JPH09258221A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH09258221A
JPH09258221A JP8061183A JP6118396A JPH09258221A JP H09258221 A JPH09258221 A JP H09258221A JP 8061183 A JP8061183 A JP 8061183A JP 6118396 A JP6118396 A JP 6118396A JP H09258221 A JPH09258221 A JP H09258221A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal display
waveguide
linearly polarized
light
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JP8061183A
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Inventor
Masahiro Tanaka
政博 田中
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶表示パネルを照射する照射光の利用効率
を向上させた液晶表示装置を提供する。 【解決手段】 液晶表示パネル(50)が一方の基板の
外側に設けられる偏光板(19)を有し、背面照射手段
が、光源(1)からの照射光を直交した偏光面を有する
2つの直線偏光に分離する第1の手段(4)と、分離さ
れた2つの直線偏光の中の一方の直線偏光の偏光面を9
0度旋光させる第2の手段(5)と、他方の直線偏光と
偏光面が90度旋光された一方の直線偏光とを合流する
第3の手段(6)と、合流された単一の偏光面を有する
直線偏光を3原色に分光する第4の手段(8)と、3原
色に分光されたそれぞれの直線偏光を伝搬させる導波路
(9a)と、導波路から3原色に分光されたそれぞれの
直線偏光を液晶表示パネルの対応する各画素に放射する
第5の手段(10)とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に係
わり、特に、液晶表示パネルの各画素に効率良く背面照
射手段から照射光を照射するようにした液晶表示装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶表示装置としては、ストライ
プ状のXY電極の交点の画素を駆動する単純マトリクス
型液晶表示装置と、画素毎に能動素子(例えば、薄膜ト
ランジスタ)を有しこの能動素子をスイッチング駆動す
るアクティブマトリクス型液晶表示装置に大別される。
【0003】さらに、このアクティブマトリクス型液晶
表示装置の表示方式には、大別して、次の2通りの表示
方式が知られている。
【0004】1つは、2つの透明電極が形成された一対
の基板間に液晶層を封入し、2つの透明電極に駆動電圧
を印加することにより、基板界面にほぼ直角な方向の電
界により液晶層を駆動し、透明電極を透過し液晶層に入
射した光を変調して表示する方式(以下、縦電界方式と
称する)である。
【0005】また、もう1つは、一対の基板間に液晶層
を封入し、同一基板あるいは両基板上に形成された2つ
の電極に駆動電圧を印加することにより、基板界面にほ
ぼ平行な方向の電界により液晶層を駆動し、2つの電極
の隙間から液晶層に入射した光を変調して表示する方式
(以下、横電界方式と称する)である。
【0006】図16は、従来の縦電界方式のアクティブ
マトリクス型液晶表示装置に使用されるカラーTFT
(Thin Film Transister)方式の
液晶表示パネルの1画素とその周辺を示す平面図であ
り、また、図17は、図16に示すD−D’切断線にお
ける断面図である。
【0007】図16、図17に示すカラーTFT方式の
液晶表示パネルにおいて、各画素は隣接する2本の走査
信号線(ゲートライン(GL))と、隣接する2本の映
像信号線(データライン(DL))との交差領域(4本
の信号線で囲まれた領域)内に配置され、各画素は、2
個の薄膜トランジスタ(TFT1,TFT2)と、画素
電極(ITO1)および保持容量(Cadd)を含んで
いる。
【0008】走査信号線(GL)は図16では左右方向
に延在し、上下方向に複数本配置され、また、映像信号
線(DL)は図16では上下方向に延在し、左右方向に
複数本配置される。
【0009】各薄膜トランジスタ(TFT1,TFT
2)は、ゲート電極(GT)と、ゲート絶縁膜として用
いられる絶縁膜(GI)と、アモルファスシリコン(A
S)と、ソース電極(SD1)と、ドレイン電極(SD
2)とを有する。
【0010】ゲート電極(GT)は、走査信号線(G
L)から垂直方向に突出する形で、走査信号線(GL)
と連続して一体的に形成され、また、ゲート電極(G
T)と走査信号線(GL)とは単層の第2導電膜(g
2)で形成され、さらに、ゲート電極(GT)と走査信
号線(GL)上には陽極酸化膜(AOF)が形成されて
いる。
【0011】ソース電極(SD1)とドレイン電極(S
D2)とは、N(+)型半導体層(d0)に接触する第
2導電膜(d2)とその上に形成された第3導電膜(d
3)とから構成され、また、ドレイン電極(SD2)は
映像信号線(DL)に接続され、ソース電極(SD1)
は画素電極(ITO1)に接続される。
【0012】また、映像信号線(DL)は、ドレイン電
極(SD2)と同層の第2導電膜(d2)とその上に形
成された第3導電膜(d3)とから構成され、画素電極
(ITO1)は透明な第1導電膜(d1)で形成され
る。
【0013】図16、図17に示すカラーTFT方式の
液晶表示パネルにおいて、液晶層(LC)を基準にし
て、下部ガラス基板(SUB1)には薄膜トランジスタ
(TFT1,TFT2)および画素電極(ITO1)が
形成され、上部ガラス基板(SUB2)にはカラーフィ
ルタ(FIR)および遮光膜(BM)が形成される。
【0014】上部ガラス基板(SUB2)の内側(液晶
層(LC)側)には、カラーフィルタ(FIR)および
遮光膜(BM)、保護膜(PSV2)、透明導電膜から
なるコモン電極(ITO2)、配向膜(ORI2)とが
順次積層される。
【0015】下部ガラス基板(SUB1)の内側(液晶
層(LC)側)には、ゲート電極(GT)および走査信
号線(GL)、絶縁膜(GI)、アモルファスシリコン
(AS)、画素電極(ITO1)、映像信号線(D
L)、ソース電極(SD1)、ドレイン電極(SD
2)、保護膜(PSV1)、配向膜(ORI1)とが順
次積層される。
【0016】また、各ガラス基板(SUB1,SUB
2)の外側には、それぞれ偏光板(POL1,POL
2)が形成され、さらに、各ガラス基板(SUB1,S
UB2)の両面にはディップ処理等によって形成された
酸化シリコン膜(SIO)が形成されている。
【0017】また、図17には図示していないが、液晶
層(LC)には、液晶層(LC)の厚さを均一に保つた
めのスペーサが封入される。
【0018】図16、図17に示す液晶表示パネルで
は、下部ガラス基板(SUB1)、上部ガラス基板(S
UB2)を別個に種々の層を積み重ねて形成した後、シ
ールパターンを上部ガラス基板(SUB2)側に形成
し、下部ガラス基板(SUB1)と上部ガラス基板(S
UB2)とを重ね合わせ、シールパターンの開口部から
液晶(LC)を注入し、注入口をエポキシ樹脂などで封
止し、上下基板を切断することによって組み立てられ
る。
【0019】また、前記液晶表示パネルの下側にはバッ
クライト(背面照射手段)が設けられ、前記バックライ
トからの照射光は、バックライト側の偏光板(POL1
またはPOL2)、ガラス基板(下部ガラス基板(SU
B1)または上部ガラス基板(SUB2))、配向膜
(ORI1またはORI2)、液晶層(LC)、配向膜
(ORI2またはORI1)、ガラス基板(上部ガラス
基板(SUB2)または下部ガラス基板(SUB1))
および表側の偏光板(POL2またはPOL1)を透過
して、液晶表示パネルから放射される。
【0020】この場合に、上部ガラス基板(SUB1)
に形成されたコモン電極(ITO2)と画素電極(IT
O1)との間に電圧を印加することによって、液晶層
(LC)に、上下ガラス基板(SUB1,SUB2)と
垂直な方向の電界を発生させ、これにより、液晶層(L
C)を透過するバックライトからの照射光を変調させ
て、表側の偏光板を透過できるバックライトからの照射
光を増減させて液晶表示パネルに画像を表示する。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図17
に示す偏光板(POL1,POL2)は、ある特定方向
の偏光以外は吸収し、ある特定方向の偏光のみを透過さ
せ直線偏光を得るものである。
