JPH09264233A - ディーゼル機関の動的噴射時期検出装置 - Google Patents

ディーゼル機関の動的噴射時期検出装置

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JPH09264233A
JPH09264233A JP7434496A JP7434496A JPH09264233A JP H09264233 A JPH09264233 A JP H09264233A JP 7434496 A JP7434496 A JP 7434496A JP 7434496 A JP7434496 A JP 7434496A JP H09264233 A JPH09264233 A JP H09264233A
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needle valve
dynamic injection
time
valve lift
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Akira Shirakawa
暁 白河
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ディーゼル機関の燃料噴射ノズルの動的噴射時
期を簡易かつ精度良く検出する。 【解決手段】針弁リフトセンサで検出される燃料噴射ノ
ズルの針弁のリフト量が、複数の判定レベルV1、V2
をよぎる時刻T1、T2を検出し、該時刻T1、T2か
ら推定される近似直線式に基づいて、センサのS/N比
を考慮して針弁が確実にリフトを開始したと検出できる
センサ出力V0相当の時刻を、動的噴射時期TITとし
て算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディーゼル機関の燃料
噴射ノズルから噴射される燃料の噴射開始時期 (以下動
的噴射時期という) を検出する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼル機関の電子制御燃料噴射ポン
プでは、コントロールスリーブ位置あるいはコントロー
ルラック位置を機関の運転条件に応じて動かすことによ
り、燃料の噴射量を決定している。一方、燃料の噴射時
期は、燃料を圧送する前記噴射ポンプ内のプランジャの
圧送開始時期をコントロールできるように、カムに取り
付けられたタイマの位置を可変させることにより行う。
例えば、分配型の電子制御燃料噴射ポンプでは、タイマ
ピストンの端面高圧室から低圧室への漏れ量を調整する
タイミングコントロールバルブをデューティ制御するこ
とで調整している (特開昭58−214636号公報参
照) 。なお、大型ディーゼル機関で使用されている列型
電子制御燃料噴射ポンプでは、コントロールラック位置
で燃料の噴射量を決定し、また、噴射時期は、タイマー
ピストンの一端面側の高圧室から他端面側の低圧室への
漏れ量を調整するタイミングコントロールバルブをデュ
ーティ制御することで調整している。
【0003】噴射時期の制御方法としては、噴射ノズル
針弁の開弁時期が燃焼を左右する主要因子であるため、
噴射ノズルの針弁リフト時期を検出し、基準クランク角
信号に対する時間を計測することによって、噴射時期を
検出し、タイマ位置を変化させるTCVデューティ比を
フィードバック制御する動的噴射時期制御が知られてい
る。
【0004】この方法では、針弁リフトセンサの出力波
形が、予め設定されているスライスレベル (固定値ある
いは回転,負荷に応じてマップを検索し、回転,負荷に
応じた任意のスライスレベルを検出してもよい) をよぎ
る時期と、基準クランク角時期との時間を計測し、動的
噴射時期を計測している (図7参照) 。なお、針弁リフ
トセンサとしては、スプリング荷重を測定して開弁時期
を測定する圧電素子型、針弁位置をホール素子を用いて
測定するホール素子型、針弁位置を磁界変化から検出す
る導磁率測定型等が知られている。
【0005】ディーゼル機関は、常に空気過剰率の高い
雰囲気での燃焼での拡散燃焼であり、一般に窒素酸化物
(以下NOxという) を低減すると粒子状物質 (以下P
Mという) や黒煙が増加するというトレードオフの関係
がある。一方、近年の大都市圏を中心とした環境問題の
深刻化により、社会的に排気汚染物質 (NOx,PM)
