JPH09264981A - チャンネルボックスとその製造方法 - Google Patents

チャンネルボックスとその製造方法

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JPH09264981A
JPH09264981A JP8076894A JP7689496A JPH09264981A JP H09264981 A JPH09264981 A JP H09264981A JP 8076894 A JP8076894 A JP 8076894A JP 7689496 A JP7689496 A JP 7689496A JP H09264981 A JPH09264981 A JP H09264981A
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JP
Japan
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channel box
quenching
phase
processing
region
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JP8076894A
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Hiroshi Kubo
浩 久保
Shigeyuki Ishida
重行 石田
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Toshiba Engineering Corp
Toshiba Corp
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Toshiba Engineering Corp
Toshiba Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】炉心冷却水の状態を考慮して、ノジュラー腐食
を含めた総合的な腐食性能を高めたチャンネルボックス
およびその製造方法を提供する。 【解決手段】ジルコニウム基合金により筒体に形成され
た軽水炉用燃料チャンネルボックス1aにおいて、筒体
の沸騰領域12の合金成分の析出物粒径を 0.2μm以下に
なるようにする。また、筒体の非沸騰領域13の合金成分
の析出物粒径を 0.2μm以上とする。沸騰領域12は析出
物粒径が細かいので、耐ノジュラー腐食性に優れ、非沸
騰領域13は析出物粒径が粗いので耐一様性に優れた特性
を示し、総合的な腐食性能を高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、沸騰水型軽水炉燃
料集合体のチャンネルボックスおよびその製造方法に係
り、とくにチャンネルボックスにおける炉心冷却水の状
態により異なる形態の腐食が発生した場合において総合
的に優れた耐食性を有するジルコニウム基合金のチャン
ネルボックス、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図6により従来のチャンネルボックスに
ついて説明する。図6は沸騰水型原子炉に使用される燃
料集合体を前面のチャンネルボックスを一部切欠した状
態で示している。すなわち、チャンネルボックス1は正
方角筒状に形成され、燃料バンドル2の外側を包囲する
もので、原子炉に装荷する前に燃料バンドル2に取り付
けられる。
【0003】原子炉炉心に装荷した場合、チャンネルボ
ックス1は燃料バンドル2の下部から流入した冷却材の
水が核反応による熱で沸騰して一部が蒸気となりながら
上昇する高温高圧の冷却水流路を同一集合体内に確保や
制限をしたり、隣接し合う燃料集合体間を制御棒が円滑
に移動するための通路の確保など重要な役割を果たして
いる。
【0004】燃料バンドル2は整列配置された多数本の
燃料棒3と中央部にウオータロッド4をスペーサ5によ
りそれぞれ所定の間隔に保持し、燃料棒3およびウオー
タロッド4の上下両端部を上部タイプレート6および下
部タイプレート7で固定してなるものである。チャンネ
ルボックス1の上端面にはグリップ8が取り付けられ、
