JPH09263873A - 耐摩耗性にすぐれる黒鉛晶出ハイス系鋳鉄材 - Google Patents
耐摩耗性にすぐれる黒鉛晶出ハイス系鋳鉄材Info
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- JPH09263873A JPH09263873A JP7587096A JP7587096A JPH09263873A JP H09263873 A JPH09263873 A JP H09263873A JP 7587096 A JP7587096 A JP 7587096A JP 7587096 A JP7587096 A JP 7587096A JP H09263873 A JPH09263873 A JP H09263873A
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- Japan
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 圧延用複合ロールの外層材として使用される
黒鉛晶出ハイス系鋳鉄材について、耐摩耗性の向上を図
る。 【解決手段】 本発明のハイス系鋳鉄材は、重量％に
て、Ｃ：２.０〜３.６％、Ｓｉ：１.５〜３.５％、Ｍ
ｎ：０.１〜２.０％、Ｎｉ：０.１〜１０.０％、Ｃｒ：
２.０〜７.０％、Ｍｏ：０.１〜５.０％、Ｗ：０.１〜
５.０％、Ｔａ：０.１〜３.０％、Ｖ、Ｎｂの一種又は
二種を合計量で１.５〜５.０％、残部実質的にＦｅから
なり、必要に応じて、Ｃｏ：１０.０％以下を含めるこ
とができる。
黒鉛晶出ハイス系鋳鉄材について、耐摩耗性の向上を図
る。 【解決手段】 本発明のハイス系鋳鉄材は、重量％に
て、Ｃ：２.０〜３.６％、Ｓｉ：１.５〜３.５％、Ｍ
ｎ：０.１〜２.０％、Ｎｉ：０.１〜１０.０％、Ｃｒ：
２.０〜７.０％、Ｍｏ：０.１〜５.０％、Ｗ：０.１〜
５.０％、Ｔａ：０.１〜３.０％、Ｖ、Ｎｂの一種又は
二種を合計量で１.５〜５.０％、残部実質的にＦｅから
なり、必要に応じて、Ｃｏ：１０.０％以下を含めるこ
とができる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧延用複合ロール
の外層材として好適な黒鉛晶出ハイス系鋳鉄材に関す
る。
の外層材として好適な黒鉛晶出ハイス系鋳鉄材に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】圧延用複合ロールの外層材として使用さ
れている従来の黒鉛晶出ハイス系鋳鉄材は、Ｃｒ、Ｍ
ｏ、Ｖ、Ｎｂ、Ｗ等の如く複合炭化物を形成する元素を
含有している(例えば、特開平６−２５６８８９号公報
参照)。この鋳鉄材は、黒鉛と複合炭化物が晶出した組
織を有しており、黒鉛の作用による低摩擦係数及び良好
な耐焼付性と、炭化物の存在による高耐摩耗性を具備し
ている。しかし、操業条件の苛酷化に伴ない、さらに高
耐摩耗性を備えた材料が要請されている。
れている従来の黒鉛晶出ハイス系鋳鉄材は、Ｃｒ、Ｍ
ｏ、Ｖ、Ｎｂ、Ｗ等の如く複合炭化物を形成する元素を
含有している(例えば、特開平６−２５６８８９号公報
参照)。この鋳鉄材は、黒鉛と複合炭化物が晶出した組
織を有しており、黒鉛の作用による低摩擦係数及び良好
な耐焼付性と、炭化物の存在による高耐摩耗性を具備し
ている。しかし、操業条件の苛酷化に伴ない、さらに高
耐摩耗性を備えた材料が要請されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐摩
耗性にすぐれる黒鉛晶出ハイス系鋳鉄材を提供すること
である。
耗性にすぐれる黒鉛晶出ハイス系鋳鉄材を提供すること
である。
【０００４】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の黒鉛晶出ハイス系鋳鉄材は、重量％にて、
Ｃ：２.０〜３.６％、Ｓｉ：１.５〜３.５％、Ｍｎ：
０.１〜２.０％、Ｎｉ：０.１〜１０.０％、Ｃｒ：２.
０〜７.０％、Ｍｏ：０.１〜５.０％、Ｗ：０.１〜５.