低減の要望が高まっており、国内外において大幅な排気
強化規制が実施されようとしている。
【0006】それを受けて、従来に増して排気清浄化の
研究が進められているが、その中の知見の1つに、エン
ジンモディフィケーション (燃焼室形状、燃料噴射系、
EGR系の改良) により、各運転負荷毎に噴射時期を適
切に設定すれば、従来よりEGRを増やしても、PM悪
化がない領域があることが見出されている (例えば特開
平4−263570号公報等参照。) 但し、前述のようなNOxとPMとを同時に低減できる
領域は、回転,負荷毎に異なるため、運転状態、特に負
荷に応じて噴射時期とEGR量の精密な制御が必要とな
っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
動的噴射時期検出方法では、センサ自体の生産バラツキ
や噴射ノズルの噴孔面積、開弁圧のバラツキ、燃料性状
・温度等の環境のバラツキ等の種々の要因により、同一
回転,負荷でも針弁リフトセンサ出力が増減するという
問題がある (図8参照) 。
【0008】このため、平均的な針弁リフトセンサ出力
での燃料噴射時期に対し、針弁リフトセンサ出力が減少
すると遅角側に、センサ出力が増加すると進角側に検出
するため、動的噴射時期が誤って遅角域あるいは進角域
に制御される。また、従来用いられてきた針弁リフト時
期検出素子は、直流アンプを介して増幅され、コントロ
ールユニット (ECM) に出力されるが、温度湿度の環
境により、針弁リフト信号の低電圧側レベルが推移し、
またECM側の供給電圧や設置(GND) 電圧も運転状
況により変化するため、センサ出力が変化した場合と同
様な変化が起こるという問題もある。
【0009】このため、機関の排気性能・スモークが悪
化したり、全開出力の低下や機関の耐久性に関する燃焼
室各部の温度、排気温度が増減するなどの不具合を生じ
るおそれがあった。また、この問題を解決するために針
弁リフトセンサの出力バラツキを縮小することも考えら
れるが、そのためには高精度のセンサの採用あるいは製
造上の大幅な精度管理向上が必要であるため、コストが
増加してしまうという問題がある。
【0010】また、副室式機関等で用いられているスロ
ットル型ノズルを使用する場合、スロットル部に燃焼で
生じるスモークに起因するカーボンが詰まることがある
ため、実効噴孔面積が変化するので製造上の精度管理だ
けでは、対策が困難である。。本発明は、このような従
来の問題点に鑑みなされたもので、針弁リフト波形は出
力値が増減しても、出力波形は概ね相似形であることを
利用して動的噴射時期を精度良く推定できるようしたデ
ィーゼル機関の動的噴射時期検出方法及び装置を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に係
る発明は図1に示すように、ディーゼル機関の燃料噴射
ノズルから燃料の噴射が開始される動的噴射時期を検出
する装置であって、前記燃料噴射ノズルの針弁のリフト
量を検出する針弁リフト量検出手段と、前記針弁リフト
量検出手段によって検出される針弁のリフト量が、複数
設定された判定レベルをそれぞれよぎるときの時刻を検
出する判定レベル通過時刻検出手段と、前記判定レベル
通過時刻検出手段により検出された複数の時刻に基づい
て推定される前記針弁リフト量検出手段の出力波形によ
って前記燃料の動的噴射時期を推定する動的噴射時期推
定手段と、を含んで構成したことを特徴とする。
【0012】各種バラツキに起因して針弁リフト検出手
段の出力値に増減バラツキを生じても、出力波形は出力
増減方向に対して概ね相似形であるため、判定レベル通
過時刻検出手段によって検出される複数の判定レベルを
よぎる時刻に基づいて、動的噴射時期推定手段によって
推定される出力波形によって、針弁がリフトを開始する
動的噴射時期を、精度良く推定して検出することができ
る。
【0013】また、請求項2に係る発明は、前記判定レ
ベル通過時刻検出手段が、機関の基準クランク角位置に
おける時刻を基準として、判定レベルをよぎる時刻を検
出することを特徴とする。例えば、基準クランク角位置
でリセットされてカウントを開始するタイマにより、時
刻を求めることができる。
【0014】また、請求項3に係る発明は、前記動的噴
射時期推定手段が、動的噴射時期を時刻で推定した値
を、機関回転速度の検出値に基づいて、クランク角位置
に換算して得ることを特徴とする。機関回転速度によ
