JPH09263582A - ピペラジン誘導体及びそれを構成成分とする薬物担体 - Google Patents

ピペラジン誘導体及びそれを構成成分とする薬物担体

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JPH09263582A
JPH09263582A JP8076331A JP7633196A JPH09263582A JP H09263582 A JPH09263582 A JP H09263582A JP 8076331 A JP8076331 A JP 8076331A JP 7633196 A JP7633196 A JP 7633196A JP H09263582 A JPH09263582 A JP H09263582A
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inhibitor
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JP8076331A
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English (en)
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Masashi Isozaki
正史 磯崎
Kazumichi Koiwai
一倫 小岩井
Hideki Uchiyama
英樹 内山
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】効率良くかつ安全に遺伝物質や薬物を細胞や病
患部へ導入できる薬物担体、およびその構成成分を得
る。 【解決手段】下記に示す化合物、およびそれを構成成分
とする薬物担体。 【化1】 式1中、R1及びR2は−NR34又は−N+567
あり、R3,R4,R5,R6,R7は水素、アルキル基
等、m、nは1〜10の整数を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なピペラジン
誘導体およびそれを構成成分とする薬物担体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、リポソーム、エマルジョン、リピ
ッドマイクロスフェアなどの閉鎖小包を薬物担体として
ドラッグデリバリーシステム(以下、DDSと称す)に
応用しようとする研究が盛んに行われている。これら閉
鎖小包は一般的にリン脂質あるいはその誘導体、または
ステロールやリン脂質以外の脂質等を基本膜構成成分と
して調製される、しかしながら、これら基本構成成分の
みでは、閉鎖小包同士の凝集、体内における滞留性の低
下などの実際に応用していくうえでの様々な面での困難
を克服することはできなかった。さらに、実際にDDS
製剤として目的の部位に薬物に到達させることは非常に
困難であった。
【0003】そこで、薬物封入率の向上および閉鎖小包
の細胞接着性の向上を目的として、ステアリルアミン等
のカチオン化脂質を少量配合することにより、閉鎖小包
体の表面を生理的pH範囲でカチオン化する試みも行わ
れている。特にDNAを含むカチオン性のリポソームは
DNAの細胞中への移動、すなわち、トランスフェクシ
ョンを促進することが知られているが、さらに導入効
率、発現率、安全性の高いものが切望されている。しか
し、カチオン化脂質として選択できる脂質は限られてお
り、安全性が高く、高機能を発現する薬物担体用カチオ
ン化脂質の開発が強く望まれている。現在のところ、そ
のようなカチオン化脂質としては、米国特許第4897
355号、米国特許第5334761号、日本特許公報
特開平2−292246号、日本特許公報特開平4−1
08391号が報告されているが十分な効果は得られて
いない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、効率良くかつ
