JPH09257700A - ギャップ設定機構およびそれを用いた試料分析装置とその方法 - Google Patents

ギャップ設定機構およびそれを用いた試料分析装置とその方法

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JPH09257700A
JPH09257700A JP6325796A JP6325796A JPH09257700A JP H09257700 A JPH09257700 A JP H09257700A JP 6325796 A JP6325796 A JP 6325796A JP 6325796 A JP6325796 A JP 6325796A JP H09257700 A JPH09257700 A JP H09257700A
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gap
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JP6325796A
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Kenji Igarashi
健二 五十嵐
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明はプリズムを半導体ウエハに接触さ
せずに、このプリズム内を全反射して進行する測定光に
よって半導体ウエハを分析できるようにした試料分析装
置を提供することにある。 【解決手段】 上面が試料保持面41aに形成された盤
状体41と、上面がプリズム31を保持するプリズム保
持面24dに形成された保持部材24と、上記半導体ウ
エハとプリズムとの間隔を設定するギャップ用駆動素子
18と、上記半導体ウエハとプリズムとの平行度を設定
する一対の揺動体11、12と、上記試料保持面と上記
プリズム保持面に保持されたプリズムとの平行度および
上記試料保持面と上記プリズムとの変位量とを測定する
測定用センサ66と、この測定用センサの測定に基づい
て上記試料保持面と上記プリズム保持面に保持されたプ
リズムとの平行度および上記試料保持面と上記プリズム
との変位量とを制御する制御装置75とを具備したこと
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はフ−リエ変換全反
射赤外分光法を(以下ATR法とする)用いて試料の分
析を行う際に好適するギャップ設定機構およびそれを用
いた試料分析装置とその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、試料としての半導体ウエハの
表面における原子レベルの情報を分析するような場合、
上記ATR法が用いられる。このATR法は、図11に
示すように試料101の上面に接触されたスラブ状のプ
リズム102の長手方向一端の斜面から赤外光Lを入射
させる。この赤外光Lは上記プリズム102内を全反射
し、その他端の斜面から出射する。
【0003】上記プリズム102内で赤外光Lが全反射
すると、その全反射部分からエバネッセント波Eが試料
101側にしみだし、その部分の試料101表面の物質
によって吸収される。そのため、上記プリズム102か
ら出射した赤外光Lの吸収スペクトルを求めることで、
この試料1の表面の分析、評価を行うことができる。
【0004】しかしながら、上述した測定時にプリズム
102を試料101に接触させると、試料101に付着
した汚染物質がプリズム102に転移する。そのため、
プリズム102が汚れることになるから、その汚染され
たプリズム102を用いて新たな試料101を分析して
も、プリズム102に付着した汚染物質によって分析結
果に誤差が生じるということがある。
【0005】しかも、試料101あるいはプリズム10
2に付着した汚染物質によってこれら両者の接触状態が
一定とならないから、測定デ−タの再現性がないという
こともある。
【0006】上記プリズム102と試料101とを非接
触とし、プリズムを汚染させることなく試料101を分
析することが考えられる。その場合、エバネッセント波
Eがプリズム102からしみだす距離の目安はその波長
程度であるから、上記プリズム102と試料101との
間隔を0.5μm程度以下に設定しなければ測定できな
いことになる。
【0007】しかしながら、従来は上記プリズム102
を試料101に対して上述したような微小間隔で対向さ
せて設定するということが行われていないばかりか、そ
