JPH09267374A - 射出成形機における射出速度プロファイルの設定方法 - Google Patents
射出成形機における射出速度プロファイルの設定方法Info
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Abstract
化しないように射出速度プロファイルを補正することに
より、金型内における溶融樹脂の流動先端の進行速度を
円滑に変化させ、溶融樹脂の流入段階において不良状態
を発生させないようにする。 【解決手段】 スプル、ランナを含む成形品形状モデル
を微小要素に分割し、数値解析法を使用して射出プラン
ジャの前進速度を一定とした条件で、各微小要素に対す
る溶融材料の充填進行状況を充填到達時間として求め、
前記成形品形状モデルの全域に充填するのに要した時間
を任意の個数で区分し、前記充填時間の区分毎に充填さ
れる充填量から各充填時間の区分毎の成形型内の溶融材
料の平均進行速度を演算し、前記各充填時間の区分毎の
前記射出プランジャの前進速度を前記平均進行速度の関
数として設定する。
Description
る射出速度プロファイルの設定方法に関する。
ンジャ(スクリュ)の位置に応じて、射出プランジャの
前進速度を、予め設定されたプロファイルに従ってプロ
グラム制御することが実施されている。
制御用のプロファイルの設定は、射出プランジャの充填
ストロークを複数区間に区分し、その各区間毎に移動速
度を直接指定することにより、多段の矩形プロファイル
として与えるのが一般的である。
来の射出速度プロファイルの設定方法には、次に述べる
ような難点があった。
の設定は、射出成形技術者の経験と勘に基づいて行われ
るうえ、充填時のキャビティ内の溶融樹脂温度分布を測
定するのは困難であるので、温度分布調整は、多大の試
行錯誤を要すると同時に、往々にして所望の結果が達成
され得ない基本的な難点を有していた。
金型内への樹脂流入段階に発生する場合が多い。例え
ば、ジェッティング、フローマーク、ウェルドライン、
気泡、表面傷の発生等である。通常の樹脂の流動は、順
次金型内部の空間を満たしながら層流として流動する
が、急激な進行速度の変化により不整流となり、空間を
残しながら流動する場合に、これらの欠点が発生してい
る。
動先端(メルトフロント)の断面積(厚さと長さ)が変
化するため、射出成形品の外観的な欠点をなくすことを
主目的として、多段の矩形プロファイルが提案された。
しかしながら、前記多段の矩形プロファイルは、射出プ
ランジャの速度設定であり、金型内部における溶融樹脂
の充填挙動に合わせて設定するには、実際に成形を行い
ながらトライアルによる方法が一般的である。
る射出速度制御方法として、ノズルの射出圧またはキャ
ビティ内の樹脂圧を検知して、目標圧力になるように射
出速度を制御する方法が知られている。この制御方法
は、射出成形機または金型に圧力検出装置を設置する必
要があり、高価となると共に特別の用途の成形品に限定
される。
融樹脂の各充填時間の区分毎に流動先端(メルトフロン
ト)の進行速度を演算し、その進行速度の関数として射
出速度プロファイルを設定することと、設定した射出速
度プロファイルに対して充填中の溶融樹脂の基準点の圧
力が急激に変化しないように射出速度プロファイルを補
正することにより、金型内における溶融樹脂の流動先端
の進行速度を円滑に変化させ、溶融樹脂の流入段階にお
いて不良状態を発生させないようにした射出成形機にお
ける射出速度プロファイルの設定方法を提供することに
ある。
に、本発明に係る射出成形機における射出速度プロファ
イルの設定方法は、射出プランジャの位置に応じて射出
プランジャの前進速度をプロファイル制御する射出成形
機における射出速度プロファイルの設定方法において、
スプル、ランナを含む成形品形状モデルを微小要素に分
割し、有限要素法、境界要素法、差分法、FAN法等を
含む数値解析法を使用して射出プランジャの前進速度を
一定とした条件で、前記成形品形状モデルの各微小要素
に対する溶融材料の充填進行状況を充填到達時間として
求め、前記成形品形状モデルの全域に溶融材料を充填す
るのに要した時間を任意の個数で区分し、前記微小要素
に跨がるときは再区分するか、またはより大きい区分に
