JPH09272320A - 車軸式懸架装置 - Google Patents

車軸式懸架装置

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JPH09272320A
JPH09272320A JP8535196A JP8535196A JPH09272320A JP H09272320 A JPH09272320 A JP H09272320A JP 8535196 A JP8535196 A JP 8535196A JP 8535196 A JP8535196 A JP 8535196A JP H09272320 A JPH09272320 A JP H09272320A
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秀夫 立花
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聰徳 須川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量化や耐久性の向上等を図った車軸式懸架
装置を提供する。 【解決手段】 懸架装置は、シャシフレーム1に前後端
を支持されたリーフスプリング20と、シャシフレーム
1とリーフスプリング20との間に介装されたラバース
プリングユニット21とを主要構成部材としている。ラ
バースプリングユニット21は、前後一対のラバースプ
リング30,31と、前後のアッパブラケット32,3
3と、ロワブラケット34と、クッションラバー35と
からなっている。両ラバースプリング30,31は同一
品であり、前方のラバースプリング30が前傾した状態
に配置され、後方のラバースプリング31が後傾した状
態に配置されている。ラバースプリング30,31は、
複数個のゴム弾性体の間にそれぞれ拘束板を介装させ、
これらを加硫接着により一体化させたいわゆる積層ゴム
となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等に用いら
れる車軸式懸架装置に係り、詳しくはその軽量化や耐久
性の向上等を図るための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】中大型トラック等の後輪懸架には、比較
的簡便な構成を採りながら、空車時と積車時との荷重変
化に対応できる、ヘルパ付平行リーフ型の車軸式懸架装
置が多く用いられている。ヘルパ付平行リーフ型の車軸
式懸架装置は、図14に示したように、シャシフレーム
1に前後端を支持されたメインスプリング2と、メイン
スプリング2の上に重ねられたヘルパスプリング3とを
主要構成部材としており、両スプリング2,3に対して
車軸4がUボルト5を用いて固定される。両スプリング
2,3は共に複数枚(図示例では、5枚ずつ)の長さの
異なるばね鋼製のリーフを重ねたもので、クリップバン
ド6,7により横ずれの防止が図られている。また、メ
インスプリング2は、その前端がフロントブラケット8
に直に支持される一方、後端はシャックルリンク9を介
してリヤブラケット10に支持され、車軸4の上下動に
よるメインスプリング2の変位(前後長の変化)が吸収
される。更に、ヘルパスプリング3の直上部には前後に
ヘルパストッパ11,12が配置されており、車軸4の
上昇時(積車時)にこれらヘルパストッパ11,12の
下面にヘルパスプリング3の前後端が当接する。図中、
13,14はシャシフレーム1の内側に配設されたガセ
ットであり、シャシフレーム1と同様に鋼板から形成さ
れている。
【0003】この懸架装置によれば、空車時において
は、図14に示したように、比較的ばね常数の低いメイ
ンスプリング2のみが作動するため、路面の凹凸による
シャシフレーム1への衝撃が軽減されると共に乗り心地
も良好となる。また、積車時においては、図15に示し
たように、メインスプリング2と共に比較的ばね常数の
高いヘルパスプリング3も作動するため、大荷重にも十
分に耐えられるようになる。更に、ヘルパ付に限らず、
平行リーフ型の車軸式懸架装置では、旋回時や加減速時
において車軸4に作用する前後力、横力やワインドアッ
プがメインスプリング2により負担されるため、独立懸
架装置では必須のコントロールリンク類(トレーリング
アームやラテラルロッド等)が不要となる。尚、図16
には車軸4のストローク量Sと負担荷重Fとの関係を示
しており、この図からヘルパスプリング3が作動し始め