０％、Ｔａ：０.１〜３.０％、Ｖ、Ｎｂの一種又は二種
を合計量で１.５〜５.０％、残部実質的にＦｅからな
る。本発明の鋳鉄材は、Ｃｒ、Ｍｏ、Ｗ、Ｔａ、Ｎｂ、
Ｖ、Ｆｅ及びＣが相互に結合した高硬度の複合炭化物が
基地中に存在しており、常温及び高温における硬度が高
く、耐摩耗性にすぐれている。種々の炭化物形成元素の
中で、特に、Ｔａを含有したことに最大の特徴を有して
おり、Ｔａは高硬度のＭＣ型炭化物を形成するが、一部
は基地中に固溶してその二次硬化作用により耐摩耗性が
飛躍的に向上する。本発明の鋳鉄材は、組織中に黒鉛を
面積率で０.１〜７％晶出しており、この黒鉛の作用に
より、衝撃荷重が緩和されると共にクラックの進展が阻
止され、また摩擦係数の低減や耐焼付性が向上する。
め、本発明の黒鉛晶出ハイス系鋳鉄材は、重量％にて、
Ｃ：２.０〜３.６％、Ｓｉ：１.５〜３.５％、Ｍｎ：
０.１〜２.０％、Ｎｉ：０.１〜１０.０％、Ｃｒ：２.
０〜７.０％、Ｍｏ：０.１〜５.０％、Ｗ：０.１〜５.
０％、Ｔａ：０.１〜３.０％、Ｖ、Ｎｂの一種又は二種
を合計量で１.５〜５.０％、残部実質的にＦｅからな
る。本発明の鋳鉄材は、Ｃｒ、Ｍｏ、Ｗ、Ｔａ、Ｎｂ、
Ｖ、Ｆｅ及びＣが相互に結合した高硬度の複合炭化物が
基地中に存在しており、常温及び高温における硬度が高
く、耐摩耗性にすぐれている。種々の炭化物形成元素の
中で、特に、Ｔａを含有したことに最大の特徴を有して
おり、Ｔａは高硬度のＭＣ型炭化物を形成するが、一部
は基地中に固溶してその二次硬化作用により耐摩耗性が
飛躍的に向上する。本発明の鋳鉄材は、組織中に黒鉛を
面積率で０.１〜７％晶出しており、この黒鉛の作用に
より、衝撃荷重が緩和されると共にクラックの進展が阻
止され、また摩擦係数の低減や耐焼付性が向上する。
【０００５】本発明の鋳鉄材は、必要に応じて、Ｃｏ：
１０.０％以下を含むことができる。Ｃｏの含有によ
り、基地が強化される。
１０.０％以下を含むことができる。Ｃｏの含有によ
り、基地が強化される。
【０００６】
Ｃ：２.０〜３.６％ Ｃは、主としてＦｅ及びＣｒと結合してＭ7Ｃ3型の高硬
度複合炭化物を形成すると共に、Ｍｏ、Ｖ、Ｎｂ、Ｗな
どと結合して、ＭＣ型、Ｍ6Ｃ型、Ｍ2Ｃ型等の高硬度複
合炭化物を形成する。また、後述の黒鉛化促進元素であ
るＳｉの作用により、また熱処理により微細な黒鉛とな
って組織中に晶出・析出する。２.０％に満たないと炭
化物量が減少すると共に好適な黒鉛量が得られなくな
り、一方含有量が３.６％を超えると炭化物量及び黒鉛
量が過多となり、材質が脆くなるため、Ｃの含有量は、
２.０〜３.６％に規定する。
度複合炭化物を形成すると共に、Ｍｏ、Ｖ、Ｎｂ、Ｗな
どと結合して、ＭＣ型、Ｍ6Ｃ型、Ｍ2Ｃ型等の高硬度複
合炭化物を形成する。また、後述の黒鉛化促進元素であ
るＳｉの作用により、また熱処理により微細な黒鉛とな
って組織中に晶出・析出する。２.０％に満たないと炭
化物量が減少すると共に好適な黒鉛量が得られなくな
り、一方含有量が３.６％を超えると炭化物量及び黒鉛
量が過多となり、材質が脆くなるため、Ｃの含有量は、
２.０〜３.６％に規定する。
【０００７】Ｓｉ：１.５〜３.５％ Ｓｉは、湯流れ性の確保及び黒鉛を晶出・析出させるた
めに必要な元素である。含有量が１.５％に満たない
と、所望の効果が得られない。一方、３.５％を超える
と黒鉛量が過多となり、黒鉛を起点とする摩耗が著しく
なる虞れがある。このため、含有量は１.５〜３.５％に
規定する。なお、黒鉛の晶出を促進するには、鋳込み前
