JPH09263637A - 機能性高分子、それを用いた高分子固体電解質及び電池 - Google Patents

機能性高分子、それを用いた高分子固体電解質及び電池

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JPH09263637A
JPH09263637A JP8331106A JP33110696A JPH09263637A JP H09263637 A JPH09263637 A JP H09263637A JP 8331106 A JP8331106 A JP 8331106A JP 33110696 A JP33110696 A JP 33110696A JP H09263637 A JPH09263637 A JP H09263637A
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尚 南方
Masanori Ikeda
池田  正紀
Fumihiko Yamamoto
文彦 山元
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 解離度の高いイオン性基を高密度に有するこ
とで高いイオン伝導度を有し、加工性、柔軟性、機械的
強度、イオン輸率にも優れた機能性高分子材料を提供す
るとともに、これを高分子固体電解質に用いた固体電池
を提供する。 【解決手段】 フルオロスルホニルアセチルフロライド
誘導体から合成される、イミドアニオン基を高密度に含
有する機能性高分子を合成し、該高分子を10〜100
重量%の範囲で含有する高分子固体電解質、ならびにこ
の高分子固体電解質を介して電極が接合してなる電池で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な機能性高分
子、この高分子を含む高分子固体電解質およびこれを用
いた電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】分子内にアニオン性基を有するポリマー
はイオン交換樹脂や固体酸触媒等の機能性高分子として
有用であることが知られている。特に解離度の高いアニ
オン性基を有するポリマーの場合は超強酸としてその機
能が著しい。この種の機能性高分子の用途の一つとし
て、燃料電池やリチウム電池用の高分子固体電解質とし
ての用途も知られている。
【0003】実際、固体電解質をイオン移動媒体として
構成した固体電池は、従来の電解液をイオン移動媒体と
した電池に比べ、液漏れがないため電池の信頼性、安全
性が向上するとともに、薄膜化や積層体形成、パッケー
ジの簡略化、軽量化が期待されている。この固体電解質
材料として、イオン伝導性のセラミック材料またはポリ
マー材料が提案されている。このうち前者のイオン伝導
性セラミック材料はもろい性質を有し電極との積層体形
成が難しい。一方イオン伝導性ポリマー材料は実質的に
加工性柔軟を有するため固体電解質材料として電池との
積層構造体形成、電極のイオン吸蔵放出による体積変化
に追随した界面保持ができるなど好ましい。
【0004】このポリマー固体電解質の試みとして、W
rightによりポリエチレンオキシドのアルカリ金属
塩複合体が、British Polymer Jou
rnal,7巻,P.319(1975)で報告され、
以来ポリエチレングリコール、ポリプロピレンオキシド
などのポリアルキレンエーテル系材料を中心として、さ
らにはポリアクリロニトリル、ポリホスファゼン、ポリ
シロキサンなどを骨格とした固体電解質材料なども活発
に研究されている。
【0005】一方、Armandらはパーフルオロスル
ホニルまたはカルボニルイミド基をアニオンとしたアル
カリ金属塩を報告している(特開昭58−225045
号公報)。この電解質は高いイオン解離度を有し、低分
子溶媒に溶解させた電解液またはポリマーマトリックス
に固溶させた高分子固体電解質として利用できる。これ
らポリマーをマトリックスとして金属塩を含有させ固溶
させた高分子固体電解質を用い構成した電池のカチオン
輸率は0.5以下と低く、カチオンを電極間で移動させ
る電池に応用する場合、イオン移動の効率が十分でな
く、また、さらに充電放電において誘起するイオン分極
により濃度過電圧が発生し、これによって充電放電の電
流密度が制限されるなどの問題が残されていた。
【0006】このカチオン輸率を改善する方法として、
アニオンをポリマー中に固定させておく方法があり、カ
チオンのみを伝導させることができる。このようなカチ
オン(またはアニオン)のみ移動可能な電解質はシング
ルイオン伝導体と呼ばれているが、このような例として
は、ナフィオンのような強イオン交換樹脂をはじめ、種
々の構造の重合体が提案されており、最近の例として
は、Armandらがフルオロスルホン酸のアルカリ金
属塩を結合したポリエーテルからなる高分子固体電解質
を(特許公表平成6年509811号公報、Elect
rochimica Acta、40巻、P.2259
(1995))、DesMarteauらがパーフルオ
ロスルホニルイミドナトリウム基を主鎖または側鎖に有
する重合体を(J.Fluorine Chem.,7