た時点でばね常数が急変することが判る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したヘ
ルパ付平行リーフ型の車軸式懸架装置にも、以下に述べ
るように種々の問題点があった。一つには、メインスプ
リング2とヘルパスプリング3との弾性変形領域により
全荷重を負担するため、これらを構成する個々のリーフ
スプリングが大型かつ厚肉のものとなり、装置全体の重
量が非常に大きくなることが挙げられる。これにより、
シャシフレーム側の取付部を強化(ガセット13,14
の板厚増大等)する必要も相俟って車重が増加すると共
に、ばね下重量も大きくなって操縦安定性が悪化する。
また、車軸4の上下動に伴い両スプリング2,3を構成
するリーフが互いに擦れ合うため、長期間に亘る使用に
より各リーフの接触面(特に、相手側の板端が接触する
部位)が徐々に磨耗し、耐久性を低下させる要因となっ
ていた。更に、両スプリング2,3を構成するリーフの
枚数が多いため、各リーフ間の摩擦(板間摩擦)によっ
て動的ばね常数が上昇し、乗り心地やシャシフレーム1
の耐久性等を低下させていた。
【0005】このような不具合を解消するべく、リーフ
スプリングに代えてエアスプリング等を用いた懸架装置
も出現している。ところが、エアスプリング型の車軸式
懸架装置では、エアコンプレッサをはじめ、多数の制御
バルブや配管類等が必要となるため、部品点数の増大や
製造コストの上昇が避けられなかった。また、エアスプ
リング自体には位置決め機能が無いため、車軸式懸架装
置でありながら、独立懸架装置と同様にトレーリングア
ームやラテラルロッド等が必要となる。
【0006】本発明は上記状況に鑑みなされたもので、
軽量化や耐久性の向上等を図った車軸式懸架装置を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の請求項
1では、車両の車軸を車体に対して上下動自在に支持す
る車軸式懸架装置であって、前記車体にその前後端を支
持されたリーフスプリングと、前記車体と前記リーフス
プリングとの間に傾斜した状態で介装され、当該車体側
から印加される荷重を圧縮および剪断変形により負担す
ると共に、当該車体のリバウンド時において当該リーフ
スプリングと当該車体とのいずれか一方から分離するラ
バースプリングとを備えたものを提案する。
【0008】また、本発明の請求項2では、請求項1の
車軸式懸架装置において、前記ラバースプリングが前後
一対設けられると共に、前方のラバースプリングが前傾
した状態に配置され、後方のラバースプリングが後傾し
た状態に配置されているものを提案する。また、本発明
の請求項3では、請求項2の車軸式懸架装置において、
前記ラバースプリングは、前記車体のリバウンド時にお
いて、前記リーフスプリングから分離するものを提案す
る。
【0009】また、本発明の請求項4では、請求項3の
車軸式懸架装置において、前記ラバースプリングと前記
リーフスプリングとの当接面の少なくとも一方には緩衝
部材が設けられているものを提案する。また、本発明の
請求項5では、請求項1の車軸式懸架装置において、前
記ラバースプリングが前後一対設けられると共に、前方
のラバースプリングが後傾した状態に配置され、後方の
ラバースプリングが前傾した状態に配置されているもの
を提案する。
【0010】また、本発明の請求項6では、請求項5の
車軸式懸架装置において、前記ラバースプリングは、前
記車体のリバウンド時において、前記車体から分離する
ものを提案する。また、本発明の請求項7では、請求項
6の車軸式懸架装置において、前記ラバースプリングと
前記車体との当接面の少なくとも一方には緩衝部材が設
けられているものを提案する。
【0011】また、本発明の請求項8では、請求項2〜
7の車軸式懸架装置において、前記前後一対のラバース
プリングが連結部材により互いに連結されているものを
提案する。また、本発明の請求項9では、請求項1〜8
の車軸式懸架装置において、前記ラバースプリングが積
層ゴムであるものを提案する。
【0012】また、本発明の請求項10では、請求項9
の車軸式懸架装置において、前記積層ゴムが複数のゴム
弾性体とこれらゴム弾性体の間に介装された拘束板とか
らなり、当該拘束板には圧縮応力の一部を左右方向の剪
断偶力に変換する傾斜面または曲面が形成されているも
のを提案する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態を詳細に説明する。尚、実施形態の説明にあた
