JPH09273353A - ドアクローザ - Google Patents

ドアクローザ

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JPH09273353A
JPH09273353A JP11032796A JP11032796A JPH09273353A JP H09273353 A JPH09273353 A JP H09273353A JP 11032796 A JP11032796 A JP 11032796A JP 11032796 A JP11032796 A JP 11032796A JP H09273353 A JPH09273353 A JP H09273353A
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door
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Kunio Akamatsu
邦夫 赤松
Toshihiro Oshima
敏裕 大島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧シリンダを用いない新規なドアクローザ
を提供する。 【解決手段】 扉10に取り付けられる枠体1と、枠体
1内において長さ方向に案内移動されるラック2と、ラ
ック2と噛み合うピニオン45と、ラック2の戻しばね
3と、ピニオン45が固定されると共に連係アームが取
り付けられる主回転軸4と、一方向クラッチを介して主
回転軸に連結された増速機5と、増速機5の出力軸55
に直角に突設した案内棒61と、案内棒61に摺動可能
に装着した回転運動減衰用の重錘62と、重錘62を案
内棒61の基端に向け付勢させる復帰ばね63とを備え
て成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は作動油を用いない
形式の新規なドアクローザに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のドアクローザでよく利用されてい
るものとしては、例えば実開平2−85780号公報に
記載されている形式のものを挙げることができる。
【0003】そのクローザは、扉閉鎖時の戻しばねによ
る過大な閉鎖作用力を作動油で減衰させるようにしたも
ので、作動油が封入されたシリンダと、シリンダを前方
の第1室と後方の第2室とに仕切るピストンと、オリフ
ィスを介して第1室と第2室とを連通させた導油路と、
ピストンを第1室に向け付勢させる戻しばねと、ピスト
ンに設けられたラックと、ラックに噛み合うピニオン
と、シリンダに支承されると共に、ピニオン及びアーム
が固定される回転軸とから成る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た従来のクローザは、作動油がオリフィスを通過する際
の粘性抵抗を利用してクローザの閉鎖運動を緩衝するよ
うにしているため、その製作時シリンダ回りにおけるシ
ーリング処理(密封処理)が面倒でコスト高になり、長
期の使用において油漏れを生じる可能性もある。
【0005】また、作動油の粘性抵抗は温度により変化
するため、季節によって緩衝具合を調整しなければなら
ず、保守管理上面倒でもある。
【0006】そこで、この発明のドアクローザは、上記
した問題点を解決するため作動油を用いないノンオイル
型とすること、また、従来のものと同様扉の閉鎖時に十
分な減衰力が得られるようにすることを目的として提案
されたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、扉又は扉枠に取り付けら
れる中空の枠体と、枠体内において長さ方向に案内移動
されるようにしたラックと、ラックを平常位置側に付勢
させる戻しばねと、ラックと噛み合うピニオンと、枠体
に回動自在に支承され、ピニオンが固定されると共に連
係アームが取り付けられる主回転軸と、一方向クラッチ
を介して主回転軸に連結された増速機と、この増速機の
出力軸に直角に突設した案内棒と、案内棒に摺動可能に
装着した回転運動減衰用の重錘と、その重錘を案内棒の
基端側に向け付勢させる復帰ばねとを備えることを特徴
とする。
【0008】また、請求項2に記載の発明は、扉又は扉
