JPH09261878A - 電源装置 - Google Patents

電源装置

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JPH09261878A
JPH09261878A JP9898996A JP9898996A JPH09261878A JP H09261878 A JPH09261878 A JP H09261878A JP 9898996 A JP9898996 A JP 9898996A JP 9898996 A JP9898996 A JP 9898996A JP H09261878 A JPH09261878 A JP H09261878A
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JP
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battery
charging
lithium battery
lithium
circuit
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JP9898996A
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Yoshiaki Sakamoto
義明 坂本
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RITSUKU KK
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RITSUKU KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リチウム電池B2の高電圧と高出力を1本の
乾電池B1のコストで利用できる電源装置を提供する。 【解決手段】 乾電池B1とストロボ回路12の間に充
電回路11とリチウム電池B2を設ける。充電回路11
は、乾電池B1の出力を昇圧して連続的な一定の充電電
流を形成する。制御回路15は、充電停止状態でのリチ
ウム電池B2の電圧検知を挟んで13mAで5分間の充
電を繰り返し、リチウム電池を常に満充電の状態へ向か
って充電する。ストロボ発光がなされるごとに充電回路
11が起動されてリチウム電池B2が充電される。リチ
ウム電池B2に駆動されたストロボ回路12は、5秒程
度で1回のストロボ発光を準備できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム電池を繰
り返し充電して一時的な電力消費の増大を伴う負荷に電
力供給させる電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カメラ、携帯電話、ブック型パソコン等
の携帯用機器では、搭載した電池(一次電池や二次電
池)から取り出した電力で負荷が直接に駆動される。従
って、電池を直列に接続して必要電圧を確保する必要が
あり、一時的な大電流下でも必要電圧を維持できる出力
特性が電池に要求され、必要電圧を割り込むと、容量が
残っていても電池交換がなされる。一時的な電力消費の
増大を伴う機器には、平均的な電力消費レベルから見て
過剰な本数や品質の電池が搭載される。例えば、カメラ
ではストロボ充電時やズーム作動時、携帯電話では送話
時、ブック型パソコンではディスク作動時に一時的に電
力消費が増大する。このため、多数の乾電池を直列に接
続して通常時には過剰な電圧を確保している。また、携
帯性を重視する場合には高価なアルカリ電池やリチウム
電池が採用される。様々な負荷側の要求や機器の都合に
対応すべく、サイズや構造の異なる多種類の電池が開
発、販売されている。
【0003】特開昭62−92734号公報には、機器
に内蔵された二次電池を乾電池で充電して、二次電池か
ら負荷に電力供給するようにした電源装置が示される。
その充電回路は昇圧回路を含み、連続した直流電流で二
次電池を充電する。特開昭57−72278号公報に
は、ストロボ回路に二次電池を部品として組み込み、交
換可能な乾電池で常時充電して、ストロボ充電時の大電
流の取り出しに対しても必要電圧を確保できるようにし
た電源装置が示される。特開平5−24489号公報に
は、バッテリーの出力を昇圧して補助バッテリーに蓄積
し、負荷に高電圧を供給して効率的に作動させるように
した電源装置が示される。
【0004】ところで、従来の一般的な電池に比較して
出力電圧が高く、重量や体積当たりの容量が大きくて自
己放電が少ない電池として、各種のリチウム電池が開発
されている。リチウム電池は、リチウムやリチウム合金
を負極に使用し、非水電界液を浸漬したセパレータを介
して負極と正極を対向させた構造を持つ。リチウム電池
の放電過程では、負極から溶け出したリチウムイオンが
セパレータを通り抜けて正極側へ移動し、正極の内部に
拡散する。この状態からリチウム電池を充電すると、リ
チウムイオンが正極から解放され、負極側へ移動して負
極の界面にリチウム原子として析出する。
【0005】リチウム電池を充電して繰り返し使用する
技術は、特願平5−274595号の明細書および図面
に示される。ここでは、太陽電池の出力を用いてリチウ
ム電池が充電され、リチウム電池から取り出した電力で
携帯用カメラのストロボ装置を作動させる。リチウム電
池は、連続パルス状の充電電流によって、満充電状態の
95%以下の所定レベルまで充電される。また、特願平
4−339002号の明細書および図面には、太陽電池
の出力を用いて二次電池を充電する技術が示される。二
次電池から負荷に電力供給を行わせることで、太陽電池
で直接には駆動できない負荷を安定に作動させ得る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一時的な電力消費の増
大を伴う機器には、平均的な電力消費のレベルから見て
過剰な本数の乾電池が搭載されるから、乾電池の重量が
機器の携帯性を損なわせている。ヒーター、トランス、
