JPH09273095A - 抄紙機の坪量プロファイル制御装置及びマップ判定方法 - Google Patents

抄紙機の坪量プロファイル制御装置及びマップ判定方法

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JPH09273095A
JPH09273095A JP8079198A JP7919896A JPH09273095A JP H09273095 A JPH09273095 A JP H09273095A JP 8079198 A JP8079198 A JP 8079198A JP 7919896 A JP7919896 A JP 7919896A JP H09273095 A JPH09273095 A JP H09273095A
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Shinichi Inoue
信一 井上
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 坪量プロファイルの変化が小さくても判定で
きるマップ判定方法、及び、このマップ判定方法を用い
た自動でマップ判定を行い、坪量プロファイルの良好な
紙を製造するための抄紙機の坪量プロファイル制御装置
を提供する。 【解決手段】 任意の積算範囲において、坪量調整機構
毎の操作量の積算プロファイルと、坪量プロファイルの
偏差の積算プロファイルを算出し、これら積算プロファ
イルから両者の対応位置を判定すること、を特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙の幅方向の坪量
を調整し、坪量プロファイルの良好な紙を製造するため
の抄紙機の坪量プロファイル制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】抄紙機における坪量プロファイルの調整
装置は、ヘッドボックスから抄紙原料をワイヤー上に噴
き出すスライスリップの開き具合を幅方向で調整する機
構を持つ装置(以下、リップ開度調整装置と呼ぶ)が一
般的に行われている。
【0003】最近では、ヘッドボックス内の原料濃度を
幅方向の各位置毎に変える坪量調整装置を持つヘッドボ
ックスも知られている。(IHI「IHI−VOITH
新型ヘッドボックスの紹介」紙パルプ技術協会、平成6
年度年次大会要旨集、1994,p35-p42)
【0004】前記リップ開度調整装置による方法を中心
に説明すると、従来の抄紙機の坪量プロファイル制御装
置は、検出された坪量プロファイルからヘッドボックス
の調整機構に対応するようにマップされた坪量プロファ
イルを算出する演算手段と、このマップされた坪量プロ
ファイルが目標坪量プロファイルになるように坪量調整
装置を駆動制御する制御手段と、を備えるものである。
【0005】すなわち、各坪量調整機構(リップ)にマ
ップされた坪量プロファイルの値が目標値より大きい場
合は坪量を小さくするためにリップを閉じる操作を行
い、同様に坪量プロファイルの値が目標値より小さい場
合は坪量を大きくするためにリップを開く操作を行う。
【0006】目標坪量プロファイルとは、坪量プロファ
イル制御によって作りたいプロファイルの目標値であ
り、プロファイル形状をいう。この目標坪量プロファイ
ルは任意に決められるものが一般的である。例えば次の
ような形が用いられる。平ら、つまり幅方向で均一な坪
量。耳下がり、紙の両端のみ坪量が若干少ない。耳上
げ、紙の両端のみ坪量が若干大きい、等。この目標プロ
ファイル機能がない場合と、目標とするプロファイルと
して、平ら、を設定することは同じことを意味する。
【0007】ここでマップとは、検出される坪量プロフ
ァイルの幅方向の位置とその位置の坪量に影響を与える
坪量調整装置の各坪量調整機構(リップ)との位置対応
をとることをいう。これはリップ位置から各工程を経て
検出されるまでの間に、ワイヤー上での水流の移動や特
に乾燥工程における幅方向の収縮により対応位置が変わ
る事に対して補正するためである。「坪量調整機構に対
応する...」とは、このマップにより、検出段階での
坪量の測定値や出来上がり目標とする各位置の坪量を、
坪量調整装置の段階での各坪量調整機構毎の値に直した
値であることを意味する。
【0008】また、マップはマッピングと呼ばれること
もあるが、ここではマップと呼ぶ。
