JPH0927263A - 冷陰極素子 - Google Patents

冷陰極素子

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JPH0927263A
JPH0927263A JP19809095A JP19809095A JPH0927263A JP H0927263 A JPH0927263 A JP H0927263A JP 19809095 A JP19809095 A JP 19809095A JP 19809095 A JP19809095 A JP 19809095A JP H0927263 A JPH0927263 A JP H0927263A
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JP
Japan
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carbon film
diamond
film
cathode
less
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Pending
Application number
JP19809095A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruo Kawakami
春雄 川上
Kenji Kondo
健治 近藤
Yoshiyuki Yonezawa
喜幸 米澤
Yuko Okamura
祐子 岡村
Toshie Nagayama
利枝 永山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】構造が簡便で、必要電界が低く、かつ、特性が
安定で寿命の長い冷陰極素子を提供する。 【構成】陰極と陽極とに電圧を印加することによって、
陰極から電子を放出させ、この電子を前記陽極または他
に設けられた電極に印加した電圧により制御する冷陰極
素子において、前記陰極を、ダイヤモンド構造部の分散
した導電性炭素膜とする。また、前記ダイヤモンド構造
部の径を0.5μm 以下とし、前記炭素膜の表面粗さを
0.5μm 以下としあるいは前記炭素膜の比抵抗を10
10Ωcm以下とする。図1はメタンと水素との混合ガスを
原料としたときのSEMによる炭素膜の粒子構造の写真
であり、(a)はメタンの含有量が4vol%の場合、
(b)はメタンの含有量が6vol%の場合(本発明の炭素
膜)である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、安定で高効率で電子放
出する冷陰極素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】空間に電子を放出して電界でこれを制御
する素子は、従来、真空管等において、タングステン線
等を通電、加熱し、熱励起された電子を用いることが多
く行われてきている。これらの難点は、動作開始に時間
がかかること、および集積化等の小型化に不向きなこと
である。
【0003】これに対し、熱励起によらず電子を固体か
ら空間に放出する素子は冷陰極素子と称され、小型化、
集積化の手段として開発が行われて来ている。現在は、
電界放射現象を利用した通称フィールドエミッターが開
発されつつある。これは、外部から強い電界(107 V/
cm以上) を作用させ、材料表面のポテンシャル障壁を薄
くして、トンネル効果により電子を放出させるものであ
る。この場合、冷陰極をエミッターという。電流密度は
エミッターの先端が鋭いほど高くなるので、微細加工に
より、エミッターの形状を整える。陰極材料としては、
Mo等の高融点金属や、Si等が検討されている。特
に、先端に仕事関数の小さいセシウム(Cs)を塗布し
たSi素子も開発されている。
【0004】これらの冷陰極を応用したデバイスとして
は、電極から放出した電子を、蛍光材料面に衝突させる
ことにより蛍光材料の発光させるフラットディスプレイ
や、電極から放出した電子の方向を、別個の電極(ゲー
ト電極)との間の空間電界により制御することを特徴と
する高速制御素子等が考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の冷陰極
素子には、前述のようにトンネル効果を利用するため高