モーター等の負荷やトランジスタは、高い電圧で駆動す
るほうが効率が高く、回路や機器設計の自由度も高まる
が、高い電圧を得るために乾電池の本数を増すと機器の
携帯性が損なわれる。例えば、カメラで電源電圧を高め
るとストロボ充電時間が短縮され、ズームやフィルム巻
き取りの速度も高まる。そこで、高電圧、高出力を利用
すべくリチウム電池が採用されるが、カメラの携帯性が
高まる一方で電池のコストが確実に増大する。また、乾
電池を使用する従来の電源装置は、電池が持つ本来の容
量を十分に使い切ることができない。一時的な大電流に
対して必要電圧のレベルを維持できなくなった乾電池
は、平均的な取り出し電流に対して出力電圧を十分に維
持できる残留容量を残した状態で新品に交換される。
【0007】そこで、電源装置に乾電池とリチウム電池
の両方を搭載し、乾電池でリチウム電池を充電してリチ
ウム電池から負荷に電力供給する提案がなされた。乾電
池の電池コストでリチウム電池の高電圧を利用でき、N
iCd電池のような漏れ電流による問題も発生しない。
しかし、リチウム電池は、特願平5−274595号の
明細書および図面に示されるように、充放電を繰り返す
と負極の界面に凹凸や突起が形成されて電池の品質を損
なう可能性がある。リチウムを使用する二次電池では、
充電時にリチウムイオンが負極の内部に拡散して界面に
析出しない負極が選択される。充電時に負極の界面にリ
チウム原子が単純に堆積する負極では、充電ごとに負極
の界面の凹凸が増長され、針状の突起物(デンドライ
ト)が形成されて電池の耐衝撃性を損なわせる。また、
リチウム電池は、充放電を繰り返すと次第に充電が困難
になる。充電電圧と放電電圧の格差が増大して効率が低
下する。充電電圧が高まると電解液の劣化速度が高ま
り、針状の突起物が形成され易くなる等の問題を生じ
る。
【0008】本発明は、リチウム電池の充放電の条件を
最適化して、リチウム電池の品質を損なうことなく充放
電を安定して多数回繰り返せる電源装置を提供すること
を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、交換
または充電可能な第1電池と、第1電池よりも高電圧高
出力で一時的な電力消費の増大を伴う負荷を駆動する第
2電池とを有する電源装置において、第1電池の出力を
昇圧して第2電池の充電電流を形成し、第2電池の充電
を停止可能に構成された充電回路と、前記充電回路を制
御して、前記充電の停止状態で第2電池の端子電圧を検
知する間欠的な充電を繰り返して、第2電池の端子電圧
を所定の上限値に回復させる制御回路とを有するもので
ある。請求項2の発明は、請求項1の電源装置における
制御回路が、第2電池の端子電圧が所定の下限値を割り
込むと前記充電回路を起動させ、ほぼ一定の充電時量ご
とに充軍を停止させ、停止後に時間を置いて第2電池の
端子電圧を検知するものである。請求項3の発明は、請
求項2の電源装置において、前記充電回路が直列接続し
た複数個の第2電池のそれぞれで充電を停止可能に構成
され、前記制御回路が複数個の第2電池で端子電圧をそ
れぞれ検知し、端子電圧が前記上限値に達したものから
順に充電を停止して、すべての第2電池の端子電圧を前
記上限値に誘導するものである。
【0010】請求項4の発明は、リチウムまたはリチウ
ム合金の負極を持ち、一時的な電力消費の増大を伴う負
荷を駆動するリチウム電池と、連続した直流電流を形成
して前記リチウム電池を充電する充電回路と、前記充電
回路による一定の充電量ごとに充電停止状態で前記リチ
ウム電池の端子電圧を検知する充電操作を繰り返す制御
回路とを有する電源装置であって、前記制御回路は、前
記リチウム電池の端子電圧が最終的な上限値に達する以
前に充電積算量が所定値に達すると、前記一時的な電力
消費を越える意図的な電力消費を挟んで前記充電操作を
再実行するものである。
【0011】請求項5の発明は、交換または充電可能な
第1電池と、リチウムまたはリチウム合金の負極を持つ
リチウム電池とを備え、第1電池によって充電された前
記リチウム電池で一時的な電力消費の増大を伴う負荷を
駆動する電源装置において、第1電池の出力を昇圧し、
連続した直流の定電流を形成して前記リチウム電池を充
電する充電回路と、前記充電回路による一定時間の充電
ごとに充電停止状態で前記リチウム電池の端子電圧を検
知する充電操作を繰り返して、前記リチウム電池の端子
電圧を所定の上限値に回復させる制御回路とを有するも
のである。
【0012】請求項6の発明は、交換または充電可能な
第1電池と、リチウムまたはリチウム合金の負極を持つ
リチウム電池とを備え、一時的な電力消費の増大を伴う
負荷を前記リチウム電池により駆動する電源装置におい
て、第1電池の出力を昇圧して連続した直流電流を形成
し、前記直流電流のレベルを変更可能に構成した充電回
路と、前記一時的な電力消費の発生頻度を識別して、頻
度が高い場合に前記直流電流のレベルを大きく設定する
制御回路とを有するものである。
【0013】請求項7の発明は、交換または充電可能な
第1電池とリチウム電池とを備え、一時的な電力消費の
増大を伴う負荷を前記リチウム電池により駆動する電源
装置において、第1電池の出力を昇圧し、連続した直流
電流を形成して前記リチウム電池を充電する充電回路
と、前記一時的な電力消費が発生するごとに前記充電回
路を起動させ、前記充電回路による一定時間の充電ごと
に充電停止状態で前記リチウム電池の端子電圧を検知す
る充電操作を繰り返して、前記リチウム電池の端子電圧
を所定の上限値に回復させる制御回路とを有するもので
ある。
【0014】請求項8の発明は、リチウムまたはリチウ
ム合金の負極を持つリチウム電池と、連続した直流電流
を形成して前記リチウム電池を充電する充電回路とを有
する電源装置において、前記充電回路を制御して、前記
負極の厚さが10秒以内に0.2μm以上損耗する電力
消費を挟んで、前記負極の厚さの回復量が5μm以下と
なる充電操作を繰り返す制御回路を有するものである。
請求項9の発明は、請求項8の電源装置におけるリチウ
