JPH09272932A - ダイカスト用耐熱亜鉛合金及びこれを用いたダイカスト部品 - Google Patents

ダイカスト用耐熱亜鉛合金及びこれを用いたダイカスト部品

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JPH09272932A
JPH09272932A JP8626196A JP8626196A JPH09272932A JP H09272932 A JPH09272932 A JP H09272932A JP 8626196 A JP8626196 A JP 8626196A JP 8626196 A JP8626196 A JP 8626196A JP H09272932 A JPH09272932 A JP H09272932A
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JP
Japan
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die casting
zinc alloy
weight
alloy
die
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Withdrawn
Application number
JP8626196A
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English (en)
Inventor
Mitsuharu Hoshitani
光治 星谷
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐熱性を有し、亜鉛合金成形品の用途
を大幅に広げることを可能としたダイカスト用耐熱亜鉛
合金及びこれを用いた物品を提供することを課題とす
る。 【解決手段】 本発明のダイカスト合金はアルミニウム
2〜10重量%、銅0〜7重量%、ニッケル又はマンガ
ンの何れか一種が0.01〜2重量%、マグネシウム
0.01〜0.1重量%を含有し、残部が亜鉛と不可避
の不純物からなり、高いクリープ抵抗を有するものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一定の組成を有す
るダイカスト用亜鉛合金に関し、高いクリープ抵抗を有
する新しいダイカスト用亜鉛合金及びこれを用いたダイ
カスト部品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】亜鉛ダ
イカスト物品は装飾品用を中心に多く用いられてきた。
それに加えて、近年、亜鉛ダイカストのコストに注目し
て一部耐熱性を必要とする部品にも亜鉛合金を活用しよ
うという動きがある。
【0003】汎用として用いられている亜鉛合金JIS
ZDC2種は、クリープ強度が劣るために熱のかかる
ところに使用出来ず、クリープに起因するボルトのゆる
みの問題等のため、使用範囲が限定されるという課題が
ある。
【0004】一方、高いクリープ抵抗を有するといわれ
ているアルミニウムレス系の亜鉛合金は、生産性の高い
ホットチャンバーダイカストに適さないという課題もあ
る。
【0005】本発明はこのような問題に鑑み、高いクリ
ープ抵抗を有し且つホットチャンバーダイカストが可能
な新規なダイカスト用亜鉛合金及びこれを用いたダイカ
スト部品を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するために種々検討を重ねた結果、亜鉛(Zn)−
アルミニウム(Al)系合金において、ニッケル(N
i)又はマンガン(Mn)を含有させることにより、高
いクリープ抵抗を有し、且つホットチャンバーダイカス
トが可能となることを見出し、本発明を完成した。
【0007】係る知見に基づく本発明の第1のダイカス
ト用亜鉛合金は、アルミニウム2〜10重量%、銅 〜
7重量%、ニッケル又はマンガンの何れか一種が0.01
〜2重量%、マグネシウム0.01〜0.1重量%を含有
し、残部が亜鉛と不可避の不純物からなり、高いクリー
プ抵抗を有することを特徴とする。
【0008】一方、本発明の第2のダイカスト用亜鉛合
金は、アルミニウム2〜10重量%、銅 〜7重量%、
ニッケル及びマンガンの合計が0.01〜2重量%、マグ
ネシウム0.01〜0.1重量%を含有し、残部が亜鉛と不
可避の不純物からなり、高いクリープ抵抗を有すること
を特徴とする。
【0009】上記第1及び第2のダイカスト用耐熱亜鉛
合金において、さらに銅0.01〜7重量%を含有するこ
とを特徴とする。
【0010】上記ダイカスト用耐熱亜鉛合金において、
合金組成に、更にチタン、ジルコニウム、コバルト、リ
