JP3654317B2 - カラー液晶表示パネル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー液晶表示パネルに関し、特に液晶層の厚さが均一ではないカラー液晶表示パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にツイストネマチック(TN)型液晶表示パネルには、印加電圧が低い状態で白表示となるノーマリホワイトモードと、黒表示となるノーマリブラックモードがある。
【0003】
TN型液晶表示パネルでは、低電圧印加時に液晶分子が90°ツイストしており、液晶層に入射した直線偏光光が液晶層を通過する間に90°旋光する。高電圧を印加すると、液晶分子がチルトするため旋光性が失われる。従って、液晶層に入射した直線偏光光は、旋光することなくそのまま出射する。
【0004】
液晶層を挟んで一対の偏光板を配置し、偏光軸を相互に直交させるとノーマリホワイトモードになり、偏光軸を相互に平行にするとノーマリブラックモードになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
液晶層を通過する際の旋光角は、液晶層の屈折率異方性Δnと液晶層の厚さdとの積Δnd(リターデーション値)によって異なる。液晶層の屈折率異方性Δnは温度依存性を有する。室温において旋光角が90°になるようにリターデーション値を設定すると、バックライト等による温度上昇に伴ってリターデーション値が変動し、旋光角が90°からずれる。
【0006】
旋光角が90°からずれると、ノーマリホワイトモードの場合には白表示状態における透過率が低下し、ノーマリブラックモードの場合には黒表示状態において一部の光が漏れることになる。
【0007】
本発明の目的は、液晶表示パネルの温度が変動しても、平均透過率の変動を抑制することができる液晶表示パネルを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によると、間隙をおいて対向配置された第1及び第2の基板と、前記第1及び第2の基板の対向面上に形成され、複数の画素を画定する透明電極と、前記第1及び第2の基板間に挟持された液晶層と、前記第1及び第2の基板の少なくとも一方の対向面上に形成され、前記液晶層に接する配向膜と、前記第1及び第2の基板の少なくとも一方の表面上に形成され、前記複数の画素ごとに、赤色光、緑色光及び青色光のいずれか一色の光を透過させるカラーフィルタと、前記第1及び第2の基板の一方の対向面上に形成され、青色光を透過させる青色画素、緑色光を透過させる緑色画素、及び赤色光を透過させる赤色画素のうち少なくとも一色の画素を、液晶層の厚さが相互に異なる低温用領域と高温用領域に分割する液晶層厚調整手段であって、該低温用領域の液晶層の第1の温度におけるリターデーション値が、該高温用領域の液晶層の第1の温度よりも高い第2の温度におけるリターデーション値とほぼ等しい前記液晶層厚調整手段とを有し、前記液晶層厚調整手段が、青色画素、緑色画素及び赤色画素のすべてを低温用領域と高温用領域に分割し、青色、緑色及び赤色画素の高温用領域の液晶層の25℃におけるリターデーション値が、それぞれ0.42〜0.55μm、0.49〜0.60μm及び0.54〜0.70μmであるカラー液晶表示パネルが提供される。
【0009】
青色画素、緑色画素及び赤色画素の好適なリターデーション値は、それぞれ0.40μm、0.47μm、0.53μm程度である。液晶層の屈折率異方性は温度によって変動し、温度が上昇すると屈折率異方性が低下する。屈折率異方性が低下するとリターデーション値も低下する。
【0010】
温度25℃において、上記リターデーション値になるように液晶層の厚さを設定しておくと、液晶層の温度が40℃程度になったときに、各画素のリターデーション値が好適値に近くなる。液晶表示パネルをバックライトで照明する場合には、動作中の温度が40℃程度になる。従って、動作中に各画素の高温用領域のリターデーション値が好適値に近くなる。このため、動作中に良好なコントラストを得ることが可能になる。
【0012】
