JPH09277064A - 高周波制御式溶接装置 - Google Patents

高周波制御式溶接装置

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JPH09277064A
JPH09277064A JP9291796A JP9291796A JPH09277064A JP H09277064 A JPH09277064 A JP H09277064A JP 9291796 A JP9291796 A JP 9291796A JP 9291796 A JP9291796 A JP 9291796A JP H09277064 A JPH09277064 A JP H09277064A
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JP
Japan
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welding
frequency
current
switching transistors
switching
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JP9291796A
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Inventor
Mitsunori Kamisada
光憲 神定
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波制御式溶接装置を簡易かつ安価なもの
にすることにある。 【解決手段】 一次側に供給された電力を電流を増加さ
せて二次側から出力しその電流を溶接電流として供給す
る溶接用トランス20と、商用周波数の単相交流電源21と
前記溶接用トランス20の一次側捲線とを繋ぐ二本の回路
にそれぞれ直列に介挿されると共に互いに逆向きに配置
されて対をなす二個のスイッチングトランジスタ22,23
と、各スイッチングトランジスタに並列にかつ逆向きに
接続されたダイオード30, 31と、上記二個のスイッチン
グトランジスタと単相交流電源21との間から取り出した
商用周波数の単相交流を両波整流して生成した山形が連
なる信号波を所望の溶接電流値に応じた振幅の高周波信
号でパルス幅変調して商用周波数の半サイクル毎に繰り
返す高周波駆動パルス信号を生成し、それを上記二個の
スイッチングトランジスタに商用周波数に同期させてそ
の半サイクル毎に実質的に交互に供給する溶接電流制御
回路24と、を具えるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スポット溶接等
の抵抗溶接用の電極に溶接電流を供給する溶接装置に関
し、特には、商用交流周波数(50Hzおよび60Hz)を高周
波に変換して溶接電流を制御する高周波制御式溶接装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上述の如き溶接装置としてはトランジス
タ・インバータ式溶接装置が知られており、一般的なト
ランジスタ・インバータ式溶接装置は、図4に示す如
く、商用三相交流を一次整流ダイオード1により直流に
整流すると共に平滑コンデンサ2により平滑化し、その
直流をトランジスタ・インバータ3により高周波交流に
変換すると共に所望の電流になるように制御して溶接用
トランス4の一次側捲線に印加し、その溶接用トランス
4の二次側捲線から取り出した低電圧かつ大電流の高周
波交流を、そのまま溶接ガン5に供給したのでは溶接ガ
ン5のインダクタンスによりほとんど電流が流れなくな
ることから二次整流ダイオード6で再び直流に整流し
て、溶接電流として溶接ガン5の電極に供給している。
【0003】ここで上記トランジスタ・インバータ3
は、ブリッジ接続された四個のスイッチングトランジス
タ7を具え、駆動電源8から電源を供給されると共にマ
イクロコンピュータ制御式タイマ(マイコン・タイマ)
9により作動時間を制御される駆動回路10によってそれ
らのスイッチングトランジスタ7を互いに対向する二個
づつ交互に高周波で駆動することにより直流を高周波交
流に変換し、その際にスイッチングトランジスタ7に供
