JPH09267105A - 冷間圧延用ロールのショットダル加工方法 - Google Patents
冷間圧延用ロールのショットダル加工方法Info
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- JPH09267105A JPH09267105A JP7696896A JP7696896A JPH09267105A JP H09267105 A JPH09267105 A JP H09267105A JP 7696896 A JP7696896 A JP 7696896A JP 7696896 A JP7696896 A JP 7696896A JP H09267105 A JPH09267105 A JP H09267105A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 鮮映性および耐デント性に優れた冷延鋼板の
圧延に用いるロールのショットダル加工方法を提案す
る。 【解決手段】 グリットの平均粒径、最大粒径がろ波中
心線うねり（ＷCA）のカットオフ長である 800μm 未満
とし、さらにグリットの投射速度を70m/sec 以上と高速
投射してショットダル加工を行う。さらに、球形形状を
した鋼球ショット、しかも粒径ばらつきの小さいショッ
トを用いるのが好適である。
圧延に用いるロールのショットダル加工方法を提案す
る。 【解決手段】 グリットの平均粒径、最大粒径がろ波中
心線うねり（ＷCA）のカットオフ長である 800μm 未満
とし、さらにグリットの投射速度を70m/sec 以上と高速
投射してショットダル加工を行う。さらに、球形形状を
した鋼球ショット、しかも粒径ばらつきの小さいショッ
トを用いるのが好適である。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷間圧延ロールの
粗面化方法に関し、とくに、鮮映性および耐デント性に
優れた冷延鋼板を圧延するための冷間圧延用ロールのシ
ョットダル加工方法に関する。
粗面化方法に関し、とくに、鮮映性および耐デント性に
優れた冷延鋼板を圧延するための冷間圧延用ロールのシ
ョットダル加工方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】自動車外板や家庭製品等に広く使用され
ている冷延鋼板は、従来からプレス加工等の加工を施さ
れるための成形性が要求されるが、最近では、さらに塗
装後の鮮映性を有することが鋼板特性の重要な要素とな
っている。成形性、鮮映性に強く影響を与える因子とし
て、鋼板の表面粗度が知られている。鋼板の表面粗度は
ロール表面に施された凹凸を鋼板に転写して付与され
る。ロールの表面に凹凸を施す手段は、ショットブラス
ト加工、放電加工あるいは高エネルギー密度のビーム加
工などがある。
ている冷延鋼板は、従来からプレス加工等の加工を施さ
れるための成形性が要求されるが、最近では、さらに塗
装後の鮮映性を有することが鋼板特性の重要な要素とな
っている。成形性、鮮映性に強く影響を与える因子とし
て、鋼板の表面粗度が知られている。鋼板の表面粗度は
ロール表面に施された凹凸を鋼板に転写して付与され
る。ロールの表面に凹凸を施す手段は、ショットブラス
ト加工、放電加工あるいは高エネルギー密度のビーム加
工などがある。
【０００３】鋼板の塗装後鮮映性を高めるためには、例
えば、特公昭62−11922 号公報に示されるように、レー
ザ、電子ビームにより規則的な凹凸パターンを形成され
たロールを用いることが提案されている。また、特開昭
63−303011号公報には、凹部の面積と隣合う凹部の間隔
を規定した鮮映性と加工性に優れた鋼板が提案され、表
