JPH09262218A - 磁気共鳴測定装置 - Google Patents

磁気共鳴測定装置

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Publication number
JPH09262218A
JPH09262218A JP8073026A JP7302696A JPH09262218A JP H09262218 A JPH09262218 A JP H09262218A JP 8073026 A JP8073026 A JP 8073026A JP 7302696 A JP7302696 A JP 7302696A JP H09262218 A JPH09262218 A JP H09262218A
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JP
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gradient magnetic
coils
coordinate
coil
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Application number
JP8073026A
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English (en)
Inventor
Yoshitaka Bito
良孝 尾藤
Hisaaki Ochi
久晃 越智
Tomotsugu Hirata
智嗣 平田
Kenichi Okajima
健一 岡島
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
Original Assignee
Hitachi Medical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 x方向とy方向の傾斜磁場の最大強度と最大
スルーレイトとを向上することが可能な技術を提供する
こと。 【解決手段】 測定対象の断面の座標位置を特定するX
座標およびY座標が設定される、少なくとも2組のコイ
ルからなる傾斜磁場コイルを有する磁気共鳴測定装置に
おいて、前記2組のコイルの発生する傾斜磁場の各方向
が、前記X座標およびY座標の方向でない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気共鳴測定装置
に関し、特に、測定対象に印加する傾斜磁場を発生する
ための傾斜磁場コイルに適用して有効な技術に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴測定装置において、傾斜磁場コ
イルに関する従来技術について説明する。
【0003】傾斜磁場コイルは、測定対象を挿入可能な
円筒状のボビンに、互いに垂直な3方向(円筒の径方向
のうち水平方向であるx方向(X座標)、円筒の径方向
のうち垂直方向であるy方向(Y座標)、円筒の軸方向
であるz方向(Z座標))に傾斜磁場を発生可能なよう
に3組のコイルを巻いて構成されている。
【0004】従来、3組のコイルはそれぞれ3方向を担
当するように構成されていた。すなわち、第1組目のコ
イルはx方向、第2組目のコイルはy方向、第3組目の
コイルはz方向の傾斜磁場を発生していた。
【0005】この場合,最も広範に使用されているトラ
ンスレーションやサジタル、コロナルの画像を撮像する
場合には、ほとんどの撮像方法において各コイルを独立
に制御すればよく,撮像シーケンスを容易に作成できる
という利点を有していた。
【0006】傾斜磁場コイルの発生する最大強度および
最大スルーレイトを向上する方法としては、例えば傾斜
磁場コイルを小型化する方法(特開昭63-252142,特開
平2-1238)や、一つのコイルを駆動するために複数の電
源ユニットを具備する方法(特開平6-254063)が提案さ
れている。
【0007】また、傾斜磁場コイルに電流を流すと、電
流の変化に応じてコイル外側の導体(例えば、液体ヘリ
ウム等を貯蔵しておくための容器)に渦電流を生じ、そ
の導体から発生する磁場によって画質が劣化する問題が
あった。