2巻,P.203(1995))報告している。しか
し、従来報告されているこれらのシングルイオン伝導体
はいずれもイオン性基の解離度が不充分であったり、イ
オン性基の含量が低いためイオン伝導度は限定されたも
のであった。もちろんこのような従来材料の特性は、触
媒等の、固体電解質以外の機能においても不充分なもの
であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、解離度の高
いイオン性基を高密度に有することで高いイオン伝導度
を有し、加工性、柔軟性、機械的強度、イオン輸率にも
優れた新規の機能性高分子材料を提供するとともに、こ
れを高分子固体電解質に用いた固体電池を提供するもの
である。
【0008】
【発明を解決するための手段】すなわち本発明は下記の
通りである。 1.分子中に一般式(1)で表される構造を有すること
を特徴とする重合体。
【0009】
【化2】
【0010】(ここで、Xは−CO−CFZ−SO2
または−SO2 −CFZ−CO−で表される二価基であ
り、Zはフッ素原子またはCF3 を表す。Yはアルカリ
金属、アルカリ土類金属、遷移金属、希土類、アンモニ
ウムまたは水素原子を表し、同一分子中に複数の種類を
含んでいてもよい。nは2以上の正の整数である。) 2.上記1の重合体を10〜100重量%の範囲で含有
することを特徴とする高分子固体電解質。 3.上記2の高分子固体電解質を介して電極が接合して
いることを特徴とする電池。
【0011】本発明の機能性高分子は高分子固体電解質
として用いる場合、該電解質の加工、成形性の改質、イ
オン伝導度向上などの目的で、全重量に対して90重量
%未満の範囲で可塑剤を含有することができる。また、
一般式(1)の構造を含有する重合体以外の電解質を高
分子固体電解質の全重量に対して80重量%以下の範囲
で含有させることができる。特に、リチウム電池の固体
電解質に利用する場合は、一般式(1)の構造を含有す
る重合体電解質以外の電解質としてリチウム金属塩を選
ぶことが好ましい。
【0012】このように、本発明の高分子固体電解質
は、分子中に一般式(1)で表される構造を含有する重
合体に可塑剤、電解質を混合させて構成することがで
き、一般式(1)で表される構造を有する重合体を10
重量%以上含有することが必要である。10重量%以上
であると高効率イオン輸送の効果が発現でき、充分なイ
オン伝導度が得られる。また本発明の一般式(1)で表
される構造を有する重合体は高効率イオン輸送が可能で
あり、この重合体単独で高分子固体電解質として用いる
ことができる。従って、本発明の高分子固体電解質は、
一般式(1)で表される構造を有する重合体を10〜1
00重量%、好ましくは15〜100重量%、特に好ま
しくは30〜100重量%の範囲で含有するものであ
る。
【0013】さらに本発明の高分子固体電解質を介して
正極および負極を接合させて電池を構成することがで
き、このようにして得られる電池も本発明に含まれるも
のである。特に、正極および負極にリチウムイオンの吸
蔵放出が可能な材料を用い、本発明の高分子固体電解質
を介して電極間を接合した構造のリチウム電池を作製す
ることができる。この際、用いる高分子固体電解質の重
合体に含まれる構造である一般式(1)のYはLiであ
り、一般式(1)の構造を持つ重合体以外に添加する電
解質はリチウム塩であることが好ましい。
【0014】以下本発明の高分子固体電解質の構成要素
について、順次説明する。まず、本発明の高分子固体電
解質に含有される一般式(1)で表される構造を有する
重合体について説明する。本発明の重合体は分子内に高
密度でスルホニルイミドアニオン、カルボニルイミドア
ニオンおよびスルホニルカルボニルイミドアニオンから
選ばれる少なくとも一種のイミドアニオン基を含有し、
このイミドアニオンにプロトン、アルカリ金属イオン、
アルカリ土類金属イオン、遷移金属イオン、希土類金属
イオンまたはアンモニウムイオンがイオン結合した構造
を持つものである。すなわち、一般式(1)で表される
構造のみの重合体であっても、一般式(1)で表される
構造と一般式(1)以外の構造との共重合体であっても
よい。一般式(1)以外の構造の例としては、下記化3
に示す一般式(2)の構造および一般式(3)の構造を
挙げることができる。一般式(2)の構造において、G
は−CO−Rf−CO−、−CO−Rf−SO2 −、−
SO2 −Rf−CO−、−SO2 −Rf−SO2 −で表
される二価基であり、Rfは炭素数1〜10のパーフル
オロアルキレン基、または炭素数2〜15の二価のパー
フルオロ(ポリ)エーテル基を表す。ただし、Gには一
般式(1)中のXは含まない。一般式(3)の構造にお
いて、G′は−SO2 −Ar−SO2 −、−SO2 −A
r−CO−、−CO−Ar−SO2 −、−CO−Ar−
CO−で表される二価基であり、Arは二価の芳香族基
を表す。
【0015】
【化3】
【0016】(Yはアルカリ金属、アルカリ土類金属、
遷移金属、希土類、アンモニウムまたは水素原子を表
し、同一分子中に複数の種類の原子を含んでいてもよ
い。m、m’は2以上の正の整数を表す。) 共重合体中には下記化4に示す一般式(4)の構造およ
び一般式(5)の構造を含んでいてもよい。