面にレーザビームで凹凸模様をつけたワークロールを使
用することが示されている。
えば、特公昭62−11922 号公報に示されるように、レー
ザ、電子ビームにより規則的な凹凸パターンを形成され
たロールを用いることが提案されている。また、特開昭
63−303011号公報には、凹部の面積と隣合う凹部の間隔
を規定した鮮映性と加工性に優れた鋼板が提案され、表
面にレーザビームで凹凸模様をつけたワークロールを使
用することが示されている。
【０００４】また、特公平３−54003 号公報には、放電
加工により表面粗度Ｒａを調整したロールを用いて冷間
圧延の最終圧延およびスキンパス圧延を施すことによ
り、鋼板表面のうねりＷCAを小さくでき塗装鮮映性およ
びプレス加工性の優れた冷延鋼板が製造できることが示
されている。また、特公平６−23409 号公報には、鋼板
表面の凹凸のうねりＷCAを 0.7μm以下とした高鮮映性
鋼板が提案されている。この鋼板は、ロール表面を放電
加工によりＷCA 1.1μm 以下、Ｒａ 1.0μm 以上とした
ロールによる圧延で製造できることが開示されている。
加工により表面粗度Ｒａを調整したロールを用いて冷間
圧延の最終圧延およびスキンパス圧延を施すことによ
り、鋼板表面のうねりＷCAを小さくでき塗装鮮映性およ
びプレス加工性の優れた冷延鋼板が製造できることが示
されている。また、特公平６−23409 号公報には、鋼板
表面の凹凸のうねりＷCAを 0.7μm以下とした高鮮映性
鋼板が提案されている。この鋼板は、ロール表面を放電
加工によりＷCA 1.1μm 以下、Ｒａ 1.0μm 以上とした
ロールによる圧延で製造できることが開示されている。
【０００５】このように、高鮮映性鋼板を得るために
は、鋼板表面の凹凸うねりを低くすることが重要である
と言われている。冷間圧延、調質圧延に用いる圧延ロー
ルはその表面状態が重要になり、特に表面うねりを低く
抑える必要がある。そのため、高鮮映性鋼板の圧延には
従来では、ロール表面の粗面化はレーザ加工による規則
的な凹凸パターンの付与や、放電加工によるダル加工が
行われていた。
は、鋼板表面の凹凸うねりを低くすることが重要である
と言われている。冷間圧延、調質圧延に用いる圧延ロー
ルはその表面状態が重要になり、特に表面うねりを低く
抑える必要がある。そのため、高鮮映性鋼板の圧延には
従来では、ロール表面の粗面化はレーザ加工による規則
的な凹凸パターンの付与や、放電加工によるダル加工が
行われていた。
【０００６】しかし、レーザ加工、放電加工によるダル
加工では、加工に長時間を要すること、鋼板表面の粗度
プロフィールが規格的であるため、微妙なキズが目立
ち、塗装後の美観を損なう、すなわち耐デント性が劣る
などの問題があった。一方、ショットダル加工では、面
が不規則、不均一に荒れ、粗さの制御がむずかしく、特
に、長波長の凹凸、表面うねりが大きくなり、高鮮映性
鋼板の圧延には不適であるという問題を残していた。
加工では、加工に長時間を要すること、鋼板表面の粗度
プロフィールが規格的であるため、微妙なキズが目立
ち、塗装後の美観を損なう、すなわち耐デント性が劣る
などの問題があった。一方、ショットダル加工では、面
が不規則、不均一に荒れ、粗さの制御がむずかしく、特
に、長波長の凹凸、表面うねりが大きくなり、高鮮映性
鋼板の圧延には不適であるという問題を残していた。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】ショットダル加工は、
短時間での加工が可能で、処理装置も安価で簡便である
という利点を有している。しかし、ショットダル加工の
ロールを用いて高鮮映性鋼板を製造するためには、ロー
