JP3403753B2 - 塗工量プロファイル制御装置および塗工方法 - Google Patents

塗工量プロファイル制御装置および塗工方法

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JP3403753B2 JP11271893A JP11271893A JP3403753B2 JP 3403753 B2 JP3403753 B2 JP 3403753B2 JP 11271893 A JP11271893 A JP 11271893A JP 11271893 A JP11271893 A JP 11271893A JP 3403753 B2 JP3403753 B2 JP 3403753B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙の幅方向の塗工量を
制御する塗工量プロファイル制御装置及び塗工方法に係
わり、特に後工程の操業性がよく、仕上げ欠陥が少な
く、さらに印刷において操業性の良い紙を製造する塗工
機の塗工量プロファイル制御に関する。
【0002】
【従来の技術】塗工機は抄紙機で作られた紙の表面に塗
料を塗工する装置である。図6を用い、このような塗工
機の一例としてブレード型塗工機を説明する。図6にお
いて塗工される原紙は円筒状に巻き取られた巻き取りの
形状でアンリーラー1にセットされ原紙を供給する。原
紙は1コーター3aで片面を塗工され、乾燥機4aで乾
燥後、2番目の2コーター3bでもう一方の面を塗工さ
れ、乾燥機4bで乾燥されリーラー5により円筒状に巻
き取られる。
【0003】検出装置2a、検出装置2b、検出装置2
cは、紙の坪量、水分、厚さ、等を幅方向に測定できる
装置で、一般にB/M計と呼ばれている。坪量について
いえば、検出装置2aは原紙の坪量、検出装置2bは片
面塗工された紙の坪量、検出装置2cは両面塗工後、つ
まり製品の坪量が測定される。これら測定された各々の
坪量の差から各々の面の塗工量が得られる。
【0004】従来の塗工量プロファイル制御装置または
塗工方法は、上述の検出装置2cで検出された塗工紙の
坪量プロファイル信号、つまり原紙坪量プロファイルと
塗工量プロファイルの単純加算のプロファイルの信号、
を図示しない制御手段へ入力し、制御手段は、該プロフ
ァイルを均一にする方向にコーターの塗工量調整装置2
6の操作量を調整するものであった。図7はこの様子を
説明するためのものであり、制御が行われる前と制御後
の各プロファイルの様子を示している。各プロファイル
の図は横軸に幅方向の位置、縦軸に坪量(g/m2)を
表したグラフである。図中の全てのグラフの横軸、縦軸
の目盛りの間隔は各々同じと考えて模式的に示してい
る。但し(D)および(G)は偏差のグラフであり縦軸
は0からのプラス・マイナスである。(A)は制御前の
原紙坪量プロファイルであり、(B)は制御前の塗工量
プロファイルであり、これらを単純加算したものが
(C)の演算プロファイルである。この(C)の偏差を
取ったものが(D)であり、この偏差を0にする方向に
各位置の塗工量が制御により操作される。この結果、制
御後の塗工量プロファイルは(E)となり(A)の原紙
坪量プロファイルと単純加算したものは(F)の演算プ
ロファイルとなる。この(F)の偏差を取ったものが
(G)であり、この様に偏差は0となり制御は達成され
る。この場合、塗工後の坪量プロファイル(F)は均一
になり、坪量プロファイルを幅方向で均一にする目的は
達成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところがこのような制
御では、塗工後の塗工紙の坪量プロファイル、つまり原
紙坪量プロファイルと塗工量プロファイルの単純加算プ
ロファイルは均一になっても、巻き取った場合に幅方向
の物性が不均一であり、良い巻き取りが得られず、リー
ラー5や後工程でヨレ・フクレ等の仕上げ欠陥が生じ易
い。また、製品として出荷された後に印刷される場合に
操業性が悪いという問題、例えばタルミ、を生じ易い。
また1枚1枚に切って積み重ねて製品とする平判の場合
にもこの積み重なった山が平にならない欠陥が生じ易
い。
【0006】本発明の目的は、巻き取られた紙のヨレ・
フクレ等の欠陥を防止することができ、更に、カレンダ
処理等の後工程での巻き取り時にヨレ・フクレ等の仕上
げ欠陥を防止でき、更に、製品として出荷された後に印
刷される場合に操業性の良い紙を製造できる塗工量プロ
ファイル制御装置及び塗工方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、紙の品
質を紙の幅方向に測定するセンサと、塗工量を紙の幅方
向の複数個所で調整できる塗工量調整装置とを有する塗
工量プロファイル制御装置において、原紙坪量プロファ
イルと塗工量プロファイルを算出するプロファイル検出
部と、検出された原紙坪量プロファイルに係数Aを乗じ
たプロファイルと、検出された塗工量プロファイルに係
数B(係数B/係数A<1.0)を乗じたプロファイル
とを加算し、得られるプロファイルの偏差から塗工量の
操作量を演算する操作塗工量プロファイル演算部と、こ
の操作塗工量プロファイルを基に塗工量調整装置の各位
置に操作量を送る塗工量調整装置制御部とを備えること
を特徴とする塗工量プロファイル制御装置が提供され
る。
【0008】操作塗工量プロファイル演算部は例えば、
原紙坪量プロファイルに係数Aを乗じたプロファイルと
塗工量プロファイルに係数B(係数B/係数A<1.
