JPH09272792A - ポリエステル樹脂組成物及びその製造法 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物及びその製造法

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JPH09272792A
JPH09272792A JP8227896A JP8227896A JPH09272792A JP H09272792 A JPH09272792 A JP H09272792A JP 8227896 A JP8227896 A JP 8227896A JP 8227896 A JP8227896 A JP 8227896A JP H09272792 A JPH09272792 A JP H09272792A
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JP
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polyester
resin composition
bottle
polyester resin
pet
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JP8227896A
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Masahiko Yoshimura
政彦 吉村
Bunpei Hosoi
文平 細井
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Nippon Ester Co Ltd
Unitika Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックのリサイクルができ、透明性に
優れ、果汁入り微炭酸飲料の熱水殺菌時の耐熱性及び炭
酸ガス膨張に対する耐圧性を有し、しかもアセトアルデ
ヒド含有量が少ない飲料品用の自立型PET系ボトル等
の成形に好適なポリエステル樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 ポリエチレンテレフタレート又はこれを
主体とするポリエステルに対し、ビスフェノールA成分
とテレフタル酸成分及び/又はイソフタル酸成分とから
なるポリアリレートと、ポリエチレンナフタレート又は
これを主体とするポリエステルとを合わせて1〜10重量
%配合したポリエステル樹脂組成物であって、極限粘度
が0.60以上、アセトアルデヒド含有量が10 ppm以下であ
るポリエステル樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明性、耐熱性に優
れ、かつポリエステルの分解によって生ずるアセトアル
デヒド含有量が極めて少なく、清涼飲料を初めとする飲
料、調味料、目薬、洗剤等の容器に使用できるポリエス
テル樹脂組成物及びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、果汁入り微炭酸飲料等に使用する
ポリエチレンテレフタレート(PET)又はこれを主体
とする樹脂よりなる容器(以下、ボトルという。)に
は、性能面に加えて社会的要請であるリサイクル性を有
することが要求されている。
【0003】例えば、果汁入り微炭酸飲料の場合には、
約65℃で10分間程度の熱水殺菌が必要であり、この際、
果汁入り微炭酸飲料を充填したボトルを加熱すると、内
部の炭酸ガスが膨張して 0.5 MPa以上の内圧が生じ、従
来のPETボトルでは耐熱性が不足し、内圧に耐えられ
ない。その結果、無延伸もしくは低延伸倍率の底部が膨
れたり、あるいは膨張のために液面が下降し内容量が少
なく見える等の問題を生ずることとなる。一方、ボトル
の口部でも耐熱性がないためキャップの緩みを生ずる問
題が発生する。
【0004】通常、PETボトルの側面は、二軸延伸に
より完全に分子配向されているため、短時間の熱セット
をすれば十分な耐熱性を示す。したがって、最も面積の
広い側面は、従来からのPET単独であっても十分な耐
熱性と耐衝撃強度を備えている。しかし、口部の無延伸
部分や底部の無延伸もしくは低延伸倍率の部分は、果汁
入り微炭酸飲料の約65℃で10分間程度の熱水殺菌による
炭酸ガスの膨張内圧に耐えられない。
【0005】口部の無延伸部分の耐熱圧性を高める方法
としては、例えば、結晶化による方法(特公昭59− 331
