JPH09264229A - 自己逆転式内燃機関の燃料調整装置 - Google Patents

自己逆転式内燃機関の燃料調整装置

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JPH09264229A
JPH09264229A JP8083808A JP8380896A JPH09264229A JP H09264229 A JPH09264229 A JP H09264229A JP 8083808 A JP8083808 A JP 8083808A JP 8380896 A JP8380896 A JP 8380896A JP H09264229 A JPH09264229 A JP H09264229A
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JP
Japan
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cam
fuel
sliding cylinder
rotation
reverse rotation
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Pending
Application number
JP8083808A
Other languages
English (en)
Inventor
Keizo Goto
敬造 後藤
Sadao Yoshihara
定男 吉原
Nobuyuki Kunihiro
信幸 國弘
Hisafumi Ayabe
久文 綾部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Priority to JP8083808A priority Critical patent/JPH09264229A/ja
Publication of JPH09264229A publication Critical patent/JPH09264229A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M59/00Pumps specially adapted for fuel-injection and not provided for in groups F02M39/00 -F02M57/00, e.g. rotary cylinder-block type of pumps
    • F02M59/02Pumps specially adapted for fuel-injection and not provided for in groups F02M39/00 -F02M57/00, e.g. rotary cylinder-block type of pumps of reciprocating-piston or reciprocating-cylinder type
    • F02M59/10Pumps specially adapted for fuel-injection and not provided for in groups F02M39/00 -F02M57/00, e.g. rotary cylinder-block type of pumps of reciprocating-piston or reciprocating-cylinder type characterised by the piston-drive
    • F02M59/102Mechanical drive, e.g. tappets or cams

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自己逆転式内燃機関において、正、逆転切り
換えの際のカム軸軸線方向の移動距離を短縮して正逆転
の切り換えを短時間にかつ円滑に行うとともに、カム軸
の全長が短縮され、機関の小型化がなされ、さらには正
逆転切換時におけるカムとローラとの局部的な接触によ
る不具合の発生が防止された燃料噴射時期調整装置を提
供する。 【解決手段】 自己逆転式内燃機関において、カム軸の
同一円周上に上記正転用カムと逆転用カムとを形成し、
上記摺動筒が嵌合されるカム軸箱の嵌合穴をカム軸心に
直角方向に長径とする長穴に形成して該長穴の内周と摺
動筒の外周との間に油室を設け、同油室内に作動油を給
排して上記摺動筒、すべり筒及びローラを、上記カム面
上をカム軸の軸直角方向に移動せしめて上記正転用カム
と逆転用カムとを選択的に当接可能に構成する。また、
すべり筒を吊り上げ180°回転せしめることにより正