電界が必要であること、エミッターを鋭く尖らせる微細
加工が必要なこと、およびエミッターは酸化等により容
易に劣化するため、寿命が短く、動作も不安定であるこ
と等の欠点があった。
【0006】近年、各種気相成長法によるダイヤモンド
薄膜の形成がなされるようになり、その優れた特性を活
かした応用が検討されつつある。特に、半導体としての
ダイヤモンドは、バンドギャップが大きい、絶縁破
壊電界が大きい、誘電率が小さい、電子、ホールの
移動度が大きい、耐放射線性が高い、等の特徴がある
ことから幅広い応用が期待されている。
【0007】特に、ダイヤモンドのバンドギャップは約
5.5eVとSi(1.1eV)等の半導体と比して著
しく大きく、このため各種の特徴ある特性が得られてい
る。表1はダイヤモンドの電子親和力の結晶面依存性を
示し、M.W.Geisらの発表したデータである(IE
EE.TRANS.Elec.Devices 第 38 巻(1991) 619頁) 。
【0008】
【表1】 <111>面での電子親和力χは負になり、真空凖位よ
り小さくなるので、電子は外部空間に放出されることに
なる。即ち、ダイヤモンドに電子を適当な方法で注入す
れば、高電界を要しないで冷陰極を実現できる。また、
高電界を要しないため、鋭い先端形状を加工する必要が
無く、平面状で均一な電子放出が可能である。また、ダ
イヤモンドは空気中で安定であり、長寿命で安定な素子
を作製可能である。
【0009】しかし、一方でダイヤモンドの電気抵抗は
一般に高いため(高純度のもので1016Ωcm )、ダイ
ヤモンドへのキャリア注入は困難であるため、ダイヤモ
ンド内に電流を流すためには高電圧が必要となり、ダイ
ヤモンド膜そのものを冷陰極として用いるのは現実的で
はない。本発明の目的は、構造が簡便で、必要電界が低
く、かつ、特性が安定で寿命の長い冷陰極素子を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】陰極と陽極とに電圧を印
加することによって、陰極から電子を放出させ、この電
子を前記陽極または他に設けられた電極に印加した電圧
により制御する冷陰極素子において、前記陰極は、ダイ
ヤモンド構造部の分散した導電性炭素膜からなるものと
する。
【0011】また、前記ダイヤモンド構造部の径は0.
5μm 以下であると良い。また、前記炭素膜の表面粗さ
は0.5μm 以下であると良い。また、前記炭素膜の比
抵抗は1010Ωcm以下であると良い。
【0012】
【作用】本発明によれば、冷陰極素子において、冷陰極
はダイヤモンド構造部の分散した導電性炭素膜からなる
ものとした。このような構成においては、ダイヤモンド
構造の部分はサイズが小さいため電気抵抗が小さい、ま
たダイヤモンド構造以外の構造の炭素膜は電気伝導体で
ある、さらに炭素膜からダイヤモンド構造の粒子へと化
学結合の変化は小さいので電子の注入には高電圧を必要
としない。従って、炭素膜からダイヤモンド構造部の表
面からの電子放出まで全体の電気抵抗はあまり高くな
く、陰極と陽極間の印加電圧は数百Vで、炭素膜の平均
電流密度は100μA/cm2 レベルが得られる。
【0013】炭素膜中のダイヤモンド構造の部分の径が
0.5μm 以下であり、または炭素膜の比抵抗が1010
Ωcmより小さいため、陰極の内部に電子を通過または注
入させるために必要な電圧は小さくてよく、陰極と陽極
間の印加電圧の大部分は電子放出のための陰極と陽極間
にかかることとなる。
【0014】
【実施例】
実施例1 先ず、本発明に係るダイヤモンド構造と導電性炭素の混
合炭素膜について説明する。ダイヤモンド構造が分散し
た炭素膜の製造方法は幾つか考えられるが、例えば、一
般にダイヤモンド薄膜の製造方法として知られるマイク
ロ波CVD法において、含有量が5vol%以上のメタンと
水素との混合ガスを原料とすることにより目的とする炭
素膜は得られる。
【0015】炭素膜の成長速度は約1μm /hで、膜厚は
5μm とした。表2は成膜条件を示す。
【0016】
【表2】 図1は、メタンと水素との混合ガスを原料としたときの
SEMによる炭素膜の粒子構造の写真であり、(a)は
メタンの含有量が4vol%の場合(b)はメタンの含有量
が6vol%の場合である。図1より、メタンの含有量が4
vol%の場合は、炭素膜全面がダイヤモンド構造で覆わ
