JPH09270578A - 多層配線基板の製造方法 - Google Patents

多層配線基板の製造方法

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JPH09270578A
JPH09270578A JP7784896A JP7784896A JPH09270578A JP H09270578 A JPH09270578 A JP H09270578A JP 7784896 A JP7784896 A JP 7784896A JP 7784896 A JP7784896 A JP 7784896A JP H09270578 A JPH09270578 A JP H09270578A
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circuit
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多層基板の導体回路によって生じる凹凸の発生
をなくし、積層時に生じていた空隙による回路の断線や
変形による配線基板としての精度の劣化を防止する。 【解決手段】転写シート1の表面に金属からなる導体回
路4を形成し、その導体回路4が形成された転写シート
1の表面に少なくとも有機樹脂を含有する絶縁性スラリ
ー3を導体回路4の厚み以上の厚みに塗布した後、絶縁
性スラリー3を硬化または半硬化させて絶縁層5を形成
し、次に絶縁層5を転写シート1から剥がして導体回路
4が形成された回路基板を得、その回路基板を複数枚積
層し一体化するもので、絶縁性スラリー3に有機樹脂と
無機質フィラーとを含有し、また導体回路4を、Cu、
Al、Au、Ag等により構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、多層配線
基板及び半導体素子収納用パッケージなどに適した多層
配線基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来より、配線基板、例えば、半導体素子
を収納するパッケージに使用される多層配線基板とし
て、比較的高密度の配線が可能な多層セラミック配線基
板が多用されている。この多層セラミック配線基板は、
アルミナなどの絶縁基板と、その表面に形成されたWや
Mo等の高融点金属からなる配線導体とから構成される
もので、この絶縁基板の一部にキャビティが形成され、
このキャビティ内に半導体素子が収納され、蓋体によっ
てキャビティを気密に封止されるものである。
【0003】ところが、このようなセラミック多層配線
基板を構成するセラミックスは、硬くて脆い性質を有す
ることから、製造工程または搬送工程において、セラミ
ックスの欠けや割れ等が発生しやすく、半導体素子の気
密封止性が損なわれることがあるために歩留りが低い等
の問題があった。また、焼結前のグリーンシートにメタ
ライズインクを印刷して、印刷後のシートを積層して焼
結させて製造されるが、その製造工程において、高温で
の焼成により焼成収縮が生じるために、得られる基板に
反り等の変形や寸法のばらつき等が発生しやすいという
問題があり、回路基板の超高密度化やフリップチップ等
のような基板の平坦度の厳しい要求に対して、十分に対
応できないという問題があった。
【0004】そこで、最近では、有機樹脂を含む絶縁性
基板表面に銅箔を接着した後、これをエッチングして微
細な回路を形成し、しかるのちにこの基板を積層して多
層化した基板が提案されている。また、このようなプリ
ント基板においては、その強度を高めるために、有機樹
脂に対して、球状あるいは繊維状の無機質フィラーを分
散させた基板も提案されており、これらの複合材料から
なる絶縁基板上に多数の半導体素子を搭載したマルチチ
ップモジュール(MCM)等への適用も検討されてい
る。
【0005】上記プリント多層配線基板の製造方法によ
れば、有機樹脂を含む絶縁性基板の表面には、銅箔の厚
みに相当する厚みの配線回路が形成されるために、配線
回路形成部と非形成部とでその表面は凹凸な状態とな
