JPH09264620A - 自然循環ループを併用する冷房装置及びその運転方法 - Google Patents

自然循環ループを併用する冷房装置及びその運転方法

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JPH09264620A
JPH09264620A JP7566396A JP7566396A JPH09264620A JP H09264620 A JPH09264620 A JP H09264620A JP 7566396 A JP7566396 A JP 7566396A JP 7566396 A JP7566396 A JP 7566396A JP H09264620 A JPH09264620 A JP H09264620A
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refrigerant
liquid
natural circulation
pipe
compressor
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JP7566396A
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Shinichi Watanabe
伸一 渡辺
Taiichi Sagara
泰一 相良
Noboru Aoyama
登 青山
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Mitsubishi Electric Building Solutions Corp
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Mitsubishi Electric Building Techno Service Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自然循環ループを併用する冷房装置における
強制循環運転時の動力経費を抑制し、また自然循環ルー
プの冷房能力の向上と安定な運転とを実現する。 【解決手段】 自然循環ループにおいては膨張弁54を
バイパス管56にてバイパスし圧力損失を低下して冷房
能力を向上する。運転に先だって液配管弁58とバイパ
ス液配管弁60とを閉じ圧縮機72によりポンプダウン
運転を行い、液配管92に冷媒循環駆動力をもたらす冷
媒液柱を形成し、これにより冷媒循環方向が確立され、
安定に自然循環運転が行われる。また強制循環運転時の
圧縮機72の停止期間には、自然循環運転により室内温
度の上昇速度を緩和する。すなわち、圧縮機72が休止
される時間が長くなり動力経費が低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は自然循環ループを
併用する冷房装置及びその運転方法に関し、特に冷房装
置の運転動力の経費を節減する冷房装置及びその運転方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、冷房装置の用途は、人間を対象と
する対人空調だけでなく、電算機室や移動体通信の中継
電子機器を納めたカプセルなどに代表されるような電子
機器の発生した熱を除去する用途分野が急速に拡がりつ
つある。
【0003】これらの用途では室内で発生する熱負荷に
加えて、夏期等では外界から伝導する熱負荷(スキン・
ロード)がある。そこでこの室内に対する冷房能力は夏
期等を基準として設計され、冷房される空間を断熱壁で
囲いスキン・ロードを低減するとともに、その内部を冷
房能力の高い蒸気圧縮冷凍サイクルで冷房することが行
われる。一方、室内を断熱壁で囲ったため、冬期、夜間
のように外界が寒冷であっても室内にて発生した熱は外
部へ散逸しにくく、室内温度が上昇する。このため、こ
の室内に対しては寒冷な時期においても冷房が必要とな
る。
【0004】しかし、本来、自然放熱が可能な時期にお
いても、圧縮機運転動力の経費が高い蒸気圧縮冷凍サイ
クルをわざわざ使用するのは不経済であるし、圧縮機の
耐用年数、すなわち寿命が短くなるという問題があっ
た。このような場合には、内外の気温差を利用し、内部
から外部へ冷媒により伝熱するヒートパイプを用いるの
がよい。自然循環ループは、このヒートパイプの原理を
応用したものであり、冷媒ガスと冷媒液とを別々の配管
に通すことにより冷媒ループを形成し、より高い伝熱効