併合し、前記充填時間の区分毎に充填される充填量から
各充填時間の区分毎の成形型内の溶融材料の平均進行速
度を演算し、前記各充填時間の区分毎の前記射出プラン
ジャの前進速度を前記平均進行速度の関数として設定す
ることを特徴とする。
材料の平均進行速度を演算し、前記射出プランジャの前
進速度を前記平均進行速度の関数として設定することが
できる。
出速度プロファイルの設定方法は、スプル、ランナを含
む成形品形状モデルを微小要素に分割し、有限要素法、
境界要素法、差分法、FAN法等を含む数値解析法を使
用して射出プランジャの前進速度を任意とした条件で、
前記成形品形状モデルの各微小要素に対する溶融材料の
充填圧力と、充填進行状況としての充填到達時間として
求め、前記成形品形状モデルの全域に溶融材料を充填す
るのに要した時間を任意の個数で区分し、前記微小要素
に跨がるときは再区分するか、またはより大きい区分に
併合し、前記充填時間の区分毎に基準圧力を演算し、前
記各充填時間の区分毎の前記射出プランジャの前進速度
を、前記各充填時間の区分毎の前記基準圧力に代えて予
め設定した基準点での圧力の関数として設定することも
できる。
を使用し、金型内における溶融樹脂の流動先端(メルト
フロント)の平均進行速度の関数として、射出プランジ
ャ速度を設定する方法であり、これにより射出速度プロ
ファイルのノウハウを必要としない自動設定を可能とす
るものである。
溶融樹脂の流動先端(メルトフロント)の平均進行速度
の関数として射出速度を設定しても、キャビティ内の肉
厚の変化の激しい金型や、溶融樹脂の分岐や合流のある
金型等の金型の形状によっては、溶融樹脂の充填中に、
基準点の圧力が許容値以上に変動する場合がある。この
ように、金型内の樹脂圧力が充填中に大きく変動するこ
とは、成形品の品質に悪影響を与え、好ましくない。従
って、このような場合には、金型内の溶融樹脂の流動先
端の速度が、ある程度変動しても、樹脂圧力の変動を少
なくすることが必要である。
たは金型に対して圧力検出装置を設置することなく、数
値解析法により算出した各充填時間の区分毎の基準点の
圧力変化を使用して、前記射出速度を補正する方法を得
るものである。
おける射出速度プロファイルの設定方法の実施の形態に
つき説明する。
ける金型内の溶融樹脂の流動先端(メルトフロント)の
平均進行速度を演算し、平均進行速度の関数として射出
速度プロファイルを設定する方法について説明する。
ル(図1参照)を微小要素に分割し、有限要素法、境界
要素法、差分法、FAN法等を含む数値解析法を使用し
て、射出プランジャの前進速度Vc (射出速度)一定の
条件で、各要素を構成する節点に対する溶融樹脂の充填
到達時間を求める。
充填される溶融樹脂の充填量から、各充填時間の区分毎
における金型内の溶融樹脂の流動先端の平均進行速度
を、次の要領で演算する。
分時間と分割数nを入力して、各要素を構成する節点が
どの分割区分に属するかを判断する。要素が、複数の分
割区分に跨がる場合は、それぞれの分割区分に再分割す
るか、または一番大きい分割区分に入れる。
要素の厚さから、各分割区分毎の体積を、次式(1)に
より合計する。
(2)により求める。
は、各区分を分ける要素の分割線の長さ(溶融樹脂の流
動先端の長さ)および要素の厚さから計算することがで
きる。
(i)〕は、充填時間Tと次式(3)の関係を有する。
速度の値を関数として、射出プランジャの前進速度(射
出速度)を演算し、射出速度のプロファイルを設定す
る。
速度(Vmfmean)を使用して、金型内における溶融樹
脂の流動先端の平均進行速度の関数として、射出プラン
ジャの前進速度を、次式(4)により求める。
均進行速度を関数とした充填速度 C:補正係数 Vc:一定射出速度 Vmfmean:全区間の金型内溶融樹脂の流動先端の平均
進行速度 f〔Vmf(i)〕:平均進行速度の関数
時間を前進速度一定の充填時間に一致させるための係数
である。
先端の平均進行速度(Vmfmean)は、次式(5)の関
係を有する。
mf(i)〕]は、f〔Vmf(i)〕=Vmf(i)
の時に、金型内溶融樹脂の流動先端の平均進行速度が一
定となる。
圧力を考慮した、射出速度プロファイルの補正方法につ