【0017】
【化4】
【0018】(但し、X、G、G’、Yは一般式(1)
〜(3)と同じ。) さらに本発明の重合体は一般式(1)で表される構造が
二価の炭化水素基あるいは二価の(ポリ)エーテル基を
含む二価基で連結された重合体であってもよいし、一般
式(1)で表される構造をペンダント基として有する重
合体であってもよい。
【0019】本発明の重合体において、一般式(1)で
表される構造の含有量が高い場合、高濃度でカチオン基
を保持できるため高分子固体電解質として好ましい。こ
のため本発明の重合体における一般式(1)で表される
構造の含有量は、通常は30重量%以上であり、好まし
くは50重量%、より好ましくは70重量%以上であ
り、特に好ましくは90重量%以上である。また、本発
明の重合体は容易に高重合度のものが得られることが特
徴であり、容易に重量平均分子量が数万から数百万の高
分子量体が得られる。本発明の重合体の重量平均分子量
の下限は、請求項1の条件を満たしていれば特にそれ以
上の制限はないが、通常は1000、好ましくは200
0である。また本発明の重合体の重量平均分子量の上限
としては、特に制限はないが、あまり分子量の高いもの
は合成が困難であるので、通常は500万、好ましくは
100万である。
【0020】上記のイミドアニオンはいずれも隣接する
−CFZ−(ZはFまたはCF3 )基の強い電子吸引効
果により安定化されているために、一般式(1)中のN
−Y結合は強くイオン解離しており、そのためにカチオ
ン(Y+ )が高い移動度を示すものと考えられる。従っ
て、この重合体中には移動度の高い金属イオンまたはプ
ロトンなどのカチオンを高密度で蓄積できるので、この
重合体はカチオンを輸送させる媒体として極めて有効で
ある。
【0021】このようにカチオン(またはアニオン)の
み移動可能な電解質はシングルイオン伝導体と呼ばれ、
目的のイオンのみ伝達することができる。この特徴は、
通常のポリエチレンオキシドと、金属塩として例えばリ
チウム塩から構成される高分子固体電解質においてアニ
オン、カチオンともに移動可能であることと異なるもの
である。すなわちポリエチレンオキシドにリチウム塩を
固溶させた高分子電解質はそのカチオン輸率が0.3程
度と低い。この材料を電池のイオン移動媒体として用い
た場合、電極近傍でカチオンおよびアニオンの濃縮、ま
たは濃度低下が起こり、この濃度分極による過電圧増加
が充放電容量制限や充放電エネルギー効率低下につなが
るため好ましくない。
【0022】一方、シングルイオン伝導体を直流または
低い周波数の交流で電池などに用いる場合、このような
濃度分極が起こらないため過電圧を低減することがで
き、充放電容量やエネルギー密度低下が起こらないため
高効率の電池とすることができる。本発明の高分子固体
電解質において、一般式(1)の構造を含有する重合体
とともに他の電解質を混合して使用可能である。ここで
一般式(1)の構造を含有する重合体の含量が低下する
に伴って他の電解質によるイオン輸送の割合が増加し、
高効率カチオン輸送効果が希釈されるが、この重合体を
含有しない場合に比較してカチオン輸率を向上させるこ
とができる。このように本発明の固体電解質を用い構成
した電池は、充放電の性能向上を図ることが可能であ
る。
【0023】一般式(1)の構造を有する化合物は、例
えばフルオロスルホニルアセチルフルオライド誘導体に
アルカリ金属のビス(トリアルキルシリル)アミドまた
はアルカリ金属の窒化物を反応させ合成する方法など特
許公表平3−501860号公報、DesMartea
uら,Inorg.Chem.,23巻,P.3720
(1984)などに記載されている各種の公知のスルホ
ニルイミドの合成法を利用して合成可能である。例え
ば、一般式(1)構造を有する化合物はリチウムビス
(トリメチルシリル)アミドにフルオロスルホニルアセ
チルフルオライド誘導体を反応させて合成することがで
きる(下記化5を参照)。
【0024】
【化5】
【0025】(ここでXは−CO−CFZ−SO2 −ま
たは−SO2 −CFZ−CO−であり、ZはFまたはC
3 である。) 上記フルオロスルホニルアセチルフルオライド誘導体の
合成は、例えばJ.Am.Chem.Soc.,82
巻,P.6181(1960)に記載されている方法を
用いることができる。すなわち、テトラフルオロエチレ
ンまたはヘキサフルオロプロピレンと無水硫酸(S
3 )の反応によって生成した環状構造のスルトン(下
記化6を参照)を、少量のトリエチルアミンなどの触媒
とともに加熱して開環させ、フルオロスルホニルアセチ
ルフルオライド誘導体を得ることができる(下記化7を
参照)。
【0026】
【化6】
【0027】(ここでZはFまたはCF3 である。)
【0028】
【化7】
【0029】(ここでZはFまたはCF3 である。) また、一般式(1)においてYがリチウムのようなアル
カリ金属である化合物を硫酸、塩酸などの強酸やH型の
強イオン交換樹脂で処理して一般式(1)の構造のYが
水素原子である化合物を得ることができる。また、Yが
アルカリ金属以外の金属やアンモニウムである化合物
は、Yがアルカリ金属である化合物からのイオン交換反
応あるいはYが水素原子である化合物の中和反応で得る