給する駆動信号を調節することで、溶接用トランス4の
一次側捲線に印加する高周波交流の電流ひいてはその溶
接用トランス4の二次側捲線から取り出される溶接電流
を、商用交流をサイリスタで制御するサイリスタ式溶接
装置の場合と異なり連続的に供給しつつ所望の値に制御
して、溶接品質の向上をもたらしている。
【0004】また、上記トランジスタ・インバータ式溶
接装置を改良したものとして従来、(株)産報発行の
「溶接技術」平成7年3月号別冊に掲載された論文「イ
ンバータ式直流機の特徴と今後の課題」にて開示されて
いる、台形波インバータ式溶接装置も知られている(製
品名「Super Inverter Mesa 」としてナストーア(株)
が販売)。このナストーア社の台形波インバータ式溶接
装置は、トランジスタ・インバータ3の駆動タイミング
を制御することで、溶接用トランスの二次側のダイオー
ドを廃するとともに充分な電力の供給を可能としたもの
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来のトランジスタ・インバータ式溶接装置は、三相交
流を直流に整流して制御しているため一次整流ダイオー
ド1と平滑コンデンサ2とを具える必要があり、特に前
者の従来装置では溶接用トランス4の二次側捲線から取
り出すのが高周波交流であるため二次整流ダイオード6
も具える必要があるとともにその大電流を整流する二次
整流ダイオード6の冷却のために冷却装置も具える必要
もある。従って従来の装置では、溶接装置が必然的に複
雑かつ高価なものとなり、しかも単相交流溶接機の置き
換えとするには商用三相交流電源を新たに設ける必要が
あるため、溶接がコスト高になるという問題があった。
さらに従来の溶接装置では、スイッチング動作の際のス
イッチングトランジスタ7の保護のために各スイッチン
グトランジスタ7と並列に高価なスナバ回路11を具える
必要もあって、この点でも溶接装置が複雑かつ高価なも
のになっていた。
【0006】この発明は、溶接品質を向上させ得るとい
う高周波制御式溶接装置の利点を損なうことなく上記従
来の溶接装置の課題を有利に解決した装置を提供するこ
とを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段とその作用および効果】上
記目的のためこの発明の高周波制御式溶接装置は、一次
側捲線に供給された電力をその電圧を降圧すると共にそ
の電流を増加させて二次側捲線から出力し、その出力電
力の交流電流を溶接電流として供給する溶接用トランス
と、商用周波数の単相交流電源と前記溶接用トランスの
一次側捲線とを繋ぐ二本の回路にそれぞれ直列に介挿さ
れると共に互いに逆向きに配置されて対をなす少なくと
も二個のスイッチングトランジスタと、前記各スイッチ
ングトランジスタに並列にかつ逆向きに接続されたダイ
オードと、前記対をなすスイッチングトランジスタと前
記単相交流電源との間から取り出した商用周波数の単相
交流を両波整流して生成した山形が連なる信号波を所望
の溶接電流値に応じた振幅の高周波信号でパルス幅変調
して前記商用周波数の半サイクル毎に繰り返す高周波駆
動パルス信号を生成し、その高周波駆動パルス信号を前
記対をなすスイッチングトランジスタに前記商用周波数
に同期させてその半サイクル毎に実質的に交互に供給す
る溶接電流制御回路と、を具えてなるものである。
【0008】かかるこの発明の装置にあっては、溶接電
流制御回路が、商用周波数の単相交流電源と溶接用トラ
ンスの一次側捲線とを繋ぐ二本の回路にそれぞれ直列に
介挿されると共に互いに逆向きに配置されて対をなすス
イッチングトランジスタと前記単相交流電源との間から
取り出した商用周波数の単相交流を両波整流して山形が
連なる信号波を生成し、その山形が連なる信号波を所望
の溶接電流値に応じた振幅の高周波信号でパルス幅変調
して前記商用周波数の半サイクル毎に繰り返す高周波駆
動パルス信号を生成して、その高周波駆動パルス信号を
前記対をなすスイッチングトランジスタに、前記商用周
波数に同期させてその半サイクル毎に実質的に交互に供
給し、そしてその対をなすスイッチングトランジスタ
が、その高周波駆動パルス信号によって駆動されて、各
スイッチングトランジスタに並列にかつ逆向きに接続さ
れたダイオードとの共働で、高周波交流ではなく、山形
