JPH09258297A - 炭素繊維強化樹脂製遮光羽根及びそれを用いたカメラ用 シャッター - Google Patents
炭素繊維強化樹脂製遮光羽根及びそれを用いたカメラ用 シャッターInfo
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- JPH09258297A JPH09258297A JP8069777A JP6977796A JPH09258297A JP H09258297 A JPH09258297 A JP H09258297A JP 8069777 A JP8069777 A JP 8069777A JP 6977796 A JP6977796 A JP 6977796A JP H09258297 A JPH09258297 A JP H09258297A
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- light shielding
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 平面性が良好で、生産性を高めた低コストの
遮光羽根と、耐久性の非常に高い1/8000秒以上の
超高速シャッターを提供する。 【解決手段】 板厚が50μm〜200μmを有する炭
素繊維強化樹脂製遮光羽根板の表面に所定ピッチの凹凸
網目模様を形成した
遮光羽根と、耐久性の非常に高い1/8000秒以上の
超高速シャッターを提供する。 【解決手段】 板厚が50μm〜200μmを有する炭
素繊維強化樹脂製遮光羽根板の表面に所定ピッチの凹凸
網目模様を形成した
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラに使用され
る絞り羽根やシャッター羽根などの遮光羽根及びそれら
を用いた縦走りフォーカルプレーンシャッタ(以下、縦
走りを省略して単にフォーカルプレーンシャッタ、と言
う)やレンズシャッタに関するものである。
る絞り羽根やシャッター羽根などの遮光羽根及びそれら
を用いた縦走りフォーカルプレーンシャッタ(以下、縦
走りを省略して単にフォーカルプレーンシャッタ、と言
う)やレンズシャッタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、フィルム感度の向上や新しい映像
表現の欲求などの理由から、カメラのシャッタスピード
やストロボ同調速度の高速化の要望があり、実際に1/
8000秒までの高速シャッタスピードや同調速度1/
250秒を実現したカメラが提供されている。
表現の欲求などの理由から、カメラのシャッタスピード
やストロボ同調速度の高速化の要望があり、実際に1/
8000秒までの高速シャッタスピードや同調速度1/
250秒を実現したカメラが提供されている。
【0003】このようなフォーカルプレーンシャッタに
おいて、ストロボ同調速度を超える高速シャッタスピー
ドは、先幕と後幕をタイミングをずらして動かし始め、
先幕の一番羽根と後幕の一番羽根との隙間(スリット)
の量をある間隔に固定あるいは速度に合わせて変更させ
たスリット露光を行なうことにより実現している。この
シャッターは4枚又は5枚の分割羽根(遮光羽根)とこ
れらを駆動する駆動機構から構成されている。一例とし
て4枚構成の遮光羽根は、移動量の多い2枚は炭素繊維
強化樹脂板(以下CFRP板と言う)、移動量の少ない
2枚はアルミニウム板とで構成したものなどがある。
おいて、ストロボ同調速度を超える高速シャッタスピー
ドは、先幕と後幕をタイミングをずらして動かし始め、
先幕の一番羽根と後幕の一番羽根との隙間(スリット)
の量をある間隔に固定あるいは速度に合わせて変更させ
たスリット露光を行なうことにより実現している。この
シャッターは4枚又は5枚の分割羽根(遮光羽根)とこ
れらを駆動する駆動機構から構成されている。一例とし
て4枚構成の遮光羽根は、移動量の多い2枚は炭素繊維
強化樹脂板(以下CFRP板と言う)、移動量の少ない
2枚はアルミニウム板とで構成したものなどがある。
【0004】CFRPで構成された羽根は、軽量で曲げ
剛性も高く、1/8000秒という高速度のシャッター
スピードでも、走行中及び停止直後の羽根の波うちが非
常に小さく、また仮に波うっても、例えばアルミニウム
製の羽根に比べ、その波うち(振動)状態は素早く収ま
るため、羽根が波うったまま次のシャッター動作を行っ
て羽根同士またはアパーチャ(画角を決定するもの)に
衝突し、羽根が破損したり、シャッターが動作不能にな
ったりすることもなく、非常に高い耐久性能を実現する
ことが可能となる。
剛性も高く、1/8000秒という高速度のシャッター
スピードでも、走行中及び停止直後の羽根の波うちが非
常に小さく、また仮に波うっても、例えばアルミニウム
製の羽根に比べ、その波うち(振動)状態は素早く収ま
るため、羽根が波うったまま次のシャッター動作を行っ
て羽根同士またはアパーチャ(画角を決定するもの)に
衝突し、羽根が破損したり、シャッターが動作不能にな
ったりすることもなく、非常に高い耐久性能を実現する
ことが可能となる。
【0005】CFRPは、例えば特開昭59−6182
7号公報にも開示されているように、強化繊維として一
方向に引き揃えられた炭素繊維、マトリックス樹脂とし
てエポキシ樹脂を使用したものである。CFRP板は、
前駆体であるプリプレグ・シート(prepreg s
heet)を複数枚積層(その繊維方向は互いに直交ま
たはほぼ直交するように積層する)し、この積層板全体
をプレスしたまま加熱して硬化させることにより製造さ
れる。このようにして製造されたCFRP板は、目的と
する遮光羽根の形状に切断される。切断は一般にプレス
による打ち抜きである。
7号公報にも開示されているように、強化繊維として一
方向に引き揃えられた炭素繊維、マトリックス樹脂とし
てエポキシ樹脂を使用したものである。CFRP板は、
前駆体であるプリプレグ・シート(prepreg s
heet)を複数枚積層(その繊維方向は互いに直交ま
たはほぼ直交するように積層する)し、この積層板全体
をプレスしたまま加熱して硬化させることにより製造さ
れる。このようにして製造されたCFRP板は、目的と