れ、最大径は1μm に達しており、メタンの含有量が6
vol%の場合では、0.1μm オーダーのダイヤモンド構
造部が分散していることが判る。
【0017】同じ炭素膜についてX線回折も調べた。図
2はメタンと水素との混合ガスを原料とした炭素膜のX
線回折の図である。カーブaはSi基板、カーブbはメ
タン6vol%、カーブcはメタン4vol%、カーブdはメタ
ン0.5vol%の場合である。図2では、メタン6vol%、
メタン4vol%どちらの場合でも、エックス線回折では明
瞭な回折ピークが観測されていて、ダイヤモンド構造部
を持つことは明らかである。これらの膜中のダイヤモン
ド構造部の具体的な大きさは不明であるが、SEMによ
る表面形状から、0.5μm 以下であることは明瞭であ
る。
【0018】同様に、例えばCOと水素の混合ガスを原
料としてもほぼ同等の炭素膜を得ることができる。炭素
膜の成長速度は約1μm /hで、膜厚は5μm とした。表
3は成膜条件である。
【0019】
【表3】 図3はCOと水素との混合ガスを原料とした炭素膜のラ
マンスペクトルであり、(a)はCOの含有量が40vo
l%の場合、(b)はCOの含有量が60vol%の場合であ
る。 図3より、COの含有量が40vol%の場合、ラマ
ンスペクトルは明確にダイヤモンド構造に対応するピー
クをもつが、COの含有量が60vol%の場合はピークは
極めて広くダイヤモンド構造部の径がかなり小さくなっ
ており、炭素膜の大部分は乱れた黒鉛構造や二重結合を
もつ炭素であることが推定できる。このように、ダイヤ
モンド構造部が微小化すると、電子のダイヤモンドへの
注入が容易になる。ダイヤモンド構造部は、炭素膜中で
独立した粒子として存在する場合と、他のグラファイト
構造等と連続して存在する場合とが考えられるが、電子
の注入効率は後者のほうが高いと考えられる。また、ダ
イヤモンド構造部が微小化するとともに炭素膜の表面粗
さも減少する。炭素膜の表面粗さを0.5μm 以下とす
ることにより、局部的な電界集中を回避するとともに、
当該素子をディスプレイとして用いた場合の画質の均一
性を確保することが可能となる。すなわち、ディスプレ
イとして一般に用いられる画素の大きさは高精彩のもの
でも数10μm 以上であり、上記粗さはこれに比して充
分小さい値である。
【0020】また炭素膜の比抵抗を1010Ωcm以下、望
ましくは1000Ωcm以下にすることにより、陰極と陽
極の間に付加した電圧が、炭素膜中で低下することな
く、放出電子の加速に有効に作用することができる。こ
の値は、代表例として、駆動電圧500V、電流密度1
00μA/cm2、炭素膜の厚さ5μm とした時の炭素膜に
求められる比抵抗値から試算したものである。 実施例2 水素ガス中に、メタンガス6vol%の混合ガスを原料と
し、マイクロ波CVD法によりダイヤモンドを含む炭素
膜を形成した。Si基板には予めダイヤモンド砥粒で研
磨する傷付け処理を行いダイヤモンド結晶の核形成を行
った。成膜条件は実施例1の表2に同じとした。
【0021】図4は、本発明に係る実施例の冷陰極素子
の構造を示した模式断面図である。陰極はSi基板1に
形成されたダイヤモンド構造部を含む炭素膜2であり、
陽極はガラス基板3に形成されたITO膜4である。陰
極と陽極の距離は50μm とした。陰極と陽極とを気密
容器5に入れ、気密容器5内を100 Pa 以下の真空状
態とした。陰極と陽極の間に50Vの電圧を印加し、電
界を105 V/cm とした。この時、陰極面積に対し10
0μA/cm2の電流密度を得た。電流は安定で長時間の使
用に充分耐えるものであった。 実施例3 Si基板上に、予め陰極部以外の表面にSiO2 絶縁膜
と金のゲート電極を成膜し、その部分をマスキングした
後に、水素ガス40vol%、一酸化炭素ガス60vol%の混
合ガスを原料とし、マイクロ波CVD法によりダイヤモ
ンドを含む炭素膜を形成した。Si基板には予めダイヤ
モンド砥粒で研磨する傷付け処理を行いダイヤモンド結
晶の核形成を行った。成膜条件は実施例1の表3と同じ
とした。以下に示す。炭素膜の成長速度は約1μm/h
で、膜厚は5μm とした。
【0022】図5は、本発明に係る他の実施例の冷陰極
素子の構造を示した模式断面図である。陰極はSi基板
1に形成されたダイヤモンド構造体を含む炭素膜2であ