っては、前述した従来装置と同一の部材に同一の符号を
付し、重複する説明を省略する。図1には本発明に係る
車軸式懸架装置を後車軸の懸架に適用した第1実施形態
を側面視により示し、図2には図1中のII−II断面視を
示してある。これらの図に示したように、第1実施形態
の懸架装置は、シャシフレーム1に前後端を支持された
リーフスプリング20と、シャシフレーム1とリーフス
プリング20との間に介装されたラバースプリングユニ
ット21とを主要構成部材としている。車軸4は、リー
フスプリング20とサドルブラケット22とに対して、
前後一対のUボルト5により固定される。図中、24は
シャシフレーム1の内側に略直立した状態で配置された
油圧式のショックアブソーバであり、シャシフレーム1
側のアッパショックアブソーバブラケット25と車軸4
側のロワショックアブソーバブラケット26とにより支
持されている。
【0014】第1実施形態の場合、リーフスプリング2
0は、2枚のリーフ27,28を上下に重ねたもので、
前後一対のクリップバンド6により横ずれの防止が図ら
れている。また、リーフスプリング20は、その前端が
フロントブラケット8に直に支持される一方、後端はシ
ャックルリンク9を介してリヤブラケット10に支持さ
れている。そして、上方のリーフ27には前後端に目玉
部27a,27bが形成される一方、下方のリーフ28
はその前端が上方のリーフ27の目玉部27aを巻き込
むように形成されると共に後端が目玉部27bの中心と
略等しい位置まで延設されている。
【0015】一方、ラバースプリングユニット21は、
前後一対のラバースプリング30,31と、前後のアッ
パラバースプリングブラケット(以下、アッパブラケッ
トと略称する)32,33と、ロワラバースプリングブ
ラケット(以下、ロワブラケットと略称する)34と、
クッションラバー35とからなっている。両ラバースプ
リング30,31は同一品であり、前方のラバースプリ
ング30が前傾した状態に配置され、後方のラバースプ
リング31が後傾した状態に配置されている。アッパブ
ラケット32,33は、シャシフレーム1に取り付けら
れ、両ラバースプリング30,31の上端を支持する。
また、ロワブラケット34は、両ラバースプリング3
0,31の下端を連結しており、クッションラバー35
がその下面に加硫接着されている。アッパブラケット3
2,33はロワブラケット34に対して前後に略等距離
で離間しているため、前方のラバースプリング30が前
傾し、後方のラバースプリング31が後傾している。図
中、36はシャシフレーム1の内側に配設されたガセッ
トである。
【0016】ラバースプリング30,31は、図3に示
したように、複数個(第1実施形態では、4個)のゴム
弾性体40の間にそれぞれ拘束板41を介装させ、これ
らを加硫接着により一体化させたいわゆる積層ゴムとな
っている。また、ラバースプリング30,31の上下端
面には取付プレート42,43が加硫接着されており、
これら取付プレート42,43には各4本のウエルドボ
ルト44が植設されている。ゴム弾性体40は、耐候性
に優れた合成ゴム及び天然ゴムを素材としており、一対
の平行面が菱形となった偏平な平行六面体に形成されて
いる。また、拘束板41や取付プレート42,43は、
鋼板を素材としており、プレス機による打ち抜き等によ
り矩形に形成されている。尚、ゴム弾性体40は、圧縮
変形しやすいように、その露出面が減肉されている。
【0017】以下、第1実施形態の作用を述べる。第1
実施形態の懸架装置によれば、空車時において、段差を
乗り越えること等により車軸4が上下動した場合、ラバ
ースプリング30,31が圧縮および剪断方向に弾性変
形し、リーフスプリング20と伴に荷重を負担する。こ
の際、車軸4の上下動に伴ってリーフスプリング20を
構成する上下のリーフ27,28は互いに擦れ合うが、
摩擦に関与するリーフの枚数が2枚であるため、その摩
擦面積は前述した従来装置の数分の1となる。したがっ
て、板間摩擦もごく小さくなって動的ばね常数が低下
し、乗り心地やシャシフレーム1の耐久性等の向上を図
ることができた。また、上下のリーフ27,28は、そ
の長さが略等しく設定されているため、一方の板端が他
方の接触面に当接することがなく、摩擦による磨耗もご
く少なく抑えることができた。そして、旋回時や加減速
時に車軸4に作用する横力やワインドアップについて
は、従来装置ではメインスプリングの2枚のリーフのみ
