JPH09267793A - 船舶の摩擦抵抗低減装置 - Google Patents
船舶の摩擦抵抗低減装置Info
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- JPH09267793A JPH09267793A JP8104766A JP10476696A JPH09267793A JP H09267793 A JPH09267793 A JP H09267793A JP 8104766 A JP8104766 A JP 8104766A JP 10476696 A JP10476696 A JP 10476696A JP H09267793 A JPH09267793 A JP H09267793A
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- Y02T70/10—Measures concerning design or construction of watercraft hulls
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- Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 微小気泡による高ボイド率のボイドを船体の
浸水部表面に形成させ、船体摩擦抵抗を低減させる。 【解決手段】 船首部２の船側外板３の浸水部における
流線分岐領域で且つ静圧の小さい位置に、空気吹き出し
器９を設ける。空気吹き出し器９は船側外板３に設けた
開口部５に多孔板７を嵌め込んでシーチェスト８を一体
に設け、シーチェスト８を空気送給管１４を介してブロ
ワ１２に接続する。船体外板３の表面部に、流線４の方
向に倣うようにした微小溝１７群を形成する。空気吹き
出し器９の部分から発生させた微小気泡１６を、微小溝
１７群に沿わせて流す。
浸水部表面に形成させ、船体摩擦抵抗を低減させる。 【解決手段】 船首部２の船側外板３の浸水部における
流線分岐領域で且つ静圧の小さい位置に、空気吹き出し
器９を設ける。空気吹き出し器９は船側外板３に設けた
開口部５に多孔板７を嵌め込んでシーチェスト８を一体
に設け、シーチェスト８を空気送給管１４を介してブロ
ワ１２に接続する。船体外板３の表面部に、流線４の方
向に倣うようにした微小溝１７群を形成する。空気吹き
出し器９の部分から発生させた微小気泡１６を、微小溝
１７群に沿わせて流す。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は航行時に船体表面に
作用する摩擦抵抗を低減できるようにした船舶の摩擦抵
抗低減装置に関するものである。
作用する摩擦抵抗を低減できるようにした船舶の摩擦抵
抗低減装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】船舶の航行時には、流体としての海水の
粘性のために船体の周りに海水による境界層が形成され
るが、この境界層の中では、海水の流速は船体表面が零
で船体表面から離れるに従い急激に大きく変化する傾向
にあり、船体の表面に海水の摩擦抵抗が作用し船体抵抗
の大きな要素の一つとなっている。
粘性のために船体の周りに海水による境界層が形成され
るが、この境界層の中では、海水の流速は船体表面が零
で船体表面から離れるに従い急激に大きく変化する傾向
にあり、船体の表面に海水の摩擦抵抗が作用し船体抵抗
の大きな要素の一つとなっている。
【０００３】そのため、近年、上記船体の表面に作用す
る摩擦抵抗を減少させて推進性能を向上させるための研
究が進められており、その対策の一つとして、船体表面
から微小気泡（マイクロバブル）を噴出させ、船体の浸
水部（没水部）表面の境界層内に微小気泡を吹き込んで
船体の浸水部表面を微小気泡で覆うことにより船体表面
に作用する摩擦抵抗を低減することを狙ったマイクロバ
ブル推進法の研究が進められている。
る摩擦抵抗を減少させて推進性能を向上させるための研
究が進められており、その対策の一つとして、船体表面
から微小気泡（マイクロバブル）を噴出させ、船体の浸
水部（没水部）表面の境界層内に微小気泡を吹き込んで
船体の浸水部表面を微小気泡で覆うことにより船体表面
に作用する摩擦抵抗を低減することを狙ったマイクロバ