【0008】この問題を解決するために、傾斜磁場コイ
ルの外側に渦電流を低減するための補助的なコイルを配
置する方法(特開平6-254065,特開平5-269098,特開平
5-49608)や、傾斜磁場コイルに流す電流波形を渦電流
を低減するように調整する方法(特開平3-23841)が提
案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記従来
技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。
【0010】一般に、傾斜磁場コイルと傾斜磁場駆動ア
ンプとからなる傾斜磁場系の特性は、最大強度と最大ス
ルーレイトで表される。
【0011】従来技術では、x方向、y方向、z方向を
それぞれ独立した傾斜磁場系が担当する構成となってい
たために、各方向の傾斜磁場の最大強度と最大スルーレ
イトは、各傾斜磁場系単一の能力に依存していた。
【0012】このため、エコープラナーイメージング等
の傾斜磁場を高速にスイッチングするような高速撮像技
術を使用する場合に、傾斜磁場系の能力が不足するので
画質が劣化してしまうという問題があった。
【0013】また、強力な傾斜磁場を印加した場合に
は、アクティブシールド傾斜磁場による渦電流の低減で
は十分ではなく、画質が劣化してしまうという問題があ
った。
【0014】本発明の目的は、x方向とy方向の傾斜磁
場の最大強度と最大スルーレイトを向上することが可能
な技術を提供することにある。
【0015】本発明の他の目的は、x方向またはy方向
に傾斜磁場を印加した際に生じる渦電流を低減すること
が可能な技術を提供することにある。
【0016】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
になるであろう。
【0017】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0018】(1)測定対象の断面の座標位置を特定す
るX座標およびY座標が設定される、少なくとも2組の
コイルからなる傾斜磁場コイルを有する磁気共鳴測定装
置において、前記2組のコイルの発生する傾斜磁場の各
方向が、前記X座標およびY座標の方向でない。
【0019】(2)前述する(1)の磁気共鳴測定装置
において、前記X座標およびY座標は、直交する。
【0020】(3)前述する(1)もしくは(2)の磁
気共鳴測定装置において、前記2組のコイルの発生する
傾斜磁場の各方向が、前記X座標およびY座標と40度
から50度の角度を成す。
【0021】(4)前述する(3)の磁気共鳴測定装置
において、前記2組のコイルの発生する傾斜磁場の2方
向が、前記X座標およびY座標と45度の角度をなす。
【0022】(5)前述する(1)もしくは(2)の磁
気共鳴測定装置において、前記2組のコイルの発生する
傾斜磁場の各方向と前記X座標およびY座標とのなす角
度が、前記2組のコイルの最大強度または最大スルーレ
イトによって規定される。
【0023】(6)測定対象の断面の座標位置を特定す
るX座標およびY座標が設定される、少なくとも2組の
コイルからなる傾斜磁場コイルを有する磁気共鳴測定装
置において、前記2組のコイルから発生する傾斜磁場の
合成によって、前記X座標およびY座標方向の傾斜磁場
を発生する。
【0024】前述する(1)〜(6)の手段によれば、
二組のコイルが発生する傾斜磁場の各方向がx方向およ
びy方向と一致しないように傾斜磁場コイルを構成す
る。
【0025】典型的には二組のコイルが発生する傾斜磁
場の各方向がx方向およびy方向と概ね45度の角度を
なすように傾斜磁場コイルを構成する。
【0026】このとき、x方向またはy方向に傾斜磁場
を発生する際には、二組のコイルに電流を流して合成傾
斜磁場を発生させる。例えば、x方向に傾斜磁場を発生
するには、二組のコイルに同符号の電流を流し、y方向
に傾斜磁場を発生するには二組のコイルに異符号の電流
を流す。
【0027】このように構成された傾斜磁場コイルで
は、x方向、y方向それぞれの最大強度と最大スルーレ
イトを向上することが可能となる。
【0028】例えば、第1組目のコイルと第2組目のコ
イルが同能力の場合に、x方向およびy方向と45度の
角度を成すように構成すれば、x方向およびy方向の最