る。そこで、この凹凸な表面に対して、プリント基板の
場合は、有機樹脂を含む絶縁性基板がそれ自体可撓性を
有するために、複数のシートを積層圧着する場合に、絶
縁性のシートの変形により凹部が埋められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】最近では従来よりも更
に精密な回路を有する多層配線基板が求められるように
なっているが、このような微細配線回路を有する配線基
板を上記のような従来法で作製すると、図3に示すよう
に、絶縁性基板21の表面に形成された所定厚みの配線
回路22の回路間に存在する凹部は、その上に積層され
た絶縁性基板21の積層圧着時の変形のみでは完全に埋
めることができず、最終的に得られる多層基板において
配線回路の周辺で空隙23が残存する。しかも、積層圧
着時の変形では、上層に形成された回路も変形するため
に、下層の導体回路と上層の導体回路が平面的にみて交
差するような場合には、上層の導体回路の変形が大きく
なり、回路の断線を引き起こすこともある。
【0007】そのために、多層基板を作製する時に、各
絶縁層の厚みを大きくして凹部への変形が上層の回路に
影響しないようにするか、または導体回路が交差しない
ようにするなどの対策が講じられているが、配線密度が
低下し、基板全体の容積が増える等の問題が生じてい
る。
【0008】また、シリコンチップの配線基板への実装
方法がワイヤーボンディング法からフリップチップ法に
変わってくるにつれ基板表面の平坦度の要求値が厳しく
なっている。この場合、配線回路による凸部は時に致命
的な欠陥となり、シリコンチップの実装さえ不可能にな
る場合がある。このような回路の超微細化、精密化はさ
らに進むと考えられ、それらの要求に応えうる超精密微
細の多層配線基板の製造技術の完成が待たれている。
【0009】従って、本発明は、叙上のような回路の超
微細化、精密化の要求に対応してなされたもので、多層
基板の一層毎に配設された配線回路によって生じる凹凸
をなくし、積層時に生じていたボイドによる回路の断線
や変形による配線基板としての精度の劣化を防止した多
層配線基板の製造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な課題について鋭意検討した結果、有機樹脂を含む絶縁
性基板の表面に形成された金属からなる配線回路の表面
に、無機フィラーと樹脂とを混合したスラリーを流し込
んで表面の凹凸をこのスラリーにより埋めることによ
り、1層における配線回路による凹凸をなくし平滑化す
ることができ、これを積層することによって、空隙の発
生がなく、超微細化、精密化の要求に応えうる多層配線
基板が得られることを見出し本発明に至った。
【0011】即ち、本発明の多層配線基板の製造方法
は、転写シートの表面に金属からなる導体回路を形成す
る回路形成工程と、該導体回路が形成された転写シート
の表面に少なくとも有機樹脂を含有する絶縁性スラリー
を導体回路の厚み以上の厚みに塗布した後、この絶縁性
スラリーを硬化または半硬化させて絶縁層を形成する絶
縁層形成工程と、該絶縁層形成工程によって得られた絶
縁層を転写シートから剥がし絶縁層表面に導体回路が形
成された回路基板を形成する回路基板形成工程と得られ
た回路基板を複数枚積層し一体化する工程とを具備する
ことを特徴とするものであり、かかる構成において、前
記絶縁性スラリーが、有機樹脂と無機質フィラーとを含
有すること、前記導体回路が、銅、アルミニウム、金、
銀のうちから選ばれる少なくとも1種以上からなること
を特徴とするものである。
【0012】また、第2の発明として、絶縁性基板の表
面に、金属からなる導体回路を形成する回路形成工程
と、前記導体回路が形成された基板の表面に有機樹脂を
含有する絶縁性スラリーを導体回路の厚み以上の厚みに
塗布した後、該絶縁性スラリーを硬化または半硬化させ
て絶縁層を形成する配線層形成工程とを具備し、前記回
路形成工程と、前記配線層形成工程とを繰り返し行い、
多層化することを特徴とするものであり、かかる製造方
法においては、前記絶縁性スラリーが、有機樹脂と無機