する遮光羽根の形状に切断される。切断は一般にプレス
による打ち抜きである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
のCFRPを用いた遮光羽根は、板厚が50〜200μ
mというその薄さに起因して、製造後の板材の段階で平
面性が悪い(ソリがある)という問題がある。また、こ
の段階で平面性が良くても、CFRP板から1枚の遮光
羽根形状に打ち抜いたあとでの平面性が悪い(反りがあ
る)という問題点がある。更に、製造時において、製造
ロット間の良品率が大きく変動するという問題もある。
その結果、CFRP板や遮光羽根の良品率が低下し、歩
留まりが悪く、遮光羽根のコストが非常に高いものにな
っているのが現状である。
のCFRPを用いた遮光羽根は、板厚が50〜200μ
mというその薄さに起因して、製造後の板材の段階で平
面性が悪い(ソリがある)という問題がある。また、こ
の段階で平面性が良くても、CFRP板から1枚の遮光
羽根形状に打ち抜いたあとでの平面性が悪い(反りがあ
る)という問題点がある。更に、製造時において、製造
ロット間の良品率が大きく変動するという問題もある。
その結果、CFRP板や遮光羽根の良品率が低下し、歩
留まりが悪く、遮光羽根のコストが非常に高いものにな
っているのが現状である。
【0007】本発明の目的は、CFRP板材および遮光
羽根の良品率を高めコスト低減を図り、耐久性の非常に
高い1/8000秒以上の超高速シャッターを、より安
価に提供することにある。
羽根の良品率を高めコスト低減を図り、耐久性の非常に
高い1/8000秒以上の超高速シャッターを、より安
価に提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明者らは、CFRP板を製造する際に、その表
面に50μm〜500μmピッチの凹凸網目模様を形成
することで、平面性の向上を狙った。上述したように、
CFRP製の板材からプレス抜きされた遮光羽根のそり
が大きくなる要因は、次のように考えられる。炭素繊維
の直径は3〜8μmであることから、製造ロットによっ
ては、炭素繊維の配列が乱れやすく、局所的に繊維が多
くなったり、少なくなったりする。それにともない、マ
トリックス樹脂の分布が不均一となる。その結果、CF
RP製の板材における樹脂の硬化収縮時の内部応力にア
ンバランスが生まれ、CFRP製の板材および遮光羽根
のそりが大きくなってしまう。
に、本発明者らは、CFRP板を製造する際に、その表
面に50μm〜500μmピッチの凹凸網目模様を形成
することで、平面性の向上を狙った。上述したように、
CFRP製の板材からプレス抜きされた遮光羽根のそり
が大きくなる要因は、次のように考えられる。炭素繊維
の直径は3〜8μmであることから、製造ロットによっ
ては、炭素繊維の配列が乱れやすく、局所的に繊維が多
くなったり、少なくなったりする。それにともない、マ
トリックス樹脂の分布が不均一となる。その結果、CF
RP製の板材における樹脂の硬化収縮時の内部応力にア
ンバランスが生まれ、CFRP製の板材および遮光羽根
のそりが大きくなってしまう。
【0009】これらの課題を解決する方法を鋭意研究し
た結果、樹脂の不均一性が存在するようなシートであっ
ても、成形する際に、その表面に、50μm〜500μ
mピッチの凹凸網目模様を形成することで、最外層の樹
脂分布の不均一性からくる内部応力のアンバランスを改
善でき、遮光羽根の平面性の向上を図ることができるこ
とを見出した。
た結果、樹脂の不均一性が存在するようなシートであっ
ても、成形する際に、その表面に、50μm〜500μ
mピッチの凹凸網目模様を形成することで、最外層の樹
脂分布の不均一性からくる内部応力のアンバランスを改
善でき、遮光羽根の平面性の向上を図ることができるこ
とを見出した。
【0010】これより本発明の請求項1では、 板厚が
50μm〜200μmを有する炭素繊維強化樹脂製遮光
羽根板において、該遮光羽根の表面に所定ピッチの凹凸
網目模様を形成したことを特徴とする。また、本発明の
請求項2では、請求項1記載に付け加え、前記凹凸網目
模様のピッチが50μm〜500μmであることを特徴
とする。
50μm〜200μmを有する炭素繊維強化樹脂製遮光
羽根板において、該遮光羽根の表面に所定ピッチの凹凸
網目模様を形成したことを特徴とする。また、本発明の
請求項2では、請求項1記載に付け加え、前記凹凸網目
模様のピッチが50μm〜500μmであることを特徴
とする。
【0011】また、本発明の請求項3では、請求項1及
び2の記載に付け加え、一方向に引き揃えられた炭素繊
維に樹脂を含浸させた複数のプリプレグシートの各繊維
方向が互いに直交するように、かつ面対称になるように
3層以上積層した構成とした。 さらに、本発明の請求
項5では、請求項1〜3記載に付け加え、複数枚の分割
羽根と該分割羽根を駆動する駆動機構とからなるカメラ
用シャッタにおいて、前記分割羽根のうち、少なくとも
1枚は、請求項1、2及び3記載の炭素繊維強化樹脂製
遮光羽根を使用したことを特徴とする。
び2の記載に付け加え、一方向に引き揃えられた炭素繊
維に樹脂を含浸させた複数のプリプレグシートの各繊維
方向が互いに直交するように、かつ面対称になるように
3層以上積層した構成とした。 さらに、本発明の請求
項5では、請求項1〜3記載に付け加え、複数枚の分割
羽根と該分割羽根を駆動する駆動機構とからなるカメラ
用シャッタにおいて、前記分割羽根のうち、少なくとも
1枚は、請求項1、2及び3記載の炭素繊維強化樹脂製
遮光羽根を使用したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態である炭素繊
維強化樹脂板の凹凸模様の形態について、図1、図2を
用いて説明する。図1は、本発明のCFRP製遮光羽根
の表面の規則的な凹凸模様を実体顕微鏡を用い、低倍率
で広い視野で2次元的に観察したときの構成斜視図であ
る。また、図2は、図1の表面の凹凸模様の形態を説明
するための部分拡大断面形状図であり、メッシュの凹凸
模様が離型シートを介してプリプレグ積層シートに転写
された断面凹凸形状を1次元的に示した図である。
維強化樹脂板の凹凸模様の形態について、図1、図2を