安全にDNAを細胞中へ導入でき、またDNAの細胞中
への移動以外の目的、例えば血管内皮損傷部位、腎炎、
腎ガン、肺炎、肺ガン、肝炎、肝ガン、膵ガン、リンパ
腫などの患部に確実に、効率良くかつ安全に薬物のター
ゲッティングが行えDDS療法に有効な薬物担体の開発
が強く望まれている。
【0005】従って本発明の目的は、核酸、ポリヌクレ
オチド、遺伝子およびその類縁体を細胞へ効率良くしか
も安全にトランスフェクションを行える薬物担体、およ
びそれを形成しうるカチオン化脂質を提供することであ
る。また本発明の目的は薬物、ペプチドおよびタンパク
質を目的の部位に効果的に送達する薬物担体、およびそ
れを形成しうるカチオン化脂質および薬物担体を提供す
ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)下記一般式(1)で示されるピペラジン誘導体。
【0007】
【化2】
【0008】式1中、R1及びR2は、同一または異なっ
て、−NR34又は−N+567であり、R3及びR5
は、同一または異なって、炭素数10〜40のアルキル
基またはアルケニル基であり、R4,R6,R7は、同一
または異なって、水素、アルキル基またはアルケニル基
であり、m、nは、同一または異なって、1〜10の整
数を示す。また分子内に不斉炭素が存在する場合、その
化合物は、ラセミ体、光学活性体のいずれでも良い。
【0009】(2)上記(1)に記載のピペラジン誘導
体を構成成分とする薬物担体。 (3)前記担体の内部に診断および/または治療するた
めの薬物を封入してなる上記(2)に記載の薬物担体。 (4)前記担体の径が0.02〜250μmの大きさを
有する微小粒子よりなる上記(2)乃至(3)に記載の
薬物担体。 (5)前記担体が巨大分子、微集合体、微粒子、微小
球、ナノ小球、リポソームおよびエマルジョンのうちの
少なくとも一つから構成される上記(2)乃至(4)に
記載の薬物担体。
【0010】(6)前記担体がリン脂質あるいはその誘
導体、および/またはリン脂質以外の脂質あるいはその
誘導体、および/または安定化剤、および/または酸化
防止剤、および/またはその他の表面修飾剤を含有する
上記(2)乃至(5)に記載の薬物担体。 (7)前記診断および/または治療するための薬物が、
核酸、ポリヌクレオチド、遺伝子およびその類縁体であ
る上記(2)乃至(6)に記載の薬物担体。
【0011】(8)前記診断および/または治療するた
めの薬物が、抗炎症剤、抗癌剤、酵素剤、酵素阻害剤、
抗生物質、抗酸化剤、脂質取り込み阻害剤、ホルモン
剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシ
ン受容体拮抗剤、平滑筋細胞の増殖・遊走阻害剤、血小
板凝集阻害剤、ケミカルメデイエーターの遊離抑制剤、
血管内皮細胞の増殖または抑制剤、アルドース還元酵素
阻害剤、メサンギウム細胞増殖阻害剤、リポキシゲナー
ゼ阻害剤、免疫抑制剤、免疫賦活剤、抗ウイルス剤ある
いはラジカルスカベンチャーである上記(2)乃至
(6)に記載の薬物担体。
【0012】(9)前記診断および/または治療するた
めの薬物が、グリコサミノグリカンおよびその誘導体で
ある上記(2)乃至(6)に記載の薬物担体。 (10)前記診断および/または治療するための薬物
が、オリゴおよび/または多糖、およびそれらの誘導体
である上記(2)乃至(6)に記載の薬物担体。
【0013】(11)前記診断および/または治療する
ための薬物が、タンパク質またはペプチドである上記
(2)乃至(6)に記載の薬物担体。 (12)前記診断および/または治療するための薬物
が、X線造影剤、放射性同位元素標識核医学診断薬、核
磁気共鳴診断用診断薬等の各種体内診断薬である上記
(2)乃至(6)に記載の薬物担体。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の化合物は、いずれも新規
化合物であり、その合成経路の例を下記に示す。但し、