質フィラーとの複合材料からなること、前記導体回路
が、銅、アルミニウム、金、銀のうちから選ばれる少な
くとも1種以上からなること、さらに前記絶縁性基板
が、有機樹脂と無機質フィラーとの複合材料からなるこ
とが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図1、2をもとに
説明する。図1は、本発明の多層配線基板の製造方法の
第1の態様の工程の説明するための図である。図2は、
本発明の多層配線基板の製造方法の第2の態様の工程を
説明するための図である。
【0014】第1の態様によれば、図1に示すように、
まず、転写シート1の表面に導体回路を形成する。この
導体回路は、銅、アルミニウム、金、銀の群から選ばれ
る少なくとも1種、または2種以上の合金からなること
が望ましく、特に、銅、または銅を含む合金が最も望ま
しい。場合によっては、回路の抵抗調整のためにNi−
Cr合金などの高抵抗の金属を混合または合金化しても
よい。
【0015】この導体回路は、所望の金属箔をエッチン
グ法またはレーザー加工して形成したり、メッキ法によ
っても形成できる。例えば、エッチング法では、図1
(a)に示すように、前記転写シート1の表面に上記導
体回路形成金属からなる金属箔2を一面に接着した後、
図1(b)に示すように金属箔上にフォトレジスト、ス
クリーン印刷等の方法で導体回路状にレジスト3を形成
した後、不要な部分をエッチング除去することで所望の
導体回路4を得る。
【0016】この時、上記レジスト3は、一般には、金
属箔の不要部分をエッチング除去した後にレジスト除去
液等により取り除き、洗浄する工程が必要であるが、上
記レジスト3を後述する絶縁層を同一材料で、有機樹脂
を含む、例えば有機樹脂と無機質フィラーからなる絶縁
性材料から構成すれば、レジストの除去等を行う必要が
ないため、工程の簡略化を図ることができる上で有利で
ある。
【0017】次に、図1(c)に示すように、導体回路
4が形成された転写シート1の表面に、有機樹脂を含有
する絶縁性スラリー5を導体回路4の厚みよりも厚く、
特に一層の絶縁層相当の厚みに形成した後、この絶縁性
スラリー5を硬化または半硬化させる。
【0018】この時に用いられる絶縁性スラリー5は、
最終的には、多層配線基板の絶縁層を形成するものであ
るため、絶縁層として好適な材料からなることが望まれ
る。
【0019】本発明によれば、このスラリーは、少なく
とも有機樹脂を含む絶縁材料からなるもので、有機樹脂
としては例えば、PPE(ポリフェニレンエーテル)、
BTレジン(ビスマレイミドトリアジン)、エポキシ樹
脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂等の
樹脂が望ましく、とりわけ原料として室温で液体の熱硬
化性樹脂であることが望ましい。
【0020】また、絶縁性スラリー5中には、絶縁層あ
るいは配線基板全体としての強度を高めるために、有機
樹脂に対して無機質フィラーを複合化させることが望ま
しい。有機樹脂と複合化される無機質フィラーとして
は、SiO2 、Al2 3 、ZrO2 、TiO2 、Al
N、SiC、BaTiO3 、SrTiO3 、ゼオライ
ト、CaTiO3 、ほう酸アルミニウム等の公知の材料
が使用できる。フィラーの形状は平均粒径が20μm以
下、特に10μm以下、最適には7μm以下の略球形状
の粉末の他、平均アスペクト比が2以上、特に5以上の
繊維状のものや、織布物も使用できる。
【0021】なお、有機樹脂と無機質フィラーとの複合
材料においては、有機樹脂:無機質フィラーとは、体積
比率で15:85〜50:50の比率で複合化されるの
が適当である。
【0022】また、絶縁性スラリーは、好適には、絶縁
性基板を構成する前述したような有機樹脂と無機質フィ
ラーとの複合材料に、トルエン、酢酸ブチル、メチルエ
チルケトン、イソプロピルアルコール、メタノール等の
溶媒を添加して所定の粘度を有する流動体からなる。こ
のスラリーは、転写シート1の表面で導体回路4によっ
て形成される凹凸を埋めるためのものであるため、導体
