JPH09257793A - 免疫反応測定用抗体とこれを用いた電気化学的測定方 法 - Google Patents

免疫反応測定用抗体とこれを用いた電気化学的測定方 法

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JPH09257793A
JPH09257793A JP8072241A JP7224196A JPH09257793A JP H09257793 A JPH09257793 A JP H09257793A JP 8072241 A JP8072241 A JP 8072241A JP 7224196 A JP7224196 A JP 7224196A JP H09257793 A JPH09257793 A JP H09257793A
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JP
Japan
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antibody
redox active
antigen
electrode
polymer
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JP8072241A
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Inventor
Masayoshi Watanabe
正義 渡辺
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Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
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Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便、かつ容易な操作で、高感度の免疫反応
測定を可能とする。 【解決手段】 レドックス活性高分子で化学修飾された
抗体を用い、リソグラフィー微細加工された微小電極を
用いて抗原量を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、免疫反応測定抗
体とこれを用いる電気化学的測定方法に関するものであ
る。さらに詳しくは、この発明は、医学、薬学、生物
学、化学、食品学等の諸分野において、抗原−抗体反応
を利用して生理活性物質の微量測定に有用な、操作性に
優れた高感度の免疫反応の電気化学的測定のための抗体
とその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその問題点】抗原−抗体反応を利用した
生理活性物質の微量測定は、一般的にイミュノアッセイ
と呼ばれている。その歴史的経緯において、第一世代の
イミュノアッセイ法であり現在でもその主流となってい
る方法は、ラジオイミュノアッセイである。この方法
は、抗原または抗体に放射性同位元素を修飾し、その放
射線量から抗原量を定量しようとする手法である。この
方法は、高感度であるが放射性同位元素を取り扱うた
め、特殊施設や技能を必要とし、かつ危険性も高い。そ
こでこの問題を解消し、かつ測定感度をさらに上昇させ
る方法として酵素免疫法(エンザイムイミュノアッセ
イ)が開発されてきた。この方法は、酵素修飾された抗
原あるいは抗体を用い、抗原−抗体反応を起こした抗原
あるいは抗体量を酵素反応生成物の定量を通して測定し
ようとするものである。すなわちこの方法では、酵素反
応を利用することによって被定量物質の間接的化学増幅
を行っている。しかしながら、この酵素免疫法も、生体
触媒である酵素反応を利用するため、再現性のある定量
を行うためには、検出条件を厳密に設定する必要があ
り、測定技術修得には熟練を要する。このように、これ
らラジオイミュノアッセイ、エンザイムイミュノアッセ
イに共通するのは、検出過程での分離、洗浄といった繁
雑な多段行程を必要とすることである。
【0003】一方、電気化学的酵素免疫法と呼ばれる手
法も知られている。これは修飾酵素にフェノールなど電
気化学的に活性な生成物を産生する酵素(たとえばアル
カリフォスファターゼ)を用い、生成フェノール量を電
気化学的に定量することにより間接的に抗原量を測定し
ようとするものである。しかしこの方法においても、酵
素免疫法に一般的に見られる問題点は共通している。
【0004】そこで、以上のような従来の抗原−抗体反
応における生理活性物質の微量測定方法の欠点を解消
し、検出過程での分離、洗浄という繁雑な多段の操作工
程を必要とすることなしに、感度の高い測定を可能とす
る新しい方法の実現が求められていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、レドックス活性高分子で化学修
飾された抗体からなることを特徴とする免疫反応測定用
抗体を提供する。そして、この発明は、上記の抗体とし
て、レドックス活性高分子は、高分子鎖の片末端にレド