0)を乗じたプロファイルとを加算し、演算プロファイ
ルとする手段と、演算プロファイルの幅方向の平均値と
の偏差を演算偏差プロファイルとする手段と、演算偏差
プロファイルを係数Bで除して操作塗工量プロファイル
とする手段とを備える。
【0009】更に本発明によれば、紙の品質を紙の幅方
向に測定するセンサと、塗工量を紙の幅方向の複数個所
で調整できる塗工量調整装置とを有する塗工量プロファ
イル制御方法において、塗工される原紙の原紙坪量プロ
ファイルと塗工された塗工紙の塗工量プロファイルを検
出する工程と、原紙坪量プロファイルに係数Aを乗じた
プロファイルと塗工量プロファイルに係数B(係数B/
係数A<1.0)を乗じたプロファイルとを加算し演算
プロファイルとする工程と、演算プロファイルの幅方向
の平均値との偏差を演算偏差プロファイルとする工程
と、演算偏差プロファイルを係数Bで除して操作塗工量
プロファイルとする工程と、操作塗工量プロファイルが
0に一致する方向に塗工量調整装置の操作量を変化させ
塗工量を調整する工程とを有することを特徴とする塗工
方法が提供される。ここでいう係数A、係数Bとは、係
数B/係数A<1.0、の関係を満たす値である。係数
A、係数Bは共に正の値とするのが一般であり、通常係
数Aは1.0である。係数A、係数Bの値は原紙の坪量
の大きさや塗工量の大小、原紙の坪量プロファイルのバ
ラツキの大きさ、そして後工程のカレンダ処理の条件の
違い等から、各操業条件により決められる値である。プ
ロファイルに係数を乗じるというのは、プロファイルの
各値に各々係数を乗じることを示す。
【0010】
【作用】原紙坪量プロファイルに係数Aを乗じたプロフ
ァイルと塗工量プロファイルに係数B(係数B/係数A
<1.0)を乗じたプロファイルとを加算して得た演算
プロファイルに対応して幅方向の各位置の塗工量を調整
する。このような調整により、塗工量プロファイルは原
紙の坪量プロファイルが小さい場所は埋める形となり、
さらにその補填量は原紙の欠損量を上回って補填され
る。また、塗工量プロファイルは原紙の坪量プロファイ
ルが大きい場所は削られる形となり、さらにその削減量
は原紙の超過量よりもさらに削減される。
【0011】原紙層と塗工層では単位重量当たりの密度
が異なったり、また、圧縮に対するふるまいが異なった
りする。このため、本発明の塗工方法によれば、重なり
合った紙のふるまいを幅方向で均一化できるため、巻き
取り装置により円筒状に巻き取られると良い巻き姿とな
る。
【0012】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の実施例を説明す
る。図1は本発明による塗工量プロファイル制御装置の
構成を示す図である。検出装置の信号とプロファイル検
出部42の処理により原紙の坪量プロファイルと塗工量
プロファイルが得られる。本発明の塗工量プロファイル
制御および塗工方法は塗工機で行われるものであるが、
ここで必要な原紙の坪量プロファイルは検出装置から測
定せずに、塗工工程よりも前の工程で測定した結果を用
いても良い。操作塗工量プロファイル演算部43は、検
出された原紙坪量プロファイルに係数Aを乗じたプロフ
ァイルと、検出された塗工量プロファイルに係数Aより
小さい係数Bを乗じたプロファイルとを加算して演算プ
ロファイルとし、演算プロファイルの幅方向の平均値と
の偏差を演算偏差プロファイルとし、演算偏差プロファ
イルを係数Bで除して操作塗工量プロファイルとする処
理を行う。塗工量調整装置制御部44は、この操作塗工
量プロファイルの各位置の値を0にする方向に塗工量調
整装置の各位置に操作量を送り幅方向の塗工量を調整す
る。
【0013】図8はこの様子を説明するためのものであ
り、本発明に係わる制御が行われる前と制御後の各プロ
ファイルの様子を示している。各プロファイルの図は横
軸に幅方向の位置、縦軸に坪量(g/m2)を表したグ
ラフである。横軸、縦軸の目盛りの間隔は各々同じと考
えて模式的に示している。但し、(’)ついたグラフは
係数が係っているため縦軸は実際の坪量ではない。また
(D)および(G)は偏差のグラフであり縦軸は0から
のプラス・マイナスである。(A)は検出された原紙坪
量プロファイルであり、(B)は検出された塗工量プロ