いて説明する。
ル(図1参照)を微小要素に分割し、有限要素法、境界
要素法、差分法、FAN法等を含む数値解析法を使用し
て、多段のプロファイルで与えられた射出プランジャの
前進速度、または前記実施例1の (1)項で算出した充填
速度〔Vcmf(i)〕を入力として、各分割区分毎の
基準点の圧力〔Pcae (i)〕を演算する。
ャビティ内から任意に選択可能である。
された関数〔Pfn(i)〕で算出し、関数の値と数値
解析結果による値との偏差割合で、射出プランジャの各
分割区分毎の前進速度を次式(6)により補正する。な
お、関数は一定値、直線等、任意に選択可能である。
図面を参照しながら説明する。
設定するための成形品形状モデル10の一実施例を示す
ものである。
示すスプル、ランナを含む成形品形状モデル10を微小
要素に分割し、有限要素法、境界要素法、差分法、FA
N法等を含む数値解析法を行い、射出プランジャの前進
速度すなわち射出速度を演算して、射出速度のプロファ
イルを設定する。
まず前記成形品形状モデル10を微小要素に分割して行
う数値解析の条件を次の通り設定した。
た演算式(1)〜(5)により算出される射出速度のプ
ロファイルは、図2に示す通りである。
プランジャの前進速度一定の充填速度特性を示すもので
ある。
示す成形品形状モデル10を、数値解析法により射出プ
ランジャの前進速度一定の条件で、各要素を構成する節
点の溶融樹脂の充填到達時間Tを求めた後〔演算式
(3)〕、分割数10で等分割した時の各充填時間の区
分毎の体積(Vol)、平均断面積(Aave )、金型内
の溶融樹脂の流動先端の平均進行速度(Vmf)を求め
〔演算式(1)、(2)〕、その関数として射出速度
(Vcmf)を算出したものである〔演算式(4)〕。
なお、この場合、溶融樹脂の流動先端の平均進行速度の
関数として、平均進行速度一定[f〔Vmf(i)〕=
Vmf(i)]の条件を使用した〔演算式(5)〕。
樹脂の流動先端の平均進行速度の関数として算出した多
段の射出速度で数値解析を行い、その時の各充填時間の
区分毎に算出した基準点の圧力値と、圧力を考慮した関
数の偏差を使用して補正した射出速度(Vmod )を示す
ものである〔演算式(6)〕。この場合、平均進行速度
の関数を、平均進行速度一定、基準点をノズル部、圧力
を考慮した関数を一定値である平均進行速度一定の時の
ノズル圧の平均値、補正係数K=1として設定した。
基づいて、図1に示す成形品形状モデルにおける溶融樹
脂の射出充填状態を示せば、図3ないし図5に示す通り
である。すなわち、図3は、図2の特性直線Aに基づく
溶融樹脂の射出充填状態を示す。また、図4は、図2の
特性線Bに基づく溶融樹脂の射出充填状態を示す。そし
て、図5は、図2の特性線Cに基づく溶融樹脂の射出充
填状態を示す。
比較して示した特性線図である。すなわち、図6におい
て、特性線Aは、射出プランジャの前進速度一定の充填
速度の時のノズル圧の特性を示すものである。また、特
性線Bは、平均進行速度の関数として演算した射出速度
の時のノズル圧の特性を示すものである。さらに、特性
線Cは、基準点の圧力値と、設定された関数の偏差を使
用して補正した射出速度の時のノズル圧の特性を示すも
のである。
の形状に応じた適正な射出速度プロファイルを容易に設
定することができることが確認された。
施態様に基づいて、本発明に係る射出速度プロファイル
を設定するための操作プログラムのフローチャートの一
例は、図5に示す通りである。また、図7において、中
央は処理を示し、左側は設定値入力を示し、そして右側
は演算データ出力を示す。
したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、本
発明の精神を逸脱しない範囲内において多くの設計変更
が可能である。
速度プロファイルの設定方法においては、所要の成形品
形状モデルに対する、数値解析法による溶融樹脂の充填
に伴う流動解析によって、任意に分割した区分毎の金型
内溶融樹脂の流動先端(メルトフロント)の平均進行速
度を算出し、この算出値を関数として射出速度プロファ
イルを設定することにより、成形品の形状に応じた適正
な射出速度プロファイル設定を自動化することができ
