JPH09261990A - ブラシレスモータの温度検出方法及びその装置 - Google Patents

ブラシレスモータの温度検出方法及びその装置

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JPH09261990A
JPH09261990A JP8061510A JP6151096A JPH09261990A JP H09261990 A JPH09261990 A JP H09261990A JP 8061510 A JP8061510 A JP 8061510A JP 6151096 A JP6151096 A JP 6151096A JP H09261990 A JPH09261990 A JP H09261990A
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motor
temperature
hall element
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exciting coil
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JP8061510A
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English (en)
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Yutaka Takada
豊 高田
Takeshi Seto
毅 瀬戸
Hiroshi Miyazawa
弘 宮澤
Katsumi Shinkai
勝美 新海
Kuniaki Tanaka
邦章 田中
Hiroshi Nakazato
博 中里
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 省スペース化や低コスト化が可能なブラシレ
スモータの温度検出方法及び装置を提供すること。 【構成】 ブラシレスモータにおいて、一般にモータの
ロータ回転位置検出用に用いられているホール素子の温
度依存特性を利用して、このホール素子の温度に応じて
変化する検出出力電圧から、モータの動作温度を検出す
る。また、モータの回転動作に伴い、励磁電流が各励磁
コイルに切り換え通電されるブラシレスモータにおい
て、ロータ回転駆動用の励磁電流が通電されていない励
磁コイルを利用して、温度によるコイルの通電抵抗変化
を検出することにより、モータ動作温度を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の機械的な動
力源として用いられているブラシレスモータのモータ温
度検出方法及びその装置に関し、特に、モータの既存部
品を温度検出装置として兼用することにより、省スペー
ス化や低コスト化を図ることを可能にしたものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電動モータは、エネルギー効率
が高効率であること及び容易な制御特性等の理由によ
り、小型軽量の電気機器のみならず、電動車両の駆動動
力源として、各種の産業機器に広く用いられている。こ
のようなモータとして、耐久性や高回転性能を向上させ
たブラシレスモータが知られている。
【0003】ブラシレスモータは、周知のように機械的
な接点スイッチ機構(ブラシ)を設けていないので、ロ
ータの回転位置に応じて、各相の励磁コイルを通電切換
えしている。そして、一般にモータ性能を示す連続定格
が設定されており、この定格出力時には、安定してモー
タを連続運転することが可能に設けられている。
【0004】ところが、緊急時等には、定格出力を超え
た性能限界の最大出力により駆動する場合がある。この
全力運転時には、大量の発熱を生じるが、この発熱は、
モータ巻線(励磁コイル)から発生するので、絶縁被覆
されているモータ巻線の当該絶縁被覆が焼損される場合
を生じる。この被覆部分が焼損すると、巻線がショート
してモータが故障する。
【0005】そこで、従来においては、必要によりモー
タの動作温度を監視する温度検出装置等のモータ温度検
出手段が設置されることがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来のモータ
温度検出手段は、モータ巻線に近い程、検出の信頼性が
高くなるので、温度検出装置等をモータ内部に配置する
ことが行われている。このように、温度検出装置等をモ
ータ内部に配置する場合は、配線の引回しを必要とする
ので、その設置スペースを確保しなければならず、ま
た、配線作業によりコストアップに繋がり、更に、温度
検出装置等のメンテナンスを必要とするといった種々の
問題や不都合を生じている。そして、設置スペースを設
けることができない小型軽量のモータに適用することは
困難である。
【0007】そこで、本発明は、モータの既存部品を温
度検出装置に兼用させることにより、省スペース化や低
コスト化が可能なブラシレスモータの温度検出方法及び
その装置を得ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願第1請求項に記載し
た発明は、ホール素子を備えたブラシレスモータの温度
検出方法において、前記ホール素子の温度に応じて変化
する出力電圧から、モータの温度を求める構成のブラシ
レスモータの温度検出方法である。
【0009】本願第2請求項に記載した発明は、ホール
素子を備えたブラシレスモータにおいて、前記ホール素
子の出力電圧を検出する電圧検出手段と、この電圧検出
手段で検出された前記出力電圧と当該ホール素子の温度
変化特性とを照合してモータの温度を判定する温度判定
手段と、を有する構成のブラシレスモータの温度検出装
置である。
【0010】本願第3請求項に記載した発明は、複数の
励磁コイルを備え、前記励磁コイルを順次切換え通電し
て、回転磁界を生成するブラシレスモータの温度検出方
法において、励磁コイルのうち磁界生成に用いられてい
ないコイルに所定の検出電流を通電して、当該励磁コイ
ルの通電電流値又は抵抗値を測定し、この測定された通
電電流値又は抵抗値からモータの温度を求める構成のブ
ラシレスモータの温度検出方法である。
【0011】本願第4請求項に記載した発明は、複数の
励磁コイルを備え、前記励磁コイルを順次切換え通電し
て、回転磁界を生成するブラシレスモータにおいて、励
磁コイルのうち磁界生成に用いられていないコイルに検
出電流を通電するとともに当該励磁コイルの通電電流値
又は抵抗値を検出する検出手段と、前記検出手段により
検出された励磁コイルの通電電流値又は抵抗値からモー