ことができる。また本発明の重合体では、Yが2価以上
の多価イオンの場合にはYによって重合体間を架橋する
ことができる。そのため重合体全体のYの中の多価イオ
ンの量をコントロールすることにより、溶解性などの重
合体の物性を調整することができる。
【0030】さらに、上記化5の一般式(6)で示され
るフルオロスルホニルアセチルフルオライド誘導体にC
lOCC3 6 COCl、ClOCC2 4 COCl、
FOCC4 8 COF、FOCC3 6 COF、FOC
2 4 COF、FOCCOF、m−C6 4 (SO2
Cl)2 、o−C6 4 (SO2 Cl)2 、FO2 SC
4 8 SO2 Fなどの化合物を加えて反応させて本発明
の重合体を得ることもできる。
【0031】本発明の高分子固体電解質は一般式(1)
の構造中にイオン性基を含有するため、該化合物のみで
イオン伝導性を有するが、さらにイオン伝導度調整のた
め他の電解質を含有することができる。この一般式
(1)の構造を含有する重合体以外の電解質の含有量
は、高分子固体電解質全体の80重量%以下であり、好
ましくは60重量%以下であり、特に好ましくは40重
量%以下である。この電解質として無機塩、有機塩、無
機酸、有機酸のいずれも使用可能である。この例として
は、たとえばテトラフルオロホウ酸、過塩素酸、硝酸、
硫酸、リン酸、フッ酸、塩酸などの無機酸、トリフルオ
ロメタンスルホン酸、フルオロプロパンスルホン酸、ビ
ス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸、酢酸、
トリフルオロ酢酸、プロピオン酸などの有機酸、および
これら有機酸、無機酸の金属塩が挙げられる。これらは
単独で用いることもできるし、複数の電解質を混合して
用いることもできる。
【0032】さらにパーフルオロスルホン酸系ポリマー
やパーフルオロカルボン酸系ポリマーあるいはこれらの
金属塩も、一般式(1)の構造を有する重合体と混合し
て使用することができる。この電解質のカチオンとして
プロトン、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カ
チオン、遷移金属カチオン、希土類金属カチオン、アン
モニウムイオンなどから選ばれるカチオンを一種類で、
また複数種類混合して使用することができる。このカチ
オン種は使用する用途によって異なるためカチオンの種
類は限定されない。例えば、本発明の高分子固体電解質
をリチウム電池に用いる場合は、一般式(1)における
Yとしてはリチウムが好ましく、また添加する電解質と
してもリチウム塩を用いることが好ましい。特にリチウ
ム二次電池として利用する場合、広い電位領域を使用す
るため、電解質の電気化学的に安定なリチウム塩が好ま
しく、この例としてCF3 SO3 Li、C4 9 SO3
Li、(CF3 SO2 2 NLi、LiBF4 、LiP
6 、LiClO4 、LiAsF6 を挙げることができ
る。
【0033】また、本発明の高分子固体電解質のイオン
解離促進、加工性、柔軟性などの強度調整などのために
非水系高誘電率の可塑剤を含有させることができる。こ
の可塑剤は高分子固体電解質全体の90重量%未満であ
り、好ましくは70重量%以下、さらに好ましくは50
重量%以下である。この可塑剤として用いられる物質と
しては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネー
ト、ブチレンカーボネートなどの環状カーボネート類、
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチル
エチルカーボネートなどの鎖状カーボネート類、テトラ
ヒドロフラン、メチルテトラヒドロフランなどのエーテ
ル類、ブチロラクトン、プロピオラクトン、酢酸メチル
などの環状、鎖状エステル類、アセトニトリル、プロピ
オニトリルなどのニトリル化合物、シリコンオイル、炭
化水素などの低分子有機化合物、オリゴエチレンオキシ
ド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドな
どの脂肪族ポリエーテル化合物、ポリビニリデンフルオ
ライド、ポリ(ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオ
ロプロピレン)で代表されるビニリデンフルオライド系
共重合体などのフッ素系ポリマー、ポリアクリロニトリ
ル、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリカーボネートなど
の極性基含有オリゴマーや極性基含有高分子有機化合物
を挙げることができる。
【0034】以上説明した重合体、電解質、可塑剤を、
利用する用途に応じて構成要素を選び本発明の高分子固
体電解質を構成する。さらに必要があれば、さらに他の
ポリマー、セラミックを添加して諸特性を調整すること
ができる。本発明の高分子固体電解質の製造方法は、た
とえば前記の高分子固体電解質の構成要素を均一混合し
た後、所定形状に成形加工する方法、所定形状の一般式
(1)の構造を有する重合体に電解質、可塑剤を順次拡
散させる方法を用いることができる。前者の方法とし