率を達成するものである。
【0005】そこで従来、この自然循環ループを蒸気圧
縮冷凍サイクルに併用した冷房装置が提案されている
(特願平7−222920)。図4は、その冷房装置に
おける冷凍サイクルの構成図である。この冷房装置にお
ける蒸気圧縮冷凍サイクルは、大まかには圧縮機2、凝
縮器4、蒸発器6からなる。圧縮機2は、蒸発器6で発
生した冷媒ガスを導くガス配管8の途中に設けられ、冷
媒ガスを吸い込み、これを断熱的に圧縮して送出する。
これにより、冷媒ガスは過熱状態にされるとともに、冷
媒サイクルには冷媒循環の駆動力が供給される。凝縮器
4は過熱冷媒ガスから放熱させ、これを液化する。冷媒
液は液配管10を経由して蒸発器6側に送られる。蒸発
器6の手前に設けられた膨張弁12は、高圧の冷媒液を
減圧して低圧で気液混合状態の湿り蒸気とする機能を有
する。湿り蒸気は蒸発器6において被冷却物から気化熱
を吸収して冷媒ガスとなり、再びガス配管8へ送出され
る。なお、サクションアキュムレータ14は運転の過渡
的現象や冷媒封入量過多などの場合に緩衝の役割を果た
す器である。
【0006】この蒸気圧縮冷凍サイクルに併用されてい
る自然循環ループは、凝縮器4を蒸発器6より所定の高
位置に配置するとともに、圧縮機2をバイパス管30で
バイパスすることにより実現される。バイパス管30に
は冷媒流路切換弁32が設けられて、これを閉じている
場合には、この装置は上述した蒸気圧縮冷凍サイクルで
あるが、圧縮機2を停止し冷媒流路切換弁32を開く
と、自然循環ループとなる。蒸発器6と凝縮器4とはガ
ス配管8とバイパス管30とにより直接接続され、凝縮
器4に流入した冷媒ガスは外気へ放熱し凝縮し、冷媒液
となって流れ出る。つまり凝縮器4は冷媒ガスの吸収源
であり、蒸発器6は冷媒ガスの発生源であるので、冷媒
ガスの圧力は蒸発器6側で高く凝縮器4側で低くなる。
よってガス配管8内には冷媒ガスの圧力勾配が生じ、比
重の軽い冷媒ガスは蒸発器6から凝縮器4に上昇する。
一方、凝縮器4から流れ出た冷媒液は膨張弁12側に流
下する。膨張弁12の上には液配管10が位置するの
で、流下した冷媒液はこの液配管10に貯められる。蓄
積した冷媒液は、自重による圧力によって膨張弁12か
ら噴出し、蒸発器6に流入する。すなわち、圧縮機2を
駆動しなくても、冷媒はガス配管8を上昇し液配管10
を下降し、冷房装置内を循環する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の自然循環ループ
を併用する冷房装置では、自然循環ループによる運転
(自然循環運転と称する)時においても冷媒液は膨張弁
を通過させられていた。自然循環ループにおける冷媒循
環駆動力は、蒸気圧縮冷凍サイクルが圧縮機から得る循
環駆動力に比べてはるかに小さい。そのため、膨張弁で
生じる圧力損失は、自然循環運転における冷媒循環を阻
害し、その冷房能力の低下を招くという問題点があっ
た。また、冷媒循環駆動力が小さいため、自然循環運転
の開始時においては、冷媒循環の方向が確定しにくいと
いう問題点があった。さらに、冷媒の自然循環が継続す
るには、その自然循環ループによって定まる温度差以
上、室外が室内より低温であるといった条件が満たされ
ている必要がある。そのため従来は、許容上限温度と目
標冷房温度とで指定される室内温度の制御目標範囲に対
して、自然循環ループの冷房能力が不足する場合には自
然循環運転は活用されず、よって蒸気圧縮冷凍サイクル
による運転(強制循環運転と称する)時の動力経費が大
きいという問題点があった。また、自然循環運転が可能
か否かを室外気温等に基づいて判断し、自然循環運転が
使用される状況と強制循環運転が使用される状況とが区
分されるため、冷房装置のこれら運転のモードの切換制
御が煩雑であるという問題点もあった。
【0008】本発明は上記問題点を解決し、冷房能力が
向上した自然循環ループを併用した冷房装置を提供し、
またその冷房装置において、自然循環運転が安定に始動
される運転方法、及び蒸気圧縮冷凍サイクルによる運転
動力経費を軽減する運転方法、運転のモードを容易かつ
適切に制御する運転方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の自然循環ループ
を併用する冷房装置においては、膨張弁をバイパスする
液配管である膨張弁バイパス管と、冷媒液流路を前記膨
張弁を通る液配管と前記膨張弁バイパス管との間で任意
に制御できる冷媒液流路制御手段とを有することを特徴