のＳｉ量を上記成分範囲よりも少なめにしておいて、鋳
込み時に接種を行ない、最終製品の成分で上記範囲内に
調整するのが好ましい。
めに必要な元素である。含有量が１.５％に満たない
と、所望の効果が得られない。一方、３.５％を超える
と黒鉛量が過多となり、黒鉛を起点とする摩耗が著しく
なる虞れがある。このため、含有量は１.５〜３.５％に
規定する。なお、黒鉛の晶出を促進するには、鋳込み前
のＳｉ量を上記成分範囲よりも少なめにしておいて、鋳
込み時に接種を行ない、最終製品の成分で上記範囲内に
調整するのが好ましい。
【０００８】Ｍｎ：０.１〜２.０％ Ｍｎは、硬化能を増す働きがある。また、Ｓと結合して
ＭｎＳを生成し、Ｓによる脆化を防止するのに有効な元
素である。一方、含有量が多くなりすぎると靱性の低下
を招くため、含有量は０.１〜２.０％に規定する。
ＭｎＳを生成し、Ｓによる脆化を防止するのに有効な元
素である。一方、含有量が多くなりすぎると靱性の低下
を招くため、含有量は０.１〜２.０％に規定する。
【０００９】Ｎｉ：０.１〜１０.０％ Ｎｉは、基地組織の改良と黒鉛を晶出・析出させる目的
で添加する。含有量が０.１％に満たないとその効果は
少ない。一方、１０.０％を超えると、Ｓｉの場合と同
様、黒鉛が過多となり、また、残留オーステナイトが増
加して、後の熱処理によって強靭組織を得ることが難し
くなり、耐摩耗性が劣化する。このため、含有量は、
０.１〜１０.０％に規定する。
で添加する。含有量が０.１％に満たないとその効果は
少ない。一方、１０.０％を超えると、Ｓｉの場合と同
様、黒鉛が過多となり、また、残留オーステナイトが増
加して、後の熱処理によって強靭組織を得ることが難し
くなり、耐摩耗性が劣化する。このため、含有量は、
０.１〜１０.０％に規定する。
【００１０】Ｃｒ：２.０〜７.０％ Ｃｒは、Ｆｅ、Ｍｏ、Ｎｂ、Ｗなどと共にＣと結合し
て、高硬度複合炭化物を形成し高温における耐摩耗性の
向上に寄与する。含有量が２.０％に満たないとその効
果が少なく、一方７.０％を超えると好適な黒鉛量を得
ることが困難となる。このため、含有量は２.０〜７.０
％に規定する。
て、高硬度複合炭化物を形成し高温における耐摩耗性の
向上に寄与する。含有量が２.０％に満たないとその効
果が少なく、一方７.０％を超えると好適な黒鉛量を得
ることが困難となる。このため、含有量は２.０〜７.０
％に規定する。
【００１１】Ｍｏ：０.１〜５.０％ Ｍｏは、Ｆｅ、Ｃｒ、Ｎｂ、Ｗと共にＣと結合して、主
としてＭ7Ｃ型、Ｍ6Ｃ型、Ｍ2Ｃ型の複合炭化物を形成
し、常温及び高温硬度を高めて耐摩耗性の向上に寄与す
る。このため、少なくとも０.１％以上含有させる。一
方、あまりに多く含有すると、所定の黒鉛量を得ること
が困難になる。このため、上限は５.０％に規定する。
なお、Ｍｏは後記するＷに比較して、少量添加でその効
果を発揮する特徴がある。
としてＭ7Ｃ型、Ｍ6Ｃ型、Ｍ2Ｃ型の複合炭化物を形成
し、常温及び高温硬度を高めて耐摩耗性の向上に寄与す
る。このため、少なくとも０.１％以上含有させる。一
方、あまりに多く含有すると、所定の黒鉛量を得ること
が困難になる。このため、上限は５.０％に規定する。
なお、Ｍｏは後記するＷに比較して、少量添加でその効
果を発揮する特徴がある。
【００１２】Ｗ：０.１〜５.０％ Ｗも同様に、Ｆｅ、Ｃｒ、Ｍｏ、Ｎｂと共にＣと結合し
て、複合炭化物を形成し、常温及び高温硬度を高めて耐
摩耗性の向上に寄与する。このため、少なくとも０.１