ブル推進法の研究が進められている。
【０００４】マイクロバブル推進法を具現化するための
一つの方法として、空気ポンプ等の空気供給装置で発生
させた加圧空気を船底から水中へ吹き出させて、船底に
微小気泡による所要のボイドを形成させるようにするこ
とが考えられる。
一つの方法として、空気ポンプ等の空気供給装置で発生
させた加圧空気を船底から水中へ吹き出させて、船底に
微小気泡による所要のボイドを形成させるようにするこ
とが考えられる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところが、加圧空気を
船底から水中に吹き出させて微小気泡を発生させる技術
では、船底部の静圧が大きいことから、加圧空気吹き出
し時のエネルギー消費が大きく、摩擦抵抗低減によるエ
ネルギー節約よりも、微小気泡発生のためのエネルギー
消費の方が大きくなってしまうので、実用化を図る上で
難点がある。
船底から水中に吹き出させて微小気泡を発生させる技術
では、船底部の静圧が大きいことから、加圧空気吹き出
し時のエネルギー消費が大きく、摩擦抵抗低減によるエ
ネルギー節約よりも、微小気泡発生のためのエネルギー
消費の方が大きくなってしまうので、実用化を図る上で
難点がある。
【０００６】そこで、本発明は、小さな吹き出し圧力で
微小気泡を発生させて船体の浸水部表面に微小気泡によ
るボイドを形成させることができるようにすると共に、
高いボイド率が得られるようにして推進性能を飛躍的に
向上させることができるような船舶の摩擦抵抗低減装置
を提供しようとするものである。
微小気泡を発生させて船体の浸水部表面に微小気泡によ
るボイドを形成させることができるようにすると共に、
高いボイド率が得られるようにして推進性能を飛躍的に
向上させることができるような船舶の摩擦抵抗低減装置
を提供しようとするものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、船首部の船側外板の浸水部で且つ船底や
船尾へ流線が向かうようになっている流線領域でしかも
静圧の小さい位置に、表面に多数の空気吹き出し口を有
する空気吹き出し器を設けて、該空気吹き出し器を加圧
空気供給装置に接続し、且つ上記船側外板の表面部に、
上記流線の方向に倣うように微小溝群を表面に形成して
なる薄板を取り付けた構成とする。
決するために、船首部の船側外板の浸水部で且つ船底や
船尾へ流線が向かうようになっている流線領域でしかも
静圧の小さい位置に、表面に多数の空気吹き出し口を有
する空気吹き出し器を設けて、該空気吹き出し器を加圧
空気供給装置に接続し、且つ上記船側外板の表面部に、
上記流線の方向に倣うように微小溝群を表面に形成して
なる薄板を取り付けた構成とする。
【０００８】空気吹き出し口の部分で発生した微小気泡
は流線に乗って船底や船尾の方向へ送られることから、
船体の浸水部表面を微小気泡で覆うことができ、この
際、微小気泡は船側外板表面部の微小溝群に沿わされる
ようになって浮上しにくい状態となるため、高いボイド
率が得られ、船体に作用する摩擦抵抗を低減できるよう
になる。
は流線に乗って船底や船尾の方向へ送られることから、
船体の浸水部表面を微小気泡で覆うことができ、この
際、微小気泡は船側外板表面部の微小溝群に沿わされる
ようになって浮上しにくい状態となるため、高いボイド
率が得られ、船体に作用する摩擦抵抗を低減できるよう
になる。
【０００９】又、空気吹き出し器を船首尾方向に延びる
細長い形状とすることにより、微小気泡を広範の流線に
乗せて効率よく流せるようになる。
細長い形状とすることにより、微小気泡を広範の流線に
乗せて効率よく流せるようになる。
【００１０】更に、空気吹き出し器を、多数の空気吹き
出し口を穿設した多孔板と該多孔板の内側に設けたシー
チェストからなる構成とし、船側外板に設けた開口部に
嵌め込むようにすると、空気吹き出し口の表面を船側外
板と面一にすることができる。
出し口を穿設した多孔板と該多孔板の内側に設けたシー
チェストからなる構成とし、船側外板に設けた開口部に
嵌め込むようにすると、空気吹き出し口の表面を船側外
板と面一にすることができる。
【００１１】更に又、空気吹き出し器を、船側外板に多
数の空気吹き出し口を穿設し且つその内側にシーチェス