逆転の切換えを行うように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自己逆転式内燃機
関特に自己逆転式大型ディーゼル機関の燃料調整装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】大型ディーゼル機関においては、各シリ
ンダの圧縮シム調整又は排気弁開閉時期調整により圧縮
比を適正値にした後、クランク軸正回転方向を基準に各
シリンダの燃料カム調整により燃料噴射時期の調整を行
い、定格負荷における各筒の筒内最高圧力を目標値に調
整している。そして、この時のクランク軸角度に対する
燃料噴射始め時期を基準燃料噴射始め時期として、燃料
カムをカム軸に固定している。この基準燃料噴射始め時
期は、クランク軸の逆転時においても同様であるが、燃
料カムがカム軸に固定されているため、正転時に調整さ
れた燃料カムを使用した際には、逆転時の燃料噴射始め
時期が大きく異なる。
【0003】従来はこの正、逆転時の基準燃料噴射始め
時期の相違を、正転用の燃料カムと逆転用の燃料カムの
2個のカムをカム軸の軸方向に並設してなる一体化燃料
カムを使用するとともに、自己逆転装置であるカム軸移
動装置を設け、カム軸及び燃料カムをその軸方向に移動
させて、正転時には正転用燃料カムを、逆転時には逆転
用燃料カムを使用して正、逆転時のクランク角度に対す
る基準燃料噴射始め時期が同一になるようにしている。
【0004】図11〜図13には従来の大型ディーゼル
機関用燃料調整装置の1例が示されている。図11にお
いて、210はカム軸、211は同カム軸210に固定
された燃料カム、220はカムローラであり、同カムロ
ーラ220は上記燃料カム211に接するとともに、す
べり筒221にカムローラピン222により回転自在に
組付けられている。230はすべり筒案内であり、上記
すべり筒221は、同すべり筒案内230によって上下
方向に摺動自在に案内されている。
【0005】231は上部金物であり、同上部金物23
1とすべり筒221との間にはばね223が挿入されて
おり、同ばね223によって上記カムローラ220を燃
料カム211に圧着している。240は公知の燃料ポン
プであり、同燃料ポンプ240に組み込まれたプランジ
ャー241は、上記すべり筒221に設けられたプラン
ジャー掛りに係合されている。
【0006】上記燃料ポンプ240は、上記カム軸21
0と共に回転する燃料カム211に沿って、カムローラ
220およびすべり筒221が、すべり筒案内230内
で上下運動を行い、同すべり筒221に係合されたプラ
ンジャー241を往復動させることにより作動せしめら
れる。
【0007】図15〜図17には、従来のディーゼル機
関における正、逆転時のクランク角度に対する燃料噴射
始め時期の作動調整機構が示されている。図15はカム
軸を軸線方向から視た断面図であり、図において、軸受
で支持されたカム軸101が回転することによって、カ
ム軸箱106をガイドにすべり筒104に組み込まれた
ローラ108を燃料カム102が押し上げ、すべり筒1
04の上端に当接している燃料ポンプのプランジャー1
11が追従し、燃料ポンプバレル110に設けられた燃
料吸排油穴109を完全に閉塞する。この位置がクラン
ク角度に対する燃料噴射始め時期となる。
【0008】図15は上記カム軸101を軸直角方向か
ら視た正転時における断面図であり、図16は、燃料カ
ム102の正転用燃料カム120がローラ108に接し
ており、プランジャー111が燃料ポンプバレル110
に設けられた燃料吸排油穴109を完全に閉塞した瞬間
であり、この時のクランク角度が正転時における燃料噴
射始め時期となる。
【0009】図17は逆転時を示し、図16に対してカ
ム軸101は図の右方へ移動し、同カム軸101が回転
していない状態で逆転用燃料カム121とローラ108
とが接している。この時に逆転時における燃料噴射始め
時期が、正転時の値と同一になるように逆転用燃料カム
121は正転用燃料カム120と回転方向にずらし(図
参照)かつカム軸101の軸方向にもずれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】船舶用ディーゼル主機
関においては、機関がプロペラ軸に直結されているとき
は、船舶の前進または後進時にはディーゼル機関をそれ
ぞれ正転または逆転させており、機関の回転方向に従っ
てそれぞれ適正な時期に燃料を供給する燃料調整装置が
必要である。図12には、上記ディーゼル機関における
正転用と逆転用の燃料カムの1例が示されている。図に
