JPH09262889A

JPH09262889A - 電動式射出成形機のモータの負荷状態表示装置

Info

Publication number: JPH09262889A
Application number: JP8097411A
Authority: JP
Inventors: Yuji Handa; 祐士半田
Original assignee: Japan Steel Works Ltd
Current assignee: Japan Steel Works Ltd
Priority date: 1996-03-28
Filing date: 1996-03-28
Publication date: 1997-10-07

Abstract

(57)【要約】【課題】電動式射出成形機の各モータの負荷状況を正
確に、且つ即座に知ることができ、また、駆動系に異常
が生じたときは、異常が大きくなる前にこれを検知し、
そして表示、警報等を発する負荷状態表示装置を提供す
る。【解決手段】電動射出成形機（１）の各モータの瞬時
電流値（Ｉｉ）と瞬時電圧値（Ｖｉ）とから１成形サイ
クル当たりの平均負荷率（Ｐｓ）を演算し、これを表示
する。また、１成形サイクル当たりの平均負荷率（Ｐ
ｓ）と所定の成形条件下における基準平均負荷率（Ｐ
ｓ’）とを比較し、その差が許容値を越えたとき、警報
を出す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電動射出成形機に
備わっているスクリュウ駆動用のモータ、型締装置駆動
用のモータ、エジェクタ装置駆動用のモータ等の各モー
タの負荷状態を表示し、また負荷状態が異常の時警報を
発する、電動式射出成形機のモータの負荷状態表示装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】電動式射出成形機は、文献名を挙げるま
でもなく従来周知で、射出シリンダ内で回転駆動される
と共に軸方向に駆動されるように設けられているスクリ
ュウ装置、金型を型締めする型締装置、成形品を突き出
すエジェクタ装置等から構成されている。そして、これ
らの各装置には、これらを駆動するために電動モータが
それぞれ設けられている。したがって、スクリュウ装置
をシリンダバレル内で回転駆動して樹脂材料を計量する
ことができるし、型締めも、また型締めされた金型へ溶
融樹脂を射出することもできる。さらには、冷却固化し
た射出成形品は金型を開いてエジェクタ装置で取り出す
こともできる。ところで、上記のような電動式射出成形
機には、各モータの瞬時の電流値、瞬時の電力値、モー
タの瞬時負荷率等を表示する、表示装置は一応設けられ
ている。また、各モータの駆動回路には、過負荷を防止
するサーマルリレー等も設けられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
電動式射出成形機にも表示装置が設けられ、各モータの
瞬時値の電流値、瞬時の電力値、モータの瞬時負荷率は
表示されるようになっているので、それぞれのモータが
稼動していることは知ることができる。しかしながら、
どの程度の負荷状況で稼動していることは即座にモニタ
することはできない。したがって、電動式射出成形機の
オペレータは、機械の可動状況を正確に把握することな
く、成形条件出し、例えば成形サイクルを短縮するとモ
ータの負荷は一般に大きくなるが、どの程度の負荷にな
っているのか正確に把握することなく、成形サイクルタ
イムを決めているのが実状である。