ル表面に発生する表面うねりを低く抑える必要がある。
本発明は、表面うねりを低く抑えることのできる冷間圧
延ロールのショットダル加工方法および鮮映性および耐
デント性に優れた冷延鋼板の製造方法を提案することを
目的とする。
短時間での加工が可能で、処理装置も安価で簡便である
という利点を有している。しかし、ショットダル加工の
ロールを用いて高鮮映性鋼板を製造するためには、ロー
ル表面に発生する表面うねりを低く抑える必要がある。
本発明は、表面うねりを低く抑えることのできる冷間圧
延ロールのショットダル加工方法および鮮映性および耐
デント性に優れた冷延鋼板の製造方法を提案することを
目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】ショットダル加工により
表面うねりを低く抑えたダル仕上冷間圧延ロールを得る
ために、本発明者は、まず、グリット粒径の影響につい
て検討した。平均粒径が 800μm および 500μm のグリ
ットを冷間圧延ロール表面に投射し、ロール表面を粗面
化した。投射速度は平均粒径 800μm のグリットでは78
m/sec （ロールＢ）、平均粒径 500μm のグリットでは
78m/sec （ロールＡ）および90m/sec （ロールＣ）の２
種で行った。このような条件でショットダル加工したロ
ールで鋼板を冷間圧延し、鋼板板面の表面粗さＲａ（μ
m ）と表面うねり（ろ波中心線うねり）ＷCA（μm ）を
測定し、その結果を図１に示す。
表面うねりを低く抑えたダル仕上冷間圧延ロールを得る
ために、本発明者は、まず、グリット粒径の影響につい
て検討した。平均粒径が 800μm および 500μm のグリ
ットを冷間圧延ロール表面に投射し、ロール表面を粗面
化した。投射速度は平均粒径 800μm のグリットでは78
m/sec （ロールＢ）、平均粒径 500μm のグリットでは
78m/sec （ロールＡ）および90m/sec （ロールＣ）の２
種で行った。このような条件でショットダル加工したロ
ールで鋼板を冷間圧延し、鋼板板面の表面粗さＲａ（μ
m ）と表面うねり（ろ波中心線うねり）ＷCA（μm ）を
測定し、その結果を図１に示す。
【０００９】ＷCAは、JIS B 0610にしたがい求めた。二
次元粗さ計で鋼板表面を測定した粗さ曲線から、カット
オフ長を 0.8mmとして求めた。またＲａはJIS B 0601に
したがい求めた。ロールＢで圧延した鋼板の表面はＷCA
が大きく、しかもＷCAのばらつきが大きい。これに対
し、ロールＡ、Ｃの表面はロールＢに比べＷCAの値も小
さくなり、ばらつきも少なくなっている。
次元粗さ計で鋼板表面を測定した粗さ曲線から、カット
オフ長を 0.8mmとして求めた。またＲａはJIS B 0601に
したがい求めた。ロールＢで圧延した鋼板の表面はＷCA
が大きく、しかもＷCAのばらつきが大きい。これに対
し、ロールＡ、Ｃの表面はロールＢに比べＷCAの値も小
さくなり、ばらつきも少なくなっている。
【００１０】さらに、グリット投射速度の大きいロール
Ｃにより圧延した鋼板は、板面のＲａも大きくなってい
る。このことから、本発明者は、投射するグリットの平
均粒径が表面うねりに大きく影響し、カットオフ長未満
の平均粒径にすることが表面うねりを小さく、しかもう
ねりのばらつきを小さくできることを知見した。
Ｃにより圧延した鋼板は、板面のＲａも大きくなってい
る。このことから、本発明者は、投射するグリットの平
均粒径が表面うねりに大きく影響し、カットオフ長未満
の平均粒径にすることが表面うねりを小さく、しかもう
ねりのばらつきを小さくできることを知見した。
【００１１】ついで本発明者は、ロール表面を詳細に観