おいて211aは正転用燃料カム、211bは逆転用燃
料カムである。
【0011】図14には上記カム軸210の回転角θを
図12に示される正転方向にとったときの同カム軸回転
角θとローラ220のリフトhの関係の1例が示されて
いる。正転側はディーゼル機関の正転時に、逆転側はデ
ィーゼル機関の逆転時に使用され、それぞれのリフトh
の形はディーゼル機関の性能上の要求によって決定され
る。上記ディーゼル機関において、機関の正転および逆
転を効果的に実現するためには、図14に示されるよう
に、正転側と逆転側のリフトhの曲線が、カム軸回転各
θ1 +θ2 相当分、オーバラップさせる必要があること
はよく知られている。
【0012】かかるオーバラップがあるために、正転側
と逆転側の要求リフトhを1個の燃料カム211では達
成できず、正転用燃料カム211aと逆転用燃料カム2
11bとを組合せたものになっており、カム軸210を
軸方向に移動せしめて正、逆転の作動をなさしめてい
る。このため、正転用燃料カム211aと逆転用燃料カ
ム211bとの外郭はテーパ面12を介して滑らかに結
ばれている。
【0013】また上記機関においては、図13に示され
るように、正転時にはカム軸210を図の右方向(正転
矢印方向)に移動してカムローラ220が正転用燃料カ
ム211aに対応する位置220−aにくるように、逆
転時にはカム軸210を図の左方向(逆転矢印方向)に
移動してカムローラ220が逆転用燃料カム211bに
対応する位置220−bにくるようにして、ディーゼル
機関を正転または逆転させている。
【0014】従って、図11〜図14に示される従来の
燃料ポンプ駆動機構には次のような問題がある。
【0015】(1)カム軸210を軸方向に移動せしめ
て正転と逆転とを切り換えるための大がかりな装置が必
要である。
【0016】(2)カム軸210を軸方向に移動せしめ
て、正転と逆転とを切り換える際において、カムローラ
220の角部と燃料カム211のテーパ部とが、図13
のB点で示される傾斜部で点接触するため、同接触部に
むしれや条痕が発生する。
【0017】さらに加えて、図15〜図17のものにお
いては、次の問題点が重畳される。
【0018】(3)燃料カム102がカム軸101の軸
方向に正、逆転用の2個のカム120,121を並設一
体化して構成されているため、カム軸101の軸方向に
長い燃料カム102となり、加えて機関の正、逆転時に
おけるカム軸101の軸方向への移動距離分カム軸10
1がさらに長くなり、機関が大型化する。
【0019】(4)自己逆転機構付き大型ディーゼル機
関にあっては、上記のように正、逆転時におけるカム軸
101の軸方向移動距離が長くなると、正、逆転の移動
完了時間が長くなって、必要時間内での正逆転切換えの
完了が不可能となる恐れがある。
【0020】本発明の目的は、自己逆転式内燃機関にお
いて、正、逆転カム切り換えの際のカム軸軸線方向の移
動距離を短縮して正逆転の切り換えを短時間にかつ円滑
に行うとともに、カム軸の全長が短縮され、かつ構造が
簡単で機関の小型化がなされ、さらには正、逆転切換時
におけるカムとローラとの局部的な接触の発生が防止さ
れた燃料噴射時期調整装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するものであって、その要旨とする第1の手段は、1
本のカム軸に正転用カムと逆転用カムとを設け、双方の
カムと摺動筒内に嵌合され燃料ポンプのプランジャーに
連動されるすべり筒のローラとの接触位置を変えて、正
転と逆転とを使い分けるようにした自己逆転式内燃機関
において、上記カム軸の同一円周上に上記正転用カムと
逆転用カムとを形成し、上記摺動筒が嵌合されるカム軸
箱の嵌合穴をカム軸心に直角方向を長径とする長穴に形
成して同長穴の内周と摺動筒の外周との間に油室を設
け、同油室内に作動油を給排して上記摺動筒、すべり筒
及びローラを、上記カム面上をカム軸の軸直角方向に移
動せしめて上記正転用カムと逆転用カムとを選択的に当
接可能に構成したことを特徴とする自己逆転式内燃機関
の燃料調整装置にある。
【0022】上記手段によれば、正転時におけるクラン
ク角度に対する基準燃料噴射始め時期は、正転用カムの
上り面に、すべり筒のローラが接触した状態でカム軸が
正転方向に回転し、油室内をカム軸の軸直角方向に移動
可能にされた摺動筒を作動油の圧力により正転時の適正
位置に固定し、同摺動筒を案内としてすべり筒及びロー
ラが上方に上がる時、燃料ポンプバレルの吸排油穴をプ
ランジャーが完全に閉塞した瞬間を正転時のクランク角
度に対する基準燃料噴射始め時期として設定する。
【0023】又逆転時におけるクランク角度に対する基