タの温度判定する温度判定手段と、を有する構成のブラ
シレスモータの温度検出装置である。
【0012】前記第1及び第2請求項に記載した発明
は、ブラシレスモータにおいて一般にモータのロータ回
転位置検出用に用いられているホール素子の温度依存特
性を利用して、このホール素子の温度に応じて変化する
検出出力電圧から、モータの動作温度を検出するように
したものである。
【0013】従って、専用の温度検出素子を用いずに、
モータケース内部に予め備えられた部材にてモータ温度
を検出できるので、温度検出装置用の配置スペースの確
保や配線等の手間が不要となり、また、コストダウンを
図ることができる。
【0014】また、同様に、既存の部品であるホール素
子を温度検出装置として用いているので、このホール素
子を用いているモータならば、広範囲に適用することが
できる。すなわち、モータの規模に拘わりなく、例え
ば、軽量コンパクトなモータに適用することができると
ともに、従来のモータにも、ホール素子の検出信号を温
度値に変換処理する付加回路の追加のみで、容易に適用
することができる。
【0015】前記第3及び第4請求項に記載した発明
は、モータの回転動作に伴い、励磁電流が各励磁コイル
に切り換え通電されるブラシレスモータにおいて、ロー
タ回転駆動用の励磁電流が通電されていない励磁コイル
を利用して、温度によるコイルの通電抵抗変化を検出す
ることにより、モータ動作温度を検出できるようにした
ものである。
【0016】従って、前記第1及び第2請求項に記載し
た発明と同様に、専用の温度検出装置を用いずに温度検
出を行うことができるので、省スペース化、コストダウ
ン等を図ることができる。
【0017】更に、モータ運転中に、このモータ動作時
の発熱原因の大部分を占める励磁コイルの温度を、抵抗
変化を検出することにより、直接的に測定しているの
で、モータ温度検出としての有用性を高めることができ
る。
【0018】また、励磁コイルの断線時には、検出用デ
ータが得られないので、即座に断線故障を判別すること
ができる。また、同様に、励磁コイル内で電気的なショ
ートが生じた場合にも、検出したコイルの抵抗値が異常
値となるので、容易に判別することができる。
【0019】更にまた、励磁コイルに通電されていない
場合に、そのコイルを用いてモータ温度を検出している
ので、全励磁コイルに通電されていない場合、すなわ
ち、モータの運転前や、モータの停止後にも、モータ温
度を検出することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る各例を図1
乃至図9に基づいて説明する。
【0021】まず、本発明の温度検出装置を備えたブラ
シレスモータの例として、近年提案されている電動自転
車に用いた場合について説明する。電動自転車は、通常
の自転車に、電動モータと、このモータに電力を供給す
るバッテリ電源部を搭載し、人力の駆動力に応じて所定
のモータ補助動力を追加補助し、人力の負荷を軽減させ
るようにしたものである。また、現在、日本国内の法規
上、自転車として類別されるためには、モータによる自
走を行わず、人力に応じた補助を行うことが必要とされ
ている。更に、このモータによる補助駆動力の制御は、
人力の駆動力を越えることはなく、更に、自転車の走行
速度が毎時15Kmまでの場合には、モータ補助駆動力
が人力の100%補助を行い、この毎時15Kmを越え
た場合には、この補助比率が漸次減少し、そして、毎時
24Km以上では、モータ補助出力を停止するように規
制されている。
【0022】このような電動自転車においては、モータ
は駆動力補助装置の構成機器としてユニット内に一体化
されているので、別製の温度検出装置等を用いないで実
現できる本発明の温度検出装置はまさに打って付けのも
のである。以下、電動自転車の概要から説明する。
【0023】図1において、電動自転車1は、従来の自
転車と同様に、複数のパイプ部材を組合せて構成された
フレーム2の前後に車輪4,5を軸架している。このフ
レーム2は、前輪4を軸支する前フォーク2aと、後輪
5を軸支するバックフォーク2bと、これらの両フォー
ク2a,2bを支持するメインパイプ2cと、このメイ
ンパイプ2cから上方に設けられた立パイプ2d等によ
り構成され、この立パイプ2dの上端には、運転者が着
座するサドル3aが、前フォーク2aの上端には、ハン
ドル3bが取付けられている。また、メインパイプ2c
の下側には、水平に軸支されたクランク軸13を備えた
パワーユニット11が装着され、このクランク軸13の
両端には、それぞれ、ペダルアーム7aが取付けられ、
各ペダルアーム7aの先端には、ペダル7が軸支されて
いる。また、同様に、メインパイプ2c下側で且つパワ
ーユニット11の前方には、このパワーユニット11に
電力を供給するバッテリユニット8が装着され、これら
両者8,11は、接続コネクタ10を介して電気的に接
続されている。
【0024】このバッテリユニット8には、電動自転車
1としての動作を開始させるメインキースイッチ8aが
ケース側部に設けられ、電力供給用の蓄電池群、制御回
路、及び付属回路等が収納されている。これらの蓄電池
は、所定に接続され、例えば、モータ用の24Vのよう
に、所定の電圧が出力できるように設けられている。そ
して、このバッテリユニット8からの電力は、パワーユ
ニット11のモータ、及びセンサや各回路等の各種機器
に分配供給され、各機器を動作状態にする。
【0025】また、このパワーユニット11には、電動
モータM、減速機、人力/モータ駆動力合成機構、踏力
検出手段30、車速センサ40が収納され、ペダルアー
ム7aを介してペダル7が接続されたクランク軸13
は、合成機構に接続され、この合成機構の出力は、原動
スプロケット17に接続されている。そして、この原動
スプロケット17と、後輪5に同軸に固着された従動ス
プロケット6とは、これらの両者間に掛け渡されチェー
ン9により接続されている。
【0026】そして、このような電動自転車1におい
て、前輪4は、前フォーク2aに設けられたハンドル3
aによって操向される一方、後輪5は、運転者がペダル
7を漕ぐことにより回転駆動され、通常の自転車と同様
に電動自転車1が人力走行する。すなわち、運転者の人
力によりペダル7が漕がれると、合成機構を介して原動
スプロケット17が回転駆動され、この原動スプロケッ
ト17の駆動力がチェーン9を介して、後輪5の従動ス
プロケット6に伝達され、後輪5が回転駆動さあれて、
電動自転車1が、人力によって前進走行する。
【0027】また、運転者が、メインキースイッチ8a
をオン操作すると、バッテリユニット8から各搭載機器
に電力が供給され、電動自転車1としての運転者の負荷
を軽減させる人力補助動作が開始され、パワーユニット
