JP4850909B2 - Cdコントローラアライメントの閉ループ同定用逆バンプ試験 - Google Patents

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Description

本発明は、一般に抄紙機などの連続シート製造システムを監視および制御するための手法に関し、特に、閉ループCD制御系からアライメント情報を抽出することで、シート製造システムにおいて適切な幅方向のアライメントを維持することに関するものである。
現代の高速な機械を用いて抄紙を行う技術分野では、シートの品質を保証し、なおかつ製造工程の乱れがあった場合に不良扱いとなる完成品の量を最小限に抑えるために、シート特性を連続的に監視および制御しなければならない。最も頻繁に測定対象となるシートの変数としては、製造工程のさまざまなステージでのシートの坪量、水分量、紙厚(すなわち厚さ)があげられる。これらのプロセス変数は一般に、たとえば、プロセス開始時に原料紙料の供給速度を調節する、プロセスの中程あたりで紙に印加する蒸気の量を調整する、あるいは、プロセスの最後でカレンダローラ間のニップ圧を変化させることで制御されている。抄紙装置は当該技術分野において周知であり、たとえば、(非特許文献1)および(非特許文献2)に記載されている。さらに、たとえば、ヘー(He)に付与された(特許文献1)、フー(Hu)に付与された(特許文献2)、バラクリッシュナン(Balakrishnan)に付与された(特許文献3)、ボイスベーン(Boissevain)らに付与された(特許文献4)、アンダーソン(Anderson)らに付与された(特許文献5)にも、シート製造システムが記載されている。一方、抄紙機用のプロセス制御法については、たとえば、フー(Hu)らに付与された(特許文献6)、ハガート・アレクサンダー(Hagart-Alexander)らに付与された(特許文献7)、ヘブン(Heaven)らに付与された(特許文献8)、フー(Hu)らに付与された(特許文献9)、フー(Hu)らに付与された(特許文献10)、ヘー(He)に付与された(特許文献11)に、さらに記載されている。
流れ方向と幅方向の両方で、シート特性をオンラインで測定することが可能である。シート製造の技術分野では、流れ方向(machine direction、MD)という用語が製造工程でのシート材料の移動方向を示すのに対し、幅方向(cross direction、CD)という用語は、流れ方向に直交するシート幅に沿った方向を示す。
抄紙機には一般に、数ヶ所の制御ステージがあり、シート幅に沿って延在する独立して制御可能な多数のアクチュエータが制御ステージごとに設けられている。たとえば、抄紙機は一般に、前部に複数のスライスリップフォースアクチュエータを有するヘッドボックスを含み、これらのアクチュエータによって、ヘッドボックス内の紙料を抄き網またはワイヤー上に流出させることができる。また、抄紙機に多数のスチームアクチュエータを有するスチームボックスが含まれることもあり、この場合のアクチュエータは、シート全体の何ヶ所かの領域に印加される熱の量を制御するものである。同様に、カレンダリングステージでは、セグメント化されたカレンダローラが、シート全体のさまざまな領域でローラ間に印加されるニップ圧を制御するためのいくつかのアクチュエータを有するものであってもよい。
均一かつ高品質の完成品を維持する目的で、それぞれのステージではすべてのアクチュエータが稼働される。このような制御は、たとえば、センサの示度を定期的に監視し、所望の出力示度が生成されるまで各アクチュエータを手で調節するオペレータによってなし得るものである。抄紙機にはさらに、走査センサから送られる信号を利用して幅方向のアクチュエータを自動で調節するためのコンピュータ制御系が含まれていてもよい。
紙の製造において、MDについては事実上すべてのばらつきがヘッドボックス進入(approach)システムの高周波または低周波の振動に由来する可能性がある。CDに沿ったばらつきはさらに複雑である。最終紙製品の幅方向の乾燥重量プロファイルがフラットであるすなわち、製品にCDに沿ったばらつきがないのが好ましいが、これはめったにない事例である。さまざまな要因がゆえに、パルプストックの分布、脱水、乾燥、シートに加わる機械力の不均一さといった不均一なCDプロファイルが生じている。これらの要因の原因としては、たとえば、(i)不均一なヘッドボックス送達、(ii)ワイヤーのプラスチックメッシュ布の目詰まり、(iii)ワイヤー張力の大きさのむら、(iv)不規則な真空分布、(v)不規則なプレスニップ圧またはカレンダニップ圧、(vi)水分の不均一さにつながるCDに沿った不規則な温度と空気流があげられる。
幅方向での測定は一般に、シート材料の幅に沿って周期的に前後移動する走査センサを用いて行われる。シート全体を走査する目的は、CDおよびMDの両方についてシートの変動性を測定することにある。この測定結果に基づいて、制御コンピュータからプロセスの補正が指示され、これをアクチュエータが実行して、シートをさらに均一にする。