％以上含有させる。一方、あまりに多く含有すると、所
定の黒鉛量を得ることが困難になる。このため、上限は
５.０％に規定する。
て、複合炭化物を形成し、常温及び高温硬度を高めて耐
摩耗性の向上に寄与する。このため、少なくとも０.１
％以上含有させる。一方、あまりに多く含有すると、所
定の黒鉛量を得ることが困難になる。このため、上限は
５.０％に規定する。
【００１３】Ｔａ：０.１〜３.０％ Ｔａは、Ｃと結合して、高硬度のＭＣ型炭化物を形成す
ると共に、一部は基地中に固溶し、二次硬化能を増大さ
せて硬度を高め、耐摩耗性の向上に寄与する。含有量が
０.１％に満たないとこれらの効果が十分でなく、ま
た、３.０％を超えて含有しても対応する効果が得られ
ず、好適な黒鉛量を得ることが困難になる。このため、
含有量は０.１〜３.０％に規定する。
ると共に、一部は基地中に固溶し、二次硬化能を増大さ
せて硬度を高め、耐摩耗性の向上に寄与する。含有量が
０.１％に満たないとこれらの効果が十分でなく、ま
た、３.０％を超えて含有しても対応する効果が得られ
ず、好適な黒鉛量を得ることが困難になる。このため、
含有量は０.１〜３.０％に規定する。
【００１４】Ｖ、Ｎｂ：一種又は二種を合計量で１.５
〜５.０％ ＶとＮｂは、Ｆｅ、Ｃｒ、Ｍｏ、Ｗと共にＣと結合し
て、主としてＭＣ型の炭化物を形成し、常温及び高温硬
度を高めて耐摩耗性の向上に寄与する。また、このＭＣ
型炭化物は、厚さ方向に枝状に生成し、基地の塑性変形
を抑制するから、機械的性質、さらには耐クラック性の
向上にも寄与する。このため、Ｖ及び／又はＮｂを１.
５％以上含有させる。一方、あまりに多く含有すると、
炭化物が偏析を起こし易くなり、所定の黒鉛量を得るこ
とが難しくなる。このため、Ｖ及び／又はＮｂの上限は
５.０％に規定する。
〜５.０％ ＶとＮｂは、Ｆｅ、Ｃｒ、Ｍｏ、Ｗと共にＣと結合し
て、主としてＭＣ型の炭化物を形成し、常温及び高温硬
度を高めて耐摩耗性の向上に寄与する。また、このＭＣ
型炭化物は、厚さ方向に枝状に生成し、基地の塑性変形
を抑制するから、機械的性質、さらには耐クラック性の
向上にも寄与する。このため、Ｖ及び／又はＮｂを１.
５％以上含有させる。一方、あまりに多く含有すると、
炭化物が偏析を起こし易くなり、所定の黒鉛量を得るこ
とが難しくなる。このため、Ｖ及び／又はＮｂの上限は
５.０％に規定する。
【００１５】Ｃｏ：１０.０％以下 本発明の鋳鉄材は、必要に応じてＣｏを含有することが
できる。Ｃｏは、基地を改善する上で大きな効果があ
る。ＣｏはＣの拡散を抑制する特殊な作用があり、炭化
物形成には無関係に基地に固溶して強靭性を増すと共
に、硬度を高めて耐摩耗性の向上に寄与する。また、Ｃ
ｏは炭化物生成元素のオーステナイト中への固溶量を増
大させるため、基地の硬度と焼戻し抵抗が増大する。し
かし、１０.０％を超えて含有してもその効果は飽和
し、経済的に不利である。このため、必要に応じて含有
させる場合でも、上限は１０.０％とする。
できる。Ｃｏは、基地を改善する上で大きな効果があ
る。ＣｏはＣの拡散を抑制する特殊な作用があり、炭化
物形成には無関係に基地に固溶して強靭性を増すと共
に、硬度を高めて耐摩耗性の向上に寄与する。また、Ｃ
ｏは炭化物生成元素のオーステナイト中への固溶量を増
大させるため、基地の硬度と焼戻し抵抗が増大する。し
かし、１０.０％を超えて含有してもその効果は飽和
し、経済的に不利である。このため、必要に応じて含有
させる場合でも、上限は１０.０％とする。
【００１６】本発明のハイス系鋳鉄材は上記成分を含有