準燃料噴射始め時期は、正転用カムと同一円周上に連続
して配置された逆転用カムの上り面に、すべり筒のロー
ラが接触した状態でカム軸が逆転方向に回転し、すべり
筒及びローラが上方に上がる時、燃料ポンプバレルの吸
排油穴をプランジャーにて完全に閉塞した瞬間のクラン
ク角度が、正転時と同一角度になるように、上記摺動筒
を燃料カムのトップが真上に来た時の同燃料カムトップ
位置でのカム軸逆転接触方向とは逆方向に移動せしめて
調整する。
【0024】従って、上記手段によれば、カム軸の同一
円周上に正転用カムと逆転用カムとを設けてすべり筒及
びローラを案内する摺動筒をカム軸の軸直角方向つまり
円周方向線の方向に移動せしめて正転用カム及び逆転用
カムとローラとの接触を切り換えるので、正転から逆転
に切り換える際の移動距離が短く、かつカム軸を長手方
向に移動させることを要しないので装置の全長が大幅に
短縮される。
【0025】また、第2の手段は、上記自己逆転式内燃
機関において、上記すべり筒は、上記燃料ポンプの中心
廻りに回転可能にされるとともに、同すべり筒に支持さ
れるローラの軸心を上記燃料ポンプの中心に対して偏心
して構成され、上記すべり筒を燃料カムのリフト以上の
位置に吊り上げる吊り上げ手段と、同すべり筒を吊り上
げ状態にて少なくとも180°回転せしめる回転手段と
を備えたことにある。
【0026】上記第2の手段によれば、正転時から逆転
時への切り換え時(あるいはその逆方向への切換え時)
には、吊り上げ手段によってすべり筒及びこれに支持さ
れたローラを燃料カムのリフト以上の位置まで持ち上げ
る。
【0027】そして、回転手段によって同すべり筒を持
ち上げたままの状態で180°回転せしめた後、ローラ
が燃料カムの対称となるカム面即ち逆転側のカム面上に
きたとき、吊り上げ手段の吊り上げを解除し、ローラを
燃料カム上に載せる。
【0028】これにより、すべり筒を持ち上げて180
°回転せしめるのみで正転と逆転との切換えができるた
め、燃料カムは1個で足りるとともにカム軸の移動を要
さず、従来のもののような大がかりなカム軸移動手段が
不要となり、構造が著しく簡単かつ小型化される。
【0029】また正逆転の切換え時に吊り上げ手段です
べり筒及びローラをリフト以上の上方位置に持ち上げ、
ローラと燃料カムのカム面とが接触することなく、正逆
転の切換えができるので、カム面のむしれや条痕の発生
が防止される。
【0030】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
形態を詳細に説明する。図1には本発明の実施の第1の
形態に係る自己逆転式大型ディーゼル機関の燃料噴射時
期調整装置のカム軸軸心線に沿う断面図、図1には図1
のZ−Z線に沿う断面図のうち正転時における作動状態
図、図3には逆転時における作動状態図、図4には図2
のA−A断面図、図5には図3のB−B断面図が夫々示
されている。
【0031】図1〜図5において、1は機関のクランク
軸(図示せず)に連動されるカム軸、2は同カム軸1に
圧入又は焼ばめにて固着された燃料カム、6はカム軸
箱、3は同カム軸箱6に嵌合された円筒状の摺動筒、1
0は燃料ポンプのポンプバレル、11は同ポンプバレル
10内に摺動自在に嵌合されたプランジャーである。
【0032】上記摺動筒3は、図4〜図5に示されるよ
うに、カム軸箱6に穿設された長穴31内にカム軸1の
軸直角方向即ち燃料カム2のカム面の方向に移動可能に
嵌合されている。
【0033】また、上記摺動筒3の外周面とカム軸箱6
の長穴31の内周面との間隙部には油室32が形成さ
れ、同油室32の両側には作動油を導入するための油入
口33a,33bが設けられている。5,7は上記摺動
筒3の下部つば面及び上部つば面とカム軸箱6との間に
介装された油室32内の作動油シール用のOリングであ
る。
【0034】また上記燃料カム2は、図2に示されるよ
うに、カム軸中心1aの一方側に正転用カム18が、ま
た図3に示されるように、他方側に逆転用カム19が円
周方向において同一面上に形成されてなる。
【0035】4は上記摺動筒3内に往復摺動自在に嵌合
されたすべり筒であり、同すべり筒4にはローラ8が回
転自在に軸支されている。同ローラ8は上記燃料カム2
のカム面に転接されており、上記燃料カム2によりロー
ラ8がリフトされると、これを支える摺動筒4及び同摺
動筒4の上端面に当接されるプランジャー11がポンプ
バレル10内を上方に摺動してポンプ室30内の油を送
出するようになっている。
【0036】次に上記のように構成された燃料噴射時期
調整装置の動作を説明する。図2及び図4は機関の正転