ファイルである。(A)に係数Aとして1.0を乗じた
ものが(A’)、(B)に係数Bとして0.5を乗じた
ものが(B’)である。これらを加算したものが
(C’)の演算プロファイルである。この(C’)の偏
差を求め係数Bで除した操作塗工量プロファイルが
(D)であり、この(D)の各位置を0にする方向に各
位置の塗工量が操作される。制御後の塗工量プロファイ
ルは(E)となる。原紙坪量プロファイル(A)に係数
Aとして1.0を乗じたものが(A’)、制御後の塗工
量プロファイル(E)に係数Bとして0.5を乗じたも
のが(E’)である。これらを加算したものが(F’)
の演算プロファイルである。この(F’)の偏差を求め
係数Bで除した操作塗工量プロファイルが(G)とな
り、偏差が0となり制御は達成される。一方、本発明に
係わる制御を行った場合には、原紙坪量プロファイルが
不均一であれば、塗工後の製品の坪量プロファイル(A
とEを単純加算したプロファイル)は不均一になること
がわかるが、巻き取られた巻き取りは良い巻き姿とな
る。この不均一さは係数Aが1.0で係数Bが0.5の
場合、原紙の坪量の偏差が1.0g/m2あるとする
と、塗工後の坪量のバラツキは原紙の坪量の大きい位置
が小さく坪量の小さい位置が大きくなって偏差は1.0
g/m2となる。これは同じ原紙に均一な塗工量を施し
た場合の塗工後の偏差と等しく、一般に問題のない不均
一さと考えられる。さらに係数Aを1.0に設定した場
合、係数Bは0.5より大きいのが一般的でありこの例
程に不均一さは大きくならない。
【0014】図2は本発明による塗工量プロファイル制
御装置をブレード型塗工機に適用した場合の構成を示す
図である。図2の塗工機の工程は、アンリーラー5、検
出装置2a、コーター3a、ドライヤ4a、検出装置2
b、コーター3b、ドライヤ4b、検出装置2c、リー
ラー5からなり紙6はこれら各装置へ順番に搬送されて
加工される。アンリーラー1は抄紙機により製造された
原紙の巻き取りをセットし、原紙をコーターに供給す
る。コーター3a、3bは原紙に塗液を塗工する。ドラ
イヤ4a、4bは塗工された紙を乾燥させる。一般に紙
は両面を塗工するので表面、裏面のために各々1つづつ
2箇所のコーターとドライヤがある。また、片面塗工の
塗工機や原紙の各面を2回以上塗工する塗工装置もある
が、これら塗工装置においても合計の塗工量を塗工量と
見なすと同じ装置と考えられる。リーラー5はこのよう
にして製造された紙を円筒状に巻き取る。
【0015】図4は図2の制御装置の検出装置2a、2
b、2cの拡大斜視図である。検出装置2はフレーム3
1に設けられたβ線発信器32aと受信器32bからな
り、これらは水平方向に同時に移動しながら、紙の幅方
向の各位置の坪量の検出を行うことができる。この様に
坪量の測定を紙を挟んで対向させたβ線発信機32aお
よび受信機32bからなるB/M計で構成することがで
きる。この場合、紙を透過したβ線を受信機で受信し、
その減衰量により坪量が検出される。塗工量プロファイ
ルは、例えば塗工前(原紙)、片面塗工後、両面塗工後
の各段階で求めた紙の坪量プロファイルの差分で求める
ことができる。
【0016】また、塗工直後の水分量を水分計により測
定し、これら水分量から塗工量を求める検出装置があ
る。また、塗工層に含まれる成分の量をX線等により求
め、塗工量を求める検出装置もある。これらの場合、直
接に塗工量プロファイルが得られる。
【0017】図3は図2のコーター3の拡大斜視図であ
る。ブレード型塗工機は、一般にバッキングロール21
と呼ばれる弾性のある表面を持つロールに運ばれる紙6
にアプリケータ22で塗料を塗工し、一般に弾性のある
薄い鋼板でできたブレード23で過剰の塗料をかき落と
すことにより一定の塗工量を得る塗工装置である。ブレ
ード23は、ブレードビーム24に支えられ、また、塗
工量調整装置26、バッキングバー25により、バッキ
ングロール21に押し付けられる。この押し付け量を幅
方向で調整(一般には均一になるべく調整)する目的で
塗工量調整装置26が取り付けられている。塗工量調整
装置26は、ブレ−ドビ−ム24の幅方向に配列した、
部分的にブレ−ド23の押しつけを調整することができ