【0022】そのため、図16、図17に示す液晶表示
パネルでは、原理的に、バックライトからの照射光の中
の半分以上の照射光は、バックライト側の偏光板(PO
L1またはPOL2)に吸収されるので、バックライト
からの照射光の中の半分以下の照射光しか、バックライ
ト側の偏光板(POL1またはPOL2)を透過できな
い。
【0023】加えて、カラーフィルタ(FIR)は、3
原色の中の選択された色に相当する波長の光以外の光を
吸収するため、カラーフィルタ(FIR)を透過するバ
ックライトからの照射光は3分の1以下であり、バック
ライト側の偏光板(POL1またはPOL2)と合わせ
ると、バックライトからの照射光の利用効率は、原理的
に17%以上にはなりえない。
【0024】その上、液晶表示パネルの開口率が乗じら
れるので、バックライトからの照射光の利用効率は更に
悪く、図16に示す液晶表示パネルにおけるバックライ
トからの照射光の利用効率は、実際には5〜10%とな
っており、バックライトからの照射光が有効に使用され
ていなかった。
【0025】そして、バックライトからの照射光が有効
に使用されていない点は、図16、図17に示す液晶表
示パネルに限らず、一対の偏光板およびカラーフィルタ
を使用する全ての液晶表示パネルに当てはまることであ
る。
【0026】このように、従来の液晶表示装置では、バ
ックライトからの照射光が有効に使用されておらず、バ
ックライトからの照射光の利用効率が悪いという問題点
があった。
【0027】本発明は、前記従来技術の問題点を解決す
るためになされたものであり、本発明の目的は、液晶表
示装置において、液晶表示パネルを照射する照射光の利
用効率を向上させることが可能となる技術を提供するこ
とにある。
【0028】また、本発明の他の目的は、液晶表示装置
において、消費電力を低減させることが可能となる技術
を提供することにある。
【0029】また、本発明の他の目的は、液晶表示装置
において、明るい表示画面で視認性を向上させることが
可能となる技術を提供することにある。
【0030】本発明の前記目的並びにその他の目的及び
新規な特徴は、本明細書の記載及び添付図面によって明
らかにする。
【0031】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記の通りである。
【0032】(1)一対の基板間に注入封止される液晶
層を有する液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルの背
面から液晶表示パネルに照射光を照射する背面照射手段
とを具備する液晶表示装置において、前記液晶表示パネ
ルが、前記一対の基板の一方の基板の外側に設けられる
偏光板を有し、前記背面照射手段が、光源と、前記光源
からの照射光を直交した偏光面を有する2つの直線偏光
に分離する第1の手段と、前記第1の手段により分離さ
れた2つの直線偏光の中の一方の直線偏光の偏光面を9
0度旋光し、他方の直線偏光の偏光面に一致させる第2
の手段と、他方の直線偏光と、偏光面が90度旋光され
た一方の直線偏光とを合流する第3の手段と、前記第3
の手段により合流された単一の偏光面を有する直線偏光
を3原色に分光する第4の手段と、前記第4の手段によ
り3原色に分光された単一の偏光面を有するそれぞれの
直線偏光を偏光面を維持して伝搬させる導波路と、前記
3原色に分光された単一の偏光面を有するそれぞれの直
線偏光を導波路から前記液晶表示パネルの対応する各画
素に放射する第5の手段とを有することを特徴とする。
【0033】(2)前記(1)の手段において、前記第
4の手段が、前記導波路内の導波路回路で構成されるこ
とを特徴とする。
【0034】(3)前記(1)または(2)の手段にお
いて、前記第4の手段が、プリズムであることを特徴と
する。
【0035】(4)前記(1)ないし(3)の手段にお
いて、前記一対の基板の他方の基板に前記導波路を形成
したことを特徴とする。
【0036】(5)前記(4)の手段において、前記他
方の基板に形成された前記導波路の下側に導電膜を設
け、前記導電膜を前記液晶層に電界を印加する一方の電
極として用いることを特徴とする。
【0037】(6)前記(1)ないし(5)の手段にお
いて、前記第5の手段が、導波路の表面に設けられたプ
リズムシートであることを特徴とする。
【0038】(7)前記(1)ないし(5)の手段にお
いて、前記第5の手段が、導波路の底面に設けられる単
一の偏光面を有する直線偏光を散乱する凹凸部であるこ
とを特徴とする。
【0039】(8)前記(1)ないし(7)の手段にお
いて、前記第1の手段が、複屈折を利用した複像プリズ
ムもしくは偏光プリュスター素子であることを特徴とす
る。
【0040】(9)前記(1)ないし(8)の手段にお
いて、前記導波路が、ガラス基板の1部のイオンを交換
して形成される導波路であることを特徴とする。
【0041】(10)前記(1)ないし(8)の手段に
おいて、前記導波路が、単一の偏光面を有する直線偏光
を放出する表面側をのぞく3方が金属で囲まれた導波路
であることを特徴とする。
【0042】前記各手段によれば、液晶表示パネルの一
対の基板の一方の基板の外側にのみ偏光板を設け、ま
た、背面照射手段で、光源からの照射光を直交した偏光
面を有する2つの直線偏光に分離し、その一方の直線偏
光の偏光面を90度旋光した後、一方の直線偏光と他方
の直線偏光とを合流し、さらに、単一の偏光面を有する
直線偏光を3原色に分光し、それぞれの光を導波路に導
き、導波路から液晶表示パネルの各画素に放射するよう
にしたので、液晶表示パネルに、一対の偏光板と3色の
カラーフィルタとを設ける必要がない。
【0043】これにより、液晶表示装置において、背面
照射手段からの照射光の利用効率を向上させることが可
能となり、明るい表示画面で視認性を向上させこと、あ
るいは、消費電力を低減させることが可能となる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の発
明の実施の形態を詳細に説明する。
【0045】なお、発明の実施の形態を説明するための
全図において、同一機能を有するものは同一符号を付
け、その繰り返しの説明は省略する。
【0046】まず、本発明の実施の形態を説明する前
に、本発明の概略について説明する。
【0047】従来の液晶表示装置において、バックライ
トからの照射光が有効に使用されない原因は、バックラ
イト側の偏光板およびカラーフィルターで不要な光を吸
収してしまうためにある。
【0048】そのため、本発明では、液晶表示パネルを
照射する照射光を分離・分光することにより、バックラ
イト側の偏光板およびカラーフィルターを不要とし、照
射光を有効に使用するものである。
【0049】本発明では、背面照射手段で、複屈折を利
用して光源からの照射光を直交した偏光面を有する2つ
の直線偏光に分離し、その一方の直線偏光の偏光面を9
0度旋光した後、一方の直線偏光と他方の直線偏光とを
合流する。
【0050】これにより、原理的には損失なく、光源か
らのすべての照射光を直線偏光に変化させることがで
き、これにより、バックライト側の偏光板を不要とする
ことができる。
【0051】ここで、光の屈折は、異なった媒質間を光
が通過する際にその媒質中を伝搬する光の速さが異なる
ために起こるものであり、光の速度(v)は、透磁率
μ、誘電率εを用いて下記(1)のように表すことがで
きる。
【0052】
【数1】
【0053】また、複屈折は誘電率に異方性があり、例
えば、x軸方向とy軸方向の誘電率が異なったときに起
こる現象で、x軸を含む面内に電界を有する光とy軸を
含む面内に電界を有する光はその伝搬速度が異なるため
に屈折率が異なる。
【0054】そのため、複屈折を起こす物質中に入射さ
れた光は互いに直交する偏光面を持った2つの光に分離
されることになる。
【0055】具体的には、例えば、方解石のような複屈
折を起こす物質に光源からの照射光を入射し、屈折率の
違いにより直交した偏光面を有する2つの直線偏光に分
離し、2つの直線偏光を得ることができる。
【0056】このようにして得られた2つの直線偏光の
うち、一方の直線偏光はそのまま用いてよいが、他方の
直線偏光は、例えば、旋光性の物質中を通すことによ
り、偏光面を回転させる必要がある。
【0057】この場合に、回転角度は、旋光性の物質中
を通る距離により調整可能であり、90度になるように
旋光性の物質中を通る距離を決定すればよい。
【0058】このようにして、光源からのすべての照射
光を単一の偏光面を有する直線偏光とすることが可能と
なる。
【0059】なお、複屈折を起こす材料は誘電率が方向
により著しく異なるものであり、方解石の他、ルチル等
があり、これらを用いたプリズムが偏光を得るために用
いられている。
【0060】また、互いに直交する偏光面を持った2つ