【０００４】また、従来のモータの電力回路にもサーマ
ルリレー等が設けられているが、このサーマルリレー等
は、モータの過負荷防止を目的としたモータの保護回路
であり、モータの定格範囲内では駆動系に例え異常が発
生していても、その異常が定格の範囲内であれば検出で
きず、定格を越えた時初めて作動する。したがって、小
さな異常が生じていても、そのまま成形機の駆動系は稼
動することになる。従来のモータの保護回路で異常が検
出されたときには、成形機の駆動系には致命的な損傷が
発生した後であり、駆動系の異常を検知する装置として
は問題がある。本発明は、上記したような従来の実状に
鑑みてなされたもので、電動式射出成形機の各モータの
負荷状況を正確に、且つ即座に知ることのできる電動式
射出成形機のモータの負荷状態表示装置を提供すること
を目的としている。また、他の発明は、各モータが定格
値以下の負荷状態で稼動しているときでも、駆動系に異
常が生じたときは、異常が大きくなる前にこれを検知
し、そして表示あるいは警報を発する電動式射出成形機
のモータの負荷状態表示装置を提供することを目的とし
ている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、電動射出成形機に備わっているスクリュ
ウ駆動用のモータ、型締装置駆動用のモータ、エジェク
タ装置駆動用のモータ等の各モータの瞬時電流値、瞬時
電圧値等を計測する計測手段と、該計測手段で計測され
た計測値に基づいて瞬時負荷率を演算すると共に、この
瞬時負荷率から１成形サイクル当たりの平均負荷率を演
算する演算手段と、該演算手段で演算された１成形サイ
クル当たりの平均負荷率を表示する表示手段とから構成
され、請求項２記載の発明は、電動射出成形機に備わっ
ているスクリュウ駆動用のモータ、型締装置駆動用のモ
ータ、エジェクタ装置駆動用のモータ等の各モータの瞬
時電流値、瞬時電圧値等を計測する計測手段と、該計測
手段で計測された計測値に基づいて瞬時負荷率を演算す
ると共にこの瞬時負荷率から単位時間当たりの平均負荷
率を演算する演算手段と、該演算手段で演算された単位
時間当たりの平均負荷率を表示する表示手段とから構成
される。請求項３記載の発明は、電動射出成形機に備わ
っているスクリュウ駆動用のモータ、型締装置駆動用の
モータ、エジェクタ装置駆動用のモータ等の、所定の成
形条件下で成形しているときの各モータの瞬時電流値、
瞬時電圧値等を計測する計測手段と、該計測手段で計測
された計測値に基づいて瞬時負荷率を演算すると共にこ
の瞬時負荷率から１成形サイクル当たりの平均負荷率を
演算する演算手段と、該演算手段で演算された１成形サ
イクル当たりの平均負荷率と所定の成形条件下における
基準平均負荷率とを比較し、その差が許容値を越えたと
き出力する比較手段と、該比較手段の出力信号が入力さ
れる表示・警報手段とから構成され、そして請求項４記
載の発明は、電動射出成形機に備わっているスクリュウ
駆動用のモータ、型締装置駆動用のモータ、エジェクタ
装置駆動用のモータ等の、所定の成形条件下で成形して
いるときの各モータの瞬時電流値、瞬時電圧値等を計測
する計測手段と、該計測手段で計測された計測値に基づ
いて瞬時負荷率を演算すると共にこの瞬時負荷率から単
位時間当たりの当たりの平均負荷率を演算する演算手段
と、該演算手段で演算された単位時間当たりの平均負荷
率と所定の成形条件下における基準平均負荷率とを比較
し、その差が許容値を越えたとき出力する比較手段と、
該比較手段の出力信号が入力される表示・警報手段とか
ら構成される。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、添付図面により本発明の実
施の形態を説明する。図１は、本発明の実施の形態に係
わる電動式射出成形機１を示す制御ブッロク線図である
が、電動式射出成形機１は、周知のように、可塑化用モ
ータ、射出用モータ、型締用モータ、エジェクタ板駆動
用モータ等を備えている。そして、これらのモータの電
流値、電圧値等は、電流センサ３、電圧センサ４等から
なる計測器２で計測されるようになっている。

【０００７】計測器２は、演算器１０とラインａで接続
されている。演算器１０は、詳しくは作用の項で説明す
るように計測器２で計測される瞬時モータ電流値と、瞬
時モータ電圧値と、第１メモリに記憶されているモータ
の定格電流値とから平均負荷率等を演算する。そして、
演算結果は、ラインｂ、ｃで接続されている第１表示器
１１に出力されるようになっている。