ム電池の全容量が、その全容量の5%以内で充放電が繰
り返されるように設定されたものである。
【0015】請求項10の発明は、請求項4〜9の電源
装置におけるリチウム電池が、プッシュプル駆動される
昇圧トランスに電力を供給して前記一時的な電力消費を
行うものである。
【0016】請求項11の発明は、交換または充電可能
な第1電池と、第1電池の電力を用いて充電されて第1
電池よりも高い電圧でストロボ回路を駆動するリチウム
電池と、第1電池の出力を昇圧し、連続した直流電流を
形成して前記リチウム電池を充電する充電回路と、スト
ロボ発光ごとに前記充電回路を起動して、前記リチウム
電池の充電停止状態における端子電圧を前記リチウム電
池のほぼ満充電に対応する上限値に回復させる制御装置
とを有するものである。
【0017】
【作用】請求項1の電源装置では、充電を停止した状態
で端子電圧を検知するから第2電池の残存容量や充電量
を正確に判断できる。また、端子電圧の検知を挟んだ間
欠的な充電を行うから、仮に過充電がされても過充電量
は、1回の間欠的な充電量を越えることがない。請求項
2の電源装置では、一定電荷量の充電ごとに端子電圧を
検知するから第2電池の過充電量が一定電荷量を越えな
い。充電停止後に時間を置いて、充電停止直後に見られ
る端子電圧のゆるやかな低下が完了した段階で端子電圧
を検知するから、第2電池の正確な充電状態を判断でき
る。請求項3の電源装置では、複数の第2電池で端子電
圧が上限値に達したものから順に充電を停止するから、
それぞれの第2電池で容量、放電深度、充電状態等がば
らついていても、最終的にはすべての第2電池が過充電
となることなく、所定の充電度にまで充電される。
【0018】請求項4の電源装置では、過去にリチウム
電池から取り出された電力を一気には補充せず、意図的
な電力消費を挟んで所定の充電積算量となる充電を複数
回繰り返して最終的な充電水準を達成する。所定の充電
積算量から意図的な電力消費を差し引いた充電量を積み
重ねて負極の厚さを初期状態に回復させる。意図的な電
力消費は、充電の継続によって増大する安定した充電の
阻害要因を除去して、負極の界面の凹凸や突起の成長を
抑制する。
【0019】請求項5の電源装置では、第1電池の出力
を昇圧してリチウム電池を充電するからリチウム電池の
高電圧を利用して負荷を駆動できる。また、連続した直
流電流でリチウム電池を充電するから、連続パルス状の
充電を行う場合に比較して負極の界面の凹凸や突起の成
長が抑制される。また、定電流で充電を行うから、一定
時間の充電で一定の充電量を確保でき、一定時間の充電
の回数で充電積算量を正確に制御できる。請求項6の電
源装置では、高頻度で一次的な電力消費がなされると充
電速度を早める。請求項7の電源装置では、一時的な電
力消費がなされるごとに、直ちに充電を開始するから、
放電状態で放置されることによる第2電池の劣化(充電
が困難になる)を防止できる。また、一時的な電力消費
ごとに充電回路を起動するから、通常のフロート充電や
トリクル充電のように常時起動状態とする場合に比較し
て、充電回路による無駄な電力消費が少ない。
【0020】請求項8と請求項9に示される充電条件
は、後述する実験結果から引き出されており、実験に使
用したリチウム電池に関してその品質を損なうことなく
充放電を安定して繰り返し得るものである。比較的に大
きな電力消費を挟んで負極の厚さの回復量が5μm以下
となる充電を繰り返すことが望ましく、電力消費は、1
0秒以内に0.2μm以上負極の厚さを損耗することが
望ましい。そして、負極の厚さの95%以上を、負極の
厚さの5%以内の増減を再現性高く繰り返し得るための
安定した支持層とすることで、渦巻き状に格納された負
極の変形、正極と負極の間隔のばらつき、電解液の偏在
等が抑制される。
【0021】請求項10の電源装置では、プッシュプル
駆動される昇圧トランスに電力供給するから、一次側の
片方の巻線へ電流が取り出される間隔に、他方の巻線へ
電流が取り出される。リチウム電池からの電流の取り出
しが連続的になり、シングル動作される昇圧トランスに
電力供給する場合に比較して負極の界面の凹凸や突起の
成長が抑制される。
【0022】請求項11の電源装置では、第1電池より
も高電圧、高出力でストロボ回路を効率的に駆動するか
ら、1回のストロボ発光に要するエネルギーを短時間で
蓄積できる。また、ストロボ発光がなされると即座に充
電を開始するから、放電と充電の間隔が伸びることによ
るリチウム電池の劣化が阻止される。また、充電目標を
ほぼ満充電のレベルに設定しているから、95%以下の
中途半端な充電目標とする場合に比較して、充放電の再
現性が高まる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1〜図5を参照して実施例の携
帯用カメラを説明する。図1は携帯用カメラの構成の説
明図、図2は充電回路の回路図、図3はストロボ回路の
回路図、図4は充電回路の制御のフローチャート、図5
は定電流の制御のタイムチャートである。図1におい
て、ストロボ回路12は、コンデンサに蓄積した電力を
瞬時に消費して放電管を発光させる。1回の発光に必要
な電力は10ジュールを越え、その他回路13が消費す
る電力に比較して桁違いに大きい。ストロボ回路12
は、リチウム電池B2から電力を取り出して、1回のス
トロボ発光に続く約5秒間でコンデンサを元通りに充電
できる。約5秒間に集中して10ジュールを越える大き
な電力がリチウム電池B2から取り出される。
【0024】単3型の1個の乾電池B1は、カメラの電
池ホルダーに格納されて1.5V〜0.75Vの端子電
圧で充電回路11へ電力供給する。充電回路11は、図
2に示すように構成され、乾電池B1の出力を昇圧して
連続した直流電流を形成してリチウム電池B2を充電す
る。ストロボ回路12およびその他回路13は、リチウ
ム電池B2から3Vほぼ一定電圧で電力供給される。そ
の他回路13は、シャッター駆動回路、ズーム駆動回
路、フィルム巻き取り駆動回路等を含む。充電回路11