の直線偏光を得る手段としては、複屈折材料を用いる他
に、偏光ブリュスター素子を用いることもできる。
【0061】偏光ブリュスター素子は、ブリュスター条
件を満足する場合に反射光はs偏光になる現象を利用し
た物であり、ブリュスター条件を満足する反射屈折を繰
り返して反射光として効率よくs偏光を、また、透過光
として純度よくp偏光を分離し取り出すことができる。
【0062】さらに、旋光性を有する物質としては、ヨ
ウ素酸やそのナトリウム塩、石英等の光学活性を有する
無機結晶、光学活性の有機物を樹脂に固溶させたもの等
を用いてもよい。
【0063】こうして得られた単一の偏光面を有する直
線偏光を導光板に入射し、液晶表示パネルの各画素に分
配すればよい。
【0064】しかしながら、この場合に、導光板中を通
る直線偏光の偏光面を維持する必要がある。
【0065】そして、導光板中を通る直線偏光の偏光面
を維持するためには、導光板が複屈折性を有すればよ
く、そのためには複屈折性の材料を用いるか、導光板の
材料に歪みを与え複屈折性を持たせればよい。
【0066】また、光の通る部分が非常に薄く伝搬モー
ドが単一モードになれば、偏光は維持されやすくなり、
さらに、この上に導電体膜を形成すればTEモードのみ
の伝搬となるため完全に偏光が維持されるようになる。
【0067】複屈折性の材料中では偏光面の違いにより
光の速度が異なるため偏光面が異なる光の間でエネルギ
ーの交換が起こりにくく偏光面は維持される。
【0068】ただし、複屈折性の材料は通常結晶化して
いる必要があり、非晶質では誘電率の異方性がなくな
り、複屈折性はなくなる。
【0069】一方、結晶質、非晶質を問わず等方的な材
料の一方向に歪みを与えることにより異方性を与えるこ
とができる、即ち、導光板の形成時に導光板材料に異方
的な歪みを与えることにより、複屈折性を付与すること
ができる。
【0070】このようにすれば、偏光面を維持できるの
で、バックライト側の偏光板、即ち、光源からの照射光
が液晶に入射される側の偏光板は不要となる。
【0071】また、本発明では、単一の偏光面を有する
直線偏光を、例えば、分光プリズムまたは回折格子等で
3原色に分光し、分光されたそれぞれの光を別々の導波
路で液晶表示パネルの対応する各画素に導くようにして
いる。
【0072】これにより、3色のカラーフィルタを不要
とすることができる。
【0073】分光プリズムは、媒質の違いにより光の伝
播速度の周波数分散が異なり、そのため屈折率が周波数
により異なる現象を利用したものである。
【0074】薄膜導波路上では導波路の厚さにより、光
の伝播速度の周波数分散が異なるため3角状に導波路を
わずかに厚く作っただけでもプリズムとして作用させる
ことができる。
【0075】具体的には、例えば、ガラス基板表面に3
本1組の導波路を形成し、3本1組の導波路の光の入射
部分に分光プリズムのように光を分離する素子を形成す
ればよい。
【0076】このようにして、単一の偏光面を有する直
線偏光を3原色に分離し、それぞれを別々の導波路に投
入して導波させ各画素に分配する。
【0077】この導波路は非常に薄いため単一モードの
光しか伝搬する事ができず偏光面の保持に好都合であ
る。
【0078】導波路の作成方法としては、ガラスなどの
透明基板に金属イオンを拡散させ表面に屈折率のやや大
きい層を形成する拡散法と、透明基板上に屈折率のやや
大きい膜を真空蒸着や塗布等により形成する方法があ
る。
【0079】拡散法にも金属イオンの入った溶液にガラ
ス基板を浸しイオン交換する方法と、真空装置内で金属
イオンを打ち込む方法がある。
【0080】次に、本発明の発明の実施の形態について
説明する。
【0081】[発明の実施の形態1]図1は、本発明の
一発明の実施の形態(発明の実施の形態1)である液晶
表示装置の概略構成を示す断面図である。
【0082】図1において、50は液晶表示パネルであ
り、液晶表示パネル50は、上部ガラス基板18、下部
ガラス基板14、および、上部ガラス基板18と下部ガ
ラス基板14との間に注入封止される液晶層15を有す
る。
【0083】ここで、上部ガラス基板18が、前記図1
7に示すTFT基板のガラス基板(SUB1)を構成
し、上部ガラス基板18の内側(液晶層15)には、ゲ
ート電極および走査信号線、絶縁膜、アモルファスシリ
コン、画素電極17、映像信号線、ソース電極、ドレイ
ン電極、保護膜、配向膜16とが順次積層される。
【0084】(なお、図1においては、ゲート電極、走
査信号線、絶縁膜、アモルファスシリコン、映像信号
線、ソース電極、ドレイン電極および保護膜は図示して
いない)。
【0085】また、ガラス基板18の外側には偏光板1
9が設けられ、さらに、図1には図示していないが、液
晶層15には、液晶層15の厚さを均一に保つためのス
ペーサが封入される。
【0086】下部ガラス基板14の内側(液晶層15)
の表面には導波路9が形成され、下部ガラス基板14上
には、プリズムシート10、コモン電極11、配向膜1
2とが順次積層される。
【0087】本発明の実施の形態1の液晶表示パネル5
0では、各配向膜(12,16)はポリイミド膜で構成
される。
【0088】図2は、図1に示すガラス基板14の導波
路9および液晶表示パネルの画素部の概略構成を示す平
面図である。
【0089】図2に示すように、導波路9は、プリズム
6を介して導入された単一の偏光面を有する直線偏光を
集光するためのレンズの働きをするレンズ部分7、直線
偏光を赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色に分離す
る分光プリズムとして働く分光プリズム部分8、赤
(R)、緑(G)、青(B)に分離された直線偏光を液
晶表示パネル50の各画素13に導く導波路9aから構
成される本発明の実施の形態1の液晶表示装置では、導
波路9は、最も製作が容易なイオン交換法により製作し
た。
【0090】即ち、ガラス基板14の表面にアルミニウ
ム(Al)を蒸着し、導波路9を作る部分のアルミニウ
ム(Al)をホトリソグラフィー技法で取り除き、塩化
カリウム(KCl)の溶液に浸してナトリウム(Na)
とカリウム(K)をイオン交換し、その後アルミニウム
(Al)を除去して製作した。
【0091】図3は、図1に示すガラス基板14の導波
路9aおよびプリズムシート10の概略構成を示す斜視
図である。
【0092】導波路9の表面に設けられたプリズムシー
ト10は、例えば、屈折率が異なるメタクリレートエス
テルの重合体を組み合わせて作られており、照射光を少
しずつ前面に放出させることができる。
【0093】プリズムシート10の上に積層されるコモ
ン電極11は、例えば、プリズムシート10上に、スパ
ッタ法で形成されるインジウム(In)と錫(Sn)と
の酸化物の透明導電膜で構成される。
【0094】図4は、図1に示す液晶表示パネル50の
1画素分の概略構成を示す断面図である。
【0095】液晶表示パネル50の赤(R)、緑
(G)、青(B)の各画素13は、それぞれ赤(R)、
緑(G)、青(B)の直線偏光が伝搬される導波路9a
に重なるように、導波路9aに沿って導波路9aの真上
に並んで設けられる。
【0096】なお、図4において、25は映像信号線、
54は絶縁膜を示し、また、図2に示す53は、遮光膜
(ブラックマトリクス)を示している。
【0097】この、遮光膜53は、図4に示すガラス基
板18と絶縁膜54との間、あるいは、図4に示すプリ
ズムシート10とコモン電極11との間、さらには、図
4に示すコモン電極11と配向膜12との間に、オーバ
ーコート膜を介して設けることができ、また、遮光膜5
3の材料としては、クロム、あるいは、黒色顔料を分散
した絶縁性の有機樹脂(レジスト材)を用いることがで
きる。
【0098】なお、液晶表示パネル50の周辺部には、
ドライバー回路(ドレインドライバ、ゲートドライバ、
コモンドライバ、制御回路等)が接続されるが、図1で
は図示していない。
【0099】また、本発明の実施の形態1の液晶表示装
置では、導波路9を下部ガラス基板14の表面に設ける
ようにしたが、導波路9を下部ガラス基板14と異なる
ガラス基板の表面に設けることも可能である。
【0100】この液晶表示パネル50の一端部には、下
部ガラス基板14の表面に設けられた導波路9に、単一
の偏光面を有する直線偏光を導入するため照射光導入部
51が設けられる。
【0101】前記照射光導入部51は、冷陰極管1、反
射鏡2、レンズ3、方解石複像プリズム4、旋光子5お
よびプリズム6から構成される。
【0102】なお、本発明の実施の形態1では、旋光子
5として、入手が容易で安定性も高い石英を用いた。
【0103】ここで、前記導波路9、プリズムシート1
0、および、照射光導入部51が、本発明の背面照射手
段を構成する。
【0104】本発明の実施の形態1の液晶表示装置で
は、冷陰極管1からの照射光、あるいは、反射鏡2で反