01号公報)や、口部インサートピース法(特開平4−14
4730号公報、特公平6− 88318号公報、特公平7− 330
54号公報)等が提案されている。これらの方法によれ
ば、熱水殺菌の65℃はおろか、80℃以上の温度にも耐え
ることができる。しかも、キャップ付きであるため衝撃
耐性についても問題はない。
【0006】したがって、果汁入り微炭酸飲料用ボトル
においては、底部の無延伸もしくは低延伸倍率の部分に
如何にして耐熱性を付与させるかが重要な課題である。
現在、この分野に使用されているPETボトルは、底部
は丸形として耐圧性を持たせ、口部は結晶化させること
によって耐熱性をもたせている。この方法では、当然の
ことながらボトルに自立性を持たせることはできないの
で、通常は、この丸形の底部にポリエチレン製のベース
カップを接着させる方法(ベースカップ法)によって自
立性を持たせている。しかし、この方法では、ボトル成
形後に別途成形したベースカップを接着させるためコス
トアップになること、さらにはリサイクルする場合にこ
のベースカップを接着剤とともに取り除かねばならない
という問題があった。
【0007】上記したベースカップ法の問題点を解決す
るために、例えば、PETとポリエチレンナフタレート
(PEN)と特定の高級脂肪酸の金属塩とからなる樹脂
組成物が提案されている(特開平2−276855号公報)。
しかし、この樹脂組成物を用いたボトルでは、PETと
PENとの相溶性が十分でないため、透明性の低下等、
容器の外観性に劣るという問題点があった。
【0008】また、PET樹脂にポリアリレート(PA
R)樹脂を共射出させた積層ボトル(特開昭59−204552
号公報、特開平1−214423号公報)や、PET樹脂にP
AR樹脂を混入させて耐熱性を持たせた自立型ボトル
(特開平7−242222号公報)が提案されている。しか
し、これらの方法は、耐熱性の高いPARを溶融混合す
るため押出温度が高温になり、PETの分解によって生
ずるアセトアルデヒドの含有量が数十 ppm程度の材料を
使用することになり、飲料品用途には最適といえるもの
ではなかった。
【0009】他方、自立型PETボトルでは、内圧に耐
えられるようにするために底部の5点の膨らみでボトル
を支え、かつ極限粘度の高いPETを使用するのが一般
的であり、最近使用されはじめたPET/PARアロイ
樹脂についても、この方法が採用されている。このボト
ルの耐熱性向上のために使用されるPARはコスト面か
ら見ても10重量%以内であるが、この割合でのアロイ化
を1回の工程で行うことは、均一な樹脂組成物を得る点
で難しく、通常は、一旦30〜70重量%のPARを含んだ
PET/PARアロイ樹脂〔1〕を作り、再度ボトル用
プリフォーム成形時にPETとアロイ樹脂〔1〕とを混
ぜて成形し、最終的にPET/PARアロイ樹脂〔2〕
よりなるボトルを得ている。しかし、このアロイ樹脂
〔1〕を作る段階で、PARの押出温度に合わせられる
ためPETは分解しやすくなり、数十 ppm以上のアセト
アルデヒドを含有することになる。また、この方法は、
最終のプリフォーム成形時にPETとアロイ樹脂〔1〕
を混ぜているため、2つのフィード部が必要であり、設
備的にも負担が大きく、また品質の安定性にも欠けるこ
とになる。したがって、ボトル成形メーカーからは、従
来の設備を利用して、品質の安定したものが生産がで
き、リサイクルも可能で、かつアセトアルデヒド含有量
の少ない耐熱性及び耐圧性に優れたボトル用樹脂が要望
されていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、プラスチッ
クのリサイクルができ、透明性に優れ、果汁入り微炭酸
飲料の熱水殺菌時の耐熱性及び炭酸ガス膨張に対する耐
圧性を有し、しかもアセトアルデヒド含有量が少ない飲
料品用の自立型PET系ボトル等の成形に好適なポリエ
ステル樹脂組成物を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、PET又はこれを
主体とするポリエステル、PAR及びPEN又はこれを
主体とするポリエステルを特定の割合で溶融混合した
後、固相重合することで、この目的が達成できることを
見出し、本発明に到達した。
【0012】すなわち、本発明の要旨は次の通りであ
る。 (1) PET又はこれを主体とするポリエステルに対し、
ビスフェノールA成分とテレフタル酸成分及び/又はイ
ソフタル酸成分とからなるPARと、PEN又はこれを
