攪拌した後、析出結晶をろ過
し、結晶を水洗した。結晶は50℃で減圧乾燥した。 乾燥結晶 6.01g(収率95.54%) 得られた結晶はHPLC分析により、スレオ:エリスロ
=99.7:0.3であった。 〔α〕20 D =−31.7°(C=1,AcOH)
Claims (14)
- 【請求項1】N−(保護)−3−アミノ−2−ヒドロキ
シ−4−フェニルブチロニトリルのジアステレオマ−混
合物をアミン及び有機溶媒の存在下で処理することを特
徴とする下記一般式(1) 【化1】 (式中R1及びR2は水素原子又はアミノ基の保護基を
示し、*2及び*3の立体配置は、*2がR配置のとき
*3はS配置、又*2がS配置のとき*3はR配置を示
す。)で表される光学活性シアンヒドリンの製造法 - 【請求項2】アミンの使用量がN−(保護)−3−アミ
ノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチロニトリルのジ
アステレオマー混合物に対して、0.1〜10mol%
で、処理温度が0℃から還流の温度である請求項1記載
の製造法 - 【請求項3】有機溶媒がエーテル系溶媒単独又はエーテ
ル系溶媒と脂肪族炭化水素系溶媒との混合溶媒又は芳香
族炭化水素系溶媒単独又は芳香族炭化水素系溶媒と脂肪
族炭化水素系溶媒との混合溶媒である請求項1記載の製
造法 - 【請求項4】エーテル系溶媒と脂肪族炭化水素系溶媒の
混合比及び芳香族炭化水素系溶媒と脂肪族炭化水素系溶
媒との混合比が各々1:0〜6である請求項3記載の製
造法 - 【請求項5】エーテル系溶媒がイソプロピルエーテル、
脂肪族炭化水素系溶媒がn−ヘプタン、芳香族炭化水素
系溶媒がトルエンである請求項3記載の製造法 - 【請求項6】アミンが3級アミンである請求項1ないし
3記載の製造法 - 【請求項7】アミンがトリエチルアミンである請求項6
記載の製造法 - 【請求項8】一般式(1)においてR1又はR2のいず
れかが置換又は非置換ベンジルオキシカルボニル基で、
もう一方が水素原子である請求項1記載の製造法 - 【請求項9】(2S,3S)又は(2R,3R)−N−
(保護)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル
ブチロニトリルをアミン及び有機溶媒の存在下で処理す
ることを特徴とする、それぞれ対応する(2R,3S)
体又は(2S,3R)体の製造法 - 【請求項10】(2RS,3S)−N−(保護)−3−
アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチロニトリル
をアミン及び芳香族炭化水素系溶媒と脂肪族炭化水素系
溶媒との混合溶媒の存在下で処理することを特徴とし、
かつ該混合溶媒の混合比率が1:2〜6である(2R,
3S)−N−(保護)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−
4−フェニルブチロニトリルの製造法 - 【請求項11】(2RS,3S)−N−(保護)−3−
アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチロニトリル
をアミン及び有機溶媒の存在下に処理し、(2R,3
S)−N−(保護)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4
−フェニルブチロニトリルを得、ついで加水分解するこ
とを特徴とする(2R,3S)−3−アミノ−2−ヒド
ロキシ−4−フェニルブタン酸の製造法 - 【請求項12】加水分解反応が、10〜40%の鉱酸水
溶液を(2R,3S)−N−(保護)−3−アミノ−2
−ヒドロキシ−4−フェニルブチロニトリルの1重量部
に対し、3〜20倍容量用い、50℃〜還流の温度で行
なうことを特徴とする請求項11記載の製造法 - 【請求項13】N−保護−3−アミノ−2−ヒドロキシ
−4−フェニルブチロニトリルのジアステレオマーを含
有する(a)エーテル系溶媒単独またはエーテル系溶媒
と脂肪族炭化水素系溶媒との混合溶媒もしくは(b)芳
香族炭化水素系溶媒と脂肪族炭化水素系溶媒との混合溶
媒から、(2R,3S)体を選択的に析出させることを
特徴とする(2R,3S)−N−保護−3−アミノ−2
−ヒドロキシ−4−フェニルブチロニトリルの製造法 - 【請求項14】(2R,3S)体を選択的に析出させて
残ったろ液に更にアミンを添加して該ろ液から(2R,
3S)体を得る請求項13記載の製造法
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