上端部外側面にはパッド9が取り付けられ、また上端か
らチャンネルファスナ10が取り付けられる。
【0005】一般に、チャンネルボックス1は核燃料U
2 ペレット11を被覆管内に装填してなる燃料棒3が上
部タイププレート6、および下部タイプレート7に穿孔
された支持孔に、それぞれの上部端栓および下部端栓を
挿入することによって組み立てられる。そして、格子状
に整列配置された複数の燃料棒3をチャンネルボックス
1が取り囲んで燃料集合体を構成する。
【0006】このような燃料集合体は一基の原子炉に数
百本装荷される。チャンネルボックス1内側は下端の一
部を除き燃料棒3の発熱により沸騰領域すなわち水と蒸
気とに接している。一方、チャンネルボックス1外側は
非沸騰領域すなわち水と接している。
【0007】ところで、いわゆる炉心構造物の構造材料
としては中性子経済の観点からジルコニウム基合金が実
用に供されており、チャンネルボックス1の材料とし
て、通常ジルコニウムに重量比で錫を約 1.5%、鉄を約
0.2%、クロムを約 0.1%添加してなるジルカロイ−4
と呼称されるジルコニウム基合金が使用されている。
【0008】また、隣接し合う燃料集合体間を制御棒が
円滑に移動するための通路の確保と、燃料棒の除熱のた
めの冷却水流路確保に必要な寸法取り合いからチャンネ
ルボックス1の肉厚は約2〜3mmである。
【0009】しかしながら、上記ジルコニウム基合金か
ら構成されたチャンネルボックス1は運転中に腐食によ
り酸化皮膜が成長し、ときには剥離することも考えられ
る。酸化皮膜の成長に伴う金属部分の減肉はそのチャン
ネルボックス1の機械的強度の低下を招く恐れがある。
【0010】さらに、燃料集合体は経済的観点から長期
間燃焼させることが推進されており、腐食量はますます
増大する方向にある。その意味でもチャンネルボックス
1の腐食特性を改善することは必要不可欠である。
【0011】一方、このようなチャンネルボックスは図
7(a)に示す第1の例、または(b)に示す第2の例
により製造工程を経て製造される。すなわち、図7
(a)に示すようにジルコニウム基合金のインゴットを
鍛造および圧延を経て板状(スラブ)に加工する工程
と、β相領域焼き入れと複数回の圧延および焼鈍を繰り
返し所定チャンネルボックス板厚材まで加工する工程
と、チャンネルボックスサイズに切断(サイジング)
し、シートに加工する工程と、曲げ,溶接および成型に
よりチャンネルボックスに加工する工程とからなってい
る。
【0012】また、図7(b)に示す第2の例のように
ジルコニウム基合金のインゴットを鍛造および圧延を経
て板状(スラブ)に加工する工程と、複数回の圧延のお
よび焼鈍を繰り返し所定チャンネルボックス板厚材まで
加工する工程と、チャンネルボックスサイズに切断(サ
イジング)し、シートに加工する工程と、(α+β)相
領域で焼入れ,曲げ,溶接および成型によりチャンネル
ボックスに加工する工程とからなっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術にあっては
スラブを圧延した薄い板厚のものにβ相領域焼入れを施
すかシートからの成型の過程で(α+β)相領域焼入れ
を行うことにより合金成分析出物の微細分散を達成し、
腐食低減を図っている。
【0014】しかし、沸騰領域のような酸化性雰囲気で
はノジュラーコロージョンと呼ばれる粒状の酸化形態が
特長的で耐ノジュラーコロージョン腐食性の観点から合
金成分析出物を微細分散化することは耐食性改善に有効
であるが、チャンネルボックスの内面は炉心冷却水が沸
騰しているが、外面は非沸騰領域であり、チャンネルボ
ックス全体の耐食性という点で従来の技術では十分でな
い課題がある。
【0015】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、炉心冷却水の状態を考慮して合金成分析出物
平均粒径を調整し、耐ノジュラーコロージョン腐食性お
よび耐一様腐食性を向上させ、長期間燃焼させた場合で
も機械的強度が十分維持でき、より信頼性が向上したチ
ャンネルボックスおよびその製造方法を提供することに
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ジル