【0009】また、マップの対応表とは、坪量調整機構
(リップ)の位置と、それに対応する検出位置、の組み
合わせが記録されたものを示す。マップの対応表をマッ
プと呼ぶ場合もある。
【0010】従来の技術では、マップは事前に作成され
た坪量調整機構(リップ)の位置と検出位置の対応表を
参照することで行われる。坪量調整機構(リップ)の位
置と検出位置からなるマップの対応表は次の手順により
作成される。
【0011】まず、坪量調整機構操作前に、坪量調整機
構の状態(リップ開度)とその時の坪量プロファイルを
記録する。対応(マップ)を取りたい坪量調整機構を坪
量が増加(または減少)する方向に操作する。坪量調整
機構の操作により検出される坪量プロファイルが変化す
るのを待つ。変化した後、操作後の坪量調整機構の状態
(リップ開度)と検出された坪量プロファイルを記録す
る。操作後の坪量調整機構の状態(リップ開度)から操
作前の坪量調整機構の状態(リップ開度)を差分した操
作量偏差プロファイルを算出する。さらに、操作後の坪
量プロファイルから操作前の坪量プロファイルを差分し
た坪量偏差プロファイルを算出する。ここで、坪量調整
機構偏差プロファイルは操作した坪量調整機構の位置だ
けが値を持つ。基本的には、坪量偏差プロファイルも坪
量調整機構の操作に対応した位置(及びその付近)のみ
が相対的に大きな値を持つ。この操作量偏差プロファイ
ルと坪量偏差プロファイルから対応位置を判定しマップ
の対応表を作成する。
【0012】マップの対応表を作成するために全ての坪
量調整機構(リップ)について、上記手順を繰り返し行
う。また、何点かについて行った後、間の坪量調整機構
はデータを補間して求める場合もある。
【0013】これらマップの対応表を作成する作業は、
坪量プロファイル制御の準備として行われなければなら
ず、対応を簡単に識別するために、坪量を大きく変化さ
せることから作業は製品製造中に行えないことが多い。
一般的には、このためだけにテストとして行うことが多
い。
【0014】マップの対応表としては、坪量調整機構の
番号と検出装置の位置を直接的に対応させるものの他
に、マップの対応表から収縮率プロファイルを求めてお
き、この値からマップを取る方法も知られている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】抄紙機の操業条件が異
なるとマップの対応表は変わる。このため、一般には操
業条件毎にマップの対応表を事前に作成しておき、操業
条件により使い分けている。しかし、色々な操業条件で
使用される抄紙機では、全ての操業条件のマップの対応
表を作成するのは膨大な作業が必要となる。さらに、速
度の増減のような過渡的な条件に対応するマップの対応
表は用意することができない。
【0016】さらに、操業においては事前に求めたマッ
プの対応表通りの対応ではない場合が起こり得る。これ
は、マップの対応表がもはや適合しなくなった場合や、
何らかの外乱により一時的に対応が変わる場合もある。
どんな場合においても、マップが正しく行われない場合
には、坪量プロファイル制御において坪量プロファイル
の良化は困難であり、マップの対応表のズレが大きいと
坪量プロファイルをかえって悪化させてしまう。従来、
この様な場合は、坪量プロファイル制御を手動で行う
か、人間が手動でプロファイル調整を行いながら、マッ
プの対応表を設定し直している。
【0017】これらの問題は、坪量プロファイル制御中
に、自動で、対応(マップ)を取ることができないため
に発生する。本発明の目的は、制御中に対応(マップ)
を自動で判定する抄紙機の坪量プロファイル制御装置を
提供することである。
【0018】さらに、既存の抄紙機の坪量プロファイル
制御装置においても、事前に行うマップの対応表作成を
自動化または簡易化することが重要であり、特に操業中
に対応(マップ)を自動判定できることが要望される。
本発明の目的は、自動で行える抄紙機のマップ判定方法
を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、紙の幅
方向の複数個所の坪量を検出する検出装置と、紙の幅方
向に複数の坪量調整機構を持つ坪量調整装置と、を有す
る抄紙機において、任意の時点を基準とする坪量調整装
置の操作量偏差を任意の積算範囲で積算し操作量偏差積
算プロファイルを算出する演算手段1と、任意の時点を
基準とする検出装置の坪量偏差を任意の積算範囲で積算