て、構成要素の溶液を基板上に塗布してシート状に形成
する方法、構成要素を加熱溶融状態で成形したのち冷却
加工する方法、粉末状の構成要素を所定形状に圧縮成形
する方法、圧縮して形成した成形体に可塑剤を拡散させ
る方法などいずれも使用可能である。また、高分子固体
電解質である一般式(1)の構造を有する重合体と電解
質、可塑剤とともに、重合性モノマー、必要があれば開
始剤を混合した後、熱、電子線、放射線などの輻射エネ
ルギー照射によって混合物中にポリマーを形成させるこ
ともできる。さらに、成形加工した高分子固体電解質の
強度、溶媒含有性調節などの目的で、輻射エネルギーを
照射して変性することも可能である。
【0035】次に本発明の高分子固体電解質を用いた電
池について説明する。本発明の電池は上記の高分子固体
電解質を介して、正極および負極が接合した構造を有す
るものである。たとえば電池がリチウム電池の場合、一
般式(1)の構造を有する重合体の構造中にイミドリチ
ウム塩構造が含有されることが好ましい。また、該重合
体に対して添加する電解質としてリチウム塩を用いるこ
とが好ましい。この際、電池の正極および負極として、
リチウムの吸蔵放出が可能な物質を用いる。この正極物
質として、負極に対し高い電位を有する材料を選ぶ。こ
の例としては、Li1-xCoO2 、Li1-x NiO2
Li1-x MnO2 、Li1-x MO2 (0<x<1、Mは
Co、Ni、Mn、Feの混合体を表す)、Li2-y
nO2 (0<y<2)、Li1-x 2 5 、Li2-y
2 5 (0<y<2)、Li1.2-x'Nb25 (0<
x’<1.2)、などの酸化物、Li1-x TiS2 、L
1-x MoS 2 、Li3-z NbSe3 (0<z<3)、
などの金属カルコゲナイド、ポリピロール、ポリチオフ
ェン、ポリアニリン、ポリアセン誘導体、ポリアセチレ
ン、ポリチエニレンビニレン、ポリアリレンビニレン、
ジチオール誘導体、ジスルフィド誘導体などの有機化合
物を挙げることができる。
【0036】また負極として、上記正極に対して低い電
位を有する材料を用いる。この例として、金属リチウ
ム、アルミニウム・リチウム合金、マグネシウム・アル
ミニウム・リチウム合金などの金属リチウム、AlS
b、Mg2 Ge、NiSi2 などの金属間化合物、グラ
ファイト、コークス、低温焼成高分子などの炭素系材
料、SnM系酸化物(MはSi,Ge,Pbを表
す。)、Si1-y M′y Oz (M′はW,Sn,Pb,
Bなどを表す。)の複合酸化物、酸化チタン、酸化鉄な
どの金属酸化物のリチウム固溶体、Li7 MnN4 、L
3 FeN2 、Li3-x Co x N、Li3-x NiN、L
3-x Cux N、Li3 BN2 、Li3 AlN2 、Li
3 SiN3 の窒化物などのセラミックス等が挙げられ
る。ただし、リチウムイオンを負極で還元して金属リチ
ウムとして利用する場合は、導電性を有する材料であれ
ばよいので、上記に限定されない。
【0037】本発明の電池に用いる正極及び負極は上記
の材料を所定の形状に成形加工する。電極の形態とし
て、連続体または粉末材料のバインダー分散体のいずれ
も使用可能である。前者の連続体の成形方法として、電
解、蒸着、スパッタリング、CVD、溶融加工、焼結、
圧縮などが用いられる。また、後者の方法は、粉末状の
電極材料をバインダーとともに混合して成形する。この
バインダー材料としてポリビニリデンフルオライド、ポ
リ(ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレ
ン)共重合体などのフッ素系ポリマー、スチレン−ブタ
ジエンラテックス、テトラフルオロエチレンラテックス
などの分散型ポリマーなどポリマー、ポリマー前駆体、
金属などが用いられ、本発明の高分子固体電解質をバイ
ンダーとして利用することもできる。また、正極または
負極材料の電子移動を行うために電極に電気抵抗の低い
材料で集電体を設けることができる。該集電体を基板に
して上記の方法で電極を形成することもできる。また、
正極/高分子固体電解質/負極の構造で構成した電池
に、本発明の高分子固体電解質の構成要素である可塑
剤、電解質を含浸や拡散などの方法で導入することがで
きる。
【0038】電池の形態は、リチウム電池の場合、正極
と負極が高分子固体電解質を介して接合した構造を有す
る。例えば、シート状の構成要素である正極、負極およ
び高分子固体電解質を順次積層した正極/高分子固体電
解質/負極を単位としてシート状やロール状構造とする
ことができる。また、電池単位の電極同士を並列または
直列に接続した組電池とすることも可能である。特に固
体電解質電池の場合、直列接続数によって電圧を増加さ
せることができる特徴を有する。また、必要があれば電
池電極に電流取り出し、注入のための外部端子接続部
分、電流電圧制御回路素子や、電池単位・積層体の吸湿
防止、構造保護などのための保護層を設けたり、パッケ
ージ化することができる。
【0039】本発明の重合体は解離度の高いイオン性基
を高密度に有することから、イオン交換樹脂や固体酸触
媒として優れた機能を有する。即ち本発明の重合体を単
独であるいは担体に保持した形態で、イオン交換樹脂と