で負担していたため、第1実施形態でもトレーリングア
ームやラテラルロッド等を用いる必要はなかった。
【0018】第1実施形態では、板間摩擦の減少によっ
てリーフスプリング20自体の振動減衰力が低下した分
をラバースプリング30,31の粘弾性減衰力により補
うが、車両の走行条件によっては第1実施形態のよう
に、ショックアブソーバ24を設けることにより、従来
装置と同等以上に振動減衰力を確保することもできる。
更に、大重量のリーフスプリングの大部分を比較的軽量
なラバースプリングリンクに置き換えたため、装置の重
量を大幅に軽減することができ、これにより、車重の軽
減が図られることはもとより、ばね下重量も小さくなっ
て操縦安定性も向上させることができた。
【0019】また、積車時においては、リーフスプリン
グ20が荷重を負担する割合は少なくなり、図4,図5
(図4中、V部拡大図)に示したように、ラバースプリ
ング30,31が大きく変形して荷重の多くを負担す
る。このとき、車軸4がストロークした量をSとし、拘
束板41に直交する軸線Lfと鉛直線Lgとのなす角度
をθとすると、ラバースプリング30,31の個々のゴ
ム弾性体40は、拘束板41と直交する方向に1/4・
S・cosθだけ圧縮変形し、拘束板41と平行な方向に
1/4・S・sinθだけ剪断変形する。すなわち、第1
実施形態では、積層ゴムである両ラバースプリング3
0,31は、従来装置のヘルパスプリングに較べて小型
でありながら、シャシフレーム1側から印加された大荷
重を圧縮および剪断の両変形により負担する。尚、第1
実施形態では剪断側の変形が圧縮側の変形より大きくな
るようにしたが、トラックの用途等に合わせて角度θを
変えれば、その変形比率を適宜設定できる。
【0020】さて、周知のように、ゴム弾性体は変形初
期にはそのばね常数が小さく(すなわち、撓みやす
く)、変形が進むとばね常数が二次曲線的に増大する。
したがって、図6に実線で示したように、車軸4のスト
ローク量Sに対する負担荷重Fも非線形的に増大する。
そして、この図から判るように、空車時と積車時とにお
ける荷重を破線で示した従来装置のものと同等のストロ
ークで負担できる一方で、従来装置のようなばね常数の
急変を防止することができた。また、車軸4の前後にラ
バースプリング30,31を取り付けるようにしたた
め、ストローク時において車軸4に前後方向の偶力が作
用し、車軸4を安定させることができた。尚、図6に
は、リーフスプリング20の負担荷重を二点鎖線により
示してある。
【0021】一方、後輪が道路上の陥穽等に落ち込んだ
場合等には、図7に示したように、シャシフレーム1に
対して車軸4が大きくリバウンドする。この際、第1実
施形態では、リーフスプリング20がフリーキャンバと
なった時点で、シャシフレーム1側に取り付けられたラ
バースプリングユニット21と、車軸4側に取り付けら
れたリーフスプリング20とが分離する。そして、車軸
4が更に下降しても、ラバースプリングユニット21は
作動(引張変形)せず、リーフスプリング20のみが弾
性変形する。そして、ラバースプリングユニット21と
リーフスプリング20とが再び一体化する際には、サド
ルブラケット22に緩衝体であるクッションラバー35
が接触し、衝突音や磨耗の防止が図られる。
【0022】一般に、ゴム等の高分子弾性体は、圧縮応
力に対しては強い反面、引張応力に対しては構成分子の
破断が生じやすい。ところが、本実施形態のラバースプ
リング30,31には引張応力が作用しないため、長期
間(例えば、数十万km)に亘って使用された場合にも、
ラバースプリング30,31に亀裂等が発生することが
防止され、所期の性能を確保することができた。また、
ラバースプリング30,31に対する引張応力を考慮す
る必要がないことから、ラバースプリング30,31の
小型化等を図れる等、設計の自由度が増大した。
【0023】図8には本発明に係る車軸式懸架装置を後
車軸の懸架に適用した第2実施形態を側面視により示し
てある。第2実施形態においても、懸架装置の主要構成
部材は、リーフスプリング20と、ラバースプリングユ
ニット21とからなっている。ところが、第2実施形態
の場合、ラバースプリングユニット21が車軸4側に固
定されると共に、前後ラバースプリング30,31の取
り付け状態が第1実施形態と異なっている。すなわち、
第2実施形態では、サドルブラケット22の端部が前後
にオーバハングしてスプリング取付部22a,22bを
形成する一方、アッパブラケット32が逆三角形状の一