枠に取り付けられる中空の枠体と、枠体内において長さ
方向に案内移動されるようにしたラックと、ラックを平
常位置側に付勢させる戻しばねと、ラックと噛み合うピ
ニオンと、枠体に回動自在に支承され、ピニオンが固定
されると共に連係アームが取り付けられる主回転軸と、
一方向クラッチを介して主回転軸に連結された増速機
と、この増速機の出力軸に直角に突設され、基端部に形
成された雄ねじ部を増速機の出力軸に形成された雌ねじ
孔に螺合させた案内棒と、案内棒に摺動可能に装着した
回転運動減衰用の重錘と、その重錘を案内棒の基端側に
向け付勢させる復帰ばねとを備えることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施例に基いて
この発明について説明する。図1〜図3は請求項1に記
載の発明の一実施例によるドアクローザを示し、これら
の図において符号1は扉10又は扉枠にねじ等で取り付
けられる中空で細長い箱形をなす枠体、11は枠体1の
一部をなす取付基板、12は枠体1の長さ方向の一端部
に取り付けられたカバー板である。
【0010】枠体1の内側には、枠体1の長さ方向に沿
って変位できるようにしたラック2が設けてある。その
ラック2は、枠体1内に設けた固定の受け枠14の一部
又は図示しない適当なラックガイド等により図1で左右
に移動できるように案内されている。
【0011】符号3は前記のラック2を平常位置(閉扉
時でドアクローアが非作用状態にある位置)側に付勢さ
せるための圧縮ばね等の戻しばねで、ラック2の一端と
枠体1の側板13との間に弾設させてある。
【0012】一方、枠体1の中央部分には両端又は一端
を外方に突出させた垂直な主回転軸4が回動自在に支承
されており、その主回転軸4には前述のラック2に噛み
合うピニオン45が固定されている。
【0013】また、主回転軸4の両方又は一方の外端に
は図示しない連係アームの1つが固設してある。その図
示しない連係アームの他端は従来のドアクローザ同様、
他の連係アームを介して扉枠等の固定部分に接続させて
ある。
【0014】更に、枠体1内における主回転軸4上には
一方向クラッチ(図示しない)を介して駆動側の第1か
さ歯車41が装着されており、その第1かさ歯車41に
は被駆動側の第2かさ歯車42が噛み合わせてある。
【0015】一方向クラッチは、図示はされていない
が、第1かさ歯車41に内蔵されており、扉10が閉鎖
状態から開く時は(例えば主回転軸4が図1で矢印A方
向に回動する時は)、主回転軸4と第1かさ歯車41と
の間が空回りして主回動軸4の回転が第2かさ歯車42
に伝達されないようにする。
【0016】逆に、閉扉時は、一方向クラッチは主回転
軸4の回転力を第1かさ歯車41を通じ第2かさ歯車4
2に伝達させる。この一方向回転形のクラッチとして
は、例えば、傾斜孔にころを嵌め込んだもの、付勢爪を
利用したものなど、従来周知の任意のものを採用するこ
とができる。
【0017】前記の第2かさ歯車42は枠体1内の固定
の受け枠14等で支承され、第2かさ歯車42の水平な
回転軸43は受け枠14の空間部に延出する。
【0018】第2かさ歯車42の回転軸43の回りに
は、その軸線方向に複数組(図示例では4組)の増速遊
星歯車機構5、5を連設してある。
【0019】各増速遊星歯車機構5は、入力側の内歯車
51、複数の遊星歯車52、52、遊星歯車52を支軸
で支える固定のキャリヤ53及び出力側の太陽歯車54
から成る。
【0020】ここに、第1の増速遊星歯車機構5におい
て内歯車51は第2かさ歯車42の回転軸43に固定さ
れており、また、第1の太陽歯車54と第2の内歯車5
1、第2の太陽歯車54と第3の内歯車51、及び、第
3の太陽歯車54と第4の内歯車51はそれぞれ一体に
形成されており、それらのいずれもが第2かさ歯車42
の回転軸43の回りに支承されている。
【0021】最終組(第4)増速遊星歯車機構5の出力
軸55は、最終組(第4)の太陽歯車54に一体的に設
けてあり、受け枠14から側方に突出させてある。
【0022】前記第4の太陽歯車54は第2かさ歯車4
2の回転軸43に対し相対的に回転可能に組み付けてあ
り、また、受け枠14に対し回転自在に支受されてい
る。
【0023】前記の出力軸55には、その高速回転を減