時における摺動筒3の水平方向位置、及びすべり筒4に
軸支されたローラ8と燃料カム2とが接触した状態にお
いて、燃料ポンプのプランジャー11で燃料の吸排油穴
9が完全に閉塞された状態を示す。この状態が正転時に
おける燃料の噴射始めである。
【0037】かかる正転時には、図2,図4に示される
ように、正転側への摺動筒移動用の作動油が油入口33
aから油室32内に入り、摺動筒3をカム軸箱6に油圧
にて押し付けると同時に摺動筒3の反対側の油入口33
bから逆転時に送油された作動油が送出される。このと
きの摺動筒3の位置が正転時の位置となる。
【0038】このとき、正転用カム18の上り面とロー
ラ8とが接触し、カム軸1が正回転方向に回転している
状態においてすべり筒4が上昇することにより燃料ポン
プのプランジャー11で燃料吸排油穴9が閉塞される。
同吸排油穴9が完全に閉塞された瞬間の位置が、正転時
における適正なクランク角度に対する燃料噴射始め時期
となるように、上記燃料カム2がカム軸1に固定され
る。
【0039】図3及び図5は、機関の逆転時における摺
動筒3の水平方向位置、及びすべり筒4に軸支されたロ
ーラ8と燃料カム2とが接触した状態において燃料ポン
プのプランジャー11で燃料の吸排油穴9が完全に閉塞
された状態を示す。この状態が逆転時における燃料噴射
始めである。
【0040】かかる逆転時には逆転側への摺動筒移動用
の作動油が、油入口33bから摺動筒3をカム軸箱6に
油圧にて押し付けると同時に摺動筒3の反対側の油入口
33aから正転時に送油された作動油が送出される。こ
のときの摺動筒3の位置が逆転時の位置となる。
【0041】このとき、逆転用燃料カム上り面とローラ
8とが接触しカム軸1が逆回転している状態においてす
べり筒4が上昇することにより燃料ポンプのプランジャ
ー11で燃料吸排油穴9が閉塞される。同吸排油穴9が
完全に閉塞された瞬間の位置でのクランク角度が、正転
時において上記プランジャー11で上記吸排油穴9を完
全に閉塞した瞬間の位置でのクランク角度と同一になる
ように摺動筒3の水平移動位置が決められる。
【0042】図6〜図8には本発明の実施の第2形態に
係る自己逆転式大型ディーゼル機関の燃料ポンプ駆動装
置が示されている。即ち、図6〜図8はそのカム軸軸心
線に直角で燃料ポンプの中心線に沿う断面図であり、図
6は機関の正転時、図7は逆転時、図8は正転から逆転
へ、あるいは逆転から正転への切り換え時を示す。
【0043】図6〜図8において、310はカム軸、3
11は燃料カム、320はローラ、321はすべり筒、
322はローラピンである。上記ローラ320は、上記
すべり筒321に上記ローラピン322により回転自在
に組付けられるとともに、同すべり筒321の中心37
1とローラ320の回転中心372とはeR だけ偏心し
ている。eO は上記すべり筒321の中心371と燃料
カム311の回転中心373との偏心距離である。
【0044】従って燃料カムの回転中心373とローラ
320の回転中心372との距離e 1 =eR +eo とな
り、上記ローラ320が燃料カム基円313上のリフト
開始点Pに接するときの角度θが、既に図14における
θ1 に等しくなるように上記偏心量を設定する。
【0045】上記すべり筒321は、すべり筒案内33
1内に摺動自在に嵌合されているとともに、ばね323
により上記燃料カム311側に押し付けられている。ま
た、上記すべり筒321にはプランジャー掛り324、
スプライン軸325、及び吊上げカラー326が形成さ
れている。331は上部金物、332は同上部金物33
1に嵌着された回転金物案内である。350は回転金物
であり、同回転金物350には、その回転軸心に沿って
内部に雌スプライン351が形成されており、上記すべ
り筒321のスプライン軸325と噛み合っている。
【0046】352は上記回転金物350の上部軸受で
あり、上記回転金物350はこの上部軸受352及び回
転金物案内332によって、回転自在にかつ上下方向に
は移動が拘束されている。上記回転金物350は上記ば
ね323により上記回転金物案内332に押し付けられ
ている。353は上記回転金物350の外周に設けられ
た歯車であり、回転方向管制棒354に形成されたラッ
ク355に噛み合っている。上記回転方向管制棒354
は、その軸方向に摺動自在に、上記すべり筒案内330
に嵌合されている。
【0047】360は吊上げ棒であり、吊上げカラー3
26の外側に複数個設けられ、吊上げ棒60はそれぞれ
すべり筒案内330に設けられた吊上げ棒案内333に
より上下方向に移動自在に案内されている。上記吊上げ
棒360の端部にはピン軸361が設けられ同ピン軸3