射された冷陰極管1からの照射光は、レンズ3で集光さ
れて方解石複像プリズム4に入射され、方解石複像プリ
ズム4で偏光面が互いに直交する2つの直線偏光に分離
される。
【0105】前記方解石複像プリズム4で分離された2
つの直線偏光の中の一方の直線偏光(偏光面が導波路9
の導波面に垂直な直線偏光)は旋光子5に入射され、旋
光子5で偏光面が90度回転させられ、前記方解石複像
プリズム4で分離された2つの直線偏光の中の他方の直
線偏光(偏光面が導波路9の導波面に平行な直線偏光)
とされる。
【0106】前記方解石複像プリズム4で分離された他
方の直線偏光、および、方解石複像プリズム4で分離さ
れ旋光子5を通った一方の直線偏光は、プリズム6で合
流され、プリズム6を介して導波路9に導入される。
【0107】これにより、冷陰極管1からのすべての照
射光を、導波路9の導波面に平行な偏光面を有する直線
偏光として導波路9に導くことが可能となる。
【0108】導波路9に導入された導波路9の導波面に
平行な偏光面を有する直線偏光は、レンズ部分7で集光
され、分光プリズム部分8で赤(R)、緑(G)、青
(B)の3原色に分離され、赤(R)、緑(G)、青
(B)に分離されたそれぞれの直線偏光は、対応する各
導波路9aに導入される。
【0109】各導波路9aを伝搬する赤(R)、緑
(G)、青(B)の直線偏光は、プリズムシート10に
より少しずつ引き出され、コモン電極11、配向膜1
2、液晶層15、配向膜16、画素電極17、ガラス基
板18を通って偏光板19に達する。
【0110】ノーマリーブラックの液晶表示パネルで
は、液晶層15で偏光面が90度旋回された照射光は偏
光板19を透過できず、画素13に電界が印加されるこ
とにより液晶層15の液晶分子の配向が変化し、偏光面
が旋回されなかった画素13では照射光が透過できる。
【0111】逆に、ノーマリーホワイトの液晶表示パネ
ルでは、液晶層15で偏光面が90度旋回された照射光
は偏光板19を透過でき、画素13に電界が印加される
ことにより液晶層15の液晶分子の配向が変化し、偏光
面が旋回されなかった画素13では照射光が透過できな
い。
【0112】本発明の実施の形態1の液晶表示装置によ
れば、背面照射光手段からの照射光の利用効率として、
70%にもおよぶ高い利用効率を得ることができ、表示
画面の輝度を増加させることが可能となるので、明るい
表示画面で視認性を向上させことが可能となる。
【0113】また、本発明の実施の形態1の液晶表示装
置によれば、背面照射光手段からの照射光の利用効率を
向上させることが可能であり、冷陰極管1の消費電力が
少なくてよいので、消費電力を低減させることが可能と
なる。
【0114】また、本発明の実施の形態1の液晶表示装
置によれば、背面照射手段の一部(導波路9)と液晶表
示パネルの一方のガラス基板14とを一体化することが
できるので、組み立ての簡略化、装置を軽量化すること
が可能となる。
【0115】さらに、従来の液晶表示装置では、カラー
フィルタを形成するために、赤(R)、緑(G)、青
(B)の3原色の各カラーフィルタ毎に、フォトリソグ
ラフィー工程を経なければならないのに対して、本発明
の実施の形態1の液晶表示装置においては、カラーフィ
ルタを形成する必要がなく、また、導波路9は1フォト
リソグラフィー工程でよいため、可能製造工程を短縮す
ることが可能となり、価格(コスト)を低減することが
可能となる。
【0116】[発明の実施の形態2]図5は、本発明の
他の発明の実施の形態(発明の実施の形態2)である液
晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【0117】以下、本発明の実施の形態2の液晶表示装
置について、前記発明の実施の形態1の液晶表示装置と
の相違点を中心に説明する。
【0118】本発明の実施の形態態2の液晶表示装置
は、液晶表示パネル50の下部ガラス基板14側の構成
と、照射光導入部51の構成が、前記発明の実施の形態
1の液晶表示装置と相違する。
【0119】本発明の実施の形態態2の液晶表示装置で
は、下部ガラス基板14の内側(液晶層15)の表面上
に導波路21が形成され、ガラス基板14上にコモン電
極11と配向膜12とが順次積層される。
【0120】本発明の実施の形態態2の液晶表示装置で
も、導波路21は、プリズム6を介して導入された単一
の偏光面を有する直線偏光を集光するためのレンズの働
きをするレンズ部分7、直線偏光を赤(R)、緑
(G)、青(B)の3原色に分離する分光プリズムとし
て働く分光プリズム部分8、赤(R)、緑(G)、青
(B)に分離された直線偏光を液晶表示パネル50の各
画素13に導く導波路21aから構成される。
【0121】本発明の実施の形態2の液晶表示装置の導
波路21は、ガラス基板14の表面に形成されたクロム
(Cr)膜24と、前記クロム(Cr)膜24上に形成
され、レンズ部分7、プリズム部分8、および、導波路
21aの部分の導波路21aに直交する巾0.3〜3μ
mのラインアンドスペース27の部分が穴開け加工され
たアルミニウム(Al)膜23と、前記アルミニウム
(Al)膜23上に形成されるSiOxNy(x=0〜
2、y=0〜1.33)膜26と、SiOxNy(x=
0〜2、y=0〜1.33)膜26の両側に形成される
クロム(Cr)膜22とで構成される。
【0122】図6は、図5に示すガラス基板14の導波
路21aの概略構成を示す斜視図である。
【0123】図7は、本発明の実施の形態2の液晶表示
装置における導波路21の製造方法を示す図であり、図
7(b)はその概略平面図を、図7(a)は、図7
(b)に示すA−A’線における断面図を示す。
【0124】本発明の実施の形態2の液晶表示装置の導
波路21は、以下の方法により製作される。
【0125】(イ)始めに、ガラス基板14の表面に、
スパッタ法で各50nmのクロム(Cr)膜24とアル
ミニウム(Al)膜23との積層膜を形成する(図7の
(イ))。
【0126】(ロ)次に、前記積層膜のクロム(Cr)
膜24を残し、導波路21のレンズ部分7、プリズム部
分8、および、導波路21aの部分の導波路21aに直
交する巾0.3〜3μmのラインアンドスペース27
を、フォトリソグラフィー技法によりアルミニウム(A
l)膜23に穴開け加工する(図7の(ロ))。
【0127】(ハ)次に、前記穴開け加工後のガラス基
板14の表面上に、プラズマCVD法で、SiOxNy
(x=0〜2、y=0〜1.33)膜26を形成し、フ
ォトリソグラフィー技法により導波路21のパターンを
形成し、ドライエッチングにより加工を行い、導波路2
1を形成する(図7の(c))。
【0128】(ニ)次に、前記導波路21を形成後のガ
ラス基板14の表面上に、クロム(Cr)膜22をスパ
ッタ法により付けた後、表面を鏡面研磨し、SiOxN
y膜26を露出させる(図7の(ニ))。
【0129】図7に示す方法によれば、導波路21に導
入された直線偏光は、金属表面(クロム(Cr)膜24
あるいはアルミニウム(Al)膜23)で反射されて導
波されるので屈折率の変動など導波路を作る上で微妙な
制御を要する工程を避けることができる。
【0130】また、導波路21aを伝搬する赤(R)、
緑(G)、青(B)の単一の偏光面を有する直線偏光
は、アルミニウム(Al)膜23の凹凸(ラインアンド
スペース27)により一定の割合で散乱され表面に放出
されるので、本発明の実施の形態2の液晶表示パネル5
0では、前記本発明の実施の形態1の液晶表示パネル5
0におけるプリズムシート10は不要となる。
【0131】また、導波路21の上に積層されるコモン
電極11は、例えば、導波路21の鏡面研磨した面の上
に、スパッタ法で形成されるインジウム(In)と錫
(Sn)との酸化物の透明導電膜で構成される。
【0132】図8は、図5に示す液晶表示パネル50の
1画素分の概略構成を示す断面図である。
【0133】なお、図8において、25は映像信号線、
54は絶縁膜を示している。
【0134】本発明の実施の形態2の液晶表示装置で
は、照射光導入部51が、冷陰極管1、反射鏡2、レン
ズ3、偏光ブリュースター素子20、旋光子5、プリズ
ム6とから構成される。
【0135】なお、本発明の実施の形態2では、旋光子
5として、入手が容易で安定性も高い石英を用いた。
【0136】ここで、前記導波路21、および、照射光
導入部51が、本発明の背面照射手段を構成する。
【0137】本発明の実施の形態2の液晶表示装置で
は、冷陰極管1からの照射光、あるいは、反射鏡2で反
射された冷陰極管1からの照射光は、レンズ3で集光さ
れて偏光ブリュースター素子20に入射され、偏光ブリ
ュースター素子20で偏光面が互いに直交する2つの直
線偏光に分離される。
【0138】前記偏光ブリュースター素子20で分離さ
れた2つの直線偏光の中の一方の直線偏光(偏光面が導
波路21の導波面に垂直な直線偏光)は旋光子5に入射