【０００８】第１表示器１１の具体例が、図２に示され
ている。本実施の形態では、モータは可塑化用モータ、
射出用モータ、型締用モータおよびエジェクタ板駆動用
モータの４個のモータの負荷率が表示される４個の画面
から構成されている。これらの画面は各モータの負荷率
を百分率の数字で直接示すと共に、棒グラフでも表示さ
れるようになっている。したがって、モータの負荷状態
を即座に知ることができる。なお、図２には４個の画面
が示されているが、これらのモータの負荷率は、タイム
シェアリング方式により、１個の画面に順次表示するよ
うに実施することもできる。

【０００９】演算器１０と基準値入力スイッチ１２は、
ラインｂで接続され、この基準値入力スイッチ１２はラ
インｅで第２メモリ１４に接続されている。したがっ
て、基準値入力スイッチ１２を指令ボタン１３でオンす
ると、演算器１０で演算された各モータの、所定の成形
条件で成形する基準負荷率あるいは初期負荷率が第２メ
モリ１４に記憶されることになる。演算器１０は、また
比較器１５の一方の入力端子とラインｄで接続され、比
較器１５の他方の入力端子はラインｆで第２メモリ１４
と接続されている。許容値入力器１６と比較器１５は、
ラインｇで接続されている。

【００１０】比較器１５と、第２表示器１８と警報機１
９はラインｉ、ｊでそれぞれ接続され、比較した結果が
表示あるいは警報として出力されるようになっている。
また、第２メモリ１４と第２表示器１８はラインｋ、ｎ
で接続されている。したがって、モニタスイッチ１７を
オンして、第２メモリ１４に記憶されているモータの基
準負荷率あるいは初期負荷率を見ることができる。

【００１１】次に、図３のフローチャートにより作用を
説明する。計測器２の電流センサ３と電圧センサ４とに
より電動射出成形機１の各モータの瞬時電流Ｉｉと電圧
Ｖｉとを計測する（ステップＳ１）。計測された各モー
タの瞬時電流Ｉｉと電圧Ｖｉは演算器１０に入力され、
ステップＳ２において、瞬時電力値Ｗｉを式、Ｗｉ＝
Ｉｉ×Ｖｉにより算出する。演算器１０の第１メモリに
各モータの定格値Ｗｏを記憶させておく。ステップＳ３
において、瞬時電力値Ｗｉと、演算器１０の第１メモリ
に記憶させたモータの定格値Ｗｏとから、瞬時負荷率Ｐ
ｉを式、Ｐｉ＝Ｗｉ／Ｗｏから求める。そして、ス
テップＳ４において、１成形サイクル当たりの平均負荷
率Ｐｓを式Ｐｓ＝１／ｔ・ΣＰｉから求める。な
お、ステップＳ４におけるｔは、１成形サイクル時間を
表している。求めた平均負荷率Ｐｓは、図２に示されて
いるように第１表示器１１に示される（ステップＳ
６）。または、単位時間当たりの平均負荷率Ｐｔを式
Ｐｉ＝１／ｎ・ΣＰｉから求める。なお、ステップ
Ｓ５におけるｎは、単位時間中のサンプル数を表してい
る。そして、第１表示器１１に同様に表示する。これに
より、各モータの可動中の負荷状況が表示器１１に表示
される。

【００１２】次に、駆動系の異常時に警報を発する動作
について説明する。所定の成形条件下で成形していると
きの各モータの１成形サイクル当たりの平均負荷率Ｐｓ
は、前述したようにして演算器１０で演算され、そして
第１表示器１１に出力されているが、この平均負荷率Ｐ
ｓは、ラインｂにも出力されている。したがって、所定
の成形条件下で成形し、成形基準値入力スイッチ１２を
オンすると、平均負荷率Ｐｓが第２のメモリ１４に「基
準平均負荷率Ｐｓ’」として記憶される（ステップＳ１
０）。許容負荷率を許容値入力器１６により比較器１５
に設定しておく。