コニウム基合金により筒体に形成された軽水炉用燃料チ
ャンネルボックスにおいて、前記筒体の外面の合金成分
析出物の平均粒径が 0.2μm以上の非沸騰領域と、 0.2
μm以下の沸騰領域とからなることを特徴とする。
【0017】請求項2の発明は、ジルコニウム基合金に
より筒体に形成された軽水炉用燃料チャンネルボックス
において、前記筒体の外面の合金成分析出物の平均粒径
が 0.2μm以上で、前記筒体の内面の合金成分析出物の
平均粒径が 0.2μm以下であることを特徴とする。
【0018】請求項3の発明は、ジルコニウム基合金の
インゴットを鍛造,圧延およびβ相領域焼き入れを経て
板状体(スラブ)に加工する工程と、前記圧延および焼
鈍と前記板状体の厚さ30mm以下で片側表面焼き入れ処理
を施し所定の板厚のチャンネルボックス板材を加工する
工程と、前記チャンネルボックス板材を所定のサイズに
切断しシートに加工する工程と、前記シートを曲げ,溶
接および成型によりチャンネルボックス筒体に加工する
工程とからなるチャンネルボックスの製造方法におい
て、前記片側表面焼き入れ処理は少なくともα相が部分
的にβ相に変態する温度まで加熱し、その後急速急冷す
る処理であることを特徴とする。
【0019】請求項4の発明は、前記少なくともα相が
部分的にβ相に変態する温度は少なくとも 900℃に保持
することを特徴とする。請求項5の発明は、前記急速急
冷する処理は焼入れ時最高温度から 650℃までの平均冷
却速度10℃/秒以上であることを特徴とする。
【0020】請求項6の発明は、ジルコニウム基合金の
インゴットを鍛造および圧延を経て板状体(スラブ)に
加工する工程と、前記圧延,焼鈍および焼き入れ処理を
施し所定の板厚のチャンネルボックス板材を加工する工
程と、前記チャンネルボックス板材を所定のサイズに切
断しシートに加工する工程と、前記シートを曲げ,溶接
および成型によりチャンネルボックス筒体に加工する工
程とからなるチャンネルボックスの製造方法において、
前記焼入れの最初は前記チャンネルボックス板材の厚さ
が 100mm以上で全肉β相領域焼入れを施し、前記焼き入
れの最後は前記チャンネルボックス板材の厚さが30mm以
下で片側表面焼入れで、少なくともα相が部分的にβ相
に変態する温度まで加熱し、急速急冷することを特徴と
する。
【0021】請求項7の発明は、前記少なくともα相が
部分的にβ相に変態する温度は少なくとも 900℃に保持
することを特徴とする。請求項8の発明は、前記急速急
冷する処理は焼き入れ時最高温度から 650℃までの平均
冷却速度が10℃/秒以上であることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】図1(a)〜(c)により本発明
に係るチャンネルボックスの実施の形態を説明する。図
1(a)は本実施の形態に係るチャンネルボックスの斜
視図で、図6と同一部分には同一符号を示している。
【0023】図1(a)に示すように本実施の形態に係
るチャンネルボックス1aはジルコニウム基合金、たと
えばジルカロイ−4により形成された横断面が正方角形
の筒体で、この筒体は内面が沸騰領域12であり、外面が
非沸騰領域13となっている。沸騰領域12の合金成分の析
出物粒径は 0.2μm以下となっており、非沸騰領域13の
合金成分の析出物粒径は 0.2μmとなっている。
【0024】図1(b)は沸騰領域12における結晶粒の
組織を拡大して模写したもので、図中、符号14は 0.2μ
m以下の合金成分析出物で、15は結晶を示している。図
1(b)は非沸騰領域13における結晶粒の組織を拡大し
て模写したもので、図中符号16は 0.2μm以上の合金成
分析出物である。
【0025】しかして、本実施の形態によるチャンネル
ボックス1aによれば、炉心冷却水の状態を考慮してチ
ャンネルボックス1aの外面の合金成分析出物平均粒径
は約0.5μmで、内面の合金成分析出物の平均粒径が約
0.1μmの領域からなっている。非沸騰領域13と接して
いる外面は合金成分析出物の平均粒径は 0.2μm以上
で、沸騰領域12と接する内面は合金成分析出物の平均粒
径が 0.2μm以下である。したがって、外面は耐一様腐