る装置であり、手動のネジのものや、外部から信号で制
御できるものとしては、モ−タ−によるもの、チュ−ブ
を配し内圧をかえるもの、熱膨張によるもの等がある。
【0018】他にもコーターとして、エアナイフ、ロッ
ド、グラビア、ロール、カーテン、等色々な塗工方式が
あるが、各々幅方向の塗工量を調整する機構を持てば本
発明の塗工量プロファイル制御装置及び塗工方法が実施
できる。
【0019】図2において、制御部41には検出装置2
a、2b、2cと塗工量調整装置26が接続されてい
る。この制御部41は、制御部、演算部、およびレジス
タ部を有するCPU、プログラムや各種データを記憶す
るRAMあるいはROM等のメモリ、入出力インターフ
ェース等により構成されるが、機能的にはプロファイル
検出部42、操作塗工量プロファイル演算部43、塗工
量調整装置制御部44を有する。
【0020】プロファイル検出部42では、検出装置2
a、2b、2cで検出された信号から原紙坪量プロファ
イル、及び、塗工量プロファイルを求め、操作塗工量プ
ロファイル演算部43へ入力する。
【0021】操作塗工量プロファイル演算部43では、
原紙坪量プロファイルと塗工量プロファイルから操作塗
工量プロファイルを演算し、塗工量調整装置制御部44
に入力する。
【0022】塗工量調整装置制御部44は、この操作塗
工量プロファイルに基づき塗工量調整装置26に信号を
送り操作塗工量プロファイルが各々0になる方向に塗工
量を操作する。
【0023】図5は図2に示した制御部41の行う処理
のフローチャートである。
【0024】ステップ1において、検出装置2a、2
b、2cにより検出された各坪量プロファイル、検出プ
ロファイル、を取り込む。
【0025】ステップ2において、各検出プロファイル
に公知のスムージング処理を施す場合がある。このスム
ージング処理は検出値のランダムな変動の影響を少なく
するために行うものであり、紙6の幅方向の各位置にお
いて、例えば次式の計算を行う。
【0026】
【数1】 Ys_now(x)=Ys_old(x)×(1.0-SF)+Yrow(x)×SF
【0027】ここでYs_now(x)はスムージング処理後
のプロファイル、 Ys_old(x)は前回のスムージング
処理後のプロファイル、 Yrow(x)は検出された生の
プロファイル、 SFはスムージング係数で0.0<SF≦1.0
の範囲の値である。プロファイル信号を以下の様に表
す。検出装置2aで検出される原紙坪量プロファイルを
Ybase(x)。検出装置2bで検出される片面塗工後坪
量プロファイルをY1side(x)。検出装置2cで検出さ
れる両面塗工後坪量プロファイルをY2side(x)。ま
た、各コーターを工程順に1コータ−(3a)、2コー
タ−(3b)と呼ぶと、各コーターの塗工量プロファイ
ルは、次の様に求められる。コーター3aで塗工される
塗工量プロファイル、Ycoat_1(x)は
【0028】
【数2】Ycoat_1(x)=Y1side(x)−Ybase(x)
【0029】コーター3bで塗工される塗工量プロファ
イル、Ycoat_2(x)は
【0030】
【数3】Ycoat_2(x)=Y2side(x)−Y1side(x)
【0031】で求められる。
【0032】ステップ3において、原紙坪量プロファイ
ルと塗工量プロファイルを算出する。原紙坪量プロファ
イルは、前記Ybase(x)を用いる。塗工量プロファイ
ルを Ycoat(x) とすると、
【0033】
【数4】Ycoat(x)=Y2side−Ybase(x)
【0034】また、次のように求めても良い。
【0035】
【数5】Ycoat(x)=Ycoat_1+Ycoat_2(x)
【0036】特に検出装置が直接に塗工量を検出するタ
イプの場合は後者の方法が良い。
【0037】ステップ1からステップ3の処理は、プロ
ファイル検出部42が行う。
【0038】ステップ4において、次式の計算を行い演
算プロファイルY1(x)を求める。
【0039】
【数6】 Y1(x)=Ybase(x)×k1+Ycoat(x)×k2
【0040】ここで、k1、k2は特許請求の範囲に記
載された係数A、係数Bであり次の式を満足する。
【0041】
【数7】k2/k1<1.0
【0042】実際の単位系の問題から、一般にk1は1.