用いて説明する。図1は、本発明のCFRP製遮光羽根
の表面の規則的な凹凸模様を実体顕微鏡を用い、低倍率
で広い視野で2次元的に観察したときの構成斜視図であ
る。また、図2は、図1の表面の凹凸模様の形態を説明
するための部分拡大断面形状図であり、メッシュの凹凸
模様が離型シートを介してプリプレグ積層シートに転写
された断面凹凸形状を1次元的に示した図である。
【0013】図2において、プリプレグ積層シート3
は、一方向に揃えられた炭素繊維で強化された樹脂シー
トがその繊維方向が直交するように、かつ面対称に積層
された構成である。また、4はメッシュ、5は離型シー
トである。図のように炭素繊維強化樹脂板の表面の凹凸
模様とメッシュ模様を転写する離型シートの表面凹凸模
様とは完全な対応はしていない。しかしこのような断面
形状であっても、実体顕微鏡を用い、低倍率で観察した
ときには、遮光羽根の表面の凹凸模様は、図1のよう
に、はっきりと確認が出来る。断面形状で見た場合すな
わち一次元で見た場合に、この50μm〜500μmピ
ッチの凹凸模様は、整然としたものではなく、広い視野
の平面(2次元)で見て、凹凸模様が形成されているこ
とがわかる程度のものである。また、観察の倍率を大き
くするとこの模様は見にくくなってしまう場合もある。
すなわち、狭い範囲で観察すると、この模様はあまりは
っきりとしない。これは、その部分の樹脂が少なけれ
ば、凸になるべきところであっても、盛り上がりが出来
ないためと考えている。
は、一方向に揃えられた炭素繊維で強化された樹脂シー
トがその繊維方向が直交するように、かつ面対称に積層
された構成である。また、4はメッシュ、5は離型シー
トである。図のように炭素繊維強化樹脂板の表面の凹凸
模様とメッシュ模様を転写する離型シートの表面凹凸模
様とは完全な対応はしていない。しかしこのような断面
形状であっても、実体顕微鏡を用い、低倍率で観察した
ときには、遮光羽根の表面の凹凸模様は、図1のよう
に、はっきりと確認が出来る。断面形状で見た場合すな
わち一次元で見た場合に、この50μm〜500μmピ
ッチの凹凸模様は、整然としたものではなく、広い視野
の平面(2次元)で見て、凹凸模様が形成されているこ
とがわかる程度のものである。また、観察の倍率を大き
くするとこの模様は見にくくなってしまう場合もある。
すなわち、狭い範囲で観察すると、この模様はあまりは
っきりとしない。これは、その部分の樹脂が少なけれ
ば、凸になるべきところであっても、盛り上がりが出来
ないためと考えている。
【0014】また、この模様の高さは、樹脂分布の不均
一性によって異なり、樹脂が多ければ高くなり、少なけ
れば低くなる。実際に計測した結果では、0.1μm〜
10μmとばらついており、隣合う凹凸の高さは、まち
まちであった。なおこのように、樹脂の多さにしたがっ
て、凹凸形状が出来上がることが、樹脂分布の不均一性
を打ち消してくれる要因と考えている。
一性によって異なり、樹脂が多ければ高くなり、少なけ
れば低くなる。実際に計測した結果では、0.1μm〜
10μmとばらついており、隣合う凹凸の高さは、まち
まちであった。なおこのように、樹脂の多さにしたがっ
て、凹凸形状が出来上がることが、樹脂分布の不均一性
を打ち消してくれる要因と考えている。
【0015】なお、この模様を形成するのに簡便な手法
は、メッシュを利用することである。これにより、簡易
的に50μm〜500μmのピッチの網目模様を形成で
きる。またメッシュに限らず、様々な模様を形成したシ
ートや、加熱硬化する際に使用する加圧板に直接凹凸模
様を加工しても、凹凸模様をプリプレグシート面に転写
することは容易である。薄いプリプレグ積層シートの平
面性を確保するためには、シート両面に凹凸網目模様を
転写することが望ましい。
は、メッシュを利用することである。これにより、簡易
的に50μm〜500μmのピッチの網目模様を形成で
きる。またメッシュに限らず、様々な模様を形成したシ
ートや、加熱硬化する際に使用する加圧板に直接凹凸模
様を加工しても、凹凸模様をプリプレグシート面に転写
することは容易である。薄いプリプレグ積層シートの平
面性を確保するためには、シート両面に凹凸網目模様を
転写することが望ましい。
【0016】次に、図3を参照しながら本発明の実施の
形態である炭素繊維強化樹脂製遮光羽根の製造方法につ
いて説明する。加圧板6の間にプリプレグ積層シート3
と前記プリプレグ積層シート3に凹凸模様を両面に転写
させるためのメッシュ4を離型フィルム5を介して挟ん
で配置する。このように配置した後、これらをホットプ
レス機にセットし、120〜140℃の温度で1〜2時
間、5kg〜15kg/cm2 の圧力で、加熱加圧成形
して、未硬化の熱硬化型樹脂液は、架橋硬化して固まり
室温まで徐冷される。その結果、離型フィルムを通し
て、50μm〜500μmピッチの網目模様がプリプレ
グ積層シート表面に転写形成される。こうしてCFRP
製の板材(厚さ50μm〜200μm) が得られる。
形態である炭素繊維強化樹脂製遮光羽根の製造方法につ
いて説明する。加圧板6の間にプリプレグ積層シート3
と前記プリプレグ積層シート3に凹凸模様を両面に転写
させるためのメッシュ4を離型フィルム5を介して挟ん
で配置する。このように配置した後、これらをホットプ
レス機にセットし、120〜140℃の温度で1〜2時
間、5kg〜15kg/cm2 の圧力で、加熱加圧成形
して、未硬化の熱硬化型樹脂液は、架橋硬化して固まり
室温まで徐冷される。その結果、離型フィルムを通し
て、50μm〜500μmピッチの網目模様がプリプレ
グ積層シート表面に転写形成される。こうしてCFRP
製の板材(厚さ50μm〜200μm) が得られる。
【0017】メッシュ4は、#50〜#500を用いる
とよく、好ましくは#150〜#350が最適である。
なお、このメッシュは、市販のものが流用でき、例え
ば#50の場合、メッシュの糸の太さ(線径)が150
〜200μm、メッシュの糸と糸の間隔(オープニン
グ)が300μm程度である。参考までに#150が線
径50〜60μm、オープニング100〜120μm、
#250が線径30〜40μm、オープニング50〜6
0μm、#350が線径20〜30μm、オープニング