回路の間の凹部に十分にスラリーが流し込まれて凹部を
埋めることができるような流動性を有することが必要で
ある。かかる観点から、スラリーの粘度は、100〜3
000ポイズが適当である。
【0023】そして、絶縁性スラリー5を導体回路4上
から流し込んだ後、このスラリー5を硬化または半硬化
させる。この硬化または半硬化は、スラリー中の有機樹
脂が熱硬化性樹脂の場合には加熱によって、また光硬化
性樹脂を用いた場合には、光照射によって行うことがで
きる。このスラリー5の流し込みにより導体回路4は、
スラリーの硬化によって形成された絶縁層5中に空隙の
発生なく完全に埋め込まれることになる。
【0024】次に、上記のようにして絶縁層中に導体回
路を埋め込んだ後に、転写シート1から絶縁層5を剥が
すことにより、図1(d)に示すように、導体回路の表
面と絶縁層とが同一平面上に存在する平滑性に優れた単
層の回路基板を作製することができる。
【0025】そして、図1(a)〜(d)のようにして
複数の回路基板を作製し、所望により打ち抜き法やレー
ザーを用いた方法でバイアホールを形成し、導電性樹脂
や金属フィラーを含有する導電性インク等をバイアホー
ル内に充填する。そして、得られた回路基板を図1
(e)に示すように、所望の枚数を所定位置に積層し加
圧もしくは加熱して密着し一体化して多層配線基板6を
作製することができる。
【0026】かかる態様においては、転写シート1表面
に形成された導体回路4の表面は、絶縁性スラリーの硬
化により形成される絶縁層5との界面となるもので、導
体回路4の絶縁層への密着性を決定する要因である。か
かる観点から、導体回路4の絶縁層5との密着強度を高
める上で、転写シート1表面に形成される金属箔2、言
い換えれば導体回路4の表面粗さは、0.1μm以上、
特に0.3μm〜3μm、最適には0.3〜1.5μm
であるのがよい。
【0027】次に、本発明の第2の態様について図2を
もとに説明する。この態様においては、まず、図2
(a)に示すように適当な絶縁性基板11の表面に導体
回路12を形成する。ここで用いられる絶縁性基板11
は、電気抵抗が1013Ωcm以上の高絶縁性材料であれ
ば特に限定するものではなく、一般に配線基板用絶縁材
料として多用されているアルミナ、ムライト、ガラス、
ガラスセラミックスや、有機樹脂製基板、有機樹脂−無
機質フィラー複合材料基板などが用いられる。後述する
ように、この絶縁性基板11上に積層する絶縁層との特
性の一致を図る上では、有機樹脂製基板、有機樹脂−無
機質フィラー複合材料基板などが望ましい。
【0028】一方、導体回路12は、銅、アルミニウ
ム、金、銀の群から選ばれる少なくとも1種、または2
種以上の合金からなることが望ましく、特に、銅、また
は銅を含む合金が最も望ましい。また、場合によって
は、回路の抵抗調整のためにNi−Cr合金などの高抵
抗の金属を混合、または合金化してもよい。なお、この
導体回路12は、先の第1の態様における図(a)
(b)で説明したのと同様な方法で形成することがで
き、図2(a)は、第1の態様の図1(a)(b)と同
様にエッチング法によって導体回路を形成した場合のも
ので、絶縁性基板11の表面に金属箔を一面に形成した
後、導体回路のレジスト13を塗布した後にエッチング
処理して導体回路12が形成される。
【0029】なお、かかる態様において、導体回路12
と絶縁性基板11との密着強度を高める上では、配線回
路形成箇所における絶縁性基板11の表面粗さが0.1
μm以上、特に0.3μm〜3μm、最適には0.3〜
1.5μmであるのがよい。
【0030】次に、図2(b)に示すように、導体回路
12が形成された絶縁性基板11の表面に有機樹脂を含
有する絶縁性スラリー14を導体回路12の厚み以上の
厚みに塗布する。この有機樹脂を含有する絶縁性スラリ
ー14は、多層配線基板としての高強度化を図る上で
は、有機樹脂と無機フィラーとを均一に混合した複合材
料からなることが望ましい。ここで用いられる有機樹脂
としては、PPE(ポリフェニレンエーテル)、BTレ