体型となっている。そして、これらブラケット22,3
0間に上下端を固着されることにより、第1実施形態と
は逆に、前方のラバースプリング30が後傾し、後方の
ラバースプリング31が前傾している。第2実施形態で
は、アッパブラケット32の上面にクッションラバー3
5が加硫接着される一方、シャシフレーム1にはクッシ
ョンラバー35に当接するストッパブラケット50が取
り付けられている。
【0024】以下、第2実施形態の作用を述べる。第2
実施形態においても、その懸架装置としての作用は、第
1実施形態と略同様である。すなわち、車軸4が上下動
した場合、ラバースプリング30,31は圧縮および剪
断方向に弾性変形し、リーフスプリング20と伴に荷重
を負担する。また、リーフスプリング20を構成するリ
ーフの枚数が2枚であるため、板間摩擦がごく小さくな
って動的ばね常数が低下し、乗り心地やシャシフレーム
1の耐久性等が向上した。更に、リーフスプリングの大
部分がラバースプリングに置き換えられたため、車重の
軽減が図られることはもとより、ばね下重量も小さくな
って操縦安定性も向上させることができた。尚、本実施
形態の場合、ラバースプリングユニット21が車軸4側
に固定されているため、リバウンド時においては、ラバ
ースプリングユニット21がシャシフレーム1から分離
する。また、本実施形態では、フレーム1側のスペース
が第1実施形態に比べて拡がるため、各種補器類等を取
り付ける際等には、そのレイアウトが容易になった。
【0025】一方、図9には、第1実施形態の一部を変
形した、本発明の第3実施形態を示してある。この実施
形態では、前後ラバースプリング30,31が、連結部
材である鋼板製のコネクティングプレート60を介し
て、互いに連結されている。コネクティングプレート6
0は、両ラバースプリング30,31の中間部に加硫接
着されており、図10に示したように、積車時には車軸
4の上昇に伴って上昇する。本実施形態では、このよう
に前後ラバースプリング30,31を連結したことによ
り、両ラバースプリング30,31の座屈強度が向上
し、車軸4に横力等が作用しても安定した作動を得られ
るようになった。
【0026】また、図11には、ラバースプリング単体
の変形実施形態を斜視により示してある。この変形実施
形態のラバースプリング30,31では、拘束板70,
71が左右方向に傾斜面を有する形状となっている。こ
れにより、ラバースプリング30,31に拘束板70,
71を介して圧縮応力FCが作用した場合、図12(図
11中のXII拡大部分矢視図)に示したように、圧縮応
力FCの一部が左右方向の剪断偶力fsl,fsrに変換
されることになる。その結果、第3実施形態と同様に、
ラバースプリング30,31の座屈強度が向上し、車軸
4に横力等が作用しても安定した作動を得られるように
なった。尚、この変形実施形態では、拘束板70,71
が傾斜面を有する形状としたが、図13に示したように
曲面を有する形状にしても、略同様の効果が得られる。
【0027】以上で具体的実施形態の説明を終えるが、
本発明の態様はこの実施形態に限るものではない。例え
ば、上記実施形態は、独立したシャシフレームを備えた
トラックの後輪懸架装置に本発明を適用したものである
が、前車軸の懸架に適用してもよいし、モノコック構造
の乗用車等に本発明を適用してもよい。また、リーフス
プリングを構成するリーフの枚数も2枚に限るものでは
なく、1枚のみであってもよいし、3枚以上であっても
よい。また、ラバースプリングについては、4個以外の
ゴム弾性体から構成された積層ゴムを用いてもよいし、
単一のゴム弾性体からなるものを用いてもよい。その
他、各構成部材の形状をはじめ、その取付方法や取付角
度等についても、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜
変更可能である。
【0028】
【発明の効果】本発明の請求項1の車軸式懸架装置によ
れば、車両の車軸を車体に対して上下動自在に支持する
車軸式懸架装置であって、前記車体にその前後端を支持
されたリーフスプリングと、前記車体と前記リーフスプ
リングとの間に傾斜した状態で介装され、当該車体側か
ら印加される荷重を圧縮および剪断変形により負担する
と共に、当該車体のリバウンド時において当該リーフス
プリングと当該車体とのいずれか一方から分離するラバ
ースプリングとを備えるようにしたため、従来装置と同
等の性能を持ちながら、装置重量を大幅に軽減させるこ