実際には、シート製造機に接続された制御装置に、幅方向に配置された一連のアクチュエータシステムが含まれるのが普通である。たとえば、典型的なヘッドボックスでは、制御装置は、ヘッドボックス底部の噴出口にある小さなギャップを横切って横方向に延在する可撓性部材またはスライスリップである。スライスリップは、ギャップの面積を調節し、このためヘッドボックスから原料紙料を噴出する速度を調節できるように、可動式とされている。一般的なスライスリップは、幅方向に間隔をあけた位置でスライスリップの局所的な曲げ(localized bending)を生じるよう動作する多数のアクチュエータシステムまたはセルによって作動される。このスライスリップ部材の局所的な曲げによって、ウェブ全体のさまざまなスライス位置でのフィードギャップの幅が決まる。
走査センサからの測定信号を用いてアクチュエータを調節することによってシート製造機を制御することは、標準的な技法である。幅方向制御の場合、たとえば、一般に提案されている制御スキームのひとつに、シート上の幅方向の選択された場所で値を測定した後、これらの測定値をターゲット値または設定点値と比較することがある。測定値と設定点値との各組での差すなわち誤差を利用して、幅方向制御アクチュエータへの適切な出力をアルゴリズム的に生成し、誤差を最小限にすることが可能である。このようなシステムでは、測定後に幅方向のアクチュエータ領域へのフィードバック制御として利用されるシートの幅方向部分に測定領域が画定され、幅方向のアクチュエータ領域の影響を受けるシート部分に制御領域が画定される。
米国特許第5,539,634号明細書 米国特許第5,022,966号明細書 米国特許第4,982,334号明細書 米国特許第4,786,817号明細書 米国特許第4,767,935号明細書 米国特許第6,149,770号明細書 米国特許第6,092,003号明細書 米国特許第6,080,278号明細書 米国特許第6,059,931号明細書 米国特許第6,853,543号明細書 米国特許第5,892,679号明細書 "Handbook for Pulp & Paper Technologists" 第2版、G.A.スムーク(G. A. Smook)、1992年、アンガス・ヴィルデ・パブリケーションズ・インク(Angus Wilde Publications, Inc.) "Pulp and Paper Manufacture" 第III巻(Papermaking and Paperboard Making)、R.マクドナルド(R. MacDonald)編、1970年、マグローヒル(McGraw Hill)
だが、実際には、走査センサからの測定信号でアクチュエータを調節してシート製造機を制御するのは困難である。走査センサは制御アクチュエータから流れ方向に相当な距離で離れているため、特にいくつか問題点が発生する。このように離れていることから、どの測定領域がどのアクチュエータ領域と関連しているのかを判断するのは難しい。こうした問題点は、抄紙の技術分野ではアライメント問題(alignment problem)と呼ばれている。ペーパーウェブが抄紙工程を進むにつれて不規則に紙収縮を起こすと、よくあることだが、アライメント問題が深刻化する。もうひとつの問題点として、各アクチュエータの作用域が常に対応する制御領域内に限定されているわけではなく、いくつかの制御領域におよぶことがあげられる。アライメントは、CD制御系を安定的かつ動作状態に保つ上で重要なプロセスモデルパラメータのひとつである。アライメントが経時的に変化し、後にコントローラの性能を低下させて結果として紙の品質が落ちる可能性もある。
アクチュエータ領域を測定領域とアライメントさせるための従来の一方法には、染色試験を利用することが含まれる。染色試験では、着色した液体の細い流れを、スライスリップの下を流すようにして原料紙料に適用する。染料流は最初のうち、流れ方向に延在する平行線を描くが、抄紙工程の際にウェブの収縮があると、これらの線が平行から外れる場合がある。測定装置を通る染料のマークによって、制御領域の分布が明らかになり、よって、測定領域のアライメントが特定される。
しかしながら、従来の染色試験には多数の欠点がある。最も深刻な欠点は、シート製造工程が試験時に制御から外れることが多いものの、この試験では最終製品が破壊されてしまうため染料試験をシート製造実施時の中間点に行えることがほとんどない点である。さらに、薄紙グレードの紙では厚みに限りがあって吸収特性も高いため、染色試験は一般に重量グレードが比較的高い紙製品だけに限られてしまう。
さらに最近になると、シート製造システムにおいてアクチュエータ領域を自動的かつ非破壊的にマップして、これを測定領域にアライメントするシステムが開発されている。これらのシステムのなかには、一般には開ループのCD制御系を利用し、選択されたアクチュエータを摂動してその応答を検出することでいわゆる「バンプ(bump、隆起)試験」を実施するものがある。「バンプ試験」という用語は、抄紙機などのシート製造システムの動作パラメータを変化させ、これによって生じる特定の従属変数の変化を測定する手法を示す。バンプ試験を開始する前に、抄紙機を所定のベースライン条件で稼動させる。「ベースライン条件」とは、機械が許容可能な品質の紙を製造する動作条件を意味する。一般に、ベースライン条件は、抄紙に関する標準パラメータまたは最適化後のパラメータと対応することになる。機械を動作させるのにかかる費用のことを考えると、使用不可の不良紙を生みかねない極限状態は回避される。同様の文脈で、システムの動作パラメータをバンプ試験に合わせて変更する場合、この変化は、機械を破損したり不良紙を生産したりしてしまうほど劇的であってはならない。機械が定常状態に達するか安定して動作するようになったら、特定の動作パラメータを測定して記録する。相当な時間をかけて十分な回数の測定を行い、バンプ試験に対する代表的な応答データを得る。