り、時刻とクランク角位置との関係に基づいてクランク
角位置に換算した動的噴射時期を求めることができる。
【0015】また、請求項4に係る発明は、前記動的噴
射時期推定手段は、前記動的噴射時期の時刻での推定を
次式により行うことを特徴とする。 TIT= (T1−T2) / (V1−V2) ×V0+ (T
2・V1−T1・V2) / (V1−V2) 但し、TIT:動的噴射時期の時刻 T1:針弁リフト量が第1判定レベルをよぎるときの時
刻 T2:針弁リフト量が第2判定レベルをよぎるときの時
刻 V0:針弁リフト量検出手段のS/N比を考慮して針弁
のリフト開始を確実に検出できる最小出力電圧に相当す
る基準電圧 V1:前記第1判定レベル相当の電圧 V2:前記第2判定レベル相当の電圧 第1判定レベルと第2判定レベルとを適切に設定するこ
とにより、それぞれの通過時刻T1、T2間の時間に対
してリフト量相当の出力電圧が近似的に直線的に増大す
ると推定できるので、該出力電圧と時刻との関係を近似
直線として求めた上記の式に基づいて、針弁リフト量検
出手段の出力電圧がノイズによる影響なく確実に針弁が
リフトを開始したと推定できる基準電圧に達したときの
時刻TITを動的噴射時期として推定することができ
る。
【0016】また、請求項5に係る発明は、前記動的噴
射時期推定手段が、最小二乗法により動的噴射時期を推
測する近似式を求め、該近似式に基づいて動的噴射時期
の時刻での推定を行うことを特徴とする。針弁リフト量
検出手段の出力と時刻との関係を最小二乗法により曲線
近似として捉えて、動的噴射時期を推定することができ
る。
【0017】また、請求項6に係る発明は、図1に破線
で示すように、前記針弁リフト量検出手段からの出力電
圧の針弁非リフト時における低電圧側電圧を検出する低
電圧側電圧検出手段と、前記検出された低電圧側電圧に
応じて前記複数の判定レベルを補正する判定レベル補正
手段と、を含んで構成したことを特徴とする。
【0018】例えば、低電圧側電圧が基準値より高い
(低い) 場合は、複数の判定レベルもそれに応じて高く
(低く) なるように補正する。また、請求項7に係る発
明は、図1に一点鎖線で示すように、前記針弁リフト量
検出手段からの信号を微分処理する微分処理手段と、前
記微分処理された信号を積分処理する積分処理手段と、
を含み、前記判定レベル通過時刻検出手段は、前記積分
処理されてなまされた信号で検出される針弁リフト量が
複数の判定レベルをよぎる時刻を検出し、前記動的噴射
時期推定手段は、前記判定レベル通過時刻から推定され
る前記針弁リフト量検出手段の出力波形によって推定し
た動的噴射時期を、前記積分処理手段の遅れ分を補償し
て最終的に動的噴射時期を決定することを特徴とする。
【0019】針弁リフト量検出手段の信号に対して微分
処理を施すことにより、DC分がカットされ、積分処理
の積分定数を大きくすることにより信号がなまされてノ
イズ分がカットされ、積分処理に伴い遅れが生じるの
で、該遅れ分を補償して動的噴射時期の推定精度を確保
する。
【0020】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、簡易な演
算により動的噴射時期を高精度に推定することができる
ため、針弁リフト検出手段として、高精度な出力特性を
有するコストの高いセンサを採用することなく、あるい
は製造上の精度管理向上によるコストアップを伴うこと
なく、高精度な噴射時期制御を行うことができる。
【0021】また、請求項2に係る発明によれば、基準
クランク角位置における時刻を基準として、判定レベル
をよぎる時刻を正確に検出することができる。また、請
求項3に係る発明によれば、動的噴射時期をクランク角
位置に換算して得ることにより、通常のクランク角位置
による噴射時期制御を容易に行うことができる。
【0022】また、請求項4に係る発明によれば、針弁
リフト量検出手段の出力電圧と時刻との関係を近似直線
として求めた式に基づいて、動的噴射時期を高精度に推
定して検出することができる。また、請求項5に係る発
明によれば、針弁リフト量検出手段の出力電圧と時刻と
の関係を近似曲線として捉えて動的噴射時期をより高精
度に推定して検出することができると共に、判定レベル
通過時刻の検出誤差に対する動的噴射時期の誤算出の鈍
感さ (ロバスト性) が増し、出力波形が噴射毎に変化す
る運転条件や噴射系を持つ場合でも動的噴射時期を精度