しては水処理や分離精製や分析などに用いることがで
き、酸型の構造は超強酸型の固体酸触媒として優れた機
能を有する。また、種々の金属イオンを保持できるため
例えば希土類金属を保持したものは蛍光体としても利用
できる。特に本発明の重合体を高分子固体電解質として
用いた場合、高いイオン伝導度を有するうえ、柔軟性、
加工性、機械的強度に優れるため、上記のリチウム電池
に留まらず、アルカリ電池、鉛電池、ニッケル水素電
池、燃料電池、光電気化学電池、電気化学センサーなど
種々の電気化学素子、装置に応用できるため産業上好ま
しい。
【0040】
【発明の実施の形態】以下実施例によって本発明をさら
に詳細に説明する。
【0041】
【実施例1】耐圧容器に無水硫酸(SO3 )とテトラフ
ルオロエチレンを混合させた後、生成物を蒸留(沸点4
2℃)して2−ヒドロキシテトラフロオロエタンスルホ
ン酸スルトンを得た。この2−ヒドロキシテトラフルオ
ロエタンスルホン酸スルトンを氷冷した状態で少量のト
リエチルアミンを添加して開環させ、フルオロスルホニ
ルジフルオロアセチルフルオライドを合成した。
【0042】次に、リチウムビス(トリメチルシリル)
アミドの1mol/リットルTHF(テトラヒドロフラ
ン)溶液150ml(0.15mol)に、氷冷しなが
らフルオロスルホニルジフルオロアセチルフルオライド
27g(0.15mol)をTHF27mlで希釈した
溶液を滴下した後、室温まで昇温して8時間反応させ
た。析出した重合体を濾別した後ジエチルエーテル20
0mlで洗浄し100℃で真空乾燥して淡黄色の重合体
14.8gを得た。この重合体をエタノール80mlに
溶解した後濾別して不溶物を除き、濾液を1.6リット
ルのエーテルに滴下、再沈殿させた後100℃で乾燥し
て9gの重合体を得た。
【0043】この重合体のTHF溶液の還元粘度は0.
32dl/g(30℃)であり重合体であることが確認
できた。DMF(ジメチルホルムアミド)溶液のGPC
測定により求められたポリスチレン換算の重量平均分子
量は19万、数平均分子量13万であった。また元素分
析の結果、Liが4.4重量%(計算値4.2重量%)
含有されることがわかった。該重合体のメタノール溶液
をキャスト、乾燥してフィルムを形成し、赤外吸収スペ
クトルを測定した結果、1654cm-1(C=O)、1
322cm-1(SO2 )、1146cm-1(CF2 )の
吸収ピークが観測された。また該重合体の重メタノール
溶液の19F−NMRスペクトル測定の結果、CF2 基に
対応する−108.8ppm(CFCl3 基準)の単一
共鳴ピークが観測された。同じ重合体溶液の13C−NM
Rスペクトル測定(テトラメチルシラン(TMS)基
準)により、167ppm(C=O)、116ppm
(CF 2 )に三重線共鳴ピークが観測された。以上の測
定結果から、(−SO2 CF2CONLi−)をユニッ
トとする重合体が生成していることがわかった。該高分
子のNMP(N−メチルピロリドン)溶液をステンレス
シート上にキャストし、溶媒を蒸発させて厚さ2μmの
フィルムを作製した。該フィルムの両面をステンレスシ
ートで挟み込み、インピーダンス測定(EG&G社、3
89型インピーダンスメーター)を行った結果、室温
(20℃)のイオン伝導度は6×10-6S/cmであっ
た。また直流イオン分極法により測定したイオン輸率は
0.96であった。
【0044】
【実施例2】実施例1で作製した重合体1gとポリビニ
リデンフルオライド1gをNMP20mlに溶解して均
一溶液を調整した。該溶液をステンレスシート上にキャ
ストして乾燥膜厚65μmの重合体フィルムを作製し
た。該シートをステンレスシートを電極として挟み込
み、インピーダンス測定をおこなった結果、室温イオン
伝導度は6×10-6S/cmであった。
【0045】
【実施例3】実施例1で作製した重合体1gにポリエチ
レングリコール(分子量6000)1g、THF20m
lを混合して均一溶液を調整した。該溶液を実施例2と
同様にしてステンレスシート上にキャストして乾燥膜厚
22μmの重合体フィルムを作製した。実施例2と同様
にしてイオン伝導度を評価した結果、室温イオン伝導度
は8×10-6S/cmであった。
【0046】
【実施例4】氷冷したフルオロスルホニルジフルオロア
セチルフルオライド27g(0.15mol)をTHF
27mlで希釈した溶液の中にリチウムビス(トリメチ
ルシリル)アミドの1mol/リットルTHF溶液15
0ml(0.15mol)を滴下した後、室温まで昇温
し8時間反応させた。この時析出した重合体を濾別した
後ジエチルエーテル200mlで洗浄した。ついで重合
体を100℃で真空乾燥して淡黄色重合体13.8gを
得た。この重合体をエタノール80mlに溶解したのち
濾別して不溶物を除き、濾液を1.6リットルのジエチ
ルエーテル中で再沈殿させた後100℃で真空乾燥して
淡黄色重合体10.4gを得た。この重合体のTHF溶
液の還元粘度は0.4dl/g(30℃)であり重合体
であることが確認できた。この重合体のDMF溶液のG
PC測定により求められたポリスチレン換算の重量平均
分子量は21万、数平均分子量は15万であった。また
元素分析の結果から、Liが4.2重量%(計算値4.
