JPH09277732A - 直描型平版印刷用原版およびその製造方法 - Google Patents

直描型平版印刷用原版およびその製造方法

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JPH09277732A
JPH09277732A JP8094198A JP9419896A JPH09277732A JP H09277732 A JPH09277732 A JP H09277732A JP 8094198 A JP8094198 A JP 8094198A JP 9419896 A JP9419896 A JP 9419896A JP H09277732 A JPH09277732 A JP H09277732A
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Application number
JP8094198A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Tashiro
宏 田代
Kiyosuke Kasai
清資 笠井
Eiichi Kato
栄一 加藤
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電転写方式による電子写真式複写機から
の描画によっても、印刷汚れのない鮮明な画像の印刷物
を得ることのできる直描型平版印刷用原版およびその製
造方法を提供する。 【解決手段】 耐水性支持体上に画像受理層を有する直
描型平版印刷用原版において、この画像受理層が、特定
の部分構造を少なくとも2個以上含有する水溶性の非環
状アミン及び/又はアンモニウム化合物(化合物
〔P〕)、酸化亜鉛及び結着樹脂を有することを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直描型平版印刷用
原版に関し、更に詳しくは軽印刷用に好適な直描型平版
印刷用原版およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、事務用印刷原版として、支持体上
に画像受理層を有する直描型平版印刷用原版が広く用い
られている。このような印刷原版に製版、即ち画像形成
を行うには、一般に画像受理層に油性インキを手書きに
より描画するか、またはタイプライター、インクジェッ
ト方式もしくは転写型感熱方式等で印字する方法が採用
されている。その他、普通紙電子写真複写機(PPC)
を用いて帯電、露光及び現像の工程を経て感光体上に形
成したトナー面像を画像受理層に転写定着する方法も近
年使われ始めた。いずれにしても製版後の印刷原版は不
感脂化液(いわゆるエッチ液)で表面処理して非画像部
を不感脂化し、印刷版として平版印刷に供せられる。
【0003】従来の直描型平版印刷用原版は、紙等の支
持体の両面に裏面層及び中間層を介して表面層が設けら
れていた。裏面層又は中間層はPVAや澱粉等の水溶性
樹脂及び合成樹脂エマルジョン等の水分散性樹脂と顔料
で構成されている。表面層は顔料、水溶性樹脂及び耐水
化剤で構成される。このような直描型平版印刷用原版の
代表例は、米国特許2,532,865号明細書に記載
されるように画像受理層をPVA等のような水溶性樹脂
バインダー、シリカ、炭酸カルシウム等のような無機顔
料、及びメラミン・ホルムアルデヒド樹脂初期縮合物等
のような耐水化剤を主成分として構成したものである。
【0004】更に、直描型平版印刷用原版の画像受理層
に用いる結着剤として、分解によりカルボキシル基、ヒ
ドロキシル基、チオール基、アミノ基、スルホン基又は
ホスホノ基を生成する官能基を有すると共に、熱/光で
硬化する官能基を含有し予め架橋されている樹脂を用い
る(特開平1−226395号、同1−269593
号、同1−288488号各公報)、上記官能基含有樹
脂と熱/光硬化性樹脂を併用する(特開平1−2665
46号、同1−275191号、同1−309068号
各公報)、上記官能基含有樹脂と架橋剤を併用する(特
開平1−267093号、同1−271292号、同1
−309067号各公報)ことにより、非画像部の親水
性向上、画像受理層の膜強度の向上、更に耐印刷性の改
良が検討されている。
【0005】又、画像受理層中に、無機顔料及び結着剤
とともに、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基のよ
うな親水性基を含有した1μm以下の微小粒径の樹脂粒
子を含有させる(特開平4−201387号、同4−2
23196号各公報)あるいは、分解により上記の様な
親水性基を生成する官能基を含有する微小径樹脂粒子を
含有させる(特開平4−319491号、同4−353
495号、同5−119545号、同5−58071
号、同5−69684号各公報)ことにより非画像部の
親水性を向上させる事が検討されている。
【0006】他方、画像受理層中の無機顔料として酸化
亜鉛を用い、画像を形成した後非画像部を不感脂化処理
して印刷版とする方式の直描型平版印刷用原版におい
て、酸化亜鉛として、湿式法で製造された酸化亜鉛を用
いる、更に乾式で製造された酸化亜鉛と併用する(特開
平5−246166号、同5−254267号各公報)
あるいはフェロシアン基を少量含有した酸化亜鉛を用い
る(特開平6−72058号公報)ことにより、特に静
電転写方式の製版に用いる場合に、印刷用原版にトナー
画像を充分に転写させ且つ印刷汚れを抑制させることが
検討されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
にして得られた従来の印刷版は印刷耐久性を向上するた
めに耐水化剤の添加量を多くしたり疎水性樹脂を使用し
たりして疎水性を増大させると、耐刷性は向上するが親
水性が低下して印刷汚れが発生し、他方親水性を良くす
ると耐水性が劣化し耐刷性が低下するという問題があっ
た。
【0008】特に30℃以上の高温での使用環境下で
は、オフセット印刷に使用する浸し水に表面層が溶解
し、耐刷性の低下及び印刷汚れの発生など欠点があっ
た。更に、直描型平版印刷の場合油性インキ等を画像部
として画像受理層に描画するものであり、印刷用原版の
受理層と油性インキの接着性が良くなければ、たとえ非
画像部の親水性が充分で上記の如き印刷汚れが発生しな
くても、印刷時に画像部の油性インキが欠落してしま
い、結果として耐刷性が低下してしまうという問題も未
だ充分に解決される所まで至っていない。
【0009】又、最近の微細な乾式トナーを用いた電子
写真方式による高解像度の複写画像形成、例えば、レー
ザープリンター等による画像受理層への静電転写による
描画では、特に、転写後の非画像部の地汚れ防止と画像
部の画像再現性を両立させ、得られる印刷物が地汚れの
ない鮮明な画像となる事が望まれている。
【0010】本発明は以上の様な従来の直描型平版印刷
用原版の有する問題点を改良するものである。本発明の
目的は、オフセット原版として全面一様な地汚れはもち
ろん点状の地汚れも発生させない不感脂化性の優れた直
描型平版印刷用原版およびその製造方法を提供すること
である。
【0011】本発明の他の目的は、静電転写方式による
電子写真式複写機からの描画によっても、印刷汚れのな
い鮮明な画像の印刷物を得ることのできる直描型平版印
刷用原版およびその製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、(1) 耐
水性支持体上に画像受理層を有する直描型平版印刷用原
版において、この画像受理層が、下記一般式(I)で表
わされる部分構造を少なくとも2個以上含有する分岐及
び架橋構造を有してもよい分子量1×103以上の水溶
性の非環状アミン及び/又はアンモニウム化合物(化合
物〔P〕)、酸化亜鉛及び結着樹脂を有することを特徴
とする直描型平版印刷用原版、
【0013】
【化4】
【0014】(2) 該化合物〔P〕が、酸化亜鉛10
0gあたり1×10-4〜10-1モル含有されることを特
徴とする上記(1)記載の直描型平版印刷用原版、
(3) 該化合物〔P〕が、一般式(I)で表わされる
部分構造を少なくとも2種含有し、かつ少なくとも下記
一般式(II)で表わされる重合体成分を含有する重合体
〔PA〕及び/又は一般式(III)で表わされる重合体
成分を含有する重合体〔PB〕から選ばれる少なくとも
1種であることを特徴とする上記(1)または(2)記
載の直描型平版印刷用原版、
【0015】
【化5】
【0016】R1〜R7は置換基を有してもよく、さらに
互いに連結して環を形成してもよい有機残基を表わす。
さらに上記一般式(II)中のn、l、fは1以上10以
下の整数を、m、r、gは0以上の整数を表わし、かつ
重合体〔PA〕の重量平均分子量が1×103以上にな
る組み合わせを表わす。
【0017】
【化6】
【0018】またZは連結基として2価の有機残基を表
わす。さらにf1及びf2はお互いに同じでも異なっても
よく、各々水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数
1〜8の炭化水素基、−COO−T1または炭素数1〜
8の炭化水素基を介した−COO−T1(T1は炭素数1
〜18の炭化水素基を表す)を表す。Yは、単結合もし
くは−COO−、−OCO−、−(CH2a−COO
−、−(CH2b−OCO−(a、bは1〜3の整数を
表す)、−CON(k1)−〔k1は水素原子または炭素
数1〜12の炭化水素基を表す〕、−CONHCONH
−、−CONHCOO−、−O−、−C64−又は−S
2−を表す。
【0019】hは1以上の整数で、かつ重合体〔PB〕
の重量平均分子量が1×103以上になる値を表わす。