され、旋光子5で偏光面が90度回転させられ、前記偏
光ブリュースター素子20で分離された2つの直線偏光
の中の他方の直線偏光(偏光面が導波路21の導波面に
平行な直線偏光)とされる。
【0139】前記偏光ブリュースター素子20で分離さ
れた他方の直線偏光、および、前記偏光ブリュースター
素子20で分離され旋光子5を通った一方の直線偏光
は、プリズム6で合流され、プリズム6を介して導波路
21に導入される。
【0140】これにより、冷陰極管1からのすべての照
射光を、導波路21の導波面に平行な偏光面を有する直
線偏光として導波路21に導くことが可能となる。
【0141】導波路21に導入された導波路21の導波
面に平行な偏光面を有する直線偏光は、レンズ部分7で
集光され、分光プリズム部分8で赤(R)、緑(G)、
青(B)の3原色に分離され、赤(R)、緑(G)、青
(B)に分離されたそれぞれの直線偏光は、対応する各
導波路21aに導入される。
【0142】導波路21aを伝搬する赤(R)、緑
(G)、青(B)の直線偏光は、アルミニウム膜23の
表面に設けられた凹凸(ラインアンドスペース27)に
より散乱されて少しずつ導波路21aから放出され、透
明導電膜11、配向膜12、液晶15、配向膜16、画
素電極17、ガラス基板18を通って偏光板19に達す
る。
【0143】ノーマリーブラックの液晶表示パネルで
は、液晶層15で偏光面が90度旋回された照射光は偏
光板19を透過できず、画素に電界が印加されることに
より液晶層15の液晶分子の配向が変化し、偏光面が旋
回されなかった画素では照射光が透過できる。
【0144】逆に、ノーマリーホワイトの液晶表示パネ
ルでは、液晶層15で偏光面が90度旋回された照射光
は偏光板19を透過でき、画素に電界が印加されること
により液晶層15の液晶分子の配向が変化し、偏光面が
旋回されなかった画素では照射光が透過できない。
【0145】本発明の実施の形態2の液晶表示装置によ
れば、背面照射光手段からの照射光の利用効率として、
60%にもおよぶ高い利用効率を得ることができ、表示
画面の輝度を増加させることが可能となるので、明るい
表示画面で視認性を向上させことが可能となる。
【0146】また、本発明の実施の形態2の液晶表示装
置によれば、背面照射光手段からの照射光の利用効率を
向上させることが可能であり、冷陰極管1の消費電力が
少なくてよいので、消費電力を低減させることが可能と
なる。
【0147】また、本発明の実施の形態2の液晶表示装
置によれば、背面照射手段の一部(導波路21)と液晶
表示パネルの一方のガラス基板14とを一体化すること
ができるので、組み立ての簡略化、装置を軽量化するこ
とが可能となる。
【0148】さらに、従来の液晶表示装置では、カラー
フィルタを形成するために、赤(R)、緑(G)、青
(B)の3原色の各カラーフィルタ毎に、フォトリソグ
ラフィー工程を経なければならないのに対して、本発明
の実施の形態2の液晶表示装置においては、カラーフィ
ルタを形成する必要がなく、また、導波路21は1フォ
トリソグラフィー工程でよいため、製造工程を短縮する
ことが可能となり、価格(コスト)を低減すること可能
となる。
【0149】[発明の実施の形態3]図9は、本発明の
他の発明の実施の形態(発明の実施の形態3)である液
晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【0150】以下、本発明の実施の形態3の液晶表示装
置について、前記発明の実施の形態1の液晶表示装置と
の相違点を中心に説明する。
【0151】本発明の実施の形態態2の液晶表示装置
は、液晶表示パネル50の下部ガラス基板14側の構成
と、照射光導入部51の構成が、前記発明の実施の形態
1の液晶表示装置と相違する。
【0152】本発明の実施の形態態3の液晶表示装置で
は、下部ガラス基板14の内側(液晶層15)の表面上
に導波路31が形成され、ガラス基板14上に配向膜1
2が積層される。
【0153】本発明の実施の形態態2の液晶表示装置で
も、導波路31は、プリズム6を介して導入された単一
の偏光面を有する直線偏光を集光するためのレンズの働
きをするレンズ部分7、直線偏光を赤(R)、緑
(G)、青(B)の3原色に分離する分光プリズムとし
て働く分光プリズム部分8、赤(R)、緑(G)、青
(B)に分離された直線偏光を液晶表示パネル50の各
画素13に導く導波路31aから構成される。
【0154】本発明の実施の形態3の液晶表示装置の導
波路31は、ガラス基板14上に形成される導波路31
の溝パターンを有するポリカーボネートのフィルム32
と、前記ポリカーボネートのフィルム32上に形成され
るアルミニウム(Al)膜34と、前記アルミニウム
(Al)膜34上に形成されるポリメタクリル酸メチル
膜36とで構成される。
【0155】図10は、図9に示すガラス基板14の導
波路31aの概略構成を示す斜視図である。
【0156】本発明の実施の形態3の液晶表示装置の導
波路31は以下の方法により制作される。
【0157】(イ)始めに、ガラス基板14と金型の間
にポリカーボネートのフィルム32を挟み、ポリカーボ
ネートのフィルム32に導波路31の溝パターンを加熱
成形する。
【0158】この場合に、導波路31の溝パターンに
は、レンズ部分7、プリズム部分8および導波路31a
の底部に導波路31aに直交する巾0.3〜3μm、高
さ50〜500nmの凹凸のラインアンドスペース35
を設ける。
【0159】(ロ)次に、導波路31の溝パターンを形
成したポリカーボネートのフィルム32の上に、スパッ
タ法で50nmのアルミニウム(Al)膜34を被覆す
る。
【0160】(ハ)次に、アルミニウム(Al)膜34
の上に、ポリメタクリル酸メチル膜36を形成し、導波
路31を形成する。
【0161】この方法によれば、導波路31に導入され
た直線偏光は、金属表面(アルミニウム(Al)膜3
4)で反射されて導波されるので屈折率の変動など導波
路を作る上で微妙な制御を要する工程を避けることがで
きる。
【0162】また、導波路31aに導入され、導波路3
1aを伝搬する赤(R)、緑(G)、青(B)の単一の
偏光面を有する直線偏光は、ポリカーボネートのフィル
ム32の凹凸により生じたアルミニウム(Al)膜34
の表面の凹凸(ラインアンドスペース35)により一定
の割合で散乱され表面に放出されるので、本発明の実施
の形態2の液晶表示パネル50では、前記本発明の実施
の形態1の液晶表示パネル50におけるプリズムシート
10は不要となる。
【0163】また、前記アルミニウム膜(Al)膜34
を、コモン電極として用いるため、前記本発明の実施の
形態1の液晶表示パネル50における透明電極11も不
要である。
【0164】図11は、図9に示す液晶表示パネル50
の1画素分の概略構成を示す断面図である。
【0165】なお、図11において、25は映像信号
線、54は絶縁膜を示している。
【0166】本発明の実施の形態3の液晶表示装置で
は、照射光導入部51が、冷陰極管1、反射鏡2、レン
ズ3、石英プリズム33、プリズム6とから構成され
る。
【0167】ここで、前記導波路31、および、照射光
導入部51が、本発明の背面照射手段を構成する。
【0168】本発明の実施の形態1の液晶表示装置で
は、冷陰極管1からの照射光、あるいは、反射鏡2で反
射された冷陰極管1からの照射光は、レンズ3で集光さ
れ、プリズム6を介して、導波路31に導入される。
【0169】ここで、導波路31は、単一モードの照射
光のみを伝搬するように作られているため、導波路31
の導波面に平行な偏光面を有する直線偏光のみを伝搬
し、他の直線偏光(偏光面が導波路31の導波面に垂直
な直線偏光)は反射される。
【0170】そして、前記反射された直線偏光は、石英
プリズム33で偏光面が90度回転させられ、偏光面が
導波路31の導波面に平行な直線偏光とされ、再度プリ
ズム6に戻り導波路31に導入される。
【0171】これにより、冷陰極管1からのすべての照
射光を、導波路31の導波面に平行な偏光面を有する直
線偏光として導波路31に導くことが可能となる。
【0172】導波路31に導入された導波路31の導波
面に平行な偏光面を有する直線偏光は、レンズ部分7で
集光され、分光プリズム部分8で赤(R)、緑(G)、
青(B)の3原色に分離され、赤(R)、緑(G)、青
(B)に分離されたそれぞれの直線偏光は、対応する各
導波路31aに導入される。
【0173】導波路31aを伝搬する赤(R)、緑
(G)、青(B)の直線偏光は、ポリカーボネートのフ
ィルム32の凹凸(ラインアンドスペース35)により
生じたアルミニウム(Al)膜34の表面の凹凸により
散乱されて少しずつ導波路31aから放出され、配向膜
12、液晶15、配向膜16、画素電極17、ガラス基
板18を通って偏光板19に達する。
【0174】ノーマリーブラックの液晶表示パネルで