し坪量偏差積算プロファイルを算出する演算手段2と、
該操作量偏差積算プロファイルと該坪量偏差積算プロフ
ァイルから坪量調整機構に対応する検出装置の位置を判
定するマップ判定演算手段3と、該マップ判定に基づき
坪量プロファイル制御を行う制御手段とを備えること、
を特徴とする抄紙機の坪量プロファイル制御装置が提供
される。
【0020】演算手段1と演算手段2における積算範囲
は例えば、坪量調整機構が操作された時点から現時点ま
でである、ものである。
【0021】演算手段1と演算手段2における積算範囲
は例えば、坪量調整機構が操作された時点を基準とし、
現時点までの積算範囲内であり、坪量調整装置の遅れ時
間、かつ/または、検出装置の遅れ時間を補正した積算
範囲である、ものである。
【0022】また、本発明によれば、紙の幅方向の複数
個所の坪量を検出する検出装置と、紙の幅方向に複数の
坪量調整機構を持つ坪量調整装置と、を有する抄紙機を
用い、任意の時点を基準とする坪量調整装置の操作量偏
差を任意の積算範囲で積算し操作量偏差積算プロファイ
ルを算出する演算手段1と、任意の時点を基準とする検
出装置の坪量偏差を任意の積算範囲で積算し坪量偏差積
算プロファイルを算出する演算手段2と、該操作量偏差
積算プロファイルと該坪量偏差積算プロファイルから坪
量調整機構に対応する検出装置の位置を判定するマップ
判定演算手段3とからなる抄紙機のマップ判定方法が提
供される。
【0023】これにおいても、演算手段1と演算手段2
における積算範囲は例えば、坪量調整機構が操作された
時点から現時点までである、ものである。
【0024】また、演算手段1と演算手段2における積
算範囲は例えば、坪量調整機構が操作された時点を基準
とし、現時点までの積算範囲内であり、坪量調整装置の
遅れ時間、かつ/または、検出装置の遅れ時間を補正し
た積算範囲である、ものである。
【0025】
【発明の実施の形態】図面を使って、本発明の実施の形
態を説明する。図1は本発明による抄紙機の坪量プロフ
ァイル制御装置を示す構成図である。図2は実施例の抄
紙機との関係を示す詳細図である。図2に示した抄紙機
の紙を作る工程を行う部分は、ヘッドボックス1、ワイ
ヤー装置2、プレス装置3、ドライヤ装置4と続き、原
料液はこれら各装置へ順番に搬送されて加工される。
【0026】ヘッドボックス1は、パルプ等を含む原料
液を網状のワイヤー装置2上に供給する。図3(a)は
ヘッドボックスによる坪量調整装置の仕組みを示す断面
図であり、図3(b)はヘッドボックスによる坪量調整
装置の仕組みを示す正面図である。このヘッドボックス
1は供給される原料液の流れの幅方向(紙の幅方向)の
各位置で上下動作(開閉動作)可能なスライスリップ1
2を有する。スライスリップ12は、ステッピングモー
タ13に接続されており、このステッピングモータ13
により上下方向に移動可能である。このように供給口1
4の開度を変化することにより、原料液の供給量を調整
することができる。坪量調整装置48は、各ステッピン
グモータ13毎に坪量調整が可能であり、これが坪量調
整機構である。
【0027】ワイヤー装置2は、供給された原料液を脱
水する。プレス装置3は、紙9を毛布、加圧ローラによ
りさらに脱水する。ドライヤ装置4aは、熱により紙9
を乾燥する。
【0028】検出装置47a、ではこのように脱水・乾
燥された紙9の幅方向の坪量等の物性を検出する。検出
装置47a(または47b)で検出された紙9の幅方向
の坪量プロファイル信号Y1(X)は、制御手段41へ
入力される。ただし、紙9の幅方向の位置をX、各位置
における坪量をY1とする。
【0029】図4は図2の制御装置の検出装置47a
(または47b)の拡大斜視図である。検出装置47a
(または47b)は、例えば紙9を挟んで対向させたβ
線発信器38および受信器39からなるB/Mセンサで
構成することができる。この場合、紙9を通過したβ線
を受信器39で受信し、その減衰量により坪量が検出さ
れる。検出装置47a(または47b)は2つのコラム
36、36とこれらコラム36、36間に挟持される形
で上ビーム37と下ビーム35を有する。上ビーム37
には受信器39が、下ビーム35には発信器38がそれ
ぞれ設けられている。これら発信器38、受信器39は
水平方向に同時に同期して移動可能である。
【0030】制御手段41には検出装置47a(または
47b)の受信器39と坪量調整装置48のステッピン