は、ストロボ発光がされるごとに起動されて、13mA
(または59mA)の定電流で、数分間をかけてリチウ
ム電池B2を充電する。リチウム電池B2の高電圧、大
電流を利用して5秒間隔のストロボ発光を可能とする一
方で、乾電池B1からは、数分間隔でストロボ発光がな
される程度の電流しか取り出さない。乾電池B1は、リ
チウム電池B2を介して間接的にストロボ回路12へ電
力供給するから、取り出される電流が平均化され、その
高い内部抵抗にもかかわらず比較的に高い端子電圧で充
電回路11を駆動できる。
【0025】制御回路15は、マイコン回路で構成さ
れ、搭載されたプログラムに従ってカメラの複数の回路
や機構を総合的に制御して、操作者の操作内容に応じた
最適な撮影条件によるフィルム露光を可能にする。制御
回路15は、図4に示すように、乾電池B1とリチウム
電池B2の端子電圧を検知して充電回路11を制御し、
リチウム電池B2の端子電圧(充電状態)をほぼ満充電
に対応する所定範囲に維持する。
【0026】図2に示すように、充電回路11は、トラ
ンジスタQ4がONされた状態で、乾電池B1の出力を
トランスT1で昇圧し、比較器U1を含む定電流回路1
8で連続した一定の直流電流を形成してリチウム電池B
2に流し込む。トランスT1の巻線M1、M3、トラン
ジスタQ1、コンデンサC3、抵抗R1は自励発振回路
を形成し、トランジスタQ1を自律的にON/OFFさ
せて巻線M1に連続的なパルス電流を流す。昇圧されて
トランスT1の二次側の巻線M2に取り出された誘導電
流は、ダイオードD1により整流されてコンデンサC4
により平滑される。コンデンサC4の端子電圧が5Vを
越えるとツエナーダイオードD2がトランジスタQ3を
ONさせ、トランジスタQ1のON/OFF)すなわち
トランスT1の一次側の自励発振を停止させる。
【0027】定電流回路18は、この5Vの範囲内でコ
ンデンサC4の端子電圧を上下させることにより、リチ
ウム電池B2に対する充電電流を一定に維持する。コン
デンサC4の端子電圧は、結果的に3V前後、リチウム
電池B2の端子電圧よりもわずかに高い状態に自動調整
される。すなわち、抵抗R3を流れる電流が基準値を越
えると、比較器U1の出力が反転してトランジスタQ3
がOFFし、トランスT1の作動が停止してコンデンサ
C4の端子電圧が低下する。これにより、抵抗R3を通
じてリチウム電池B2に流れ込む電流が基準値まで低下
する。基準値は、トランジスタQ2のON/OFFに応
じて、59mAと13mAの2段階に切り換えられる。
【0028】トランスT1の二次側の巻線M2、M4か
ら取り出された誘導電流は、ダイオードD4により整流
されてコンデンサC5にほぼ5Vの直流電圧を形成する
(コンデンサC4の端子電圧が3V前後のとき)。この
5Vは、抵抗R9および比較器U1の電源端子に供給さ
れる。抵抗R9を通じて供給される電流がツエナーダイ
オードD3に基準電圧を発生させる。基準電圧を抵抗R
7、R8、R6、トランジスタQ2、可変抵抗VR1の
回路で分割した電圧が比較器U1の負端子にかかる。比
較器U1は、トランジスタQ3のON/OFFを制御し
てコンデンサC4の端子電圧を調整し、抵抗R3の電圧
低下(正端子の電圧)を負端子の電圧に一致させる。制
御回路15がトランジスタQ2をONしていれば、可変
抵抗VR1に流れ込む電流が増して、リチウム電池B2
の正極に対する比較器U1の負端子の電圧が高まる。こ
の結果、抵抗R3を流れる電流が59mAに達するまで
トランジスタQ3はOFFしなくなる。一方、トランジ
スタQ2がOFFしていれば、可変抵抗VR1に流れ込
む電流が減って比較器U1の負端子の電圧が低下し、抵
抗R3を流れる電流が13mAを越えるとトランジスタ
Q3がOFFされる。
【0029】図3はストロボ回路12の回路図である。
ストロボ回路12は、トランスT2をプッシュプル駆動
して二次側巻線N2に高電圧の交流を形成し、ダイオー
ドD22、D24で整流した直流電圧をコンデンサC2
7に蓄積する。制御回路15は、トランジスタQ22を
ON/OFFして、コンデンサC27の電圧VCを30
0Vまで充電する。コンデンサ27の電圧VCが300
Vに保持された状態でカメラのシャッターボタンが操作
されると、制御回路15は、トリガー回路TRを起動し
て放電管XE1の放電を開始させる。放電管XE1の放
電によってコンデンサ27に蓄積された電力が瞬時に開
放されて強い発光が形成される。
【0030】トランスT2、トランジスタQ23、Q2
4、コンデンサC51、C52、ダイオードD21、D
23を含む回路は、自励発振回路を形成しており、制御
回路15がトランジスタQ22をONさせた状態で自律
的に発振する。すなわち、二次巻線N2に下向きの電流
が流れ始めるとダイオードD21を通じた正帰還により
トランジスタQ23がONされ、トランジスタQ25の
コレクタ電流が増大して二次巻線N2の下向きの電流を
さらに増加する。しかし、下向きの電流が飽和するとト
ランジスタQ23がOFFして代わりにトランジスタQ
24がONし、ダイオードD23を通じた正帰還によ
り、トランジスタQ26のコレクタ電流を増大して二次
巻線N2の上向きの電流を増加させる。二次側では、ト
ランジスタQ22、Q23、ダイオードD21、二次巻
線D22、ダイオードD22の経路を通じた昇圧と、ト
ランジスタQ22、Q24、ダイオードD23、二次巻
線D22、ダイオードD24の経路を通じた昇圧が交互
に繰り返される。
【0031】一次側では、トランジスタQ25、Q26
が交互にONして、一次側巻線N1の中間タップを挟む
両側の部分に交互に電流が流れ、トランスT2のコアの
磁界の向きが交互に反転する。一次側巻線N1の中間タ
ップにはリチウム電池B2が接続されており、トランジ
スタQ25(Q26)がONすると、リチウム電池B2
からトランスT2の一次側巻線N1に大きな電流が流れ
込む。しかし、トランジスタQ25、Q26が交互にO
Nするから、リチウム電池B2から取り出される電流が
途切れる時間はごく短くなる。さらに、コンデンサC2