40〜50μm、#500が線径約20μm、オープニ
ング約30μm、程度となっている。
とよく、好ましくは#150〜#350が最適である。
なお、このメッシュは、市販のものが流用でき、例え
ば#50の場合、メッシュの糸の太さ(線径)が150
〜200μm、メッシュの糸と糸の間隔(オープニン
グ)が300μm程度である。参考までに#150が線
径50〜60μm、オープニング100〜120μm、
#250が線径30〜40μm、オープニング50〜6
0μm、#350が線径20〜30μm、オープニング
40〜50μm、#500が線径約20μm、オープニ
ング約30μm、程度となっている。
【0018】いずれの場合にしても、図3に示したよう
に、離型フィルム5を挟むことで、原版の凹凸を汚すこ
となく再利用が可能であり、好ましい。また、この離型
フィルム5に、サンドブラストや、エッチング等によ
り、微細な凹凸処理を施すことは、この微細な凹凸も遮
光羽根に転写することができるため遮光羽根の表面反射
率の低減につながり、シャッターとして組み込んだとき
の幕間漏光の防止になるため、より好ましい。
に、離型フィルム5を挟むことで、原版の凹凸を汚すこ
となく再利用が可能であり、好ましい。また、この離型
フィルム5に、サンドブラストや、エッチング等によ
り、微細な凹凸処理を施すことは、この微細な凹凸も遮
光羽根に転写することができるため遮光羽根の表面反射
率の低減につながり、シャッターとして組み込んだとき
の幕間漏光の防止になるため、より好ましい。
【0019】つぎに、本発明の炭素繊維強化型樹脂板の
素材について、説明する。遮光羽根の板として使用して
いるCFRPは、炭素繊維とマトリックス樹脂から構成
されている。繊維には、炭素繊維の連続繊維や短繊維な
どが用いる。 マトリックス樹脂には、主に、エポキシ
樹脂、ポリエステル、ポリウレタンなどの熱硬化性樹脂
が使用できる。
素材について、説明する。遮光羽根の板として使用して
いるCFRPは、炭素繊維とマトリックス樹脂から構成
されている。繊維には、炭素繊維の連続繊維や短繊維な
どが用いる。 マトリックス樹脂には、主に、エポキシ
樹脂、ポリエステル、ポリウレタンなどの熱硬化性樹脂
が使用できる。
【0020】CFRPは一応の遮光性があるが、さらに
遮光性を高めるため、プリプレグ・シートを作製する際
に、マトリックス樹脂の前駆体となる樹脂液中にカーボ
ンブラックを予め添加分散させておいてもよい。あるい
は、カーボンブラックを高濃度に混合した樹脂液を別途
用意し、これをロールコーター等を使用して通常のプリ
プレグ・シートに圧入浸透させてもよい。カーボンブラ
ックは、羽根の滑りを良くする効果がある。仮に羽根が
擦れても、滑り易いと、摩耗が少ない。
遮光性を高めるため、プリプレグ・シートを作製する際
に、マトリックス樹脂の前駆体となる樹脂液中にカーボ
ンブラックを予め添加分散させておいてもよい。あるい
は、カーボンブラックを高濃度に混合した樹脂液を別途
用意し、これをロールコーター等を使用して通常のプリ
プレグ・シートに圧入浸透させてもよい。カーボンブラ
ックは、羽根の滑りを良くする効果がある。仮に羽根が
擦れても、滑り易いと、摩耗が少ない。
【0021】カーボンブラックは、平均粒子径0.1μm
以下のものが好ましい。カーボンブラックの配合量は樹
脂液(固形分 100重量部)に対し3〜15重量%が
好ましい。15重量%以上では繊維の配列が悪くなりす
ぎ平面性に悪影響を及ぼす。また樹脂液の流動性も悪く
なりすぎるため内部に空孔が発生したり、層間剥離が起
きたりする。プリプレグ・シートの樹脂量は、30〜5
0重量%特に38〜48%が適当である。樹脂量が少な
いと、外観上、空孔や微細クラックが見られ、塗装性も
悪化する。更に、素材表面に凹凸が生じるので、羽根の
耐摩耗性、潤滑性が劣り、さらには美観が悪化する。そ
のほか、樹脂量が少ないと樹脂フローの際、縞模様とな
って現れる事があり、これも外観を悪化させる。
以下のものが好ましい。カーボンブラックの配合量は樹
脂液(固形分 100重量部)に対し3〜15重量%が
好ましい。15重量%以上では繊維の配列が悪くなりす
ぎ平面性に悪影響を及ぼす。また樹脂液の流動性も悪く
なりすぎるため内部に空孔が発生したり、層間剥離が起
きたりする。プリプレグ・シートの樹脂量は、30〜5
0重量%特に38〜48%が適当である。樹脂量が少な
いと、外観上、空孔や微細クラックが見られ、塗装性も
悪化する。更に、素材表面に凹凸が生じるので、羽根の
耐摩耗性、潤滑性が劣り、さらには美観が悪化する。そ
のほか、樹脂量が少ないと樹脂フローの際、縞模様とな
って現れる事があり、これも外観を悪化させる。
【0022】プリプレグ・シートの繊維目付(1m2当
り何gの繊維が含まれるか)は、10g/m2 〜60g
/m2 である。プリプレグ・シート1層の厚さは、15
〜70μmである。プリプレグ・シートは全て同じ板厚
である必要はない。中立面に対して厚さ方向に面対称に
なるように使用すれば、種々の板厚、種々の目付のもの
を組み合わせることも可能である。もし、板厚が規定値
以内に入るものであれば、全体の曲げ剛性を上げるため
中間層の板厚や目付を表材層(この場合は、表面または
裏面の1層のみを指す)よりも厚くあるいは多くする方
が有利となる。
り何gの繊維が含まれるか)は、10g/m2 〜60g
/m2 である。プリプレグ・シート1層の厚さは、15
〜70μmである。プリプレグ・シートは全て同じ板厚
である必要はない。中立面に対して厚さ方向に面対称に
なるように使用すれば、種々の板厚、種々の目付のもの
を組み合わせることも可能である。もし、板厚が規定値
以内に入るものであれば、全体の曲げ剛性を上げるため
中間層の板厚や目付を表材層(この場合は、表面または
裏面の1層のみを指す)よりも厚くあるいは多くする方
が有利となる。
【0023】プリプレグ・シートは、表材層と中間層と
が繊維の方向が互いに直交またはほぼ直交するように、
かつ中央面から厚さ方向に面対称となるように、少なく
とも3枚以上、例えば3枚、4枚、5枚積層する。前記
板材は次いで所定の遮光羽根形状(図1参照)に打ち抜
く。1枚の板材から20〜40枚程の羽根が打ち抜かれ
る。打ち抜きは、表材層の連続繊維の方向が羽根の長手