大強度と最大スルーレイトとは√2倍(ルート2倍)に
向上する。
【0029】また、二組の傾斜磁場系の能力が異なる場
合、最大強度または最大スルーレイトに応じて角度を変
化させることで、予め設定する1方向に強力な傾斜磁場
を発生させることができる。
【0030】また、このように構成された傾斜磁場コイ
ルでx方向またはy方向に傾斜磁場を発生する際に、二
組のコイルに同時に電流を流すことにより、コイル外側
の導体に生じる渦電流を低減できるので、画質向上が図
れる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、発明の実
施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明
する。
【0032】なお、発明の実施の形態を説明するための
全図において、同一機能を有するものは同一符号を付
け、その繰り返しの説明は省略する。
【0033】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1の磁気共鳴測定装置の傾斜磁場コイルの概略構成を
説明するための図であり、1は第1組目の傾斜磁場コイ
ル、2は第2組目のコイル、3は第3組目のコイルを示
す。
【0034】また、x,y,zは、図1に示す空間での
x方向、y方向、z方向の座標を表している。
【0035】図2は、図1に示す傾斜磁場コイルの内、
第1組目と第2組目との傾斜磁場コイルをz軸の方向か
ら観察した時の傾斜磁場コイルの概略構成を説明するた
めの図である。
【0036】図2にから明らかなように、第1組目の傾
斜磁場コイル1と第2組目の傾斜磁場コイル2とによっ
て、x−y平面での傾斜磁場を発生でき、第3組目の傾
斜磁場コイル3によって、z方向の傾斜磁場を発生でき
る。
【0037】なお、各傾斜磁場コイルに書かれた矢印は
電流の方向を表し、その大きさは第1組目の傾斜磁場コ
イル1、第2組目の傾斜磁場コイル2、第3組目の傾斜
磁場コイル3でそれぞれ等しくなっている。また、第3
組目の傾斜磁場コイル3はなくてもよい。
【0038】図3は、図1に示す第1組目の傾斜磁場コ
イルを説明するための図であり、第1組目の傾斜磁場コ
イル1は、後述する測定対象を中心として対象となる位
置に配置される第1組の傾斜磁場コイル1a,1bと、
第1組の傾斜磁場コイル1c,1dとから構成される。
また、端点は後述する傾斜磁場駆動アンプにそれぞれ接
続される。
【0039】なお、第1組の傾斜磁場コイルの1a,1
b,1cおよび1dは、説明を簡単にするために導入し
た番号であり、図1に示す第1組の傾斜磁場コイルと異
なることを示すものではない。
【0040】図3に示すように、第1組目の傾斜磁場コ
イル1a,1bは、それぞれが発生する磁場が測定対象
の位置で打ち消し合うように配置されると共に、測定対
象を中心として対象となる位置の第1組目の傾斜磁場コ
イル1a,1bと、第1組目の傾斜磁場コイル1c,1
dとは1本の線、すなわち、1本の電流経路で構成され
る。
【0041】このように、構成することにより、第1組
目の傾斜磁場コイル1aと第1組目の傾斜磁場コイル1
bとには、それぞれ等しい電流を流すことができる。
【0042】同様に、第1組目の傾斜磁場コイル1cと
第1組目の傾斜磁場コイル1dとにも、それぞれ等しい
電流を流すことができる。
【0043】したがって、第2組の傾斜磁場コイル2も
同様な構成とすることによって、それぞれ等しい電流を
流すことができる。
【0044】図4は図1に示す第3組目の傾斜磁場コイ
ルを説明するための図であり、端点は後述する傾斜磁場
駆動アンプに接続される。
【0045】図4に示す構造、すなわち、図1のZ軸方
向に2個構成する第3組目の傾斜磁場コイル3を1本の
線、すなわち、1本の電流経路で構成することにより、
それぞれのコイルに等しい電流を流すことができる。
【0046】また、本発明の傾斜磁場コイルは、図1〜
4に示した構成に限るものではない。例えば、図1およ
び図2では、第1組目と第2組目のコイルが重ならない
ように各コイルの角度を90度として構成されているが、
重なった構造をとってもよい。
【0047】例えば、傾斜磁場の線形性を向上するため
に各コイルの角度を120度とする場合がある。