0で固定である。原紙坪量の単位と塗工量の単位は共に
g/m2である。ここでk2とk1が等しくかつ1.0であ
るのが従来の塗工方法である。k2の値は原紙の坪量の
大きさや塗工量の大小、原紙の坪量プロファイルのバラ
ツキの大きさ、そして後工程のカレンダ処理の条件の違
い等から、操業条件により決まる値である。k1を1.0
と固定すると、k2は0.9以下が好ましく、一般のコー
ト紙では0.5〜0.8が好ましい。
【0043】ステップ5において、演算プロファイルY
1(x)の幅方向の平均値プロファイルからの偏差を求
め、演算偏差プロファイルY2(x)とする。幅方向の
平均値プロファイルとはプロファイルの平均値を求め、
各位置の値がこの平均値であるプロファイルを意味して
いる。この場合には平均値プロファイルは幅方向で全て
同じ値になる。プロファイルの平均値の求め方には色々
な方法がある。一番単純にはプロファイルの各位置の値
を全て加算し加算したデータ点数で除したものがある。
また平均を取る範囲を限定することがよく行われる。例
えばプロファイルの中央部のみで平均値を求める場合が
ある。また最大値や最小値を除いたもので平均値を求め
る場合や、特定のデータを除いて平均値を求める場合が
ある。
【0044】ステップ6において、算出された演算偏差
プロファイルY2(x)の値を、操作すべき塗工量に換
算するために次の演算を行い、操作塗工量プロファイル
Ycontrol(x)を求める。
【0045】
【数8】Ycontrol(x)=Y2(x)÷k2
【0046】ステップ7において、操作塗工量プロファ
イルYcontrol(x)は、1コーターの操作塗工量と2コ
ーターの操作塗工量に分配される。分配の手段として、
例えば、各々の面の塗工量プロファイルができるだけ均
一になるように分配する。まず、各面について、検出さ
れた塗工量プロファイルの幅方向の平均値プロファイル
からの偏差を求める。操作塗工量は、その量が操作され
た時にこれら偏差を埋める方向に配分し、両面を埋めて
もそれを超える操作量がある場合は超えた分をさらに均
等に各面に配分する。これら偏差を埋める方向に配分し
ても埋めきれない場合は、足りない量が各面で均等にな
るように配分する。また目的によっては、まず一方の面
の塗工量を幅方向に均一にすることを優先する処理もあ
る。これらは一例であり色々な方法が存在する。片面塗
工の場合はこのステップは不要であり、逆に塗工回数が
増える場合は同様に各コーターの操作塗工量に分配す
る。
【0047】ステップ4からステップ7の処理は、操作
塗工量プロファイル演算部43が行う。
【0048】最後にステップ8において、算出された各
コーター毎の操作塗工量プロファイル、Ycontrol_1
(x)、Ycontrol_2(x)が 0.0 に近づく方向に塗工量
調整装置26を操作する。本実施例の場合、塗工量調整
装置26はステッピングモータの回転により前後運動
し、バックストップ25を介してブレード23の押し量
を操作し塗工量を調整する。操作塗工量の大きさとステ
ッピングモータへの出力信号の関係は予め定められて制
御部41のRAMまたはROM内に記憶されており、こ
の対応関係を参照してステッピングモータへ送る信号を
決定する。ステップ8の処理が終了した後、ステップ1
へ戻る。
【0049】ステップ4においてk1、k2が共に1.0
の場合、演算プロファイルY1(x)は塗工紙の坪量プ
ロファイルY2side(x)そのものである。ステップ4に
おいてk1、k2が共に1.0の場合は従来から行われて
いる制御方法である。
【0050】この制御は、塗工量のプロファイルに対す
る制御方法であり、塗工量プロファイルの平均値である
塗工量は別途制御される場合がある。また、ステップ8
では幅方向の塗工量制御を行っても塗工量プロファイル
の平均値が変化しないようにする制御が行われる場合が
ある。さらにステップ8ではマッピングと呼ばれる検出
器の測定位置に対して操作する塗工量操作装置の位置を