低温用領域の液晶層の第1の温度におけるリターデーション値と、高温用領域の液晶層の第2の温度におけるリターデーション値とをほぼ等しくし、当該画素の色の光に対して好適値になるように設定しておくと、第1及び第2の温度において、それぞれ低温用領域及び高温用領域が好適なリターデーション値になる。このため、第1及び第2の温度を含む比較的広い温度範囲において、安定して良好なコントラストを得ることが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず、図8を参照して液晶層のリターデーション値の好適値を説明する。
図8は、ノーマリブラックモードの液晶表示パネルの光の透過率を青色光(波長460nm)、緑色光(波長540nm)及び赤色光(波長620nm)について示す。横軸は液晶層のリターデーション値を単位μmで表し、縦軸は透過率を単位%で表す。図中の記号○、△及び×は、それぞれ青色光、緑色光及び赤色光の透過率を示す。
【0014】
青色光、緑色光及び赤色光の透過率は、それぞれリターデーション値が約0.4、0.47及び0.53の時に最初の最小値を示す。すなわち、カラー液晶表示パネルの青色画素、緑色画素及び赤色画素の液晶層のリターデーション値をそれぞれ0.4、0.47及び0.53とすることにより、各色の透過率をすべて最小にすることができる。
【0015】
例えば、室温(25℃)において上記リターデーション値となる液晶表示パネルを室温で動作させると、最も高いコントラストを得ることができる。しかし、バックライトからの発熱等により液晶層の温度が上昇すると、液晶層の屈折率異方性が変動し、リターデーション値が最適値からずれる。黒表示状態において、一部の光が透過しコントラストが低下する。
【0016】
ノーマリホワイトモードの場合には、液晶層のリターデーション値の変動により、白表示状態の透過率が低下する。白表示状態における透過率がわずかに低下しても、コントラストは大きく低下しないが、黒表示状態においてわずかの光が透過すると、コントラストが大きく低下する。従って、ノーマリブラックモードの液晶表示パネルの方がノーマリホワイトモードの液晶表示パネルよりも、液晶層の温度変動の影響を受けやすい。
【0017】
図1は、温度変動によるコントラストの低下を抑制することができる本発明の第1の実施例によるカラー液晶表示パネルの概略断面図を示す。
透明基板10の表面上にインジウムスズオキサイド(ITO)等からなる複数の画素電極11が形成されている。1つの画素電極が1つの画素に対応する。なお、薄膜トランジスタ(TFT)及び駆動配線は図示を省略している。TFT及び駆動配線を含めた詳細な構造は、図2を参照して後述する。画素電極11を覆い基板全面に配向膜12が形成されている。
【0018】
透明基板20の表面上にカラーフィルタ21が形成され、その表面を覆うように共通電極22及び配向膜23が積層されている。透明基板10と20とが、配向膜面同士を対向するように平行配置され、その間に液晶層30を挟持している。配向膜12と23は、相互に直交する方向に配向処理されており、液晶層30中の液晶分子はTN配列する。
【0019】
カラーフィルタ21は、各画素に対応して配置された赤色光を透過させる領域R、緑色光を透過させる領域G、及び青色光を透過させる領域Bから構成されている。領域R、G、Bに対応する画素が、それぞれ赤色画素、緑色画素、青色画素になる。各画素は、カラーフィルタ21の厚さの異なる2つの領域に分割されている。すなわち、赤色画素がカラーフィルタの厚さの薄い領域R1と厚い領域R2に分割され、緑色画素がカラーフィルタの厚さの薄い領域G1と厚い領域G2に分割され、青色画素がカラーフィルタの厚さの薄い領域B1と厚い領域B2に分割されている。
【0020】
カラーフィルタの厚さの異なる2つの領域は、例えば以下の方法で形成することができる。
まず、赤色のカラーフィルタ原料を溶かした溶剤を回転塗布し、領域R1の厚さのカラーフィルタ層を形成する。露光、現像処理を行って領域R1にのみカラーフィルタ層を残す。次に、回転数を低下させて同じ溶剤を回転塗布し、領域R2の厚さのカラーフィルタ層を形成する。露光、現像処理を行って領域R2にカラーフィルタ層を残す。
【0021】
同様の方法で、緑色画素及び青色画素のカラーフィルタを形成する。このように、6回の露光と現像処理を行うことにより、画素ごとに2つの厚さの異なる領域を形成することができる。
【0022】
図2Aは、TFT側基板の1つの画素に対応する平面図を示す。駆動配線5が格子状に配置されている。図の横方向に延在する配線がAl又はCr等からなるドレイン線5a、縦方向に延在する配線がAl又はCr等からなるゲート線5bである。両者の間は、SiN等からなる絶縁層により絶縁されている。相互に隣接する2本のドレイン線5aと2本のゲート線5bによって囲まれた画素領域に画素電極11及びTFT6が形成されている。画素領域の図の左半分が液晶層の厚さdR1の領域、右半分が液晶層の厚さdR2の領域である。