チウム、ベリリウム、ケイ素及びランタン系元素からな
る群から選ばれた一種以上の元素を1重量%以下含有さ
せてなり、高いクリープ抵抗を有することを特徴する。
【0011】また、本発明のダイカスト部品は上記ダイ
カスト用亜鉛合金からなるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0013】本発明に係るダイカスト用耐熱亜鉛合金
は、アルミニウム2〜10重量%、銅0〜7重量%、ニ
ッケル又はマンガンの何れか一種が0.01〜2重量%
(所望によりニッケル及びマンガンの合計が0.01〜2
重量%)、マグネシウム0.01〜0.1重量%を含有し、
更に所望により、例えばチタン、ジルコニウム、コバル
ト、リチウム、ベリリウム、ケイ素及びランタン系元素
からなる群から選ばれた一種以上の元素を1重量%以下
含有させてなり、残部が亜鉛と不可避の不純物からなる
ものである。よって、上記合金組成からなるダイカスト
用亜鉛合金は、高いクリープ抵抗を有し、ホットチャン
バーダイカストが可能となる。
【0014】本発明でダイカスト用亜鉛合金において、
アルミニウム(Al)は、合金の強度、硬さを増加させ
ると共に溶湯の流動性を改善するものである。アルミニ
ウム含有量の増加に伴いそれらの特性は向上し、2重量
%以上の添加でそれらの特性の有意義な向上が達成され
る。しかしながら、アルミニウム含有量が多くなり過ぎ
ると、合金の融点が高くなり、且つ鉄等との反応性から
ホットチャンバーダイカストが困難になるという問題が
ある。したがって、本発明においてアルミニウム含有量
は、2〜10重量%が望ましく、特に望ましくは3.5
〜8重量%である。
【0015】本発明でダイカスト用亜鉛合金において、
銅(Cu)は、一般的に合金の強度、硬さの向上に有効
である。しかしながら、銅含有量が多くなり過ぎると、
高融点且つ脆いε層(Zn−Cu固溶体)が晶出するた
め、流動性や衝撃強度を低下させ、好ましくない。な
お、銅は無添加の場合でも本発明のダイカスト用耐熱亜
鉛合金を得ることができるので、適宜必要に応じて添加
すればよい。したがって、本発明において銅含有量は、
0〜7重量%が望ましく、特に望ましくは1〜3重量%
である。
【0016】本発明でダイカスト用亜鉛合金において、
ニッケル(Ni)及びマンガン(Mn)は、耐熱性の向
上に有効である。しかしながら、ニッケル又はマンガン
(ニッケル及びマンガンの総量)の含有量が2重量%以
上になると、溶湯の流動性が低下し、鋳造性が悪くなり
良好な鋳物が得られなくなる。したがって、本発明にお
いてニッケル又はマンガン(ニッケル及びマンガンの総
量)の含有量は0.01〜2重量%が望ましく、特に望ま
しくは0.5〜1.0重量%である。
【0017】本発明でダイカスト用亜鉛合金において、
マグネシウム(Mg)は、アルミニウムを含有する亜鉛
合金に生じやすい粒間腐食を防止する作用を有する。こ
の効果を達成させるためには、その含有量が0.01重量
%以上含有させる必要があるが、その含有量が0.1重量
%以上になると衝撃強度が極端に低下する。したがっ
て、本発明においてマグネシウム含有量は、0.01〜0.
1重量%が望ましい。
【0018】さらに、本発明でダイカスト用亜鉛合金に
おいて、所望により、例えばチタン、ジルコニウム、コ
バルト、リチウム、ベリリウム、ケイ素及びランタン系
元素からなる群から選ばれた一種以上の元素を含有させ
ることができる。これらの添加は、合金の機械的強度の
改善の向上に有効である。しかしながら、それらの含有
量の総量が1重量%以上になると、衝撃強度が低下し好
ましくない。したがって、本発明においてそれらの元素
からなる群から選ばれた一種以上の元素を用いる場合の
含有量は、1重量%以下とするのが望ましく、特に単体
においては0.2重量%程度の含有が望ましい。
【0019】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を説明するが、
本発明はこれに限定されものではない。
【0020】黒鉛坩堝中にベースとしの電気、亜鉛及び
所要量のAl,Cu,Mg及びNi又はMnは母合金の
形で、所望によりTi,Zr,Co,La,Mm(ミュ
ッシュメタル)は母合金の形でLi,Be,Siは直接
添加で装入し、溶解させて、下記「表1」及び「表2」
に示す合金成分表(実施例1〜17及び比較例1〜1
1)に示した配合(重量%)で含有し、残部が亜鉛と不
可避的不純物からなる合金を調整した。それらの合金か
ら溶湯温度430℃、型温度150℃、型締力250t
on、ダイカスト機アクムレータ圧力85kgf/cm
2 の条件でホットチャンバーダイカストにより、長さ2
30mm,平行部直径6mmの引張試験用試験片、6.