主体とするポリエステルとを合わせて1〜10重量%配合
したポリエステル樹脂組成物であって、極限粘度が0.60
以上、アセトアルデヒド含有量が10 ppm以下であること
を特徴とするポリエステル樹脂組成物。 (2) PET又はこれを主体とする極限粘度が0.40以上の
ポリエステルに対し、ビスフェノールA成分とテレフタ
ル酸成分及び/又はイソフタル酸成分とからなる極限粘
度が0.40〜0.70のPARと、PEN又はこれを主体とす
る極限粘度が0.40〜0.80のポリエステルとを合
わせて1〜10重量%配合して溶融混合した後、固相重合
する上記のポリエステル樹脂組成物の製造法。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0014】本発明のポリエステル樹脂組成物は、極限
粘度が0.60以上、アセトアルデヒド含有量が10 ppm以下
であることが必要である。極限粘度が0.60未満では機械
的特性が低下し、実用に供することのできるボトルが得
られない。また、アセトアルデヒド含有量が10 ppmを超
えると、果汁入り微炭酸飲料等の充填後に、これが内容
物に移行し、味や香りを損なうので好ましくない。
【0015】本発明におけるPET又はこれを主体とす
るポリエステル(以下、PET系ポリエステルとい
う。)は、テレフタル酸成分とエチレングリコール成分
とを主成分として重縮合反応されたものである。
【0016】 PET系ポリエステルには、上
記成分の他に、フタル酸、イソフタル酸、 2,6−ナフタ
レンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルジカルボン酸、ジ
フェニルスルホンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸
成分、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セ
バシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、マレイ
ン酸、イタコン酸等の脂肪族ジカルボン酸成分、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、 1,2−プロパンジオール、 1,3−プロパン
ジオール、 1,4−ブタンジオール、 1,5−ペンタンジオ
ール、 1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル等の脂肪族ジオール成分、 1,4−シクロヘキサンジメ
タノール、 1,4−シクロヘキサンジエタノール等の脂環
族ジオール成分、ビスフェノールAやビスフェノールS
のエチレンオキシド付加体等の芳香族ジオール成分等が
PETの特性を損なわない範囲で含有されていてもよ
い。
【0017】本発明におけるPARは、芳香族ジカルボ
ン酸であるテレフタル酸成分及び/又はイソフタル酸成
分と、二価のフェノールであるビスフェノールA成分と
の重合により得られる芳香族ポリエステルである。PA
Rにおけるテレフタル酸成分とイソフタル酸成分とのモ
ル比は、任意に選ぶことができるが、40/60〜60/40の
範囲にあることが好ましい。
【0018】本発明におけるPEN又はこれを主体とす
るポリエステル(以下、PEN系ポリエステルとい
う。)は、 2,6−ナフタレンジカルボン酸成分とエチレ
ングリコール成分とを主成分として重縮合反応されたも
のである。
【0019】PEN系ポリエステルには、上記成分の他
に、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、4,4'−ジ
フェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン
酸等の芳香族ジカルボン酸成分、シュウ酸、マロン酸、
コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デ
カンジカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸等の脂肪族
ジカルボン酸成分、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、 1,2−プロパン
ジオール、 1,3−プロパンジオール、 1,4−ブタンジオ