(4) 酸化亜鉛、結着樹脂、前記化合物〔P〕及び分
散媒から少なくとも成る分散物を、耐水性支持体上に塗
膜して画像受理層を形成することを特徴とする上記
(1)〜(3)のいずれか1項に記載の直描型平版印刷
用原版の製造方法、によって達成されることを見出し
た。
【0020】
【化7】
【0021】本発明は、又、少なくとも酸化亜鉛、結着
樹脂、前記化合物〔P〕及び分散媒から成る分散物を、
耐水性支持体上に塗膜して画像受理層を形成することを
特徴とする、前記の直描型平版印刷用原版の製造方法を
提供する。本発明の画像受理層は、上記の様な特定の部
分構造を含有する水溶性化合物〔P〕を酸化亜鉛と併用
して含有するものである。この事により、特に乾式トナ
ーを用いた電子写真複写機あるいは感熱転写方式の複写
機からの画像形成において、欠落のない画像及び非画像
部の汚れのない製版物が得られ、且つ不感脂化処理をし
て印刷版とした後オフセット印刷した印刷物も地汚れの
ない鮮明な画像を得ることが可能となる。
【0022】本発明の画像受理層の表面は、好ましくは
ベック平滑度で30〜150(秒/10cc)、より好まし
くは40〜120(秒/10cc)の範囲に調整されてい
る。これにより、非画像部のトナー飛散あるいはインク
付着による汚れが実用上問題とならず、且つ画像部のト
ナーあるいはインク付着が均一且つ充分になされ、細線
・細文字の再現性やベタ部の均一性が良好となる。
【0023】これに対して、化合物〔P〕を含有しない
従来の画像受理層では、上記のベック平滑度の範囲にお
いても非画像部の汚れが発生する。両者の製版後の非画
像部を200倍の光学顕徴鏡で観察すると、単位面積当
たりの飛散トナーの付着数はほぼ同数であるが、付着し
たトナーの大きさに大きな違いがあり、15μm以上の
大きなトナー粒子数が、本発明のものは従来のものに比
べ約50%以下と著しく少なくなる。この結果、地汚れ
は実用上問題とならないレベルに抑制される。
【0024】更に、最終目的である不感脂化処理を施し
た印刷版を作成し印刷した場合に、本発明から成る印刷
版は、細線、細文字の再現性及びベタ部の均一性に優れ
た画像部とインキ付着による地汚れが少なく実用上全く
問題とならない優れた印刷物を提供することができる。
【0025】この様な本発明の優れた効果を奏する主な
理由として、本発明の画像受理層表面の形状による効果
が挙げられる。即ち、触針式表面粗さ計での測定による
三次元表面粗さ及びSEMによる表面写真を調べた所、
従来の画像受理層(化合物〔P〕を含有しない)と比べ
て、本発明の画像受理層は、凹凸の形成が高く且つ間隔
が密な表面状態を形成している。具体的には、ISO−
468で定義される、表面中心平均粗さSRaが1.3
〜3.5μmの範囲で且つ表面粗さの密度を表示する平
均波長Sλaが50μm以下の範囲である。より好まし
くは、SRaが1.35〜2.5μm、Sλaが45μ
m以下の範囲である。この事により、電子写真製版後の
非画像部への飛散トナーの付着及び付着トナーの定着時
の太りが抑制されるものと推定される。
【0026】以上の様な本発明の効果は、本発明の画像
受理層に含まれる酸化亜鉛と前記水溶性化合物〔P〕が
分散媒とともに湿式分散されていることにより、より顕
著に奏せられるものである。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明に供せられる画像受
理層について説明する。本発明に供せられる酸化亜鉛
は、例えば日本顔料技術協会編「新版顔料便覧」319
頁、(株)誠文堂、(1968年刊)に記載の如く、酸
化亜鉛、亜鉛華、湿式亜鉛華あるいは活性亜鉛華として
上市されているもののいずれでもよい。
【0028】即ち、酸化亜鉛は、出発原料及び製造方法
により、乾式法としてフランス法(間接法)、アメリカ
法(直接法)及び湿式法と呼ばれるものがあり、例え
ば、正同化学(株)、堺化学(株)、白水化学(株)、
本荘ケミカル(株)、東邦亜鉛(株)、三井金属工業
(株)等の各社から市販されているものが挙げられる。
【0029】これら酸化亜鉛において乾式法で得られる
ものは、その粒子の1次粒子平均粒径は、1.0μm以
下であり、又湿式法で得られたものは、その1次粒子平
均粒径は0.1μm以下であるのが一般的である。次に
亜鉛イオンとキレート化合物を形成する前記一般式
(I)で表わされる部分構造を少なくとも2個以上含有
する水溶性化合物〔P〕について説明する。
【0030】該化合物〔P〕は、少なくとも、水への溶
解性が0.5重量%以上でより好ましくは1重量%以上
のものであり、該化合物〔P〕は、上記物性を満足する
ものであればよい。化合物〔P〕として、好ましくは一
般式(II)で表わされる重合体〔PA〕及び/又は一般
式(III)で表わされる重合体成分を含有する重合体
〔PB〕を少なくとも1種含有する化合物があげられ
る。
【0031】
【化8】
【0032】R1〜R7は置換基を有してもよく、さらに
互いに連結して環を形成してもよい有機残基を表わす。
さらに上記一般式(II)中のn、l、fは1以上10以
下の整数を、m、r、gは0以上の整数を表わし、かつ
重合体〔PA〕の重量平均分子量が1×103以上にな
る組み合わせを表わす。
【0033】
【化9】
【0034】またZは連結基として2価の有機残基を表
わす。さらにf1及びf2は互いに同じでも異なってもよ
く、各々水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1
〜8の炭化水素基、−COO−T1または炭素数1〜8
の炭化水素基を介した−COO−T1(T1は炭素数1〜
18の炭化水素基を表す)を表す。Yは、単結合もしく
は−COO−、−OCO−、−(CH2a−COO−、
−(CH2b−OCO−(a、bは1〜3の整数を表
す)、−CON(k1)−〔k1は水素原子または炭素数
1〜12の炭化水素基を表す〕、−CONHCONH
−、−CONHCOO−、−O−、−C64−又は−S
2−を表す。
【0035】hは1以上の整数で、かつ重合体〔PB〕
の重量平均分子量が1×103以上になる値を表わす。
【0036】更に、一般式(I)における
【0037】
【化10】
【0038】は、−PO32(ホスホン酸基)、−OP
32(リン酸基)又はそれらの塩を表し、好ましい塩
としては無機塩(例えばリチウム、ナトリウム、カリウ
ム等の塩)、アンモニウム塩、又は有機塩基との塩〔例
えば1級アミン、2級アミン又は3級アミン(これらア
ミンにおける炭化水素基としては、例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、
トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オク
タデシル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、ベ
ンジル基、フェネチル基等があげられ、又これらの炭化
水素基は、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ア
ルコキシ基、アミド基等の置換基を含有していてもよ
い)、アニリン類(例えばアニリン、N−メチルアニリ
ン、N,N−ジメチルアニリン、N−エチルアニリン、
N−ブチルアニリン、N−メチル−N−ブチルアニリン
等)、あるいはヘテロ原子含有の環状窒素化合物(例え
ば、ピリジン、モルホリン、ピペラジン、ピリジン
等)〕或いは=NCH2−との分子内塩(−N+CH2
3 -H又は−N+CH2OPO3 -H等)を表し、これらの
塩化合物は、分子中の酸性基の一部あるいは全てが塩で
あってもよく、又形成する塩は同じでも異なってもよ
い。
【0039】一般式(II)におけるR1、R2は水素原子
又は置換基を有してもよく、互いに連結して環を形成し
てもよい有機残基を示し、具体的には炭素数1〜18の
置換されてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アル
ケニル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、
スルフィド基、アミノ基、ハロゲン基、シアノ基、ニト
ロ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ホスホン酸基、
リン酸基、スルホン酸基、(これら酸性基の塩を含
む)、アミド基、スルホンアミド基、エステル基、ウレ
ア基、ウレタン基等を表し、置換基としてアルコキシ
基、スルフィド基、アミノ基、ハロゲン基、シアノ基、
ニトロ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ホスホン酸
基、リン酸基、スルホン酸基(これら酸性基の塩を含
む)、アミド基、スルホンアミド基、エステル基、ウレ
ア基、ウレタン基等が挙げられる。
【0040】さらに、これらは互いに連結して置換基を
有してもよい炭素数3〜22の脂肪族環又は芳香族環を
形成することができる。R1、R2は好ましくは水素原子
又は炭素数1〜14の置換されてもよいアルキル基(例
えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、ヘプチル、ヘキシル、オクチル、デシ
ル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、2−ヒド
ロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキ
シプロピル、4−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブ
チル、2−メトキシエチル、2−ブトキシエチル、2−
エトキシエチル、4−メトキシブチル、メチルチオエチ
ル、メチルチオブチル、2−アミノエチル、N,N′−
ジメチルアミノエチル、ピペリジノメチル、ピロリジノ
エチル、2−クロロエチル、2−クロロブチル、2−ブ
ロモエチル、2−シアノエチル、4−シアノブチル、2
−カルボキシエチル、カルボキシメチル、3−カルボキ
シプロピル、3−モルホリノプロピル、2−モルホリノ
エチル、2−スルホエチル、2−ピペリジノエチル、ア
ミドメチル、チオエチル、イミダゾリジドエチル、スル
ホンアミドエチル、ホスホノプロピル、ホスホノメチル
アミノエチル等)、炭素数2〜18の置換されてもよい
アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基、イソプロ
ペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、
オクテニル基等)、炭素数7〜12の置換されてもよい
アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナ
フチルメチル基、2−ナフチルエチル基、メトキシベン
ジル基、エトキシベンジル基、メチルベンジル基等)、
炭素数5〜8の置換されてもよいシクロアルキル基(例
えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘ
プチル基等)又は炭素数6〜12の置換されてもよいア
リール基(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル
基、メシチル基、ナフチル基、メトキシフェニル基、エ
トキシフェニル基、フロロフェニル基、メチルクロロフ
ェニル基、ジフロロフェニル基、ブロモフェニル基、ク
ロロフェニル基、ジクロロフェニル基、メチルカルボニ
ルフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキ
シカルボニルフェニル基、メタンスルホニルフェニル
基、シアノフェニル基等)があげられる。
【0041】また、R1、R2が互いに連結して形成され
る環としては、炭素数3〜18の置換されてもよい脂肪
族環(例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロ
ペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、ビシクロ
〔2,2,1〕ヘプテン、ビシクロ〔2,2,2〕オク
タン等)、炭素数6〜12の置換されてもよい芳香族環
(例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピロ
ール、ピリジン、イミダゾール、チオフェン等)があげ
られ、置換基としては、R1、R2で記した内容と同一の
ものを含む。
【0042】また、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8
は、前記R1、R2と同じ内容を表す。一般式(III)に
おいて、好ましくは、f1及びf2は、互いに同じでも異
なってもよく、各々水素原子、ハロゲン原子(例えば塩
素原子、臭素原子、フッ素原子)、シアノ基、炭素数1
〜3のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピ
ル基等)、−COOT1又は−CH2COOT1{T1は炭
素数1〜8のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オク
チル基等)、炭素数7〜9のアラルキル基(例えばベン
ジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基等)又
は置換されてもよいフェニル基(例えばフェニル基、ト
リル基、キシリル基、メトキシフェニル基等)を表わ
す}を表わす。
【0043】より好ましくは、f1及びf2のうちのいず
れか一方が水素原子を表わす。
【0044】Yは、好ましくは、−COO−、−OCO
−、−CH2COO−、−CH2OCO−、−CONH
−、−CONHCONH−、−CONHCOO−又は−
64−、−CON(k1)−を表わす。Yが−C64
−を表わす場合、ベンゼン環は、置換基を有してもよ
い。置換基としては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、
臭素原子等)、アルキル基(例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、クロロメチル基、メトキシ
メチル基等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エト
キシ基、プロピオキシ基、ブトキシ基等)等が挙げられ
る。
【0045】また、k1は、水素原子又は炭素数1〜1
2の炭化水素基(例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ド
デシル基、2−メトキシエチル基、2−クロロエチル
基、2−シアノエチル基、ベンジル基、メチルベンジル
基、クロロベンジル基、メトキシベンジル基、フェネチ
ル基、フェニル基、トリル基、クロロフェニル基、メト
キシフェニル基、ブチルフェニル基等)を表わす。
【0046】Zは、好ましくは二価の脂肪族残基又は芳
香族残基を表わし、脂肪族基として具体的には−(CH
2m1−(m1は2〜18の整数)、−CH2−C
(g1)(g2)−(g1及びg2は各々水素原子又はメチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、
オクチル基、デシル基等の炭素数1〜12のアルキル基
を表わす。ただし、g1とg2のいずれもが水素原子を表
わす事はない)、−CH(g3)−(CH2m2−(g3
は炭素数1〜12のアルキル基(例えばメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基
等)を表わし、m2は2〜18の整数を表わす)等が挙
げられる。
【0047】また、二価の芳香族基としては、例えばベ
ンゼン環基、ナフタレン環基及び5又は6員の複素環基
(複素環を構成するヘテロ原子として、酸素原子、イオ
ウ原子、窒素原子から選ばれたヘテロ原子を少なくとも
1種含有する)が挙げられる。これらの芳香族基は置換
基を有していてもよく、例えばハロゲン原子(例えばフ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、炭素数1〜8のア
ルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ヘキシル基、オクチル基等)、炭素数1〜6の
アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、プロピ
オキシ基、ブトキシ基等)が置換基の例として挙げられ
る。
【0048】複素環基としては、例えばフラン環、チオ
フェン環、ピリジン環、ピラジン環、ピペラジン環、テ
トラヒドロフラン環、ピロール環、テトラヒドロピラン
環、1,3−オキサゾリン環等が挙げられる。式(II
I)で表わされる重合体成分を含む重合体〔PB〕は、
式(III)の重合体成分単独で形成されていてもよく、
さらには共重合体として少なくとも、10wt%以上の
式(III)の重合体成分を含有していればよい。また好
ましくは、40wt%以上の式(III)の重合体成分を
含有する。
【0049】組み合わされる重合体成分としては、式
(III)の重合体成分と共重合しうるものであればどの
ような化合物でもよいが、好ましくは、ビニル系のモノ
マー、例えばメタ及びアクリル系、メタ及びアクリルア
ミド系、スチレン系、メタ及びアクリロニトリル、ハロ
ゲン化ビニル系、ビニルエーテル系、ビニルカルボン酸
エステル系、芳香族ビニル系等が挙げられる。
【0050】また、これら重合体〔PA〕、〔PB〕は
重量平均分子量が1×103以上であればよいが、好ま
しくは1×103以上、1×106以下であり、より好ま
しくは、1×103以上、2×105以下である。本発明
の一般式(I)〜(III)で表される化合物について具
体例を以下に述べる。但し本発明の範囲は、これらに限
定されるものではない。
【0051】又具体例中のP1はホスホン酸メチル基
(−CH2PO32)、P2はリン酸メチル基(−CH2
OPO32)を表す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】
【表7】
【0059】
【表8】
【0060】
【表9】
【0061】本発明の化合物はSYNTHESIS 81〜96 (197
9) 、「実験化学講座19」(丸善1957年刊)記載のシ
ッフ塩基へのホスホン酸の付加反応、アルコールとオル
トリン酸の脱水縮合反応又はアルコールとオキシ塩化リ
ンの縮合反応等によりモノマー類を合成し、単独重合又
は各種共重合モノマーとの共重合による方法ないしはベ
ースとなるアミンオリゴマー(ポリエチレンイミン等)
との上記反応による高分子反応により合成することがで
きる。
【0062】さらに、本発明の各種オリゴマーの重量平
均分子量は水溶液中で光散乱法(装置:大塚電子製SL
S−6000R)により求めることができる。本発明の
画像受理層中に含有される化合物〔P〕の含有量は、酸
化亜鉛100gあたり、1.0×10-4〜1.0×10
-1モル、特に1.0×10-4〜5.0×10-2モルであ
ることが好ましい。鮮明な複写画像の画像部と地汚れの
ない非画像部とからなる印刷物を得るにはこの範囲は適