波形を高周波で変調した商用周波数で正負が反転する交
流を前記溶接用トランスの一次側捲線に供給し、これに
より前記溶接用トランスが、その一次側捲線に供給され
た、高周波で変調された商用周波数の交流電力をその電
圧を降圧すると共にその電流を増加させて二次側捲線か
ら出力し、その出力電力の商用周波数の交流電流を溶接
電流として抵抗溶接用電極に供給する。
【0009】従ってこの発明の装置によれば、溶接電流
制御回路が商用周波数の単相交流から生成した信号波を
パルス幅変調するのに用いる高周波信号の振幅を適宜に
調節することで、所望の溶接電流を溶接用トランスの二
次側捲線から溶接電流として抵抗溶接用電極に供給する
ことができ、しかもこの発明では、商用交流の半サイク
ル毎の山形波形をサイリスタで断ち切るように制御する
従前のサイリスタ式溶接装置の場合と異なり、商用交流
の半サイクル毎の山形波形をスイッチングトランジスタ
で高周波変調して制御しているので、溶接用トランスの
二次側捲線から溶接電流をほとんど途切れることなく供
給し得ることで安定したナゲットを形成し得て、トラン
ジスタ・インバータ式溶接装置と同様に溶接品質の向上
をもたらすことができる。
【0010】しかもこの発明の装置によれば、商用周波
数の単相交流を整流せずに高周波で変調して溶接用トラ
ンスの一次側捲線に供給するので、一次整流ダイオード
および平滑コンデンサを不要とすることができ、また溶
接用トランスの二次側捲線から出力するのが商用周波数
の単相交流であることから整流しなくてもインダクタン
スの問題なしにその出力電流を抵抗溶接用電極に供給で
きるので、二次整流ダイオードおよびその冷却のための
冷却装置も不要とすることができ、従って、溶接装置を
簡易かつ安価に構成することができる。
【0011】なお、この発明においては、好ましくは各
スイッチングトランジスタに並列に接続されたコンデン
サを具え、溶接電流制御回路が前記対をなすスイッチン
グトランジスタの一方への高周波駆動信号の供給を止め
る直前に、その対の一方のスイッチングトランジスタに
並列に接続されたコンデンサの充電を完了させるととも
に、その対の他方のスイッチングトランジスタに並列に
接続されたコンデンサの放電を完了させるように構成す
る。このようにすれば、対をなすスイッチングトランジ
スタの各々がONからOFF に切り替わる際に、そのスイッ
チングトランジスタに並列に接続されたコンデンサから
溶接用トランスに引き続き電流を供給し得るので、スイ
ッチングトランジスタがONからOFF に切り替わる際に過
大な逆起電力が発生するを有効に防止でき、従って、ス
イッチングトランジスタと並列に高価なスナバ回路を具
える必要性をもなくし得て、溶接装置をさらに簡易かつ
安価に構成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の形態を
実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここ
に、図1は、この発明の高周波制御式溶接装置の一実施
例を示す構成図であり、図中従来装置と同様の部分はそ
れと同一の符号にて示す。
【0013】この実施例の高周波制御式溶接装置は、図
1に示すように、図では左側の一次側捲線に供給された
電力をその電圧を降圧すると共にその電流を増加させて
図では右側の二次側捲線から出力し、その出力電力の電
流を溶接電流として抵抗溶接用の例えば溶接ガン5の電
極に供給する、この実施例では通常の交流溶接用の溶接
用トランス20と、例えば50Hzの商用周波数の単相交流電
源である一次電源21と上記溶接用トランス20の一次側捲
線とを繋ぐ二本の回路にそれぞれ直列に介挿されると共
に互いに逆向きに配置されて対をなす、この実施例では
二個のスイッチングトランジスタ22,23とを具えてお
り、これらスイッチングトランジスタ22,23としては、
例えばIGBTやIPM 等の通常のパワー素子を用いることが
できる。
【0014】さらにこの実施例の溶接装置は、上記各ス
イッチングトランジスタ22,23に並列にかつ逆向きに接
続されたダイオード30, 31と、これも各スイッチングト
ランジスタ22,23に並列に接続されたコンデンサ32, 33
とを具えるとともに、上記対をなすスイッチングトラン
