JPH09268812A - キー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 モールド成形にてキープレートの柄部を覆う
ように形成された把持部に電子部品を内包してなるキー
装置において、把持部をモールド成形にて形成する際
に、電子部品がキープレートの柄部から外れないように
する。 【解決手段】 キープレート１の柄部１ａに開設された
受容孔３に電子部品を保持した状態で受容される保持部
材４と、この保持部材を支持した状態で柄部の外縁に係
合して保持部材を柄部に対して固定するための固定部材
５とを有するものとする。特に、固定部材は、保持部材
を支持する中央部１４と、該中央部から略Ｙ字状に延出
した３つの脚部とを有し、該３つの脚部のうちの２つ１
５・１６がキープレートの中心軸を挟んで互いに相反す
る側の柄部の外縁にそれぞれ係合し、３つの脚部のうち
の残りの１つ１７が受容孔を挟んで軸部と相反する側に
開設されたキーホルダの連結孔１３の内周縁に係合する
ものとする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、モールド成形にて
キープレートの柄部を覆うように形成された把持部に電
子部品が内包されたキー装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】自動車用のエンジン始動装置において
は、盗難防止効果を高めるため、キーシリンダにキーを
差し込んだ際に、キーシリンダとキーとの間で電波信号
の授受を行い、キーから発せられるコード信号と車両側
に予め記憶されている暗証コードとを照合して、キーが
正規のものであるか否かを判別するようにした、いわゆ
るイモビライザーシステムが適用されたものがある。

【０００３】このようなイモビライザーシステム用のキ
ー装置においては、インサートモールド成形にてキープ
レートの柄部に把持部を形成する際に、電気的信号の授
受を行うためのアンテナやコード信号の発信回路からな
るトランスポンダを、外力から保護するための保持部材
に収容した上で、保持部材を柄部と共にインサートして
把持部に内包するようにしたものが知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、モールド成
形により把持部を形成する際には、保持部材に成形圧
（樹脂射出圧）が加えられると、保持部材がキープレー
トの柄部から外れるおそれがあるため、保持部材をキー
プレートの柄部に対して強固に固定しておくことが望ま
しい。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このような要望を満たす
ために、本発明では、モールド成形にてキープレートの
柄部を覆うように形成された把持部に電子部品を内包し
てなるキー装置であって、前記柄部に開設された受容孔
に前記電子部品を保持した状態で受容される保持部材
と、該保持部材を支持した状態で前記柄部の外縁に係合
して前記保持部材を前記柄部に対して固定するための固
定部材とを有するものとした。

【０００６】特に、前記固定部材は、前記保持部材を支
持する中央部と、該中央部から略Ｙ字状に延出した３つ
の脚部とを有し、該３つの脚部のうちの２つが前記キー
プレートの中心軸を挟んで互いに相反する側の前記柄部
の外縁にそれぞれ係合し、前記３つの脚部のうちの残り
の１つが前記受容孔を挟んで前記軸部と相反する側に開
設されたキーホルダの連結孔の内周縁に係合すると好ま
しい。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下に添付の図面に示された実施
形態に基づいて本発明の構成を詳細に説明する。

【０００８】図１及び図２は、本発明に基づき構成され
た自動車用のキー装置を示している。このキー装置は、
イモビライザーシステムが適用されたイグニッションス
イッチ操作用として構成されたものであり、金属板の打
ち抜き成形等にて形成されたキープレート１と、電子部
品としてのトランスポンダ２を保持すると共にキープレ
ート１の柄部１ａに開設された受容孔３に受容された合
成樹脂製の保持部材４と、この保持部材４と柄部１ａの
外縁とにそれぞれ係合して保持部材４を柄部１ａに対し
て固定するための金属製の固定部材５と、これらを覆う
ようにインサートモールド成形によって形成された軟質
エラストマ材による把持部６とからなっている。

【０００９】トランスポンダ２は、図３に示すように、
両端を丸めた形状に閉じられたガラス管に、コイルアン
テナ７とコード信号発信回路８とを封入してなってい
る。コイルアンテナ７は、キーシリンダのキー孔を外囲
するように設けられたキーシリンダ側コイル（図示せ
ず）との間で、電波信号の授受を行うものである。すな
わち、キープレート１の軸部１ｂをキーシリンダのキー
孔に差し込んでＯＮ位置にすると、キーシリンダ側のコ
イルから電波が発信され、この電波をトランスポンダ２
のコイルアンテナ７が受信する。すると、電磁誘導作用
によってコイルアンテナ７に起電力が生じ、この電力が
コード信号発信回路８に供給され、予め記憶されている
固有コードに応じた電波信号が、コイルアンテナ７から
発信される。このコイルアンテナ７から発信された固有
コード信号は、キーシリンダ側のコイルで受信され、予
め記憶されている暗証コードと比較照合され、互いのコ
ードが一致したならば、正規のキーであると判断して、
エンジンの作動を可能にする。一方、上記コードが不一
致の場合には、エンジンの作動を行わないようにする。

【００１０】このトランスポンダ２を保持する保持部材
４は、トランスポンダ２を受容する保持孔９が長手方向
に貫通して形成された主部１０と、主部１０の左右両側
面の上端から両側方に張り出された一対のつば部１１と
からなっている。この主部１０は、軸部１ｂ側が縮幅し
た先細りな輪郭形状に形成されている。