とし、また本発明の冷房装置においては、前記冷媒流路
制御手段は、前記膨張弁に流れる冷媒液を自然循環ルー
プによる運転時には遮断する液配管弁と、前記膨張弁バ
イパス管を開閉する弁であって自然循環ループによる運
転時には開くバイパス液配管弁とを有することを特徴と
する。
【0010】本発明によれば、冷媒液流路制御手段は冷
媒液流路を、膨張弁を通る液配管と膨張弁バイパス管と
から任意に選択して流すことができるとともに、蒸発器
への冷媒液供給を停止することもできる。これにより、
強制循環運転時には冷媒液は膨張弁で低温低圧の気液混
合状態とされ蒸発器に供給され、効率的な吸熱が行われ
る一方、自然循環運転時には膨張弁をバイパスして冷媒
循環駆動力の損失が防止され冷媒循環量が確保されるの
で冷房能力の向上が図られる。また、冷媒液供給を停止
することにより、冷媒液が液配管に蓄積され、安定に自
然循環する冷媒循環駆動力を得ることができる。
【0011】本発明の自然循環ループを併用する冷房装
置に用いる運転方法においては、室内温度が所定の許容
上限温度を超えると、蒸気圧縮冷凍サイクルによる運転
を開始し、室内温度が前記許容上限温度より低温の目標
冷房温度に達すると蒸気圧縮冷凍サイクルによる運転を
停止し、蒸気圧縮冷凍サイクルによる運転の停止時には
自然循環ループへ切り換えることを特徴とする。
【0012】本発明によれば、自然循環運転では室内温
度を許容上限温度以下に維持できない状況であって強制
循環運転が適用される場合において、室内温度が目標冷
房温度に達し強制循環運転を停止しても、冷媒循環系を
自然循環ループに切り換えておくことにより、室内温度
が上昇して室外気温をある程度超えた場合には自然循環
運転が開始され室内熱負荷が部分的に除去されるので、
温度上昇が緩やかになる。よって許容上限温度に達する
までの時間が長くなる、すなわち強制循環運転における
圧縮機の稼働率を低下でき、強制循環運転によらなけれ
ばならない場合の動力経費が軽減される。また本発明の
運転方法によれば、室外気温が低下し自然循環運転の条
件が満たされれば、他に特別な操作をすることなく、自
然循環ループにおいて冷媒液が再生され冷媒循環が継続
し、自ずから自然循環運転が確立される。つまり、室外
気温をモニタして自然循環運転の可/不可を判断するこ
とが不必要であり、基本的に許容上限温度、目標冷房温
度といった室内温度に基づいて運転が行われ、その制御
が容易である。
【0013】本発明の自然循環ループを併用する冷房装
置に用いる運転方法においては、自然循環ループへの切
り換えに先だって、前記液配管弁及び前記バイパス液配
管弁を閉じ、圧縮機を駆動して前記バイパス液配管弁ま
での液配管に冷媒液を蓄積することを特徴とする。
【0014】本発明によれば、冷房装置の始動時、及び
強制循環運転停止時の自然循環ループへの切り換え時
に、液配管への冷媒液の蓄積が行われる。このように冷
媒循環駆動力が確保された後、自然循環ループを形成す
ることにより、冷媒循環方向が正しい方向に確定され、
安定な運転が行われる。また、液配管に十分に冷媒液が
蓄積されるので、自然循環ループによる冷房期間が長く
なり動力経費が低減する。さらに自然循環運転が確立さ
れるか否かが微妙な場合においても、十分な冷媒循環駆
動力を初期に与えることにより自然循環運転が確立する
可能性が高まる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態で
ある冷房装置における冷凍サイクルの構成図である。室
内ユニット50には蒸発器52、膨張弁54、膨張弁5
4をバイパスするバイパス管56、冷媒液流路を膨張弁
54とバイパス管56との間で制御する冷媒液流路制御
手段として液配管弁58、バイパス液配管弁60が内蔵
される。
【0016】室外ユニット70には圧縮機72、凝縮器
74、サクションアキュムレータ76、圧縮機72をバ
イパスするバイパス管78、冷媒ガス流路を圧縮機72
とバイパス管78とのいずれかに切り換えるガス流路切
換手段として切換弁80、82が内蔵される。凝縮器7
4は空冷凝縮器であり冷媒容器84に送風するファン8
6を備えている。
【0017】本装置は蒸気圧縮冷凍サイクルに自然循環
ループを併用するため、蒸発器52、すなわち室内ユニ
ット50は凝縮器74、すなわち室外ユニット70より
も低い位置になければならない。室内ユニット50と室
外ユニット70とはガス配管90と液配管92とで接続
される。ガス配管90は、蒸発器52で発生した冷媒ガ
スを圧縮機72を経由して凝縮器74に導き、液配管9