11の電動モータMから所定のモータ補助出力を得るこ
とができる。
【0028】この人力補助動作モードにおいて、本例の
電動自転車1は、運転者の人力によりペダル7が漕がれ
ると、図2に示すように、このペダル入力された人力を
踏力検出手段30が検出するとともに、その時点での自
転車1の走行速度を、車速検出手段たる車速センサ40
が検出する。次に、これらの検出された両値に基づき、
制御回路19が、所定のプログラムに準じて、適切なモ
ータ出力指令値を設定する。すなわち、制御回路19
は、読込まれた車速センサ40からの走行速度値に基づ
き、前述した所定の人力を補助する補助比率を演算し、
この補助比率に、踏力検出手段30からの人力検出値を
掛け合わせて、実際に必要なモータ出力値を決定する。
そして、この指令値に基づき、モータ駆動回路20が、
バッテリユニット8からモータMに供給される電力を増
減させ、この電力によりモータMが所定の補助駆動力を
出力する。最後に、このモータ補助出力が、モータ人力
/モータ駆動力合成機構により人力に追加合成され、こ
の合成駆動力により後輪5が回転駆動される。このよう
にして、電動自転車1が、所定値に規定されたモータ動
力により補助されて、人力負荷を軽減させた快適な走行
が行われる。
【0029】また、このモータMの出力はモータ駆動回
路20による通電制御により設定され、モータMを効率
良く可変速運転できるようにしている。すなわち、バッ
テリユニット8から供給される定電圧の直流電流は、通
電制御用のモータ駆動回路20を介して、直流モータで
ある走行用モータMに供給されており、このモータ駆動
回路20がチョッパ制御等の通電制御を行って、モータ
供給電流を増減させている。また、このモータ駆動回路
20によるモータ供給電流の設定は、制御回路19から
出力されるモータ出力指令に基づいて行われ、このモー
タ出力指令値は、検出された人力と走行速度に基づき、
制御回路19によって決定されている。
【0030】この制御回路19は、パワーユニット11
の入力された人力を検出する踏力検出手段30や、車両
の走行速度検出する車速センサ40、外部環境センサ等
からの検出信号が入力され、モータ駆動回路20に動作
を指令する信号を出力するマイクロコンピュータから構
成されている。すなわち、このマイクロコンピュータ
は、各入力信号をデジタル信号に変換するA/D変換
器、このデジタル信号をメモリ空間に読込み・取出すI
/Oポート、読込んだ各種データ信号に基づいて所定の
処理・決定を行うCPU、メモリ等を備えている。この
ようにして、制御回路19は、各種センサからの検出信
号データを、マイクロコンピュータのメモリに格納され
たプログラムに準じて処理し、モータ駆動回路20に、
モータ出力指令信号等の適切な動作指令を出力してい
る。
【0031】モータMは、図3に示すように、耐久性及
び信頼性に優れたブラシレスモータを用いており、モー
タMの動作出力は、モータ駆動回路20による通電制御
により、制御されている。
【0032】すなわち、モータMは、図示を省略した所
定形状のケース内に、円筒形状のロータ22と、この外
周に配設されたステータ23を収納して構成されてい
る。また、円筒形状に形成されたロータ22の外周に
は、周方向に交互にN・S極に着磁された永久磁石が設
けられ、このロータ22自体は、ケースに回転可能に軸
支されたモータ軸21にキー接続されている。更に、ロ
ータ22の回りに配設されたステータ23は、直接的に
ケース側に固定され、3相の励磁コイルU,V,Wを備
えている。これらの励磁コイルU,V,Wは、一端がY
結合され、他端が、モータ駆動回路20を介して、電源
部のバッテリユニット8に任意に接続可能に設けられて
いる。これらの励磁コイルU,V,Wの一端は、個別に
モータ駆動回路20に接続されるとともに、他端は、互
いに共有する一点に接続されている。従って、後述する
モータ駆動回路20のスイッチング回路28のスイッチ
動作により、選択した2つの励磁コイルに通電できるよ
うにしている。
【0033】更に、このようなモータは、ロータ22の
回転位置を検出して、各相の励磁コイルに切換えて通電
制御することにより、モータMを回転駆動しており、ブ
ラシレスモータにおいては、非接触方式の磁気的な検出
方法により、ロータ回転位置を検出している。すなわ
ち、ロータ22端面にロータの回転位置を特定する被検
出用の磁石片を貼着する一方、この被検出用磁石片の回
転軌道の近傍に磁気検出素子25を設け、この磁気検出
素子25によって被検出用磁石片の磁気を検知すること
により、ロータ22の回転位置を検出するようにしてい
る。また、この磁気検出素子25としては、シリーズ接
続されたリニアタイプのホール素子を3つ用いており、
これらのホール素子に個別に駆動電流を供給することに
比べて、単一の供給電流で駆動できるようにしている。
そして、これらのホール素子からの検出出力信号によっ
て、ロータ22の回転位置状態を検出することができ
る。
【0034】このように、これらの磁気検出素子25に
よって、ロータ22の回転位置を検知し、モータ駆動回
路20により、所定の励磁コイルU,V,Wに切換え通
電し、常にロータ22に対して回転方向の先後に位置す
る励磁コイルU,V,Wを励磁することによって、電磁
的な吸引力・反発力をロータ22の磁石に作用させて、
ロータ22の回転を維持している。このようにして、ロ
ータ22は連続的に回転し、その回転力を駆動力とし
て、ロータ22が固着されたモータ軸21により、モー
タMの外部に取出している。
【0035】また、このモータ出力は、モータ駆動回路
20による通電制御により、設定されている。モータ駆
動回路20は、ロータ22近傍に設けられた磁気検出素
子25と、これらの磁気検出素子25からのロータ22
の回転位置検出信号に基づき、ロータ22の回転位置を
判別するロータ回転位置判別回路26と、このロータ回
転位置判別回路26からの判別信号と、制御回路19か
らのモータ出力指令信号に基づき、ステータ23の各相
の励磁コイルU,V,Wの切換えタイミング及び通電時
間を決定するモータ制御回路27と、このモータ制御回
路27からの切換え信号により、任意の励磁コイルU,
V,Wへの励磁電流を切換え供給するトランジスタ・ス
イッチを備えたスイッチング回路28とから構成されて
いる。
【0036】スイッチング回路28は、電流を供給する
バッテリユニット8と各励磁コイルU,V,Wとを、通
電方向が逆方向となる2つのMOS−FET型トランジ
スタにより形成されたトランジスタ・スイッチを配設し
て接続している。このトランジスタ・スイッチは、各々
還流ダイオードDa+、Db+、Dc+が接続されたP側
のトランジスタTa+、Tb+、Tc+と、各々還流ダイ