グモータ13が接続されている。この制御手段41は、
制御部、演算部およびレジスタ部を有するCPU、プロ
グラムや各種データを記憶するRAMあるいはROM等
のメモリ、入出力インターフェース等により構成される
が、機能的には坪量プロファイル検出手段42、操作量
プロファイル検出手段43、坪量偏差積算プロファイル
演算手段52、操作量偏差積算プロファイル演算手段5
3、マップ判定演算手段54、坪量調整装置駆動制御手
段44、を有する。
【0031】これら各手段42〜54の機能は、図5、
図6のフローチャートの説明の際に述べる。検出装置4
7aで物性を検出された後、紙9は図2に示す抄紙機の
後半工程部分へ搬送される。この後半の工程は、サイズ
プレス装置5、ドライヤ装置4b、カレンダ装置6、検
出装置47bおよび巻き取り装置7からなる。
【0032】サイズプレス装置5は、紙9へ塗液を塗
り、ドライヤ装置4bは塗液を塗られた紙9を乾燥す
る。カレンダ装置6は紙9のつや出しを行ない、検出装
置47bは紙9の坪量等の物性を検出する。この検出装
置47bは、検出装置47aと同様の構成とすることが
できる。巻き取り装置7は、このようにして製造された
紙9を円筒状に巻き上げる。
【0033】図5は図1に示した制御手段41の行なう
処理のフローチャートである。ここでは坪量調整装置の
操作を+の方向に操作することで坪量が増加し、坪量調
整装置の操作を−の方向に操作することで坪量が減少す
る場合で説明をする。
【0034】ステップ1において、検出装置47a(ま
たは47b)により検出された坪量プロファイルは、ス
ムージング、等の処理を行われY1(x)となる。xは
幅方向の位置を表す。本発明では坪量プロファイルは順
に記録されるため、何回目の測定であるかを示すtを加
え、Y1(x、t)で表す。Y1(x,t)は、位置x
のt番目(t時点)の坪量Y1を表す。
【0035】ここでスムージングとは、検出された値を
これより前に検出された同位置の値と演算し、ノイズを
減少させる手法で、現在市販されている検出装置で一般
的に行われている。
【0036】ステップ2において、同様に同時点の坪量
調整装置の坪量調整機構毎の状態、ここでは操作量と呼
ぶP(n,t)が記録される。ここで、nはn番目の坪
量調整機構(リップ)を示し、tはt回目の坪量プロフ
ァイル検出時点を示す。坪量調整装置の坪量調整機構毎
の状態とは、リップ開度調整において云えば、各リップ
のリップ開度のことである。
【0037】ステップ3において、任意に指定された始
点Tsと終点Teが読み出される。ここで始点Tsは時
間的に古い時点を指し、終点Teは新しい時点を指すも
のとして表す。終点Teを現時点Tとし積算範囲をi回
と指定する方法を用いると、始点TsはT−i、終点T
eはTで表される。
【0038】ステップ4において、検出された坪量Y1
(x,t)の偏差の積算を行う。積算範囲t=Tsから
t=Teまでの、各坪量偏差Y_d1(x,t)は{Y
1(x,t)−Y1(x,Ts−1)}で表せるため、
坪量偏差積算プロファイルY1i(x)は数1で表され
る。
【0039】
【数1】Y1i(x)= Σ{Y1(x,t)−Y1
(x,Ts−1)} 積算範囲は、t=Tsからt=Teまでとなる。
【0040】積算範囲は、検出の遅れ時間を補正するこ
ともできる。検出の遅れ時間を検出回数で表しay回と
すると、この場合積算範囲はt=Ts+ayからt=T
eまでとなる。
【0041】ステップ5において、坪量調整装置の状態
である、操作量P(n,t)の偏差の積算を行う。積算
範囲t=Tsからt=Teまでの偏差、つまり操作量偏
差P_d(n,t)は{P(n,t)−P(n,Ts−
1)で表せるため、この操作量偏差積算プロファイルP
i(n)は数2で表される。
【0042】
【数2】Pi(n)= Σ{P(n,t)−P(n,T
s−1)} 積算範囲は、t=Tsからt=Teまでとなる。
【0043】積算範囲は、同様に、制御の遅れ時間を補
正することもできる。制御の遅れ時間を検出回数で表し
ap回とすると、この場合積算範囲はt=Tsからt=
Te−apまでとなる。
【0044】ステップ6において、坪量偏差積算プロフ
ァイルY1i(x)と操作量偏差積算プロファイルPi
(n)から、nとxの対応、つまりマップ、を判定す
る。ステップ6における処理の一例を図6に示すフロー
チャートを用いて説明する。