良く算出することができる。
【0023】また、請求項6に係る発明によれば、針弁
リフト量検出手段の低電圧側電圧のドリフトによる影響
が、より効果的に回避され、動的噴射時期の検出精度が
向上する。また、請求項7に係る発明によれば、針弁リ
フト量検出手段の出力信号から微分処理によるDC分を
除去することで、低電圧側電圧のドリフトによる影響を
回避できると共に、積分処理により信号をなますことで
ノイズによる影響も回避して、動的噴射時期をより精度
良く検出することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を図に
基づいて説明する。図2は、本発明の一実施形態の構成
を示す。分配型電子制御燃料噴射ポンプ1は、機関と同
期して回転するドライブシャフト10と、ドライブシャフ
ト10によって駆動され、燃料タンクから吸入した燃料を
予圧するフィードポンプ11と、フィードポンプ11によっ
て加圧された燃料を蓄えると共に内部を潤滑させるポン
プ室12と、ドライブシャフト10を囲むように配置された
ローラホルダ13と、ドライブシャフト10によってローラ
ホルダ13上を回転することで、回転しながら往復運動す
るフェイスカム14と、フェイスカム14と一体に回転しな
がら往復運動し、ポンプ室12内の燃料を吸入・加圧し
て、分配するプランジャ15と、各気筒毎の分配路に設け
られて各燃料噴射ノズル3へ高圧燃料を送出する送出弁
16と、を備えている。
【0025】また、分配型電子制御燃料噴射ポンプ2
は、燃料噴射量制御装置として、プランジャ15によって
加圧された燃料をポンプ室12に洩らすことによって噴射
終りを制御して燃料噴射量を調整することのできるコン
トロールスリーブ17と、コントロールスリーブ17の位置
を制御する燃料噴射量調整用のロータリーソレノイド18
と、燃料供給を停止させて機関を停止させることのでき
る燃料カット弁19と、を備えている。
【0026】更に、分配型電子制御燃料噴射ポンプ2
は、燃料噴射時期制御装置として、ローラホルダ13に結
合するレバー20と、ローラホルダ13にレバー20を介して
結合され、ローラホルダ13の回転位置を変化させること
によりフェイスカム14の往復運動の位相を変化させて、
燃料噴射時期を調整することのできるタイマピストン21
と、タイマピストン21の一端側の高圧室の燃料を他端側
の低圧室へ洩らすことによって両室の差圧を制御してタ
イマピストン21の位置を制御する燃料噴射時期調整用の
タイミング制御弁22と、を備えている。
【0027】次に、コントロールユニット31及び各種セ
ンサについて説明する。コントロールユニット31は、各
センサの信号を受取って演算処理し、各アクチュエータ
に指令信号を出力する。センサとしては、機関各気筒の
所定行程位置相当の基準クランク角位置で発生する信号
と、微小単位クランク角毎に発生する信号とを出力する
クランク角センサ32と、コントロールスリーブ17の位置
を検出するコントロールスリーブ位置センサ33と、燃料
噴射ポンプに供給される燃料の温度を検出する燃温セン
サ34と、燃料噴射ノズル2の針弁のリフト開始時期を検
出する針弁リフト量検出手段としての針弁リフトセンサ
36と、機関冷却水温を検出する水温センサ37と、アクセ
ル開度を検出するアクセル開度センサ38と、を備えてい
る。
【0028】次に、前記コントロールユニット31による
本実施形態の制御を図3以下に基づいて説明する。第1
の実施形態に係る動的噴射時期検出の流れを示す図3に
おいて、ステップ1では、前記クランク角センサ32から
の信号に基づいて算出した機関回転速度Neを読み込
む。
【0029】ステップ2では、前記クランク角センサ32
からの信号に基づいて基準クランク角位置での時刻T0
を読み込む。これは、例えば、基準クランク角信号出力
時にタイマのカウントをリセットして時刻T0=0とし
て、その時点からカウントを開始して計測された時間
を、それ以後の時刻として計測する構成とすることもで
きる。
【0030】ステップ3では、前記針弁リフトセンサ36
の出力電圧が、異なる2つのリフト量に相当する第1判
定電圧V1と第2判定電圧V2とをよぎる時刻T1、T
2を読み込む。ステップ4では、次式により、動的噴射
時期 (時刻) TITを算出する (図4参照) 。