ジスタ22,23と上記一次電源21との間から取り出した商
用周波数の単相交流を両波整流して山形が連なる信号波
を生成し、その信号波を所望の溶接電流値に応じた振幅
の高周波信号でパルス幅変調して上記商用周波数の半サ
イクル毎に繰り返す高周波駆動パルス信号を生成して、
それを上記対をなすスイッチングトランジスタ22,23
に、上記商用周波数に同期させてその半サイクル毎に実
質的に交互に供給する溶接電流制御回路24を具えてい
る。
【0015】ここにおける溶接電流制御回路24は、図2
に示すように、降圧トランス25から入力される、一次電
源から降圧された同図(a)に示す如き商用交流波形に
同期させてその半サイクル毎に、同図(b)に示す如く
上記スイッチングトランジスタ22とスイッチングトラン
ジスタ23とを実質的に交互にONにして、各スイッチング
トランジスタに並列にかつ逆向きに接続されたダイオー
ド30, 31との共働で一次電源の単相交流を上記溶接用ト
ランス20の一次側捲線に供給するとともに、それらのス
イッチングトランジスタ22,23のON作動中にスイッチン
グトランジスタ22,23を流れる電流を高周波変調によっ
て制御して、溶接用トランス20の二次側捲線から出力す
る溶接電流を制御する。
【0016】かかる高周波変調によるスイッチングトラ
ンジスタ22,23のON作動中の電流制御のため、上記溶接
電流制御回路24は、上記対をなすスイッチングトランジ
スタ22,23と上記一次電源21との間から取り出した商用
周波数の単相交流を降圧する一次電源波形監視用の降圧
トランス25と、変調用高周波信号としてこの実施例では
三角波を所望の溶接電流値に応じた振幅で発生させる三
角波発生回路26とを有するとともに、上記降圧トランス
25が降圧した単相交流および上記三角波発生回路26が発
生させた三角波を入力されて高周波の制御パルス信号を
出力するパルス幅変調回路27と、そのパルス幅変調回路
27が出力した制御パルス信号を入力されてスイッチング
トランジスタ22,23のための高周波の駆動パルス信号を
出力する駆動回路28とを有している。
【0017】さらにこの溶接電流制御回路24は、駆動回
路28のための通常の駆動電源8と、溶接ガン5への溶接
電流の通電時間や通電間隔の制御のための通常のマイコ
ンタイマ9とを有している。
【0018】ここで、上記パルス幅変調(PWM)回路
27は、図2(c)に示す如く、降圧トランス25から入力
される、一次電源から降圧された商用交流を両波整流し
て、山形が連なる信号波S1を生成し、その信号波S1を、
三角波発生回路26から入力される高周波の三角波S2でパ
ルス幅変調して、上記商用周波数の半サイクル毎に繰り
返す、信号波S1のレベルが低い程また三角波S2の振幅が
大きい程各パルス幅が広くなる高周波の制御パルス信号
を生成し、上記駆動回路28は、その制御パルス信号を増
幅して高周波の駆動パルス信号を生成するともに、上記
一次電源から降圧された商用交流の波形を用いてタイミ
ングを取り、同図(d)に示す如く、その高周波の駆動
パルス信号を上記対をなすスイッチングトランジスタ2
2,23に、上記商用周波数に同期させてその半サイクル
毎に実質的に交互に供給する。
【0019】なお、上記図2(c),(d)は、溶接電
流を低くするために三角波S2の振幅を小さくして駆動パ
ルス信号の各パルス幅を狭くした場合を示し、これに対
して図2(e),(f)は、溶接電流を高くするために
三角波S2の振幅を大きくして駆動パルス信号の各パルス
幅を広くした場合を示している。
【0020】また、この実施例においては、駆動回路28
が対をなすスイッチングトランジスタ22,23の一方への
上記高周波駆動パルス信号の半サイクルの供給を止める
直前に、その対の一方のスイッチングトランジスタに並
列に接続されたコンデンサ32または33の充電が完了する
とともに、その対の他方のスイッチングトランジスタに
並列に接続されたコンデンサ33または32の放電が完了す
るようにそれらのコンデンサ32, 33の容量が設定されて
おり、これによりこの実施例の装置では、対をなすスイ
ッチングトランジスタ22,23の各々がONからOFF に切り
替わる際に、そのスイッチングトランジスタに並列に接
続されたコンデンサから溶接用トランスに引き続き電流