ジン(ビスマレイミドトリアジン)、エポキシ樹脂、ポ
リイミド樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂等の樹脂が
望ましく、とりわけ原料として室温で液体の熱硬化性樹
脂であることが望ましい。
【0031】また、有機樹脂と複合化される無機質フィ
ラーとしては、SiO2 、Al2 3 、ZrO2 、Ti
2 、AlN、SiC、BaTiO3 、SrTiO3
ゼオライト、CaTiO3 、ほう酸アルミニウム等の公
知の材料が使用できる。フィラーの形状は平均粒径が2
0μm以下、特に10μm以下、最適には7μm以下の
略球形状の粉末の他、平均アスペクト比が2以上、特に
5以上の繊維状のものや、織布物も使用できる。
【0032】なお、有機樹脂と無機質フィラーとの複合
材料においては、有機樹脂:無機質フィラーとは、体積
比率で15:85〜50:50の比率で複合化されるの
が適当である。
【0033】このスラリーは、絶縁性基板1の表面の導
体回路12によって形成される凹凸を埋めるとともに、
配線基板における絶縁層14を形成するものであるた
め、配線回路の間の凹部に十分にスラリーが流し込まれ
て凹部を埋めることができような流動性を有することが
必要である。かかる観点から、スラリーの粘度は、50
〜2000ポイズが適当である。
【0034】そして、スラリーを流し込んだ後、このス
ラリーを硬化または半硬化させる。
【0035】この硬化または半硬化は、スラリー中の有
機樹脂が熱硬化性樹脂の場合には、加熱によって、また
光硬化性樹脂を用いた場合には、光照射によって行うこ
とができる。
【0036】このスラリーの流し込みおよびスラリーの
硬化によって、絶縁性基板11の表面に形成された導体
回路12は、絶縁性材料中に完全に埋め込まれ、ことに
なる。
【0037】次に、所望により、スルーホールなどの加
工およびホール内への導電性ペーストの充填を行った後
に、図2(b)の絶縁層形成工程によって形成された絶
縁層14の表面に、図2(c)に示すように、図2
(a)と同様の回路形成工程により導体回路15を、例
えばレジスト16形成後のエッチング処理により形成す
る。そして、その表面に、図2(c)と同様な方法によ
って、前記絶縁性スラリーを導体回路の厚みよりも大き
い厚みとなるように流し込み、これを硬化または半硬化
させて次の配線層15を形成する。
【0038】このような導体回路形成工程と絶縁層形成
工程とを繰り返し行うことにより、最終的に図2(d)
に示すような多層配線基板18を作製することができ
る。
【0039】このように、本発明の多層配線基板の製造
方法によれば、1層毎の回路基板において導体回路の表
面と絶縁層との表面が同一平面に存在するか、または導
体回路が絶縁性基板内に何ら空隙の発生なく完全に埋め
込まれているために、従来のような導体回路による凹凸
の発生がなく、従来、回路基板の積層時に生じていた空
隙による回路の断線や変形による精度の劣化を防止する
ことができる。これにより、今後の半導体の主要な実装
形式と考えられているフリップチップ方式の実装に適し
た高精度な表面平坦度を有する高密度多層配線基板が得
られる。特に、第2の態様は、多層配線基板がさらに集
積化され、絶縁層の薄層化または基板の寸法精度が要求
される場合に好適である。
【0040】
【実施例】
実施例1 ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂からなる転
写シートの表面に接着剤を塗布して粘着性をもたせ、厚
さ12μm、表面粗さ0.8μmの銅箔を一面に接着し
た。その後、後述する絶縁性スラリーを同一組成のスラ
リーからなるレジストを導体回路に形成した後、これを
塩化第二鉄溶液中に浸漬して非パターン部をエッチング
除去した。なお、作製した回路は、導体回路の線幅が1
00μm、配線と配線との間隔が100μm以下の微細
なパターンである。
【0041】一方、絶縁性スラリーとして、ポリイミド
樹脂35体積%と、無機質フィラーとして球状シリカを
65体積%の割合で混合し、この混合物にメチルエチル