【0031】 TIT== (T1−T2) / (V1−V2) ×V0 + (T2・V1−T1・V2) / (V1−V2) ・・・(1) 但し、V0は針弁リフト量検出手段のS/N比を考慮し
て針弁のリフト開始を確実に検出できる最小出力電圧に
相当する基準電圧である。ステップ5では、次式によ
り、クランク角位置に換算した動的噴射時期ITiを算
出する。
【0032】 ITi= (T0−TIT) ×Ne/K 但しKは単位変換係数・・・(2) この場合、ITiは、基準クランク角位置後のクランク
角度として求められることになる。このように、第1の
実施形態では、2つの判定レベルを設け、針弁リフト特
性を一次式で推定して、動的噴射時期を求めることがで
き、これにより、センサ出力の増減に起因する動的噴射
時期の誤検出を防止できる。
【0033】次に、第2の実施形態に係る動的噴射時期
検出について説明する。本実施形態では、前記ステップ
4における動的噴射時期 (時刻) の算出方法のみが異な
る。即ち、本実施形態では、最小二乗法を用いた次式に
より、動的噴射時期 (時刻) TITを算出する。
【0034】 TIT=Sxy/Sxx×V0+ (Tav−Sxy/Sxx×Vav) ・・・(3) 但し、Vav=1/n×Σ (Vi) 、Tav=1/n×Σ
(Ti) Sxx=Σ (Vi−Vav) 2 、Sxy=Σ (Vi−Vav)
(Ti−Tav) この第2の実施形態では、3以上の判定レベルを通過す
る時間から近似算により動的噴射時期を決定することに
より、動的噴射時期の検出精度が向上するだけでなく、
各判定レベル通過時刻の計測誤差に対する動的噴射時期
誤算出の鈍感さ(ロバスト性) が増し、針弁リフト波形
が噴射毎に変化する運転条件や噴射系を持つ場合でも、
動的噴射時期を算出しやすいという特徴を有する。
【0035】次に第3の実施形態に係る動的噴射時期検
出を、図5のフローチャートに従って説明する。ステッ
プ11, ステップ12は、前記図3のステップ1, ステップ
2と同様である。ステップ13では、前回求めた針弁リフ
ト波形低電圧側V0STをRAMより読み込む。そし
て、ステップ14では、判定電圧Vn (nは判定レベル番
号で、例えば、判定レベルが3つ用意されている場合
は、V1, V2, V3と記す) の電圧を次式により補正
する。
【0036】 Vnh=Vn±V0ST ・・・・(4) ステップ15〜ステップ17では、前記図3のステップ3〜
ステップ5と同様にして実測動的噴射時期を算出する。
ステップ18では、前記基準クランク角位置信号の発生時
刻T0から所定の期間を経て針弁のリフトが終了したと
推定される時期に、針弁リフトセンサ36からの信号を検
出してA/D変換し、針弁リフト波形低電圧側電圧V0
STとして記憶する。
【0037】このようにすれば、センサ出力の増減や低
電圧側レベルのドリフト分だけ判定レベルがシフトされ
るので、これらに起因する動的噴射時期の誤検出を防止
できる。次に、第4の実施形態を説明する。本実施形態
では、図6のブロック図に示すように、微分器 (微分処
理手段) 41と積分器 (積分処理手段) 42とを備える。
【0038】針弁リフトセンサ36からの出力信号aが微
分器21に入力されると、信号のDC(直流) 分がカット
されるため、出力波形は信号bのようになる。該微分さ
れた信号bが積分器22に入力され、波形のなまし処理が
されることにより、出力波形は信号cのようになる。こ
のようにして、針弁リフト波形低電圧側電圧のドリフト
を排除し、かつ各判定レベル間の時間ΔTを大きくする
ことにより、各判定レベルをよぎる時刻の計測精度が向
上するため、動的噴射時期の検出精度が向上する。
【0039】なお、積分器は入力信号周波数により一次
遅れの特性を有するため、概ね時定数Td分だけ、次式
によって動的噴射時期TITを補正する。 補正動的噴射時期TIT’=TIT−Td ・・・(5) 図に示すように、CR回路で積分器を構成した場合、 Td=CR (SEC) C:静電容量μF、R:抵抗値Ω ・・・(6)
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成・機能を示すブロック図。
【図2】本発明の各実施形態に共通のシステム構成を示
す図。
【図3】第1の実施形態に係る動的噴射時期検出ルーチ
ンを示すフローチャート。
【図4】同上実施形態で動的噴射時期の推定を説明する
ための線図。
【図5】第3の実施形態に係る動的噴射時期検出ルーチ