【0045】ステップ6−1において、操作量偏差積算
プロファイルPi(n)から、任意に設定された設定値
Aよりも大きいPi(n)のnであり、かつ隣合うn±
1のPi(n±1)が任意に設定された設定値B以下で
ある場合、ステップ6−2を行う。それ以外はステップ
6−3を行う。
【0046】ステップ6−2では、ステップ6−1で選
択された坪量調整機構の番号nについて次の処理を行
う。坪量偏差積算プロファイルY1i(x)の最大値を
求め、かつ、このY1i(x)の値が任意に設定された
設定値Cよりも大きい場合、この時のxがnに対応する
と判定する。
【0047】ステップ6−2において、坪量偏差積算プ
ロファイルY1i(x)の最大値を求めるときに、xの
範囲を指定することもできる。マップされるnとxの位
置関係にはある程度の関係があり、あまり離れた位置が
対応することはない。各々のnに対応するxの範囲を事
前に決めておき、この範囲内でのnに対応するx、つま
りY1i(x)の最大値を探すことにより、精度を上
げ、外乱に影響され難くすることができる。
【0048】ステップ6−5において、ステップ6−
1、6−2の条件を満たすnとxの組が存在した場合、
このnとxが対応すると判定され、マップの対応表に記
録される。
【0049】同様に操作量がマイナスの場合は、ステッ
プ6−3において、操作量偏差積算プロファイルPi
(n)から、任意に設定された設定値−Aよりも小さい
Pi(n)のnであり、かつ隣合うn±1のPi(n±
1)が任意に設定された設定値−B以上である場合、ス
テップ6−4を行う。それ以外はステップ6−5を行
う。
【0050】ステップ6−4では、ステップ6−3で選
択された坪量調整機構の番号nについて次の処理を行
う。坪量偏差積算プロファイルY1i(x)の最小値を
求め、かつ、このY1i(x)の値が任意に設定された
設定値−Cよりも小さい場合、この時のxがnに対応す
ると判定する。
【0051】ステップ6−4においても、坪量偏差積算
プロファイルY1i(x)の最小値を求めるときに、x
の範囲を指定することができる。
【0052】ステップ6−5において、ステップ6−
3、6−4の条件を満たすnとxの組が存在した場合、
このnとxが対応すると判定され、マップの対応表に記
録される。
【0053】図5に戻り、ステップ7ではマップが行わ
れる。現時点の検出された坪量プロファイルY1
(x)、またはY1(x,T)、はマップされて坪量調
整機構に対応した坪量プロファイルY(n)に変換され
る。
【0054】ここでマップとは、検出された時点での紙
の幅方向の位置を、その位置が坪量調整装置(ヘッドボ
ックス1)の対応する坪量調整機構(リップ)の値に変
換することである。これにより、検出された坪量を坪量
調整装置の調整機構に対応させることができる。これは
マップの対応表から参照される。さらに、調整機構の数
は一般に検出データ数より少ない。このため、例えば、
検出された坪量プロファイルY1(X)が紙の幅方向1
0mm毎(Xが10mm毎)に検出されるとして、ヘッ
ドボックスのリップ操作端が100mm毎にしか操作で
きない場合に、このリップに対応した100mm間の検
出値10点の平均値を求める様な演算を行う。一般には
この平均値のみがステップ7で利用される。実際には、
マップで示した様に同一リップに対する検出幅も各リッ
プで異なる(一般に端になるほど狭い)し、リップの幅
も均等ではない。さらに、リップに対応した坪量の求め
方については、ここで述べたリップ幅での単純平均の他
にも位置毎に重み付けを行う等の方法がある。
【0055】次いで、ステップ8において、坪量調整機
構に対応した坪量プロファイルY(n)が目的のプロフ
ァイルになるように坪量調整装置を駆動制御する。
【0056】ここまでのステップ7、8は、従来行われ
ている抄紙機の坪量プロファイル制御装置にほぼ等し
い。また各ステップ内においても知られている多くの手
法を利用することができる。
【0057】ステップ6において、本発明では、nに対
応するxを求めるためにY1i(x)の最大値(最小
値)を用いるが、この他にも以下いくつかの方法があ
る。例えば、任意の値より大きい(小さい)山の面積を
2分する点、最大値(最小値)を求める前に移動平均処
理を施す、等がある。
【0058】図5、図6のフローチャート、及び説明に
おいて、検出装置の位置xと坪量調整装置の各坪量調整
機構の番号nは、順に最初から最後までループで処理さ