【0023】
TFT6は、ドレイン線5aとゲート線5bとの交差点近傍に配置されている。TFT6のゲート電極が1本のゲート線5bに接続され、ドレイン領域が1本のドレイン線5aに接続されている。TFT6のソース領域が画素電極11に接続されている。
【0024】
図2Bは、図2Aの一点鎖線B2−B2における液晶表示パネルの断面図を示す。透明基板10の表面上にAl又はCr等からなるゲート電極Gが形成され、ゲート電極Gを覆ってSiN又はSiO2 等からなるゲート絶縁層13が形成されている。ゲート絶縁層13の表面上のゲート電極Gの上方領域にアモルファスシリコンからなるチャネル層CHが形成され、その両側にAl又はCr等からなるドレイン領域Dとソース領域Sが形成されている。ゲート絶縁層13の表面上に、ソース領域Sに連続して画素電極11が形成されている。
【0025】
TFT6は、SiN等からなるTFT保護層14によって覆われ保護されている。TFT保護層14及び画素電極11を覆うようにポリイミド等からなる配向膜12が形成されている。
【0026】
共通電極側の透明基板20が、TFT側の基板10に対向して配置されている。透明基板20の対向面上のTFT6及び駆動配線5に対応する領域にCr等からなるブラックマトリクス24が形成され、画素電極11に対応する領域にカラーフィルタ21が形成されている。カラーフィルタ21及びブラックマトリクス24を覆うように全面に共通電極22が形成され、その表面上に配向膜23が形成されている。
【0027】
TFT基板と共通電極基板との間に、液晶層30が挟持されている。
透明基板10及び20の外側の表面上に、それぞれ偏光板40及び41が配置されている。偏光板40と41は、その偏光軸方向が相互に平行になるように配置され、ノーマリブラックモードの液晶表示パネルを構成している。
【0028】
偏光板40の図の下方に導波板42が配置され、導波板42の図の左端に冷陰極蛍光灯等からなる光源43が配置されている。光源43から放射された光は導波板42内を図の右方へ伝搬する。このとき一部の光は散乱されて偏光板40を通過し直線偏光光になって液晶層30を透過する。液晶層30内に入射した直線偏光光は、液晶層30内を伝搬中に旋光し、一部の光が偏光板41を透過して図の上方に放射される。
【0029】
図1に戻って、赤色画素の領域R1、緑色画素の領域G1及び青色画素の領域B1の液晶層の厚さdR1、dG1及びdB1は、すべて5.5μmであり、領域R2、G2及びB2のの液晶層の厚さdR2、dG2及びdB2は、すべて5.0μmである。領域R1、G1及びB1の液晶層のリターデーション値は、温度40℃において約0.47μmとなり、領域R2、G2及びB2の液晶層のリターデーション値は、温度25℃において約0.47μmになる。すなわち、図8からわかるように、波長540μmの緑色光に対して好適な値に設定されている。緑色光に対して好適値になるように設定したのは、人間の目に緑色の光が最も明るく感じられるからである。
【0030】
この液晶表示パネルのコントラストは、点灯直後において43であり、点灯から20分経過したときに35であった。これに対し、液晶層の厚さを5.0μmのみとした従来の液晶表示パネルのコントラストは、点灯直後において47であり、20分経過後27まで低下した。
【0031】
液晶表示パネルの点灯直後の温度は、ほぼ室温(25℃)程度と考えられる。また、裏面からの照明の影響により温度が上昇し、点灯後20分程度経過すると約40℃程度になる。従来の液晶表示パネルでは、点灯直後の温度25℃程度の状態でリターデーション値が好適値となるが、20分経過して液晶層の温度が40℃程度まで上昇すると画素の全領域においてリターデーション値が好適値からずれる。このため、黒表示状態における緑色光の透過率が高くなってしまい、コントラストが低下する。
【0032】
図1に示す液晶表示パネルの場合には、点灯直後の温度25℃程度の状態では、領域G2のリターデーション値が好適値になっているが、領域G1のリターデーション値が好適値からずれている。このため、点灯直後のコントラストは、従来の液晶表示パネルよりも悪い。温度が40℃程度まで上昇すると、領域G2のリターデーション値が好適値からずれるが、領域G1のリターデーション値が好適値になる。このため、コントラストの低下は従来の液晶表示パネルに比べて少ない。