ケトンからなる溶媒を加えてミキサーによって十分に混
合して粘度2000ポイズのスラリーを調製した。
【0042】そして、このスラリーを先の導体回路が形
成された転写シート上に、ドクターブレード法により1
25μmの厚みで流し込んだ後、180℃−30分加熱
処理してスラリーを半硬化させた。その後、転写シート
を剥がしたところ、銅からなる導体回路の表面と、絶縁
性スラリーの硬化によって形成された絶縁層の表面が同
一平面からなる配線層を得ることができた。
同様にして厚さ125μmからなる8枚の配線層
を作製した後、レーザーによりバイアホールを形成しそ
のホール内にCu−Ag合金粉末を含む銅ペーストを充
填した。そして、位置合わせしてこれらを積層し50k
g/cm2 程度の圧力で圧着して200℃−5時間加熱
処理して完全硬化させて多層配線基板を作製した。
【0043】得られた多層配線基板に対して、断面にお
ける配線回路形成付近を観察した結果、空隙は全く認め
られず、また、各配線の導通テストを行った結果、何ら
配線の断線は認められなかった。
【0044】実施例2 ポリイミド樹脂40重量%と、球状シリカ60体積%と
の複合材料からなる絶縁性基板の表面に実施例1と同様
な方法で、厚さ9μm、表面粗さ0.6μmの銅箔を一
面に接着した。その後、後述する絶縁性スラリーと同様
な組成からなるレジストを導体回路に形成した後、これ
を塩化第二鉄溶液中に浸漬して非パターン部をエッチン
グ除去した。なお、作製した導体回路は、線幅が75μ
m、配線と配線との間隔が75μm以下の微細なパター
ンである。
【0045】一方、絶縁性スラリーとして、ポリイミド
樹脂40重量%と、無機質フィラーとしてシリカを60
重量%の割合で混合し、この混合物にトルエンとメチル
エチルケトンからなる溶媒を加えて混合機によって十分
に混合して粘度500ポイズのスラリーを調製した。
【0046】そして、このスラリーを先の導体回路が形
成された絶縁性基板上に、ドクターブレード法により1
00μmの厚みで流し込んだ後、180℃で30分加熱
処理してスラリーを半硬化させた。その結果、銅からな
る導体回路が絶縁層内に埋設された配線層を得ることが
できた。
【0047】次に、上記の配線層に対してバイアホール
をマイクロドリルで形成し、そのホール内にCu−Ag
合金粉末を含む銅ペーストを充填した。
【0048】そして、この絶縁層の表面に接着剤を塗布
して粘着性をもたせ、厚さ12μm、表面粗さ0.8μ
mの銅箔を一面に接着した。その後、先の絶縁性スラリ
ーと同一組成のスラリーからなるレジストを導体回路に
形成した後、これを塩化第二鉄中に浸漬して非パターン
部をエッチング除去して第2層目の導体回路を形成し
た。
【0049】さらに、第2の導体回路が形成された絶縁
層の表面に、先の絶縁性スラリーをドクターブレード法
により100μmの厚みで流し込んだ後、180℃で3
0分加熱処理してスラリーを半硬化させて、銅からなる
第2の導体回路が第2の絶縁層内に埋設された配線層を
得ることができた。
【0050】この操作を8回繰り返し行い、配線回路が
8層からなる多層配線基板を作製することができた。
【0051】得られた配線基板に対して、断面における
配線回路形成付近を観察した結果、空隙は全く認められ
ず、また、各配線の導通テストを行った結果、何ら配線
の断線は認められなかった。
【0052】比較例 エポキシ樹脂50体積重量%%と、無機質フィラーとし
てガラスファイバーを50体積%の複合材料からなる絶
縁性基板の表面に厚さ12μm、表面粗さ0.8μmの
銅箔を加圧加熱して接着した。その後、光硬化樹脂から
なるレジストを導体回路に形成した後、これを塩化第二
鉄溶液中に浸漬して非パターン部をエッチング除去し
た。さらに、残留レジストをレジスト剥離液で除去して
洗浄して回路を形成した。なお、作製した導体回路は、
線幅が60μm、配線と配線との間隔が60μmの超微
細なパターンである。
【0053】同様にして厚さ200μmからなる6枚の
回路基板を作製した後、マイクロドリルによりバイアホ
ールを形成しそのホール内に粒径約7μmの銅粉末から