CDモデル同定用の標準的なバンプ試験には、以下のステップが含まれる。(1)制御系を開ループにおく、(2)ヘッドボックスにおけるアクチュエータのサブセットをバンプして、時間内に特定のステップまたは一連のステップを実施し、(3)スキャナのセンサによって測定された出力データを収集し、(4)モデル同定アルゴリズムを実行し、アライメントをはじめとするモデルパラメータを同定する。
たとえば、ヘー(He)に付与された米国特許第5,400,258号明細書には、アクチュエータを移動させ、その応答を走査センサで読み取って、アライメントをソフトウェアによって同定する抄紙システム向けの標準的なアライメントバンプ試験が開示されている。ゴリネブスキー(Gorinevsky)およびヘブン(Heaven)に付与された米国特許第6,086,237号明細書には、さらに精巧なデータ処理を用いたこと以外は同様の手法が開示されている。具体的には、彼らのバンプ試験では、アクチュエータを移動させてスキャナでの場合のようにして応答を同定する。
現行のバンプ試験アライメント方法では、バンプ試験の実験時にオペレータがアライメントを同定することが可能である。アライメントの変化を経時的に追跡するには、数日および数週間でアライメントを同定しなおす必要がある。さらに、閉ループ制御状態のシステムでのモデル同定には、取り組むべき課題が多いことが知られている。これは、ひとつには、閉ループ制御系が一切の摂動をなくすよう働き、従来技術の手法では、システムの残りの部分に対して機能する摂動をアクチュエータプロファイルで「ごまかす」ことを試みているという根本的な理由によるものであり、よって、システムの十分な励起(excitation)の実現は達成困難である。
本発明は、シート製造システムを閉ループ制御状態に保ったまま、このシステムのアライメントを同定するための新規な方法を提供するものである。開ループまたは閉ループ制御系で用いられている標準的なモデル同定法とは対照的に、本発明では、閉ループ制御にその利点を活用している。この手法には、(1)制御系を閉ループ状態のままにするステップと、(2)スキャナからの測定プロファイルの上にステップ信号を人工的に挿入(同義には、設定点のターゲットプロファイルの上にステップ信号を挿入)するステップと、(3)制御系がアクチュエータを動かしたらデータを記録して、知覚された擾乱を除去するステップと、(4)アクチュエータプロファイルに対する人工測定擾乱からのモデルを詳細化または展開させるステップと、を含むことが可能である。
本発明は、ひとつには、アクチュエータプロファイルの定常状態の応答に、シート製造システムのアライメントの抽出元となり得る情報が含まれるという認識に基づくものである。
一実施形態において、本発明は、幅方向に配置された複数のアクチュエータを有するシート製造システムのアライメント方法であって、このシステムは、複数のアクチュエータよりも下流でなされるシートプロファイル測定に応答して複数のアクチュエータからの出力を調節するための制御ループを含み、上記の方法は、
(a)
(i)システムを動作させ、複数のアクチュエータよりも下流でシートの幅方向に沿ってシートのプロファイルを測定し、測定プロファイルに比例するプロファイル信号を生成し、
(ii)摂動信号を測定プロファイルに加えて(同義には、摂動信号を設定点のターゲットプロファイルに加えて)、測定プロファイルに沿った位置での擾乱(同義には、設定点の変化)をシミュレートする修正プロファイル信号を生成し、
(iii)修正プロファイル信号(または設定点変更)に対するアクチュエータプロファイルの閉ループ応答に基づいてアライメントずれ情報を判断し、
(iv)ステップ(i)〜(iii)を繰り返すことによって、少なくとも2ヶ所の幅方向の位置からアライメント情報を判断し、ステップ(ii)が、摂動信号を測定プロファイルに加えて(同義には、摂動信号を設定点プロファイルに加えて)、測定プロファイルに沿った、異なる位置での擾乱(同義には、設定点の変化)をシミュレートする修正プロファイル信号を生成し、上記(i)ないし(iv)のステップによって、少なくとも2ヶ所の幅方向の位置からアライメントずれ情報を得る、ステップと、

(b)シート製造システムにアライメントの変化がある場合は、少なくとも2ヶ所の幅方向の位置からのアライメントずれ情報からこれを同定するステップと、を含む方法に関するものである。
もうひとつの実施形態では、本発明は、幅方向に配置された複数のアクチュエータを有するシート製造システムであって、複数のアクチュエータよりも下流でなされるシートプロファイル測定に応答して、複数のアクチュエータからの出力を調節するための制御ループを含むシート製造システムから幅方向の情報を抽出するための方法であって、
(a)システムを動作させ、複数のアクチュエータよりも下流でシートの幅方向に沿ったシートのプロファイルを測定し、測定プロファイルに比例するプロファイル信号を生成するステップと、
(b)摂動信号を測定プロファイルに加えて(同義には、摂動信号を設定点のターゲットプロファイルに加えて)、測定プロファイルに沿った少なくとも1ヶ所の位置での擾乱(同義には、設定点の変化)をシミュレートする修正プロファイル信号を生成するステップと、
(c)修正プロファイル信号に対するアクチュエータ応答に基づいて、幅方向のアライメント情報を判断するステップと、を含む方法に関するものである。