方向と一致するように行なう。切断時には、連結ピンを
通すための穴を同時に開けることが一般的である。
が繊維の方向が互いに直交またはほぼ直交するように、
かつ中央面から厚さ方向に面対称となるように、少なく
とも3枚以上、例えば3枚、4枚、5枚積層する。前記
板材は次いで所定の遮光羽根形状(図1参照)に打ち抜
く。1枚の板材から20〜40枚程の羽根が打ち抜かれ
る。打ち抜きは、表材層の連続繊維の方向が羽根の長手
方向と一致するように行なう。切断時には、連結ピンを
通すための穴を同時に開けることが一般的である。
【0024】次に、本発明の発明の実施の形態である遮
光羽根を使用したフォーカルプレーンシャッタについて
説明する。図4、図5は、本発明によるフォーカルプレ
ーンシャッタの実施例を示す図であって、図4は正面
図、図5はフォーカルプレーンシャッタの両羽根群(先
幕と後幕)、遮光板および中間板との位置関係を示す分
解斜視図である。
光羽根を使用したフォーカルプレーンシャッタについて
説明する。図4、図5は、本発明によるフォーカルプレ
ーンシャッタの実施例を示す図であって、図4は正面
図、図5はフォーカルプレーンシャッタの両羽根群(先
幕と後幕)、遮光板および中間板との位置関係を示す分
解斜視図である。
【0025】この実施例のフォーカルプレーンシャッタ
は、先幕10と、後幕20と、シャッタ基板30などと
から構成されている。先幕10は、4枚の分割羽根11
〜14から構成されている。アーム15、16は、それ
ぞれの分割羽根11〜14を支持するためのものであ
り、これらのアーム15、16は、シャッタ基板30に
植設された軸X1 、X2 に回転可能に連結されている。
そして、分割羽根11〜14は、それぞれカシメピン1
71 〜174 及びカシメピン181 〜184 によりアー
ム15、16に回転可能に連結されている。 また、ア
ーム16の孔16aには、駆動軸31が取り付けられて
おり、この駆動軸31は、シャッタ駆動時に周知のシャ
ッタ駆動装置からの駆動力を受けて先幕10を開閉す
る。
は、先幕10と、後幕20と、シャッタ基板30などと
から構成されている。先幕10は、4枚の分割羽根11
〜14から構成されている。アーム15、16は、それ
ぞれの分割羽根11〜14を支持するためのものであ
り、これらのアーム15、16は、シャッタ基板30に
植設された軸X1 、X2 に回転可能に連結されている。
そして、分割羽根11〜14は、それぞれカシメピン1
71 〜174 及びカシメピン181 〜184 によりアー
ム15、16に回転可能に連結されている。 また、ア
ーム16の孔16aには、駆動軸31が取り付けられて
おり、この駆動軸31は、シャッタ駆動時に周知のシャ
ッタ駆動装置からの駆動力を受けて先幕10を開閉す
る。
【0026】後幕20も、同様に、4枚の分割羽根21
〜24から構成されている。アーム25、26は、それ
ぞれの分割羽根21〜24を支持するためのものであ
り、これらアーム25、26は、シャッタ基板30に植
設された軸X3 、X4 に回転可能に連結されている。そ
して、分割羽根21〜24は、それぞれカシメピン27
1 〜274 及び281 〜284 によりアーム25、26
に回転可能に連結されている。また、アーム26の孔2
6aには、駆動軸32が取り付けられており、この駆動
軸32は、シャッタ駆動時に周知のシャッタ駆動装置か
らの駆動力を受けて後幕20を開閉する。
〜24から構成されている。アーム25、26は、それ
ぞれの分割羽根21〜24を支持するためのものであ
り、これらアーム25、26は、シャッタ基板30に植
設された軸X3 、X4 に回転可能に連結されている。そ
して、分割羽根21〜24は、それぞれカシメピン27
1 〜274 及び281 〜284 によりアーム25、26
に回転可能に連結されている。また、アーム26の孔2
6aには、駆動軸32が取り付けられており、この駆動
軸32は、シャッタ駆動時に周知のシャッタ駆動装置か
らの駆動力を受けて後幕20を開閉する。
【0027】これらのアーム15、16、25、26、
軸X1 〜X4 、カシメピン17、18、27、28、駆
動軸31、32は、それぞれ分割羽根11〜14、21
〜24を移動させる駆動機構19、29を構成してい
る。つぎに、この実施例のシャッタ幕について、さらに
詳しく説明する。まず、先幕について説明すると、板厚
80μm〜130μmのCFRP板材から所定の羽根形
状に打ち抜いて羽根本体11〜13を形成し、板厚50
μm〜80μmのアルミ合金から所定の羽根形状に打ち
抜いて羽根本体14を形成した。次いで羽根本体11〜
14のレンズ側の表面に厚さ3〜6μmの白色化塗装を
施して、高反射率部を形成し、その後に、羽根11〜1
4のフィルム側の表面とスリット側の端面に厚さ3〜6
μmの黒色化塗装を行って低反射率部を形成した。白色
化塗装の反射率は、7〜30%、黒色化塗装の反射率
は、15%以下、好ましくは9%以下、特に好ましくは
6%以下とした。さらに、分割羽根11〜14にアーム
15、16を連結して先幕が完成する。
軸X1 〜X4 、カシメピン17、18、27、28、駆
動軸31、32は、それぞれ分割羽根11〜14、21
〜24を移動させる駆動機構19、29を構成してい
る。つぎに、この実施例のシャッタ幕について、さらに
詳しく説明する。まず、先幕について説明すると、板厚
80μm〜130μmのCFRP板材から所定の羽根形
状に打ち抜いて羽根本体11〜13を形成し、板厚50
μm〜80μmのアルミ合金から所定の羽根形状に打ち
抜いて羽根本体14を形成した。次いで羽根本体11〜
14のレンズ側の表面に厚さ3〜6μmの白色化塗装を
施して、高反射率部を形成し、その後に、羽根11〜1
4のフィルム側の表面とスリット側の端面に厚さ3〜6
μmの黒色化塗装を行って低反射率部を形成した。白色
化塗装の反射率は、7〜30%、黒色化塗装の反射率
は、15%以下、好ましくは9%以下、特に好ましくは
6%以下とした。さらに、分割羽根11〜14にアーム
15、16を連結して先幕が完成する。
【0028】次に、後幕については、先幕と同様にして
CFRP及びアルミ合金から所定の羽根形状に打ち抜
き、CFRP製の羽根本体21〜23には塗装を施さ