当である。より好ましくは2.0×10-4〜4.0×1
-2モルである。
【0063】他方、本発明の化合物〔P〕とともに、水
溶性塩基性化合物(B)を共存して用いることで、亜鉛
イオンと化合物〔P〕中の−PO32または−OPO3
2とキレートを形成し、且つキレート化物の凝集調整
する本発明の効果をより効果的に行なうこともできる。
本発明の化合物〔P〕とともに併用する水溶性塩基性化
合物(B)とは、分子中に1級〜3級のアミノ基、イミ
ノ基、第4級アンモニウム塩基、ヒドラジン基、窒素原
子含有ヘテロ環基等から選ばれる塩基性基を少なくとも
1種含有する化合物であり、水に対する溶解性は0.5
重量%以上、好ましくは1重量%以上であればよい。該
塩基性化合物(B)は、低分子化合物もしくは分子量約
500〜1×106の範囲のオリゴマー、ポリマー(こ
れらを単に該ポリマーという)のいずれであってもよ
い。好ましくは、該塩基性化合物(B)は、水溶性のも
のが挙げられる。
【0064】低分子化合物の具体例としては、特開昭5
4−11720号、同53−109701号、特開平1
−25994号各公報等に記載の低級アミン類(例え
ば、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン等)、アル
カノールアミン類(例えばモノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン、モノエタノー
ルメチルアミン等)、ポリアミン類(例えばエチレンジ
アミン、N,N′−ジメチルエチレンジアミン、N,
N′−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエ
チレンジアミン等)、特開平5−82084号、同5−
104878号、同5−124372号、同5−104
879号、同5−155171号各公報等に記載の特定
の置換基を含有する炭素数6〜12程度の1級〜3級の
アミン化合物、第4級アンモニウム塩化合物としては、
例えばテトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアン
モニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラブ
チルアンモニウム塩、トリメチルベンジルアンモニウム
塩、トリブチルベンジルアンモニウム塩等が挙げられ、
対アニオンとしてはハロゲンイオン(例えばフッ素、塩
素、臭素、ヨウ素)、水酸イオン、スルホン酸イオン、
PF6 -、ClO4 -等が挙げられる。
【0065】又、分子量500〜1×106の範囲の該
ポリマー、例えばカチオンポリマーとしては、具体的に
はメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アセトグアナミン
−ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムア
ルデヒド樹脂、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミ
ンアルキル変性体、ポリエチレンジイミンとモノ又はジ
エポキシ化合物の付加体、ポリエチレンイミンとモノ又
はジアクリレート化合物の付加体、ポリアミドポリアミ
ン、エピクロルヒドリン、アニリン樹脂塩酸塩、ポリチ
オ尿素塩酸塩、カチオン化アミノ樹脂、ポリビニルピリ
ジン塩酸塩、ポリアクリルアミドカチオン変性物(ポリ
アクリルアミドをホフマン分解させたビニルアミン重合
体、ポリアクリルアミドをホルマリンと2級アミンでマ
ンニッヒ反応させたものや更にジメチル硫酸で第4級ア
ンモニウム塩としたもの)、ポリビニルベンジルクロラ
イドを第3級アミンで第4級アンモニウム塩としたも
の、ポリ(N−ビニル−2−メチルイミダゾリウムメチ
ルサルフェート)、上記したような1級〜3級のアミノ
基、窒素原子含有のヘテロ環基もしくはこれら塩基性基
の第4級アンモニウム塩基を含有する(メタ)アクリレ
ート重合体もしくは共重合体、(メタ)アクリレート共
重合体と同様の塩基性基もしくは第4級アンモニウム塩
基を含有するスチレン系共重合体、ポリアリルアミンあ
るいはそれらのアルキル変性体、特公昭45−2460
9号公報中に記載されている、くり返し単位中に脂肪族
アミノ基を含有する重合体のアミノ基を1部又は全部、
塩の形または4級化した形に変えたポリアルキルイミン
化合物、エポキシ樹脂のアミン付加物、マレイン化ポリ
マーのアミン付加物、アミノ基含有ポリアミド樹脂、ポ
リアミド−エポキシ樹脂、ポリアミド−エピクロルヒド
リン樹脂等が挙げられる。
【0066】該ポリマーが共重合体である場合には、ラ
ンダム共重合体、グラフト型・AB型等のブロック共重
合体、スター型共重合体あるいは内部架橋構造の共重合
体のいずれであってもよい。本発明の具体的化合物はこ
れらに限定されるものではなく、又、これら化合物は単
独もしくは2種以上を混合して使用されてもよい。これ
ら塩基性化合物が画像受理層中に含有される量は、酸化
亜鉛100重量部あたり0.05〜10重量部であるこ
とが好ましい。より好ましくは0.1〜5重量部であ
る。
【0067】本発明の画像受理層が前記した特定の凹凸
で密な分布状態となり且つ表面濡れ性が調整され、結果
として、鮮明な複写画像で地汚れのない印刷物を得るに
は、この範囲が適当である。
【0068】本発明における画像受理層に含まれる酸化
亜鉛と前記水溶性化合物〔P〕は分散媒とともに湿式分
散されていることが好ましい。こうした湿式分散処理に
より以下の様な酸化亜鉛表面の改質がなされるものと考
えられる。
【0069】酸化亜鉛及び化合物〔P〕は分散媒中での
湿式分散過程において、酸化亜鉛微粒子表面がプロトン
との界面反応により亜鉛イオンを生成し、これが、化合
物〔P〕と速やかに反応して、キレート化合物を生じ、
このキレート化合物が、分散媒に不溶性のために速やか
に酸化亜鉛の微粒子表面に沈殿固定し、酸化亜鉛粒子表
面が親水性の雰囲気に化学改質される。
【0070】更に、該化学改質された酸化亜鉛粒子は、
分散媒中で粒子同士がほぼ均質な凝集塊を形成した分散
状態となり、画像受理層として成膜された時に、適度な
凹凸で且つ稠密な分布の膜状態が発現するものと考えら
れる。
【0071】本発明において、予め酸化亜鉛、キレート
能を有する化合物〔P〕から少なくとも成る混合物を分
散媒中で湿式分散機を用いて分散した後、遠心分離等で
分散物を捕集し充分水洗した後、乾燥して所望の化学改
質された酸化亜鉛を得ることができる。この際、酸化亜
鉛の分散性向上もしくは調節するために、従来公知の分
散剤を併用することが好ましい。あるいは、上記の様に
して捕集した固体を乾燥することなく、又は上記の様
に、湿式分散処理した分散物を、分別して単離すること
なく画像受理層の結着樹脂、更には他の添加物を加え
て、再分散して画像受理層用塗工分散物を調整し、支持
体上に塗工することもできる。
【0072】更に好ましくは、本発明の原版の作成にお
いては、酸化亜鉛、結着樹脂、化合物〔P〕や他の添加
剤を分散媒とともに分散した後そのまま支持体上に塗布
する方法が挙げられる。これにより製造工程が簡略化さ
れ生産性が著しく向上できる。本発明における分散媒
は、沸点200℃以下、好ましくは150゜以下の溶媒
であればいずれでもよく、単独もしくは2種以上を混合
して用いてもよい。又溶媒としては、水、水溶性溶媒、
非水溶性溶媒のいずれに限定されるものではないが、非
水溶性溶媒を主な分散媒として用いる際は、化合物
〔P〕を溶解するため水もしくは水と水溶性溶媒の混合
溶媒に溶解し、不均一相の乳化系で処理することが好ま
しい。
【0073】又分散媒として水を主たる溶媒として用い
る場合には、本発明で用いる化合物〔P〕は亜鉛イオン
とのキレート化合物を形成した時には、該キレート物の
水への溶解性が15重量%以下のものが好ましく、より
好ましくは10重量%以下のものを用いる。他方、分散
媒として非水溶性溶媒を用いる場合には、酸化亜鉛、結
着樹脂を少なくとも含む混合物を非水系分散媒とともに
まず湿式分散(第1分散処理)し、粒度分布の比較的揃
った細かい微粒子状に酸化亜鉛を分散した後に、この分
散物に所定量の化合物〔P〕を加えて更に分散し、酸化
亜鉛粒子の凝集性を調整(第2分散処理)して塗工用分
散物を作成し耐水性支持体上に塗布・乾燥して塗膜を形
成することにより製造される方法が好ましい。
【0074】更には、第1分散処理において、酸化亜
鉛、結着樹脂とともに、−CO2 H、−SO 3H、−P
3 2 から選ばれる少なくとも1種の酸性基を含有す
る低分子有機化合物〔化合物(A)と略称〕を化合物
(A)を共存させての分散処理により、速やかに酸化亜
鉛粒子が細分散される。
【0075】化合物〔A〕が供せられる画像受理層用非
水系分散媒100gに対して、化合物〔A〕は、0.0
05g以上溶解すればよく、より好ましくは0.01g
以上のものである。更に好ましくはトルエン−メタノー
ル(80/20)重量比の混合溶媒100gに対して
0.01g以上が溶解する化合物である。
【0076】該化合物〔A〕は、酸化亜鉛100gに対
して好ましくは1×10-5〜1×10-2モル、より好ま
しくは1×10-4〜5×10-3モルを用いる。
【0077】この範囲の中で、酸化亜鉛、結着樹脂とと
もに湿式分散すると速やかに酸化亜鉛粒子を微粒子化す
ることができ、且つ、塗膜の強度が充分で印刷版として
印刷しても膜損を生じることがない。好ましい化合物
〔A〕は、上記の様な物性を満たすとともに有機概念図
に基づく〔有機性/無機性〕値比(藤田穆、化学の領域
11No.10、P719〜725(1957))(O/
I値と略称)で0.40〜2.1、より好ましくは0.