は、液晶層15で偏光面が90度旋回された照射光は偏
光板19を透過できず、画素に電界が印加されることに
より液晶層15の液晶分子の配向が変化し、偏光面が旋
回されなかった画素では照射光が透過できる。
【0175】逆に、ノーマリーホワイトの液晶表示パネ
ルでは、液晶層15で偏光面が90度旋回された照射光
は偏光板19を透過でき、画素に電界が印加されること
により液晶層15の液晶分子の配向が変化し、偏光面が
旋回されなかった画素では照射光が透過できない。
【0176】本発明の実施の形態3の液晶表示装置によ
れば、背面照射光手段からの照射光の利用効率として、
60%にもおよぶ高い利用効率を得ることができ、表示
画面の輝度を増加させることが可能となるので、明るい
表示画面で視認性を向上させことが可能となる。
【0177】また、本発明の実施の形態1の液晶表示装
置によれば、背面照射光手段からの照射光の利用効率を
向上させることが可能であり、冷陰極管1の消費電力が
少なくてよいので、消費電力を低減させることが可能と
なる。
【0178】また、本発明の実施の形態3の液晶表示装
置によれば、背面照射手段の一部(導波路21)と液晶
表示パネルの一方のガラス基板14とを一体化すること
ができ、かつ、導波路21の金属膜を液晶層15に電界
を印加する一方の電極として兼用できるので、組み立て
の簡略化、装置を軽量化することが可能となる。
【0179】さらに、従来の液晶表示装置では、カラー
フィルタを形成するために、赤(R)、緑(G)、青
(B)の3原色の各カラーフィルタ毎に、フォトリソグ
ラフィー工程を経なければならないのに対して、本発明
の実施の形態3の液晶表示装置においては、導波路31
は金型からの転写工程でよいため、工程が短縮され、価
格(コスト)を低減することが可能である。
【0180】また、本発明の実施の形態3の液晶表示装
置50においては、ポリメタクリル酸メチル膜36の代
わりに、透明ポリイミドを用いて導波路層と配向膜を兼
ねることも可能である。
【0181】その場合には、透明ポリイミドはポリメタ
クリル酸メチル膜36よりも透明度が悪く画面が暗くな
る。
【0182】なお、前記各発明の実施の形態では、縦電
界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置に本発明
を適用した場合について説明したが、これに限らず、横
電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置、単純
マトリクス型液晶表示装置等の全ての液晶表示装置に適
用可能であることは言うまでもない。
【0183】さらに、本発明は、液晶表示装置以外の光
スイッチング素子を用いる装置に適用することが可能で
ある。
【0184】なお、前記各発明の実施の形態における縦
電界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置は、現
在、普及している製品の全てに採用されているが、縦電
界方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置は、視角
方向を変化させた際の輝度変化が著しく、特に、中間調
表示を行った場合、視角方向により階調レベルが反転し
てしまう等、実用上問題がある。
【0185】これに対して、横電界方式のアクティブマ
トリクス型液晶表示装置は、広視野角、低負荷容量等の
特徴を有している。
【0186】以下、横電界方式のアクティブマトリクス
型液晶表示装置の一例について説明する。
【0187】図12は、横電界方式のアクティブマトリ
クス型液晶表示装置における液晶表示パネルの一画素と
その周辺を示す平面図である。
【0188】同図において、実線は下部基板である下部
ガラス基板(SUB1)側に形成される構成を示し、破
線は上部基板である上部透明基板ガラス(SUB2)側
に形成される構成を示している。
【0189】図12に示すように、各画素は隣接する2
本の走査信号線(ゲート信号線または水平信号線)(G
L)と、隣接する2本の映像信号線(ドレイン信号線ま
たは垂直信号線)(DL)との交差領域内(4本の信号
線で囲まれた領域内)に配置されている。
【0190】各画素は、薄膜トランジスタ(TFT)、
蓄積容量(Cstg)、画素電極(PX)、対向電極
(CT)および対向電圧信号線(コモン信号線)(C
L)とを含んでいる。
【0191】ここで、走査信号線(GL)、対向電圧信
号線(CL)は、図12においては左右方向に延在し、
上下方向に複数本配置され、映像信号線(DL)は、上
下方向に延在し、左右方向に複数本配置されている。
【0192】また、画素電極(PX)は、薄膜トランジ
スタ(TFT)のソース電極(SD1)と接続され、さ
らに、対向電極(CT)は、対向電圧信号線(CL)と
一体に構成されている。
【0193】画素電極(PX)と対向電極(CT)とは
互いに対向し、各画素電極(PX)と対向電極(CT)
との間の電界により液晶層(LC)の光学的な状態を制
御し、表示を制御する。
【0194】画素電極(PX)と対向電極(CT)とは
櫛歯状に構成され、それぞれ、図12においては上下方
向に長細い電極となっている。
【0195】図12に示す液晶表示パネルでは、画素電
極(PX)は下開きのコの字型、対向電極(CT)は対
向電圧信号線(CL)から下方向に突起した櫛歯形の形
状をしており、画素電極(PX)と対向電極(CT)の
間の領域は1画素内で4分割されている。
【0196】図13は、図12に示す3−3切断線にお
ける断面図、図14は、図12に示す4−4切断線にお
ける薄膜トランジスタ(TFT)の断面図、図15は、
図12に示す5−5切断線における蓄積容量(Cst
g)の断面図である。
【0197】図13〜図15に示すように、液晶層(L
C)を基準にして下部ガラス基板(SUB1)側には、
薄膜トランジスタ(TFT)、蓄積容量(Cstg)お
よび電極群が設けられ、上部ガラス基板(SUB2)側
には、カラーフィルタ(FIL)、遮光膜(ブラックマ
トリクスパターン;BM)が設けられる。
【0198】また、ガラス基板(SUB1、SUB2)
のそれぞれの内側(液晶層(LC)側)の表面には、液
晶の初期配向を制御する配向膜(ORI1、ORI2)
が設けられており、ガラス基板(SUB1、SUB2)
のそれぞれの外側の表面には、それぞれ偏光板(POL
1、POL2)が設けられている。
【0199】薄膜トランジスタ(TFT)は、図14に
示すように、ゲート電極(GT)、ゲート絶縁膜(G
I)、i型(真性、intrinsic、導電型決定不
純物がドープされていない)非晶質シリコン(Si)か
らなるi型半導体層(AS)、一対のソース電極(SD
1)、ドレイン電極(SD2)を有する。
【0200】なお、薄膜トランジスタ(TFT)として
は、非晶質(アモルファス)シリコン薄膜トランジスタ
素子以外に、ポリシリコン薄膜トランジスタ素子、シリ
コンウエハ上のMOS型トランジスタ、有機TFT、ま
たは、MIM(Metal−Insulator−Me
tal)ダイオード等の2端子素子を用いることも可能
である。
【0201】ゲート電極(GT)は、走査信号線(G
L)と連続して構成されており、走査信号線(GL)の
一部の領域がゲート電極(GT)となるように構成され
ている。
【0202】ここで、走査信号線(GL)、ゲート電極
(GT)、対向電極(CT)および対向電圧信号線(C
L)は、例えば、アルミニウム(Al)系の導電膜(g
1)で構成され、走査信号線(GL)、ゲート電極(G
T)、対向電極(CT)および対向電圧信号線(CL)
は、同一製造工程で同層に形成される。
【0203】走査信号線(GL)、ゲート電極(G
T)、対向電極(CT)および対向電圧信号線(CL)
の上には、例えば、プラズマCVDで形成された窒化シ
リコン膜からなる絶縁膜(GI)が設けられる。
【0204】絶縁膜(GI)は、薄膜トランジスタ(T
FT)において、ゲート電極(GT)と共に半導体層
(AS)に電界を与えるためのゲート絶縁膜として、あ
るいは、走査信号線(GL)および対向電圧信号線(C
L)と、映像信号線(DL)との電気的絶縁のために使
用される。
【0205】ソース電極(SD1)およびドレイン電極
(SD2)との接続領域のi型半導体層(AS)上に
は、オーミックコンタクト用のリン(P)をドープした
N(+)型非晶質シリコン半導体層が設けられる。
【0206】ソース電極(SD1)およびドレイン電極
(SD2)のそれぞれは、N(+)型非晶質シリコン半
導体層に接触する導電膜(d1)とその上に形成された
導電膜電膜(d2)とから構成されている。
【0207】導電膜(d1)は、例えば、スパッタリン
グで形成したクロム(Cr)膜を用い、また、導電膜
(d2)としては、アルミニウム(Al)系の導電膜を
用いる。
【0208】映像信号線(DL)および画素電極(P
X)は、ソース電極(SD1)およびドレイン電極(S