2は凝縮器74で生成された冷媒液を蒸発器52に導
く。
【0018】蒸気圧縮冷凍サイクルでは、圧縮機72が
外部動力源によって駆動され、冷媒ガスを断熱的に圧縮
して過熱状態の冷媒ガスとする。圧縮機は、往復動式、
回転式、スクリュー式といった種類に大別されるが、こ
こで用いられる圧縮機72には必要とされる冷凍能力な
どの条件によって好適なものが選定され使用される。凝
縮器74は、蒸発器で生じた冷媒ガスから大気への放熱
を行い、冷媒ガスを液化して冷媒液とする。凝縮器74
ではファン86が冷媒容器84の外表面に送風し蒸発器
で生じた冷媒ガスからこれより低温の外部媒体である大
気への放熱を促進する。凝縮器74で生じた冷媒液は液
配管92を通って室内ユニット50へ下降する。
【0019】膨張弁54は、蒸発器52の入り口の直前
に設けられている。膨張弁54は、高圧の冷媒液を絞り
膨張により減圧して気液混合状態の低温低圧の湿り蒸気
とするものであり、例えば温度自動膨張弁であってもよ
いし、代わりにキャピラリチューブを用いることもでき
る。蒸発器52に導かれた湿り蒸気は被冷却物から気化
熱を吸収して冷媒ガスとなり、一方、被冷却物は冷却さ
れる。蒸発器52と圧縮機72の吸気側とはガス配管9
0により接続されている。サクションアキュムレータ7
6は圧縮機72の入り口に設けられ、蒸発器52から出
た冷媒ガスを一時的に蓄積し、運転の過渡的現象や冷媒
封入量過多などの場合に、緩衝の役割を果たす器であ
る。
【0020】さて本装置の自然循環ループの大半は以上
述べた蒸気圧縮冷凍サイクルと共通である。自然循環ル
ープは、1つには従来技術同様、サクションアキュムレ
ータ76と圧縮機72とをバイパス管78でバイパスす
る点、もう1つには膨張弁54をバイパス管56でバイ
パスする点が蒸気圧縮冷凍サイクルと異なる。この後者
は本装置の特徴的な点である。なお、図1は模式図であ
り、液配管92、膨張弁54、バイパス管56といった
冷媒液流路の接続形態は必ずしも図1に示されたものに
限られず、冷媒液の流下に支障がない種々の形態が可能
である。冷媒ガス流路についても同様である。
【0021】室外ユニット70内において圧縮機72を
バイパスする部分の冷媒ガス流路の制御は切換弁80、
82により行われる。本装置を蒸気圧縮冷凍サイクルと
して運転する場合、すなわち強制循環運転では、切換弁
80を開き、切換弁82を閉じる。これにより、蒸発器
52からの冷媒ガスは圧縮機72に導かれる。一方、本
装置を自然循環ループに切り換える場合には、切換弁8
0を閉じ、切換弁82を開く。これにより、蒸発器52
からの冷媒ガスは圧力損失の少ないバイパス管78を経
由して直接、凝縮器74に導かれる。また強制循環運転
時に冷却されたサクションアキュムレータ76に、それ
より温度の高い自然循環運転時の冷媒ガスが流入し液化
してその中に滞留するということが防止される。
【0022】室内ユニット50内において膨張弁54を
バイパスする部分の冷媒液流路の制御は液配管弁58、
バイパス液配管弁60により行われる。強制循環運転時
は、液配管弁58を開き、バイパス液配管弁60を閉じ
る。これにより、凝縮器74からの冷媒液は膨張弁54
に導かれる。一方、自然循環ループを使用する場合に
は、液配管弁58を閉じ、バイパス液配管弁60を開
く。これにより、凝縮器74からの冷媒液は、直接、蒸
発器52に導かれる。
【0023】自然循環ループにおいては、圧縮機72に
よる冷媒循環の駆動力は存在せず、既に述べたように、
液配管92に蓄積された冷媒液に対し作用する重力が冷
媒循環の駆動力となる。この駆動力は強制循環運転にお
いて圧縮機72が供給する駆動力に比べてはるかに小さ
い。よって、冷房能力を向上させるためには、冷媒が自
然循環ループを循環する際の圧力損失を低減し、できる
だけ冷媒を円滑に循環させる工夫が必要である。そのた
め従来より、液配管58の内径をやや細めにして冷媒液
柱の高さを高くする一方で、ガス配管56の内径をやや
太めにし冷媒ガスに対するコンダクタンスを大きくする
ことなどは行われていた。
【0024】本装置ではさらに、自然循環ループにおい
ては、冷媒圧の圧力段差を生じさせる膨張弁54をバイ
パスして圧力損失を低減することとした。また、同様の
理由で自然循環ループの冷媒流路に位置するバイパス液
配管弁60及び切換弁82には、圧力損失の低い弁、例
えばボールバルブなどを使用するのがよい。本装置で
は、例えば流路に設けられた閉止板をギヤドモーターで