6による平滑を経て高い周波数成分が除去されるから、
リチウム電池B2からは連続的な直流電流が取り出され
る。また、プッシュプル型のストロボ回路12では、昇
圧トランスT2のコアを両方向に磁化させるから、小型
軽量なコアでも高効率かつ高出力の昇圧が可能となり、
片方向の磁化だけを使用するシングル型を採用する場合
に比較して、ストロボ回路12の効率がさらに高まる。
【0032】制御回路15による充電回路11の制御
は、図4のフローチャートに従って実行される。ストロ
ボ回路12が起動してリチウム電池B2の端子電圧V2
が急低下した場合と、端子電圧V2が下限値VLを割り
込んだ場合に上限値VHまで充電がなされる。ステップ
111では、端子電圧V2が急低下したか否かが識別さ
れる。急低下しない場合はステップ131で10分ごと
に端子電圧V2が検知され、続くステップ132で端子
電圧V2が下限値VL(3.15V)を割り込んでいる
か否かを識別する。ストロボ発光を伴わない撮影を繰り
返したり、カメラを長期間放置したりして端子電圧V2
が下限値VLを割り込むと充電が実行される。下限値V
Lを割り込んでなければ充電には至らない。なお、後述
するように、3.15Vは、700mAhの容量を持つ
リチウム電池B2でストロボ発光を20回連続的に実行
して30mAh分の電力を取り出した状態に相当してお
り、通常の撮影状態では発生しにくい。一般的には、カ
メラが長期間放置されて、カメラのカレンダー表示やリ
チウム電池B2の端子電圧V2の検知を通じた電力消費
(平均5μAとして50mA/年)や、リチウム電池B
2の自己放電(35mAh/年以下)によって、端子電
圧V2が3.15Vを割り込むことになる。
【0033】端子電圧V2が急低下した場合と端子電圧
V2が下限値VLを割り込んでいる場合に、ステップ1
12でストロボ発光の頻度が評価される。直近の1分間
に端子電圧V2の急低下が2回以下であれば、ストロボ
発光の頻度が低いと判断してステップ113で定電流I
cを13mA(トランジスタQ2をOFF)、電圧検知
の間隔Tiを5分とする。直近の1分間に3回以上端子
電圧V2の急低下が検知されていれば、ストロボ発光の
頻度が高いと判断してステップ114で定電流Icを5
9mA(トランジスタQ2をON)、電圧検知の間隔T
iを1分とする。
【0034】間隔Tiごとに乾電池B1の端子電圧V1
とリチウム電池B2の端子電圧V2が検知される。端子
電圧V1、V2の検知は、電力消費と充電の中断をもた
らすから回数を少なくすることが望ましいが、間隔Ti
が長過ぎると、最終回の充電でリチウム電池B2が過充
電となる可能性が高まる。そこで、充電密度が高く過充
電となり易い59mAでは13mAの場合の1/5の間
隔Tiを設定する。また、定電流を59mAとすると1
3mAの場合に比較して乾電池B1の端子電圧が低下
し、図2の充電回路12による実験の結果、リチウム電
池B2の充電効率が半分以下(71%から32%)に低
下することが確認された。従って、ストロボ発光の頻度
が高くて、リチウム電池の放電深度が過剰となる可能性
が高い場合だけ59mAを選択する。
【0035】ステップ115では、設定された定電流で
充電を開始する。トランジスタQ4がONされてトラン
スT1の一次側で自励発振が始まる。ステップ116で
は、前回の端子電圧V1、V2の検知から間隔Tiが経
過したか否かが識別される。間隔Tiが経過するごとに
ステップ117で充電を一度停止し、1秒経過後の端子
電圧V1、V2が検知される。ステップ118では、5
9mAの充電中に関して乾電池B1の端子電圧V1が評
価される。端子電圧V1が0.9V以下となると乾電池
B1の消耗度が大きいと判断して、ステップ119で1
3mAの充電に切り替える。定電流Icが59mAから
13mAに低下すると乾電池B1の端子電圧V1が1.
1V程度に回復する。ステップ120では、13mAの
充電中に関して乾電池B1の端子電圧V1が評価され
る。端子電圧V1が0.75Vを割り込むと、充電が追
い付かなくなってリチウム電池B2の放電深度が過剰と
なる可能性が高まるため、ステップ121でカメラに警
告モードを設定する。警告モードでは、制御回路15が
電池交換の表示を行ってカメラの動作をロックする。端
子電圧V1が0.75Vに低下して容量の大部分が消耗
し尽くされる状態まで、乾電池B1が有効利用される。
【0036】ステップ122では、端子電圧V2が上限
値VH(3.2V)を越えたか否かが識別される。上限
値VHを越えていればステップ125へ進んで充電を完
了する。上限値VHを越えてなければステップ123へ
進んで、充電開始から通算した充電積算量が15mAh
を越えたか否かを識別する。充電積算量は、定電流13
mAによる1回の充電量を0.21mAh、定電流59
mAによる1回の充電量を1mAhとし、それぞれの充
電回数を乗じて加算する。通算の充電量が15mAhを
越える場合は、ステップ124へ進んで6mAhの強制
放電を実行した後に、ステップ115へ戻って充電を再
度開始する。15mA以下の場合はステップ116へ戻
って充電を継続する。強制放電では、ストロボ回路12
を作動させた場合と同程度の出力レベルで合計6mAh
分の電力(平均1.2Aで18秒間)をリチウム電池B
1から取り出す。ストロボ回路12のコンデンサ27の
充電に1.5mAhが消費され、残りの4.5mAh
は、図示されない還流回路を通じて乾電池B1に戻され
る。
【0037】ステップ126では、充電中に端子電圧V
2の急低下が発生したか否かを識別する。充電中にスト
ロボ発光がなされると、ステップ127で充電を終了し
てステップ112へ戻る。図5に示すように、連続的に
ストロボ発光が3回なされたとする。発光がなされるご
とに充電回路11が起動され、そのたびにリチウム電池
B2の端子電圧V2が急低下する。充電回路11は、約
5秒間に渡ってリチウム電池B2から最大4Aの電流を
取り出す。1回目と2回目の発光では、13mAの定電
流で充電が開始されるが、3回目の発光では、放電頻度