トを設けて形成させるようにした場合は、船側外板に大
きな開口部を設ける必要がなくなる。
数の空気吹き出し口を穿設し且つその内側にシーチェス
トを設けて形成させるようにした場合は、船側外板に大
きな開口部を設ける必要がなくなる。
【００１２】一方、船側外板の表面部に微小溝群を直接
設けるようにすると、薄板の取り付け作業が不要とな
る。
設けるようにすると、薄板の取り付け作業が不要とな
る。
【００１３】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
を参照して説明する。
【００１４】図１（イ）（ロ）（ハ）は本発明の実施の
一形態を示すもので、船体１の船首部２の浸水部で且つ
船底や船尾の方向へ流線４が向かうようになっている流
線領域でしかも静圧の小さい位置（吃水線Ｄ．Ｌよりも
やや下側位置）の船側外板３に、所要の開口部５を設
け、多数の空気吹き出し口（細孔）６を所要のピッチで
穿設した多孔板７と、空気吹き出し口６を取り囲むよう
に該多孔板７の内側に一体に設けたシーチェスト８とか
らなる長さの短いボックス形状の空気吹き出し器９を、
上記開口部５に、上記多孔板７の表面が船側外板３の表
面と面一となるように嵌め込んで水密に取り付けるよう
にする。
一形態を示すもので、船体１の船首部２の浸水部で且つ
船底や船尾の方向へ流線４が向かうようになっている流
線領域でしかも静圧の小さい位置（吃水線Ｄ．Ｌよりも
やや下側位置）の船側外板３に、所要の開口部５を設
け、多数の空気吹き出し口（細孔）６を所要のピッチで
穿設した多孔板７と、空気吹き出し口６を取り囲むよう
に該多孔板７の内側に一体に設けたシーチェスト８とか
らなる長さの短いボックス形状の空気吹き出し器９を、
上記開口部５に、上記多孔板７の表面が船側外板３の表
面と面一となるように嵌め込んで水密に取り付けるよう
にする。
【００１５】一方、船体１の船首部２の甲板上に基台１
０を設置し、該基台１０上に、電動機１１によって駆動
されるブロワ１２を加圧空気供給装置として設置して図
示しない空気取入口に接続し、該ブロワ１２に一端を接
続した流量調整弁１３付きの空気送給管１４の他端を上
記空気吹き出し器９のシーチェスト８に接続し、ブロワ
１２から送られる加圧空気１５を空気吹き出し器９内に
導入して多数の空気吹き出し口６より水中へ吹き出させ
ることにより所要径の微小気泡１６を発生させて上記各
方向へ向かう流線４に乗せて流せるようにする。
０を設置し、該基台１０上に、電動機１１によって駆動
されるブロワ１２を加圧空気供給装置として設置して図
示しない空気取入口に接続し、該ブロワ１２に一端を接
続した流量調整弁１３付きの空気送給管１４の他端を上
記空気吹き出し器９のシーチェスト８に接続し、ブロワ
１２から送られる加圧空気１５を空気吹き出し器９内に
導入して多数の空気吹き出し口６より水中へ吹き出させ
ることにより所要径の微小気泡１６を発生させて上記各
方向へ向かう流線４に乗せて流せるようにする。
【００１６】更に、上記船側外板３の表面部に、上記流
線４の方向（主流方向）に倣うようにした多数の微小溝
１７群を表面に形成せる薄板１８を取り付け、流線４に
乗って流れる微小気泡１６が微小溝１７に沿わされるよ
うにする。
線４の方向（主流方向）に倣うようにした多数の微小溝
１７群を表面に形成せる薄板１８を取り付け、流線４に
乗って流れる微小気泡１６が微小溝１７に沿わされるよ
うにする。
【００１７】本発明者等は、船体形状が与えられると、
船体周りにおいて流線に沿って流れる微小気泡の乱流拡
散を考慮した運動と任意位置でのボイド率分布を求める
計算式を確立した。乱流拡散の影響は、等方性乱流の仮
定の基で乱数を用いて、Ｘ軸、Ｙ軸、Ｚ軸（上向き）方
向の流速を変動させ、微小気泡の軌跡に乱れを与えるこ
とにより考慮した。すなわち、微小気泡のランダムな運
動をモンテカルロ法により直接的にシミュレートした。
微小気泡の運動が計算されると、ボイド率は、ある時刻
における検査領域内（セル内）に存在する微小気泡の体
積を検査領域（セル）の体積で除することにより求める
ことができる。
船体周りにおいて流線に沿って流れる微小気泡の乱流拡
散を考慮した運動と任意位置でのボイド率分布を求める
計算式を確立した。乱流拡散の影響は、等方性乱流の仮