【００１３】所定の成形条件下で成形を続行する。成形
中の各モータの１成形サイクル当たりの平均負荷率Ｐｓ
は、前述したようにして演算器１０で演算され、そして
比較器１５の一方の入力端子に入力されている。また、
他方の端子には第２のメモリ１４に記憶されている基準
平均負荷率Ｐｓ’が入力される。比較器１５は、現在の
平均負荷率Ｐｓと基準平均負荷率Ｐｓ’とを比較し、そ
の差が許容値を越えたとき（ステップＳ１１）、第２の
表示器１８、および警報機１９に出力する。これにより
駆動系の異常を、駆動系が致命的な損傷を受ける前に知
ることができる。

【００１４】本発明は、上記実施の形態に限定されるこ
となく、色々な形で実施できる。例えば、駆動系の異常
を検知する場合も、１成形サイクル当たりの平均負荷率
Ｐｓに代えて、単位時間当たりの平均負荷率Ｐｔでも、
上記のようにして駆動系の異常を検知することができる
ことは明らかである。また、上記実施の形態では、平均
負荷率Ｐｓは、瞬時電流Ｉｉと電圧Ｖｉとから求められ
ているが、Ｉ²ｉ×Ｒ（Ｒはモータコイルの卷線抵抗
値）等からも求めることができる。

【００１５】さらには、上記実施の形態では第２の表示
器１８と警報器１９は、別別に設けられているが、第２
の表示器１８に警報機能を持たせることもできる。ま
た、第２の表示器１８あるいは警報器１９が作動すると
きは、駆動系を自動的に停止させるように実施すること
もできる。したがって、第２の表示器１８と警報器１９
に警報信号が入力されるときは、この信号は駆動系の停
止信号も含むことになる。さらには、タイムシェアリン
グ方式により第１、２表示器１１、１８を兼用すること
もできる。この時は、優先回路を設けて異常状態を優先
して表示することが望ましい。また、上記実施の形態で
は１成形サイクル当たりの平均負荷率Ｐｓが求められて
いるが、これに近似できる検出値あるいは演算値すなわ
ち所定の成形条件下で成形しているときの各モータのト
ルク検出値、電流値、電力値等の検出値でも、実施でき
ることも明らかである。このときは、比較の基準になる
基準値は、所定の成形条件下における各モータのトルク
検出値、電流値、電力値等の検出値であることは明らか
である。

【００１６】

【発明の効果】以上のように、本発明によると、電動射
出成形機に備わっているスクリュウ駆動用のモータ、型
締装置駆動用のモータ、エジェクタ装置駆動用のモータ
等の各モータの１成形サイクル当たりの平均負荷率、あ
るいは単位時間当たりの平均負荷率が表示手段に表示さ
れるので、電動射出成形機の各モータの負荷状態を一目
で把握できる。したがって、本発明によると、成形条件
出し例えば成形サイクルの短縮を図るとき、その成形条
件での機械能力を容易に考慮に入れることができ、射出
成形機のオペレータは機械の可動状況を正確に把握しな
がら成形条件出し作業を行うことができるという、本発
明特有の効果が得られる。請求項３、４記載の発明によ
ると、電動射出成形機に備わっているスクリュウ駆動用
のモータ、型締装置駆動用のモータ、エジェクタ装置駆
動用のモータ等の、所定の成形条件下で成形していると
きの各モータの１成形サイクル当たりの平均負荷率ある
いは単位時間当たりの平均負荷率と、所定の成形条件下
における基準平均負荷率とが比較され、その差が許容値
を越えたときは表示・警報手段に表示されるので、射出
成形機の駆動系の異常が、致命的な故障になる前に検知
されるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態を示す制御ブロック線図
である。