が大と判断されて59mAの定電流で充電が開始され
る。59mAで1分の充電と13mAで5分の充電は、
共にほぼ1mAhに相当するから、ストロボ回路12の
1回の駆動(1回のストロボ発光の準備)でリチウム電
池B2から取り出される1.5mAhの放電量(負極の
厚さの0.3μmの減少に相当)は、1回または2回の
充電で補充される。
【0038】図6は実施例に使用したリチウム電池B2
の構造の説明図、図7〜図9はリチウム電池B2を使用
した実験結果の説明図である。図6に示すように、リチ
ウム電池B2は、正極21と負極23を、電解液24を
浸漬したセパレータ22を介して対向させた構造を有す
る。正極21、負極23、およびセパレータ22はシー
ト状に加工され、重ね合わせて渦巻き状に巻き上げるこ
とで、対向面積を確保して対向間隔を小さくしている。
正極21は二酸化マンガンを主体とし、負極23はリチ
ウム合金で厚さが160μmある。電解液24は、有機
溶剤に特殊な電解質を分散させている。リチウム電池B
2では、放電に伴って負極23の界面からリチウムイオ
ンが電解液24中に溶出し、負極23の厚さが減少す
る。リチウムイオンは、セパレータ22を通って正極2
1側に移動し、正極21の内部に拡散してリチウム原子
として酸化固定される。一方、外部から電圧をかけて充
電する過程では、リチウム原子の固定が解けて正極21
からリチウムイオンが放出され、リチウムイオンがセパ
レータ22を通って負極23側に移動し、負極23の界
面にリチウム原子が堆積する。
【0039】このように構成されたリチウム電池B2で
無条件に充放電を繰り返すと、放電過程で発生した負極
23の界面の凸部分に、充電過程で選択的にリチウム原
子が析出して凹凸が増幅され、突起が正極21の方向に
成長し始める。そして、この突起が限界値を越えると、
リチウム電池B2に強い衝撃を加えた際に突起がセパレ
ータ22を貫通して正極21と負極23を短絡させる可
能性が高まる。従って、リチウム電池B2で充放電を安
定して繰り返すには、負極23の界面が平坦に維持され
て突起が形成されにくい充放電条件を選択する必要があ
る。
【0040】図7は、リチウム電池の放電深度と負極表
面の凹凸高さ(荒れ)の関係を示す線図である。図7に
示されるように、新品電池を使用してストロボ回路の駆
動を繰り返した場合、リチウム電池の放電深度(電池の
全容量比)が増すと負極の表面の凹凸高さも増加する。
従って、負極の界面を平坦に維持するには、負極の厚さ
の減少が少ないうちに元の厚さに回復する、あるいは充
放電深度をごく浅く設定して、負極に目立った凹凸や変
形が発生しないうちに充電に移行させる。また、ほぼ同
じ消費電力の2種類のストロボ回路、一方はデューティ
比50%のパルス電流を取り出して昇圧トランスを片方
向に駆動するシングル型、他方は交互にパルス電流を取
り出して昇圧トランスを両方向に駆動するプッシュプル
型を比較した場合、プッシュプル型で負極表面の凹凸高
さは著しく抑制される。従って、負極の界面を平坦に維
持するには、シングル型に比較してプッシュプル型のス
トロボ回路が望ましい。
【0041】図8は、リチウム電池の耐衝撃性試験から
評価した充放電深度とストロボの許容発光回数の関係を
示す線図である。試験体のリチウム電池は、プッシュプ
ル型のストロボ回路を用いてストロボ発光を繰り返し、
毎回一定の放電深度に達するごとに充電する操作を繰り
返して作成される。試験体のリチウム電池は、側面から
押し潰して内部の正極とセパレータと負極を圧縮状態に
する。負極の界面に限度を越える突起が形成されている
と、この圧縮によって突起がセパレータを貫通して正極
と負極を短絡させ、リチウム電池の機能が失われる。
【0042】図8に示すように、放電深度を小さくする
と、耐衝撃性試験によってリチウム電池の機能が失われ
るまでのストロボの許容発光回数が著しく増大する。放
電深度が浅いゆえの充放電回数の増加よりもはるかに多
数回の充放電を安定して繰り返し得る。同じ通算の電力
量をリチウム電池から取り出すなら、リチウム電池の放
電深度が小さい状態で充電を開始させるほうが、リチウ
ム電池の負極に突起が形成されにくくなる。特に、充電
開始時の放電深度を5%以下とした場合に改善が著し
く、実施例のようにストロボ発光ごとの充電(容量70
0mAh、1回の発光1.5mAhとして放電深度0.
2%)とした場合、充放電の繰り返しによる耐衝撃性の
劣化は無視できる。
【0043】ただし、カメラでは、高頻度、多数回のス
トロボ発光によって一時的に放電深度が高まる場合を想
定する必要がある。そこで、実施例では、高頻度のスト
ロボ発光が実行される場合には59mAの定電流を設定
して充電速度を増し、さらなる放電深度の進行を抑制し
ている。また、15mAhを越える放電がなされた場合
には目標容量まで一気に充電を行わず、6mAhの放電
を挟んで充電を再開することで、充放電深度が2%を越
えないようにしている。なお、充電電流に比べて桁違い
に大きな電流値で6mAhの放電を行うことで放電に要
する時間が節約されるとともに、負極の界面の小さな突
起が消滅または破壊される。また、電解液が攪拌される
とともに、充電の継続によって負極の周囲に滞留した不
要な物質が遠方に押しやられ、負極の界面における充電
環境が改善される。
【0044】図9はリチウム電池の充電時の電圧変化を
示す線図である。リチウム電池では充放電を繰り返すと
次第に充電が困難になることが知られている。この原因
としては、(1)正極の活物質にリチウム原子が補足さ
れ、高い電圧をかけないと拘束を解除できなくなる、
(2)充放電の繰り返しによって電解液の濃度や活性度
が低下する、(3)負極の変質等が考えられる。図9に
示すように、実施例で使用したリチウム電池では、放電
から充電までの放置時間が長くなると、次第に充電過程
での電圧上昇が早まり、元通りの容量を回復しないうち
に端子電圧が上限値VH(3.2V)に達する。ここ
で、3.2Vの上限値VHは、実施例で使用したリチウ
ム電池のほぼ満充電の端子電圧に相当する。また、3.