とが可能となる。
【0029】また、本発明の請求項2によれば、請求項
1の車軸式懸架装置において、前記ラバースプリングが
前後一対設けられると共に、前方のラバースプリングが
前傾した状態に配置され、後方のラバースプリングが後
傾した状態に配置されているものとしたため、個々のラ
バースプリングの小型化を図ることができると共に、ス
トローク時において車軸に前後方向の偶力が作用し、車
軸の姿勢が安定する。
【0030】また、本発明の請求項3によれば、請求項
2の車軸式懸架装置において、前記ラバースプリング
は、前記車体のリバウンド時において、前記リーフスプ
リングから分離するものとしたため、ばね下重量が更に
軽減されて乗り心地や走破性が向上する。また、本発明
の請求項4によれば、請求項3の車軸式懸架装置におい
て、前記ラバースプリングと前記リーフスプリングとの
当接面の少なくとも一方には緩衝部材が設けられている
ものとしたため、ラバースプリングとリーフスプリング
との衝突時における異音や磨耗の発生が抑えられる。
【0031】また、本発明の請求項5によれば、請求項
1の車軸式懸架装置において、前記ラバースプリングが
前後一対設けられると共に、前方のラバースプリングが
後傾した状態に配置され、後方のラバースプリングが前
傾した状態に配置されているものものとしたため、個々
のラバースプリングの小型化を図ることができると共
に、ストローク時において車軸に前後方向の偶力が作用
し、車軸の姿勢が安定する。
【0032】また、本発明の請求項6によれば、請求項
5の車軸式懸架装置において、前記ラバースプリング
は、前記車体のリバウンド時において、前記車体から分
離するものとしたため、ラバースプリングの取付けが比
較的容易になる。また、本発明の請求項7によれば、請
求項6の車軸式懸架装置において、前記ラバースプリン
グと前記車体との当接面の少なくとも一方には緩衝部材
が設けられているものとしたため、車体側ブラケットと
ラバースプリングとの衝突時における異音や磨耗の発生
が抑えられる。
【0033】また、本発明の請求項8によれば、請求項
2〜7の車軸式懸架装置において、前記前後一対のラバ
ースプリングが連結部材により互いに連結されているも
のとしたため、両ラバースプリングの座屈強度が向上
し、車軸に横力等が作用しても安定した作動を得られる
ようになる。また、本発明の請求項9によれば、請求項
1〜8の車軸式懸架装置において、前記ラバースプリン
グが積層ゴムであるものとしたため、体格を小さくして
も圧縮応力や剪断応力を高めることができ、負担可能な
荷重を増大させることができる。
【0034】また、本発明の請求項10によれば、請求
項9の車軸式懸架装置において、前記積層ゴムが複数の
ゴム弾性体とこれらゴム弾性体の間に介装された拘束板
とからなり、当該拘束板には圧縮応力の一部を左右方向
の剪断偶力に変換する傾斜面または曲面が形成されてい
るものとしたため、ラバースプリングの座屈強度が向上
し、車軸に横力等が作用しても安定した作動を得られる
ようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示した空車時における
側面図である。
【図2】図1中のII−II断面図である。
【図3】ラバースプリング単品の斜視図である。
【図4】第1実施形態を示した積車時における側面図で
ある。
【図5】図4中のV部拡大図である。
【図6】第1実施形態での車軸のストローク量と負担荷
重との関係を示したグラフである。
【図7】第1実施形態を示したリバウンド時における側
面図である。
【図8】本発明の第2実施形態を示した空車時における
側面図である。
【図9】本発明の第3実施形態を示した空車時における
要部側面図である。
【図10】本発明の第3実施形態を示した積車時におけ
る要部側面図である。
【図11】ラバースプリング単体の変形実施形態を示し
た斜視図である。
【図12】図11中のXII拡大部分矢視図である。
【図13】ラバースプリング単体の変形実施形態を示し
た斜視図である。
【図14】従来装置を示した空車時における側面図であ
る。
【図15】従来装置を示した積車時における側面図であ
る。
【図16】従来装置での車軸のストローク量と負担荷重