し、残部はＦｅ及び不可避的に混入する不純物で形成さ
れる。例えば、Ｐ、Ｓは原料より不可避的に混入する
が、材質を脆くするので少ない程好ましく、Ｐ：０.２
％以下、Ｓ：０.１％以下にするのがよい。
し、残部はＦｅ及び不可避的に混入する不純物で形成さ
れる。例えば、Ｐ、Ｓは原料より不可避的に混入する
が、材質を脆くするので少ない程好ましく、Ｐ：０.２
％以下、Ｓ：０.１％以下にするのがよい。
【００１７】
【発明の実施の形態】本発明のハイス系鋳鉄材は、外層
が中実状内層又は円筒状内層に、溶着又は焼き嵌めされ
た二層複合ロール、あるいは外層と内層との間に中間層
を鋳造形成した三層複合ロールの外層材として好適に使
用される。内層材として、高級鋳鉄、ダクタイル鋳鉄、
黒鉛鋼等の強靭性を有する材料が使用され、中間層材と
してアダマイト材が使用される。中実複合ロールは、金
型遠心力鋳造法により外層、必要に応じて中間層を鋳造
した後、その内部に内層が静置鋳造することにより作製
できる。スリーブ状のロールの場合、内層も遠心力鋳造
により作製される。遠心力鋳造法には、金型の回転軸が
水平方向の横型、斜め方向の傾斜型、鉛直方向の縦型の
各種の方法を用いることができる。
が中実状内層又は円筒状内層に、溶着又は焼き嵌めされ
た二層複合ロール、あるいは外層と内層との間に中間層
を鋳造形成した三層複合ロールの外層材として好適に使
用される。内層材として、高級鋳鉄、ダクタイル鋳鉄、
黒鉛鋼等の強靭性を有する材料が使用され、中間層材と
してアダマイト材が使用される。中実複合ロールは、金
型遠心力鋳造法により外層、必要に応じて中間層を鋳造
した後、その内部に内層が静置鋳造することにより作製
できる。スリーブ状のロールの場合、内層も遠心力鋳造
により作製される。遠心力鋳造法には、金型の回転軸が
水平方向の横型、斜め方向の傾斜型、鉛直方向の縦型の
各種の方法を用いることができる。
【００１８】本発明のハイス系鋳鉄材を外層に用いた複
合ロールの場合、鋳造後、外層に所定の熱処理が施され
る。例えば、オーステナイト化温度から６５０〜４００
℃までの温度域を１００℃／Ｈｒ以上の冷却速度で急冷
し、良好な焼入れ組織を得た後、５００〜６００℃の温
度で１回乃至数回の焼戻しが行なわれる。
合ロールの場合、鋳造後、外層に所定の熱処理が施され
る。例えば、オーステナイト化温度から６５０〜４００
℃までの温度域を１００℃／Ｈｒ以上の冷却速度で急冷
し、良好な焼入れ組織を得た後、５００〜６００℃の温
度で１回乃至数回の焼戻しが行なわれる。
【００１９】
【実施例】高周波誘導溶解炉にて、表１に示す各種成分
組成の合金溶湯を溶製し、遠心力鋳造に付して供試用の
中空円筒体を得た。遠心力鋳造時の金型回転数はＧナン
バーが１４０、鋳込み温度は１３５５℃であり、 得ら
れた供試材は外径２４０mm、内径１４０mm、長さ２００
mmである。次に、各供試材を１０５０℃で１時間加熱
し、５００℃／Ｈｒの冷却速度で焼入れし、５２０℃で
１０時間の焼戻しを３回繰り返した。表１中、供試No.
１〜No.３は、本発明の実施例、No.４はＴａを含まない
比較例である。
組成の合金溶湯を溶製し、遠心力鋳造に付して供試用の
中空円筒体を得た。遠心力鋳造時の金型回転数はＧナン
バーが１４０、鋳込み温度は１３５５℃であり、 得ら
れた供試材は外径２４０mm、内径１４０mm、長さ２００
mmである。次に、各供試材を１０５０℃で１時間加熱
し、５００℃／Ｈｒの冷却速度で焼入れし、５２０℃で
１０時間の焼戻しを３回繰り返した。表１中、供試No.
