JPH09268352A - ブラウン管電子銃用ステンレス鋼板 - Google Patents

ブラウン管電子銃用ステンレス鋼板

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Publication number
JPH09268352A
JPH09268352A JP7988096A JP7988096A JPH09268352A JP H09268352 A JPH09268352 A JP H09268352A JP 7988096 A JP7988096 A JP 7988096A JP 7988096 A JP7988096 A JP 7988096A JP H09268352 A JPH09268352 A JP H09268352A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel sheet
stainless steel
hardened layer
electron gun
ray tube
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7988096A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Yamada
▲廣▼志 山田
Etsuro Hattori
悦郎 服部
Takao Yokomakura
多賀夫 横枕
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Publication date
Application filed by Daido Steel Co Ltd filed Critical Daido Steel Co Ltd
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  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 打抜き加工によって生成するバリが少なく、
バリ取り工程を省略し得るブラウン管電子銃用ステンレ
ス鋼板を提供する。 【解決手段】 厚さ0.2mmの14質量%Cr−16
質量%Niステンレス鋼の焼鈍板に圧下率2%のスキン
パス圧延を行った。これによって、打抜き加工時のバリ
発生量が著しく低減し、かつ、透磁率1.01以下の非
磁性ステンレス鋼板が得られた。スキンパス圧延に変え
て、テンションレベラー加工、ヘアライン加工とするこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーブラウン管
用電子銃用材料、詳しくは電子銃の電極用ステンレス鋼
板に関する。
【0002】
【従来の技術】ブラウン管の電子銃は複数の電極(グリ
ッド)を有し、それらには中央に、電子ビームを通過さ
せるための孔が設けられている。カラーブラウン管で
は、赤緑青の3色に対応する3本の電子線を通すための
3つの孔が明けられている。これらの孔は打抜き加工に
よって形成する。そして、ブラウン管が正確で鮮明な色
調を写し出すためには、これらの孔の寸法、形状、位置
の加工精度が重視され、これらはμm単位で製造管理さ
れる。
【0003】前記の電極は、静電レンズを形成するた
め、非磁性材料で製作する必要があり、一般にはオース
テナイト系ステンレス鋼の薄板を打抜きまたは絞り加工
して製造される。ところで、オーステナイト系ステンレ
ス鋼板は、打抜き加工に際してバリが生じ易いという問
題がある。電極の孔周辺にバリがあると、電子線の進行
が阻害され、鮮明な画像を得ることができない。そのた
め、オーステナイト系ステンレス鋼製電極では、孔打抜
き品をバレル研磨、化学研磨などの方法によって、孔の
周辺部に生じたバリを除去する必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の現状
に鑑みて行われたもので、その目的とするところは、打
抜き加工によって生成するバリが少なく、バリ取り工程
を省略し得るブラウン管電子銃用ステンレス鋼板を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のブラウン管電子銃用ステンレス鋼板は、F
eを主成分とし、Ni:8〜20重量%、Cr:10〜
25重量%を含み、透磁率:1.01以下のステンレス
鋼板において、該ステンレス鋼板の表層部のみに加工硬
化層を形成したことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のブラウン管電子銃用ステ
ンレス鋼板は透磁率:1.01以下の非磁性であるもの
とする。ブラウン管電子銃の電極材料の透磁率が高いと
電子レンズにひずみを生じてブラウン管画像が乱れるの
で、このような恐れの生じない透磁率として1.01以
下とするものである。
【0007】本発明のブラウン管電子銃用ステンレス鋼
板は、経済的なFeを主成分とし、Ni:8〜20重量
%、Cr:10〜25重量%を含むものとする。前記組
成によって、本発明のブラウン管電子銃用ステンレス鋼
板は、透磁率の低い安定なオーステナイト相を呈する。
Niは、Feのオーステナイト相を安定とし、透磁率を
低めるのに効果があるが、含有率が8%未満では安定な
オーステナイト相が得られない。またNi含有率が過大
となると、安定なオーステナイト相を示す効果は飽和し
て、徒にコストを高めるので含有率の上限を20%とす
る。
【0008】Crは、Niと共存してオーステナイト相
を安定化する元素であるが、含有率が低ければ安定なオ
ーステナイト相が得られないので含有率の下限を10%
とする。また、含有率が過大となるとFeと金属間化合
物を形成して合金を脆化するので含有率の上限を25%
とする。その他、C、NなどFeのオーステナイト相を
安定化する元素、鋼の脱酸のために添加するSi、M
n、Alなどの元素、製造上不可避な元素を、前記透磁
率を維持し得る範囲において含有することを妨げない。
【0009】本発明のブラウン管電子銃用ステンレス鋼
板は、上記の化学組成を有する鋼を、この種の鋼で一般
に行われる溶解、熱間加工、冷間加工および光輝焼鈍を
施して切り板状あるいはコイル状の焼鈍鋼板とした後、