【0048】また、図1〜4では最も単純化された傾斜
磁場コイルを用いて説明しているが、傾斜磁場の線形性
を向上するためや渦電流を低減するために補助的なコイ
ルを組み合わせた構成をとっても良い。
【0049】この場合にも、従来使用されている傾斜磁
場コイルをz軸を中心に一定角度(典型的には45度)
回転した構成にすればよい。
【0050】第1組目と第2組目との傾斜磁場系が等し
い能力の場合、この二組の傾斜磁場とx方向およびy方
向とがなす角度は45度が最も効率がよく、このときに
は最大強度と最大スルーレイトとは約√2倍(ルート2
倍)に向上する。
【0051】また、第1組目と第2組目の傾斜磁場系の
能力が異なる場合、この角度を最大強度または最大スル
ーレイトに応じて変化させても良い。
【0052】例えば、エコープラナーイメージングには
振動傾斜磁場を印加する方向に強力な傾斜磁場系が必要
となる。このため、振動傾斜磁場の印加方向に最大強度
と最大スルーレイトを発生可能なように、第1組目と第
2組目との傾斜磁場と、x方向およびy方向とがなす角
度を調整すればよい。
【0053】図5は本発明の実施の形態1の磁気共鳴測
定装置の概略構成を示すブロック図であり、4は測定対
象、5は静磁場H0を発生する磁石、6は高周波磁場の
発生と測定対象4とから生じる磁気共鳴信号の検出のた
めの高周波磁場コイル、7は第1組目の傾斜磁場コイル
に電流を供給するための傾斜磁場駆動アンプ、8は第2
組目の傾斜磁場コイルに電流を供給するための傾斜磁場
駆動アンプ、9は第1組目の傾斜磁場コイルに電流を供
給するための傾斜磁場駆動アンプ、10は測定されたデ
ータの演算を行うための計算機(情報処理装置)、11
は計算機10での演算(処理)結果を表示するためのデ
ィスプレイ、12はシンセサイザ、13は変調装置、1
4は増幅器、15は検波装置である。
【0054】図5において、測定対象4は断層像の撮像
対象であり、静磁場H0を発生する磁石5は周知の静磁
場を発生させるためのコイルである。
【0055】シンセサイザ12は計算機10の指示によ
り所定の周波数の信号(高周波信号)を発生させるため
の周知のシンセサイザであり、変調装置13はシンセサ
イザ12の信号を計算機10の指示により変調し、後述
する励起高周波磁場パルスおよび反転高周波磁場パルス
を生成するための周知の変調装置であり、高周波磁場コ
イル6を駆動する。
【0056】増幅器14は高周波磁場コイル6が検出し
た測定対象4とから生じる磁気共鳴信号を増幅するため
の周知の増幅器であり、増幅率等は計算機10で制御で
きる。
【0057】検波装置15は増幅器14が増幅した測定
対象4とから生じる磁気共鳴信号を検出(検波)するた
めの周知の検波回路であり、たとえば、検波結果を図示
しない周知のAD変換器でデジタル信号に変換した後、
計算機10に変換結果を出力する。
【0058】なお、本願明細書においては、前述する第
1〜3組目の傾斜磁場コイル1〜3、および、傾斜磁場
駆動アンプ7〜9をまとめて傾斜磁場系と呼ぶものとす
る。
【0059】次に、傾斜磁場の発生方法について、図1
に基づいて説明する。第1組目の傾斜磁場コイル1と第
2組目の傾斜磁場コイル2とに図中に書かれた方向で電
流を流し、第3組目の傾斜磁場コイル3には電流を流さ
ない場合、x方向に傾斜磁場を発生することが可能とな
る。
【0060】第1組目の傾斜磁場コイル1と第2組目の
傾斜磁場コイル2のうち、片方には図に書かれた方向で
電流を流し、片方には図に書かれた方向とは逆方向で電
流を流し、第3組目のコイルには電流を流さない場合、
y方向に傾斜磁場を発生することが可能となる。
【0061】このとき、前述するように、傾斜磁場の最
大強度と最大スルーレイトとは、単一のコイルで発生さ
せた場合の√2倍(ルート2倍)になる。
【0062】なお、第3組目の傾斜磁場コイル3にのみ
電流を流せば、従来と同様にz方向の傾斜磁場を発生す
ることが可能である。
【0063】従来のコイルでは、電流のスイッチングに
よってコイル外側の導体に渦電流が生じ、これによる余
分な磁場によって画質が劣化するという問題があった。
【0064】この問題を解決するためにコイル外側に補
助的なコイルを付加するアクティブシールド傾斜磁場と