61は転がり軸受362に嵌合している。
【0048】上記吊上げ棒360は公知の油圧ジャッキ
370等の駆動手段に連結されていて、同油圧ジャッキ
370にて上記吊上げ棒360を吊上げると、転がり軸
受362の外周が吊上げカラー326に掛り、上記ばね
323の弾力に抗して上記すべり筒321が吊上げられ
るようになっている。上記油圧ジャッキ370の吊上げ
力は上記ばね323の弾力よりも大きくなるように設定
されている。340は燃料ポンプ、341はこれのプラ
ンジャーであり、上記すべり筒321のプランジャー掛
りに係合されている。
【0049】図7には図6に示される燃料ポンプ駆動機
構を備えた機関を逆転する場合が示され、図において、
すべり筒321は、図6に示す正転時から180°回転
した位置関係にある。偏心距離e2 =eR −eO は、逆
転時のローラ320がカム基円313上のリフト開始点
Pに接する時の角度θが図14におけるθ2 に等しくな
るように設定される。
【0050】上記実施形態において、例えば、図6に示
される正転時から図7に示される逆転時に燃料ポンプ駆
動機構を切り換える際には、油圧ジャッキ370により
吊上げ棒360を上方に移動せしめると転がり軸受36
2を介してすべり筒321が上方に持ち上げられる。
【0051】次いで、回転方向管制棒354をその軸方
向に移動させることにより、これと噛み合っている回転
金物350、及び同回転金物350とスプライン351
にて結合されている上記すべり筒321を180°回転
せしめて、油圧ジャッキ370を解放し、すべり筒32
1を降ろしてローラ320をカム311に接触させる。
これにより、すべり筒321及びローラ320と燃料カ
ム311との関係は図7に示される逆転位置となる。
【0052】上記のように、正転位置からすべり筒32
1を180°回転させるとローラ320の位置は燃料ポ
ンプ中心371から正転位置とは反対方向にerの位置
にくる。これをカム軸中心373から見るとe2 =eR
−eO の位置となる。
【0053】また、上記すべり筒321を180°回転
させることによって燃料カム311のリフト曲線が図1
0に示される従来の燃料カムのリフト曲線と同一のリフ
ト曲線になるように燃料カム311のプロフィルを創成
することができる。
【0054】図10は、本発明の上記実施形態に係る燃
料カム311とローラ320との位置関係を正転につい
て示したものである。図10において、カム軸310の
正転方向の回転角をθとすると、320−cは正転時の
ローラ320の位置、320−dは逆転時のローラ32
0の位置を示す。320−c位置にあるときのローラ3
20の中心軸372は、すべり筒321によって横方向
への移動が拘束されている。カムローラ位置320−c
が燃料カム311の基円313に接して、リフトが始ま
る燃料カム11の点をPとする。同燃料カム311の回
転中心軸373とカムローラー中心軸372との偏心距
離e1 は上記時点での角度θ1 が図9に示される角θ1
に等しくなるようにしている。
【0055】上記燃料カム311は点Pを起点に、角度
θだけ回転したときのカムローラ20の上昇過程でのリ
フトhが図9に示す従来のもののリフト(h)特性に等
しくなるように創成すると、図7の実線が正転時、破線
が逆転時のリフト曲線となり、1個のカムで、燃料ポン
プの使用範囲が従来の正転用カムと逆転用カムとのリフ
ト曲線と同一にすることができる。
【0056】図8には図6と図7の中間の状態、即ち、
図6の正転位置からすべり筒321及びローラ320を
持ち上げ、図7の逆転位置に移そうとする時点における
すべり筒321及びローラ320と燃料カム311との
関係が示されている。
【0057】この図に明らかなように、正転から逆転へ
の移動中には、ローラ320は燃料カム311のカム面
よりも上方にあり、かつその中心372がカム中心軸3
73と平行でない位置にあるので、正転から逆転(ある
いはその逆の方向)切換え中にローラ320と燃料カム
311とが接触することはなく、従ってカム面にむしれ
や条痕の発生をみることも無い。
【0058】尚上記実施形態における回転方向管制棒3
54と回転金物350との係合は、同管制棒354にウ
オームを、回転金物350にウオームギヤを設けて係合
してもよい。
【0059】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており請
求項1の発明によれば、カム軸の同一円周上に正転用カ
ムと逆転用カムとを設けて、すべり筒及びローラを案内
する摺動筒をカム軸の軸直角方向つまり円周方向線の方
向に移動せしめて正転用カム及び逆転用カムとローラと