なる銅ペーストを充填した。そして、位置合わせしてこ
れらを積層し50kg/cm2 の圧力で圧着して200
℃で加熱処理して完全硬化させて多層配線基板を作製し
た。
【0054】得られた多層配線基板に対して、断面にお
ける配線回路形成付近を観察した結果、配線回路の両側
に3μmの大きさの空隙が認められ、また、配線の導通
試験を行った結果、配線の断線が確認された。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明の多層配線
基板の製造方法によれば、一層の回路基板において導体
回路による凹凸が全くないために、従来、回路基板の積
層時に生じていた空隙による回路の断線や変形による精
度の劣化を防止することができる。これにより、今後の
半導体の主要な実装形式と考えられているフリップチッ
プ方式の実装に適した高精度な表面平坦度を有する高密
度多層配線基板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の第1の態様の工程を説明す
るための図である。
【図2】本発明の製造方法の第2の態様の工程を説明す
るための図である。
【図3】従来の方法による多層配線基板の構造を説明す
るための図である。
【符号の説明】
1 転写シート 2 金属箔 3、13、16 レジスト 4、12、15 導体回路 5、14、17 絶縁性スラリー 6、18 多層配線基板 11 絶縁性基板

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】転写シートの表面に金属からなる導体回路
    を形成する導体回路形成工程と、該導体回路が形成され
    た転写シートの表面に少なくとも有機樹脂を含有する絶
    縁性スラリーを前記導体回路の厚み以上の厚みに塗布し
    た後、この絶縁性スラリーを硬化または半硬化させて絶
    縁層を形成する絶縁層形成工程と、該絶縁層形成工程に
    よって得られた絶縁層を転写シートから剥がし絶縁層表
    面に導体回路が形成された回路基板を形成する回路基板
    形成工程と、得られた回路基板を複数枚積層し一体化す
    る工程とを具備することを特徴とする多層配線基板の製
    造方法。
  2. 【請求項2】前記絶縁性スラリーが、有機樹脂と無機質
    フィラーとを含有する請求項1記載の多層配線基板の製
    造方法。
  3. 【請求項3】前記導体回路が、銅、アルミニウム、金、
    銀のうちから選ばれる少なくとも1種以上からなる請求
    項1記載の多層配線基板の製造方法。
  4. 【請求項4】絶縁性基板の表面に、金属からなる導体回
    路を形成する導体回路形成工程と、前記導体回路が形成
    された基板の表面に有機樹脂を含有する絶縁性スラリー
    を前記導体回路の厚み以上の厚みに塗布した後、前記絶
    縁性スラリーを硬化または半硬化させて絶縁層を形成す
    る絶縁層形成工程とを具備し、前記導体回路形成工程と
    前記絶縁層形成工程とを繰り返し行い、多層化すること
    を特徴とする多層配線基板の製造方法。
  5. 【請求項5】前記絶縁性スラリーが、有機樹脂と無機質
    フィラーとを含有する請求項1記載の多層配線基板の製
    造方法。
  6. 【請求項6】前記導体回路が、銅、アルミニウム、金、
    銀のうちから選ばれる少なくとも1種以上からなる請求
    項4記載の多層配線基板の製造方法。
  7. 【請求項7】前記絶縁性基板が、有機樹脂と無機質フィ
    ラーとの複合材料からなる請求項4記載の多層配線基板
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010131999A (ja) * 2010-01-26 2010-06-17 Sumitomo Bakelite Co Ltd 絶縁シート、金属箔付き絶縁シートおよび多層プリント配線板

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