り、絶縁膜6として酸化ケイ素膜が、ゲート電極7とし
て厚さ10μm の膜が炭素膜2の上に積層されている。
陽極はガラス基板3に形成されたITO膜4である。陰
極と陽極の距離は50μm とした。陰極と陽極とを気密
容器5に入れ、気密容器5内を100 Pa 以下の真空状
態とした。陽極にはITO膜を形成したガラス板を用
い、その上に蛍光体を塗布した。陰極と陽極の間の空間
を100Paの真空状態とした後、陰極と陽極の間に5
00Vの電圧を印加した。陰極と陽極の距離は50μm
であり、電界としては105 V/cm であった。この時、
電極面積に対し120μA / cm2の電流をであり、蛍光
体からの発光はゲート電圧により変調出来ることも確認
できた。電流は安定で長時間の使用に充分耐えるもので
あった。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、陰極と陽極とに電圧を
印加することによって、陰極から電子を放出させ、この
電子を前記陽極または他に設けられた電極に印加された
電圧により制御する冷陰極素子において、前記陰極は、
ダイヤモンド構造部の分散した導電性炭素膜からなるも
のとしたため、電子放出部を特に整形加工することなく
簡便に製造できる。また、放電に必要な電圧が低く、か
つ、特性が安定で寿命の長い冷陰極素子を提供すること
ができる。
【0024】また、ダイヤモンド構造部は密に炭素膜中
に分散しているので、電子放出は面から均等に行われ、
ディスプレイに応用し易い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るメタンと水素との混合ガスを原料
としたときのSEMによる炭素膜の粒子構造の写真であ
り、(a)はメタンの含有量が4vol%の場合(b)はメ
タンの含有量が6vol%の場合
【図2】本発明のに係るメタンと水素との混合ガスを原
料とした炭素膜のX線回折スペクトル
【図3】本発明のに係るCOと水素との混合ガスを原料
とした炭素膜のラマンスペクトルであり、(a)はCO
の含有量が40vol%の場合、(b)はCOの含有量が6
0vol%の場合
【図4】本発明に係る実施例の冷陰極素子の構造を示し
た模式断面図
【図5】本発明に係る他の実施例の冷陰極素子の構造を
示した模式断面図
【符号の説明】
1 基板 2 炭素膜 3 ITO膜 4 ガラス基板 5 真空容器 6 絶縁膜 7 ゲート電極 8 蛍光体膜 9 電源 10 電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡村 祐子 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 永山 利枝 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰極と陽極とに電圧を印加することによっ
    て、陰極から電子を放出させ、この電子を前記陽極また
    は他に設けられた電極に印加した電圧により制御する冷
    陰極素子において、前記陰極は、ダイヤモンド構造部の
    分散した導電性炭素膜からなることを特徴とする冷陰極
    素子。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の冷陰極素子において、前
    記ダイヤモンド構造部の径は0.5μm 以下であること
    を特徴とする冷陰極素子。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の冷陰極素子にお
    いて、前記炭素膜の表面粗さは0.5μm 以下であるこ
    とを特徴とする冷陰極素子。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3に記載の冷陰極素子にお
    いて、前記炭素膜の比抵抗は1010Ωcm以下であること
    を特徴とする冷陰極素子。
JP19809095A 1995-07-11 1995-07-11 冷陰極素子 Pending JPH0927263A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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