【００１１】保持孔９の内周面には、円周を３等分する
位置の各々に、軸線方向に沿って突条１２が突設されて
おり、これら３つの突条１２により、保持孔９に挿入さ
れたトランスポンダ２が、保持孔９の内周面に対して浮
いた状態に支持されるようになっている。これにより、
外力による保持部材４の変形からトランスポンダ２を保
護すると共に、高い耐衝撃性が確保される。

【００１２】キープレート１の柄部１ａには、受容孔３
を挟んで軸部１ｂと相反する側に、キーホルダを連結す
るための連結孔１３が、柄部１ａの後端縁に沿って幅広
に開設されている。この連結孔１３の内周には、図１に
示すように、インサートモールド成形によって把持部６
が所定厚さで被覆され、これによって形成される孔１３
ａが、事実上の連結孔となり、この孔１３ａを取り巻く
金属製の柄部１ａによって把持部５が保形されると共
に、所要の強度が確保されるようになっている。

【００１３】固定部材５は、概ねＹ字形に打ち抜き成形
された金属板を折曲して形成されたものであり、保持部
材４の上面に当接する中央部１４と、この中央部１４か
らＹ字形に延出した３つの脚部１５・１６・１７とから
なっている。これら３つの脚部１５・１６・１７は、各
々の先端部が略Ｌ字形に折り曲げられて柄部１ａに係止
されるものであり、これらのうちの２つの脚部１５・１
６が、軸部１ｂの中心軸を挟んで互いに相反する側の柄
部１ａの外縁に係合し、残る１つの脚部１７が、連結孔
１３の内周縁に係合するようになっている。そして中央
部１４は、保持部材４の軸部１ｂと相反する側の半身を
覆うようになっており、これにより、電磁誘導作用によ
って形成される磁気回路に及ぼす影響の低減を図ってい
る。

【００１４】このようにして保持部材４は、その主部１
０の外形輪郭と概ね等しい内形輪郭に形成された受容孔
３に主部１０が緊密に受容され、つば部１１にて一方へ
の抜け出しが規制されると共に、固定部材５により、つ
ば部１１が形成された他方側への抜け出しが規制され
て、キープレート１に対して確実に固定されることとな
る。

【００１５】そして、保持部材４に保持されたトランス
ポンダ２が軸部１ｂの軸心と同軸的に配置されるため、
軸部１ｂをキーシリンダのキー孔に挿入した際に、トラ
ンスポンダ２内のコイルアンテナ７が、キーシリンダ側
のコイルと整合する位置に配置され、電磁誘導作用によ
る電力変換効率が最適となる状態で、トランスポンダ２
とキーシリンダ側のコイルとの間で電波信号の授受を行
うことができる。

【００１６】

【発明の効果】このように本発明によれば、トランスポ
ンダ等の電子部品を保持する保持部材がキープレートの
柄部に対して確実に固定されるため、把持部をモールド
成形にて形成する際に、保持部材がキープレートの柄部
から外れることがなくなる。特に、固定部材が、保持部
材を支持する中央部から略Ｙ字状に延出した３つの脚部
を有し、該３つの脚部のうちの２つが、キープレートの
軸部を挟んで互いに相反する側の柄部の外縁にそれぞれ
係合し、３つの脚部のうちの残りの１つが、受容孔を挟
んで軸部と相反する側に開設されたキーホルダの連結孔
の内周縁に係合するようにすると、大きな設計変更を行
うことなく保持部材と柄部とを効果的に結合し得る上、
組み付けが容易になるため、製造コストの上昇を抑える
上で大きな効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に基づき構成されたキー装置の要部を一
部破断して示す平面図。

【図２】図１に示したII−II線で分断して示す断面図。

【図３】図１に示したキー装置の要部を示す分解斜視
図。

【符号の説明】

１ キープレート １ａ 柄部 １ｂ 軸部 ２ トランスポンダ ３ 受容孔 ４ 保持部材 ５ 固定部材 ６ 把持部 ７ コイルアンテナ ８ コード信号発信回路 ９ 保持孔 １０ 主部 １１ つば部 １２ 突条 １３ 連結孔 １３ａ 孔 １４ 中心部 １５・１６・１７ 脚部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 モールド成形にてキープレートの柄部
   を覆うように形成された把持部に電子部品を内包してな
   るキー装置であって、 前記柄部に開設された受容孔に前記電子部品を保持した
   状態で受容される保持部材と、 該保持部材を支持した状態で前記柄部の外縁に係合して
   前記保持部材を前記柄部に対して固定するための固定部
   材とを有することを特徴とするキー装置。
2. 【請求項２】 前記固定部材は、前記保持部材を支持
   する中央部と、該中央部から略Ｙ字状に延出した３つの
   脚部とを有し、該３つの脚部のうちの２つが前記キープ
   レートの中心軸を挟んで互いに相反する側の前記柄部の
   外縁にそれぞれ係合し、前記３つの脚部のうちの残りの
   １つが前記受容孔を挟んで前記軸部と相反する側に開設
   されたキーホルダの連結孔の内周縁に係合することを特
   徴とする請求項１に記載のキー装置。