回転して開閉する機構を有する弁を用いる。この弁は開
状態では、閉止板が流れに平行になるので圧力損失が小
さい。このようにバイパス液配管弁60には開状態での
圧力損失が小さい弁が特に適しているが、必ずしもそれ
に限られず十分な冷媒循環駆動力が得られるなら多少の
圧力損失は許容される。ちなみに、蒸気圧縮冷凍サイク
ルの冷媒流路に位置する液配管弁58、切換弁80は流
路を遮断できればよく、開状態での圧力損失はあまり問
題にならず様々な弁を用いることができる。ここでは、
低価格なソレノイドバルブが用いられている。これは、
ポートに対してニードルが電磁力によって開閉される電
磁弁である。
【0025】次に、本装置の運転方法について述べる。
図2は、運転の概略を表すフロー図である。まず理解を
容易とするために述べれば、よく用いられている従来の
運転方法として許容上限温度と目標冷房温度とを設定
し、例えばサーモスタットを用いて、室内温度が許容上
限温度を超えると強制運転を開始し、室内温度が目標冷
房温度に達すると強制運転を停止するという方法が存在
する。本装置の運転方法は、この運転方法を改良するも
のであり、ある意味でこれと類似した側面を有する。以
下、本装置の運転方法を詳しく説明する。
【0026】運転スイッチをオンして運転を開始する
と、まずポンプダウン運転を行う(ステップ100)。
強制循環運転と自然循環運転とでは冷媒循環系内での冷
媒の分布の状態は違うので、強制循環運転停止時に液配
管に冷媒液が十分に蓄積されている保証はない。同様の
ことは、運転開始時についても言える。ポンプダウン運
転は自然循環運転の開始に際して、一定の冷媒循環駆動
力を得る動作であり、液配管弁58及びバイパス液配管
弁60の両方が閉じられ、圧縮機72を稼働して液配管
92に冷媒液が蓄積される運転である。これにより、自
然循環運転に必要な駆動力を発生する高さを有した冷媒
液の液柱が液配管92に形成される。この後、バイパス
液配管弁60を開いて、自然循環運転を試みる(ステッ
プ102)。なお、液柱の高さを確保するために本装置
では、液配管弁58、バイパス液配管弁60及び膨張弁
54を低位置、例えば蒸発器52の直前に配置してい
る。
【0027】このように、本装置では、室外気温を感知
せずにとりあえず自然循環ループによる冷房を試みる。
ちなみに、この段階で自然循環ループ内での冷媒の「循
環」が行われる保証はない。つまり、室外気温などの条
件によっては液配管92から供給され蒸発器52で蒸発
した冷媒は、そのまま冷媒ガスとして存在し液配管92
に冷媒液としては戻らないかもしれない。したがって、
その意味でステップ102では、必ずしも継続的に冷媒
が循環する自然循環運転が行われるとは限らないが、こ
こでは便宜上、冷媒循環系が自然循環ループに切り換え
られた状態を自然循環運転と呼んでいる。
【0028】ステップ102の自然循環運転は、室内温
度が低下し、室内温度の目標値として設定された目標冷
房温度に近づいているならば(ステップ104)、又は
室内温度が許容上限温度未満であるならば(ステップ1
06)、継続される。一方、自然循環運転を行っても許
容上限温度から上昇してしまう場合は自然循環運転の冷
房能力が不足であるということなので、強制循環運転を
開始する(ステップ108)。強制循環運転は、室内温
度が目標冷房温度に低下する(ステップ110)と停止
される(ステップ112)。運転スイッチのオフ等によ
り装置の運転が停止されない限り、動作は再びポンプダ
ウン運転(ステップ100)に戻され、上記プロセスが
繰り返される。
【0029】本装置の上記動作では、室内温度及びその
変化に基づいて、冷房運転のモードを強制循環運転とす
るか自然循環運転とするかが選択され、その際、室外気
温を知ることは基本的には不要である。これにより運転
制御が容易となる。また例えば最も単純な運転制御機構
として室外気温を検知する手段を省略した構成も可能で
ある。
【0030】図3は、上記運転による室内温度の変化の
一例を示す模式的グラフである。ここでは装置の運転ス
イッチをオンする時刻t0 において室内温度Tが許容上
限温度TA より高い場合を説明する。しかしこのことは
本質的なことではなく、本装置では、室内温度の高低に
係わりなく、装置の運転スイッチがオンされると、とり
あえずポンプダウン運転を行った後、しばらく、例えば
時刻t1 まで自然循環運転を行う(実線120、図2の
ステップ100)。もし期間[t0 ,t1 ]において、
温度が低下したならば自然循環運転を継続する。しか