さらに別の実施形態では、本発明は、幅方向に配置された複数のアクチュエータを有するシート製造システムであって、複数のアクチュエータよりも下流でなされるシートプロファイル測定に応答して、複数のアクチュエータからの出力を調節するための制御ループを含むシート製造システムのアライメントのためのシステムにおいて、
(a)
(i)複数のアクチュエータよりも下流でシートの幅方向に沿ってシートのプロファイルを測定するための手段と、
(ii)測定プロファイルに比例するプロファイル信号を生成することと、
(iii)摂動信号を測定プロファイルに加えて(同義には、摂動信号を設定点のターゲットプロファイルに加えて)、測定プロファイルに沿った位置での擾乱(同義には、設定点の変化)をシミュレートする修正プロファイル信号を生成するための手段と、
(iv)修正プロファイル信号に対するアクチュエータプロファイルの閉ループ応答に基づいてアライメントずれ情報を判断するための手段と、
を含む、少なくとも2ヶ所の幅方向の位置からアライメント情報を判断する手段と、
(b)シート製造システムにアライメントの変化がある場合は、少なくとも2ヶ所の幅方向の位置からのアライメントずれ情報からこれを同定するための手段と、
を備えるシステムに関するものである。
図1に示されるように、連続シート材料を製造するためのシステムには、ヘッドボックス10、スチームボックス12、カレンダスタック14、リール16などのさまざまな処理ステージが含まれる。ヘッドボックス10内に整列された複数のアクチュエータ18のアレイによって、ローラ22と24との間で回転する支持用ウェブ(supporting web)またはワイヤー30上に複数のスライスを介して送られるウェット紙料(または原料紙料)材料の噴出を制御する。同様に、スチームボックス12上のアクチュエータ20によって、動いているシート全体の複数箇所で噴射される蒸気の量を制御することが可能である。ワイヤー30を出たシート材料は、ドライヤの幅方向の温度を変えることが可能なアクチュエータ36を含むドライヤ34を通過する。また、走査センサ38が支持枠40に支持されており、このセンサを連続的に往復稼働させて完成シートの幅方向における特性を測定する。走査センサは当該技術分野において周知であり、たとえば、ダールクビィスト(Dalquist)に付与された米国特許第5,094,535号明細書、ダールクビィスト(Dalquist)らに付与された同第4,879,471号明細書、ゴス(Goss)らに付与された同第5,315,124号明細書、ゴス(Goss)らに付与された同第5,432,353号明細書(これらの特許を本願明細書に援用する)に記載されている。続いて、完成シート製品42をリール16に巻き取る。本願明細書において使用する場合、システムの「ウェットエンド」部分には、ヘッドボックスと、ウェブと、ドライヤよりも前のセクションとが含まれ、「ドライエンド」とはドライヤよりも下流のセクションのことである。一般に、ワイヤーの幅方向の両耳を「前」および「後」と称し(あるいは、「高」および「低」とも呼ぶ)、後ろ側は他の機械装置と隣接しているため前側ほど利用しやすくはない。
このシステムは、たとえば、走査センサ38と、ヘッドボックス10、スチームボックス12、真空ボックス28およびドライヤ34それぞれのアクチュエータ18、20、32および36とに接続されたプロファイル分析装置44を含む。プロファイル分析装置は、スキャナセンサ38からの幅方向測定値に応答して動作する制御系を含むコンピュータである。動作時、走査センサ38は、紙厚や乾燥坪量、光沢または水分など、幅方向のさまざまな測定点で測定したシートの特性の大きさを示す信号を分析装置44に供給する。分析装置44は、たとえば上述したアクチュエータをはじめとする、シート製造システムのさまざまな構成要素の動作を制御するためのソフトウェアも含む。
図2は、ヘッドボックス10の底部に設けられた流出口48に、可撓性のスライスリップ部材46をどの程度延在させるかを制御するための、ヘッドボックス10に装着されたスライスリップ制御系を示す。スライスリップ部材46は、ウェブ幅の端から端まで幅方向にヘッドボックス10に沿って延在する。アクチュエータ18は、スライスリップ部材46を制御するが、個々のアクチュエータ18は独立して動作可能なものである点を理解されたい。アクチュエータのアレイにおける個々のアクチュエータ同士の間隔は、均一であっても均一でなくてもよい。ローラ22と24の働きで回転するワイヤー30上に、ウェット紙料50が支持される。
図3に示される一例として、個々のアクチュエータ18を制御することで、任意のアクチュエータのウェブ30表面とスライスリップ部材との間のギャップを通って噴出される原料紙料の量を調節することが可能である。ギャップを通る原料の流量は、最終的には完成シート材料すなわち紙42の特性に影響する。具体的には、図示のように、複数のアクチュエータ18が、矢印6で示す流れ方向に動いているウェブ30の上で幅方向に延在する。アクチュエータ18を操作すれば、シートのパラメータを幅方向に制御することが可能である。走査デバイス38は、アクチュエータよりも下流側に位置し、シートの1つまたは複数の特性を測定する。この例では、いくつかのアクチュエータ18を矢印4で示すように配置し、得られるシートの特性の変化をスキャナプロファイル54で示すようにスキャナ38で検出する。シートを多数走査した結果の平均をとることで、矢印56で示すプロファイル54のピークを判断することができる。このタイプの動作は一般に、従来の開/閉ループ式のバンプ試験で用いられる。対照的に、本発明の逆バンプ試験では、アクチュエータプロファイルに摂動を直接与えることはしない。なお、アクチュエータについては、ヘッドボックス内に設置する以外に、たとえばスチームボックス内、ドライヤ内、真空ボックス内をはじめとする、抄紙機内の1ヶ所以上の有利な場所に配置可能である点に注意されたい。好ましくは、それぞれの場所でCDに沿ってアクチュエータを設置する。