察した。その結果、図２(a) 、(b)に示すように、ショ
ットダル加工したロール表面に発生する大きなうねり
は、グリット形状そのものがロール表面に転写されるた
めと考えられる。グリットの鋭角部がロール表面に衝突
すると凹部が大きく形成され、さらに、グリットの鈍角
部や小粒径のグリットが衝突すると凹部が小さくなり、
うねりとなりやすいのである。したがって、うねり成分
をすくなくするグリットの条件は、 ＷCAのカットオフ値よりも粒径の小さい粒径とするこ
と 鋭角部の少ないこと 粒径のばらつきを少なくすること であり、丸みを帯びた均一な形態を有するグリット、す
なわち球とすることが、うねり防止のためにはさらに好
適であることに思い至ったのである。
察した。その結果、図２(a) 、(b)に示すように、ショ
ットダル加工したロール表面に発生する大きなうねり
は、グリット形状そのものがロール表面に転写されるた
めと考えられる。グリットの鋭角部がロール表面に衝突
すると凹部が大きく形成され、さらに、グリットの鈍角
部や小粒径のグリットが衝突すると凹部が小さくなり、
うねりとなりやすいのである。したがって、うねり成分
をすくなくするグリットの条件は、 ＷCAのカットオフ値よりも粒径の小さい粒径とするこ
と 鋭角部の少ないこと 粒径のばらつきを少なくすること であり、丸みを帯びた均一な形態を有するグリット、す
なわち球とすることが、うねり防止のためにはさらに好
適であることに思い至ったのである。
【００１２】本発明は、上記した知見をもとに構成した
ものである。すなわち本発明は、冷間圧延用ロール表面
にグリットを投射してロール表面を粗面化する冷間圧延
用ロールのショットダル加工方法において、平均粒径が
ろ波中心線うねり（ＷCA）のカットオフ長未満であるグ
リットを用いて、70m/sec 以上の投射速度で投射するこ
とを特徴とする冷間圧延用ロールのショットダル加工方
法であり、また本発明は、好ましくは平均粒径がろ波中
心線うねり（ＷCA）のカットオフ長未満で、かつ最大粒
径がろ波中心線うねり（ＷCA）のカットオフ長未満であ
るグリットが好適である。
ものである。すなわち本発明は、冷間圧延用ロール表面
にグリットを投射してロール表面を粗面化する冷間圧延
用ロールのショットダル加工方法において、平均粒径が
ろ波中心線うねり（ＷCA）のカットオフ長未満であるグ
リットを用いて、70m/sec 以上の投射速度で投射するこ
とを特徴とする冷間圧延用ロールのショットダル加工方
法であり、また本発明は、好ましくは平均粒径がろ波中
心線うねり（ＷCA）のカットオフ長未満で、かつ最大粒
径がろ波中心線うねり（ＷCA）のカットオフ長未満であ
るグリットが好適である。
【００１３】さらに本発明は、平均粒径あるいはさらに
最大粒径がろ波中心線うねり（ＷCA）のカットオフ長未
満であるショットを用いるのが好ましい。またさらに好
ましくは、その平均粒径あるいはさらに最大粒径がろ波
中心線うねり（ＷCA）のカットオフ長未満で、かつ粒径
ばらつきが 200μm 以内のショットを用いるのがよい。
最大粒径がろ波中心線うねり（ＷCA）のカットオフ長未
満であるショットを用いるのが好ましい。またさらに好
ましくは、その平均粒径あるいはさらに最大粒径がろ波
中心線うねり（ＷCA）のカットオフ長未満で、かつ粒径
ばらつきが 200μm 以内のショットを用いるのがよい。
【００１４】さらに本発明では、グリットあるいはショ
ットの投射速度が70m/sec 以上、さらに好ましくは90m/
sec 以上であることが好ましい。また本発明は、冷間圧
延の最終圧延および調質圧延をショットダル加工を施し
たロールで圧延する冷延鋼板の製造方法において、前記
ロールが、球形形状を有し、平均粒径あるいはさらに最