し、ここでは室内温度が上昇する場合が示されている。
つまり室内温度が許容上限温度よりますます高くなるの
で自然循環運転を用いることが不適切であると判断さ
れ、(図2のステップ104、106)、強制循環運転
が実施される(実線122、図2のステップ108)。
【0031】室内温度が目標冷房温度TB に達すると
(時刻t2 、図2のステップ110)強制循環運転を停
止し(図2のステップ112)、ポンプダウン運転(ス
テップ100)をした後、自然循環運転(ステップ10
2)に移行する。但し、既に述べたようにこの段階では
単に冷媒流路が自然循環ループに切り替わっただけであ
る。冷媒が自然循環ループ内を循環する自然循環運転
は、室内温度Tが室外気温TC より高くならなければ開
始されない。つまり、室内温度TがTC に達するまでは
冷媒ガスから外界へ放熱されないので、強制循環運転停
止時に単に放置するだけの従来の装置と同様に室内温度
Tは上昇する(実線124)。しかし室内温度Tが室外
気温TC より高くなると、冷媒ガスから外界への放熱が
行われ、凝縮器74において冷媒液が生成され、自然循
環運転が開始される。すると、熱負荷は部分的には除去
される。すなわち、従来の装置では実線124の延長で
室内温度Tが上昇する(点線126)のに対し、本装置
では、室内温度TがTC を超えると温度上昇が緩やかに
なる(実線128)。つまり、許容上限温度TA に室内
温度が上昇するまでの時間が長くなり、それだけ強制循
環運転に使用する圧縮機72を停止できる期間が長くな
り、動力経費が削減される。なお、室内温度が上昇して
許容上限温度以上となると(時刻t3 、図2のステップ
106)、自然循環運転から強制循環運転に移行する
(図2のステップ108)。以降、このステップ100
〜112のステップからなる処理ループが繰り返され
る。この処理ループは既に述べたように、基本的に室内
温度によって制御される、すなわち室内温度に設けられ
た許容上限温度と目標冷房温度という2つの温度を基準
として、室内温度のそれらに対する大小関係及び増減に
基づいて制御される。
【0032】本装置では、例えば春、秋といった中間期
などのようにやや室外気温が低下して、冷房装置の許容
上下温度と目標冷房温度との間に、自然循環運転可能な
温度範囲が存在することとなった場合には、強制循環運
転の合間に自然循環運転によって熱の蓄積を軽減するこ
とにより、圧縮機停止時の温度上昇速度を例えば従来の
1/2〜1/3にできる。つまり圧縮機72の休止期間
が長くなり、強制循環運転における動力経費が削減され
る。また、自然循環運転が可能であるか否かについての
判断を明示的にすることなく、室内温度に基づいて適
宜、強制循環運転と自然循環運転とが使用されるので制
御が容易である。
【0033】上述した本装置における特徴を、従来の装
置と対比すると以下のようなことが言える。つまり従来
の装置は、自然循環ループを使用することが可能かどう
かを判断した上で、その判断に基づき自然循環ループと
蒸気圧縮冷凍サイクルと切り換え、これらを基本的に別
々の運転として取り扱っていた。これに対し本装置は、
冷房能力はさほど強くなく室外気温等の外界の影響によ
り使用条件が限られるが低ランニングコストである自然
循環ループによる運転と、冷房能力は強力であるが圧縮
機動力を必要とし高ランニングコストである蒸気圧縮冷
凍サイクルによる運転とを相補的に用いる。つまり、自
然循環ループでは冷房能力が不足の場合には、蒸気圧縮
冷凍サイクルによる冷房に遷移し、そして蒸気圧縮冷凍
サイクルによって目標冷房温度に達した後は、自然循環
ループを用いて温度上昇を緩和するというイメージのも
のである。本装置の強制循環運転では、自然循環ループ
と蒸気圧縮冷凍サイクルとの切り換えは室内温度に基づ
いて適時行われ、両者は別々ではなく一体的に利用され
る。本装置の動力経費の低減及び制御の容易さはこの特
徴によって得られるものである。
【0034】
【発明の効果】本発明の自然循環ループを併用する冷房
装置によれば、自然循環ループにおける圧力損失が低減
し、冷房能力が向上するという効果がある。
【0035】本発明の運転方法によれば、自然循環運転
に先だって圧縮機を用いて液配管に冷媒液を蓄積するこ
とにより冷媒循環の駆動力が確保されるので、自然循環
運転が安定に始動されるという効果とともに、正しい方
向へ冷媒が循環して装置の冷房能力が十分に発揮される
という効果がある。
【0036】また本発明の運転方法によれば、強制循環