2%)含有されることがわかった。該高分子のNMP溶
液をステンレスシート上にキャストして溶媒を蒸発させ
て厚さ15μmのフィルムを作製した。該フィルムの両
面をステンレスシートで挟み込み、インピーダンス測定
を行った結果、室温(20℃)のイオン伝導度は8×1
-6S/cmであった。また直流イオン分極法で測定し
たイオン輸率は0.94であった。
【0047】
【実施例5】実施例4で作製した重合体をNMPに溶解
して調整した溶液をステンレスシート上にキャストして
溶媒を蒸発させて乾燥膜厚11μmで重合体フィルムを
作製した。該フィルムを50℃に加熱したエチレンカー
ボネートに1分間浸漬した後含浸されなかった過剰のエ
チレンカーボネートを除去した。該フィルムをステンレ
スシートで挟み込み積層体を形成し、インピーダンス測
定によって重合体フィルムのイオン伝導度を評価した結
果、1×10-4S/cmであった。測定後、該高分子固
体電解質の熱重量分析によって、高分子固体電解質中の
エチレンカーボネート含有量は26重量%であることが
わかった。
【0048】
【実施例6】実施例4で合成した重合体1gにNMP1
0g、LiPF6 のエチレンカーボネート(EC)/プ
ロピレンカーボネート(PC)混合溶媒(1:1)溶液
(2mol/リットル)を混合し加熱して均一混合物と
した後、ステンレスシート上にキャストして膜厚32μ
mの高分子固体電解質フィルムを作製した。実施例2と
同様の方法でイオン伝導度を評価した結果、室温イオン
伝導度は4×10-4S/cmであった。伝導度測定後、
該高分子固体電解質の熱重量分析によって、44重量%
のEC/PC混合溶媒が含有されることがわかった。
【0049】
【実施例7】実施例1で作製した重合体(ポリスチレン
換算重量平均分子量19万)1.0gをフラスコに入
れ、35%硫酸水溶液10mlを加えて室温で4日間撹
拌した。反応液を濾過した後エーテル10mlで2回抽
出した。エーテル相をドライアップし、60℃で3時間
乾燥した結果、淡茶色固体0.7g(収率79%)が得
られた。該重合体の赤外吸収スペクトルを測定した結
果、3280cm-1、3390cm-1にNH吸収ピーク
が観測された。また、1 H−NMRスペクトル測定(T
MS基準、溶媒:重水素化メタノール)により化学シフ
ト8ppmにNHプロトンが観測された。以上の結果か
ら、(−SO2 CF2 CONLi−)をユニットとする
重合体が(−SO2 CF2 CONH−)をユニットとす
る重合体に変換されたことが確認できた。
【0050】
【実施例8】水酸化リチウム、酸化コバルトを所定量混
合した後、750℃で5時間加熱して平均粒径10μm
のLiCoO2 粉末を合成した。該粉末とカーボンブラ
ックを、ポリビニリデンフルオライド(呉羽化学工業
(株)製、KF1100)のNMP溶液(5重量%)に
混合分散してスラリーを作製した。なお、スラリー中の
固形分重量組成は、LiCoO2 (85重量%)、カー
ボンブラック(8重量%)、ポリマー(重量7%)とし
た。このスラリーをアルミホイル上にドクターブレード
法で塗布乾燥して膜厚115μmのシートを作製した。
ついで該シート上に実施例1で作製した重合体のNMP
溶液(10重量%)を塗布して乾燥膜厚19μmとし
た。さらにこの上に金属リチウムホイルを積層して、正
極(LiCoO2 )/高分子電解質/負極(金属リチウ
ム)の構成で電極積層体を構成した。ついで、電極積層
体の正極、負極にステンレス端子を取り付け、ガラスセ
ルの端子にそれぞれ接続してアルゴン雰囲気中で封入し
た。該電池を充放電機(北斗電工製 101SM6)を
用い、電流密度0.1mA/cm2 で充放電を行なっ
た。充電後の電極間電位は4.2V(定電流充電後4.