本発明はこれらに限定されるものでない。例えば化合物
(2)に、化合物(3)を反応させることにより化合物
(4)とし、次いで、化合物(4)の酸アミドを還元し
化合物(6)を製造することができる。または、化合物
(2)とカルボニル化合物(5)の還元的アミノ化反応
により化合物(6)を製造することができる。さらに必
要に応じ、化合物(6)をN−アルキル化により化合物
(8)および化合物(10)を製造することができる。
【0015】
【化3】
【0016】R8、R10、R11は、アルキル基、アルケ
ニル基であり、R9は、水素、アルキル基、アルケニル
基であり、l,mは、同一または異なって1〜10の整
数であり、Xはハロゲノ基などの脱離基を示す。このよ
うに製造されるピペラジン誘導体(1)は、自体公知の
分離、精製手段(例えば、クロマトグラフィー、再結
晶)などにより単離採取することができる。
【0017】本発明の担体は、粒径が0.02〜250
μm、とりわけ0.05〜0.4μmの大きさが好まし
い。また、構造としては様々な形態が考えられ、限定す
る必要はないが、特にその内部に薬物を高濃度封入する
ことのできる潜在的機能を有する、巨大分子、微集合
体、微粒子、微小球、ナノ小球、リポソームおよびエマ
ルジョンのうちより少なくとも一つ以上からなることが
最も望ましい。
【0018】本発明において、薬物担体の構成成分とし
ては、上記の形態を形成できるものであれば特にその配
合に限定する必要はないが、その安全性や、生体内にお
いて安定性を考慮すると、リン脂質あるいはその誘導
体、リン脂質以外の脂質あるいはその誘導体、または安
定化剤、酸化防止剤、その他の表面修飾剤の配合が望ま
しい。リン脂質としては、ホスファチジルコリン(=レ
シチン)、ホスファジルグリセロール、ホスファチジン
酸、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノール
アミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシ
トール、スフィンゴミエリン、カルジオリビン等の天然
あるいは合成のリン脂質、またはこれらを常法にしたが
って水素添加したもの等を挙げることができる。
【0019】安定化剤としては、膜流動性を低下させる
コレステロールなどのステロール、あるいはグリセロー
ル、シュクロースなどの糖類が挙げられる。酸化防止剤
としては、トコフェロール同族体すなわちビタミンEな
どが挙げられる。トコフェロールには、α、β、γ、δ
の4個の異性体が存在するが本発明においてはいずれも
使用できる。その他の表面修飾剤としては、親水性高分
子やグルクロン酸、シアル酸、デキストランなどの水溶
性多糖類の誘導体が挙げられる。
【0020】前記親水性高分子としては、ポリエチレン
グリコール、デキストラン、プルラン、フィコール、ポ
リビニルアルコール、スチレン−無水マレイン酸交互共
重合体、ジビニルエーテル−無水マレイン酸交互共重合
体、合成ポリアミノ酸、アミロース、アミロペクチン、
キトサン、マンナン、シクロデキストリン、ペクチン、
カラギーナンなどが挙げられる。その中でもポリエチレ
ングリコールは血中滞留性を向上させる効果が顕著であ
る。
【0021】また前記親水性高分子は、長鎖脂肪族アル
コール、ステロール、ポリオキシプロピレンアルキル、
またはグリセリン脂肪酸エステル等の疎水性化合物と結
合させた誘導体を用いることによって、疎水性化合物部
位を薬物担体(例えばリポソーム)の膜へ安定に挿入す
ることができる。そのことにより、薬物担体表面に親水
性高分子を存在させることができる。本発明において具
体的に用いることができる親水性高分子誘導体として
は、ポリエチレングリコール−フォスファチジルエタノ
ールアミン等が挙げられる。
【0022】本発明において、薬物担体に封入する薬剤
としては、診断および/または治療の目的に応じて薬学
的に許容し得る薬理的活性物質、生理的活性物質または