オードDa-、Db-、Dc-が接続されたΝ側のトラン
ジスタTa-、Tb-、Tc-とを備え、これらのP側ト
ランジスタとΝ側トランジスタとを一組組合せて、各励
磁コイルU,V,W用のスイッチを形成している。例え
ば、U相励磁コイル用のトランジスタ・スイッチは、ド
レイン側端子が電源側に接続され、ソース側端子が励磁
コイル側に接続されたP側のMOS−FET型トランジ
スタTa+と、ソース側端子が励磁コイル側に接続さ
れ、ドレイン側端子が電源側に接続されたΝ側のMOS
−FET型トランジスタTa-とから構成され、それぞ
れのゲート側端子は、個別にモータ制御回路に接続され
ている。
【0037】そして、各磁気検出素子25からの検出信
号に基づいて、ロータ位置判別回路26がロータ22の
回転位置を判別し、このロータ位置判別回路26からの
判別信号に基づいて、モータ制御回路27が、各相の励
磁コイルU,V,Wの転流タイミングを決定する。次
に、各転流タイミングに基づき、スイッチング動作信号
をスイッチング回路28の各トランジスタへ出力し、各
U,V,W相の励磁コイルへ適切な転流タイミングで、
励磁電流が供給される。すなわち、モータ制御回路27
が、スイッチング回路28の所定に組合わせた2つのト
ランジスタをオン接続動作させて所定のスイッチ動作さ
せることにより、バッテリユニット8からの供給電流
を、各相の励磁コイル巻線のうち選択的に2つの巻線に
順次通電して、回転用の磁界を生成し、この磁界により
ロータ22を回転駆動させている。このような繰返し動
作によって、常にロータ22に対して、回転方向の先に
位置する励磁コイルU,V,Wが励磁され、ロータ22
の回転が維持され、回転駆動される。
【0038】次に、本発明の第1具体例に係るブラシレ
スモータの温度検出方法及び装置を、図4乃至図6に基
づいて説明する。
【0039】本例のブラシレスモータの温度検出装置
は、モータのロータ回転位置検出用に用いられているホ
ール素子の温度依存特性を利用して、このホール素子の
温度に応じて変化する検出出力電圧から、モータの動作
温度を検出するようにしたものである。
【0040】すなわち、前述したように、モータ・ロー
タの近傍に配置されたホール素子により、ロータの回転
位置を判別して、モータの回転駆動制御しているので、
このホール素子の回りの環境温度は、モータ動作温度と
して、十分に採用することができる。
【0041】また、本例においては、ホール素子とし
て、温度依存特性が高いInSb(インジウム・アンチ
モン)タイプを用いている。すなわち、一般にホール素
子は、その使用温度により、出力電圧特性が変化するこ
とが知られている。また、この温度依存性は、ホール素
子に用いられている素材の組成によって異なり、図4に
示すように、例えば、このInSb(インジウム・アン
チモン)タイプのホール素子を、定電流により駆動する
場合に、このホール定数の温度係数は、−2%/℃であ
る(同図中に実線により示す。)のに対し、GaAsタ
イプのホール素子は、−0.06%/℃(同図中に一点
鎖線により示す。)である。
【0042】更に、本例のホール素子は、ホール素子内
への流入する電流値を一定に保持する定電流駆動法によ
って駆動しており、素子の入力端子間に印加する電圧を
一定に保持する定電圧駆動法に比べて、ホール素子が温
度に依存する特性を、高めている。すなわち、例えば、
上述したInSbタイプ・ホール素子の温度特性は、定
電流駆動時には、−2%/℃であるが、定電圧駆動時に
は、−0.2%/℃となっている。
【0043】従って、図5(1)に示すように接続さ
れ、モータMが回転動作している時に、ているホール素
子のプラス・マイナス出力端子間の出力電圧は、その回
りの環境温度が低い場合には、その高低の変動幅が大き
く(図5(2)参照)、環境温度が高くなるに伴って、
その変動幅が小さく(図5(3)参照)なっている。
【0044】また、このように出力電圧幅が温度の依存
する特性が高いInSbタイプのホール素子を用いると
ともに、このホール素子の出力電圧幅を、絶対化して単
一の高低の電圧に変換する整流回路を設けている。従っ
て、この整流回路により、ホール素子の環境温度に応じ
た出力電圧幅が、温度を直接的に現わす高低の電圧値に
変換され、この温度値を保護・安全機構が容易に用いら
れるようにしている。
【0045】すなわち、図6に示すように、この出力信
号処理回路51は、磁気検出素子であるホール素子25
の出力端子が接続された増幅回路ブロック52と、この
増幅回路ブロック52の出力が接続された整流回路ブロ
ック53とから構成されている。
【0046】この増幅回路ブロック52は、主にオペア
ンプ54を用いて差動増幅回路に構成され、このオペア
ンプ54は、その一端の入力端子が、第1抵抗器55a
を介してホール素子25のプラス出力端子に、他端の入
力端子が、第2抵抗器55bを介してホール素子25の
マイナス出力端子に接続され、また、そのマイナス入力
端子は、第3抵抗器55cを介してアース接続され、更
に、オペアンプ54の出力端子は、負帰還抵抗器55d
を介してプラス入力端子に接続されている。また、第1
抵抗器55aと第2抵抗器55bとは、同一の第1抵抗
値が設定され、第3抵抗器55cと負帰還抵抗器55d
とは、同一の第2抵抗値が設定され、これらの第1抵抗
値と第2抵抗値との間には、所定の増幅比率が設定され
ている。従って、このように構成された増幅回路ブロッ
ク52により、入力されたホール素子25の両出力端子
間の電圧を増幅して、出力している。
【0047】尚、増幅回路ブロック52の出力線は、整
流回路ブロック53に接続されるとともに、上述したモ
ータ駆動回路20のロータ回転位置判別回路26に接続
され、このロータ回転位置判別回路26により、通常に
ロータ22の回転位置判別できるようにしている。
【0048】この整流回路ブロック53は、主に2つの
オペアンプ56a,56bとから構成され、入力された
ホール検出電圧を、電圧降下を最小限にして、整流でき
るようにしている。
【0049】すなわち、この第1オペアンプ56aのマ
イナス入力端子は、第1抵抗器57aを介して、増幅回
路ブロック52の出力端子に接続されるとともに、その
プラス入力端子はアース接続されている。また、第2オ
ペアンプ56bのマイナス入力端子は、第1ダイオード
58aと第2抵抗器57bを介して、この第1オペアン
プ56aの出力端子に接続されている。
【0050】また、第1抵抗器57aの入力側端子と、
第2オペアンプ56bの出力側端子とは、順次、第3抵
抗器57c、所定容量のコンデンサ59とを介して接続
されるとともに、これらの第3抵抗器57cとコンデン
サ59との間の接続線は、第2オペアンプ56bのマイ