図4は、図1に示すものなどのシート製造システム用の閉ループ式逆バンプ試験の実施形態を図示したものである。「逆バンプ試験」という用語は、1つ以上のアクチュエータを摂動させた後に、スキャナからの測定プロファイルなどの応答から情報を抽出する標準的なモデル同定法との対比で、本発明の手法において測定プロファイルyの上にステップ信号dを人工的に挿入(設定点のターゲットプロファイルr上のステップ信号dと同等)した後、システムを閉ループ制御下においたままアクチュエータ応答を分析することを示す。
図4を参照すると、このプロセスでは、Gで示すシート製造システムのプロファイル分析装置と一緒に用いられる、Kで示すコントローラを採用する。このプロセスに関連した信号には、r、u、yがある。r信号は選択されたターゲットまたは選択された設定点レベルを示し、信号uはアクチュエータ信号を示し、信号yはスキャナの測定結果などの測定プロファイルを示す。幅方向のシート製造パラメータを制御および測定する際、信号はアレイまたはベクトルであるため、たとえばyを、そのi番目の成分が重量レベルまたは水分レベルであるか、あるいはスキャナに沿ったi番目の位置のシート厚のベクトルであるということができる点を理解されたい。信号dは、測定プロファイルに挿入される未測定の擾乱または摂動またはオフセット信号を示す。信号dは、ターゲットプロファイル上に挿入される摂動またはオフセット信号を示す。コントローラKは、好適な任意の閉ループコントローラであってもよく、たとえば、空間フィルタおよび/または時間フィルタ(temporal filter)、比例積分微分(PID)コントローラ、ダーリン(Dahlin)コントローラ、比例積分(PI)コントローラまたは比例微分(PD)コントローラあるいはモデル予測コントローラ(MPC)などの多くの信号処理コンポーネントを含むものであってもよい。MPCについては、バックストローム(Backstrom)およびヘー(He)に付与された米国特許第6,807,510号明細書(本願明細書に援用する)に記載されている。通常の製造時であれば、完成した紙製品を走査してy信号プロファイルが連続的に生成され、d=0の場合にe=r−yで定義される誤差を知るために、この信号がr信号と比較される。
本発明の閉ループ逆バンプ試験を実施して、図1に示すシート製造システムのさまざまな構成要素の幅方向の動作を制御する任意のアクチュエータについてのアライメントデータを生成することが可能であるが、ただし、アクチュエータは、コントローラKを介して、閉ループ内の摂動されたプロファイル測定結果y、設定点rまたは誤差eに接続されているものとする。したがって、ここでは個々のスライスを経由して原料紙料の噴出を制御するヘッドボックスのアクチュエータを監視する例をとりあげるが、たとえば、スチームボックス、ドライヤ、真空ボックスをはじめとする、シート製造機での幅方向のユニット動作を制御する任意のアクチュエータのアライメントデータを確認するために本発明を実施することも可能である。
逆バンプ試験の実施にあたっては、抄紙機などのシート製造システムGを、まずはフィードバックコントローラKによってyを可能なかぎりターゲット信号プロファイルrに一致させるよう設定されたアクチュエータと一緒に稼働させる。紙の製造時、完成した紙製品の走査によってy信号プロファイルが生成される。その後、抄紙機は閉ループ制御のままで摂動(pertubative)信号dを挿入し、加算器(summer)64のr+dでターゲットプロファイルを修正し、設定点ターゲットプロファイルを生成する。スキャナからの測定プロファイルすなわちy信号のプロファイルを、加算器62で設定点ターゲットプロファイルから減算する。コントローラKは、比較器からの誤差信号eを、抄紙機が受け取るアクチュエータ信号プロファイルuに変換する。効果は以下のとおりである。測定プロファイルyを有するように調節されるヘッドボックスにおけるスライスリップ開口経由での抄紙機の原料紙料噴出が、設定点ターゲットの知覚された変化に追随する。
以下、CDコントローラアライメントの閉ループ同定のために本発明の逆バンプ試験を実施する場合の好ましい手法について説明する。動作時、たとえば抄紙機の制御系を、閉ループの状態のままにしておき、完成した紙製品を測定するスキャナからの測定プロファイルの上にステップ信号を人工的に挿入する。ヘッドボックスのアクチュエータを調節して制御系が応答したらデータを記録し、知覚された摂動を除去する。最後に、アライメント情報を含むモデルを、人工測定擾乱とこれによって得られるアクチュエータプロファイルとを含むデータから同定する。実際に逆バンプ試験を実施する際、「バンプ(隆起)」は、紙などの最終製品が販売に向かなくなるほど劇的なものであってはならない。
逆バンプ試験の設計とデータ収集法
(1)設定点のターゲットバンプ(δr)を設計することで、バンプ試験を設計する。
a.説明のために抄紙機を取り上げ、好ましくは少なくとも2つの十分に離隔された「バンプ」を幅方向に位置決めする。たとえば、これらのバンプをシート幅に対して1/4と3/4にあたる部分に位置させることが可能である。