診断用物質を用いることができる。封入する薬剤の性質
としては、基本的にはどの物質においても問題ないが、
担体の表面が陽電荷を持つ特徴から、電気的に中性ある
いはアニオン性である物質の方が高封入率が期待でき
る。
【0023】封入する治療するための薬剤の種類として
は、薬物担体の形成を損ねないがぎり特に限定されるも
のではない。具体的には、核酸、ポリヌクレオチド、遺
伝子およびその類縁体、抗炎症剤、抗癌剤、酵素剤、抗
生物質、抗酸化剤、脂質取り込み阻害剤、ホルモン剤、
アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシン受
容体拮抗剤、平滑筋細胞の増殖・遊走阻害剤、血小板凝
集阻害剤、ケミカルメデイエーターの遊離阻害剤、血管
内皮細胞の増殖促進または抑制剤、アルドース還元酵素
阻害剤、メサンギウム細胞増殖阻害剤、リポキシゲナー
ゼ阻害剤、免疫抑制剤、免疫賦活剤、抗ウイルス剤、ラ
ジカルスカベンチャー、タンパク質、ペプチド等が挙げ
られる。
【0024】また、封入する診断するための薬剤の種類
としては、薬物担体の形成を損ねないがぎり特に限定さ
れるものではない。具体的には、X線造影剤、放射性同
位元素標識核医学診断薬、核磁気共鳴診断用診断薬等が
挙げられる
【0025】本発明の薬物担体は常法によって容易に得
ることができるが、その一例を以下に示す。フラスコ内
に一般式(1)で示されるピペラジン誘導体およびリン
脂質等の他の担体構成成分を、クロロホルム等の有機溶
媒により混合し、有機溶媒を留去後真空乾燥することに
よりフラスコ内壁に薄膜を形成させる。次に、当該フラ
スコ内に薬物を加え、激しく攪拌することにより、リポ
ソーム分散液を得る。得られたリポソーム分散液を遠心
分離し、上清をデカンテーションし封入されなかった薬
物を除去することにより、薬物担体を分散液として得る
ことができる。また、上記の各構成成分を混合し、高圧
吐出型乳化機により高圧吐出させることにより得ること
もできる。
【0026】
【実施例】次に実施例、試験例を挙げて本発明をさらに
詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例、試験例に
限定されるべきものではない。
【0027】(実施例1) 1,4−ビス(3−(N−ヘキサデシルアミノ)プロピ
ル)ピペラジンの合成 (1−1)1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラ
ジン1.0gとトリエチルアミン1.21gの塩化メチレ
ン(50ml)溶液に、氷冷下、パルミチン酸クロライド
3.02gを加え、室温で6時間攪拌した。反応生成物
を濾取し、1,4−ビス(3−(ヘキサデカノイルアミ
ノ)プロピル)ピペラジン2.65gを得た(収率78
%、無色結晶)。
【0028】(1−2)水素化リチウムアルミニウム2
80mgのテトラヒドロフラン(10ml)溶液に1,4−
ビス(3−(ヘキサデカノイルアミノ)プロピル)ピペ
ラジン1.0gのテトラヒドロフラン(15ml)溶液を
加え、8時間還流攪拌した。希酸を加えクロロホルムで
抽出し、有機層を飽和食塩水で洗い、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、1,4−ビス(3−
(N−ヘキサデシルアミノ)プロピル)ピペラジン83
0mgを得た(収率86%、無色結晶、融点82−83
℃)。このものの機器分析データは、下記の式(11)
の構造を支持する。
【0029】1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):2.
80−2.36(8H,m),2.73(4H,t,J=7.
5Hz),2.64(4H,t,J=7.5Hz),2.44
(4H,t,J=7.5Hz),1.74(4H,quintet,J
=7.5Hz),1.53(4H,t,J=7.5Hz),1.1
8−1.10(56H,m),0.88(3H,t,J=7.