15Vの下限値VLは、30mAhの電力消費に対応
し、全容量700mAhの4.2%に過ぎない。そし
て、実施例のように、放電後直ちに充電を開始してほぼ
満充電の状態で待機させることとすれば、上限値VH
(3.2V)に達するまでの充電量が前回の放電量に一
致し、充放電を同じ線上を往復して何回でも再現性高く
繰り返し得ることが判明した。つまり、少なくとも実施
例で使用したリチウム電池に関しては、劣化を避けて充
放電の再現性を確保するために、充電目標をほぼ満充電
の状態とし、放電後は速やかに充電を開始することが望
ましい。なお、劣化したリチウム電池を元通りの容量に
充電するには上限値VHを高める必要があるが、充電電
圧が高まると電解液の劣化速度が高まって充放電がさら
に困難になり、負極の界面の突起も発生し易くなる。
【0045】実施例のカメラによれば,リチウム電池B
2の高電圧、高出力で効率的にストロボ回路12を駆動
するから、5秒間で次のストロボ発光を準備でき、スト
ロボ待ち時間によってシャッターチャンスを失うことが
無い。また、リチウム電池B2の充電状態(端子電圧V
2)は、乾電池B1が消耗して端子電圧V1が低下して
も一定に維持され、ストロボ発光を準備する時間が間伸
びしない。また、乾電池B1の電池コストでリチウム電
池B2の高電圧、高出力を利用でき、乾電池B1には、
内部抵抗や消耗に伴う電圧低下等を考慮しないで、単に
体積当たりの容量が大きいものや容量当たりの価格が易
いものを使用できる。また、リチウム電池B2の高電圧
を利用するからストロボ回路12の効率が高まる。カメ
ラには1本の乾電池B1を搭載するだけでよいから、複
数本搭載する場合に比較して、小型軽量なカメラを提供
できる。また、充電中だけ充電回路11を起動させ、端
子電圧V1、V2の検知頻度を最小限にとどめているか
ら、乾電池B1の容量が節約され、カメラを長期間放置
しても随時撮影を開始できる。
【0046】ところで、図10に示すように、リチウム
電池B3、B4を直列に接続して約6Vの電圧を利用す
れば、ストロボ回路12の効率はさらに高まる。充電
時、制御回路25は、スイッチSWを最初i、qに接続
し、リチウム電池B3、B4を充電回路21による6V
余りの定電流で充電する。充電中、制御回路25は、数
分間隔で充電を停止し、充電停止状態で電圧Vs、Vm
を検知してリチウム電池B3、B4のそれぞれの端子電
圧を求める。そして、リチウム電池B3の端子電圧が先
に3.2Vに達すると、スイッチSWをj、qに切り替
えて、リチウム電池B4だけを3V余りの定電流で充電
し続ける。一方、リチウム電池B4が先に3.2Vに達
すると、スイッチSWをi、pに切り替えて、リチウム
電池B3だけを充電し続ける。このようにして、リチウ
ム電池B3、B4のいずれも過充電とすることなく、ほ
ぼ満充電の状態に誘導する。
【0047】なお、通算のストロボ発光回数や通算の充
電回数を検知して、例えば2500回程度でリチウム電
池交換を推奨する表示を行わせてもよい。放電管の許容
発光回数に至ると、放電管と同時にリチウム電池を交換
することとしてもよい。第2電池の品質を一定以上に確
保できなくなる充放電の繰り返し回数を過ぎて、品質の
低下した第2電池を無制限に使用し続け、短絡、液漏
れ、膨張変形等に至る事態が回避される。また、乾電池
B1の端子電圧V1が0.9Vに低下した時点で電池交
換を推奨する表示を行わせてもよい。早期に乾電池B1
を交換すれば、充電速度が低下した状態でストロボ発光
が多数回繰り返されてリチウム電池B2の放電深度が過
剰となる事態が回避される。また、乾電池B1の端子電
圧V1が0.75Vからさらに低下した時点でカレンダ
ー機能を含むカメラのすべての負荷をリチウム電池B2
から切り離し、リチウム電池B2の放電深度の進行を阻
止してもよい。リチウム電池B2の端子電圧V2が3.
15V付近でストロボ発光がなされた際には、リチウム
電池B2が満充電に回復するまでストロボ発光を禁止さ
せてもよい。これらにより、リチウム電池B2の放電深
度が過剰となる事態が回避される。
【0048】実施例では専らカメラの電源装置を説明し
たが、本発明は、携帯電話、ブック型パソコン、目覚ま
し時計等の用途にも応用できる。一時的な大電流や変動
する負荷の最大電流が搭載電池の選択を制限している種
々の用途において、リチウム電池とその充電回路を電池
と負荷の間に配置し、一時的な電力消費がなされるごと
に充電回路を起動させることで、電池を過大な電流負荷
から解放できる。
【0049】
【発明の効果】請求項1〜3の電源装置によれば、端子
電圧から第2電池の充放電状態を正確に判断して、過充
電をもたらすことなく、狭い範囲に設定した充電完了状
態を再現性高く達成できる。従って、リチウム電池で
も、狭い充電条件を選択して、品質を損なうことなく安
定した充放電を多数回繰り返すことができる。
【0050】請求項4〜11の電源装置によれば、リチ
ウム電池の高電圧、高出力を第1電池の電池コストで利
用できる。リチウム電池は、漏れ電流が小さいから、長
期間放置した場合でも第1電池の電力をあまり無駄に消
費しないで済む。請求項4の電源装置によれば、小さな
充放電深度を積み重ねて最終的な充電状態を達成するか
ら、図8に示すように、負極の凹凸や突起の成長が抑制
され、リチウム電池の品質を損なうことなく、充放電を
安定して多数回繰り返すことが可能となる。また、充電
電流に比べて桁違いに大きな電流で意図的な放電を行う
から、第2電池の負極や電解液の状態が改善されて次回
の充電状態が安定する。
【0051】請求項5の電源装置によれば、定電流で充
電を行うから、時間を管理する簡単な制御で充電量を精
密に制御できる。請求項6の電源装置によれば、放電頻
度が高ければ充電密度を高めて対応するから、高頻度で
一時的な電力消費を続けても、第2電池の放電深度が過
剰となりにくく、第2電池の品質や充放電の再現性を損
なわないで済む。請求項7の電源装置によれば、正極に
補足されたリチウムを短時間で再び解放させ、負極から
持ち去られたリチウムを短時間で元通りに補充するか
ら、リチウム電池の劣化現象が見られず、放電状態で放
置した場合に比較して充放電の再現性が高まり、一定し
た電圧条件で充放電を繰り返し得る回数が増す。請求項
8、請求項9の電源装置によれば、充放電を繰り返して
も負極の界面の凹凸や突起が発生しにくく、リチウム電
池の品質を損なうことなく、充放電を安定して再現性高
く繰り返すことが可能である。請求項10の電源装置に
よれば、シングル動作される昇圧トランスを使用する場
合よりも充放電の繰り返しに伴う負極の界面の凹凸や突
起が発生しにくい。
【0052】請求項11の電源装置によれば、ストロボ
発光を短時間で準備できるから、ストロボ待ち時間によ
ってシャッターチャンスを失ったり、撮影意欲を損なう
心配が無い。また、リチウム電池をほぼ満充電の状態で
待機させるから、充放電の再現性が確保され、充電を多
数回繰り返して実用上十分な回数のストロボ発光を経て
もリチウム電池の性質が損なわれない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のカメラの構成の説明図である。
【図2】充電回路の回路図である。
【図3】ストロボ回路の回路図である。