食に優れ、内面は耐ノジュラーコロージョン腐食特性に
優れている。
【0026】本発明によるチャンネルボックスの製造方
法の第1の実施の形態を図2(a)により説明する。ジ
ルコニウム基合金インゴットを鍛造,圧延およびβ相領
域である1050℃での焼入れを経て板状(スラブ)に加工
する工程と、2回の圧延および焼鈍と板厚10mmで片側表
面焼入れを施し所定チャンネルボックス板厚まで加工す
る工程と、チャンネルボックスサイズに切断しシートに
加工する工程と、曲げ,溶接および成型によりチャンネ
ルボックスに加工する工程とからなるチャンネルボック
ス製造工程において、スラブに加工する工程と所定チャ
ンネルボックス板厚まで加工する工程間で(α+β)相
領域である 940℃まで加熱し、その後水冷却することに
より約50℃/秒の片側表面焼入れを行う。
【0027】その際に一端完全に固溶した合金成分は冷
却速度約50℃/秒なので、前記析出は非常に細かくかつ
分散し、片側外面に合金成分析出物平均粒径が 0.1μm
程度の領域が形成される。一方、残りの領域はスラブ以
降チャンネルボックス板厚までの加工過程の入熱により
合金成分析出物が成長するので平均粒径 0.2μm以上と
なる。
【0028】本実施の形態によるチャンネルボックスの
製造方法において、図2(a)に示すようにジルコニウ
ム基合金のインゴットを鍛造,圧延およびβ相領域焼入
れを経て板状(スラブ)に加工する工程と、複数回の圧
延および焼鈍と板厚30mm以下で片側表面焼入れを施し所
定チャンネルボックス板厚まで加工する工程と、チャン
ネルボックスサイズに切断しシートに加工する工程と、
曲げ,溶接および成型によりチャンネルボックスに加工
する工程とからなるチャンネルボックス製造工程におい
て、スラブに加工する工程と所定チャンネルボックス板
厚まで加工する工程間で少なくともα相が部分的にβ相
に変態する温度まで加熱し、その後急速急冷する片側表
面焼入れを行う。
【0029】その際にα相が部分的にβ相に変態する温
度が低くとも 900℃であるので合金成分は一端完全に固
溶した状態から析出し始める。急速急冷は焼き入れ時最
高温度から 650℃までの平均冷却速度が10℃/秒以上で
あるので前記析出は非常に細かくかつ分散し、片側外表
面に合金成分析出物平均粒径が 0.2μm以下の領域が形
成される。
【0030】図3はジルカロイ−4の焼入れ温度1050℃
における冷却速度と析出物粒径の関係を示している。一
方残りの肉厚はスラブ以降チャンネルボックス板厚材ま
での加工過程の入熱により合金成分析出物が成長するの
で平均粒径 0.2μm以上となる。
【0031】つぎに、本発明によるチャンネルボックス
の製造方法の第2の実施の形態を図2(b)により説明
する。ジルコニウム基合金インゴットを鍛造および圧延
を経て板状(スラブ)に加工する工程と、板厚 120mm
で、1050℃のβ相領域焼入れを行った後、2回の圧延,
焼鈍後板厚20mmで 940℃の(α+β)相領域焼入れを行
い、所定チャンネルボックス板厚まで加工する工程と、
チャンネルボックスサイズに切断しシートに加工する工
程と、曲げ,溶接および成型によりチャンネルボックス
に加工する工程とからなるチャンネルボックス製造工程
である。
【0032】最初の焼入れは板厚 120mmでβ相領域焼き
入れを施し、板厚20mmで片側表面に(α+β)相領域焼
入れを行う。この際に最初の焼入れは板厚 120mmである
ので冷却速度が十分でなく大部分に合金成分析出物平均
粒径が 0.2μm以上の領域が形成される。一方、板厚20
mmで片側表面に(α+β)相領域焼入れを行い、急速急
冷を約50℃/秒となる水冷却を施すので片側外表面の合
金成分析出物平均粒径は 0.2μm以下となる。
【0033】本実施の形態においては、図2(b)に示
すようにジルコニウム基合金インゴットを鍛造および圧
延を経て板状(スラブ)に加工する工程と、複数回の圧
延,焼鈍および焼入れを含む所定チャンネルボックス板
厚材まで加工する工程と、チャンネルボックスサイズに
切断しシートに加工する工程と、曲げ,溶接および成型
によりチャンネルボックスに加工する工程とからなるチ
ャンネルボックス製造工程において、最初の焼入れは板