いう技術が提案されているが、エコープラナーイメージ
ングなどの強力な傾斜磁場を高速にスイッチングするよ
うな測定方法の場合には完全には解決できていなかっ
た。
【0065】本発明の傾斜磁場コイルを用いると、同強
度の傾斜磁場を発生するために各コイルに流す電流を1
/√2倍(ルート2の逆数倍)にでき、またその電流経
路はコイル外側の導体から遠い位置になるので、渦電流
を低減できる。
【0066】したがって、特に強力な傾斜磁場および高
速な傾斜磁場のスイッチングを必要とする測定方法の場
合には、この利点が大きくなる。
【0067】次に、図5に基づいて、本実施の形態の磁
気共鳴測定装置の動作の概要を説明する。測定対象4の
核スピンを励起するための高周波磁場H1は、シンセサ
イザ12により発生させた高周波を変調装置13で波形
整形、電力増幅した後、高周波磁場コイル6に電流を供
給することにより発生させる。
【0068】傾斜磁場駆動アンプ7,8,9から電流を
供給された傾斜磁場コイル1,2,3は傾斜磁場を発生
し、測定対象4からの磁気共鳴信号を変調する。該変調
信号は高周波磁場コイル6により受信され、増幅器14
で増幅、検波装置15で検波された後、AD変換され、
計算機10に入力される。
【0069】計算機10は演算後、演算結果をディスプ
レイ11で表現する。なお、計算機10は予めプログラ
ムされたタイミング、強度で各装置が動作するように制
御を行う。また、前述のプログラムの内、特に高周波磁
場、傾斜磁場、信号受信のタイミングや強度を記述した
ものは、撮像シーケンスと呼ぶ。
【0070】次に、図6に実施の形態1の傾斜磁場コイ
ルを用いた磁気共鳴画像の測定シーケンスを説明するた
めの図であり、以下、図6に基づいて、本発明の傾斜磁
場コイルを用いた磁気共鳴画像の測定方法の一例につい
て説明する。
【0071】まず、励起高周波磁場パルス21(いわゆ
る、90°パルス)を印加し、測定対象に磁気共鳴現象
を誘起する。このとき励起高周波磁場パルス印加と同時
に、第3組目のコイルに電流を流してスライス選択傾斜
磁場22を印加し、スライス面内の巨視的磁化を90°
だけ倒すことにより、測定対象の観測する断面を選択す
る。
【0072】次に、反転高周波磁場パルス23(いわゆ
る、180°パルス)を印加することで磁化を反転し、
これによりエコーを形成する。このとき、エコーは、第
1組目と第2組目のコイルに電流を流してリードアウト
傾斜磁場25,26をx方向に発生させた状態でADサ
ンプリング24され、データとして格納される。
【0073】さらに、このリードアウト傾斜磁場の中心
時間にエコーピークが一致するように励起高周波磁場パ
ルス21と反転高周波磁場パルス23との間に、一旦、
核スピン位相をディフェーズしておくための傾斜磁場2
7,28を所定時間印加しておく。
【0074】また、サンプリングに先立ち、核スピンの
位相にy方向の位置情報を付加するためのエンコード傾
斜磁場29,30を印加する。
【0075】このエンコード傾斜磁場の強度はプログラ
ムに従って変更されながら複数回測定が繰り返される。
例えばエンコード傾斜磁場をM回変化して、N点サンプ
リングすれば、NxM点の2次元データが得られる。
【0076】このようにして得られたデータを2次元フ
ーリエ変換することで、2次元画像が取得できる。
【0077】以上説明したように、本実施の形態1の磁
気共鳴測定装置によれば、第1組目の傾斜磁場コイル1
および第2組目の傾斜磁場コイル2が発生する傾斜磁場
の各方向と、x方向およびy方向とが概ね45度の角度
をなすように傾斜磁場コイルを構成し、x方向またはy
方向に傾斜磁場を発生する際には、第1組目の傾斜磁場
コイル1および第2組目の傾斜磁場コイル2に電流を流
して合成傾斜磁場を発生させるので、第1組目および第
2組目の傾斜磁場系の能力が同じならば、x方向および
y方向のそれぞれの最大強度と最大スルーレイトとは、
√2倍(ルート2倍)に向上できる。
【0078】また、第1組目および第2組目の傾斜磁場
系の能力が異なる場合には、最大強度または最大スルー
レイトに応じて第1組目の傾斜磁場コイル1および第2
組目の傾斜磁場コイル2が発生する傾斜磁場の各方向
と、x方向およびy方向とがなす角度を変化させること
により、予め設定する1方向に強力な傾斜磁場を発生さ