ず、アルミ合金製の羽根本体24の全面には、片面厚さ
3〜6μmの黒色化塗装を行って、羽根本体21〜24
を形成した。先幕と同様に、分割羽根21〜24にアー
ム25、26を連結して後幕が完成する。
CFRP及びアルミ合金から所定の羽根形状に打ち抜
き、CFRP製の羽根本体21〜23には塗装を施さ
ず、アルミ合金製の羽根本体24の全面には、片面厚さ
3〜6μmの黒色化塗装を行って、羽根本体21〜24
を形成した。先幕と同様に、分割羽根21〜24にアー
ム25、26を連結して後幕が完成する。
【0029】最後に、シャッター基板30に組み上げ
て、図4に示すフォーカルプレーンシャッタSが完成し
た。以上のような構成を有するフォーカルプレーンシャ
ッタSについて、最高シャッタースピード1/8000
秒で10万回以上の作動試験を行ったが、安定した性能
が得られた。また走行上の異常も確認されなかった。
て、図4に示すフォーカルプレーンシャッタSが完成し
た。以上のような構成を有するフォーカルプレーンシャ
ッタSについて、最高シャッタースピード1/8000
秒で10万回以上の作動試験を行ったが、安定した性能
が得られた。また走行上の異常も確認されなかった。
【0030】以下、実施例により本発明のCFRP製板
材及び遮光羽根をより具体的に説明するが、本発明はこ
れに限られるものではない。
材及び遮光羽根をより具体的に説明するが、本発明はこ
れに限られるものではない。
【0031】
【実施例1】次に、本発明の実施の形態の一実施例であ
るCFRP板及び遮光羽根の製造方法及び平面性の歩留
まり評価結果について述べる。本実施例のプリプレグ積
層シートは、次のように構成した。まず最初に、炭素繊
維が連続繊維で、一方向に揃えられており、マトリック
ス樹脂がエポキシ樹脂で、厚さが20〜40μmのプリ
プレグ・シートAを用意した。次に、炭素繊維が長さ1
〜30mmの短繊維で、一方向に揃えられており、マト
リックス樹脂がエポキシ樹脂で、厚さが20〜60μm
のプリプレグ・シートBを用意した。これら上記シート
A2枚とシートB1枚を、それらの繊維方向が、 0°(表材層)/90°(中間層)/0°(表材層) となるように、かつシートの種類が、 A(表材層)/B(中間層)/A(表材層) となるように、上記3枚を面対称になるように積層す
る。
るCFRP板及び遮光羽根の製造方法及び平面性の歩留
まり評価結果について述べる。本実施例のプリプレグ積
層シートは、次のように構成した。まず最初に、炭素繊
維が連続繊維で、一方向に揃えられており、マトリック
ス樹脂がエポキシ樹脂で、厚さが20〜40μmのプリ
プレグ・シートAを用意した。次に、炭素繊維が長さ1
〜30mmの短繊維で、一方向に揃えられており、マト
リックス樹脂がエポキシ樹脂で、厚さが20〜60μm
のプリプレグ・シートBを用意した。これら上記シート
A2枚とシートB1枚を、それらの繊維方向が、 0°(表材層)/90°(中間層)/0°(表材層) となるように、かつシートの種類が、 A(表材層)/B(中間層)/A(表材層) となるように、上記3枚を面対称になるように積層す
る。
【0032】このプリプレグ積層シート3を、図3で示
したように、離型フィルム5で覆い、#50〜#500
好ましくは#150〜#350のメッシュ4を被せ、加
圧板(プレスプレート)6で挟み込む。その上で、ホッ
トプレスにセットし、120〜140℃の温度で1〜2
時間、5kg〜15kg/cm2 の圧力で、加熱プレス
成形して、エポキシ樹脂を硬化させ、その後、室温まで
徐冷することにより、板厚60〜140μmの板材を得
た。(板材) 次に、上記シートA2枚とシートB1枚の代わりに、製
造ロットの違うシートA′、B′を用意し、上記方法で
同様にして、板材を得た。同様にして多数の板材、
を製造し、得られた板材について、平面性の良好な板
材が何枚あるか歩留り(以下、第1歩留りという)を求
めた。
したように、離型フィルム5で覆い、#50〜#500
好ましくは#150〜#350のメッシュ4を被せ、加
圧板(プレスプレート)6で挟み込む。その上で、ホッ
トプレスにセットし、120〜140℃の温度で1〜2
時間、5kg〜15kg/cm2 の圧力で、加熱プレス
成形して、エポキシ樹脂を硬化させ、その後、室温まで
徐冷することにより、板厚60〜140μmの板材を得
た。(板材) 次に、上記シートA2枚とシートB1枚の代わりに、製
造ロットの違うシートA′、B′を用意し、上記方法で
同様にして、板材を得た。同様にして多数の板材、
を製造し、得られた板材について、平面性の良好な板
材が何枚あるか歩留り(以下、第1歩留りという)を求
めた。
【0033】上記板材・のうち平面性の良好な1枚
の板材から、プレス抜き加工により、20〜50枚の遮
光羽根を製造した。ただし中間層の繊維方向が、遮光羽
根の長手方向と直角を成すように打ち抜いた。この時得
られた遮光羽根について、ソリの有無を測定して、平面
性の良好な遮光羽根が何枚有るか、歩留り(以下、第2
歩留りという)を求めた。以上の結果を表1に示す。
の板材から、プレス抜き加工により、20〜50枚の遮
光羽根を製造した。ただし中間層の繊維方向が、遮光羽
根の長手方向と直角を成すように打ち抜いた。この時得
られた遮光羽根について、ソリの有無を測定して、平面
性の良好な遮光羽根が何枚有るか、歩留り(以下、第2
歩留りという)を求めた。以上の結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】本発明の実施の形態の一実施例と比較する
ために、メッシュを用いないCFRP板を製造し、CF
RP板及び遮光羽根のそりを測定した。実施例1で使用
したプリプレグ・シートA・B、A′・B′を用意し、
これらのシートが0°/90°/0°となるように積層
し、メッシュを使用しないほかは、実施例1と同様にし
て板材・、遮光羽根を製造し、ソリの有無を測定し
て、第1〜第2歩留りを求めた。この結果を表1に示
す。
ために、メッシュを用いないCFRP板を製造し、CF
RP板及び遮光羽根のそりを測定した。実施例1で使用
したプリプレグ・シートA・B、A′・B′を用意し、
これらのシートが0°/90°/0°となるように積層
し、メッシュを使用しないほかは、実施例1と同様にし