【図4】充電回路の制御のフローチャートである。
【図5】ストロボ発光の頻度と定電流の設定の関係の説
明図である。
【図6】リチウム電池の構造の説明図である。
【図7】放電深度と負極界面の凹凸の関係の説明図であ
る。
【図8】充放電深度と耐衝撃性の関係の説明図である。
【図9】充放電間隔と劣化の関係の説明図である。
【図10】直列接続したリチウム電池の充電方法の説明
図である。
【符合の説明】
11、21 充電回路 12 ストロボ回路 13 その他回路 15、25 制御回路 21 正極 22 セパレータ 23 負極 24 電解液 B1 乾電池 B2、B3、B4 リチウム電池 T1、T2 昇圧トランス U1 比較器 C1〜C4、C26〜C27、C50〜C52 コンデ
ンサ Q1〜Q4、Q22〜Q27 トランジスタ R1〜R9、R70〜R74 抵抗 D2、D3 ツエナーダイオード D1、D21〜D24 ダイオード

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交換または充電可能な第1電池と、第1
    電池よりも高電圧高出力で一時的な電力消費の増大を伴
    う負荷を駆動する第2電池とを有する電源装置におい
    て、 第1電池の出力を昇圧して第2電池の充電電流を形成
    し、第2電池の充電を停止可能に構成された充電回路
    と、 前記充電回路を制御して、前記充電の停止状態で第2電
    池の端子電圧を検知する間欠的な充電を繰り返して、第
    2電池の端子電圧を所定の上限値に回復させる制御回路
    とを有することを特徴とする電源装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の電源装置において、前記制御
    回路は、第2電池の端子電圧が所定の下限値を割り込む
    と前記充電回路を起動させ、ほぼ一定の充電時量ごとに
    充電を停止させ、停止後に時間を置いて第2電池の端子
    電圧を検知することを特徴とする電源回路。
  3. 【請求項3】 請求項2の電源装置において、前記充電
    回路は、直列接続した複数個の第2電池のそれぞれで充
    電を停止可能に構成され、 前記制御回路は、複数個の第2電池で端子電圧をそれぞ
    れ検知し、端子電圧が前記上限値に達したものから順に
    充電を停止して、すべての第2電池の端子電圧を前記上
    限値に誘導することを特徴とする電源装置。
  4. 【請求項4】 リチウムまたはリチウム合金の負極を持
    ち、一時的な電力消費の増大を伴う負荷を駆動するリチ
    ウム電池と、連続した直流電流を形成して前記リチウム
    電池を充電する充電回路と、前記充電回路による一定の
    充電量ごとに充電停止状態で前記リチウム電池の端子電
    圧を検知する充電操作を繰り返す制御回路とを有する電
    源装置であって、 前記制御回路は、前記リチウム電池の端子電圧が最終的
    な上限値に達する以前に充電積算量が所定値に達する
    と、前記一時的な電力消費を越える意図的な電力消費を
    挟んで前記充電操作を再実行することを特徴とする電源
    装置。
  5. 【請求項5】 交換または充電可能な第1電池と、リチ
    ウムまたはリチウム合金の負極を持つリチウム電池とを
    備え、第1電池によって充電された前記リチウム電池で
    一時的な電力消費の増大を伴う負荷を駆動する電源装置
    において、 第1電池の出力を昇圧し、連続した直流の定電流を形成
    して前記リチウム電池を充電する充電回路と、 前記充電回路による一定時間の充電ごとに充電停止状態
    で前記リチウム電池の端子電圧を検知する充電操作を繰
    り返して、前記リチウム電池の端子電圧を所定の上限値
    に回復させる制御回路とを有することを特徴とする電源
    装置。
  6. 【請求項6】 交換または充電可能な第1電池と、リチ
    ウムまたはリチウム合金の負極を持つリチウム電池とを
    備え、一時的な電力消費の増大を伴う負荷を前記リチウ
    ム電池により駆動する電源装置において、 第1電池の出力を昇圧して連続した直流電流を形成し、
    前記直流電流のレベルを変更可能に構成した充電回路
    と、 前記一時的な電力消費の発生頻度を識別して、頻度が高
    い場合に前記直流電流のレベルを大きく設定する制御回
    路とを有することを特徴とする電源装置。
  7. 【請求項7】 交換または充電可能な第1電池とリチウ
    ム電池とを備え、一時的な電力消費の増大を伴う負荷を
    前記リチウム電池により駆動する電源装置において、 第1電池の出力を昇圧し、連続した直流電流を形成して
    前記リチウム電池を充電する充電回路と、 前記一時的な電力消費が発生するごとに前記充電回路を
    起動させ、前記充電回路による一定時間の充電ごとに充
    電停止状態で前記リチウム電池の端子電圧を検知する充
    電操作を繰り返して、前記リチウム電池の端子電圧を所
    定の上限値に回復させる制御回路とを有することを特徴
    とする電源装置。
  8. 【請求項8】 リチウムまたはリチウム合金の負極を持
    つリチウム電池と、連続した直流電流を形成して前記リ
    チウム電池を充電する充電回路とを有する電源装置にお
    いて、 前記充電回路を制御して、前記負極の厚さが10秒以内
    に0.2μm以上損耗する電力消費を挟んで、前記負極
    の厚さの回復量が5μm以下となる充電操作を繰り返す
    制御回路を有することを特徴とする電源装置。
  9. 【請求項9】 請求項8の電源装置において、前記リチ
    ウム電池は、その全容量の5%以内で充放電が繰り返さ
    れるように全容量を設定してあることを特徴とする電源
    装置。
  10. 【請求項10】 請求項4〜9の電源装置において、前
    記リチウム電池は、プッシュプル駆動される昇圧トラン
    スに電力を供給して前記一時的な電力消費を行うことを
    特徴とする電源装置。
  11. 【請求項11】 交換または充電可能な第1電池と、 第1電池の電力を用いて充電されて第1電池よりも高い
    電圧でストロボ回路を駆動するリチウム電池と、 第1電池の出力を昇圧し、連続した直流電流を形成して
    前記リチウム電池を充電する充電回路と、 ストロボ発光ごとに前記充電回路を起動して、前記リチ
    ウム電池の充電停止状態における端子電圧を前記リチウ
    ム電池のほぼ満充電に対応する上限値に回復させる制御
    装置とを有することを特徴とする電源装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100457946B1 (ko) * 2002-07-09 2004-11-18 삼성전기주식회사 스트로보의 충전전류 제어방법 및 그 장치
CN116914882A (zh) * 2023-07-04 2023-10-20 广东保伦电子股份有限公司 一种充电电池采样方法、设备及介质

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