のための装置も開発されていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、赤外光を
プリズム内で全反射させたときにしみでるエバネッセン
ト波を利用して試料を分析する場合、従来は上記プリズ
ムを上記試料に接触させていたので、プリズムに試料の
汚れが転移し、その汚れによって測定誤差が生じたり、
試料との接触状態が一定とならずに測定デ−タの再現性
が得られないなどのことがあった。また、上述したプリ
ズムや半導体ウエハなどのように、それぞれ厚さむらが
あり、しかも非常に薄いために自重によって撓みが生じ
やすい2つの部材をサブミクロンオ−ダの精度で対向さ
せて位置決めする位置決め機構も存在していなかった。
【0009】この発明は上記事情に基づきなされたもの
で、その目的とするところは、プリズム内で測定光が全
反射することで発生するエバネッセント波が試料表面に
吸収されるよう、上記プリズムと上記試料との間隔を微
小に設定できるようにした〒ギャップ設定機構およびそ
れを用いた試料分析装置とその方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、第1
の部材の一面を第1の吸着面に吸着しこの第1の吸着面
を変形させ上記第1の部材の他の一面を平坦にする第1
の吸着手段と、上記第1の吸着体が挿通される開口部が
設けられた平坦な第2の吸着面に対し第2の部材の一面
を吸着する第2の吸着手段と、上記平坦にされた第1の
部材の一面と上記平坦にされた第2の部材の一面とを平
行にする平行化手段と、上記平坦にされた第1の部材の
一面と上記平坦にされた第2の部材の一面との距離を測
定する測距手段と、上記平坦にされた第1の部材の一面
と上記平坦にされた第2の部材の一面とを接離する方向
に変位させ上記測距手段からの上方に基づいて上記変位
を停止する接離手段とを具備したことを特徴とするギャ
ップ設定機構にある。
【0011】請求項2の発明は、プリズムに測定光を入
射させ、このプリズムから出射する上記測定光のスペク
トルから試料の表面を分析する試料分析装置において、
開口部を有し上面が上記試料を保持する試料保持面に形
成された試料保持手段と、上面を上記開口部に対向させ
て配置されその上面が上記プリズムを保持するプリズム
保持面に形成されたプリズム保持手段と、このプリズム
保持手段に保持されたプリズムを上記開口部に臨ませた
上記試料に対して接離する方向に変位させ、上記試料と
プリズムとの間隔を設定するギャップ設定手段と、上記
試料と上記プリズムとの平行度を設定するチルト調整手
段と、上記試料を上記試料保持手段に保持する前に上記
試料保持面と上記プリズム保持面に保持されたプリズム
との平行度および上記試料保持面と上記プリズムとの変
位量とを測定する測定手段とこの測定手段の測定に基づ
いて上記試料保持面と上記プリズム保持面に保持された
プリズムとの平行度および上記試料保持面と上記プリズ
ムとの変位量とを制御する制御手段とを具備したことを
特徴とする。
【0012】請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て、上記試料保持手段は、上面が上記試料保持面に形成
された盤状体と、この試料保持面に形成されそれぞれ独
立して吸引制御される複数の環状吸引溝とを備えている
ことを特徴とする。
【0013】請求項4の発明は、請求項2の発明におい
て、上記プリズム保持手段は、ベ−ス部材と、中央部が
上記ベ−ス部に接合される固定部に形成され両端部が上
記固定部に対して湾曲自在に連結された可動部に形成さ
れていて、上面が上記プリズム保持面に形成された保持
部材と、この保持部材の一対の可動部を湾曲変位させて
上記プリズム保持面に保持されたプリズムの上記試料に
対向する面が平坦になるよう矯正する駆動素子とを備え
ていることを特徴とする。
【0014】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、上記保持部材には、上記プリズム保持面に保持され
たプリズムの一端に測定光を導入する導入窓と、このプ
リズム内を反射し他端から出射する上記測定光を導出す
る導出窓が形成されていることを特徴とする。
【0015】請求項6の発明は、請求項2の発明におい
て、上記ギャップ設定手段は、基部と、この基部に弾性
的に変位可能に設けられ上記プリズム保持手段が取り付
けられた取付部と、この取付部を変位させて上記プリズ
ムを上記試料に対して所定の間隔に設定するギャップ用
駆動素子とを備えていることを特徴とする。
【0016】請求項7の発明は、請求項2または請求項
6の発明において、上記ギャップ設定手段には、上記試