厚 100mm以上でβ相領域焼入れを施し、板厚30mm以下で
片側表面に少なくともα相が部分的にβ相に変態する温
度まで加熱し、急速急冷する最終焼入れをしている。こ
の際に最初の焼入れは板厚 100mm以上であるので冷却速
度が十分でなく部分的に合金成分析出物平均粒径が 0.2
μm以上の領域が形成される。
【0034】一方、板厚30mm以下で片側外面にα相が部
分的にβ相に変態する温度が低くとも 900℃であり、急
速急冷は焼入れ時最高温度から 650℃までの平均冷却速
度が10℃/秒以上である焼入れを施すので片側外面の合
金成分析出物平均粒径は 0.2μm以下となる。図4はジ
ルカロイ−4の焼入れ温度1050℃で冷却速度を一定にし
た場合の板厚と合金成分析出物粒径の関係を示してい
る。
【0035】ところで、ジルコニウム基合金と炉心冷却
水との酸化反応により、酸化皮膜が生成するが、前記酸
化皮膜は表面に一様に厚みをもって成長する一様腐食と
呼称される形態と斑点状に成長し、次第にレンズ状に厚
みをもってくるノジュラーコロージョンと呼称される形
態がある。
【0036】以前からこれら形態は非沸騰領域で一様腐
食が、沸騰領域でノジュラーコロージョンが特徴的に出
現することが知られている。例えば、非沸騰の加圧水型
軽水炉炉心で特徴的な水素リッチの雰囲気では一様腐食
のみが、沸騰水型軽水炉炉心で特徴的な酸素リッチの雰
囲気ではノジュラーコロージョンが主体に出現している
ことが報告されている。(出典:F.Garzarollliら,Zirc
onium in the NuclearIndustry,ASTM-STP939(1987))
【0037】一方、ジルコニウム基合金はその合金成分
析出物の平均粒径によって耐一様腐食特性および耐ノジ
ュラーコロージョン腐食特性が異なり、図5に示すよう
に一様腐食に関しては合金成分析出物の平均粒径が 0.2
μm以上で耐食性が高く、ノジュラーコロージョンに関
しては合金成分析出物の平均粒径が 0.2μm以下で耐食
性が高くなる。
【0038】チャンネルボックスの内面は下端の一部を
除き燃料棒の発熱により沸騰領域すなわち水および蒸気
と接しており、チャンネルボックス外面は非沸騰領域す
なわち水と接しているので、本実施の形態のようにチャ
ンネルボックスの外面の合金成分析出物の平均粒径が
0.2μm以上の非沸騰領域とし、 0.2μm以下の沸騰領
域とすることにより耐一様腐食性とノジュラー腐食性に
すぐれたチャンネルボックスを提供できる。
【0039】
【発明の効果】本発明によるチャンネルボックス、およ
び製造方法によれば、炉心冷却水の状態を考慮して合金
成分析出物の平均粒径を調整し、耐ノジュラーコロージ
ョン腐食性および耐一様腐食性を向上させており、長期
間燃焼させた場合でも機械的強度が十分維持でき、より
信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係るチャンネルボックスの実
施の形態を示す斜視図、(b)は(a)における(b)
部を拡大して示す結晶粒の模写図、(c)は(a)にお
ける(c)部を拡大して示す結晶粒の模写図。
【図2】(a)は本発明に係るチャンネルボックスの製
造方法の第1の実施の形態を示す工程図、(b)は本発
明に係るチャンネルボックスの第2の実施の形態を示す
工程図。
【図3】本発明の作用を説明するためのジルカロイ−4
合金における冷却速度と析出物粒径の関係を示す特性
図。
【図4】同じく、ジルカロイ−4合金において、冷却速
度を一定にした場合の材料板厚と合金成分析出物粒径の
関係を示す特性図。
【図5】同じく、合金成分析出物粒径に対するノジュラ
ー腐食と一様腐食を比較して示す特性図。
【図6】従来のチャンネルボックスを説明するための燃
料集合体を一部切欠して示す斜視図。
【図7】(a)は従来のチャンネルボックスの製造方法
の第1の例を示す工程図、(b)は同じく第2の例を示
す工程図。
【符号の説明】
1,1a…チャンネルボックス、2…燃料バンドル、3
…燃料棒、4…ウオータロッド、5…スペーサ、6…上
部タイプレート、7…下部タイプレート、8…グリッ
プ、9…パッド、10…チャンネルファスナ、11…核燃料
UO2 ペレット、12…沸騰領域、13…非沸騰領域、14…