ナス入力側に接続され、更に、このコンデンサ59と第
2オペアンプ56bの出力側との間の接続線と、第3抵
抗器57cとコンデンサ59との間の接続線を第2オペ
アンプ56bのマイナス側に接続する接続線とは、第4
抵抗器57dを介して接続されている。
【0051】更に、第1ダイオード58aと第2抵抗器
57bとの間の接続線は、第5抵抗器57eを介して、
第1オペアンプ56aのマイナス側入力線に接続され、
また、この第1ダイオード58aと第1オペアンプ56
aとの間の接続線は、第2ダイオード58bを介して、
第5抵抗器57eと第1オペアンプ56aのマイナス側
入力端子との間の接続線の中間に接続されている。
【0052】従って、ホール素子から出力される温度に
応じた変動幅の検出電圧を、直接的に温度を現わす環境
温度の応じた高低の電圧値に変換することができる。
【0053】また、このように、一般的なブリッジ型に
接続したダイオードから構成された整流回路を用いず
に、絶対値整流回路を用いているので、精度を維持した
まま、単一の電圧値に変換できるようにしている。すな
わち、このようなダイオード・ブリッジ回路により整流
した場合には、入力した電圧の降下が比較的に大きいの
で、精度が低下してしまうことになる。
【0054】従って、温度により変化したホール素子の
出力電圧は、まず、増幅回路ブロック52により増幅さ
れ、この増幅された検出信号に基づき、ロータ回転位置
判別回路26がロータ22の回転位置を判別するととも
に、整流回路ブロック53により温度の高低に反比例し
て応じた電圧値に変換される。すなわち、整流回路ブロ
ック53から、低温時には、高電圧が出力され、高温に
なるに伴って、低下した電圧が出力して得られる。
【0055】尚、この検出したモータ動作温度値は、過
昇温防止装置等のような各種の安全・保護機構に用いら
れ、この温度値が所定値を超えた場合には、警告やモー
タの停止動作を行うように構成でき、これは、後述する
各例においても同様である。
【0056】以上説明したように、本例のブラシレスモ
ータの温度検出装置によれば、予めモータ内部の備えら
れモータ回転駆動用のホール素子が有する検出出力動作
の温度依存特性を用いて、モータ温度を検出しているこ
とにより、省スペース化や低コスト化を図ることができ
る。すなわち、専用の温度検出素子を用いずに、モータ
ケース内部に予め備えられた部材によりモータ温度を検
出できるので、温度検出装置用の配置スペースの確保や
配線等の手間が不要となり、また、コストダウンを図る
ことができる。
【0057】また、同様に、既存の部品であるホール素
子を温度検出装置として用いているので、このホール素
子を用いているモータならば、広範囲に適用することが
できる。すなわち、モータの規模に拘わりなく、例え
ば、軽量コンパクトなモータに適用することができると
ともに、従来のモータにも、ホール素子の検出信号を温
度値に変換処理する付加回路の追加のみで、容易に適用
することができる。
【0058】次に、本発明に係るブラシレスモータの温
度検出装置の第2例を、図7乃至図9に基づいて説明す
る。
【0059】本例のモータ温度検出手段は、モータの回
転動作に伴い、励磁電流が各励磁コイルに切り換え通電
されるDCモータにおいて、ロータ回転駆動用の励磁電
流が通電されていない励磁コイルを利用して、温度によ
るコイルの通電抵抗変化を検出することにより、モータ
動作温度を検出できるようにしたものである。
【0060】一般に、励磁コイルを含めた金属導体は、
その温度が上昇すると、抵抗率が増加し、通電電流が減
少することが知られている。従って、このような励磁コ
イルに用いられている金属導体の抵抗率と温度との相関
関係を予め測定して、データとして用意しておき、通電
電流の変化により抵抗率を検出し、この抵抗率から金属
導体の温度状態を決定することができる。また、このよ
うな励磁コイルの抵抗値の変化から、モータ温度を測定
する手法は、モータの性能試験に一環として一般的に行
われているが、この場合には、各種の試験条件でモータ
運転した後に、モータを停止した状態で温度測定が行わ
れている。
【0061】これに対して、本例おいては、モータ運転
中に、励磁コイルの抵抗値の変化を測定できるようよう
にしたものである。すなわち、本例のモータMとして
は、一般的なブラシレスな3相のDCモータを用いてお
り、この3相DCモータは、3相の励磁コイルを備え、
通常のモータ運転時には、ある励磁コイルが周期的に必
ず無通電状態となることから、このロータ駆動に用いて
いないコイルを利用して、温度検出用の微小電流を通電
し、この電流値の変化から抵抗変化を検出し、モータ温
度を決定するようにしている。
【0062】また、図7に示すように、上述したよう
に、それぞれの励磁コイルU,V,Wの一端が、モータ
駆動回路20側に接続されるとともに、他端が、互いに
共有する接続点に接続されている。そして、例えば、ロ
ータ22がある回転位置状態になると、周期的に励磁コ
イルV,Wに通電する一方、励磁コイルUには通電され
ない状態となる。すなわち、モータ駆動回路20からの
励磁電流が励磁コイルWに入り、励磁コイルVを通過す
るように供給され、回転磁界を生成する一方、無通電の
励磁コイルUは、ロータ22の回転駆動に付与しない状
態となる。
【0063】更に、本例モータMの励磁コイルは、複数
巻のモータ巻線が用いられ、従って、この状態の場合
に、図8に示すように、この励磁コイルUの一方の巻線
から電流を供給し、他方の巻線を通過して復帰させるこ
とができ、他の励磁コイルと別個に励磁コイルUにの
み、任意の抵抗測定用電流を通電することができる。
【0064】すなわち、本例のブラシレスモータの温度
検出装置70は、図9に示すように、少なくとも2つの
巻線U1,U2を有する励磁コイルUの一方の巻線U2の
中間に、主に検出用電源71及び電流計72を直列接続
して配設した検出通電経路Uxと、この検出経路Uxをバ
イパスするバイパス通電経路Uyとを並列的に接続し、
このバイパス通電経路Uyを断続動作することにより、
これらの2つの通電経路を選択できるように構成したも
のである。
【0065】そして、モータMの回転動作に伴って、励
磁電流を励磁コイルUに供給する場合には、励磁コイル
U用トランジスタスイッチの一方のトランジスタTaが
オン動作するとともに、バイパス通電経路Uyが接続動
作され、このバイパス通電経路Uyを介して、順方向、
又は、逆方向の励磁電流が励磁コイルUに供給される。
【0066】また、励磁電流が励磁コイルUに供給され
ない場合には、バイパス通電経路Uyが切断動作され、
励磁コイルUの両巻線U1,U2及び検出通電経路Uxを
含めたループ状の電路が形成され、温度検出用電流が励