45〜1.8の範囲のものが挙げられる。
【0078】この物性の範囲の中で、酸化亜鉛粒子の分
散性向上と不感脂化処理後の非画像部の保水性の保持
(即ち、インキ付着防れの防止)とを同時に満足するこ
とができる。具体的にはO/I値比で0.40〜2.1
の範囲にある−CO2H、−SO3H、−PO32から選
ばれる少なくとも1種の酸性基が脂肪族分子、脂環式族
分子あるいは芳香族分子中に含有される化合物である。
【0079】脂肪族としては、炭素数5〜10個の置換
基を含有してもよいアルカン類(例えばペンタン、ヘプ
タン、オクタン、ノナン、デカン等)炭素数3〜10個
の置換基を含有してもよいアルケン類(プロペン、ブテ
ン、ペンテン、ヘキセン、オクテン等)が挙げられる。
ここで、他の置換基としては、例えばハロゲン原子(フ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、炭素数1〜3のアルキル
基、炭素数1〜4のアルコキシ基(メトキシ基、エトキ
シ基、プロポキシ基、ブトキシ基)、シアノ基、ホルミ
ル基、炭素数1〜4のアルキル基置換のカルボン酸エス
テル基(例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基等)、アルキルチオール基(メチルチオール基、
エチルチオール基等)、アシル基(例えばアセチル基、
プロピオニル基等)、アルカンスルホニル基、(例えば
メタンスルホニル基等)、カルボンアミド基〔例えばN
−メチル体、N,N−ジメチル体、エチル体、N,N−
ジエチル体、N−メチロール基、N−(2−ヒドロキシ
エチル)体等)、スルホンアミド基(N−置換体として
は、カルボキシアミド体と同様の置換体等〕等が挙げら
れる。
【0080】更に脂肪族分子として、メチレン基ととも
に、主鎖を構成する連結基が
【0081】
【化11】
【0082】から選ばれる基で構成され、主鎖部分を構
成する原子の総数が3〜18個から成る化合物が挙げら
れる。ここでR1、R2、R3は、各々水素原子、炭素数
1〜7の置換されてもよい脂肪族基を表わす(例えばメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロ
ペンチル基、ベンジル基、2−クロロエチル基、3−メ
トキシプロピル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シア
ノエチル基等、R4、R5は、各々炭素数1〜7の置換さ
れてもよい脂肪族基を表わす。
【0083】脂環式族分子としては炭素数5〜12で構
成される置換基を含有してもよい化合物(例えばシクロ
ペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シ
クロヘキサジエン環、ノルボルナン環、ノルボルネン
環、2−ノルボルナノン酸、アダマンタン環、等)等が
挙げられる。本発明の特定の酸性基以外の置換基として
は、上記の脂肪族分子で含有される「他の置換基」と同
様のものが挙げられる。
【0084】芳香族分子としては、ベンゼン環、ナフタ
レン環、ナフトキノン環、アントラセン環、アントラキ
ノン環等が挙げられ、これらは上記脂肪族分子と同様の
「他の置換基」を含有してもよい。
【0085】又ヘテロ原子(例えば窒素原子、酸素原
子、イオウ原子等)を少なくとも1種含有するヘテロ環
構造の分子(例えばピラン環、フラン環、ピリジン環、
ピリミジン環、ピペリジン環、モルホリン環、オキサゾ
ール環、チアゾール環、チオフェン環、ベンゾチオフェ
ン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラジン環、ベン
ゾチオフェン環、インドール環、キノリン環、カルバゾ
ール環、ベンゾチアゾール環、ピラゾロン環、バルビツ
ール酸環、イミダゾール環、イミダゾロン環等)等が挙
げられ、これらは上記脂肪族分子と同様の「他の置換
基」を含有してもよい。本発明の化合物〔A〕は、以下
の様な例に限定されるものではなく、前記した分散媒へ
の溶解性と分子の〔有機性/無機性〕値比の範囲にある
ことが好ましいものである。
【0086】本発明の画像受理層に供される結着樹脂と
しては、従来の結着樹脂として知られている全てのもの
が利用できる。代表的なものは塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−
メタクリレート共重合体、メタクリレート共重合体、ア
クリレート共重合体、酢酸ビニル共重合体、ポリビニル
ブチラール、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ
樹脂、エポキシエステル樹脂、ポリエステル樹脂等、ま
た水溶性高分子化合物としてポリビニルアルコール、変
性ポリビニルアルコール、澱粉、酸化澱粉、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼ
イン、ゼラチン、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、
ポリアミド、ポリアクリルアミド等が挙げられる。これ
らの樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を併用して
もよい。
【0087】本発明の画像受理層に供される結着樹脂の
分子量は、好ましくは103〜106、より好ましくは5
×103〜5×105である。また、この樹脂のガラス転
移点は好ましくは−10℃〜120℃、より好ましくは
0℃〜90℃である。本発明の画像受理層には、上記し
た成分とともに、他の構成成分を含有してもよい。
【0088】含有されてもよい他の成分として本発明に
供される表面改質された酸化亜鉛の他に無機顔料として
は、例えば、カオリンクレー、炭酸カルシウム、炭酸バ
リウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシ
ウム、酸化チタン、シリカ、アルミナ等が挙げられる。
これらの無機顔料の中で、酸化亜鉛を併用する場合に
は、本発明の表面改質酸化亜鉛100重量部に対して、
好ましくは10〜90重量部の割合で用いることができ
る。より好ましくは20〜80重量部である。又は他の
無機顔料を併用する場合は、本発明の表面改質酸化亜鉛
に対して、20重量部を越えない範囲で用いることがで
きる。
【0089】更には、該画像受理層の不感脂化向上のた
めに、特開平4−201387号、同4−223196
号、同4−319491号、同5−58071号、同4
−353495号、同5−119545号各公報等に記
載の特定の官能基を含有する樹脂粒子を含有させてもよ
い。これら他の無機顔料あるいは樹脂粒子が上記の使用
範囲の中で用いられることで不感脂化処理による非画像
部の不感脂化(親水性)が充分になされ、印刷物の地汚
れが抑制され、又、画像部が画像受理層と充分に密着
し、印刷枚数が多くなっても画像の欠損を生じることな
く充分な耐刷性を得ることができる。
【0090】画像受理層中の顔料/結着樹脂の割合は、
一般に顔料100重量部に対して、結着樹脂が10〜2
5重量部の割合であり、好ましくは13〜22重量部の
割合である。この範囲において、本発明の効果が有効に
発現するとともに、印刷時における膜強度の保持あるい
は不感脂化処理時の高い親水性の維持がなされる。その
他、画像受理層には、膜強度をより向上させるために架
橋剤を添加してもよい。特に、結着樹脂として、水溶性
樹脂を用いる場合には、架橋剤を併用して膜を硬化し、
耐水性を向上させることが好ましい。
【0091】架橋剤としては、通常架橋剤として用いら
れる化合物を挙げることができる。具体的には、山下普
三、金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(19
81年)、高分子学会編「高分子データハンドブック、
基礎編」培風館(1986年)等に記載されている化合
物を用いることができる。
【0092】例えば、塩化アンモニウム、金属イオン、
有機過酸化物、有機シラン系化合物(例えば、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン等のシランカップリング剤等)、ポリ
イソシアナート系化合物(例えば、トルイレンジイソシ
アナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、トリフ
ェニルメタントリイソシアナート、ポリメチレンポリフ
ェニルイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、イソホロンジイソシアナート、高分子ポリイソシア
ナート等)、ポリオール系化合物(例えば、1,4−ブ
タンジオール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリ
オキシエチレングリコール、1,1,1−トリメチロー
ルプロパン等)、ポリアミン系化合物(例えば、エチレ
ンジアミン、γ−ヒドロキシプロピル化エチレンジアミ
ン、フェニレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N
−アミノエチルピペラジン、変性脂肪族ポリアミン類
等)、チタネートカップリング系化合物(例えばテトラ
ブトキシチタネート、テトラクロロエポキシチタネー
ト、イソプロピルトリステアロイルチタネート等)、ア
ルミニウムカップリング系化合物〔例えばアルミニウム
ブチレート、アルミニウムアセチルアセテート、アルミ
ニウムオキシドオクテート(アルミニウムトリス(アセ
チルアセテート)等〕、ポリエポキシ基含有化合物及び
エポキシ樹脂(例えば、垣内弘編著「新エポキシ樹脂」
昭晃堂(1985年刊)、橋本邦之編著「エポキシ樹
脂」日刊工業新聞社(1969年刊)等に記載された化