れるが、フローチャートを見やすくするために、あえて
ループ構造は明記していない。
【0059】
【実施例】
実施例1 本発明の実施例を示す。図2に示す様なフォードリニア
の抄紙機において本発明の抄紙機の坪量プロファイル制
御を行った。検出装置はβ線の坪量計で幅方向205点
の検出を行う。つまりxは1から205である。坪量調
整装置は41箇所の坪量調整機構、リップ、をもつ。つ
まりnは1から41である。検出は30秒毎に行われ
た。
【0060】積算の範囲は、始点Tsを10回前、終点
Teを現時点とした。検出の遅れ時間ayを2回、制御
の遅れ時間apを2回とした。坪量調整装置はリップ開
度調整であり、坪量調整機構の状態はマイクロメータ単
位の位置で表される。ここでは坪量調整機構の状態、操
作、を+の方向に操作することで坪量が増加し、−の方
向に操作することで坪量が減少する。
【0061】何らかの理由により坪量プロファイルが乱
れると、それを制御すべく坪量調整機構、リップ、のn
=24、が+10マイクロメータ操作された。その後1
分経過(30秒毎の測定で積算範囲の制御の遅れapの
2回を経過)すると操作量偏差積算値Pi(24)が値
を持ち始めた、この時Pi(24)=+10。その後時
間の経過と共にPi(24)の値は大きくなり、3分3
0秒後に設定値Aの値+40を超えた。Pi(23)の
値は+5、Pi(25)の値も+5、であった。これら
は共に設定値Bの値+10より小さく、n=24は図6
に示したステップ6−1の条件を満足し、ステップ6−
2が行われた。
【0062】n=24に対して設定してあったxの比較
範囲は90から100であった。3分30秒後のY1i
(x)の、このxの範囲内での最大値はx=116で
1.5g/m2であった。しかし、設定値Cの値+1.
6g/m2より小さかったのでマップの判定はされなか
った。
【0063】4分後には、n=24でPi(24)=+
60、x=116でY1i(116)=1.8g/m2
であった。この結果、n=24はx=116に対応する
と判定され、マップの対応表に記録された。これ以降の
制御では、n=24のリップはx=116にマップされ
制御された。4分30秒後にも同じ判定がおこなわれた
が同じ対応なので影響はなかった。
【0064】5分を経過すると、操作量偏差積算値Pi
(24)の値は0になってしまった。これは偏差を求め
る際の基準(Ts−1)自身が操作を行った後の状態に
なったためである。これは、積算範囲以前の状態の変化
はマップの判定に影響を与えないことを示している。
【0065】実施例2 実施例1と同じ条件において、坪量プロファイル制御と
は別に本発明のマップの判定方法を用いてマップの対応
表を作成した。
【0066】マップを求めたいリップ、n=15、を−
10マイクロメータ操作した。その後実施例1と同様の
経緯で、4分後には、n=15でPi(15)=−6
0、坪量偏差の最小値はx=82でY1i(82)=−
2.1g/m2であった。この結果、n=15はx=8
2に対応すると判定された。
【0067】判定された、n=15とx=82をノート
に記録し、後でマップの対応表を修正した。
【0068】従来のマップの判定方法を行い確認した結
果は良く一致した。ただし、従来の方法ではリップを3
0マイクロメータ以上操作しないと判定は難しかった。
以上本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明はこ
の実施例には限定されず、種々変形可能である。
【0069】
【発明の効果】本発明は偏差の積算を用いるため、少な
い操作量、少ない坪量変化でもその積算値が増大する。
このため、少ない操作量、少ない坪量変化でも判定でき
るマップ判定方法である。少ない坪量変化でもマップが
判定できるため、製品製造中でも製品への悪影響を与え
ることなく、マップを判定することができる。さらに、
このマップ判定方法を制御装置に組み込むことで、自動
でマップをとる抄紙機の坪量プロファイル制御装置を提
供した。
【図面の簡単な説明】
【図1】抄紙機の坪量プロファイル制御装置を示す構成
図。
【図2】抄紙機の坪量プロファイル制御装置の実施例を
示す詳細図。
【図3】(a)ヘッドボックスによる坪量調整装置の仕
組みを示す断面図。 (b)ヘッドボックスによる坪量調整装置の仕組みを示
す正面図。
【図4】検出装置の拡大斜視図。
【図5】図1に示した制御手段の行う処理のフローチャ