大粒径がろ波中心線うねり（ＷCA）のカットオフ長未満
であり、かつ粒径ばらつきが 200μm 以下のショットを
用いて投射速度70m/sec 以上で投射するショットダル加
工を施されたロールであることを特徴とする鮮映性およ
び耐デント性に優れた冷延鋼板の製造方法である。
ットの投射速度が70m/sec 以上、さらに好ましくは90m/
sec 以上であることが好ましい。また本発明は、冷間圧
延の最終圧延および調質圧延をショットダル加工を施し
たロールで圧延する冷延鋼板の製造方法において、前記
ロールが、球形形状を有し、平均粒径あるいはさらに最
大粒径がろ波中心線うねり（ＷCA）のカットオフ長未満
であり、かつ粒径ばらつきが 200μm 以下のショットを
用いて投射速度70m/sec 以上で投射するショットダル加
工を施されたロールであることを特徴とする鮮映性およ
び耐デント性に優れた冷延鋼板の製造方法である。
【００１５】
【発明の実施の形態】本発明では、鮮映性が高く、しか
も微小なキズなどの表面欠陥が目立たない耐デント性に
優れた鋼板を圧延できる表面粗度を有する冷間圧延ロー
ルをショットダル加工で加工しようとするものである。
鋼板が鮮映性と耐デント性に優れるためには、鋼板表面
凹凸が板面の表面粗さＲａが比較的大きく、かつ表面う
ねりＷCAが小さいことを兼ね備えなければならない。耐
デント性が優れ、かつ鮮映性を劣化させないためには、
ＷCAは 0.6μm以下となることが望ましい。
も微小なキズなどの表面欠陥が目立たない耐デント性に
優れた鋼板を圧延できる表面粗度を有する冷間圧延ロー
ルをショットダル加工で加工しようとするものである。
鋼板が鮮映性と耐デント性に優れるためには、鋼板表面
凹凸が板面の表面粗さＲａが比較的大きく、かつ表面う
ねりＷCAが小さいことを兼ね備えなければならない。耐
デント性が優れ、かつ鮮映性を劣化させないためには、
ＷCAは 0.6μm以下となることが望ましい。
【００１６】ロール表面に投射するグリットの平均粒径
をろ波中心線うねりＷCAのカットオフ長未満、すなわち
800μm 未満とする。グリットの平均粒径が 800μm 以
上では、ロール表面に形成される凹部の大きさが大きく
なり、カットオフ長を超え、表面うねりＷCAが大きくな
る。さらに、好ましくはグリットの最大粒径を 800μm
未満とする。 800μm を超えると、ロールに 800μm 以
上の凹部が形成されるため、表面うねりが大きくなる。
をろ波中心線うねりＷCAのカットオフ長未満、すなわち
800μm 未満とする。グリットの平均粒径が 800μm 以
上では、ロール表面に形成される凹部の大きさが大きく
なり、カットオフ長を超え、表面うねりＷCAが大きくな
る。さらに、好ましくはグリットの最大粒径を 800μm
未満とする。 800μm を超えると、ロールに 800μm 以
上の凹部が形成されるため、表面うねりが大きくなる。
【００１７】投射するグリットは、形状が不定形より球
形が好ましい。球形グリットとして鋼球ショットがあ
る。鋼球ショットを用いれば、ロール表面に形成される
凹部は、極端に深いものは形成されにくく、うねりも小
さくなる。鋼球ショットを用いる場合でも、ショットの
平均粒径は表面うねりＷCAのカットオフ長未満、 800μ
m 未満とし、あるいはさらに最大粒径も 800μm 未満と
することが好ましい。平均粒径が 800μm を超える粒が
存在すると、ロール表面に形成される凹部が大きくなり
やすく、結果としてうねりが生じる。
形が好ましい。球形グリットとして鋼球ショットがあ
る。鋼球ショットを用いれば、ロール表面に形成される
凹部は、極端に深いものは形成されにくく、うねりも小