0.2μm以下の合金成分析出物、15…結晶、16… 0.2μ
m以上の合金成分析出物。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジルコニウム基合金により筒体に形成さ
    れた軽水炉用燃料チャンネルボックスにおいて、前記筒
    体の外面の合金成分析出物の平均粒径が 0.2μm以上の
    非沸騰領域と、 0.2μm以下の沸騰領域とからなること
    を特徴とするチャンネルボックス。
  2. 【請求項2】 ジルコニウム基合金により筒体に形成さ
    れた軽水炉用燃料チャンネルボックスにおいて、前記筒
    体の外面の合金成分析出物の平均粒径が 0.2μm以上
    で、前記筒体の内面の合金成分析出物の平均粒径が 0.2
    μm以下であることを特徴とするチャンネルボックス。
  3. 【請求項3】 ジルコニウム基合金のインゴットを鍛
    造,圧延およびβ相領域焼き入れを経て板状体(スラ
    ブ)に加工する工程と、前記圧延および焼鈍と前記板状
    体の厚さ30mm以下で片側表面焼き入れ処理を施し所定の
    板厚のチャンネルボックス板材を加工する工程と、前記
    チャンネルボックス板材を所定のサイズに切断しシート
    に加工する工程と、前記シートを曲げ,溶接および成型
    によりチャンネルボックス筒体に加工する工程とからな
    るチャンネルボックスの製造方法において、前記片側表
    面焼き入れ処理は少なくともα相が部分的にβ相に変態
    する温度まで加熱し、その後急速急冷する処理であるこ
    とを特徴とするチャンネルボックス製造方法。
  4. 【請求項4】 前記少なくともα相が部分的にβ相に変
    態する温度は少なくとも 900℃に保持することを特徴と
    する請求項3記載のチャンネルボックス製造方法。
  5. 【請求項5】 前記急速急冷する処理は焼入れ時最高温
    度から 650℃までの平均冷却速度10℃/秒以上であるこ
    とを特徴とする請求項3記載のチャンネルボックス製造
    方法。
  6. 【請求項6】 ジルコニウム基合金のインゴットを鍛造
    および圧延を経て板状体(スラブ)に加工する工程と、
    前記圧延,焼鈍および焼き入れ処理を施し所定の板厚の
    チャンネルボックス板材を加工する工程と、前記チャン
    ネルボックス板材を所定のサイズに切断しシートに加工
    する工程と、前記シートを曲げ,溶接および成型により
    チャンネルボックス筒体に加工する工程とからなるチャ
    ンネルボックスの製造方法において、前記焼入れの最初
    は前記チャンネルボックス板材の厚さが 100mm以上で全
    肉β相領域焼入れを施し、前記焼き入れの最後は前記チ
    ャンネルボックス板材の厚さが30mm以下で片側表面焼入
    れであって少なくともα相が部分的にβ相に変態する温
    度まで加熱し、急速急冷することを特徴とするチャンネ
    ルボックス製造方法。
  7. 【請求項7】 前記少なくともα相が部分的にβ相に変
    態する温度は少なくとも 900℃に保持することを特徴と
    する請求項6記載のチャンネルボックス製造方法。
  8. 【請求項8】 前記急速急冷する処理は焼き入れ時最高
    温度から 650℃までの平均冷却速度が10℃/秒以上であ
    ることを特徴とする請求項6記載のチャンネルボックス
    製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104745876A (zh) * 2013-12-30 2015-07-01 上海核工程研究设计院 一种用于轻水反应堆的锆基合金及其制备方法

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CN104745876A (zh) * 2013-12-30 2015-07-01 上海核工程研究设计院 一种用于轻水反应堆的锆基合金及其制备方法

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