D2)と同層に形成され、ソース電極(SD1)および
ドレイン電極(SD2)と同じく、導電膜(d1)と、
その上に形成された導電膜(d2)とで構成されてい
る。
【0209】画素電極(PX)は、薄膜トランジスタ
(TFT)と接続される端部と反対側の端部において、
対向電圧信号線(CL)と重なるように構成されてい
る。
【0210】この重ね合わせは、図15からも明らかな
ように、画素電極(PX)を一方の電極(PL2)と
し、対向電圧信号(CL)を他方の電極(PL1)とす
る蓄積容量(静電容量素子)(Cstg)を構成する。
【0211】この蓄積容量(Cstg)の誘電体膜は、
薄膜トランジスタ(TFT)のゲート絶縁膜として使用
される絶縁膜(GI)および陽極酸化膜で構成されてい
る。
【0212】この蓄積容量(Cstg)は、画素に書き
込まれた(薄膜トランジスタ(TFT)がオフした後
の)映像情報を、長く蓄積するために設けられる。
【0213】薄膜トランジスタ(TFT)上には、例え
ば、プラズマCVD装置で形成した酸化シリコン膜や窒
化シリコン膜からなる保護膜(PSV)が設けられてい
る。
【0214】この保護膜(PSV)は、主に薄膜トラン
ジスタ(TFT)を湿気等から保護するために設けられ
ており、透明性が高く、しかも、耐湿性の良いものを使
用する。
【0215】上部ガラス基板(SUB2)側には、不要
な間隙部(画素電極(PX)と対向電極(CT)の間以
外の隙間)からの透過光が表示面側に出射して、コント
ラスト比等を低下させないように遮光膜(BM)(いわ
ゆるブラックマトリクスパターン)が形成される。
【0216】遮光膜(BM)は、外部光またはバックラ
イト光がi型半導体層(AS)に入射しないようにする
役割も果たしている。
【0217】図12に示す遮光膜(BM)の閉じた多角
形の輪郭線は、その内側が遮光膜(BM)が形成されな
い開口を示している。
【0218】遮光膜(BM)は、各画素の周囲に格子状
に形成され、この格子で1画素の有効表示領域が仕切ら
れており、したがって、各画素の輪郭が遮光膜(BM)
によってはっきりとする。
【0219】即ち、遮光膜(BM)は、ブラックマトリ
クスとi型半導体層(AS)に対する遮光との2つの機
能を持っている。
【0220】この遮光膜(BM)は、光に対する遮蔽性
を有し、かつ、画素電極(PX)と対向電極(CT)の
間の電界に影響を与えないように絶縁性の高い膜で形成
されており、図12に示す液晶表示パネルでは、遮光膜
(BM)は、黒色顔料を分散した絶縁性の有機樹脂(レ
ジスト材)で構成される。
【0221】遮光膜(BM)の開口部にはカラーフィル
タ(FIL)が設けられ、このカラーフィルタ(FI
L)は、画素に対向する位置に赤、緑、青の繰り返しで
ストライプ状に構成され、また、カラーフィルタ(FI
L)は、遮光膜(BM)のエッジ部分と重なるように構
成されている。
【0222】カラーフィルタ(FIL)は、次のように
して形成することができる。
【0223】まず、上部ガラス基板(SUB2)の表面
にアクリル系樹脂等の染色基材を形成し、フォトリソグ
ラフィ技術で赤色フィルタ形成領域以外の染色基材を除
去する。
【0224】この後、染色基材を赤色染料で染め、固着
処理を施し、赤色フィルタ(R)を形成する。
【0225】つぎに、同様な工程を施すことによって、
緑色フィルタ(G)、青色フィルタ(B)を順次形成す
る。
【0226】遮光膜(BM)およびカラーフィルタ(F
IL)上には、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等
の透明樹脂材料で構成されるオーバーコート膜(OC)
が設けられ、このオーバーコート膜(OC)は、カラー
フィルタ(FIL)から染料が液晶層(LC)へ漏洩す
るのを防止し、および、カラーフィルタ(FIL)、遮
光膜(BM)による段差を平坦化するために設けられて
いる。
【0227】上下ガラス基板(SUB1、SUB2)の
間にはその縁に沿って、液晶封入口(図示せず)を除
き、液晶層(LC)を封止するようにシールパターン
(図示せず)が設けられる。
【0228】下部ガラス基板(SUB1)側の保護膜
(PSV)上、および、上部ガラス基板(SUB2)側
のオーバーコート膜(OC)上には、ポリイミドからな
る配向膜(ORI1,ORI2)が設けられ、この配向
膜(ORI1、ORI2)は、シールパターンの内側に
形成される。
【0229】液晶層(LC)は、液晶分子の向きを設定
する下部配向膜(ORI1)と上部配向膜(ORI2)
との間でシールパターンで仕切られた領域に封入され
る。
【0230】図12ないし図15に示す液晶表示パネル
では、下部ガラス基板(SUB1)、上部ガラス基板
(SUB2)を別個に種々の層を積み重ねて形成した
後、シールパターンを上部ガラス基板(SUB2)側に
形成し、下部ガラス基板(SUB1)と上部ガラス基板
(SUB2)とを重ね合わせ、シールパターンの開口部
から液晶(LC)を注入し、注入口をエポキシ樹脂など
で封止し、上下基板を切断することによって組み立てら
れる。
【0231】また、前記液晶表示パネルの下側にはバッ
クライトが設けられ、前記バックライトからの照射光
は、バックライト側の偏光板(POL1またはPOL
2)、ガラス基板(下部ガラス基板(SUB1)または
上ガラス基板(SUB2))、配向膜(ORI1または
ORI2)、液晶層(LC)、配向膜(ORI2または
ORI1)、ガラス基板(上部ガラス基板(SUB2)
または下部ガラス基板(SUB1))および表側の偏光
板(POL2またはPOL1)を透過して、液晶表示パ
ネルから照射される。
【0232】この場合に、図13に示すように、下部ガ
ラス基板(SUB1)に形成された対向電極(CT)と
画素電極(PX)との間に電圧を印加することによっ
て、液晶層(LC)に、上下ガラス基板(SUB1,S
UB2)と平行な電界(E)を発生させ、これにより、
液晶層(LC)を透過する光を変調させて、表側の偏光
板を透過できるバックライトからの照射光を増減させて
液晶表示パネルに画像を表示する。
【0233】以上、説明した横電界方式のアクティブマ
トリクス型液晶表示装置に本発明を適用した例を以下に
示す。
【0234】本発明は3原色に分光された偏光をガラス
基板上に作成した光導波路で画素後方に導き、その光を
散乱により全面に向かって放射するものである。
【0235】したがって、薄膜トランジスタや液晶駆動
用電極を作り込むガラス基板が液晶表示装置の全面に置
かれることになる。
【0236】前記説明の図13に相当する液晶表示パネ
ルの断面図を図18に示す。
【0237】なお、図18では、上下が入れ替わってい
るが、薄膜トランジスタ(TFT)や蓄積容量(Cst
g)、画素電極(PX)、対向電極(CT)、対向電極
信号線(CL)等が搭載されるガラス基板(SUB1)
は、図13に示す従来のものと同じである。
【0238】下部基板(SUB2)の方には、カラーフ
ィルタ、偏光板がなく、代わりに、光導波路(9a)が
設置されている。
【0239】この下部基板(SUB2)に金属等の導電
体を用いると、液晶層(LC)に印加される電界が乱れ
るので、金属や透明導電膜を用いることができない。
【0240】したがって、光導波路としては図3に示す
もの、あるいは、図10においてアルミニウム(Al)
の代わりに酸化けい素を用いたもの等が使用できる。
【0241】本発明の光導波路を用いた方式では光が放
射されるのは光導波路のある部分のみで光導波路と光導
波路の間の部分は光が通らない。
【0242】横電界方式のアクティブマトリクス型液晶
表示装置の欠点の1つは画素の開口率が低いため光の利
用効率が低い点であるが、本発明と組み合わせ、画素の
開口部分と光導波路部分を一致させると画素の開口部分
のみに光導波路から光を放射させるようにすることがで
き、画素の開口率の低さによる光の利用効率の低下を防
止することが可能となる。
【0243】以上、本発明を発明の実施の形態に基づき
具体的に説明したが、本発明は、前記発明の実施の形態
に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変更し得ることは言うまでもない。
【0244】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。
【0245】(1)本発明によれば、液晶表示装置にお
いて、背面照射光手段からの照射光の利用効率を、従来
の一対の偏光板とカラーフィルタとを備える液晶表示装
置に比して、約6倍も向上させることが可能となり、こ
れにより、表示画面の輝度を増加させることが可能とな
るので、明るい表示画面で視認性を向上させことが可能
となる。
【0246】(2)本発明によれば、液晶表示装置にお
いて、背面照射光手段の光源の消費電力が少なくてよい
ので、消費電力を低減させることが可能となる。