【0033】
上記第1の実施例では、緑色画素についてのみリターデーション値を好適値になるように設定した。従って、黒表示状態のとき、赤色及び青色の光が完全に遮光されず、わずかに透過する。コントラストをより高めるためには、赤色画素及び青色画素についても、リターデーション値が好適値になるように液晶層の厚さを調整することが好ましい。
【0034】
図3は、赤、緑、青のすべての画素について、リターデーション値を好適化した第2の実施例による液晶表示パネルの断面図を示す。
図3に示す液晶表示パネルの基本構成は、図1に示す液晶表示パネルと同様であり、カラーフィルタ21の各領域の厚さのみが相違する。図3の各構成部分には、図1の対応する構成部分と同一の符号を付している。
【0035】
赤色画素Rの領域R1及びR2の液晶層の厚さdR1及びdR2が、それぞれ6.5μm及び6.1μm、緑色画素Gの領域G1及びG2の液晶層の厚さdG1及びdG2が、それぞれ5.5μm及び5.2μm、青色画素Bの領域B1及びB2の液晶層の厚さdB1及びdB2が、それぞれ4.7μm及び4.4μmである。
【0036】
温度25℃のとき、領域R2、G2、B2のリターデーション値が、それぞれ0.4μm、0.47μm及0.55μmになり、温度40℃のとき、領域R1、G1、B1のリターデーション値が、それぞれ0.4μm、0.47μm及0.55μmになる。すなわち、各画素の液晶層の薄い領域が温度25℃において好適なリターデーション値となり、液晶層の厚い領域が温度40℃において好適なリターデーション値となる。
【0037】
このように、すべての画素が、25℃及び40℃でそれぞれ好適なリターデーション値を与える2つの領域に分割されている。黒表示状態において、緑色画素のみならず赤色画素及び青色画素の漏れ光を低減させることができるため、図1の液晶表示パネルよりも高いコントラストが得られるであろう。
【0038】
図1では、すべての画素を2つの領域に分割した場合を説明したが、例えば緑色の画素のみを2つの領域に分割し、赤色画素全域の液晶層の厚さをdG1と等しくし、青色画素全域の液晶層の厚さをdG2と等しくしてもよい。赤色画素全域の液晶層の厚さをdG1とすると、図3の液晶表示パネルの赤色画素の液晶層の厚さに近づき、青色画素の液晶層の厚さをdG2とすると、図3の液晶表示パネルの青色画素の液晶層の厚さに近づく。このため、コントラストの向上が期待できる。
【0039】
上記第1及び第2の実施例では、少なくとも一色の画素を点灯直後の温度で好適な領域と連続使用中の温度で好適な領域に分割した場合を示したが、長時間連続使用するような用途に用いられる液晶表示パネルの場合には、各画素の全領域を連続使用中の温度で好適な領域にしてもよい。
【0040】
図4は、各画素の全領域を連続使用中の温度で好適な領域にした第3の実施例による液晶表示パネルの断面図を示す。
図4に示す液晶表示パネルの基本構成は、図1に示す液晶表示パネルと同様であり、カラーフィルタ21の各領域の厚さのみが相違する。図4の各構成部分には、図1の対応する構成部分と同一の符号を付している。
【0041】
赤色画素の液晶層の厚さdR1が6.5μm、緑色画素の液晶層の厚さdG1が5.5μm、青色画素の液晶層の厚さdB1が4.7μmである。この厚さは、それぞれ図3に示す液晶表示パネルの液晶層の厚さdR1、dG1及びdB1に等しい。すなわち、各画素の全領域の液晶層のリターデーション値が、温度40℃において好適な値になるように設定されている。
【0042】
図4に示す液晶表示パネルのコントラストは、点灯直後において35であり、20分経過したときに62になった。このように、全画素領域のリターデーション値を連続使用中の温度において好適値になるようにすることにより、点灯直後のコントラストは悪いが、連続使用中のコントラストをより高くすることができる。
【0043】
図1〜図4では、カラーフィルタの厚さを各領域ごとに異ならせることにより、液晶層の厚さを調整する場合を説明したが、カラーフィルタの厚さを一様にし、カラーフィルタ表面上にトップコート層を形成して液晶層の厚さを調整してもよい。
【0044】
図5は、トップコート層により液晶層の厚さを調整した液晶表示パネルの断面図を示す。