b.タイムドメインでは、機械をベースラインで稼働した後、この機械を複数のステップでアップダウンに稼働する。最も単純な手法は、閉ループコントローラが設定点バンプを使って新たな定常状態に達するまで十分な時間継続される単一のステップを実行するものである。
(2)逆バンプ試験を実施する。閉ループ制御のCDで、上述したように(r+δr)を用いて設定点ターゲットプロファイルを修正する。この間、以下のとおりデータをログ(logging)する。
a.二次元の設定点ターゲットアレイ(r)。
b.二次元の設定点ターゲットバンプ(δr)。
c.二次元のスキャナプロファイル測定結果(y)。
d.二次元のアクチュエータプロファイルアレイ(u)。
本発明の手法の有用性について説明するために、マスワークス(Mathworks)から入手したMatlab R12ソフトウェアを利用して、閉ループの同定目的で逆バンプ試験を実施するコンピュータシミュレーションを行った。このシミュレーションでは、図4に示すように抄紙機をモデル化してあり、この場合のヘッドボックスには対応するスライスリップ開口を介してのパルプ紙料の噴出を制御する45個のアクチュエータが設けられている。機械の前側から後ろ側に紙幅に沿って250点またはビン(bin)のスキャナで完成した紙の重量を測定した。1ビンは約5mmの距離を示す。完成した紙の重量は平均値でシート1000単位あたり約191ポンドであった。このモデルでは、スキャナからの信号に応答したアクチュエータの閉ループ制御もシミュレートした。
図5Aおよび図5Cに、定常状態の閉ループ通常動作時における、紙での設定点ターゲットおよび測定プロファイル対CD位置を示す。同図から明らかなように、完成した紙の設定点ターゲットおよび測定プロファイルは基本的に同じであり、重量がシート1000単位あたり191ポンドよりもわずかに重い紙を示す水平のプロファイルで表される。実際の抄紙機では一般に、コントローラで除去されず、なおかつこの解析にも影響しない制御不能な高空間周波数成分が含まれるのが普通であるため、このような平らな測定プロファイルyにはならない点に注意されたい。図5Bは、ヘッドボックスアクチュエータプロファイルであり、ヘッドボックスのスライスを経由したパルプの流れがヘッドボックスに沿ってどのように変化するかを示している。アクチュエータ応答の変化は、ゼロのベースラインに対する相対的なものである。これらのプロファイルは、「逆バンプ試験」の実験を実施する前に幅方向の制御系の様子(appearance)を示している。
図6Aおよび図6Cに、紙シートに沿って1/4と3/4のところで「バンプ」を用いて設定点ターゲットを修正した後の定常状態の閉ループ動作時における、紙での設定点ターゲットおよび測定プロファイル対CD位置を示す。同図から明らかなように、設定点ターゲットを修正すると、完成した紙の測定プロファイルに対応する変化が生じる。図6Bは、ヘッドボックスアクチュエータプロファイルであり、ヘッドボックスに沿ったスライスジャック(jack)アクチュエータ位置を示している。これらのプロファイルは、閉ループが定常状態に達した後の「逆バンプ試験」の実験時における幅方向の制御系の様子(appearance)を示している。
アライメント同定アルゴリズム
a.標準的な手法を利用して、設定点のターゲットバンプに対するアクチュエータプロファイルの応答を算出する。好ましい一方法では、アクチュエータプロファイルを、ベースラインアクチュエータプロファイル(バンプ前)と定常状態のアクチュエータプロファイル(バンプ挿入後)との差として算出することが可能である。例として、図7A、図7Bおよび図7Cに、閉ループのターゲット設定点、アクチュエータおよび測定プロファイルの差を示す。図示のアクチュエータアレイをurespで示す。具体的には、図7Bにプロットしたアクチュエータプロファイルは、図5Bに示す通常動作時の閉ループアクチュエータプロファイルを、図6Bに示す設定点ターゲットバンプによって生じた閉ループアクチュエータプロファイルから減算して算出したものである。
resp=ubump−unormal
1次元アレイプロファイルunormalおよびubumpは、ベースライン収集(collection)時のアクチュエータプロファイルと、バンプ後に定常状態に達したシステムのアクチュエータプロファイルの最良推定値である。
b.次に、(図7Bおよび図7Aのグラフに示すような)アクチュエータ応答プロファイルおよび設定点ターゲットバンププロファイルを中央で分け、ほぼ同じ長さの2つのアレイを得る。
Figure 0004850909
c.コンポーネントアレイの各々についてフーリエ変換を算出する。
Figure 0004850909
d.ここで、シートの低端とシートの高端の閉ループ空間周波数応答を以下のようにして求めることができる。
Figure 0004850909
式中、「./」は、要素対要素の除算を示す。
e.CD制御系の場合、実際の幅方向制御では定常状態の誤差プロファイルe=r−yのすべての低空間周波成分がなくなるため、アレイの低周波成分
Figure 0004850909
はプロセス自体の周波数応答の逆数に等しくなる。これは、アクチュエータプロファイルuには低空間周波数での厳密に正しいアライメントが含まれることを意味する。よって、アレイ
Figure 0004850909
の低周波位相情報には、システムの真のアライメント情報が含まれることになる。
e.