さくなる。鋼球ショットを用いる場合でも、ショットの
平均粒径は表面うねりＷCAのカットオフ長未満、 800μ
m 未満とし、あるいはさらに最大粒径も 800μm 未満と
することが好ましい。平均粒径が 800μm を超える粒が
存在すると、ロール表面に形成される凹部が大きくなり
やすく、結果としてうねりが生じる。
【００１８】さらに、グリットの粒径ばらつきを 200μ
m 以下とする。粒径ばらつきは、最大粒径と最小粒径の
差を意味し、本発明では 200μm 以内とする。粒径ばら
つきが 200μm を超えると、形成される凹部のばらつき
が大きく、うねりを生じやすくなる。粒径のばらつきが
小さいと、ロール表面に衝突するエネルギーも同じで、
形成される凹部深さも同一となり、うねりの発生を防止
できる。
m 以下とする。粒径ばらつきは、最大粒径と最小粒径の
差を意味し、本発明では 200μm 以内とする。粒径ばら
つきが 200μm を超えると、形成される凹部のばらつき
が大きく、うねりを生じやすくなる。粒径のばらつきが
小さいと、ロール表面に衝突するエネルギーも同じで、
形成される凹部深さも同一となり、うねりの発生を防止
できる。
【００１９】グリットの投射速度を70m/sec 以上とす
る。硬いグリットの投射によりロール表面に凹凸が形成
されるが、投射速度を増加すれば、形成される凹凸は粗
くなり、表面粗さＲａが増加する。Ｒａの増加は、耐デ
ント性を向上させる。ショット、グリットの粒径を制御
し、かつ投射速度を70m/sec 以上としてショットブラス
ト加工すれば、ＷCAを小さく、Ｒａを高くでき、鋼板は
鮮映性および耐デント性を両立させることが可能とな
る。
る。硬いグリットの投射によりロール表面に凹凸が形成
されるが、投射速度を増加すれば、形成される凹凸は粗
くなり、表面粗さＲａが増加する。Ｒａの増加は、耐デ
ント性を向上させる。ショット、グリットの粒径を制御
し、かつ投射速度を70m/sec 以上としてショットブラス
ト加工すれば、ＷCAを小さく、Ｒａを高くでき、鋼板は
鮮映性および耐デント性を両立させることが可能とな
る。
【００２０】なお、使用されるグリットの硬さはロール
硬度に応じて変化させればよく、ロール硬度とほぼ同一
以上の硬度とすればよい。グリットは、高炭素鋼が好適
であり、球形を有するグリットとして鋼球ショットが好
ましい。上記した条件のグリットを投射してショットダ
ル加工を施された冷延ロールを冷間圧延の最終圧延用お
よび調質圧延用ロールとして用いて冷延鋼板を圧延する
と、鮮映性および耐デント性に優れた冷延鋼板が製造で
きる。
硬度に応じて変化させればよく、ロール硬度とほぼ同一
以上の硬度とすればよい。グリットは、高炭素鋼が好適
であり、球形を有するグリットとして鋼球ショットが好
ましい。上記した条件のグリットを投射してショットダ
ル加工を施された冷延ロールを冷間圧延の最終圧延用お
よび調質圧延用ロールとして用いて冷延鋼板を圧延する
と、鮮映性および耐デント性に優れた冷延鋼板が製造で
きる。
【００２１】冷間圧延は、最終圧延に使用するロール
を、上記した本発明のショットダル加工方法で処理した
ロールを用いればよい。圧延条件は通常の条件でよく特
に限定する必要はない。冷延後焼鈍するが、これも特に
限定する必要がなく、通常の焼鈍方法でよい。調質圧延
では、使用するロールを上記した本発明のショットダル
加工方法で処理したロールを用いればよい。
を、上記した本発明のショットダル加工方法で処理した
ロールを用いればよい。圧延条件は通常の条件でよく特
に限定する必要はない。冷延後焼鈍するが、これも特に
限定する必要がなく、通常の焼鈍方法でよい。調質圧延
では、使用するロールを上記した本発明のショットダル