2V定電位充電)であり充電が確認できた。また放電は
カットオフ電圧2.7V定電流放電で行った結果、繰り
返し充放電が可能であり二次電池として作動することが
わかった。
【0051】
【実施例9】平均粒径10μmのニードルコークス粉末
に、実施例1で作製した重合体と分子量10万のポリエ
チレンオキシドを当量加え均一混合したNMP溶液を混
合分散してスラリーを作製した(乾燥重量混合比:ニー
ドルコークス(92重量%)重合体とポリエチレンオキ
シドの混合物(8重量%))。該スラリーをステンレス
シート上にドクターブレード法で塗布して乾燥膜厚12
0μmでフィルム(電極層)を形成した。ついで該フィ
ルム上に、実施例1で作製した重合体のNMP溶液(固
形分10重量%)を塗布して膜厚8μmで重合体層を形
成した。該重合体層を表面形成したコークス電極に、実
施例7で作製した重合体層を形成したLiCoO2 電極
を、重合体層を向かい合わせる方向に積層してコークス
(負極)/重合体(高分子固体電解質)/LiCoO2
(正極)で接合した電池を形成した。ついで、電池を電
極付きガラスセルに封入した後、実施例8と同様に充放
電機にて充放電を行った。電流密度10μA/cm2
定電流充電後定電位(4.2V)充電、定電流放電
(2.7Vカットオフ)を行った結果、充電後の電池電
圧は4.2Vであり、放電および繰り返し充放電が可能
であった。
【0052】
【実施例10】フルオロスルホニルジフルオロアセチル
フルオライドのTHF溶液を−5℃に冷却しておいて反
応させた以外、実施例4と同様に反応を行った。反応後
は実施例4と同様に精製を行い、淡黄色重合体10.3
gを得た。この重合体のスペクトルデータは実施例1で
得られた重合体のものと一致した。この重合体のTHF
溶液の還元粘度は0.89dl/g(30℃)であっ
た。
【0053】
【実施例11】イオン交換樹脂アンバーライトIR−1
20B(オルガノ(株)製)13mlを1.0cm径の
カラムに充填し、これに0.5規定塩酸200mlを通
液し、さらに200mlの水で洗浄した。ついで実施例
10で作製した重合体3.0gを300mlの水に溶か
した溶液を通液し、さらに50mlの水で洗浄した。水
相をドライアップし、50℃で乾燥した結果、淡茶色固
体2.3g(収率80%)が得られた。この重合体のス
ペクトルデータは実施例7で得られた重合体のものと一
致した。この重合体を1/100規定NaOHで中和滴
定を行ったところ、中和当量が6.2m当量/gであ
り、また滴定曲線よりこの重合体が強酸であることがわ
かった。また元素分析の結果、Liの残存量は25pp
mであり、酸型への変換率は99.9%であった。
【0054】
【発明の効果】本発明の重合体は解離度の高いイオン性
基を高密度に有することから高いイオン伝導度を有し、
イオン交換樹脂材料、固体酸触媒材料、高分子固体電解
質材料などとして用いることができる。特に高分子固体
電解質として用いた場合、高いイオン伝導度を有するば
かりでなく、加工性、柔軟性、機械的強度、イオン輸率
に優れ、これを固体電池のイオン移動媒体に用いること
により、液漏れがなく、信頼性の高い、軽量な電池を提
供することが可能となることから、産業上、大いに有用
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中に一般式(1)で表される構造を
    含有することを特徴とする重合体。 【化1】 (ここで、Xは−CO−CFZ−SO2 −または−SO
    2 −CFZ−CO−で表される二価基であり、Zはフッ
    素原子またはCF3 を表す。Yはアルカリ金属、アルカ
    リ土類金属、遷移金属、希土類、アンモニウムまたは水
    素原子を表し、同一分子中に複数の種類を含んでいても
    よい。nは2以上の正の整数である。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の重合体を10〜100重
    量%の範囲で含有することを特徴とする高分子固体電解
    質。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の高分子固体電解質を介し
    て電極が接合していることを特徴とする電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6667377B2 (en) 1998-03-03 2003-12-23 E. I. Du Pont De Nemours And Company Polyvinylidene fluoride ionomers containing pendant fluoroalkylsulfonyl imide or fluoroalkylsulfonyl methide groups
US6806004B1 (en) * 1999-08-06 2004-10-19 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Polymeric solid electrolyte and lithium secondary cell using the same
JP2009295393A (ja) * 2008-06-04 2009-12-17 Tdk Corp 電解質及び電気化学デバイス

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US6806004B1 (en) * 1999-08-06 2004-10-19 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Polymeric solid electrolyte and lithium secondary cell using the same
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