JPH09264886A - 超音波検査用プローブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率良く局部液浸式超音波検査をすることが
できる超音波検査用プローブを提供する。 【解決手段】 被検体１に向けて開口した容器２と、容
器２の内部から開口に向けて超音波を送出するとともに
被検体１からの超音波の反射波を受信する探触子３と、
容器２に形成された注入孔４と、容器２に形成され、注
入孔４から容器２に注入された水を排出する排出孔５
と、排出孔５に設けられ、水および空気の容器２からの
排出を許容するとともに容器２への空気の流入を禁止す
る逆流防止弁６と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる局部液浸
法による超音波検査に用いる超音波検査用プローブに関
する。

【０００２】

【従来の技術】図２は、従来のいわゆる局部液浸法によ
る超音波検査に用いられる超音波検査用プローブを示し
ている。図２に示すように、被検体１に開口部が押し当
てられた容器２内には注水孔４から水が連続供給され、
容器２内に水が満たされる。容器２に取り付けられた探
触子３により水を介して超音波の送受信を行いつつ、容
器２を被検体１に沿って走査することにより被検体１の
検査が行われる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】図２に示すプローブで
は、注入孔４から供給する水の圧力によって容器２が被
検体１から浮き上がる方向の力を受けるので、プローブ
の位置ずれを起こし超音波の焦点が検査部位からずれて
しまう場合がある。図３に示すように容器２に排出孔５
を形成すれば、この排出孔５により容器２の圧力を逃す
ことができるが、排出孔５を介して容器２の内部に空気
が流入するため、水流を弱めたり停止したりすると被検
体１と容器２の間から水が簡単に流出してしまい、その
場合に検査の続行が不能となる。また、一旦注水を止め
ると容器２を水で満たすまでの時間がかかるため、検査
の効率が落ちる。

【０００４】本発明の目的は、効率良く局部液浸式超音
波検査をすることができる超音波検査用プローブを提供
することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】一実施の形態を示す図１
に対応づけて説明すると、請求項１に記載の発明は、被
検体１に向けて開口した液溜め容器２と、液溜め容器２
の内部から開口に向けて超音波を送出する送出手段３
と、被検体１からの超音波の反射波を受信する受信手段
３と、液溜め容器２に形成された液体注入孔４と、液溜
め容器２に形成され、液体注入孔４から液溜め容器２に
注入された液体を排出する排出孔５と、排出孔５に設け
られ、液体および空気の液溜め容器２からの排出を許容
するとともに液溜め容器２への空気の流入を禁止する逆
流防止弁６と、を備えることにより上述の目的が達成さ
れる。

【０００６】請求項１に記載の発明では、逆流防止弁６
が液体および空気の液溜め容器２からの排出を許容する
とともに液溜め容器２への空気の流入を禁止する。

【０００７】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段と作用の項では、本発明を分かり易
くするために実施例の図を用いたが、これにより本発明
が実施例に限定されるものではない。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、図１を用いて本発明による
超音波検査用プローブの一実施の形態について説明す
る。図１において、１は被検体、２は被検体１に向けて
開口した容器、３は容器２の内部で超音波の送受信を行
う超音波探触子、４は容器２の内部に水を注入する注入
孔、５は容器２の内部の水を排出する排出孔、６は排出
孔５を開閉し容器２の圧力を逃すとともに容器２の内部
への空気の流入を防止する逆流防止弁であり、逆流防止
弁６はゴムあるいはステンレス等の弾力性を有する材質
の弾性板６ａと、弾性板６ａを排出孔５の開口部分に固
定するねじ６ｂとからなる。上述の容器２、探触子３、
注入孔４、排出孔５および逆流防止弁６は、本実施の形
態のプローブを構成する。

【０００９】以上のように構成された実施の形態のプロ
ーブを用いて被検体１を検査する場合の動作について、
次に説明する。図１（ａ）に示すように、容器２の開口
を被検体１に押し当てた状態で注入孔４から水を注入す
ると、注入孔４からの水流により容器２の内部の空気が
容器２と被検体１との隙間から水と一緒に排出されるの
で、容器２の水位が上昇する。

【００１０】注水の継続により容器２の上部まで水が満
たされると、探触子３から送出された超音波が水を伝播
して被検体１に入射する。被検体１に入射した超音波が
被検体１内部の傷等により反射されると、その反射波は
再び容器２内の水を伝播して探触子３で受信される。探
触子３による超音波の送受信を行いながら容器２を被検
体１に沿って走査することにより、被検体１の所定領域
内の各点の受信データが得られるので、このデータに基
づいて、例えば被検体１の２次元映像が作成される。

【００１１】本実施の形態の超音波検査用プローブで
は、容器２の内圧が一定値まで上昇すると逆流防止弁６
の弾性板６ａが変形して排出孔５を開放するので、それ
以上内圧が上昇せず、注水圧力によって容器２が位置ず
れを起こすおそれがない。したがって超音波の焦点が検
査部位から外れることがなく、検査精度を向上させるこ
とができる。また、一定の圧力に到達しない限り逆流防
止弁６は開かないので、容器２内に排出孔５を介して空
気が流入せず、容器２と被検体１との間からの水の漏洩
を抑制する。したがって、水の使用量を抑制できる。

【００１２】さらに、容器２の開口端２ａと被検体１と
の隙間が表面張力によって水の膜が保たれる範囲（隙間
が数ｍｍ以内）に維持されている場合には、容器２に水
を満たした状態から注水を止めても外部から空気が侵入
することがなく、そのままの状態で容器２内の水が長時
間保持され、その間検査を継続することができる。

【００１３】本実施の形態の逆流防止弁６が開く臨界圧
力は、容器２への注水圧等によって任意の値に設定する
ことができる。例えば、注水圧が小さく設定されている
場合に、弁６の臨界圧力を低くしておけば、検査前の注
水時に逆流防止弁６が容器２内の圧力により開き容器２
内部の空気が排出孔５から排出されるので、注水をスム
ーズに行うことができる。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
逆流防止弁を介して液溜め容器内の圧力を抜くようにし
たので、プローブの位置ずれを防止することができる。
また、逆流防止弁により液溜め容器内への空気の流入を
禁止するようにしたので、液溜め容器の液体の保持能力
が高まり、検査効率を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による超音波検査用プローブの一実施の
形態を示す図であり、（ａ）はプローブ全体の断面図、
（ｂ）は開いた状態の逆流防止弁を示す断面図。

【図２】従来の超音波検査用プローブを示す断面図。

【図３】排出孔を設けた超音波検査用プローブを示す断
面図。

【符号の説明】

１ 被検体 ２ 容器 ３ 探触子 ４ 注入孔 ５ 排出孔 ６ 逆流防止弁

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被検体に向けて開口した液溜め容器と、 前記液溜め容器の内部から前記開口に向けて超音波を送
   出する送出手段と、 前記被検体からの前記超音波の反射波を受信する受信手
   段と、 前記液溜め容器に形成された液体注入孔と、 前記液溜め容器に形成され、前記液体注入孔から前記液
   溜め容器に注入された液体を排出する排出孔と、 前記排出孔に設けられ、前記液体および前記空気の前記
   液溜め容器からの排出を許容するとともに前記液溜め容
   器への空気の流入を禁止する逆流防止弁と、を備えるこ
   とを特徴とする超音波検査用プローブ。