１〜No.３は、本発明の実施例、No.４はＴａを含まない
比較例である。
【００２０】各供試材について、ショア硬度の測定を行
なった。測定は、各試料につき、５箇所を測定し、その
平均を求めた。試験結果を表２に示す。
なった。測定は、各試料につき、５箇所を測定し、その
平均を求めた。試験結果を表２に示す。
【００２１】各供試材より組織観察用の試験片を採取
し、ミクロ組織を顕微鏡観察し、晶出黒鉛の面積率を測
定した。その結果を表２に示す。
し、ミクロ組織を顕微鏡観察し、晶出黒鉛の面積率を測
定した。その結果を表２に示す。
【００２２】各供試材から板状試験片(３０×５０×１
０mm)を採取し、理研−大越式迅速摩耗試験機により耐
摩耗性を調べた。この試験法は、固定試験片に回転輪を
押し付け、試験片表面に生じた摩耗痕の深さ・幅等から
比摩耗量(mm2/kgf)を測定し、摩耗抵抗性を評価するも
のである。試験条件は次の通りである。 回転輪材質：ＳＵＪ−２（HRC５９〜６１） 初期荷重 ：１９kgf すべり速度：３.８m／秒 すべり距離：４００m 試験結果を表２に示す。
０mm)を採取し、理研−大越式迅速摩耗試験機により耐
摩耗性を調べた。この試験法は、固定試験片に回転輪を
押し付け、試験片表面に生じた摩耗痕の深さ・幅等から
比摩耗量(mm2/kgf)を測定し、摩耗抵抗性を評価するも
のである。試験条件は次の通りである。 回転輪材質：ＳＵＪ−２（HRC５９〜６１） 初期荷重 ：１９kgf すべり速度：３.８m／秒 すべり距離：４００m 試験結果を表２に示す。
【００２３】
【表１】
【００２４】
【表２】
【００２５】表２の結果から明らかなように、本発明の
供試No.１〜No.３は、比較例の供試No.４に比べて、高
い硬度を有しており、比摩耗量が極めて少なく、耐摩耗
性にすぐれることがわかる。また、適量の黒鉛を晶出し
ており、耐焼付性の点でも良好である。
供試No.１〜No.３は、比較例の供試No.４に比べて、高
い硬度を有しており、比摩耗量が極めて少なく、耐摩耗
性にすぐれることがわかる。また、適量の黒鉛を晶出し
ており、耐焼付性の点でも良好である。
【００２６】
【発明の効果】本発明の黒鉛晶出ハイス系鋳鉄材を外層
として用いた複合ロールは、圧延に際して、非常にすぐ
れた耐摩耗性を発揮し、熱間圧延あるいは冷間圧延用の
圧延用複合ロールの外層材として好適である。
として用いた複合ロールは、圧延に際して、非常にすぐ
れた耐摩耗性を発揮し、熱間圧延あるいは冷間圧延用の
圧延用複合ロールの外層材として好適である。
Claims (2)
- 【請求項１】 重量％にて、Ｃ：２.０〜３.６％、Ｓ
ｉ：１.５〜３.５％、Ｍｎ：０.１〜２.０％、Ｎｉ：
０.１〜１０.０％、Ｃｒ：２.０〜７.０％、Ｍｏ：０.
１〜５.０％、Ｗ：０.１〜５.０％、Ｔａ：０.１〜３.
０％、Ｖ、Ｎｂの一種又は二種を合計量で１.５〜５.０
％、残部実質的にＦｅからなり、耐摩耗性にすぐれる黒
鉛晶出ハイス系鋳鉄材。 - 【請求項２】 Ｃｏ：１０.０％以下を含有している請
求項１に記載の黒鉛晶出ハイス系鋳鉄材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7587096A JPH09263873A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 耐摩耗性にすぐれる黒鉛晶出ハイス系鋳鉄材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7587096A JPH09263873A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 耐摩耗性にすぐれる黒鉛晶出ハイス系鋳鉄材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09263873A true JPH09263873A (ja) | 1997-10-07 |
Family
ID=13588742
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7587096A Withdrawn JPH09263873A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 耐摩耗性にすぐれる黒鉛晶出ハイス系鋳鉄材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09263873A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103757527A (zh) * | 2013-12-13 | 2014-04-30 | 芜湖金鹰机械科技开发有限公司 | 一种耐磨中铬多元合金铸球材料及其制备方法 |
| CN111485164A (zh) * | 2020-06-08 | 2020-08-04 | 马鞍山常裕机械设备有限公司 | 一种强化低铬合金铸件耐磨性能的铸造方法 |
-
1996
- 1996-03-29 JP JP7587096A patent/JPH09263873A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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