ート。
【図6】図5に示したフローチャートの一部の詳細なフ
ローチャート。
【符号の説明】
1 ヘッドボックス 2 ワイヤー装置 3 プレス装置 4a ドライヤ装置 4b ドライヤ装置 5 サイズプレス装置 6 カレンダ装置 7 ワインダ装置 9 紙 11 下リップ 12 スライスリップ 13 ステッピングモータ 14 リップ開口 21 エアーノズル 29 アーチ 35 下ビーム 36 コラム 37 上ビーム 38 β線発信器 39 受信器 41 制御手段 42 坪量プロファイル検出手段 43 操作量プロファイル検出手段 44 坪量調整装置駆動制御手段 47 検出装置 48 坪量調整装置 52 坪量偏差積算プロファイル演算手段 53 操作量偏差積算プロファイル演算手段 54 マップ判定演算手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙の幅方向の複数個所の坪量を検出する
    検出装置と、紙の幅方向に複数の坪量調整機構を持つ坪
    量調整装置と、を有する抄紙機において、任意の時点を
    基準とする坪量調整装置の操作量偏差を任意の積算範囲
    で積算し操作量偏差積算プロファイルを算出する演算手
    段1と、任意の時点を基準とする検出装置の坪量偏差を
    任意の積算範囲で積算し坪量偏差積算プロファイルを算
    出する演算手段2と、該操作量偏差積算プロファイルと
    該坪量偏差積算プロファイルから坪量調整機構に対応す
    る検出装置の位置を判定するマップ判定演算手段3と、
    該マップ判定に基づき坪量プロファイル制御を行う制御
    手段とを備えること、を特徴とする抄紙機の坪量プロフ
    ァイル制御装置。
  2. 【請求項2】 該演算手段1と該演算手段2における積
    算範囲が、坪量調整機構が操作された時点から現時点ま
    でである、ことを特徴とする請求項1記載の抄紙機の坪
    量プロファイル制御装置。
  3. 【請求項3】 該演算手段1と該演算手段2における積
    算範囲が、坪量調整機構が操作された時点を基準とし、
    現時点までの積算範囲内であり、坪量調整装置の遅れ時
    間、かつ/または、検出装置の遅れ時間を補正した積算
    範囲である、ことを特徴とする請求項1記載の抄紙機の
    坪量プロファイル制御装置。
  4. 【請求項4】 紙の幅方向の複数個所の坪量を検出する
    検出装置と、紙の幅方向に複数の坪量調整機構を持つ坪
    量調整装置と、を有する抄紙機を用い、任意の時点を基
    準とする坪量調整装置の操作量偏差を任意の積算範囲で
    積算し操作量偏差積算プロファイルを算出する演算手段
    1と、任意の時点を基準とする検出装置の坪量偏差を任
    意の積算範囲で積算し坪量偏差積算プロファイルを算出
    する演算手段2と、該操作量偏差積算プロファイルと該
    坪量偏差積算プロファイルから坪量調整機構に対応する
    検出装置の位置を判定するマップ判定演算手段3とから
    なる抄紙機のマップ判定方法。
  5. 【請求項5】 該演算手段1と該演算手段2における積
    算範囲が、坪量調整機構が操作された時点から現時点ま
    でである、ことを特徴とする請求項4記載の抄紙機のマ
    ップ判定方法。
  6. 【請求項6】 該演算手段1と該演算手段2における積
    算範囲が、坪量調整機構が操作された時点を基準とし、
    現時点までの積算範囲内であり、坪量調整装置の遅れ時
    間、かつ/または、検出装置の遅れ時間を補正した積算
    範囲である、ことを特徴とする請求項4記載の抄紙機の
    マップ判定方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009506228A (ja) * 2005-08-22 2009-02-12 ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド Cdコントローラアライメントの閉ループ同定用逆バンプ試験
WO2018173849A1 (ja) * 2017-03-22 2018-09-27 セイコーエプソン株式会社 シート製造装置、シート、及び、シート製造方法

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