合物類)、メラミン樹脂(例えば、三輪一郎、松永英夫
編著「ユリア・メラミン樹脂」日刊工業新聞社(196
9年刊)等に記載された化合物類)、ポリ(メタ)クリ
レート系化合物〔例えば、大河原信、三枝武夫、東村敏
延編著「オリゴマー」講談社(1976年刊)、大森英
三「機能性アクリル系樹脂」テクノシステム(1985
年刊)等に記載された化合物類)が挙げられる。
【0093】本発明では、画像受理層中での架橋反応を
促進させるために、必要に応じて反応促進剤を添加して
もよい。架橋反応が官能基間の化学結合を形成する反応
様式の場合には、例えば有機酸類(酢酸、プロピオン
酸、酪酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸類)、フェノール類(フェノール、クロロフェノー
ル、ニトロフェノール、シアノフェノール、ブロモフェ
ノール、ナフトール、ジクロロフェノール類)、有機金
属化合物(アセチルアセトナートジルコニウム塩、アセ
チルアセトンジルコニウム塩、アセチルアセトコバルト
塩、ジラウリン酸ジブトキシスズ等)、ジチオカルバミ
ン酸化合物(ジエチルジチオカルバミン酸塩類)、チノ
ウラムジスルフィド化合物(テトラメチルチノウラムジ
スルフィド等)、カルボン酸無水物(無水フタル酸、無
水マレイン酸、無水コハク酸、ブチルコハク酸無水物、
3,3′,4,4′−テトラカルボン酸ベンゾフェノン
ジ無水物、トリメリット酸無水物等)等が挙げられる。
架橋反応が重合性反応様式の場合には、重合開始剤(過
酸化物、アゾビス系化合物等)が挙げられる。
【0094】結着樹脂は、画像受理層組成物を塗布した
後、光及び/又は熱硬化されることが好ましい。熱硬化
を行なうためには、例えば、乾燥条件を従来の受理層作
製時の乾燥条件より厳しくする。例えば、乾燥条件を高
温度及び/又は長時間とするか、あるいは塗布溶剤の乾
燥後、更に加熱処理することが好ましい。例えば60℃
〜150℃で5〜120分間処理する。上述の反応促進
剤を併用すると、より穏やかな条件で処理することがで
きる。
【0095】樹脂中の特定の官能基を光照射で硬化する
方法としては、化学的活性光線で光照射する工程を入れ
る様にすればよい。化学的活性光線としては、可視光
線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線、γ線、α線など
いずれでもよいが、好ましくは紫外線、より好ましくは
波長310nmから波長500nmの範囲の光線である。一
般には低圧、高圧あるいは超高圧の水銀ランプ、ハロゲ
ンランプ類が用いられる。光照射の処理は通常5cm〜5
0cmの距離から10秒〜10分間の照射で充分に行うこ
とができる。
【0096】本発明の画像受理層は耐水性支持体上に設
けられる。耐水性支持体としては、耐水化処理を施した
紙、プラスチックフィルムあるいは金属箔をラミネート
した紙又はプラスチックフィルム等を用いることができ
る。本発明では支持体と画像受理層との間に耐水性及び
層間接着性を向上する目的でアンダー層を、また画像受
理層とは反対の支持体面にカール防止を目的としてバッ
クコート層(裏面層)を設けることができる。
【0097】ここでアンダー層はアクリル樹脂、エチレ
ン−ブタジエン共重合体、メタアクリル酸エステル−ブ
タジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエマルジョン
型樹脂;エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリ塩
化ビニル、ポリ酢酸ビニル等の溶剤型樹脂;前述のよう
な水溶性樹脂等の少なくとも1種を主成分として構成さ
れるが、必要に応じて無機顔料や耐水化剤を添加するこ
とができる。
【0098】バックコート層の構成もアンダー層とほぼ
同様である。
【0099】電子写真製版として用いられる場合には、
本発明の印刷原版の地汚れをいっそう低減するため、印
刷原版としての画像受理層が体積固有抵抗が108〜1
13Ωcmとなるように、画像受理層、アンダー層及び/
又はバックコート層に導電剤を添加することができる。
【0100】導電剤としては、無機系のものでも有機系
のものでもいずれでもよく、単独もしくは2種以上を併
用してもよい。無機系のものとしては、例えば、Na,
K,Li等の1価金属の塩、Mg,Ca,Ba,Zn,
Ti,Co,Ni,Zr,Al,Si等の多価金属の塩
又は酸化物あるいはアンモニウム塩等が挙げられる。有
機系のものとしては、低分子化合物でも高分子化合物で
もいずれでもよく、従来、導電化剤、帯電防止剤あるい
は界面活性剤等に用いられる化合物が挙げられる。例え
ば、金属セッケン(例えば有機カルボン酸・スルホン酸
・ホスホン酸の金属塩等)、4級塩化合物(4級アンモ
ニウム塩、ホスホニウム塩等)、アニオン界面活性剤、
ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アルコール
化合物(例えば、アセチレン−1,2−ジオール、キシ
リレンジオール、ビスフェノールA等の結晶性化合物)
等、公知の材料を、単独もしくは2種以上を任意に混合
して、用いることができる。
【0101】これらの導電剤の添加量は各層に使用され
る結着樹脂量の3〜40重量%、好ましくは5〜20重
量%である。本発明の直描型平版印刷用原版を作るには
一般に、支持体の一方の面に、必要あればアンダー層成
分を含む溶液を塗布乾燥してアンダー層を形成後、画像
受理層成分を含む溶液を塗布乾燥して画像受理層を形成
し、更に必要あれば他方の面にバックコート層成分を含
む溶液を塗布乾燥してバックコート層を形成すればよ
い。なお画像受理層、アンダー層、バックコート層の塗
布量は、それぞれ1〜30g/m2、特に6〜20g/m2
が適当である。
【0102】本発明の直描型平版印刷用原版を用いた印
刷版の作成は、上記した構成の直描型平版印刷用原版
に、公知技術により画像を形成・定着して製版した後、
不感脂化液で表面処理して非画像部を不感脂化して行わ
れる。酸化亜鉛の不感脂化は、従来よりこの種の不感脂
化処理液として、フェロシアン塩、フェリシアン塩を主
成分とするシアン化合物含有処理液、アンミンコバルト
錯体、フィチン酸及びその誘導体、グアニジン誘導体を
主成分としたシアンフリー処理液、亜鉛イオンとキレー
トを形成する無機酸あるいは有機酸を主成分とした処理
液、あるいは水溶性ポリマーを含有した処理液等が知ら
れている。
【0103】例えば、シアン化合物含有処理液として、
特公昭44−9045号、同46−39403号、特開
昭52−76101号、同57−107889号、同5
4−117201号各公報等に記載のものが挙げられ
る。
【0104】フィチン酸系化合物含有処理液としては、
特開昭53−83807号、同53−83805号、同
58−102102号、同53−109701号、同5
3−127003号、同54−2803号、同54−4
4901号各公報等に記載のものが挙げられる。コバル
ト錯体等の金属錯体系化合物含有処理液としては、特開
昭53−104301号、同53−140103号、同
54−18304号、特公昭43−28404号各公報
に記載のものが挙げられる。
【0105】無機又は有機酸含有処理液としては、特公
昭39−13702号、同40−10308号、同43
−28408号、同40−26124号、特開昭51−
118501号各公報等に記載のものが挙げられる。グ
アニジン化合物含有処理液としては、特開昭56−11
1695号公報等に記載のものが挙げられる。
【0106】水溶性ポリマー含有の処理液としては、特
開昭52−126302号、同52−134501号、
同53−49506号、同53−59502号、同53
−104302号、特公昭38−9665号、同39−
22263号、同40−763号、同40−2202
号、特開昭49−36402号各公報等に記載のものが
挙げられる。
【0107】以上のいずれの不感脂化処理においても、
表面層中の酸化亜鉛がイオン化して亜鉛イオンとなり、
このイオンが不感脂化処理液中のキレートを形成する化
合物とキレート化反応を生じ、亜鉛キレート化物を形成
し、これが表面層中に沈着して親水化されるものと考え
られている。
【0108】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明を詳細に説明
するが、本発明の内容がこれらに限定されるものではな
い。 実施例1及び比較例1 乾式酸化亜鉛(正同化学(株)製)200g、下記構造
の結着樹脂(PP−1)27g、結着樹脂(PP−2)
3.0g及びトルエン310gの混合物を、湿式分散機
ケデイミルKDM7−4型(理学工業(株)製)を用い
て回転数1×104r.p.m.で30分間分散し、この分散
物に、前記構造の化合物〔PA−1〕4g、水10g及
びメタノール25gの混合溶液を加えた後、更に回転数
5×10 3r.p.m.で20分間分散して画像受理層用組成
物を得た。
【0109】
【化12】
【0110】軽印刷用電子写真式平版印刷版として用い
られているELP−1型マスター(富士写真フイルム
(株)製商品名)の支持体を用い、この上に上記組成物
をワイヤーバーを用いて塗布し、100℃で1分間乾燥
して、塗布量10g/m2の画像受理層を形成し直描型平
版印刷用原版を得た。
【0111】(比較例1)実施例1において用いた具体
例(PA−1)の化合物〔P〕を除いた他は、実施例1
と全く同様にして直描型平版印刷用原版を作成した。但
し、実施例1の画像受理層と同等のベック平滑度となる
様に分散条件を調整した。
【0112】以上の様にして作成した実施例1及び比較
例1の各印刷原版を用いて、下記に述べる如く乾式トナ
ーを用いたレーザープリンターにより製版し、不感脂化
処理をして印刷版を作成し、印刷を行なったところ、表