る。
た区分毎の金型内溶融樹脂の基準点の圧力を算出し、こ
の算出値と予め定めた関数との偏差により、射出速度を
補正することにより、成形品の形状に応じたさらに適正
な射出速度プロファイル設定を自動化することができ
る。
ファイルの設定方法を適用し得る成形品形状モデルの一
実施例を示す説明図である。
ファイルの設定方法により設定された射出速度プロファ
イルの特性線図である。
形品形状モデルにおける溶融樹脂の射出充填状態をそれ
ぞれ示す説明図である。
品形状モデルにおける溶融樹脂の射出充填状態をそれぞ
れ示す説明図である。
品形状モデルにおける溶融樹脂の射出充填状態をそれぞ
れ示す説明図である。
た特性線図である。
ファイルの設定方法を実施するための操作プログラムの
一例を示すフローチャート図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 射出プランジャの位置に応じて射出プラ
ンジャの前進速度をプロファイル制御する射出成形機に
おける射出速度プロファイルの設定方法において、 スプル、ランナを含む成形品形状モデルを微小要素に分
割し、 有限要素法、境界要素法、差分法、FAN法等を含む数
値解析法を使用して射出プランジャの前進速度を一定と
した条件で、前記成形品形状モデルの各微小要素に対す
る溶融材料の充填進行状況を充填到達時間として求め、 前記成形品形状モデルの全域に溶融材料を充填するのに
要した時間を任意の個数で区分し、 前記微小要素に跨がるときは再区分するか、またはより
大きい区分に併合し、 前記充填時間の区分毎に充填される充填量から各充填時
間の区分毎の成形型内の溶融材料の平均進行速度を演算
し、 前記各充填時間の区分毎の前記射出プランジャの前進速
度を前記平均進行速度の関数として設定することを特徴
とする射出成形機における射出速度プロファイルの設定
方法。 - 【請求項2】 成形品形状モデル全域への溶融材料の平
均進行速度を演算し、前記射出プランジャの前進速度を
前記平均進行速度の関数として設定してなる請求項1記
載の射出成形機における射出速度プロファイルの設定方
法。 - 【請求項3】 射出プランジャの位置に応じて射出プラ
ンジャの前進速度をプロファイル制御する射出成形機に
おける射出速度プロファイルの設定方法において、 スプル、ランナを含む成形品形状モデルを微小要素に分
割し、 有限要素法、境界要素法、差分法、FAN法等を含む数
値解析法を使用して射出プランジャの前進速度を任意と
した条件で、前記成形品形状モデルの各微小要素に対す
る溶融材料の充填圧力と、充填進行状況としての充填到
達時間として求め、 前記成形品形状モデルの全域に溶融材料を充填するのに
要した時間を任意の個数で区分し、 前記微小要素に跨がるときは再区分するか、またはより
大きい区分に併合し、 前記充填時間の区分毎に基準圧力を演算し、 前記各充填時間の区分毎の前記射出プランジャの前進速
度を、前記各充填時間の区分毎の前記基準圧力に代えて
予め設定した基準点での圧力の関数として設定すること
を特徴とする射出成形機における射出速度プロファイル
の設定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07738396A JP3618452B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 射出成形機における射出速度プロファイルの設定方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09267374A true JPH09267374A (ja) | 1997-10-14 |
JP3618452B2 JP3618452B2 (ja) | 2005-02-09 |
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1996
- 1996-03-29 JP JP07738396A patent/JP3618452B2/ja not_active Expired - Fee Related
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