Figure 0004850909
の位相情報は、そのままで利用できる可能性が高い。あるいは、本願明細書にて説明したように、おそらくは数日/数週間/数ヶ月あけて実施される2つの逆バンプ試験間のアライメント変化の算出に、逆バンプ試験を利用することの可能性について検討した。この場合、「旧」逆バンプ試験時点でのアライメントと、「新」逆バンプ試験時点でのアライメントと間のアライメントの変化を、以下のようにして算出する。
Figure 0004850909
続いて、図8Bおよび図8Dにそれぞれ示すように、空間周波数vに対して位相情報
Figure 0004850909
をプロットする。
g.
Figure 0004850909
の低周波成分を通る直線を、それぞれ図8Bおよび図8Dの2つのプロットの低周波成分に適合させる。図8に示す例の場合、低側位相(図8B)は、ゼロ周波数での勾配が29.5工学単位である。シミュレーションではミリメートルを用いたため、勾配は29.5mmである。高側位相(図8D)はゼロ周波数での勾配が50.9mmである。これらの直線のy軸切片は自然にゼロ(これは曲線適合時に抑制可能である)になるものとする。この直線の勾配は、それぞれ低バンプおよび高バンプでのCD位置での紙シートのアライメントの変化に等しい。
h.アライメントの変化が線形になると仮定されたため、少なくとも2つの十分に離れたバンプを利用したことで、2つの勾配からアライメントの線形の変化に想定された2種類の自由度を求めることができた。図9の2つの測定点の間に直線を引き、アライメントの変化を幅方向の位置の関数としてシート全体についてモデル化する。具体的には、図9において、図8に示すゼロ周波数位相の勾配すなわち29.5mmおよび50.9mmを、上述したようにシートを横切る方向で約1/4と3/4の位置にある誘導した設定点ターゲットバンプ(δr)のCD位置に対してプロットした。アライメントの変化はシート幅を横切る形で線形であると仮定された。グラフ中の線は、逆バンプ試験の間に得られたデータから算出した2つのデータ点間の線形適合から計算したアライメントのアップデートである。実際の抄紙機では、線形アライメントずれが最も普通に起こる。明らかなことだが、他のアライメントモデルを採用することも可能であり、その場合は単に誘導した設定点ターゲットバンプ(δr)の分布が違ったものになるだけである。
これよりも複雑な非線形収縮パターンが想定される場合は、上記の手法を修正して非線形アライメントの変化を同定するようにしてもよい。これは、3つ以上の十分に離れたバンプを設計することで実現可能である。ただし、この場合はバンプを時間内に散在させる(staggered in time)必要が生じる可能性もある。たとえば、バンプを連続して実施することが可能である。最後に、たとえば図9に示すように、シートの幅方向の位置の関数としての幅方向のコントローラアライメントの変化を計算する。この関数を利用して、オンラインの幅方向のコントローラのアライメントをアップデートすることが可能である。CD制御系は、コントローラアライメントが紙シートとアクチュエータの真のアライメントに一致するときに、その性能を最もよく発揮する。
以上、本発明の原理、好ましい実施形態および作用について説明した。しかしながら、本発明は、ここで説明した特定の実施形態に限定されると解釈されるものではない。むしろ、上述した実施形態は、限定的なものというよりは一例にすぎないとみなされるべきものであり、当業者であれば添付の特許請求の範囲に記載の本発明の範囲を逸脱することなくこれらの実施形態に対して改変をほどこせることは明らかであろう。
抄紙システムの概略図である。 抄紙システムの概略図である。 抄紙システムの概略図である。 本発明の逆閉ループバンプ試験を用いたシート製造システムのブロック図である。 定常状態の閉ループ通常動作時における設定点ターゲットプロファイル対CD位置である。 定常状態の閉ループ通常動作時におけるアクチュエータプロファイル対CD位置である。 定常状態の閉ループ通常動作時における測定プロファイル対CD位置である。 紙の1/4(低側)と3/4(高側)で「バンプ」を用いて修正された設定点ターゲットである。 設定点ターゲットバンプを用いた閉ループの定常状態動作時のアクチュエータプロファイル対CD位置である。 設定点ターゲットバンプを用いた閉ループの定常状態動作時の測定プロファイル対CD位置である。 図5Aに示す定常状態の閉ループ通常動作を表す閉ループプロファイルと、図6Aに示す設定点ターゲットバンプを用いた閉ループの定常状態でのプロファイルとの差である。 