衰させるための回転運動減衰手段6が設けてある。
【0024】その減衰手段6は、出力軸55に対し直角
(半径方向)に突設した案内棒61と、案内棒61に摺
動可能に装着した例えば有底円筒状をなす回転運動減衰
用の重錘62と、その重錘62を案内棒61の基端側に
向け、すなわち出力軸55に向け付勢させる復帰ばね6
3とから成る。
【0025】図示例においては、前記の復帰ばね63は
案内棒61の回に巻装した圧縮コイルばねで、案内棒6
1を貫通させた円筒状の重錘62の底部と案内棒61の
先端に設けたフランジ部64との間に弾設してある。
【0026】次に、この発明のドアクローザの全体とし
ての作用について説明する。閉鎖状態の扉を開放させる
時、連係アームを通じて主回転軸4が例えば図1で矢印
A方向に回動すると、ピニオン45を介してラック2が
戻しばね3に抗して図1で右方(矢印B方向)に変位す
る。
【0027】この時、第1かさ歯車41に内蔵された一
方向クラッチ(図示しない)の存在により、第1かさ歯
車41に対する主回転軸4の回動の伝達が断たれること
になり、増速遊星歯車機構5及び回転運動減衰手段6は
非作動状態を保ち、主回転軸4の回動の抵抗とはならな
いので、扉10は比較的軽く開放できることになる。
【0028】一方、扉10から手を放すと、戻しばね3
の弾力によりラック2が図1で左方(矢印Bとは逆方
向)に移動し、このラック2によりピニオン45を介し
て主回転軸4が矢印Aとは逆方向に回動し、主回転軸4
により作動される連係アームが復動し、扉を閉鎖させ
る。
【0029】その際、一方向クラッチが入り、第1かさ
歯車41が主回転軸4と共に回動し、それに噛み合う第
2かさ歯車42も当然回動する。そして、複数組の増速
遊星歯車機構5、5によって第2かさ歯車42の回転が
十分に増速されつつ出力軸55に伝達される。
【0030】出力軸55が高速で回転して回転運動減衰
手段6における重錘62に遠心力が付与されると、その
重錘62が復帰ばね63に抗して案内棒61上を先端側
に向け移動する。
【0031】その結果、出力軸55の慣性モーメントが
大きくなり、この慣性モーメントの増大は増速遊星歯車
機構5の増速比の自乗倍となって主回転軸4に印加され
る。
【0032】すると、主回転軸4から見て出力軸55の
慣性モーメントが増速比の自乗倍になるので、この回転
系の慣性モーメントの増大により主回転軸4の回転が減
衰される。
【0033】換言すれば、戻しばね3が伸張するときに
放出する弾性エネルギーは、減衰手段を有しない回転系
の場合にはこれを加速するが、この発明によるドアクロ
ーザにおいては、所謂フライホイールガバナーによる回
転運動減衰手段6が、戻しばね3が放出する弾性エネル
ギーを、回転系の運動エネルギーの増大という形態で吸
収するので、主回転軸4の回転が減衰される。
【0034】すなわち、回転系の運動エネルギーはその
慣性モーメントに回転速度の自乗を乗じたものに比例す
るので、回転系の慣性モーメントが一定の場合には、回
転系に外部からエネルギー供給される場合回転速度は単
調に増加する。
【0035】しかしながら、この発明によるドアクロー
ザにおいては、戻しばね3から回転系に供給される弾性
エネルギーは慣性モーメントの増加による運動エネルギ
ーの増加という形で回転系に吸収される。
【0036】そして、重錘62の質量及び復帰ばね63
のばね定数を適切に設定すれば、このドアクローザの主
回転軸の回転は回転速度が一定の等速回転(見掛け上の
回転加速度がゼロ)となり、扉は緩衝されつつ閉じられ
る。
【0037】扉が閉止された後、ラック2及びこれと噛
み合う主回転軸4は停止するが、一方向クラッチを介し
て主回転軸4に取付けられる第1かさ歯車41以降の回
転系は、惰性により一方向クラッチの上を滑りながら空
転し、主に摩擦により運動エネルギーを吸収されて滑ら
かに停止する。
【0038】請求項2に記載の発明によるドアクローザ
は、図4に示すように、案内棒61の基端部(図4の上
端部)に形成された雄ねじ部を、出力軸55にその軸線
に垂直に形成された雌ねじ孔に螺合させた点のみが請求
項1に記載の発明と異なり、図4において図1と等符号
を付した部分は図1と均等の部分を示す。
【0039】図4に示すドアクローザは、案内棒のフラ
ンジ部64を例えば手指で回すことにより、フランジ部