ックス活性基を有している抗体、高分子鎖は、ポリアル
キレンオキシドである抗体、高分子鎖は、ポリエチレン
オキシド(PEO)である抗体、高分子鎖は、分子量2
00〜5000のポリエチレンオキシドである抗体、レ
ドックス活性高分子による化学修飾は、酸化還元電位が
標準水素電極に対して0〜1.0Vの範囲にあるものと
される抗体、レドックス活性高分子は、アミド結合によ
る化学修飾のための有機基を有している抗体等をその態
様として提供する。
【0006】また、この発明は、上記のいずれかの抗体
による抗原−抗体反応の電流値を電気化学的に測定し、
この測定値より抗原量を定量することを特徴とする免疫
反応の電気化学的測定方法も提供する。そして、抗体と
抗原との混合溶液を用いる方法等を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】この発明は、上記のとおりの特徴
のある抗体、これを用いる方法を提供するものである
が、この発明がなされた技術的背景には、第一に、高分
子化学、生化学の進展により、レドックス活性基を定量
的に片末端に有する高分子、たとえばその一種としての
レドックス活性ポリエチレンオキシド(PEO)の合成
技術が確立したこと、さらにこのレドックス活性高分子
を用いることによって抗体活性を低下させることなく、
抗体に化学修飾できる技術が確立したことがある。
【0008】また、第二には、半導体加工技術であるリ
ソグラフィー技術の著しい発展により、半導体加工のみ
ならず、マイクロマシーンをはじめとする他分野でもこ
のリソグラフィー技術が広く使用されるようになってき
ていることがある。電気分析化学の分野においてもリソ
グラフィー技術を用いて作成されたその形状が10-6
レベルの電極を作製し、これを用いることにより、極め
て高感度な分析が可能になったことが、この発明の背景
にある。
【0009】この発明の構成についてさらに説明する
と、この発明の免疫反応測定用の抗体は、レドックス
(酸化還元)活性高分子で化学修飾されているものであ
って、その典型的構造は、高分子鎖の片末端にレドック
ス活性基を有し、他端が、抗体に結合しているものとし
て示される。この場合の高分子は、この発明の目的に反
しない限り任意の構造を有してもよいが、代表的なもの
としては、ポリアルキレンオキシド系のものが、たとえ
ば前記のとおりのポリエチレンオキシド(PEO)が例
示される。ポリエチレンオキシド(PEO)について
は、その分子量は200〜5000であるのが好まし
い。
【0010】またレドックス活性基については特にその
種類に限定はなく、たとえばフェノチアジン、フェロセ
ンなど可逆的に酸化反応し、その酸化還元電位が0〜
1.0V(標準水素電極に対して)である構造が好適な
ものとされる。抗体への化学修飾については、特に限定
はないが、抗体タンパク質のアミノ酸残基中のアミノ基
との間がアミド結合で共有結合による修飾が例示され
る。
【0011】たとえば、高分子として上記のポリエチレ
ンオキシド(PEO)を用いた場合には、図1として、
この発明の化学修飾された抗体(バイオコンジュゲー
ト)の合成例を示すことができる。抗体には免疫グロブ
リン(IgG)を用いている。図1にその例を示したレ
ドックス活性PEOは、フェノチアジンあるいはフェロ
セニルメタノールのような活性水素を有するレドックス
活性化合物に、KOHなどのアルカリを触媒とし、エチ
レンオキシドをアニオン的に開環重合することによって
合成される。エチレンオキシドの付加量を調整すること
によって分子量はたとえば200から5000の範囲で
制御できる。このレドックス活性PEOの一方の末端基
は水酸基であるため、この反応性を利用して免疫グロブ
リンへの修飾がなされる。たとえば、この図1に例示し
たように、第一に無水コハク酸と反応させ末端水酸基を
カルボキシル基に変換する。第二にN−ヒドロキシコハ
ク酸イミドでカルボキシル基を活性化させる。さらに、
免疫グロブリンのアミノ酸残基中のアミノ基とこれを反
応させることによってバイオコンジュゲートが得られ
る。精製は、ゲルろ過法あるいは透析法を利用し、未反
応のレドックス活性PEOを除去することによる。反応
条件の選択によって免疫グロブリン一分子に修飾される
レドックス活性PEOの分子数は1〜30分子程度の範
囲内で調整できる。
【0012】測定に用いる装置では、リソグラフィー技
術を用いて作成された電極が好適に用いられ、その一例
として、相互侵入くし形(IDA)電極の構造例を図2
(a)(b)に示すことができる。この電極はくしの幅
およびその間の間隔がμm(10-6m)程度、その長さ
がmm程度の2つのくし形電極がかみ合った構造を有し
ていることを特徴とする。くしの歯の数は通常数10〜
数100程度である。これ以外の基準極や対極もリソグ
ラフィー技術を用いることによってシリコン基板上にチ
ップ化することができる。この電極の最大の特徴は、極
めて高感度の測定が可能となることと、この感度が微小
電極の微細加工サイズによって制御可能である点にあ
る。
【0013】図3に示すように、被検液中のレドックス
活性基は、二つのくし形電極がかみあった構造のため、