との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 シャシフレーム 4 車軸 5 Uボルト 8 フロントブラケット 9 シャックルリンク 10 リヤブラケット 13,14 ガセット 20 リーフスプリング 21 ラバースプリングユニット 22 サドルブラケット 24 ショックアブソーバ 27,28 リーフ 30,31 ラバースプリング 32,33 アッパラバースプリングブラケット 34 ロワラバースプリングブラケット 35 クッションラバー 36 ガセット 40 ゴム弾性体 41 拘束板 42,43 取付プレート 50 ストッパブラケット 60 コネクティングプレート 70,71 拘束板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須川 聰徳 東京都千代田区丸の内2丁目2番1号 ヘ ンドリクソン・アジア株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の車軸を車体に対して上下動自在に
    支持する車軸式懸架装置であって、 前記車体にその前後端を支持されたリーフスプリング
    と、 前記車体と前記リーフスプリングとの間に傾斜した状態
    で介装され、当該車体側から印加される荷重を圧縮およ
    び剪断変形により負担すると共に、当該車体のリバウン
    ド時において当該リーフスプリングと当該車体とのいず
    れか一方から分離するラバースプリングとを備えたこと
    を特徴とする車軸式懸架装置。
  2. 【請求項2】 前記ラバースプリングが前後一対設けら
    れると共に、前方のラバースプリングが前傾した状態に
    配置され、後方のラバースプリングが後傾した状態に配
    置されていることを特徴とする、請求項1記載の車軸式
    懸架装置。
  3. 【請求項3】 前記ラバースプリングは、前記車体のリ
    バウンド時において、前記リーフスプリングから分離す
    ることを特徴とする、請求項2記載の車軸式懸架装置。
  4. 【請求項4】 前記ラバースプリングと前記リーフスプ
    リングとの当接面の少なくとも一方には緩衝部材が設け
    られていることを特徴とする、請求項3記載の車軸式懸
    架装置。
  5. 【請求項5】 前記ラバースプリングが前後一対設けら
    れると共に、前方のラバースプリングが後傾した状態に
    配置され、後方のラバースプリングが前傾した状態に配
    置されていることを特徴とする、請求項1記載の車軸式
    懸架装置。
  6. 【請求項6】 前記ラバースプリングは、前記車体のリ
    バウンド時において、前記車体から分離することを特徴
    とする、請求項5記載の車軸式懸架装置。
  7. 【請求項7】 前記ラバースプリングと前記車体との当
    接面の少なくとも一方には緩衝部材が設けられているこ
    とを特徴とする、請求項6記載の車軸式懸架装置。
  8. 【請求項8】 前記前後一対のラバースプリングが連結
    部材により互いに連結されていることを特徴とする、請
    求項2〜7のいずれか一項に記載の車軸式懸架装置。
  9. 【請求項9】 前記ラバースプリングが積層ゴムである
    ことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載
    の車軸式懸架装置。
  10. 【請求項10】前記積層ゴムが複数のゴム弾性体とこれ
    らゴム弾性体の間に介装された拘束板とからなり、当該
    拘束板には圧縮応力の一部を左右方向の剪断偶力に変換
    する傾斜面または曲面が形成されていることを特徴とす
    る、請求項9記載の車軸式懸架装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006327567A (ja) * 2005-05-26 2006-12-07 Dong-Il Rubber Belt Co Ltd 衝撃吸収機能を有するアンダーキャリッジ
JP2007030670A (ja) * 2005-07-26 2007-02-08 Hino Motors Ltd タンデム車軸懸架装置
US7234723B2 (en) * 2003-06-27 2007-06-26 E-Z Ride Corp. Bolster spring suspension assembly
CN102632784A (zh) * 2008-03-10 2012-08-15 瀚瑞森美国有限责任公司 模块化悬架系统及其构件

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