せることができる。
【0079】また、このように構成された傾斜磁場コイ
ルでx方向またはy方向に傾斜磁場を発生する際に、第
1組目の傾斜磁場コイル1および第2組目の傾斜磁場コ
イル2に同時に電流を流すことにより、コイル外側の導
体に生じる渦電流を低減できるので、画質向上が図れ
る。
【0080】(実施の形態2)図7は実施の形態2の傾
斜磁場コイルを用いた磁気共鳴測定装置における磁気共
鳴画像の測定シーケンスを説明するための図であり、以
下、図7に基づいて、本発明の傾斜磁場コイルを用いた
磁気共鳴測定装置の磁気共鳴画像の測定方法について説
明する。
【0081】なお、本実施の形態2の磁気共鳴測定装置
および傾斜磁場コイルの構成は、実施の形態1の磁気共
鳴測定装置と同じである。
【0082】また、本実施の形態2の測定方法は、周知
のグラディエントエコーを観測することによって、測定
物体4の断層像を得る方法であり、まず、励起高周波磁
場パルス21を印加し、測定対象に磁気共鳴現象を誘起
する。
【0083】このとき励起高周波磁場パルス印加と同時
に、第3組目のコイルに電流を流してスライス選択傾斜
磁場22を印加し、測定対象を観測する断面を選択す
る。
【0084】次に、第1組目のコイルと第2組目のコイ
ルに電流を振動波形に従って流し、x方向に振動傾斜磁
場31、32を発生する。
【0085】ただし、このときコイル1とコイル2とに
流す振動波形は、スイッチング毎にY方向に位相エンコ
ード傾斜磁場が印加されるようにするために、立ち上が
り時間を僅かに異ならせるように設定される。
【0086】なお、振動傾斜磁場印加に先立ち、エコー
ピークの位置を調整するために調整用の傾斜磁場33、
34を印加する。
【0087】この振動波形にはy方向の位相エンコード
傾斜磁場が重畳されているため、振動波形半周期の間に
N点サンプリングし、これをM回繰り返せば、NxM点
の2次元データが得られる。
【0088】このようにして得られたデータを2次元フ
ーリエ変換することで2次元画像が得られる。
【0089】以上説明したように、本実施の形態2の磁
気共鳴画像の測定シーケンスの磁気共鳴装置によれば、
磁気共鳴測定装置は実施の形態1と同じ構成であるの
で、実施の形態1の磁気共鳴測定装置と同じ効果があ
る。
【0090】なお、本発明の傾斜磁場コイルを適用した
磁気共鳴測定装置の撮像方法は、前述する2つの実施の
形態示す方法に限定されるものでないことは言うまでも
ない。
【0091】また、本実施の形態1および2の磁気共鳴
測定装置においては、第1組目の傾斜磁場コイル1およ
び第2組目の傾斜磁場コイル2が発生する傾斜磁場の各
方向と、x方向およびy方向とが概ね45度の角度をな
すように傾斜磁場コイルを構成する場合の動作について
説明したが、その角度は45度に限定されることはな
く、40度から50度の場合においても、最大強度と最
大スルーレイトは30パーセント以上の向上となるの
で、前述する効果は得られることになる。
【0092】また、本願発明は、特に、医療用の核磁気
共鳴診断装置に適用して有効である。
【0093】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本
発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることは勿論である。
【0094】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。
【0095】(1)x方向とy方向の傾斜磁場の最大強
度と最大スルーレイトとを向上できる。
【0096】(2)x方向またはy方向に傾斜磁場を印
可する際に生じる渦電流を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の磁気共鳴測定装置の傾
斜磁場コイルの概略構成を説明するための図である。
【図2】図1に示す傾斜磁場コイルの内、第1組目と第
2組目との傾斜磁場コイルをz軸の方向から観察した時
の傾斜磁場コイルの概略構成を説明するための図であ
る。
【図3】図1に示す第1組目の傾斜磁場コイルを説明す
るための図である。
【図4】図1に示す第3組目の傾斜磁場コイルを説明す
るための図である。