5Hz) MS(M+H):650
【0030】
【化4】
【0031】(実施例2)実施例1で合成した1,4−
ビス(3−(N−ヘキサデシルアミノ)プロピル)ピペ
ラジンを膜構成成分として含有するリポソームを下記の
通りに調製した。実施例1で合成した1,4−ビス(3
−(N−ヘキサデシルアミノ)プロピル)ピペラジンを
3μM、ジパルミトイルフォスファチジルコリン(DP
PC)を21μM、コレステロールを6μMを、容量1
0mlのナス型フラスコに秤りとり、1mlのクロロホルム
にて完全に溶解する。エバポレータによりクロロホルム
を減圧留去しフラスコ内壁に脂質薄膜を形成する。次い
で0.5μMのカルセインを含む10mMTris−HC
l緩衝液1mlをフラスコに加え、激しく浸透攪拌するこ
とにより、リポソーム(MLV)分散液を得た。
【0032】(試験例1) カルセインの封入率の測定 カルセインのリポソームへの封入率は、次のように求め
た。50倍に希釈したリポソーム懸濁液40μlを2.0
mlの10mMTris−HCl緩衝液に添加し、蛍光強
度を測定する(励起波長490nm,蛍光波長530n
m)。この時の蛍光強度をFtとする。つぎに10mM
CoCl2水溶液を20μl添加しリポソームに封入され
なかったカルセインを消光させ、リポソームの内部に封
入されたカルセインの蛍光を測定する。この時の蛍光強
度をFinとする。さらに20%TritonX−10
0溶液を20μl添加することにより、リポソームを破
壊し、すべてのカルセインをCo2+と結合させ消光させ
る。この時の蛍光強度を、Fqとする。リポソームの保
持効率は以下の式にて計算される。
【0033】保持効率(%)=(Fin−Fq×r)/
(Ft−Fq×r)×100
【0034】式中のrは、リポソーム懸濁液および薬物
の添加に伴う反応液の体積変化を補正した値で本実験で
はr=(2.0+0.04+0.02+0.02)/2.0
=1.04である。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】(実施例3)実施例1で合成した1,4−
ビス(3−(N−ヘキサデシルアミノ)プロピル)ピペ
ラジンを膜構成成分として含有するリポソームを下記の
通りに調製した。1,4−ビス(3−(N−ヘキサデシ
ルアミノ)プロピル)ピペラジンを10μM、ジラウロ
イルホスファチジルコリン(DLPC)を20μM、ジオレ
オイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)を20
μM秤りとり、1mlのクロロホルム溶液Aとする。
【0037】クロロホルム溶液Aの20μlを容量10m
lのナス型フラスコに取りさらに1mlのクロロホルムを
加えた。エバポレータによりクロロホルムを減圧留去し
フラスコ内壁に脂質薄膜を形成した。次いで、β-galac
tosodaseの遺伝子を組み込んだプラスミドpcDNA/
Amp(Invitrogen社)20μgを溶解した水溶液1ml
をフラスコ内に加え、激しく浸透攪拌することによりDN
A封入リポソームを得た。
【0038】(試験例2) 細胞の調製とトランスフェクション 細胞:大日本製薬株式会社より購入した、Cos−1細
胞(ATCC No. CRL-1650)を10%牛胎児血清(FCS)を
含むIscove's modified Dulbecco's medium(IMDM)を
用いて5%CO2,95%O2,37℃のインキュベータ
中で継代培養した。 トランスフェクション:10%FCS IMDM培地
(1ml)を添加した、6穴マルチウェルプレートに約2
×104のCos−1細胞を加え細胞培養を行った。約
24時間培養後FCSを含まない新鮮培地と交換し、
0.2μgのDNAを含むリポソーム懸濁液を加える。
16時間培養後、10%FCS IMDM培地にて培地
交換し、さらに48時間培養した。細胞を、ホルムアル
デヒドで固定し、β-galactosidaseの基質である、5-br
omo-4chloro-3-indolyl-β-galactopyranoside(X-ga
l)を加え、β-galactosidaseを発現した細胞を同定し
た。発色した細胞の全体に対する割合は、画像処理によ
り測定した。結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】(急性毒性)ICR系雄性マウス(5週
齢)を用いて経口および静脈内投与により急性毒性試験
を行った結果、本発明の化合物のLD50はいずれも32
0mg/kg以上であり有効性に比べて高い安全性が確認さ
れた。
【0041】
【発明の効果】上述した通り、本発明により新規ピペラ
ジン誘導体が供給される。本発明のピペラジン誘導体を
構成成分とする薬物担体は、試験例に示されるように、
従来の薬物担体に比べ細胞への導入効率が高いことが明