【図２】表示器の実施の形態を示す図で、その（イ）
〜（ニ）はそれぞれ異なるモータの負荷状況を示す図で
ある。

【図３】本発明の実施の形態の作用を示すフローチャ
ートである。

【図４】請求項１および２に記載の発明に対応したブ
ロック線図である。

【図５】請求項３および４に記載の発明に対応したブ
ロック線図である。

【符号の説明】

１電動射出成形機２計測器１０演算器１１、１８表示器１５比較器１９警報器

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】電動射出成形機（１）に備わっているス
クリュウ駆動用のモータ、型締装置駆動用のモータ、エ
ジェクタ装置駆動用のモータ等の各モータの瞬時電流値
（Ｉｉ）、瞬時電圧値（Ｖｉ）等を計測する計測手段
（２）と、該計測手段（２）で計測された計測値に基づ
いて瞬時負荷率（Ｐｉ）を演算すると共に、この瞬時負
荷率（Ｐｉ）から１成形サイクル当たりの平均負荷率
（Ｐｓ）を演算する演算手段（１０）と、該演算手段
（１０）で演算された１成形サイクル当たりの平均負荷
率（Ｐｓ）を表示する表示手段（１１）とからなる、電
動式射出成形機のモータの負荷状態表示装置。
【請求項２】電動射出成形機（１）に備わっているス
クリュウ駆動用のモータ、型締装置駆動用のモータ、エ
ジェクタ装置駆動用のモータ等の各モータの瞬時電流値
（Ｉｉ）、瞬時電圧値（Ｖｉ）等を計測する計測手段
（２）と、該計測手段（２）で計測された計測値に基づ
いて瞬時負荷率（Ｐｉ）を演算すると共にこの瞬時負荷
率（Ｐｉ）から単位時間当たりの平均負荷率（Ｐｔ）を
演算する演算手段（１０）と、該演算手段（１０）で演
算された単位時間当たりの平均負荷率（Ｐｔ）を表示す
る表示手段（１１）とからなる、電動式射出成形機のモ
ータの負荷状態表示装置。
【請求項３】電動射出成形機（１）に備わっているス
クリュウ駆動用のモータ、型締装置駆動用のモータ、エ
ジェクタ装置駆動用のモータ等の、所定の成形条件下で
成形しているときの各モータの瞬時電流値（Ｉｉ）、瞬
時電圧値（Ｖｉ）等を計測する計測手段（２）と、該計
測手段（２）で計測された計測値に基づいて瞬時負荷率
（Ｐｉ）を演算すると共にこの瞬時負荷率（Ｐｉ）から
１成形サイクル当たりの平均負荷率（Ｐｓ）を演算する
演算手段（１０）と、該演算手段（１０）で演算された
１成形サイクル当たりの平均負荷率（Ｐｓ）と所定の成
形条件下における基準平均負荷率（Ｐｓ’）とを比較
し、その差が許容値を越えたとき出力する比較手段（１
５）と、該比較手段（１５）の出力信号が入力される表
示・警報手段（１８、１９）とからなる、電動式射出成
形機のモータの負荷状態表示装置。
【請求項４】電動射出成形機（１）に備わっているス
クリュウ駆動用のモータ、型締装置駆動用のモータ、エ
ジェクタ装置駆動用のモータ等の、所定の成形条件下で
成形しているときの各モータの瞬時電流値（Ｉｉ）、瞬
時電圧値（Ｖｉ）等を計測する計測手段（２）と、該計
測手段（２）で計測された計測値に基づいて瞬時負荷率
（Ｐｉ）を演算すると共にこの瞬時負荷率（Ｐｉ）から
単位時間当たりの当たりの平均負荷率（Ｐｔ）を演算す
る演算手段（１０）と、該演算手段（１０）で演算され
た単位時間当たりの平均負荷率（Ｐｔ）と所定の成形条
件下における基準平均負荷率（Ｐｔ’）とを比較し、そ
の差が許容値を越えたとき出力する比較手段（１５）
と、該比較手段（１５）の出力信号が入力される表示・
警報手段（１８、１９）とからなる、電動式射出成形機
のモータの負荷状態表示装置。