ンを示すフローチャート。
【図6】第4の実施形態の構成を示す図。
【図7】従来の動的噴射時期検出方法を示す図。
【図8】針弁リフトセンサのバラツキを示す図。
【符号の説明】
1 分配型燃料噴射ポンプ 21 タイマピストン 31 コントロールユニット 36 針弁リフトセンサ 41 微分器 42 積分器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ディーゼル機関の燃料噴射ノズルから燃料
    の噴射が開始される動的噴射時期を検出する装置であっ
    て、 前記燃料噴射ノズルの針弁のリフト量を検出する針弁リ
    フト量検出手段と、 前記針弁リフト量検出手段によって検出される針弁のリ
    フト量が、複数設定された判定レベルをそれぞれよぎる
    ときの時刻を検出する判定レベル通過時刻検出手段と、 前記判定レベル通過時刻検出手段により検出された複数
    の時刻に基づいて推定される前記針弁リフト量検出手段
    の出力波形によって前記燃料の動的噴射時期を推定する
    動的噴射時期推定手段と、 を含んで構成したことを特徴とするディーゼル機関の動
    的噴射時期検出装置。
  2. 【請求項2】前記判定レベル通過時刻検出手段は、機関
    の基準クランク角位置における時刻を基準として、判定
    レベルをよぎる時刻を検出することを特徴とする請求項
    1に記載のディーゼル機関の動的噴射時期検出装置。
  3. 【請求項3】前記動的噴射時期推定手段は、動的噴射時
    期を時刻で推定した値を、機関回転速度の検出値に基づ
    いて、クランク角位置に換算して得ることを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載のディーゼル機関の動的噴
    射時期検出装置。
  4. 【請求項4】前記動的噴射時期推定手段は、前記動的噴
    射時期の時刻での推定を次式により行うことを特徴とす
    る請求項3に記載のディーゼル機関の動的噴射時期検出
    装置。 TIT= (T1−T2) / (V1−V2) ×V0+ (T
    2・V1−T1・V2) / (V1−V2) 但し、TIT:動的噴射時期の時刻 T1:針弁リフト量が第1判定レベルをよぎるときの時
    刻 T2:針弁リフト量が第2判定レベルをよぎるときの時
    刻 V0:針弁リフト量検出手段のS/N比を考慮して針弁
    のリフト開始を確実に検出できる最小出力電圧に相当す
    る基準電圧 V1:前記第1判定レベル相当の電圧 V2:前記第2判定レベル相当の電圧
  5. 【請求項5】前記動的噴射時期推定手段は、最小二乗法
    により動的噴射時期を推測する近似式を求め、該近似式
    に基づいて動的噴射時期の時刻での推定を行うことを特
    徴とする請求項3に記載のディーゼル機関の動的噴射時
    期検出装置。
  6. 【請求項6】前記針弁リフト量検出手段からの出力電圧
    の針弁非リフト時における低電圧側電圧を検出する低電
    圧側電圧検出手段と、 前記検出された低電圧側電圧に応じて前記複数の判定レ
    ベルを補正する判定レベル補正手段と、 を含んで構成したことを特徴とする請求項1〜請求項5
    のいずれか1つに記載のディーゼル機関の動的噴射時期
    検出装置。
  7. 【請求項7】前記針弁リフト量検出手段からの信号を微
    分処理する微分処理手段と、 前記微分処理された信号を積分処理する積分処理手段
    と、 を含み、 前記判定レベル通過時刻検出手段は、前記積分処理され
    てなまされた信号で検出される針弁リフト量が複数の判
    定レベルをよぎる時刻を検出し、 前記動的噴射時期推定手段は、前記判定レベル通過時刻
    から推定される前記針弁リフト量検出手段の出力波形に
    よって推定した動的噴射時期を、前記積分処理手段の遅
    れ分を補償して最終的に動的噴射時期を決定することを
    特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の
    ディーゼル機関の動的噴射時期検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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