図5に示す液晶表示パネルの基本構成は、図3に示す液晶表示パネルと同様であり、カラーフィルタ21の各領域の厚さ、及びその表面上のトップコート層26が形成されていることのみが相違する。図5の各構成部分には、図3の対応する構成部分と同一の符号を付している。
【0045】
カラーフィルタ21の厚さは、基板面全域において一様である。カラーフィルタ21の表面上に、各領域ごとに厚さの異なるトップコート層26が形成されている。各領域の液晶層30の厚さは図3に示す液晶表示パネルのそれと等しい。図5の構造の液晶表示パネルのリターデーション値は、図3の液晶表示パネルのそれと等しいため、同様の効果を得ることができるであろう。
【0046】
上記第1及び第2の実施例では、温度25℃及び40℃においてそれぞれ好適なリターデーション値になる2つの領域を形成する場合を説明したが、基準となる温度は、液晶表示パネルが使用される環境温度に応じて設定することが好ましい。通常のバックライトを使用した液晶表示パネルでは、連続使用により室温よりも10〜15℃程度上昇する。従って、各画素の2つの領域において好適なリターデーション値を与える温度の差を10℃以上とすることが好ましい。
【0047】
上記第1〜第3の実施例では、好適なリターデーション値として図8に示す透過率が最小になるリターデーション値を採用したが、最小の透過率を与えるリターデーション値±0.03μmの範囲のリターデーション値を採用しても良好な結果が得られるであろう。
【0048】
上記第1〜第3の実施例では、赤、緑、青の各色の代表的な波長、すなわち620nm、540nm及び460nmの波長に対して好適なリターデーション値を得る場合を説明したが、バックライトを使用する場合には、バックライトの光源のスペクトル特性に適応した波長に対して好適なリターデーション値を得るようにしてもよい。
【0049】
次に、図2Bに示す光源43の波長特性を考慮してリターデーション値を設定する例を説明する。
図6は、光源43の放射光の輝度スペクトルの一例を示す。横軸は波長を単位nmで表し、縦軸は輝度を任意目盛りで表す。図7は、カラーフィルタ21の透過率の波長依存性の一例を示す。横軸は波長を単位nmで表し、縦軸は透過率を任意目盛りで表す。図中の一点鎖線Bは青色画素のカラーフィルタの透過率、破線Gは緑色画素のカラーフィルタの透過率、実線Rは赤色画素のカラーフィルタの透過率を示す。
【0050】
光源43からの放射光は、青色の波長領域に、波長435nmの大きなピークを示している。この場合、青色画素のリターデーション値を、波長435nmの光に対して好適値になるように選択することが好ましい。
【0051】
また、放射光は、波長490nmにも比較的大きなピークを有する。青色の波長領域に複数のピークを有する場合には、青色画素を各ピークの波長に対して、それぞれ好適なリターデーション値となる複数の領域に分割してもよい。例えば、青色画素を、波長435nmの光に対して温度25℃と40℃においてそれぞれ好適なリターデーション値となる2つの領域と、波長490nmの光に対して温度25℃と40℃においてそれぞれ好適なリターデーション値となる2つの領域の合計4つの領域に分割する。
【0052】
緑色及び赤色画素についても、同様に光源の放射光のピーク波長に対応したリターデーション値を設定する。このように、バックライトの光源の放射光のピーク波長に対応してリターデーション値を設定することにより、黒表示状態時の光の漏れ量を低減することができ、コントラストの向上を図ることができるであろう。
【0053】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、カラー液晶表示パネルの温度変動に対して安定したコントラストを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による液晶表示パネルの断面図である。
【図2】図1の液晶表示パネルのTFT基板の一部の平面図、及び液晶表示パネルの断面図である。
【図3】本発明の第2の実施例による液晶表示パネルの断面図である。
【図4】本発明の第3の実施例による液晶表示パネルの断面図である。
【図5】トップコート層を用いた液晶表示パネルの断面図である。
【図6】バックライト光源の放射光のスペクトルの一例を示すグラフである。
【図7】カラーフィルムの透過率の波長依存性の一例を示すグラフである。
【図8】ノーマリブラックモードの液晶表示パネルの透過率のリターデーション値依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