ール、 1,5−ペンタンジオール、 1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール成分、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、 1,4−シクロヘキ
サンジエタノール等の脂環族ジオール成分、ビスフェノ
ールAやビスフェノールSのエチレンオキシド付加体等
の芳香族ジオール成分等がPENの特性を損なわない範
囲で含有されていてもよい。
【0020】PARとPEN系ポリエステルとを合わせ
た配合量は、1〜10重量%であることが必要であり、3
〜7重量%であることがより好ましい。この配合量が1
重量%未満では、耐熱性と耐圧性とを同時に満足するこ
とができない。逆にこの配合量が10重量%を超えると、
固相重合性に支障をきたし、溶融粘度の上昇により成形
性も悪くなり、さらにボトル保存時の色調安定性も悪く
なる。
【0021】また、PARとPEN系ポリエステルとの
配合割合は、その重量比が20/80〜80/20であることが
好ましい。この重量比が20/80未満では耐熱性が劣る傾
向があり、80/20を超えると色調が悪くなる傾向があ
る。
【0022】PARの製造方法としては、界面重合法、
溶液重合法又は溶融重合法のいずれの方法も使用できる
が、テレフタル酸成分とイソフタル酸成分とのモル比に
よって最適の製造方法が選択される。
【0023】例えば、イソフタル酸とビスフェノールA
とからPARを製造する場合には、ビスフェノールAを
無水酢酸でアセチル化した後、イソフタル酸と反応させ
る溶融重合法が好ましく用いられる。また、テレフタル
酸とイソフタル酸とのモル比が50/50の混合物と、ビス
フェールAとからPARを製造する場合には、テレフタ
ル酸及びイソフタル酸を酸クロライドとした後、ビスフ
ェノールAと反応させる界面重合法が好ましく用いら
る。ユニチカ社製のUポリマー(商品名)は後者の代表
例であり、本発明に用いられるPARとしてはUポリマ
ーが最適である。
【0024】また、樹脂組成物には、酸化防止剤を含有
させることが望ましい。酸化防止剤としては、ヒンダー
ドフェノール系酸化防止剤又はリン系酸化防止剤が用い
られ、これらは単独で使用してもよいし、併用してもよ
い。
【0025】ヒンダードフェノール系酸化防止剤として
は、例えば、旭電化社製のアデカスタブAO−20、AO−3
0、AO−40、AO−50、AO−60、AO−70、AO−80、住友化
学社製のスミライザーGA−80、 BHT、チバガイギー社製
のイルガノックス1010等が挙げられる。
【0026】リン系酸化防止剤としては、トリアリール
ホスファイト、アルキルアリールホスファイト、アルキ
ルホスファイト等があり、例えば、旭電化社製の PEP−
24G、 PEP−36、住友化学社製のスミライザー P−16、
チバガイギー社製のイルガフォス 168等が挙げられる。
【0027】酸化防止剤の添加量は、2重量%以下が好
ましい。この添加量が2重量%を超えると、ボトルの色
調が悪くなるので好ましくない。
【0028】さらに、樹脂組成物には、酸化防止剤の他
にも、本発明の組成物の特性を損なわない範囲で、紫外
線吸収剤、着色剤、熱安定剤等の添加剤を含有させるこ
とができる。
【0029】次に、本発明のポリエステル樹脂組成物の
製造法について説明する。ポリエステル樹脂組成物を製
造するに際しては、PET系ポリエステルに対し、PA
RとPEN系ポリエステルとを、その配合量の合計が1
〜10重量%になるように二軸の溶融押出混練機を用いて
混合することもできるが、これらのポリマーの耐熱性が
違いすぎるため均一な樹脂組成物になりにくい。したが
って、均一な樹脂組成物を得るためには、PET系ポリ
エステルに対し、PARとPEN系ポリエステルとを、
その配合量の合計が30〜70重量%になるように、前もっ
て溶融混合した後、溶融状態で連続的に供給されるPE
T系ポリエステルの配管中に、PARとPEN系ポリエ
ステルとの配合量の合計が1〜10重量%になるように供
給し、静的混合器等で混合した後、ストランド状に押出
し、ペレット状に切断する。
【0030】この際、PET系ポリエステルとしては、
極限粘度が0.40以上のものを用いることが必要である。
極限粘度が0.40未満では、PARとPEN系ポリエステ
ルとの混練性が悪いうえに、次の固相重合に長時間を要
し、実用に供することのできる樹脂組成物が得られな
い。
【0031】また、PARとしては、極限粘度が0.40〜
0.70のものを用いることが必要である。極限粘度が0.40
未満では、固相重合に長時間を要し、逆に極限粘度が0.