加工方法で処理したロールを用いればよい。
【００２２】鮮映性および耐デント性に優れた冷延鋼板
を得るために、上記した冷間圧延ロールのショットダル
加工方法はすべて適用できるが、もっとも好ましいロー
ルのショットダル加工は、球形形状を有し、平均粒径あ
るいはさらに最大粒径がろ波中心線うねり（ＷCA）のカ
ットオフ長未満であり、かつ粒径ばらつきが 200μm以
下のショットを用いて投射速度70m/sec 以上で投射する
ショットダル加工である。
を得るために、上記した冷間圧延ロールのショットダル
加工方法はすべて適用できるが、もっとも好ましいロー
ルのショットダル加工は、球形形状を有し、平均粒径あ
るいはさらに最大粒径がろ波中心線うねり（ＷCA）のカ
ットオフ長未満であり、かつ粒径ばらつきが 200μm以
下のショットを用いて投射速度70m/sec 以上で投射する
ショットダル加工である。
【００２３】
（実施例１）５％Cr鋼製ロールの表面を、ロールグライ
ンダで研削したのち、ショットブラスト装置でダル加工
を施した。ショットダル加工は、図１に示す粒径を有す
るグリットを図１に示す投射速度で投射した。上記した
条件のグリットでショットダル加工を施したロールで鋼
板を圧延し、得られた鋼板の表面粗度を測定し図１に示
す。
ンダで研削したのち、ショットブラスト装置でダル加工
を施した。ショットダル加工は、図１に示す粒径を有す
るグリットを図１に示す投射速度で投射した。上記した
条件のグリットでショットダル加工を施したロールで鋼
板を圧延し、得られた鋼板の表面粗度を測定し図１に示
す。
【００２４】表面を二次元式粗度計で中心線粗さ表示Ｒ
ａ（μm ）およびろ波中心線うねり表示ＷCA（μm ）を
求めた。ろ波中心線うねりの低域カットオフは 0.8mmと
した。本発明の範囲のグリットを用いてダル加工したロ
ールにより圧延した場合は、鋼板のＷCAは 0.8μm 以下
と小さくなっている。しかもＲａも 1.0μm 以上で鮮映
性、耐デント性に優れた鋼板である。
ａ（μm ）およびろ波中心線うねり表示ＷCA（μm ）を
求めた。ろ波中心線うねりの低域カットオフは 0.8mmと
した。本発明の範囲のグリットを用いてダル加工したロ
ールにより圧延した場合は、鋼板のＷCAは 0.8μm 以下
と小さくなっている。しかもＲａも 1.0μm 以上で鮮映
性、耐デント性に優れた鋼板である。
【００２５】一方、本発明範囲を外れる粒径のグリット
を用いてダル加工したロールで圧延した場合は、鋼板の
ＷCAは 0.8μm 超と高く鮮映性に劣る。 （実施例２）５％Cr鋼製ロールと同一材質のテストピー
ス表面に、表１に示す粒径を有する鋼球ショットを投射
してダル加工を施した。ショットの投射速度は61m/sec
とした。
を用いてダル加工したロールで圧延した場合は、鋼板の
ＷCAは 0.8μm 超と高く鮮映性に劣る。 （実施例２）５％Cr鋼製ロールと同一材質のテストピー
ス表面に、表１に示す粒径を有する鋼球ショットを投射
してダル加工を施した。ショットの投射速度は61m/sec
とした。
【００２６】
【表１】
【００２７】本発明の範囲の鋼球ショットでダル加工し
たテストピースNo. Ａ〜Ｅは、Ｒａ0.5〜1.0 μm 、Ｗ
CA 0.43 〜1.08μm と、比較例であるテストピースNo.
Ｆ、Ｇに比べうねりは小さくなっている。なかでも、粒
径ばらつきを小さくしたショットダル加工した場合であ
るテストピースNo. Ｂ、ＤのうねりＷCAは 0.6μm 以下
と小さくなり、本発明がうねりの発生を抑えることに有
効であることがわかる。
たテストピースNo. Ａ〜Ｅは、Ｒａ0.5〜1.0 μm 、Ｗ
CA 0.43 〜1.08μm と、比較例であるテストピースNo.