5 駆動配線
6 薄膜トランジスタ
10、20 透明基板
11 画素電極
12、23 配向膜
13 ゲート絶縁層
14 TFT保護層
21 カラーフィルタ
22 共通電極
24 ブラックマトリクス
26 トップコート層
30 液晶層
40、41 偏光板
42 導波板
43 光源
Claims (4)
- 間隙をおいて対向配置された第1及び第2の基板と、
前記第1及び第2の基板の対向面上に形成され、複数の画素を画定する透明電極と、
前記第1及び第2の基板間に挟持された液晶層と、
前記第1及び第2の基板の少なくとも一方の対向面上に形成され、前記液晶層に接する配向膜と、
前記第1及び第2の基板の少なくとも一方の表面上に形成され、前記複数の画素ごとに、赤色光、緑色光及び青色光のいずれか一色の光を透過させるカラーフィルタと、
前記第1及び第2の基板の一方の対向面上に形成され、青色光を透過させる青色画素、緑色光を透過させる緑色画素、及び赤色光を透過させる赤色画素のうち少なくとも一色の画素を、液晶層の厚さが相互に異なる低温用領域と高温用領域に分割する液晶層厚調整手段であって、該低温用領域の液晶層の第1の温度におけるリターデーション値が、該高温用領域の液晶層の第1の温度よりも高い第2の温度におけるリターデーション値とほぼ等しい前記液晶層厚調整手段と
を有し、
前記液晶層厚調整手段が、青色画素、緑色画素及び赤色画素のすべてを低温用領域と高温用領域に分割し、
青色、緑色及び赤色画素の高温用領域の液晶層の25℃におけるリターデーション値が、それぞれ0.42〜0.55μm、0.49〜0.60μm及び0.54〜0.70μmであるカラー液晶表示パネル。 - 間隙をおいて対向配置された第1及び第2の基板と、
前記第1及び第2の基板の対向面上に形成され、複数の画素を画定する透明電極と、
前記第1及び第2の基板間に挟持された液晶層と、
前記第1及び第2の基板の少なくとも一方の対向面上に形成され、前記液晶層に接する配向膜と、
前記第1及び第2の基板の少なくとも一方の表面上に形成され、前記複数の画素ごとに、赤色光、緑色光及び青色光のいずれか一色の光を透過させるカラーフィルタと、
前記第1及び第2の基板の一方の対向面上に形成され、青色光を透過させる青色画素、緑色光を透過させる緑色画素、及び赤色光を透過させる赤色画素のうち少なくとも一色の画素を、液晶層の厚さが相互に異なる低温用領域と高温用領域に分割する液晶層厚調整手段であって、該低温用領域の液晶層の第1の温度におけるリターデーション値が、該高温用領域の液晶層の第1の温度よりも高い第2の温度におけるリターデーション値とほぼ等しい前記液晶層厚調整手段と
を有し、
前記液晶層厚調整手段が、青色画素、緑色画素及び赤色画素のすべてを低温用領域と高温用領域に分割し、
さらに、前記液晶層を挟み、かつ偏光軸が相互に平行になるように配置された一対の偏光板を有し、
各色の画素の低温用領域の液晶層の前記第1の温度におけるリターデーション値が、前記液晶層に電界を印加していない状態において、一方の偏光板を透過して液晶層に入射した光が他方の偏光板を透過して出射するまでの当該画素の色のある波長の光に対する透過率を極小とするリターデーション値を中心として、±0.03μm以内であるカラー液晶表示パネル。 - さらに、前記第1及び第2の基板の一方の外側の面から前記液晶層に複数の波長において放射強度のピークを示すスペクトルを有する可視光を入射する背面照明手段を有し、
前記低温用領域の液晶層のリターデーション値が、前記背面照明手段の照明光のスペクトルのピークのうち当該画素の色の波長領域内のピークの一つに対応する波長の光に対して設定されている請求項2に記載のカラー液晶表示パネル。 - さらに、前記背面照明手段の照明光のスペクトルが、少なくとも1色の画素に対応する色の波長領域内に複数のピークを有し、該複数のピークを示す波長の各々に対してそれぞれ低温用領域が設けられ、各低温用領域に対応して高温用領域が設けられている請求項3に記載のカラー液晶表示パネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP32195795A JP3654317B2 (ja) | 1995-12-11 | 1995-12-11 | カラー液晶表示パネル |
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