らかとなった。このような特徴から、薬学的に許容し得
る薬理的活性物質、生理的活性物質または診断用物質を
封入させた本発明の薬物担体は、治療および診断という
目的に対して非常に効果的である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 9/50 A61K 31/70 31/70 31/71 ADZ 31/71 ADZ 31/715 31/715 45/00 ABB 38/00 ABC 38/43 ABE 38/55 ABN 51/00 ACB 45/00 ABB ADN ABC ADS ABE ADU ABN ADY ACB AED ADN AEE ADS AEM ADU AEN ADY AEP AED AEQ AEE 47/22 D AEM C AEN 48/00 AEP 49/00 A AEQ C 47/22 49/04 A A61K 9/14 G 48/00 37/02 49/00 37/48 37/64 49/04 43/00 //(A61K 47/22 49/02 A 47:24)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で示されるピペラジン誘
    導体。 【化1】 式1中、R1及びR2は、同一または異なって、−NR3
    4又は−N+567であり、R3及びR5は、同一ま
    たは異なって、炭素数10〜40のアルキル基またはア
    ルケニル基であり、R4,R6,R7は、同一または異な
    って、水素、アルキル基またはアルケニル基であり、
    m、nは、同一または異なって、1〜10の整数を示
    す。また分子内に不斉炭素が存在する場合、その化合物
    は、ラセミ体、光学活性体のいずれでも良い。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のピペラジン誘導体を構成
    成分とする薬物担体。
  3. 【請求項3】前記担体の内部に診断および/または治療
    するための薬物を封入してなる請求項2に記載の薬物担
    体。
  4. 【請求項4】前記担体の径が0.02〜250μmの大
    きさを有する微小粒子よりなる請求項2乃至請求項3に
    記載の薬物担体。
  5. 【請求項5】前記担体が巨大分子、微集合体、微粒子、
    微小球、ナノ小球、リポソームおよびエマルジョンのう
    ちの少なくとも一つから構成される請求項2乃至請求項
    4に記載の薬物担体。
  6. 【請求項6】前記担体がリン脂質あるいはその誘導体、
    および/またはリン脂質以外の脂質あるいはその誘導
    体、および/または安定化剤、および/または酸化防止
    剤、および/またはその他の表面修飾剤を含有する請求
    項2乃至請求項5に記載の薬物担体。
  7. 【請求項7】前記診断および/または治療するための薬
    物が、核酸、ポリヌクレオチド、遺伝子およびその類縁
    体である請求項2乃至請求項6に記載の薬物担体。
  8. 【請求項8】前記診断および/または治療するための薬
    物が、抗炎症剤、抗癌剤、酵素剤、酵素阻害剤、抗生物
    質、抗酸化剤、脂質取り込み阻害剤、ホルモン剤、アン
    ジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシン受容体
    拮抗剤、平滑筋細胞の増殖・遊走阻害剤、血小板凝集阻
    害剤、ケミカルメデイエーターの遊離抑制剤、血管内皮
    細胞の増殖または抑制剤、アルドース還元酵素阻害剤、
    メサンギウム細胞増殖阻害剤、リポキシゲナーゼ阻害
    剤、免疫抑制剤、免疫賦活剤、抗ウイルス剤あるいはラ
    ジカルスカベンチャーである請求項2乃至請求項6に記
    載の薬物担体。
  9. 【請求項9】前記診断および/または治療するための薬
    物が、グリコサミノグリカンおよびその誘導体である請
    求項2乃至請求項6に記載の薬物担体。
  10. 【請求項10】前記診断および/または治療するための
    薬物が、オリゴおよび/または多糖、およびそれらの誘
    導体である請求項2乃至請求項6に記載の薬物担体。
  11. 【請求項11】前記診断および/または治療するための
    薬物が、タンパク質またはペプチドである請求項2乃至
    6に記載の薬物担体。
  12. 【請求項12】前記診断および/または治療するための
    薬物が、X線造影剤、放射性同位元素標識核医学診断
    薬、核磁気共鳴診断用診断薬等の各種体内診断薬である
    請求項2乃至請求項6に記載の薬物担体。
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