対応させる制御が行われる場合がある。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、巻
き取られた紙のヨレ・フクレ等の欠陥を防止することが
でき、カレンダ処理等の後工程での巻き取り時にヨレ・
フクレ等の仕上げ欠陥を防止でき、更に、製品として出
荷された後に印刷される場合に操業性の良い紙を製造す
ることを可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる塗工機の制御装置の構成ブロッ
ク図。
【図2】本発明に係わる塗工機の制御装置の実施例を示
す図。
【図3】図2の制御装置のコーターの拡大図。
【図4】図2の検出装置の拡大斜視図。
【図5】図2に示した制御部の行う処理のフローチャー
ト。
【図6】塗工機の全体構成の一例を示す図。
【図7】従来の塗工量プロファイル制御におけるプロフ
ァイルの挙動の説明図。
【図8】本発明に係わる塗工量プロファイル制御におけ
るプロファイルの挙動の説明図。
【符号の説明】
1 アンリーラー 2a 原紙物性の検出装置 2b 片面塗工後物性の検出装置 2c 両面塗工後物性の検出装置 3a 1コーター 3b 2コーター 4a 1コーター用ドライヤ 4b 2コーター用ドライヤ 5 リーラー 6 紙 21 バッキングロール 22 アプリケーター 23 ブレード 24 ブレードビーム 25 バックストップ 26 塗工量調整装置 31 フレーム 32a 検出器(発信器) 32b 検出器(受信器) 41 塗工量プロファイル制御部 42 プロファイル検出部 43 操作塗工量プロファイル演算部 44 塗工量調整装置制御部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙の品質を紙の幅方向に測定するセンサ
    と、塗工量を紙の幅方向の複数個所で調整できる塗工量
    調整装置とを有する幅方向の塗工量プロファイル制制御
    装置において、 原紙坪量プロファイルと塗工量プロファイルを検出する
    プロファイル検出部と、検出された原紙坪量プロファイ
    ルに係数Aを乗じたプロファイルと、検出された塗工量
    プロファイルに係数B(係数B/係数A<1.0)を乗
    じたプロファイルとを加算して演算プロファイルとし、
    前記演算プロファイルの幅方向の平均値との偏差を演算
    偏差プロファイルとし、前記演算偏差プロファイルを係
    数Bで除して操作塗工量プロファイルとする操作塗工量
    プロファイル演算部と、 この操作塗工量プロファイルが0に一致する方向に塗工
    量調整装置の各位置に操作量を送る塗工量調整装置制御
    部とを備えることを特徴とする塗工量プロファイル制御
    装置。
  2. 【請求項2】 紙の品質を紙の幅方向に測定するセンサ
    と、塗工量を紙の幅方向の複数個所で調整できる塗工量
    調整装置とを有する幅方向の塗工量プロファイル制制御
    方法において、 塗工される原紙の原紙坪量プロファイルと塗工された塗
    工紙の塗工量プロファイルを検出する工程と、 原紙坪量プロファイルに係数Aを乗じたプロファイル
    と、塗工量プロファイルに係数B(係数B/係数A<
    1.0)を乗じたプロファイルとを加算し、演算プロフ
    ァイルとする工程と前記演算プロファイルの幅方向の平
    均値との偏差を演算偏差プロファイルとする工程と、 前記演算偏差プロファイルを前記係数Bで除して操作塗
    工量プロファイルとする工程と、 前記操作塗工量プロファイルが0に一致する方向に塗工
    量調整装置の各操作量を変化させ塗工量を調整する工程
    とを有することを特徴とする幅方向の塗工量プロファイ
    ル制御方法。
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