料保持手段に試料を保持した後で、上記プリズムと上記
試料との間隔を検出するギャップセンサが設けられてい
ることを特徴とする。
【0017】請求項8の発明は、請求項2の発明におい
て、上記チルト調整手段は、第1の揺動体と第2の揺動
体とを有し、各揺動体は、固定片と、この固定片に対し
て一端が揺動可能に連結された可動片と、この可動片を
揺動駆動する揺動用駆動素子とから構成され、上記第1
の揺動体の可動片と上記第2の揺動体の可動片とは揺動
方向をほぼ90度ずらして配置されるとともに、上記第
2の揺動体の可動片には上記ギャップ設定手段が取り付
けられることを特徴とする。
【0018】請求項9の発明は、請求項1の発明におい
て、上記測定手段は、上記試料保持手段の上方に配置さ
れたテ−ブルと、このテ−ブルに上記プリズムの長手方
向と幅方向のうちの少なくとも長手方向に沿って走行自
在に設けられた可動体と、この可動体に設けられ可動体
の走行に応じて上記試料保持手段の保持面とこの保持手
段の開口部に露出した上記プリズムとの平行度および変
位量を測定する測定センサとを具備したことを特徴とす
る。
【0019】請求項10の発明は、請求項1の発明にお
いて、上記プリズムに入射する測定光を出射する光源
と、上記プリズムから出射した測定光を受けてこの測定
光のスペクトルから上記プリズムに対向した試料の表面
を分析する分析装置とを具備したことを特徴とする。
【0020】請求項11の発明は、プリズムに測定光を
入射させ、このプリズムから出射する上記測定光のスペ
クトルから上記試料の表面を分析する試料分析方法にお
いて、上記試料を保持する保持面と上記プリズムの上面
との平行度および変位量を測定する第1の工程と、この
第1の工程の測定結果に基づいて上記保持面と上記プリ
ズムの上面との平行度を設定するとともに上記保持面に
対して上記プリズムの上面を所定量下方に変位した位置
に設定する第2の工程と、上記保持面に上記試料を保持
することで、この試料と上記プリズムとの互いに対向す
る面の間に上記保持面に対する上記プリズムの上面の変
位量に応じた間隔を形成する第3の工程とを具備したこ
とを特徴とする。
【0021】請求項1の発明によれば、変形し易いよう
な部材であっても、そのような2つの部材をミクロンオ
−ダの精度のギャップで位置決め設定することができ
る。請求項2の発明によれば、試料保持手段によって保
持された試料と、プリズム保持手段によって保持された
プリズムとの間隔と平行度を設定する手段を有し、しか
も上記間隔と平行度を測定する手段およびその測定結果
に基づいてその間隔と平行度を制御する制御手段を有す
るから、上記試料に対して上記プリズムを所定の変位量
で、平行な状態に設定することができる。
【0022】請求項3の発明によれば、試料保持手段の
試料保持面に独立して吸引制御される複数の環状溝を設
けたことで、上記試料保持面に吸着保持される上記試料
の保持状態を制御できる。
【0023】請求項4の発明によれば、プリズム保持手
段のプリズムを保持するプリズム保持面が形成された保
持部材を、固定部と、この固定部の両端に湾曲可能に設
けられて駆動素子により湾曲させられる一対の可動部に
よって形成したことで、この可動部の湾曲状態によって
上記保持面に保持されたプリズムの試料に対向する面が
平坦面となるよう制御することができる。
【0024】請求項5の発明によれば、請求項3の保持
部材に、この保持部材に保持されたプリズムに測定光を
導入する導入窓およびプリズム内を全反射した上記測定
光を導出する導出窓を形成したことで、上記プリズムに
対する測定光の導入および導出を確実に行える。
【0025】請求項6の発明によれば、ギャップ設定手
段は、ギャップ用駆動素子によって変位させることがで
きる取付部を有し、この取付部にプリズム保持手段が取
り付けられるから、プリズム保持手段に保持されたプリ
ズムを、試料保持手段に保持された試料に対して所定の
間隔に設定できる。
【0026】請求項7の発明によれば、ギャップ設定手
段は、試料保持手段に試料を保持した後で、試料とプリ
ズムとの間隔を検出するギャップセンサを有するから、
試料保持手段に試料を保持した後でも、試料とプリズム
との間隔を設定することが可能となる。
【0027】請求項8の発明によれば、チルト調整手段
が揺動方向を90度違えた第1の揺動体と第2の揺動体
とからなり、この第2の揺動体にギャップ設定手段を取
り付けたことで、このギャップ設定手段を介して保持手
段の保持面に保持されたプリズムの平行度を設定するこ
とができる。
【0028】請求項9の発明によれば、測定手段は、測
定センサによって試料保持面と、この試料保持面に形成