前記鋼板の表層部のみに加工硬化層を形成して製造す
る。これによって、該鋼板を打抜き加工するときに発生
するバリおよびだれの生成量を低減することができる。
【0010】前記加工硬化層は、前記焼鈍鋼板の表層部
のみに適度に形成することが好ましく、鋼板内部まで深
く硬化したり、著しく高い硬さにまで硬化すると、鋼板
の打抜き性、成形加工性を損う。前記加工硬化層を形成
する方法としては、前記焼鈍鋼板に数%未満の軽度の圧
下率で冷間圧延するスキンパス圧延、テンションレベラ
ーによる矯正加工、表面に摩擦材を押し当てて摩擦する
ヘアライン加工などの方法によるのが好ましい。これら
の方法によって、材料の表層部のみに適度な加工硬化層
を形成することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 (実施例1)C:0.021重量%、Si:0.18重
量%、Mn:0.21重量%、P:0.001重量%、
S:0.003重量%、Ni:16.8重量%、Cr:
14.8重量%を含むステンレス鋼を溶解し、熱間鍛
造、熱間圧延、冷間圧延、光輝焼鈍を行って板厚0.2
mmの焼鈍材を作成した。次に、圧下率2%でスキンパ
ス圧延し、これを供試材とした。 (実施例2)実施例1と同様の板厚0.2mmの焼鈍材
を、テンションレベラーにより、伸び率0.4%として
矯正加工し、これを供試材とした。
【0012】実施例1および2で得られた供試材から切
出した試験片をについて、ビッカース硬度計を用い、試
験荷重を変えて、各試験片の圧延面の表面硬さを測定し
た。その結果を図1に示す。比較例として前記焼鈍材に
ついて同様に測定した結果を併記する。図1から明らか
なように、比較例においては測定荷重が変っても硬さ測
定値には差はないが、実施例においては測定荷重の増加
に伴って硬さ測定値が減少している。このことは実施例
の硬さが表層では高く、内部にいくに従って低下してい
ることを示し、これより表層部に加工硬化層が生成して
いることが判る。測定荷重300grで、硬さがほぼ焼
鈍材の硬さと同等になっていることから、ビッカース硬
度計の圧子形状から換算して、およそ30μmの硬化層
が生成しているものと見られる。
【0013】次に、本発明の実施例の鋼板から、冷間プ
レス加工によって、図2に示す幅b=0.5mm、長さ
l=20mm、両端に半径r=0.25mmの半円形部
を有する小片を打抜き、打抜き孔の半円形部に生じたバ
リの体積をレーザー顕微鏡を用いて測定した。その結果
を表1に示す。表1には、比較例として前記焼鈍材の同
様な測定結果を併記する。
【0014】また、透磁率を測定した結果を表1に示
す。表1によれば、実施例においては、比較例に比べて
バリの生成量が少なく、バリ取り工程を省略し得る打抜
き製品が得られることが判る。また、実施例はいずれも
透磁率が1.01よりも小さく、電子銃用材料として優
れた磁気特性を備えることが判る。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、打抜き加工によって生
成するバリが少なく、バリ取り工程を省略し得るブラウ
ン管電子銃用Fe−Ni合金を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のビッカース硬さ試験における測定荷重
と表面硬さ測定値との関係を示す特性図である。
【図2】打抜き試験における打抜き形状の平面図であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Feを主成分とし、Ni:8〜20重量
    %、Cr:10〜25重量%を含み、透磁率:1.01
    以下のステンレス鋼板において、該ステンレス鋼板の表
    層部のみに加工硬化層を形成したことを特徴とするブラ
    ウン管電子銃用ステンレス鋼板。
JP7988096A 1996-04-02 1996-04-02 ブラウン管電子銃用ステンレス鋼板 Pending JPH09268352A (ja)

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JP7988096A JPH09268352A (ja) 1996-04-02 1996-04-02 ブラウン管電子銃用ステンレス鋼板

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JP7988096A JPH09268352A (ja) 1996-04-02 1996-04-02 ブラウン管電子銃用ステンレス鋼板

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JPH09268352A true JPH09268352A (ja) 1997-10-14

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JP (1) JPH09268352A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6459195B1 (en) 1999-09-28 2002-10-01 Nippon Mining & Metals Co., Ltd. Fe-Cr-Ni alloy electron gun electroded and Fe-Cr-Ni alloy sheet for electron gun electrodes
WO2018159748A1 (ja) * 2017-03-01 2018-09-07 日立金属株式会社 Fe-Ni系合金薄板の製造方法およびFe-Ni系合金薄板

Cited By (2)

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US6459195B1 (en) 1999-09-28 2002-10-01 Nippon Mining & Metals Co., Ltd. Fe-Cr-Ni alloy electron gun electroded and Fe-Cr-Ni alloy sheet for electron gun electrodes
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