の接触を切り換えるので、正転から逆転に切り換える際
の移動距離が短く従って移動時間も短く(従来のものの
約1/1.5)かつカム軸を長手方向に移動させことを
要しないので、燃料カムの幅が従来のものよりも大幅に
小さくなり(従来のものの約1/3)、これによってカ
ム軸の全長が大幅に短縮され、機関の小型化が実現でき
る。
【0060】また請求項2の発明によれば、すべり筒を
持ち上げて180°回転せしめるのみで正、逆転の切換
えができるので、1個の燃料カムで正、逆転の併用が可
能となり、従来のもののような大がかりなカム軸の移動
手段が不要となり、構造が小型コンパクト化され、低コ
ストの装置を得ることができる。
【0061】さらに、すべり筒及びローラを燃料カムの
リフト以上に吊り上げて正逆転の切換えを行うので、カ
ム面へのローラの無視な接触によりカム面にむしれや条
痕の発生をみるという不具合が回避され、耐久性の高い
装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態に係る自己逆転式大型
ディーゼル機関の燃料調整装置のカム軸心線に沿う断面
図。
【図2】図1のZ−Z線断面図で、正転時を示す図。
【図3】図1のZ−Z線断面図で、逆転時を示す図。
【図4】図2のA−A線断面図。
【図5】図3のB−B線断面図。
【図6】本発明の実施の第2形態に係る燃料調整装置の
カム軸直角方向の断面図。(正転時)
【図7】図6に対応する逆転時の図。
【図8】図6に対応する正、逆転切換え中の図。
【図9】上記第2形態における作用説明図。
【図10】上記第2形態におけるカムリフト線図。
【図11】従来の燃料調整装置を示す図6応当図。
【図12】図11に示す従来のものの作用説明図。
【図13】図12のW−W線矢視図。
【図14】図11に示す従来のもののカムリフト曲線。
【図15】従来の燃料噴射時期調整装置を示す図1応当
図。
【図16】図15のY−Y線断面図。(正転)
【図17】図15のY−Y線断面図。(逆転)
【符号の説明】
1,310 カム軸 2,311 燃料カム 3,321 摺動筒 4 すべり筒 6 カム軸箱 8,320 ローラ 9 燃料吸排油穴 10 燃料ポンプバレル 11,341 プランジャー 18 正転用カム 19 逆転用カム 31 長穴 32 油室 33a,33b 油入口 323 ばね 350 回転金物 354 回転方向管制棒 360 吊上げ棒 362 転がり軸受
フロントページの続き (72)発明者 綾部 久文 長崎市大谷町3番5号 株式会社菱研テッ ク内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1本のカム軸に正転用カムと逆転用カム
    とを設け、双方のカムと摺動筒内に嵌合され燃料ポンプ
    のプランジャーに連動されるすべり筒のローラとの接触
    位置を変えて、正転と逆転とを使い分けるようにした自
    己逆転式内燃機関において、上記カム軸の同一円周上に
    上記正転用カムと逆転用カムとを形成し、上記摺動筒が
    嵌合されるカム軸箱の嵌合穴をカム軸心に直角方向を長
    径とする長穴に形成して同長穴の内周と摺動筒の外周と
    の間に油室を設け、同油室内に作動油を給排して上記摺
    動筒、すべり筒及びローラを、上記カム面上をカム軸の
    軸直角方向に移動せしめて上記正転用カムと逆転用カム
    とを選択的に当接可能に構成したことを特徴とする自己
    逆転式内燃機関の燃料調整装置。
  2. 【請求項2】 カム軸に設けた燃料カムと摺動筒内に嵌
    合され燃料ポンプのプランジャーに連動されるすべり筒
    のローラとの接触位置を変えて、正転と逆転とを使い分
    けるようにした自己逆転式内燃機関において、上記すべ
    り筒は、上記燃料ポンプの中心廻りに回転可能にされる
    とともに、同すべり筒に支持されるローラの軸心を上記
    燃料ポンプの中心に対して偏心して構成され、上記すべ
    り筒を燃料カムのリフト以上の位置に吊り上げる吊り上
    げ手段と、同すべり筒を吊り上げ状態にて少なくとも1
    80°回転せしめる回転手段とを備えたことを特徴とす
    る自己逆転式内燃機関の燃料調整装置。
JP8083808A 1996-01-22 1996-04-05 自己逆転式内燃機関の燃料調整装置 Pending JPH09264229A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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