70を超えると、溶融粘度が高くなり過ぎて混練性が不十
分となり、実用に供することのできる樹脂組成物が得ら
れない。
【0032】さらに、PEN系ポリエステルとしては、
極限粘度が0.40〜0.80のものを用いることが必要であ
る。極限粘度が0.40未満では、固相重合に長時間を要
し、逆に極限粘度が0.80を超えると、溶融粘度が高くな
り過ぎて混練性が不十分となり、実用に供することので
きる樹脂組成物が得られない。
【0033】本発明においては、次いで、上記のペレッ
トを固相重合する。固相重合は、減圧下又は窒素雰囲気
下で、融点以下の温度で10時間以上行うことが好まし
い。この際、重合温度は、融点よりも10℃以上低く、か
つ 190℃以上とすることがより好ましい。温度が 190℃
未満では重合が十分に進行せず、融点付近の温度では当
然ながらペレットが融着するので好ましくない。また、
重合時間が10時間未満ではアセトアルデヒド含有量が10
ppmを超え、飲料品用ボトルに利用できるポリエステル
樹脂組成物が得られない。
【0034】なお、酸化防止剤を適量添加したペレット
を固相重合すると、固相重合時の着色が防止され、色調
の良好な樹脂組成物が得られる。
【0035】前記した製造法により得られたポリエステ
ル樹脂組成物は、極限粘度が0.60以上、アセトアルデヒ
ド含有量が10 ppm以下のものであり、これを成形してボ
トルとすることができる。
【0036】本発明のポリエステル樹脂組成物を用いて
ボトルを製造するには、PETの延伸ブロー成形で用い
られている装置をそのまま用いることができる。具体的
には、前記のポリエステル樹脂組成物を用いて、射出成
形によりプリフォームを成形し、次いでそのプリフォー
ムを加熱し、二軸延伸ブロー成形を行う。
【0037】この際、成形機のシリンダー各部及びノズ
ルの温度は、通常 250〜 270℃とする。また、延伸温度
は、通常70〜 120℃、好ましくは80〜 110℃とし、延伸
倍率は縦方向に 1.5〜 3.5倍、円周方向に2〜5倍の範
囲とするのがよい。
【0038】
【作用】本発明のポリエステル樹脂組成物においては、
PET系ポリエステルに、耐熱性のあるPARとPEN
系ポリエステルとを合わせて1〜10重量%配合すること
で、耐熱性及び耐圧性が高められ、さらに、固相重合す
ることでアセトアルデヒド含有量が極めて小さくなるの
で、飲料品用ボトルとして使用した場合に、内容物の味
や香りを損なうことがない。
【0039】
【実施例】次に、実施例をあげて本発明を具体的に説明
する。なお、実施例において特性値は次のようにして測
定した。 極限粘度〔η〕 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒とし
て、温度20℃で測定し、dl/g単位で表した。 アセトアルデヒド含有量 ポリエステル樹脂組成物のぺレット 2.5gを、10mlの蒸
留水と共にガラス管内に密封し、 160℃で2時間抽出し
た後、5℃以下に冷却し、抽出液中のアセトアルデヒド
をガスクロマトグラフ(島津製作所社製、GC−14A )に
より定量した。 色調を表すb値 色差計(日本電色工業社製、ND−Σ80型)を用いて測定
した。b値は黄−青系の色調(+側は黄味、−側は青
味)を表し、極端に小さくならない限り小さい方が良好
である。 ボトルの耐熱性 延伸ブロー成形により得られたボトル(底部に5点の膨
らみを有する自立型ボトル)に 1.5リットルの水を満た
し、この中に 5.7gのドライアイスを添加し、密栓して
1週間放置した。次に、この密栓したボトルを65℃に温
調した熱水中に15分間浸積した後、冷水で冷やし、ボト
ルの体積変化の有無を目視で調べた。 ○:体積変化が小さくて自立型ボトルとして利用できる ×:体積変化が大きくて自立型ボトルとして利用できな
【0040】参考例1 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル 100重量部、エ
チレングリコール50重量部及び酢酸カルシウム1水塩0.