図5Bに示す定常状態の閉ループ通常動作を表す閉ループプロファイルと、図6Bに示す設定点ターゲットバンプを用いた閉ループの定常状態でのプロファイルとの差である。 図5Cに示す定常状態の閉ループ通常動作を表す閉ループプロファイルと、図6Cに示す設定点ターゲットバンプを用いた閉ループの定常状態でのプロファイルとの差である。 ゲイン対逆バンプ試験に対する低側のアクチュエータ応答の周波数について示すグラフである。 ゲイン対逆バンプ試験に対する高側のアクチュエータ応答の周波数について示すグラフである。 低周波数相対低側アクチュエータ応答の周波数について示すグラフである。 低周波数相対高側アクチュエータ応答の周波数について示すグラフである。 アスタリスクは、図8Bおよび8Dに示すゼロ周波数相対紙を横切る方向に約1/4と3/4に位置決めされた誘導された設定点ターゲットバンプのCD位置の勾配をプロットしたものである。図9の直線は、これらの2つのデータアポイント間の直線適合である。

Claims (2)

  1. 幅方向に配置された複数のアクチュエータ(18)を有するシート製造システムであって、前記複数のアクチュエータ(18)よりも下流でなされるシートプロファイル測定に応答して、前記複数のアクチュエータ(18)に対する出力を調節するためのコントローラ(44)を含むシート製造システムのアライメントのための方法において、
    (a)
    (i)前記システムを動作させ、前記複数のアクチュエータ(18)よりも下流でシートの幅方向に沿ってシート(30)のプロファイルを測定し、測定プロファイルに比例するプロファイル信号を生成し、
    (ii)摂動信号を前記測定プロファイルに加えて、前記測定プロファイルに沿った位置での擾乱をシミュレートする修正プロファイル信号を生成するか、または摂動信号を設定点のターゲットプロファイルに加えて、前記測定プロファイルに沿った位置での設定点の変化をシミュレートする修正プロファイル信号を生成し、
    (iii)前記修正プロファイル信号に対するアクチュエータプロファイルの閉ループ応答に基づいてアライメントずれ情報を判断し、
    (iv)ステップ(i)〜(iii)を繰り返すことによって、少なくとも2ヶ所の幅方向の位置からアライメント情報を判断し、ステップ(ii)が、摂動信号を測定プロファイルに加えて、擾乱をシミュレートする修正プロファイル信号を生成するか、または摂動信号を設定点ターゲットに加えて、前記測定プロファイルに沿った、異なる位置で設定点の変化をシミュレートする修正プロファイル信号を生成し、
    上記(i)ないし(iv)のステップによって、少なくとも2ヶ所の幅方向の位置からアライメントずれ情報を得るステップと、
    (b)前記シート製造システムにアライメントの変化がある場合は、少なくとも2ヶ所の幅方向の位置からのアライメントずれ情報からこれを同定するステップと、を含む方法。
  2. 幅方向に配置された複数のアクチュエータ(18)を有するシート製造システムであって、前記複数のアクチュエータ(18)よりも下流でなされるシートプロファイル測定に応答して、前記複数のアクチュエータ(18)に対する出力を調節するためのコントローラ(44)を含むシート製造システムのアライメントのためのシステムにおいて、
    (a)
    (i)前記複数のアクチュエータ(18)よりも下流でシートの幅方向に沿ったシートのプロファイル(44)を測定するための手段と、
    (ii)前記測定プロファイル(44)に比例するプロファイル信号を生成するための手段と、
    (iii)摂動信号を前記測定プロファイル(44)に加えて、前記測定プロファイルに沿った位置での擾乱をシミュレートする修正プロファイル信号を生成するか、または摂動信号を設定点のターゲットプロファイルに加えて、前記測定プロファイルに沿った位置での設定点の変化をシミュレートする修正プロファイル信号を生成するための手段と、
    (iv)前記修正プロファイル信号に対するアクチュエータプロファイルの閉ループ応答に基づいてアライメントずれ情報(44)を判断するための手段と、
    を含む、少なくとも2ヶ所の幅方向の位置からアライメント情報(44)を判断する手段と、
    (b)前記シート製造システムにアライメントの変化(44)がある場合は、少なくとも2ヶ所の幅方向の位置からのアライメントずれ情報からこれを同定するための手段と、
    を備えるシステム。
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