定の基で乱数を用いて、Ｘ軸、Ｙ軸、Ｚ軸（上向き）方
向の流速を変動させ、微小気泡の軌跡に乱れを与えるこ
とにより考慮した。すなわち、微小気泡のランダムな運
動をモンテカルロ法により直接的にシミュレートした。
微小気泡の運動が計算されると、ボイド率は、ある時刻
における検査領域内（セル内）に存在する微小気泡の体
積を検査領域（セル）の体積で除することにより求める
ことができる。
【００１８】したがって、このようにして求めたボイド
率の分布を基に、摩擦抵抗低減に効果のある高いボイド
率が生じるような船首部２での流線４の軌跡を求めて、
上記の空気吹き出し器９の取り付け位置を決定した。
率の分布を基に、摩擦抵抗低減に効果のある高いボイド
率が生じるような船首部２での流線４の軌跡を求めて、
上記の空気吹き出し器９の取り付け位置を決定した。
【００１９】巡航速度での航行時に、ブロワ１２を電動
機１１で駆動して、加圧空気１５を空気送給管１４を通
し空気吹き出し器９内に導き、空気吹き出し口６を通し
て水中へ吹き出させて微小気泡１６を発生させるように
する。発生した微小気泡１６は流線４に乗って流れるこ
とになり、流線４は船底や船尾の各方向へ向かうことか
ら、船体表面を微小気泡１６で覆うことができて船体表
面に微小気泡１６によるボイドが形成されることにな
る。この際、上記流線４に乗って流れる微小気泡１６は
船側外板３に取り付けた薄板１８の表面の微小溝１７群
に沿わされて浮上しにくい状態となるので、容易に浮上
消去してしまうことはなく、このため、高いボイド率の
ボイドが形成されることになり、このボイドの存在によ
り船体１の摩擦抵抗を低減することができる。
機１１で駆動して、加圧空気１５を空気送給管１４を通
し空気吹き出し器９内に導き、空気吹き出し口６を通し
て水中へ吹き出させて微小気泡１６を発生させるように
する。発生した微小気泡１６は流線４に乗って流れるこ
とになり、流線４は船底や船尾の各方向へ向かうことか
ら、船体表面を微小気泡１６で覆うことができて船体表
面に微小気泡１６によるボイドが形成されることにな
る。この際、上記流線４に乗って流れる微小気泡１６は
船側外板３に取り付けた薄板１８の表面の微小溝１７群
に沿わされて浮上しにくい状態となるので、容易に浮上
消去してしまうことはなく、このため、高いボイド率の
ボイドが形成されることになり、このボイドの存在によ
り船体１の摩擦抵抗を低減することができる。
【００２０】上記において、微小気泡１６は、加圧空気
１５が空気吹き出し器９の多孔板７に有する空気吹き出
し口６を通過する際のオリフィス作用によって発生する
もので、空気吹き出し口６と該空気吹き出し口６に接す
る水との相対移動により容易且つ確実に気泡化される。
しかも、空気吹き出し器９は静圧の最も小さい位置に設
定してあることから、微小気泡１６を発生させる際の動
力は小さくて済む利点がある。又、船側外板３に、微小
溝１７群を設けた薄板１８を取り付けるようにすること
により微小溝１７群を設ける加工を楽に行うことができ
ることになる。
１５が空気吹き出し器９の多孔板７に有する空気吹き出
し口６を通過する際のオリフィス作用によって発生する
もので、空気吹き出し口６と該空気吹き出し口６に接す
る水との相対移動により容易且つ確実に気泡化される。
しかも、空気吹き出し器９は静圧の最も小さい位置に設
定してあることから、微小気泡１６を発生させる際の動
力は小さくて済む利点がある。又、船側外板３に、微小
溝１７群を設けた薄板１８を取り付けるようにすること
により微小溝１７群を設ける加工を楽に行うことができ
ることになる。
【００２１】次に、図２は本発明の他の実施の形態を示
すもので、図１に示したと同様な構成において、空気吹
き出し器９を、船首尾方向に延びる細長い形状としたも
のである。
すもので、図１に示したと同様な構成において、空気吹
き出し器９を、船首尾方向に延びる細長い形状としたも
のである。
【００２２】図２に示すようにすると、流線分岐領域を
広範にカバーできるため、発生した微小気泡１６を船底
や船尾の各方向へ効率よく送ることができる。
広範にカバーできるため、発生した微小気泡１６を船底
や船尾の各方向へ効率よく送ることができる。
【００２３】次いで、図３は本発明の更に他の実施の形
態を示すもので、図１に示す実施の形態において、船側