06重量部をエステル交換反応槽に仕込み、窒素ガス雰囲
気下で4時間かけて 140〜 230℃まで昇温し、生成する
メタノールを系外に溜出させながらエステル交換反応を
行った。得られた反応生成物に、リン酸ナトリウム0.05
重量部と二酸化ゲルマニウム0.03重量部とを添加して重
合槽に移した。次いで、1時間かけて1013 hPaから1.3h
Pa まで減圧し、同時に 1.5時間かけて 230℃から 285
℃まで昇温し、1.3 hPa以下の減圧下、 285℃の温度で
2時間、重縮合反応を行ってPENを得た。このPEN
の〔η〕は0.64であった。
【0041】実施例1 常法により連続溶融重合で製造された〔η〕0.65のPE
T、PAR(ユニチカ社製、Uポリマー)及び参考例1
で得られたPENを、二軸溶融押出機を用いて混練し
た。この際、PARとPENとの配合量の合計が40重量
%、PARとPENとの重量比が66/34になるように配
合した。次いで、この混練物を連続溶融重合装置で製造
された〔η〕0.55のPETの払出しラインに溶融状態
で、PARとPENとの配合量の合計が6重量%となる
よう供給し、配管中に装着されている静的混合器〔住友
重機社製、スルーザー SVX(18エレメント)〕で混練し
て、ストランド状に押出し、〔η〕0.56の樹脂混合物の
ペレットを得た。次いで、この樹脂混合物のペレットを
130℃で5時間熱風乾燥した後、加熱窒素気流下に 210
℃で15時間連続固相重合を行って、ポリエステル樹脂組
成物のペレットを得た。この乾燥ペレットを使用し、シ
リンダー各部及びノズル温度 280℃、金型温度20℃、射
出時間8秒、冷却時間10秒に設定した射出成形機(日精
エーエスビー社製、 ASB−50HT型)を用いてプリフォー
ムを成形した。次いで、このプリフォームを 110℃の雰
囲気下で、ブロー圧力2 MPaでブロー成形して、胴部の
平均肉圧300μm、内容積 1.5リットルの自立型ボトル
を作製した。得られたポリエステル樹脂組成物及びボト
ルの特性値を表1に示す。
【0042】実施例2〜5 PARとPENの配合量を変えた以外は、実施例1と同
様にしてポリエステル樹脂組成物を製造し、これを用い
て自立型ボトルを作製した。得られたポリエステル樹脂
組成物及びボトルの特性値を表1に示す。
【0043】比較例1〜2 PARとPENの配合量を変えた以外は、実施例1と同
様にしてポリエステル樹脂組成物を製造し、これを用い
て自立型ボトルを作製した。得られたポリエステル樹脂
組成物及びボトルの特性値を表1に示す。
【0044】比較例3 固相重合時間を9時間に変えた以外は、実施例1と同様
にしてポリエステル樹脂組成物を製造し、これを用いて
自立型ボトルを作製した。得られたポリエステル樹脂組
成物及びボトルの特性値を表1に示す。
【0045】比較例4 〔η〕0.35のPET、〔η〕0.51のPAR及び〔η〕0.
37のPENに変えた以外は、実施例1と同様にしてポリ
エステル樹脂組成物を製造し、これを用いて自立型ボト
ルを作製した。得られたポリエステル樹脂組成物及びボ
トルの特性値を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、透明性、耐熱性、耐圧
性、成形性及び品質安定性等に優れ、しかも溶融成形後
のアセトアルデヒド含有量が極めて少なく、飲料品用の
自立型ボトル等に好適に利用できるポリエステル樹脂組
成物を得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレート又はこれを
    主体とするポリエステルに対し、ビスフェノールA成分
    とテレフタル酸成分及び/又はイソフタル酸成分とから
    なるポリアリレートと、ポリエチレンナフタレート又は
    これを主体とするポリエステルとを合わせて1〜10重量
    %配合したポリエステル樹脂組成物であって、極限粘度
    が0.60以上、アセトアルデヒド含有量が10 ppm以下であ
    ることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリアリレートとポリエチレンナフタレ
    ート又はこれを主体とするポリエステルとの重量比が、
    20/80〜80/20である請求項1記載のポリエステル樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 ポリエチレンテレフタレート又はこれを
    主体とする極限粘度が0.40以上のポリエステルに対し、
    ビスフェノールA成分とテレフタル酸成分及び/又はイ
    ソフタル酸成分とからなる極限粘度が0.40〜0.70のポリ
    アリレートと、ポリエチレンナフタレート又はこれを主
    体とする極限粘度が0.40〜0.80のポリエステルとを合わ
    せて1〜10重量%配合して溶融混合した後、固相重合す
    る請求項1又は2記載のポリエステル樹脂組成物の製造
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2005035620A1 (ja) * 2003-10-10 2006-12-21 旭化成ケミカルズ株式会社 ポリアルキレンテレフタレートの製造方法、ポリアルキレンテレフタレート成形体の製造方法及びポリアルキレンテレフタレート成形体

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JPWO2005035620A1 (ja) * 2003-10-10 2006-12-21 旭化成ケミカルズ株式会社 ポリアルキレンテレフタレートの製造方法、ポリアルキレンテレフタレート成形体の製造方法及びポリアルキレンテレフタレート成形体

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