−6に示すような結果を得た。
【0113】
【表10】
【0114】表−6に示した評価項目は以下の通りであ
る。 注1)画像受理層の平滑性:印刷原版をベック平滑度試
験機(熊谷理工(株)製)を用い、空気容量10ccの条
件にてその平滑度(秒/10cc)を測定した。
【0115】注2)三次元表面粗さ:印刷原版を三次元
粗さ測定装置(SE−3FK、(株)小坂研究所製商品
名)及び三次元粗さ解析装置(SPA−11、(株)小
坂研究所製商品名)を用いて、その三次元表面粗さを下
記条件下で測定した。 測定条件 測定長 X軸:2.5mm、Y軸:0.4mm 軸サンプリングピッチ:0.05μm 傾斜補正あり、カットオフなし 測定値 表面/中心平均粗さ:SRa(μm) 平均波長:Sλa(μm) これらの測定は、ISO−468の基準に従がい、具体
的には、例えば奈良治郎「表面粗さの測定・評価法」
(株)総合技術センター(1983年刊)に詳述されて
いる。
【0116】注3)製版画質 印刷原版を、AM-Straight Imaging Systemとして市販さ
れている: 乾式トナーを用いたレーザープリンター(AMS
IS・1200-J Plate Setter−商品名−)を通して得られ
た製版物の複写画像について20倍のルーペ用いて目視
評価した。
【0117】注4)印刷画質 印刷原版を、注3)と同一の操作で製版した後、不感脂
化処理液(SICS、日本エーエム社(株)製商品名)
を全自動印刷機(AM−2850、エーエム社(株)製
商品名)のエッチャー部に入れ、湿し水として、不感脂
化処理液(SICS)を蒸留水で4倍に希釈した溶液
を、湿し水受皿部に入れ、オフセット印刷用墨インキを
用い、印刷機に製版物を通して印刷を行なった。印刷1
0枚目の印刷物の印刷画像(地カブリ、画像部のベタ均
一性)を20倍のルーペを用いて目視評価した。
【0118】注5)耐刷性 上記注4)と同様に操作して印刷し、印刷物の地汚れも
しくは画像の欠落が目視で判別できるまでの印刷枚数を
調べた。
【0119】表1に示す様に、同じ支持体上に設けた各
原版の画像受理層はほぼ同じベック平滑性に揃えた。更
に、画像受理層の異なる実施例1と比較例1の各原版の
表面粗さを調べて見ると、表面凹凸の大きさを表わす中
心平均粗さSRaと凹凸の間隔の目安となる平均波長S
λaの各数値から、ベック平滑性が同等である本発明の
原版と比較例1の原版とではSRaはそれ程差はないが
Sλaに大きな差があり、本発明のものがより密に凹凸
を形成していた。
【0120】他方、キレート能をもつ化合物〔P〕が存
在しない比較例1は、粗大粒子がまばらに偏在した表面
状態であった。次に原版を実際に製版し更に表面を不感
脂化処理して印刷版として、オフセット印刷を行ない、
その結果について比較検討した所、本発明の原版のみ
が、製版画質及び印刷画質ともに良好であった。即ち、
レーザープリンターからの乾式トナー転写により得られ
た本発明の製版物は、細線、細文字の欠落がなく、ベタ
部も均一で、トナー転写のムラは全く認められず、且つ
非画像部も、トナー飛散による地カブリも微かで実用上
問題のない良好なものであった。
【0121】これに対して、化合物〔P〕を用いない比
較例1の製版物は、画像部のムラが著しく又、非画像部
の地カブリの発生も多く見られ実用できるレベルには到
達しなかった。次に原版を実際に製版し更に表面を不感
脂化処理して印刷版として、オフセット印刷を行ない、
その結果について比較検討した所、本発明の原版のみ
が、製版画質及び印刷画質ともに良好であった。即ち、
レーザープリンターからの乾式トナー転写により得られ
た本発明の製版物は、細線、細文字の欠落がなく、ベタ
部も均一で、トナー転写のムラは全く認められず、且つ
非画像部も、トナー飛散による地カブリも微かで実用上
問題のない良好なものであった。
【0122】これに対して、化合物〔P〕を用いない比
較例1の製版物は、画像部のムラ及び非画像部の地カブ
リの発生が著しく実用できるレベルには到達しなかっ
た。次に、製版物を不感脂化処理して印刷版とし、その
性能を得られた印刷物で評価した所、本発明による印刷
版のみが、細線、細文字の欠落及びベタ部のムラのない
画像を有し、非画像部のインキ汚れも実用上問題のない
良好な印刷物を3000枚以上提供した。他方、比較例
1は、非画像部の地汚れが刷り出しから生じてしまい、
3000枚刷っても、それは変わらなかった。
【0123】これらの結果から、供せられる酸化亜鉛粒
子に起因する画像受理層の特性と、製版・印刷における
画像性能とに密接な関係があると考えられる。即ち、本
発明の画像受理層のみが粒度分布が比較的均一で且つそ
の表面の凹凸が密な状態のものが得られることによると
思われる。
【0124】又ベック平滑度がほぼ同等だが、三次元表
面粗さから分る如く、比較例1に較べ本発明の原版は、
凹凸が密な状態で形成されている。更に、製版後の非画
像部の地汚れとなっている部分を、200倍の光学顕徴
鏡を用いて観察した所、地汚れとなっている飛散したト
ナー部の数は、単位面積(1mm2)当たり15個と同数
であるが、そのトナーが15μm以上の大きさの数を調
べて見ると本発明のものは0〜1個と少ないのに対し、
各比較例では4〜5個ときわめて多くなっていた。
【0125】これらのことから、本発明の原版を製版し
た時には、飛散トナーの非画像への付着を抑制し且つ加
熱ローラーによる定着においても、トナー粒子の太りが
防止され、その結果として、目視した時の地汚れの悪さ
に大きな影響を及ぼしたと考えられる。又、印刷物にお
ける実施例1と各比較例の地汚れの差は、上記製版物上
の飛散トナーの大きさと対応し、15μm以下の小さな
飛散トナーは不感脂化処理時に親水化されるが、粗大粒
子のトナーは残存し、インキ汚れを引き起こすこと、更
には、疎水性酸化亜鉛の表面が親水性に改質されたこと
で、酸化亜鉛粒子表面の不感脂化処理液との濡れ性が著
しく良化し、迅速処理が行なわれる不感脂処理でも、容
易に且つ充分に親水化されたこと等によると考えられ
る。
【0126】以上のように、本発明の印刷原版のみが良
好な印刷物を得ることができる。
【0127】実施例2 乾式酸化亜鉛(SAZEX-2000: 堺化学工業(株))100
g、分散剤(キャリボンL−400:三洋化成(株)製
商品名)1g、前記構造の化合物〔PB−2〕3g、下
記構造の化合物(B−1)1.5gを溶解しアンモニア
水でpH4.0に調整した水溶液150gの混合物を、
直径0.7〜1mmのガラスビーズ20gとともにダイノ
ミル分散機(シンマルエンタープライズ(株)製)を用
いて、回転数3×103rpmで30分間分散した後ガラス
ビーズを濾別した。
【0128】この分散物に、結着樹脂として、アクリレ
ートエマルジョン〔AE932、日本合成ゴム(株)製
商品名〕15g(固形分量として)を加えて、ホモジナ
イザーで1×103rpmで1分間更に分散して画像受理層
組成物を作成した。
【0129】
【化13】
【0130】実施例1で用いた支持体を用い、その上
に、上記組成物をワイヤーバーを用いて塗布し、80℃
で1分間乾燥して、塗布量12g/m2で、ベック平滑度
50(秒/10cc)の画像受理層を設けた。
【0131】この印刷原版を、実施例1と同様にして、
製版し、不感脂化処理して印刷版とし、オフセット印刷
を行なった。得られた印刷物は、実施例1と同様に、非
画像部の汚れのない鮮明な画質のものであり、耐刷性も
3000枚以上と良好なものであった。又、感熱転写方
式のプリンター(Write Movell、関東電子(株)製商品
名)を用いて製版して得られた製版画像は、非画像部へ
のインクリボンからのインク転移は少なく、実用上問題
とならない程度であった。
【0132】更に、前記と同様にSICSの処理液で不
感脂化処理して印刷版とし、オフセット印刷を行なっ
た。得られた印刷物は、非画像の汚れは微かで実用上全
く問題とならず、画像部も細線・細文字の欠落のないも
のであった。こうした良好な印刷物が1000枚以上得
られた。
【0133】実施例3 湿式酸化亜鉛(AZO)100g、分散剤(デモールE
P、花王(株)製商品名)1.5g(固形分量とし
て)、前記構造の化合物〔PA−3〕5.5gを溶解し
アンモニア水でpH3.2に調整した水溶液150gの
混合物を、直径0.7〜1mmのガラスビーズ150gと
ともに、ダイノミル分散機を用いて、回転数6×103r
pmで15分間分散した後ガラスビーズを濾別した。
【0134】この分散物を遠心分離機で沈降物を捕集し
充分水洗した後、減圧下に乾燥し固体粉末90gを得
た。上記処理した酸化亜鉛100g、デモールEP1.
2g(固形分量として)及び水150gの混合物を、直
径0.7〜1mmのガラスビーズ150gとともに、ダイ
ノミル分散機で、回転数3×103rpmで30分間分散し
た後、ガラスビーズを濾別し、さらにこの分散物に結着
樹脂として、アクリレートエマルジョン〔セビアン−A
46488、ダイセル化学工業(株)製〕15g(固形
分量として)を加えて、攪拌機にて1×103rpmで1分
間攪拌して、画像受理層用分散物とした。
【0135】これを、実施例1で用いたと同様の支持体
上にワイヤーバーを用いて塗布し、100℃、1分間乾
燥して塗布量10g/m2で、ベック平滑度50(秒/10
cc)の画像受理層を形成した。この印刷原版を、実施例
1と同様にして、製版し、不感脂化処理して印刷版と
し、オフセット印刷を行なった。
【0136】得られた印刷物は、実施例1と同様に、非
画像部の汚れのない鮮明な画質のものであり、耐刷性も
3000枚以上と良好なものであった。
【0137】実施例4 湿式酸化亜鉛(AZO、正同化学(株)製)100g、
メタリン酸ナトリウム塩1g及び水120gの混合物
を、粒径0.7〜1mmのガラスビーズ200gとともに
ダイノミル湿式分散機を用いて回転数5×103r.p.m.