磁コイルUを通過して、モータ温度検出動作が実行され
る。すなわち、この場合には、モータM内部において、
検出用電流が、複数巻の励磁コイルUの一方の巻線U1
を通過し、他方の巻線U2を通過して、ほぼ同一の経路
を行って戻ってくるので、他のV,W相の励磁コイルか
らの回転磁界による逆起電力の影響や、この検出用電流
が生成する磁界の影響を極限できる。
【0067】すなわち、この検出経路Ux上には、順
次、温度検出用の電源71、抵抗器73、電流計72が
直列に接続されている。
【0068】この温度検出用の電源71は、所定の直流
電流を供給するようにしている。すなわち、この検出用
電流は、任意に設定され、例えば、検出用に用いるU相
励磁コイルから回転磁界が生成されない程度に、微小な
電流を用いることができ、また、抵抗値の変化を検出す
る最適な値に設定できるので、検出に用いる消費電力の
低減と、検出精度の向上を図ることができる。また、非
検出動作時には、検出用電源71の出力を停止して、検
出用電源71から供給される検出用電流が、接続された
バイパス通電経路Uyと検出経路Uxとにより形成される
閉じたループ状に通電することを防止している。
【0069】この温度検出用の電流計72は、検出用電
流に応じた測定レンジを有する一般的な電流計72が用
いられており、出力端子は、制御回路19等のようにモ
ータ温度検出を必要とする回路・機器に接続されてい
る。すなわち、例えば、この制御回路19に、予め用意
された演算式やテーブル等により、この検出電流値から
実際のモータ動作温度を換算し、所定に警告や出力調整
等のような判定処理を行うように構成できる。
【0070】尚、電流計72と電源71との間に直列接
続されている抵抗器73は、電流計72を過剰電流から
保護する保護抵抗である。
【0071】更に、このようなU相励磁コイルへの通電
状態を判別してバイパス通電経路Uyを断続する切換え
機構は、U相励磁コイルに接続されているP側トランジ
スタTa+に接続されたゲートドライバ75と、このゲ
ートドライバ75と、U相励磁コイルに接続されている
N側トランジスタTa-のゲート端子に接続された判定
論理素子76と、この判定論理素子76に接続され、バ
イパス経路上に配設されたトランジスタ77を駆動する
ゲートドライバ78とから構成されている。
【0072】このゲートドライバ75は、その一端の入
力端子が、U相の励磁コイルに接続されているP側トラ
ンジスタのゲート側端子に接続され、他端の入力端子が
U相の励磁コイルに直通する巻線U2に接続されてい
る。
【0073】また、このゲートドライバ75の出力端子
は、判定論理素子76の一方の入力端子に接続され、こ
の判定論理素子76の他端の入力端子は、N側トランジ
スタTa-のゲート端子に接続されている。この判定論
理素子76は、イクスクルーシブ・オア論理素子が用い
られており、このイクスクルーシブ・オア論理素子は、
その入力端子が互いに異なる信号入力状態の場合、すな
わち、そのどちらか一方の入力端子にオン信号又はオフ
信号が入力されている場合には、論理比較判定が成立
し、判定論理素子76からオン状態信号を出力する一
方、両入力端子が互いに同一な信号入力状態の場合、す
なわち、両入力端子がオフ又はオン状態の場合には、判
定論理素子76からオフ状態信号を出力する(但し、励
磁コイルへの通電を制御するN側及びP側トランジスタ
が同時にオン状態となることは無いので、両入力がオン
状態となることは有り得ない)。従って、U相励磁コイ
ルに通電されていない場合、つまり、U相励磁コイルに
接続されているP側及びN側トランジスタがオフされて
いることを判別して、オン動作信号を出力することがで
きるようになっている。
【0074】尚、ゲートドライバ75の出力端子は、モ
ータ制御回路27に並列的に接続されている。
【0075】このゲートドライバ78は、その入力端子
が、前記判定論理素子76の出力端子に接続され、その
出力端子が、バイパス通電経路Uy上に直列接続して配
設されたトランジスタ77のゲート入力端子に接続され
ている。このトランジスタ77は、励磁電流を扱えるM
OS−FET型トランジスタが用いられている。また、
ゲートドライバ78は、オフ動作信号が入力される場合
には、オフ動作信号を出力し、トランジスタ77をスイ
ッチとしてオフ状態として、バイパス通電経路Uyを切
断して遮断状態にする一方、オン動作信号が入力される
と、トランジスタ77をスイッチとしてオン状態とし
て、バイパス通電経路Uyを接続状態にする。
【0076】従って、U相励磁コイルに通電する場合に
は、U相励磁コイルに接続されているP側及びN側トラ
ンジスタのどちらかがオン状態となっていることを判定
論理素子76が判定して、オン動作信号が出力され、こ
のオン動作信号により、ゲートドライバ78に接続され
たトランジスタ77がオン接続動作し、このバイパス通
電経路Uyを通じて、所定の励磁電流が励磁コイルUに
供給され、検出用電源71及び電流計72等が設けられ
た検出経路Uxには、励磁電流が流れないようになって
いる。また、この場合には、同時に、検出用電源71の
出力を停止して、検出用電源71からの検出用電流が、
このバイパス通電経路Uyと検出経路Uxとで形成され
る閉じたループ状に通電することを防止している。
【0077】また、U相励磁コイルに通電されない場合
には、検出経路Uxが活動状態となり、モータ温度の測
定が行われる。すなわち、P側及びN側トランジスタの
どちらもオフ状態となっていることを判定論理素子76
が判定して、オフ動作信号が出力され、ゲートドライバ
78に接続されたトランジスタ77がオフ遮断動作し、
バイパス通電経路Uyを遮断して、検出経路Uxと励磁コ
イルUの両巻線U1,U2を含めたループ状の通電経路が
形成され、この通電経路に検出用電流が供給されて、電
流変化に基づいたモータ温度の検出が行われる。
【0078】尚、判定論理素子76として、イクスクル
ーシブ・オア論理素子を用いているが、これに限らず、
オア論理素子を用いるとともに、ゲートドライバ78
が、このオア論理素子からのオン動作信号により、オン
接続動作するものを用いても良い。すなわち、この場合
には、励磁コイルUに通電するときには、励磁コイルU
に接続されている両トランジスタのどちらかがオンさ
れ、これに接続されオア論理素子の入力端子のどちらか
には、オン信号が入力されるので、このオア論理素子か
らオン動作信号が出力され、ゲートドライバ78のトラ
ンジスタ77がオン接続動作し、バイパス経路が生成さ
れ、このバイパス経路を介して、通常に励磁コイルUに
励磁電流が供給される。そして、励磁コイルUに通電し
ないときには、励磁コイルUに接続されている両トラン
ジスタがオフされ、オア論理素子の両入力端子には、オ