運転の停止時に自然循環ループによる外部への放熱が行
われ、よって圧縮機の駆動時間を短縮でき動力経費が軽
減されるという効果がある。また、自然循環運転と強制
循環運転との切換制御を、室内温度のフィードバックに
より適応的に制御することにより、運転のモードの切換
制御が容易となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態である冷房装置における冷
凍サイクルの構成図。
【図2】 本発明の実施形態である冷房装置の運転の概
略を表すフロー図。
【図3】 本発明の実施形態である冷房装置による室内
温度の制御特性の一例を示す模式的グラフ。
【図4】 従来の冷房装置における冷凍サイクルの構成
図。
【符号の説明】
50 室内ユニット、52 蒸発器、54 膨張弁、5
6,78 バイパス管、58 液配管弁、60 バイパ
ス液配管弁、70 室外ユニット、72 圧縮機、74
凝縮器、80,82 切換弁、90 ガス配管、92
液配管。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒液が冷媒ガスとなる際の気化熱を被
    冷却部から吸収する蒸発器と、この蒸発器に接続され冷
    媒ガスを上昇させるガス配管と、このガス配管に接続さ
    れこれにより導かれた冷媒ガスを液化して冷媒液とする
    凝縮器と、この凝縮器に接続されこれにより生成された
    冷媒液を重力によって下降させて前記蒸発器へ導く液配
    管と、この液配管の途中に挿入され冷媒液を減圧する膨
    張弁と、前記ガス配管の途中に挿入され冷媒ガスを断熱
    的に圧縮する圧縮機と、これをバイパスする圧縮機バイ
    パス管と、冷媒ガス流路を圧縮機経由と圧縮機バイパス
    管経由とのいずれかに切り換えるガス流路切換手段とを
    含み、冷媒循環系を蒸気圧縮冷凍サイクルと自然循環ル
    ープとに切り換え可能な冷房装置において、 前記膨張弁をバイパスする液配管である膨張弁バイパス
    管と、 冷媒液流路を前記膨張弁を通る液配管と前記膨張弁バイ
    パス管との間で任意に制御できる冷媒液流路制御手段
    と、 を有することを特徴とする冷房装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の冷房装置において、 前記冷媒流路制御手段は、 前記膨張弁に流れる冷媒液を自然循環ループによる運転
    時には遮断する液配管弁と、 前記膨張弁バイパス管を開閉する弁であって自然循環ル
    ープによる運転時には開くバイパス液配管弁と、 を有することを特徴とする冷房装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の冷房装置を運転する方法
    において、 室内温度が所定の許容上限温度を超えると、蒸気圧縮冷
    凍サイクルによる運転を開始し、 室内温度が前記許容上限温度より低温の目標冷房温度に
    達すると蒸気圧縮冷凍サイクルによる運転を停止し、 蒸気圧縮冷凍サイクルによる運転の停止時には、自然循
    環ループに切り換えること、 を特徴とする冷房装置の運転方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の冷房装置の運転方法にお
    いて、 自然循環ループへの切り換えに先だって、 前記液配管弁及び前記バイパス液配管弁を閉じ、 前記圧縮機を駆動して、前記バイパス液配管弁までの液
    配管に冷媒液を蓄積すること、 を特徴とする冷房装置の運転方法。
JP7566396A 1996-03-29 1996-03-29 自然循環ループを併用する冷房装置及びその運転方法 Pending JPH09264620A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012088033A (ja) * 2010-09-22 2012-05-10 Ntt Facilities Inc 空調機の運転制御方法
JP2014105888A (ja) * 2012-11-26 2014-06-09 Ntt Facilities Inc 空調機
JP2014126286A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Daikin Ind Ltd 空気調和システム
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