Ｆ、Ｇに比べうねりは小さくなっている。なかでも、粒
径ばらつきを小さくしたショットダル加工した場合であ
るテストピースNo. Ｂ、ＤのうねりＷCAは 0.6μm 以下
と小さくなり、本発明がうねりの発生を抑えることに有
効であることがわかる。
【００２８】
【発明の効果】本発明によれば、ロール表面に発生する
凹凸のうねりを少なくすることができ、しかもロール表
面の粗さを大きくできるため、鮮映性および耐デント性
に優れた鋼板を製造することができる。
凹凸のうねりを少なくすることができ、しかもロール表
面の粗さを大きくできるため、鮮映性および耐デント性
に優れた鋼板を製造することができる。
【図１】冷間圧延鋼板の板面表面うねりＷCAと表面粗さ
Ｒａの関係に及ぼすグリット粒径、グリット投射速度の
影響を示す特性図である。
Ｒａの関係に及ぼすグリット粒径、グリット投射速度の
影響を示す特性図である。
【図２】ロール表面の凹凸、うねりとグリット形状およ
び粒径の関係を示す説明図である。
び粒径の関係を示す説明図である。
Claims (6)
- 【請求項１】 冷間圧延用ロール表面にグリットを投射
してロール表面を粗面化する冷間圧延用ロールのショッ
トダル加工方法において、 前記グリットが、平均粒径がろ波中心線うねり（ＷCA）
のカットオフ長未満であるグリットであり、かつグリッ
トを投射する投射速度が70m/sec 以上であることを特徴
とする冷間圧延用ロールのショットダル加工方法。 - 【請求項２】 前記グリットが、平均粒径がろ波中心線
うねり（ＷCA）のカットオフ長未満であり、かつ最大粒
径がろ波中心線うねり（ＷCA）のカットオフ長未満のグ
リットであることを特徴とする請求項１記載の冷間圧延
用ロールのショットダル加工方法。 - 【請求項３】 冷間圧延用ロール表面にグリットを投射
してロール表面を粗面化する冷間圧延用ロールのショッ
トダル加工方法において、 前記グリットが、球形形状を有し、平均粒径あるいはさ
らに最大粒径がろ波中心線うねり（ＷCA）のカットオフ
長未満のショットであることを特徴とする冷間圧延用ロ
ールのショットダル加工方法。 - 【請求項４】 冷間圧延用ロール表面にグリットを投射
してロール表面を粗面化する冷間圧延用ロールのショッ
トダル加工方法において、 前記グリットが、球形形状を有し、平均粒径あるいはさ
らに最大粒径がろ波中心線うねり（ＷCA）のカットオフ
長未満であり、かつ粒径ばらつきが 200μm 以下のショ
ットであることを特徴とする冷間圧延用ロールのショッ
トダル加工方法。 - 【請求項５】 前記グリットを投射速度70m/sec 以上で
投射することを特徴とする請求項３または４記載の冷間
圧延用ロールのショットダル加工方法。 - 【請求項６】 冷間圧延の最終圧延および調質圧延をシ
ョットダル加工を施したロールで圧延する冷延鋼板の製
造方法において、前記ロールが、球形形状を有し、平均
粒径あるいはさらに最大粒径がろ波中心線うねり
（ＷCA）のカットオフ長未満であり、かつ粒径ばらつき
が 200μm 以下のショットを用いて投射速度70m/sec 以
上で投射するショットダル加工を施されたロールである
ことを特徴とする鮮映性および耐デント性に優れた冷延
鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7696896A JPH09267105A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 冷間圧延用ロールのショットダル加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7696896A JPH09267105A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 冷間圧延用ロールのショットダル加工方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09267105A true JPH09267105A (ja) | 1997-10-14 |
Family
ID=13620595
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7696896A Pending JPH09267105A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 冷間圧延用ロールのショットダル加工方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09267105A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN109333369A (zh) * | 2018-10-30 | 2019-02-15 | 山西太钢不锈钢股份有限公司 | 降低热板抛丸处理后表面粗糙度的方法 |
-
1996
- 1996-03-29 JP JP7696896A patent/JPH09267105A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN109333369A (zh) * | 2018-10-30 | 2019-02-15 | 山西太钢不锈钢股份有限公司 | 降低热板抛丸处理后表面粗糙度的方法 |
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