フ信号が入力されるので、このオア論理素子からオフ動
作信号が出力され、ゲートドライバ78のトランジスタ
77がオフ遮断動作し、検出経路Uxが活動状態とな
り、温度測定が行われる。
【0079】次に、本例のブラシレスモータの温度検出
装置の動作について説明する。
【0080】まず、U相の励磁コイルに通電する場合に
は、U相励磁コイルに接続されたトランジスタTa+
Ta-のどちらか一方がオン動作するので、これらのト
ランジスタTa+のゲートドライバ75の出力端子とT
-のゲート端子とが各入力端子に接続された判定論理
素子76から、オン動作信号が出力される。従って、こ
の判定論理素子76の後段に接続されているゲートドラ
イバ78に接続されているトランジスタ77がオン動作
し、U相励磁コイルの巻線U1にバイパス経路Uyが電
気的に接続される。
【0081】そして、モータの回転駆動制御に伴い、あ
るモータ・ロータの回転位置時点によっては、励磁コイ
ルのV及びW相を通して、所定の励磁電流が供給され、
U相の励磁コイルに、電流が供給されないことになる。
すなわち、このU相の励磁コイルに通電されない場合に
は、U相励磁コイルに接続されたトランジスタTa+と
Ta-とがオフしているので、判定論理素子76からオ
フ動作信号が出力される。そして、この論理素子の後段
に接続されているゲートドライバ78がオフ動作し、バ
イパス経路が遮断される。この結果、検出経路UxとU
相の励磁コイルの両巻線U1,U2によってループ状の電
路が形成され、この電路を検出経路Uxの電源71から
の温度検出用電流が流れ、電流計72により、温度変化
による抵抗値に応じた電流値が得られる。
【0082】尚、本例においては、ある1相の励磁コイ
ルの抵抗変化を検出するように構成したが、これに限ら
ず、全相の励磁コイルの抵抗変化を検出するように構成
してもよく、この場合は、複数の励磁コイルから、それ
ぞれ、検出データを得ることができることになり、検出
精度の向上を図ることができる。また、モータの極数
と、ステータの一周当たりの励磁コイルの個数との組合
せに対応して、温度検出に用いる励磁コイルの選択やそ
の切換え処理は、最適なものに変更されることになる。
【0083】また、励磁コイルを流れる検出用電流の電
圧をシャント抵抗器により検出し、この測定電圧から励
磁コイルの抵抗変化を決定するように構成しても良い。
すなわち、このシャント抵抗器は、消費電力が小さい低
抵抗な抵抗器であり、シャント抵抗器を上述した検出通
電経路上に直列接続し、この抵抗器の両端の端子電圧を
測定することにより、検出用電流の変化、つまり、励磁
コイルの抵抗変化を決定することができる。従って、こ
のシャント抵抗器による電力消費を最小限にしながら、
励磁コイルの抵抗変化を検出することができる。
【0084】以上説明したように、本例のモータ温度検
出手段によれば、前記第1例と同様な効果を奏するのみ
ならず、モータ運転中に、このモータ動作時の発熱原因
の大部分を占める励磁コイルの温度を、抵抗変化を検出
することにより、直接的に測定しているので、モータ温
度検出としての有用性を高めることができる。
【0085】また、励磁コイルの断線時には、検出用デ
ータが得られないので、即座に断線故障を判別すること
ができる。また、同様に、励磁コイル内で電気的なショ
ートが生じた場合にも、検出したコイルの抵抗値が異常
値となるので、容易に判別することができる。
【0086】更に、励磁コイルに通電されていない場合
に、そのコイルを用いてモータ温度を検出しているの
で、全励磁コイルに通電されていない場合、すなわち、
モータの運転前や、モータの停止後にも、モータ温度を
検出することができる。
【0087】尚、上述した各例は、互いに排除しあうも
のではなく、任意に組合せて単一のブラシレスモータに
適用することができ、異なる温度検出手法を併用するこ
とにより、温度検出機構を多重化して、より安全性を高
めることができる。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本願第1請求項に
記載した発明は、ホール素子を備えたブラシレスモータ
の温度検出方法において、前記ホール素子の温度に応じ
て変化する出力電圧から、モータの温度を求める構成の
ブラシレスモータの温度検出方法である。
【0089】本願第2請求項に記載した発明は、ホール
素子を備えたブラシレスモータにおいて、前記ホール素
子の出力電圧を検出する電圧検出手段と、この電圧検出
手段で検出された前記出力電圧と当該ホール素子の温度
変化特性とを照合してモータの温度を判定する温度判定
手段と、を有する構成のブラシレスモータの温度検出装
置である。
【0090】このように、前記第1及び第2請求項に記
載した発明は、ブラシレスモータにおいて一般にモータ
のロータ回転位置検出用に用いられているホール素子の
温度依存特性を利用して、このホール素子の温度に応じ
て変化する検出出力電圧から、モータの動作温度を検出
するようにしたものである。
【0091】従って、専用の温度検出素子を用いずに、
モータケース内部に予め備えられた部材によりモータ温
度を検出できるので、温度検出装置用の配置スペースの
確保や配線等の手間が不要となり、また、コストダウン
を図ることができる。
【0092】また、同様に、既存の部品であるホール素
子を温度検出装置として用いているので、このホール素
子を用いているモータならば、広範囲に適用することが
できる。すなわち、モータの規模に拘わりなく、例え
ば、軽量コンパクトなモータに適用することができると
ともに、従来のモータにも、ホール素子の検出信号を温
度値に変換処理する付加回路の追加のみで、容易に適用
することができる。
【0093】本願第3請求項に記載した発明は、複数の
励磁コイルを備え、前記励磁コイルを順次切換え通電し
て、回転磁界を生成するブラシレスモータの温度検出方
法において、励磁コイルのうち磁界生成に用いられてい
ないコイルに所定の検出電流を通電して、当該励磁コイ
ルの通電電流値又は抵抗値を測定し、この測定された通
電電流値又は抵抗値からモータの温度を求める構成のブ
ラシレスモータの温度検出方法である。
【0094】本願第4請求項に記載した発明は、複数の
励磁コイルを備え、前記励磁コイルを順次切換え通電し
て、回転磁界を生成するブラシレスモータにおいて、励
磁コイルのうち磁界生成に用いられていないコイルに検
出電流を通電するとともに当該励磁コイルの通電電流値
又は抵抗値を検出する検出手段と、前記検出手段により
検出された励磁コイルの通電電流値又は抵抗値からモー
タの温度判定する温度判定手段と、を有する構成のブラ
シレスモータの温度検出装置である。
【0095】このように、前記第3及び第4請求項に記