35mm角の衝撃試験片、及び長さ150mm,平行部
直径8mmのクリープ試験片を各々作成した。
【0021】これらの試験片を用いて以下の試験〜
を実施した。 引張試験:インストロン引張試験機による(試験条
件;標点間距離:50mm、断面:6mmφ、引張強
度:10mm/min、試験温度150℃)。 衝撃試験:シャルピー衝撃試験機による(試験条件;
6.35mm角ノッチなし、試験温度150℃)。 鋳造性試験:健全な鋳物が得られるか否かで判定し
た。したがって、鋳造性の評価において「×」の合金は
試験に供しなかった。 クリープ試験:単軸クリープ試験機による(試験条
件;標点間距離:50mm、断面:8mmφ、試験温度
150℃、試験荷重:25MPa)。
【0022】以上の結果を下記「表1」及び「表2」並
びに「図1」に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】「表1」及び「表2」に示すように、実施
例1〜17は比較例1〜3の既存の合金(JIS ZD
C二種、一種及びZAS)と比較すると、試験温度15
0℃における引張強度及び衝撃強度が同等以上であっ
た。また、実施例1〜17の鋳造性も良好であった。
【0026】一方、比較例4〜9及び比較例11は鋳造
性が悪く、健全な鋳物が得られなかった。また同様に比
較例10は、衝撃強度が半減していた。
【0027】また、図1に示すように、実施例1は比較
例1(JIS ZDC二種)よりも、試験温度150
℃、試験荷重25MPaの条件におけるクリープ特性が
大きく改善されていた。
【0028】
【発明の効果】本発明のダイカスト用耐熱亜鉛合金は、
優れた耐熱特性を有し、且つ生産性の高いホットチャン
バーーダイカストが可能であるため、亜鉛合金成形品の
用途を大幅に広げるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る亜鉛合金のクリープ挙動を示す図
である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム2〜10重量%、ニッケル
    又はマンガンの何れか一種が0.01〜2重量%、マグネ
    シウム0.01〜0.1重量%を含有し、残部が亜鉛と不可
    避の不純物からなり、高いクリープ抵抗を有することを
    特徴とするダイカスト用耐熱亜鉛合金。
  2. 【請求項2】 アルミニウム2〜10重量%、ニッケル
    及びマンガンの合計が0.01〜2重量%、マグネシウム
    0.01〜0.1重量%を含有し、残部が亜鉛と不可避の不
    純物からなり、高いクリープ抵抗を有することを特徴と
    するダイカスト用耐熱亜鉛合金。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のダイカスト用耐熱
    亜鉛合金において、 銅0.01〜7重量%を含有することを特徴とするダイカ
    スト用耐熱亜鉛合金。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3記載のダイカスト用耐熱
    亜鉛合金において、 合金組成に、更にチタン、ジルコニウム、コバルト、リ
    チウム、ベリリウム、ケイ素及びランタン系元素からな
    る群から選ばれた一種以上の元素を1重量%以下含有さ
    せてなり、高いクリープ抵抗を有すことを特徴とするダ
    イカスト用耐熱亜鉛合金。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4記載のダイカスト用耐熱
    亜鉛合金を用いてダイカスト物品を製造してなることを
    特徴とするダイカスト部品。
JP8626196A 1996-04-09 1996-04-09 ダイカスト用耐熱亜鉛合金及びこれを用いたダイカスト部品 Withdrawn JPH09272932A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008038411A1 (fr) 2006-09-26 2008-04-03 Nec Corporation Alliage de précision
US7601389B2 (en) 2002-08-01 2009-10-13 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Metal material and method for production thereof
CN104911403A (zh) * 2014-03-15 2015-09-16 紫旭盛业(昆山)金属科技有限公司 一种冷加工模具锌
CN104911400A (zh) * 2014-03-15 2015-09-16 紫旭盛业(昆山)金属科技有限公司 一种冷加工模具锌

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WO2008038411A1 (fr) 2006-09-26 2008-04-03 Nec Corporation Alliage de précision
CN104911403A (zh) * 2014-03-15 2015-09-16 紫旭盛业(昆山)金属科技有限公司 一种冷加工模具锌
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