外板３に開口部５を設けて該開口部５に、多孔板７にシ
ーチェスト８を一体化させることにより構成した空気吹
き出し器９の該多孔板７を取り付けるようにしたものに
代えて、開口部５を形成する位置の船側外板３に空気吹
き出し口６を直接穿設し且つ内側にシーチェスト８を一
体化させることにより空気吹き出し器９ａを構成するよ
うにしたものである。
態を示すもので、図１に示す実施の形態において、船側
外板３に開口部５を設けて該開口部５に、多孔板７にシ
ーチェスト８を一体化させることにより構成した空気吹
き出し器９の該多孔板７を取り付けるようにしたものに
代えて、開口部５を形成する位置の船側外板３に空気吹
き出し口６を直接穿設し且つ内側にシーチェスト８を一
体化させることにより空気吹き出し器９ａを構成するよ
うにしたものである。
【００２４】図３に示すように構成すると、船側外板３
に大きな開口部５を設ける必要がないので、船体１の構
造強度的に有利となる。なお、空気吹き出し器９ａを船
首尾方向に延びる細長い形状とすることにより、図２の
実施の形態に対応させることができる。
に大きな開口部５を設ける必要がないので、船体１の構
造強度的に有利となる。なお、空気吹き出し器９ａを船
首尾方向に延びる細長い形状とすることにより、図２の
実施の形態に対応させることができる。
【００２５】図４は本発明の別の実施の形態を示すもの
で、上記実施の形態における船側外板３の表面部に微小
溝１７を有する薄板１８を取り付けるようにした構成に
代えて、船側外板３の表面部に、微小溝１７群を直接設
けたものである。
で、上記実施の形態における船側外板３の表面部に微小
溝１７を有する薄板１８を取り付けるようにした構成に
代えて、船側外板３の表面部に、微小溝１７群を直接設
けたものである。
【００２６】図４に示すようにすると、船側外板３に薄
板１８を取り付けないことから、構造の簡略化を図るこ
とができる。
板１８を取り付けないことから、構造の簡略化を図るこ
とができる。
【００２７】なお、本発明は上記実施の形態のみに限定
されるものではなく、たとえば、船首尾方向に延びるよ
うに細長く形成した空気吹き出し器９や９ａは、長手方
向に分割構造としてもよいこと、又、微小溝１７は船底
まで延長させるようにしてもよいこと、その他本発明の
要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得るこ
とは勿論である。
されるものではなく、たとえば、船首尾方向に延びるよ
うに細長く形成した空気吹き出し器９や９ａは、長手方
向に分割構造としてもよいこと、又、微小溝１７は船底
まで延長させるようにしてもよいこと、その他本発明の
要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得るこ
とは勿論である。
【００２８】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の船舶の摩擦抵
抗低減装置によれば、次の如き優れた効果を発揮する。 (1) 船首部の船側外板の浸水部で且つ船底や船尾へ流線
が向かうようになっている流線領域でしかも静圧の小さ
い位置に、表面に多数の空気吹き出し口を有する空気吹
き出し器を設けて、該空気吹き出し器を加圧空気供給装
置に接続し、且つ上記船側外板の表面部に、上記流線の
方向に倣うように微小溝群を表面に形成してなる薄板を
取り付けた構成としてあるので、加圧空気の吹き出し口
を船底に設ける場合に比して小さな動力で微小気泡を発
生させることができると共に、発生させた微小気泡を流
線に乗せて流すことができ、且つ流線に乗って流れる微
小気泡を微小溝に沿わすことができて浮上させにくくす
ることができることから、船体表面に微小気泡による高
いボイド率のボイドを形成させることができ、船体の摩
擦抵抗を低減することができて推進性能を飛躍的に向上
させることができる。微小溝群を薄板の表面に加工する
作業は船体とは別の場所で行うことができるので、既存
船にも容易に適用することができる。 (2) 空気吹き出し器を船首尾方向に延びる細長い形状と
することにより、微小気泡を広範の流線に乗せて船底や
船尾の各方向へ効率よく送ることができる。 (3) 空気吹き出し器を、多数の空気吹き出し口を穿設し