載した発明は、モータの回転動作に伴い、励磁電流が各
励磁コイルに切り換え通電されるブラシレスモータにお
いて、ロータ回転駆動用の励磁電流が通電されていない
励磁コイルを利用して、温度によるコイルの通電抵抗変
化を検出することにより、モータ動作温度を検出できる
ようにしたものである。
【0096】従って、前記第1及び第2請求項に記載し
た発明と同様に、専用の温度検出装置を用いずに温度検
出を行うことができるので、省スペース化、コストダウ
ン等を図ることができる。
【0097】更に、モータ運転中に、このモータ動作時
の発熱原因の大部分を占める励磁コイルの温度を、抵抗
変化を検出することにより、直接的に測定しているの
で、モータ温度検出としての有用性を高めることができ
る。
【0098】また、励磁コイルの断線時には、検出用デ
ータが得られないので、即座に断線故障を判別すること
ができる。また、同様に、励磁コイル内で電気的なショ
ートが生じた場合にも、検出したコイルの抵抗値が異常
値となるので、容易に判別することができる。
【0099】更にまた、励磁コイルに通電されていない
場合に、そのコイルを用いてモータ温度を検出している
ので、全励磁コイルに通電されていない場合、すなわ
ち、モータの運転前や、モータの停止後にも、モータ温
度を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモータを用いた電動自転車に係り、全
体概略構成を示す側面図である。
【図2】本例のモータを用いた電動自転車に係り、人力
駆動及びモータ補助駆動制御の概略全体を説明するブロ
ック図である。
【図3】本発明のブラシレスモータの基本構成を説明す
る概略構成図である。
【図4】本発明のブラシレスモータの温度検出装置の第
1具体例に係わり、ホール素子の検出出力電圧の温度依
存特性を示すグラフである。
【図5】第1具体例に係わり、実際のホール素子の検出
出力波形を示し、(1)は、ホール素子の接続を示す回
路図、(2)は、低温時の波形図、(3)は、高温時の
波形図である。
【図6】本例のホール素子の出力信号を処理する回路図
である。
【図7】本発明のブラシレスモータの温度検出装置の第
2具体例に係わり、モータ運転中のある時点における、
各励磁コイルU,V,Wへの通電状態を説明する説明図
である。
【図8】本第2具体例に係わり、励磁コイルの複数巻線
を用いた抵抗検出用電流の通電を説明する説明図であ
る。
【図9】本例の温度検出装置の全体概略を示す回路図で
ある。
【符号の説明】
1 電動自転車 2 フレーム体 2a 前フォーク 2b バックフォーク 2c メインパイプ 2d 立パイプ 3a サドル 3b ハンドル 4 前輪 5 後輪 6 従動スプロケット 7 ペダル 7a ペダルアーム 8 バッテリユニット 8a メインキー・スイッチ 9 チェーン 10 接続コネクタ 11 パワーユニット 19 制御回路 20 モータ駆動回路 21 モータ軸 22 ロータ 23 ステータ 25 磁気検出素子(ロータ回転位置及びモータ動作温
度検出兼用) 26 ロータ回転位置判別回路 27 モータ制御回路 28 スイッチング回路 30 踏力検出手段 40 車速センサ 51 出力信号処理回路 52 増幅回路ブロック 53 整流回路ブロック 54 オペアンプ 55a 第1抵抗器 55b 第2抵抗器 55c 第3抵抗器 55d 負帰還抵抗器 56a 第1オペアンプ 56b 第2オペアンプ 57a 第1抵抗器 57b 第2抵抗器 57c 第3抵抗器 57d 第4抵抗器 57e 第5抵抗器 58a 第1ダイオード 58b 第2ダイオード 59 コンデンサ 70 温度検出装置 71 検出用電源 72 電流計 73 抵抗器 75 ゲートドライバ 76 判定論理素子 77 トランジスタ 78 ゲートドライバ M 走行用ブラシレスモータ U モータのU相励磁コイル U1,U2 U相励磁コイルの各巻線 Ux 検出通電経路 Uy バイパス通電経路 V モータのV相励磁コイル W モータのW相励磁コイル
フロントページの続き (72)発明者 新海 勝美 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 田中 邦章 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 中里 博 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホール素子を備えたブラシレスモータの
    温度検出方法において、 前記ホール素子の温度に応じて変化する出力電圧から、
    モータの温度を求めることを特徴とするブラシレスモー
    タの温度検出方法。
  2. 【請求項2】 ホール素子を備えたブラシレスモータに
    おいて、 前記ホール素子の出力電圧を検出する電圧検出手段と、 この電圧検出手段で検出された前記出力電圧と当該ホー
    ル素子の温度変化特性とを照合してモータの温度を判定
    する温度判定手段と、を有することを特徴とするブラシ
    レスモータの温度検出装置。
  3. 【請求項3】 複数の励磁コイルを備え、前記励磁コイ
    ルを順次切換え通電して、回転磁界を生成するブラシレ
    スモータの温度検出方法において、 励磁コイルのうち磁界生成に用いられていないコイルに
    所定の検出電流を通電して、当該励磁コイルの通電電流
    値又は抵抗値を測定し、この測定された通電電流値又は
    抵抗値からモータの温度を求めることを特徴とするブラ
    シレスモータの温度検出方法。
  4. 【請求項4】 複数の励磁コイルを備え、前記励磁コイ
    ルを順次切換え通電して、回転磁界を生成するブラシレ
    スモータにおいて、 励磁コイルのうち磁界生成に用いられていないコイルに
    検出電流を通電するとともに当該励磁コイルの通電電流
    値又は抵抗値を検出する検出手段と、 前記検出手段により検出された励磁コイルの通電電流値
    又は抵抗値からモータの温度判定する温度判定手段と、
    を有することを特徴とするブラシレスモータの温度検出
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008116631A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Canon Inc 電磁誘導方式の加熱装置を備える画像形成装置
JP2010098922A (ja) * 2008-10-20 2010-04-30 Canon Inc モータ駆動装置及び電子機器

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