て板材・、遮光羽根を製造し、ソリの有無を測定し
て、第1〜第2歩留りを求めた。この結果を表1に示
す。
【0036】
【実施例2】実施例1で使用したプリプレグ・シート
B、B′の代わりにプリプレグ・シートA、A′を使用
するほかは実施例1と同様にして、板材、、遮光羽
根を順次製造した。
B、B′の代わりにプリプレグ・シートA、A′を使用
するほかは実施例1と同様にして、板材、、遮光羽
根を順次製造した。
【0037】
【実施例3】実施例1で使用したプリプレグ・シート
A、A′と同じであるが、ただし、平均粒子径が0.1
μm以下のカーボンブラックを樹脂100重量部当たり
10重量%添加したプリプレグ・シート(A)、
(A′)を準備した。以下、プリプレグ・シートA、
A′の代わりにプリプレグ・シート(A)、(A′)を
使用するほかは実施例1と同様にして、板材、、遮
光羽根を順次製造した。
A、A′と同じであるが、ただし、平均粒子径が0.1
μm以下のカーボンブラックを樹脂100重量部当たり
10重量%添加したプリプレグ・シート(A)、
(A′)を準備した。以下、プリプレグ・シートA、
A′の代わりにプリプレグ・シート(A)、(A′)を
使用するほかは実施例1と同様にして、板材、、遮
光羽根を順次製造した。
【0038】
【実施例4】実施例1で使用したプリプレグ・シート
A、A′と同じであるが、ただし、平均粒子径が0.1
μm以下のカーボンブラックを樹脂100重量部当たり
10重量%添加したプリプレグ・シート(A)、
(A′)を準備した。以下、プリプレグ・シートB、
B′の代わりにプリプレグ・シート(A)、(A′)を
使用するほかは実施例1と同様にして、板材、、遮
光羽根を順次製造した。
A、A′と同じであるが、ただし、平均粒子径が0.1
μm以下のカーボンブラックを樹脂100重量部当たり
10重量%添加したプリプレグ・シート(A)、
(A′)を準備した。以下、プリプレグ・シートB、
B′の代わりにプリプレグ・シート(A)、(A′)を
使用するほかは実施例1と同様にして、板材、、遮
光羽根を順次製造した。
【0039】
【実施例5】実施例1で使用したプリプレグ・シートA
2枚とプリプレグ・シート(A)2枚を用意し、これら
のシートを繊維方向が0°/90°/90°/0°とな
るように、かつシートの種類がA/(A)/(A)/A
となるように、上記4枚を面対称に積層し、以下実施例
1と同様にして板材を製造した。この板材は、中間層が
2枚のシートで構成される。この後、実施例1と同様に
して遮光羽根を製造した。同様に、プリプレグ・シート
A´、(A′)を使用して、板材、、遮光羽根を順
次製造した。
2枚とプリプレグ・シート(A)2枚を用意し、これら
のシートを繊維方向が0°/90°/90°/0°とな
るように、かつシートの種類がA/(A)/(A)/A
となるように、上記4枚を面対称に積層し、以下実施例
1と同様にして板材を製造した。この板材は、中間層が
2枚のシートで構成される。この後、実施例1と同様に
して遮光羽根を製造した。同様に、プリプレグ・シート
A´、(A′)を使用して、板材、、遮光羽根を順
次製造した。
【0040】以上、CFRP板及び遮光羽根の歩留まり
(良品率)を測定した結果を表1にまとめて示した。
本発明のCFRP製遮光羽根は従来の場合と比べて、2
0〜30%の良品率向上が図れた。すなわち、従来で
は、CFRPの製造ロットの違いにより、CFRP板及
び遮光羽根のソリ不良が多々発生し、その遮光羽根の良
品率は平均約50%〜60%であったが、本発明の遮光
羽根を使用することで、今回その良品率は平均約70%
〜90%となった。
(良品率)を測定した結果を表1にまとめて示した。
本発明のCFRP製遮光羽根は従来の場合と比べて、2
0〜30%の良品率向上が図れた。すなわち、従来で
は、CFRPの製造ロットの違いにより、CFRP板及
び遮光羽根のソリ不良が多々発生し、その遮光羽根の良
品率は平均約50%〜60%であったが、本発明の遮光
羽根を使用することで、今回その良品率は平均約70%
〜90%となった。
【0041】実施例2〜5についても、ソリの有無を測
定して、平面性の良好な板材が何枚有るか、第1及び第
2歩留りを求めたところ、メッシュを使用しない場合に
比べ、歩留りは高くかつ安定したものであった。また、
網目模様のある本実施例のCFRP板と網目模様のない
比較例のCFRPとの摺動特性について測定した結果を
表2に示した。
定して、平面性の良好な板材が何枚有るか、第1及び第
2歩留りを求めたところ、メッシュを使用しない場合に
比べ、歩留りは高くかつ安定したものであった。また、
網目模様のある本実施例のCFRP板と網目模様のない
比較例のCFRPとの摺動特性について測定した結果を
表2に示した。
【0042】
【表2】
【0043】その測定結果によれば、網目模様のある本
実施例のCFRP板の摺動特性の方が比較例のCFRP
板より優れていることが判明した。実施例1〜5の遮光
羽根を使用し、フォーカルプレーンシャッターを完成さ
せ、高速シャッター耐久試験に供したところ、いずれも
15万回以上の耐久性能が得られ、充分な高速安定性、
高速走行性が実証された。
実施例のCFRP板の摺動特性の方が比較例のCFRP
板より優れていることが判明した。実施例1〜5の遮光
羽根を使用し、フォーカルプレーンシャッターを完成さ
せ、高速シャッター耐久試験に供したところ、いずれも
15万回以上の耐久性能が得られ、充分な高速安定性、
高速走行性が実証された。
【0044】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、平面性が
良好で、歩留りも良いCFRP板および、遮光羽根が得
られる。その結果、プリプレグ・シートは炭素繊維を含
む故に非常に高価であるが、遮光羽根の製造コストを大
幅に低下させる事が出来る。また、板厚をより薄くして
も平面性を確保できるので、それだけ軽量化が図られ、
より高速なシャッター速度を可能にした。
良好で、歩留りも良いCFRP板および、遮光羽根が得
られる。その結果、プリプレグ・シートは炭素繊維を含
む故に非常に高価であるが、遮光羽根の製造コストを大
幅に低下させる事が出来る。また、板厚をより薄くして
も平面性を確保できるので、それだけ軽量化が図られ、