た多孔板と該多孔板の内側に設けたシーチェストからな
る構成とし、船側外板に設けた開口部に嵌合させて設置
するようにした構成とすると、空気吹き出し器の表面を
船側外板と面一にすることができるので、推進抵抗とな
ることがない。 (4) 空気吹き出し器を、船側外板に直接多数の空気吹き
出し口を穿設し且つその内側にシーチェストを設けて構
成させるようにすると、船側外板に大きな開口部を設け
る必要がなくなるので、船体の構造強度の面で有利とな
る。 (5) 船側外板の表面部に微小溝群を形成してなる薄板を
取り付けることに代えて、船側外板の表面部に微小溝群
を直接設けると、薄板の取り付け作業を不要とすること
ができる。
抗低減装置によれば、次の如き優れた効果を発揮する。 (1) 船首部の船側外板の浸水部で且つ船底や船尾へ流線
が向かうようになっている流線領域でしかも静圧の小さ
い位置に、表面に多数の空気吹き出し口を有する空気吹
き出し器を設けて、該空気吹き出し器を加圧空気供給装
置に接続し、且つ上記船側外板の表面部に、上記流線の
方向に倣うように微小溝群を表面に形成してなる薄板を
取り付けた構成としてあるので、加圧空気の吹き出し口
を船底に設ける場合に比して小さな動力で微小気泡を発
生させることができると共に、発生させた微小気泡を流
線に乗せて流すことができ、且つ流線に乗って流れる微
小気泡を微小溝に沿わすことができて浮上させにくくす
ることができることから、船体表面に微小気泡による高
いボイド率のボイドを形成させることができ、船体の摩
擦抵抗を低減することができて推進性能を飛躍的に向上
させることができる。微小溝群を薄板の表面に加工する
作業は船体とは別の場所で行うことができるので、既存
船にも容易に適用することができる。 (2) 空気吹き出し器を船首尾方向に延びる細長い形状と
することにより、微小気泡を広範の流線に乗せて船底や
船尾の各方向へ効率よく送ることができる。 (3) 空気吹き出し器を、多数の空気吹き出し口を穿設し
た多孔板と該多孔板の内側に設けたシーチェストからな
る構成とし、船側外板に設けた開口部に嵌合させて設置
するようにした構成とすると、空気吹き出し器の表面を
船側外板と面一にすることができるので、推進抵抗とな
ることがない。 (4) 空気吹き出し器を、船側外板に直接多数の空気吹き
出し口を穿設し且つその内側にシーチェストを設けて構
成させるようにすると、船側外板に大きな開口部を設け
る必要がなくなるので、船体の構造強度の面で有利とな
る。 (5) 船側外板の表面部に微小溝群を形成してなる薄板を
取り付けることに代えて、船側外板の表面部に微小溝群
を直接設けると、薄板の取り付け作業を不要とすること
ができる。
【図１】本発明の船舶の摩擦抵抗低減装置の実施の一形
態を示すもので、（イ）は船首部の概略側面図、（ロ）
は（イ）のＡ−Ａ拡大矢視図、（ハ）は（イ）のＢ−Ｂ
拡大矢視図である。
態を示すもので、（イ）は船首部の概略側面図、（ロ）
は（イ）のＡ−Ａ拡大矢視図、（ハ）は（イ）のＢ−Ｂ
拡大矢視図である。
【図２】本発明の他の実施の形態を示す船首部の概略側
面図である。
面図である。
【図３】本発明の更に他の実施の形態を示す空気吹き出
し器の拡大断面図である。
し器の拡大断面図である。
【図４】本発明の別の実施の形態を示す船側外板の部分
拡大断面図である。
拡大断面図である。
１ 船体 ２ 船首部 ３ 船側外板 ４ 流線 ５ 開口部 ６ 空気吹き出し口 ７ 多孔板 ８ シーチェスト ９，９ａ 空気吹き出し器 １２ ブロワ（加圧空気供給装置） １７ 微小溝 １８ 薄板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増子 章 神奈川県横浜市磯子区新中原町１番地 石 川島播磨重工業株式会社技術研究所内 (72)発明者 渡辺 修 神奈川県横浜市磯子区新中原町１番地 石 川島播磨重工業株式会社技術研究所内
Claims (5)
- 【請求項１】 船首部の船側外板の浸水部で且つ船底や
船尾へ流線が向かうようになっている流線領域でしかも
静圧の小さい位置に、表面に多数の空気吹き出し口を有
する空気吹き出し器を設けて、該空気吹き出し器を加圧
空気供給装置に接続し、且つ上記船側外板の表面部に、
上記流線の方向に倣うように微小溝群を表面に形成して
なる薄板を取り付けた構成を有することを特徴とする船