を供給して、スイッチングトランジスタがONからOFF に
切り替わる際に過大な逆起電力が発生するを有効に防止
している。
【0021】かかる高周波駆動パルス信号の交互の供給
によって、上記対をなすスイッチングトランジスタ22,
23は実質的に交互にONになって、一次電源21の単相交流
を上記溶接用トランス20の一次側捲線に供給し、しかも
それらのスイッチングトランジスタ22,23のON作動中に
スイッチングトランジスタ22,23を流れる電流が高周波
での変調により制御されるので、溶接用トランス20がそ
の二次側捲線から溶接ガン5に供給する溶接電流は、所
望のレベルの、図2(g)に示す如き商用周波数の交流
電流となる。
【0022】図3は、この実施例の溶接装置と、従来の
一般的なトランジスタ・インバータ式溶接装置、サイリ
スタ式溶接装置およびナストーア(株)の台形波インバ
ータ式溶接装置とにおける、溶接用トランスの一次側電
圧および溶接ガンへの供給電圧の変化を比較して示す説
明図であり、この図からも明らかなように、この実施例
の溶接装置では同図(a)に示す如く、溶接用トランス
の一次側電圧は高周波で変調されているとともに商用周
波数で正負が反転する交流となり、これによって溶接ガ
ンへの供給電圧も商用周波数で正負が反転する連続的な
交流となる。一方、従来の一般的なトランジスタ・イン
バータ式溶接装置では同図(b)に示す如く、溶接用ト
ランスの一次側電圧は高周波で正負が反転する交流とな
り、これによって二次側も高周波で正負が反転する交流
となるので溶接ガンへの供給電圧はダイオードで両波整
流された直流となっている。また、従前のサイリスタ式
溶接装置では同図(c)に示す如く、溶接用トランスの
一次側電圧は山形波形がサイリスタで断ち切られた商用
周波数の交流となり、これによって溶接ガンへの供給電
圧も商用周波数で正負が反転する断続的な交流となる。
そして従来のナストーア(株)の台形波インバータ式溶
接装置では同図(d)に示す如く、この実施例の装置と
同様に溶接ガンへの供給電圧が商用周波数で正負が反転
する連続的な交流となり、これによって溶接用トランス
の二次側のダイオードを不要としている。
【0023】従ってこの実施例の溶接装置によれば、溶
接電流制御回路24が商用周波数の単相交流から生成した
信号波S1をパルス幅変調するのに用いる三角波S2の振幅
を適宜に調節することで、所望の溶接電流を溶接用トラ
ンス20の二次側捲線から溶接電流として溶接ガン5の電
極に供給することができ、しかもここでは、商用交流の
半サイクル毎の山形波形をサイリスタで断ち切るように
制御する従前のサイリスタ式溶接装置の場合と異なり、
商用交流の半サイクル毎の山形波形をスイッチングトラ
ンジスタ22,23で高周波変調して制御しているので、溶
接用トランス20の二次側捲線から溶接電流をほとんど途
切れることなく供給し得ることで安定したナゲットを形
成し得て、トランジスタ・インバータ式溶接装置と同様
に溶接品質の向上をもたらすことができる。なお、本願
発明者がこの実施例の溶接装置においてスイッチングト
ランジスタ22,23で商用交流を変調する高周波の周波数
を500Hzから2kHzまでの範囲で変えて実験を行った結
果、少なくともこの周波数範囲では良好な溶接品質が得
られることが確認されている。
【0024】しかもこの実施例の装置によれば、商用周
波数の単相交流を整流せずに高周波で変調して溶接用ト
ランス20の一次側捲線に供給するので、トランジスタ・
インバータ式溶接装置や台形波インバータ式溶接装置で
必要とされた一次整流ダイオードおよび平滑コンデンサ
を不要とすることができ、またスイッチングトランジス
タの数も原理的に二対(四個)から一対(二個)に削減
することができ、さらに、溶接用トランス20の二次側捲
線から出力するのが商用周波数の単相交流であることか
ら整流しなくてもインダクタンスの問題なしにその出力
電流を溶接ガン5に供給できるので、トランジスタ・イ
ンバータ式溶接装置で必要とされた二次整流ダイオード
およびその冷却のための冷却装置も不要とすることがで
き、従って、溶接装置を簡易かつ安価に構成することが
できる。
【0025】さらにこの実施例の装置によれば、安価な
コンデンサ32, 33が、対をなすスイッチングトランジス