より高速なシャッター速度を可能にした。
【0045】また、摩擦係数は、50μm〜500μm
ピッチの凹凸網目模様を形成しなかった遮光羽根に比較
して良好であり、優れた摺動特性であった。本発明の遮
光羽根をカメラ用シャッターに組み込み評価した結果、
高速安定性、高速走行性を高めることに大きく寄与して
いることが判明した。
ピッチの凹凸網目模様を形成しなかった遮光羽根に比較
して良好であり、優れた摺動特性であった。本発明の遮
光羽根をカメラ用シャッターに組み込み評価した結果、
高速安定性、高速走行性を高めることに大きく寄与して
いることが判明した。
【図1】 本発明の遮光羽根の表面の凹凸網目模様を示
す概略斜視図である。
す概略斜視図である。
【図2】 本発明の炭素繊維強化樹脂製遮光羽根の表面
の凹凸模様の形態を説明するための部分拡大断面図であ
る。
の凹凸模様の形態を説明するための部分拡大断面図であ
る。
【図3】 本発明の炭素繊維強化樹脂型遮光羽根の製造
時の構成配置を示す分解斜視図である。
時の構成配置を示す分解斜視図である。
【図4】 本発明によるフォーカルプレーンシャッタの
実施例の先幕が展開して露光窓を覆った状態を示す正面
図である。
実施例の先幕が展開して露光窓を覆った状態を示す正面
図である。
【図5】 実施例に係るフォーカルプレーンシャッタの
両羽根群(先幕と後幕)、遮光板および中間板との位置
関係を示す分解斜視図である。
両羽根群(先幕と後幕)、遮光板および中間板との位置
関係を示す分解斜視図である。
1 炭素繊維 2 マトリックス樹脂 3 プリプレグ積層シート 4 メッシュ 5 離型フィルム 6 加圧板 10 先幕 20 後幕 11〜14、21〜24 分割羽根 15、16、25、26 アーム 17、18、27、28 カシメピン 19、29 駆動機構 31、32 駆動軸 X1 〜X4 軸 41 遮光板 42 中間板
Claims (4)
- 【請求項1】 板厚が50μm〜200μmを有する炭
素繊維強化樹脂製遮光羽根板において、該遮光羽根の表
面に所定ピッチの凹凸網目模様を形成したことを特徴と
する炭素繊維強化樹脂製遮光羽根。 - 【請求項2】 前記凹凸網目模様のピッチが50μm〜
500μmであることを特徴とする請求項第1記載の炭
素繊維強化樹脂製遮光羽根。 - 【請求項3】 一方向に引き揃えられた炭素繊維に樹脂
を含浸させた複数のプリプレグシートの各繊維方向が互
いに直交するように、かつ面対称になるように3層以上
積層したことを特徴とする請求項1及び2記載の炭素繊
維強化樹脂製遮光羽根。 - 【請求項4】 複数枚の分割羽根と該分割羽根を駆動す
る駆動機構とからなるカメラ用シャッタにおいて、前記
分割羽根のうち、少なくとも1枚は請求項1〜3記載の
炭素繊維強化樹脂製遮光羽根を使用したことを特徴とす
るカメラ用シャッター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8069777A JPH09258297A (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | 炭素繊維強化樹脂製遮光羽根及びそれを用いたカメラ用 シャッター |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8069777A JPH09258297A (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | 炭素繊維強化樹脂製遮光羽根及びそれを用いたカメラ用 シャッター |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09258297A true JPH09258297A (ja) | 1997-10-03 |
Family
ID=13412558
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8069777A Pending JPH09258297A (ja) | 1996-03-26 | 1996-03-26 | 炭素繊維強化樹脂製遮光羽根及びそれを用いたカメラ用 シャッター |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09258297A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6818287B1 (en) | 1998-09-02 | 2004-11-16 | Nidec Copal Corporation | Light shielding blade material for optical apparatus |
JP2012088499A (ja) * | 2010-10-19 | 2012-05-10 | Kimoto & Co Ltd | 光学機器用遮光部材、およびそれを用いた光学機器の製造方法 |
JP2018083426A (ja) * | 2016-05-16 | 2018-05-31 | キヤノン電子株式会社 | 繊維強化積層体、シャッタ装置および光学機器 |
-
1996
- 1996-03-26 JP JP8069777A patent/JPH09258297A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6818287B1 (en) | 1998-09-02 | 2004-11-16 | Nidec Copal Corporation | Light shielding blade material for optical apparatus |
JP2012088499A (ja) * | 2010-10-19 | 2012-05-10 | Kimoto & Co Ltd | 光学機器用遮光部材、およびそれを用いた光学機器の製造方法 |
JP2018083426A (ja) * | 2016-05-16 | 2018-05-31 | キヤノン電子株式会社 | 繊維強化積層体、シャッタ装置および光学機器 |
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