舶の摩擦抵抗低減装置。 - 【請求項２】 空気吹き出し器を船首尾方向に延びる細
長い形状とした請求項１記載の船舶の摩擦抵抗低減装
置。 - 【請求項３】 空気吹き出し器を、多数の空気吹き出し
口を穿設した多孔板と該多孔板の内側に設けたシーチェ
ストからなる構成とし、船側外板に設けた開口部に嵌合
させて設置するようにした請求項１又は２記載の船舶の
摩擦抵抗低減装置。 - 【請求項４】 空気吹き出し器を、船側外板に直接多数
の空気吹き出し口を穿設し且つその内側にシーチェスト
を設けて構成するようにした請求項１又は２記載の船舶
の摩擦抵抗低減装置。 - 【請求項５】 船側外板の表面部に微小溝群を形成して
なる薄板を取り付けることに代えて、船側外板の表面部
に微小溝群を直接設けた請求項１、２、３又は４記載の
船舶の摩擦抵抗低減装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8104766A JPH09267793A (ja) | 1996-04-03 | 1996-04-03 | 船舶の摩擦抵抗低減装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8104766A JPH09267793A (ja) | 1996-04-03 | 1996-04-03 | 船舶の摩擦抵抗低減装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09267793A true JPH09267793A (ja) | 1997-10-14 |
Family
ID=14389610
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8104766A Pending JPH09267793A (ja) | 1996-04-03 | 1996-04-03 | 船舶の摩擦抵抗低減装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09267793A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6237522B1 (en) | 1999-03-23 | 2001-05-29 | Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha | Bottom structure of personal watercraft |
| JP2013216323A (ja) * | 2013-06-28 | 2013-10-24 | National Maritime Research Institute | 船舶の気泡保持装置 |
| JP2014184878A (ja) * | 2013-03-25 | 2014-10-02 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 気泡型抵抗低減装置を備えた船舶及び船舶の抵抗低減方法 |
-
1996
- 1996-04-03 JP JP8104766A patent/JPH09267793A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6237522B1 (en) | 1999-03-23 | 2001-05-29 | Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha | Bottom structure of personal watercraft |
| JP2014184878A (ja) * | 2013-03-25 | 2014-10-02 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 気泡型抵抗低減装置を備えた船舶及び船舶の抵抗低減方法 |
| JP2013216323A (ja) * | 2013-06-28 | 2013-10-24 | National Maritime Research Institute | 船舶の気泡保持装置 |
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