タ22,23の各々がONからOFF に切り替わる際に溶接用ト
ランスに引き続き電流を供給して、スイッチングトラン
ジスタがONからOFF に切り替わる際の過大な逆起電力の
発生を有効に防止しているので、トランジスタ・インバ
ータ式溶接装置や台形波インバータ式溶接装置で必要と
された高価なスナバ回路をもなくし得て、溶接装置をさ
らに簡易かつ安価に構成することができる。
【0026】以上、図示例に基づき説明したが、この発
明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、対をな
すスイッチングトランジスタとして上記実施例では一個
づつで対をなすトランジスタを用いたが、使用するトラ
ンジスタの許容能力と溶接用トランスの一次側捲線に流
すべき電流との関係で、所要に応じて、複数個づつで対
をなすようにしても良く、また変調用高周波信号として
上記実施例では三角波を用いたが、のこぎり波を用いて
も良い。さらに、上記実施例では溶接ガンに溶接電流を
供給したが、他の抵抗溶接装置に溶接電流を供給するこ
ともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の高周波制御式溶接装置の一実施例を
示す構成図である。
【図2】上記実施例の装置の作動を示す説明図である。
【図3】上記実施例の装置と、従来の、トランジスタ・
インバータ式溶接装置、サイリスタ式溶接装置および台
形波インバータ式溶接装置とにおける作動を比較して示
す説明図である。
【図4】従来のトランジスタ・インバータ式溶接装置を
示す構成図である。
【符号の説明】
5 溶接ガン 8 駆動電源 9 マイコンタイマ 20 溶接用トランス 21 一次電源(商用単相交流電源) 22,23 スイッチングトランジスタ 24 溶接電流制御回路 25 降圧トランス 26 三角波発生回路 27 パルス幅変調回路 28 駆動回路 30, 31 ダイオード 32, 33 コンデンサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次側捲線に供給された電力をその電圧
    を降圧すると共にその電流を増加させて二次側捲線から
    出力し、その出力電力の交流電流を溶接電流として供給
    する溶接用トランス(20)と、 商用周波数の単相交流電源(21)と前記溶接用トランス
    の一次側捲線とを繋ぐ二本の回路にそれぞれ直列に介挿
    されると共に互いに逆向きに配置されて対をなす少なく
    とも二個のスイッチングトランジスタ(22,23)と、 前記各スイッチングトランジスタに並列にかつ逆向きに
    接続されたダイオード(30, 31)と、 前記対をなすスイッチングトランジスタと前記単相交流
    電源との間から取り出した商用周波数の単相交流を両波
    整流して生成した山形が連なる信号波を所望の溶接電流
    値に応じた振幅の高周波信号でパルス幅変調して前記商
    用周波数の半サイクル毎に繰り返す高周波駆動パルス信
    号を生成し、その高周波駆動パルス信号を前記対をなす
    スイッチングトランジスタに前記商用周波数に同期させ
    てその半サイクル毎に実質的に交互に供給する溶接電流
    制御回路(24)と、 を具えてなる、高周波制御式溶接装置。
  2. 【請求項2】 前記各スイッチングトランジスタに並列
    に接続されたコンデンサ(32, 33)を具え、 前記溶接電流制御回路(24)が前記対をなすスイッチン
    グトランジスタの一方への前記高周波駆動信号の供給を
    止める直前に、その対の一方のスイッチングトランジス
    タに並列に接続されたコンデンサの充電を完了させると
    ともに、その対の他方のスイッチングトランジスタに並
    列に接続されたコンデンサの放電を完了させることを特
    徴とする、請求項1記載の高周波制御式溶接装置。
JP9291796A 1996-04-16 1996-04-16 高周波制御式溶接装置 Pending JPH09277064A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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