【図5】本発明の実施の形態1の磁気共鳴測定装置の概
略構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態1の傾斜磁場コイルを用いた磁気共
鳴画像の測定シーケンスを説明するための図である。
【図7】実施の形態2の傾斜磁場コイルを用いた磁気共
鳴測定装置における磁気共鳴画像の測定シーケンスを説
明するための図である。
【符号の説明】
1…第1組目の傾斜磁場コイル、2…第2組目の傾斜磁
場コイル、3…第3組目の傾斜磁場コイル、4…測定対
象、5…磁石、6…高周波磁場コイル、7,8,9…傾
斜磁場駆動アンプ、10…計算機、11…ディスプレ
イ、12…シンセサイザ、13…変調装置、14…増幅
器、15…検波装置、21…励起高周波磁場パルス、2
2…スライス選択傾斜磁場、23…反転高周波磁場パル
ス、24…ADサンプリング、25,26…リードアウ
ト傾斜磁場、29,30…エンコード傾斜磁場、31,
32…振動傾斜磁場。
フロントページの続き (72)発明者 岡島 健一 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象の断面の座標位置を特定するX
    座標およびY座標が設定される、少なくとも2組のコイ
    ルからなる傾斜磁場コイルを有する磁気共鳴測定装置に
    おいて、 前記2組のコイルの発生する傾斜磁場の各方向が、前記
    X座標およびY座標の方向でないことを特徴とする磁気
    共鳴測定装置。
  2. 【請求項2】 前記X座標およびY座標は、直交するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴測定装置。
  3. 【請求項3】 前記2組のコイルの発生する傾斜磁場の
    各方向が、前記X座標およびY座標と40度から50度
    の角度を成すことを特徴とする請求項1もしくは2に記
    載の磁気共鳴測定装置。
  4. 【請求項4】 前記2組のコイルの発生する傾斜磁場の
    2方向が、前記X座標およびY座標と45度の角度をな
    すことを特徴とする請求項3に記載の磁気共鳴測定装
    置。
  5. 【請求項5】 前記2組のコイルの発生する傾斜磁場の
    各方向と前記X座標およびY座標とのなす角度が、前記
    2組のコイルの最大強度または最大スルーレイトによっ
    て規定されることを特徴とする請求項1もしくは2に記
    載の磁気共鳴測定装置。
  6. 【請求項6】 測定対象の断面の座標位置を特定するX
    座標およびY座標が設定される、少なくとも2組のコイ
    ルからなる傾斜磁場コイルを有する磁気共鳴測定装置に
    おいて、 前記2組のコイルから発生する傾斜磁場の合成によっ
    て、前記X座標およびY座標方向の傾斜磁場を発生する
    ことを特徴とする磁気共鳴測定装置。
JP8073026A 1996-03-28 1996-03-28 磁気共鳴測定装置 Pending JPH09262218A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104297708A (zh) * 2014-10-22 2015-01-21 浙江大学 磁共振成像系统中的旋转倾斜梯度线圈组件
CN111060862A (zh) * 2019-12-09 2020-04-24 中国船舶重工集团有限公司第七一0研究所 一种磁场方向和梯度方向夹角可调的二维梯度磁场系统

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104297708A (zh) * 2014-10-22 2015-01-21 浙江大学 磁共振成像系统中的旋转倾斜梯度线圈组件
CN111060862A (zh) * 2019-12-09 2020-04-24 中国船舶重工集团有限公司第七一0研究所 一种磁场方向和梯度方向夹角可调的二维梯度磁场系统
CN111060862B (zh) * 2019-12-09 2022-04-05 中国船舶重工集团有限公司第七一0研究所 一种磁场方向和梯度方向夹角可调的二维梯度磁场系统

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