【0247】(3)本発明によれば、液晶表示装置にお
いて、背面照射手段の一部と液晶表示パネルの一方のガ
ラス基板とを一体化することが可能であり、組み立ての
簡略化、装置を軽量化することが可能となる。
【0248】(4)本発明によれば、液晶表示装置にお
いて、カラーフィルタを形成する必要がないため、従来
のカラーフィルタとを備える液晶表示装置に比して、製
造工程を短縮し、コストを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一発明の実施の形態(発明の実施の形
態1)である液晶表示装置の概略構成を示す断面図であ
る。
【図2】図1に示すガラス基板14の導波路9および液
晶表示パネルの画素部の概略構成を示す平面図である。
【図3】図1に示すガラス基板14の導波路9aおよび
プリズムシート10の概略構成を示す斜視図である。
【図4】図1に示す液晶表示パネル50の1画素分の概
略構成を示す断面図である。
【図5】本発明の他の発明の実施の形態(発明の実施の
形態2)である液晶表示装置の概略構成を示す断面図で
ある。
【図6】図5に示すガラス基板14の導波路21aの概
略構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態2の液晶表示装置における
導波路21の製造方法を示す図である。
【図8】図5に示す液晶表示パネル50の1画素分の概
略構成を示す断面図である。
【図9】本発明の他の発明の実施の形態(発明の実施の
形態3)である液晶表示装置の概略構成を示す断面図で
ある。
【図10】図9に示すガラス基板14の導波路31aの
概略構成を示す斜視図である。
【図11】図9に示す液晶表示パネル50の1画素分の
概略構成を示す断面図である。
【図12】横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表
示装置における液晶表示パネルの一画素とその周辺を示
す平面図である。
【図13】図12に示す3−3切断線における断面図で
ある。
【図14】図12に示す4−4切断線における薄膜トラ
ンジスタ(TFT)の断面図である。
【図15】図12に示す5−5切断線における蓄積容量
(Cstg)の断面図である。
【図16】従来の縦電界方式のアクティブマトリクス型
液晶表示装置に使用されるカラーTFT(Thin F
ilm Transister)方式の液晶表示パネル
の1画素とその周辺を示す平面図である。
【図17】図16に示すD−D’切断線における断面図
である。
【図18】横電界方式のアクティブマトリクス型液晶表
示装置に本発明を適用した例の液晶表示パネルの概略構
成を示す断面図である。
【符号の説明】
1…冷陰極管、2…反射鏡、3…レンズ、4…方解石複
像プリズム、5…旋光子、6…プリズム、7…レンズ
部、8…プリズム部、9,9a,21,21a,31,
31a…導波路、10…プリズムシート、11,17…
透明導電膜、12,16…配向膜、13…画素、14,
18…ガラス基板、15…液晶層、19…偏光板、20
…偏光ブリュースター素子、22,24…クロム膜、2
3,34…アルミニウム膜、25…映像信号線、26…
SiOxNy膜、27,35…ラインアンドスペース、
32…ポリカーボネートフィルム、33…石英プリズ
ム、36…ポリメタクリル酸メチル膜、50…液晶表示
パネル、51…照射光導入部、54…絶縁膜、53…遮
光膜(ブラックマトリクス)、SUB…ガラス基板、D
L…映像信号線、GL…走査信号線、CL…対向電圧信
号線、PX,ITO1…画素電極、CT…対向電極、G
T…ゲート電極、ITO1…コモン電極、BM…遮光膜
(ブラックマトリクス)、SD…ソース電極またはドレ
イン電極、GI…絶縁膜、AS…i型半導体層、POL
…偏光板、ORI…配向膜、OC…オーバーコート膜、
PSV…保護膜、FIL…カラーフィルタ、LC…液晶
層、TFT…薄膜トランジスタ、Cstg…蓄積容量。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の基板間に注入封止される液晶層を
    有する液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルの背面か
    ら液晶表示パネルに照射光を照射する背面照射手段とを
    具備する液晶表示装置において、前記液晶表示パネル
    が、前記一対の基板の一方の基板の外側に設けられる偏
    光板を有し、前記背面照射手段が、光源と、前記光源か
    らの照射光を直交した偏光面を有する2つの直線偏光に
    分離する第1の手段と、前記第1の手段により分離され
    た2つの直線偏光の中の一方の直線偏光の偏光面を90
    度旋光し、他方の直線偏光の偏光面に一致させる第2の
    手段と、他方の直線偏光と、偏光面が90度旋光された
    一方の直線偏光とを合流する第3の手段と、前記第3の
    手段により合流された単一の偏光面を有する直線偏光を
    3原色に分光する第4の手段と、前記第4の手段により
    3原色に分光された単一の偏光面を有するそれぞれの直
    線偏光を偏光面を維持して伝搬させる導波路と、前記3
    原色に分光された単一の偏光面を有するそれぞれの直線
    偏光を導波路から前記液晶表示パネルの対応する各画素
    に放射する第5の手段とを有することを特徴とする液晶
    表示装置。
  2. 【請求項2】 前記第4の手段が、前記導波路内の導波
    路回路で構成されることを特徴とする請求項1に記載さ
    れた液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記第4の手段が、プリズムであること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載された液晶
    表示装置。
  4. 【請求項4】 前記一対の基板の他方の基板に前記導波
    路を形成したことを特徴とする請求項1ないし請求項3
    のいずれか1項に記載された液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記他方の基板に形成された前記導波路
    の下側に導電膜を設け、前記導電膜を前記液晶層に電界
    を印加する一方の電極として用いることを特徴とする請
    求項4に記載された液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記第5の手段が、導波路の表面に設け
    られたプリズムシートであることを特徴とする請求項1
    ないし請求項5のいずれか1項に記載された液晶表示装
    置。
  7. 【請求項7】 前記第5の手段が、導波路の底面に設け
    られる単一の偏光面を有する直線偏光を散乱する凹凸部
    であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいず
    れか1項に記載された液晶表示装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の手段が、複屈折を利用した複
    像プリズムもしくは偏光プリュスター素子であることを
    特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記
    載された液晶表示装置。
  9. 【請求項9】 前記導波路が、ガラス基板の1部のイオ
    ンを交換して形成される導波路であることを特徴とする
    請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載された液
    晶表示装置。
  10. 【請求項10】 前記導波路が、単一の偏光面を有する
    直線偏光を放出する表面側をのぞく3方が金属で囲まれ
    た導波路であることを特徴とする請求項1ないし請求項
    8のいずれか1項に記載された液晶表示装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100582928B1 (ko) * 1998-07-14 2006-08-30 삼성전자주식회사 액정표시장치의 백라이트 어셈블리
JP2008521059A (ja) * 2004-11-19 2008-06-19 ローム アンド ハース デンマーク ファイナンス エーエス 暗状態光再循環膜及びディスプレイ
US7661833B2 (en) 2005-07-20 2010-02-16 Tsinghua University Light guide device and backlight module therewith

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