で30分間分散した後、ガラスビーズを濾別した。この
分散物を、0.1規定塩酸水溶液でpH4.0に調整し
た後、前記構造の化合物(PA−11)3.0gを加え
て、ホモジナイザー分散機(日本精機(株)製)で回転
数1×103r.p.m.で1分間分散した後、直ちに10%
水酸化ナトリウム水溶液でこの分散物のpHを7.0に
中和した。
【0138】遠心分離機で分散物を遠心分離して、酸化
亜鉛粒子を沈降させ、デカンテーションにより沈殿物を
取り出し、充分水洗した後、この粒状物を減圧にて乾燥
し、白色粉末95gを得た。
【0139】<印刷原版の作成>上記処理した酸化亜鉛
100g、メタリン酸ナトリウム0.8g及び水150
gの混合物を、上記で用いたと同様のガラスビーズ17
0gとともに、ダイノミル分散機を用いて、回転数5×
103r.p.m.で30分間分散した。ガラスビーズを濾別
した後、分散物に結着樹脂としてアクリルエマルジョン
(Nipol LX857、日本ゼオン(株)製)16g(固形分
量として)を加え、ホモジナイザーで1×103r.p.m.
で1分間分散し画像受理層用組成物を得た。
【0140】実施例1で用いたと同様の支持体を用い、
この上に上記組成物をワイヤーバーを用いて塗布し、1
00℃で1分間乾燥して、塗布量10g/m2の画像受理
層を形成し直描型平版印刷用原版を得た。この印刷原版
を、実施例1と同様にして、製版し不感脂化処理して印
刷版とし、オフセット印刷を行なった。
【0141】得られた印刷物は、実施例1と同様に非画
像部の汚れのない鮮明な画質のものであり、耐刷性も3
000枚以上と良好なものであった。
【0142】実施例5 乾式酸化亜鉛(正同化学(株)製)100g、下記構造
の結着樹脂(PP−3)10.2g、結着樹脂(PP−
4)6.8g、2−メトキシ安息香酸(A−1)0.1
5g及びトルエン155gの混合物を湿式分散機ケディ
ミルKDM7−4型(理学工業(株)製)を用いて回転
数1×104r.p.m.で20分間分散した後、この分散物
に前記構造の化合物〔PB−16〕の50%水溶液3g
及びメタノール4gの混合溶液を回転数1×103r.p.
m.で10分間で滴下した。
【0143】更に、回転数5×103r.p.m.で20分間
分散して画像受理層用分散物を得た。
【0144】
【化14】
【0145】実施例1で用いたと同様の支持体を用い、
この上に上記組成物をワイヤーバーを用いて塗布し、1
00℃で1分間乾燥して、塗布量8g/m2の画像受理層
を形成し直描型平版印刷用原版を得た。この印刷原版
を、実施例1と同様にして、製版し不感脂化処理して印
刷版とし、オフセット印刷を行なった。
【0146】得られた印刷物は、実施例1と同様に非画
像部の汚れのない鮮明な画質のものであり、耐刷性も3
000枚以上と良好なものであった。
【0147】実施例6 乾式酸化亜鉛(正同化学(株)製)100g、下記構造
の結着樹脂(PP−5)10.2g、結着樹脂(PP−
6)6.8g、2,6−ジエトキシ安息香酸(A−2)
0.18g、下記内容のアクリル酸樹脂粒子分散物4g
(固形分量として)及びトルエン145gの混合物を、
ホモジナイザー分散機を用いて回転数1×104r.p.m.
で20分間分散した。更にこの分散物に前記構造の化合
物〔PB−20〕2g、水10g及びメタノール4gの
混合溶液を添加し、回転数5×103r.p.m.で15分間
分散して画像受理層用分散物を得た。
【0148】
【化15】
【0149】アクリル酸樹脂粒子分散物 アクリル酸8g、AA−6〔東亜合成化学(株)製商品
名:メチルメタクリレートのマクロモノマー〕2g、エ
チレングリコールジメタクリレート2g、3−メルカプ
トプロピオン酸メチル0.1g及びメチルエチルケトン
55gの混合溶液を、窒素気流下に温度60℃に加温し
た。これに2,2′−アゾビス(イソバレロニトリル)
0.2gを加え3時間反応させ、更に前記開始剤0.1
gを加えて4時間反応した。得られた分散物は、反応率
95%で、分散樹脂粒子の平均粒径は0.20μmの単
分散性良好なものであった(粒径測定:CAPA−50
0・堀場製作所製商品名)。
【0150】この分散物を、ELP−I用紙支持体上に
ワイヤーバーで塗布し、温度100℃で1分間乾燥して
塗布量10g/m2で、ベック平滑度70(秒/10cc)の
画像受理層を形成した。この印刷原版を、実施例1と同
様にして製版し、不感脂化処理して印刷版とし、オフセ
ット印刷を行なった。
【0151】得られた印刷物は、実施例1と同様に非画
像部の汚れのない鮮明な画質のものであり、耐刷性も3
000枚以上と良好なものであった。
【0152】実施例7〜20 実施例1において用いた化合物〔P−1〕の代わりに、
下記表−7の各化合物〔P〕を各々用いた他は、実施例
1と同様に操作して直描型平版印刷用原版を作成した。
各原版の表面のベック平滑度は45〜65(秒/10cc)
の範囲であった。
【0153】
【表11】
【0154】この印刷原版を、実施例1と同様にして製
版し、不感脂化処理して印刷版とし、オフセット印刷を
行なった。得られた印刷物は、実施例1と同様に非画像
部の汚れのない鮮明な画質のものであり、耐刷性も30
00枚以上と良好なものであった。 実施例21〜32 実施例5において化合物〔A−1〕の代わりに下記表−
8の各化合物〔A〕1.0×10-3モルを用いた他は、
実施例5と同様にして直描型平版印刷用原版を作成し
た。
【0155】
【表12】
【0156】この印刷原版を、実施例5と同様にして製
版し、不感脂化処理して印刷版とし、オフセット印刷を
行なった。得られた印刷物は、実施例5と同様に非画像
部の汚れのない鮮明な画質のものであり、耐刷性も30
00枚以上と良好なものであった。又、実施例2と同様
に、感熱プリンターで製版して印刷版とし、印刷した
所、同様に、非画像部に汚れのない鮮明な画質の印刷物
が千枚以上得られた。
【0157】
【発明の効果】本発明の直描型平版印刷用原版は、その
画像受理層中に特定の構造の化合物、酸化亜鉛及び結着
樹脂を有することにより、オフセット原版として全面一
様な地汚れも、また点状の地汚れも発生せず、しかも鮮
明な画像の印刷物を得ることができる。また本発明によ
れば該原版を有利に製造しうる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐水性支持体上に画像受理層を有する直
    描型平版印刷用原版において、この画像受理層が、下記
    一般式(I)で表わされる部分構造を少なくとも2個以
    上含有する分岐及び架橋構造を有してもよい分子量1×
    103以上の水溶性の非環状アミン及び/又はアンモニ
    ウム化合物(化合物〔P〕)、酸化亜鉛及び結着樹脂を
    有することを特徴とする直描型平版印刷用原版。 【化1】
  2. 【請求項2】 該化合物〔P〕が、酸化亜鉛100gあ
    たり1×10-4〜10-1モル含有されることを特徴とす
    る請求項1記載の直描型平版印刷用原版。
  3. 【請求項3】 該化合物〔P〕が、一般式(I)で表わ
    される部分構造を少なくとも2個含有し、かつ少なくと
    も下記一般式(II)で表わされる重合体成分を含有する
    重合体〔PA〕及び/又は下記一般式(III)で表わさ
    れる重合体成分を含有する重合体〔PB〕から選ばれる
    少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または
    2記載の直描型平版印刷用原版。 【化2】 1〜R7は置換基を有してもよく、さらに互いに連結し
    て環を形成してもよい有機残基を表わす。さらに上記一
    般式(II)中のn、l、fは1以上10以下の整数を、
    m、r、gは0以上の整数を表わし、かつ重合体〔P
    A〕の重量平均分子量が1×103以上になる組み合わ
    せを表わす。 【化3】 またZは連結基として2価の有機残基を表わす。さらに
    1及びf2はお互いに同じでも異なってもよく、各々水
    素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜8の炭化
    水素基、−COO−T1または炭素数1〜8の炭化水素
    基を介した−COO−T1(T1は炭素数1〜18の炭化
    水素基を表す)を表す。Yは、単結合もしくは−COO
    −、−OCO−、−(CH2a−COO−、−(C
    2b−OCO−(a、bは1〜3の整数を表す)、−
    CON(k1)−〔k1は水素原子または炭素数1〜12
    の炭化水素基を表す〕、−CONHCONH−、−CO
    NHCOO−、−O−、−C64−又は−SO2−を表
    す。hは1以上の整数で、かつ重合体〔PB〕の重量平
    均分子量が1×103以上になる値を表わす。
  4. 【請求項4】 少なくとも酸化亜鉛、結着樹脂、前記化
    合物〔P〕及び分散媒から成る分散物を、耐水性支持体
    上に塗膜して画像受理層を形成することを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の直描型平版印刷用原
    版の製造方法。
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