64の出力軸55からの距離を変化させることができ、
この距離の変化により回転系の慣性モーメントを増減で
きるので、ドアクローザの緩衝能力を調節することがで
きる、という利点が生じる。
【0040】尚、図示の実施例では遊星歯車機構を複数
段連設することにより増速機を構成するものとしたが、
これは平歯車による通常の増速機を採用することができ
ることは言うまでも無い。
【0041】
【発明の効果】以上に説明したこの発明のドアクローザ
は、回転運動減衰用の重錘の慣性モーメントを利用して
扉の閉鎖運動を緩衝するものであるから、その製作にお
いてオイルのシーリング処理を不要としコストダウンが
計れるばかりでなく、使用中の油漏れの心配が皆無であ
るという効果を奏する。
【0042】また、この発明のドアクローザによれば、
増速機の設計に制限は無く、増速比を大きく設定できる
から、閉扉時に従来通り十分な減衰を得ることができ、
更にまた、制動力(減衰力)は温度による変化がないか
ら、寒暖による調整を要しない。
【0043】また、請求項2に記載の発明によれば、ド
アクローザの緩衝能力の調節もできる、等種々の効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のドアクローザの実施例を示す縦断正
面図。
【図2】カバー板を一部切除して示すその側面図。
【図3】図1のドアクローザにおける主回転軸、第1か
さ歯車、第2かさ歯車及び第1の増速遊星歯車機構の部
分を分解して示す斜視図。
【図4】請求項2に記載の発明の要部を示す案内棒支持
部の一部断面側面図。
【符号の説明】
10 扉 1 枠体 2 ラック 3 戻しばね 4 主回転軸 41 第1かさ歯車 42 第2かさ歯車 43 回転軸 45 ピニオン 5 増速遊星歯車機構 55 出力軸 61 案内棒 62 重錘 63 復帰ばね

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 扉又は扉枠に取り付けられる中空の枠体
    と、枠体内において長さ方向に案内移動されるようにし
    たラックと、ラックを平常位置側に付勢させる戻しばね
    と、ラックと噛み合うピニオンと、枠体に回動自在に支
    承され、ピニオンが固定されると共に連係アームが取り
    付けられる主回転軸と、一方向クラッチを介して主回転
    軸に連結された増速機と、この増速機の出力軸に直角に
    突設した案内棒と、案内棒に摺動可能に装着した回転運
    動減衰用の重錘と、その重錘を案内棒の基端側に向け付
    勢させる復帰ばねとを備えて成るドアクローザ。
  2. 【請求項2】 扉又は扉枠に取り付けられる中空の枠体
    と、枠体内において長さ方向に案内移動されるようにし
    たラックと、ラックを平常位置側に付勢させる戻しばね
    と、ラックと噛み合うピニオンと、枠体に回動自在に支
    承され、ピニオンが固定されると共に連係アームが取り
    付けられる主回転軸と、一方向クラッチを介して主回転
    軸に連結された増速機と、この増速機の出力軸に直角に
    突設され、基端部に形成された雄ねじ部を増速機の出力
    軸に形成された雌ねじ孔に螺合させた案内棒と、案内棒
    に摺動可能に装着した回転運動減衰用の重錘と、その重
    錘を案内棒の基端側に向け付勢させる復帰ばねとを備え
    て成るドアクローザ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100402699B1 (ko) * 2000-07-18 2003-10-22 조재환 도어 자동 복귀 및 잠금장치
JP2014118778A (ja) * 2012-12-18 2014-06-30 Canon Precision Inc ドアクローザ
KR20190119934A (ko) * 2018-04-13 2019-10-23 이갑순 도어 클로저

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20190119934A (ko) * 2018-04-13 2019-10-23 이갑순 도어 클로저

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