一方の電極(G)の電位をレドックス活性基が酸化する
ような電位、もう一方の電極(C)の電位を、酸化され
たレドックス活性基が還元されてもとに戻るような電位
に保持すると、何回も繰返し酸化/還元のサイクルを繰
り返すことになる。この化学増幅効果(レドックスサイ
クリング)によって高感度検出が可能になる。
【0014】実際の検出は、バイオコンジュゲート溶液
の少量を上記のIDA電極の上に滴下した後、抗原溶液
を滴下し、これと混合する。抗原−抗体反応の進行に必
要な時間保持後、G電極の電位をレドックス活性基が酸
化する電位、C電極の電位をこれをもとに還元する電位
とし、G電極に流れる電流量を計測する。このときの電
流値は、抗原−抗体反応によって生成した免疫複合体の
濃度および拡散係数に比例するため、抗原量の直接の定
量が可能となる。
【0015】以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発
明について説明する。
【0016】
【実施例】うさぎ免疫グロブリン(IgG)に分子量2
000のフェノチアジン末端PEO(PT−PEO、図
1参照)を修飾したバイオコンジュゲート5.8μMの
リン酸バッファー溶液(pH7.4)を調整する。この
溶液100μLを上記のIDA電極上に滴下し、電気化
学測定によりG電極に流れる電流を測定する。次に抗原
である人血清アルブミンのリン酸バッファー溶液5μL
(0.05nmol)を電極上に滴下し、溶液を混合す
る。30分放置後電気化学測定を行う。この操作を繰り
返し行い、測定された電流値と、抗原である人血清アル
ブミン量の関係を示したのが図4である。この図4から
明らかなように、抗原量0.1nmolまでは、抗原量
に対し、電流値は線形に変化し、その定量が可能であ
る。
【0017】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、この発明に
より、被検液とバイオコンジュゲート溶液を混合した
後、途中の分離操作、洗浄操作などの繁雑な操作を一切
必要とせずに、電気化学測定をするという、極めて単純
かつ簡単な操作だけでイミュノアッセイができるという
特有の効果を奏する。また、電極の形状設計によって感
度調節が可能であるため、被検液中の抗体種やその濃度
にあわせた柔軟な構成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レドックス活性PEOにPT−PEOを用いた
バイオコンジュゲートの合成例を示した経路図である。
【図2】(a)(b)は、シリコンウェハー上にリソグ
ラフィー技術を用いて作成された相互侵入くし形(ID
A)電極例を示した全体構造と部分拡大図である。
【図3】相互侵入くし形電極におけるレドックスサイク
リングによる化学増幅過程を示した図である。
【図4】抗原(人血清アルブミン)量とIDA電極を用
いて測定されたバイオコンジュゲートの酸化電流値の関
係を示した図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レドックス活性高分子で化学修飾された
    抗体からなることを特徴とする免疫反応測定用抗体。
  2. 【請求項2】 レドックス活性高分子は、高分子鎖の片
    末端にレドックス活性基を有している請求項1の抗体。
  3. 【請求項3】 高分子鎖は、ポリアルキレンオキシドで
    ある請求項2の抗体。
  4. 【請求項4】 高分子鎖は、ポリエチレンオキシド(P
    EO)である請求項3の抗体。
  5. 【請求項5】 高分子鎖は、分子量200〜5000の
    ポリエチレンオキシドである請求項4の抗体。
  6. 【請求項6】 レドックス活性高分子による化学修飾
    は、酸化還元電位が標準水素電極に対して0〜1.0V
    の範囲にあるものとされる請求項1ないし5のいずれか
    の抗体。
  7. 【請求項7】 レドックス活性高分子は、アミド結合に
    よる化学修飾のための有機基を有している請求項1ない
    し6の抗体。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかの抗体によ
    る抗原−抗体反応の電流値を電気化学的に測定し、この
    測定値より抗原量を定量することを特徴とする免疫反応
    の電気化学的測定方法。
  9. 【請求項9】 抗体と抗原との混合溶液を用いる請求項
    8の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002243696A (ja) * 2001-02-13 2002-08-28 Toyo Univ 微量タンパク質の高感度分析方法
JP2013526720A (ja) * 2010-05-25 2013-06-24 フラウンホーファーゲゼルシャフト ツール フォルデルング デル アンゲヴァンテン フォルシユング エー.フアー. 結合反応の電気化学的検出方法

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