された開口部から露出したプリズムの上面との平行度お
よび変位量を検出することができる。
【0029】請求項10の発明によれば、試料に対して
平行度および変位量が設定されたプリズムに対して測定
光を入射させる光源と、プリズムから出射した測定光を
分析する分析装置とを有するから、上記プリズムに対向
保持された試料を分析することができる。請求項11の
発明によれば、プリズムを試料に対して平行に、しかも
所定の変位量となる非接触の状態で精密に位置決めする
ことができる。
【0030】
【発明の実施形態】以下、この発明の一実施形態を図1
乃至図10を参照して説明する。図3はこの発明のギャ
ップ設定機構が用いられた試料分析装置の分解斜視図
で、この分析装置はチルト調整手段1、ギャップ設定手
段2、プリズム保持手段3、試料保持手段4および測定
手段5を有する。
【0031】上記チルト調整手段1は第1の揺動体11
と第2の揺動体12とを有する。各揺動体11、12は
たとえば板材の厚さ方向中途部をワイヤ放電加工するこ
とで、矩形平板状の固定片11a、12aと可動片11
b、12bとの一端が弾性薄肉部11c、12cによっ
て連結された構造になっている。つまり、固定片11
a、12aに対して可動片11b、12bが弾性薄肉部
11c、12cを支点として揺動自在になっている。
【0032】固定片11a、12aと可動片11b、1
2bとの間で、上記可動片の自由端側の部分にはそれぞ
れ圧電素子からなる揺動駆動素子11d、12dが設け
られている。したがって、この揺動駆動素子11d、1
2dに電圧を印加することで、その電圧値に応じて可動
片11b、12bを揺動させることができるようになっ
ている。
【0033】図1と図2に示すように、上記第1の揺動
体11の固定片11aはベ−ス盤21の上面に固定され
ている。上記第2の揺動体12の固定片12aは上記第
1の揺動体11の可動片11bの上面に、その可動片1
2bの揺動方向を上記第1の揺動体11の可動片11b
の揺動方向と90度ずらして固定されている。その結
果、上側に位置する第2の揺動体12の可動片12bは
水平面に対してX方向およびこのX方向と直交するY方
向とに揺動できるようになっている。
【0034】上記ギャップ設定手段2はブロック15を
有する。このブロック15は、基部15aと、この基部
15aの上面側に形成された取付部15bと、この取付
部15bを上記基部15aに対して上下方向に弾性変位
自在に連結された一対の弾性ヒンジ部15cとが一体形
成されている。上記取付部15bには、長手方向両端部
に一対の第1の通孔16aが形成された取り付けフラン
ジ16が取り付けられている。
【0035】上記基部15aには、上記取付部15bと
対向する部位に凹部17が形成され、この凹部17には
図2に示すように圧電素子からなるギャップ用駆動素子
18が設けられている。このギャップ用駆動素子18の
上端面には上面に断面V字状の溝19aが形成された保
持板19が設けられ、その溝19aには上記取付部15
bの下面に接する球体21が保持されている。したがっ
て、上記ギャップ用駆動素子18に通電すれば、その電
圧値に応じて伸縮するから、その伸縮によって上記取付
部15bを上下方向に変位させることができるようにな
っている。
【0036】上記プリズム保持手段3は、図6(a)、
(b)に示すように上記取付フランジ16と同じ大きさ
に形成された板状のベ−ス部材23と、このベ−ス部材
23の上面に設けられた保持部材24とを有する。この
保持部材24は直方体状をなしていて、その長手方向中
途部には上記ベ−ス部材23に接合固定される固定部2
4aに形成されている。
【0037】上記固定部24aの両端部には弾性ヒンジ
部24bを介して一対の可動部24cが弾性的に揺動自
在に連結されている。各可動部24cの自由端側とベ−
ス部材23との間には圧電素子からなる矯正駆動素子2
5が設けられている。したがって、上記矯正駆動素子2
5に通電すれば、その電圧値に応じて伸縮するから、上
記可動部24cを固定部24aに対して揺動させること
ができるようになっている。
【0038】上記保持部材24の上面24dには矩形状
の3つの凹部26が長手方向に沿って所定間隔で形成さ
れている。各凹部26には上記保持部材24に形成され
た吸引路27が連通している。この吸引路27は図示し
ない吸引ポンプに連通している。それによって、上記凹
部26内を減圧できるようになっている。
【0039】上記保持部材24の上面24dには図6
(a)に二点鎖線で示す帯板状のプリズム31が載置さ
れる。プリズム31を保持部材24の上面に載置した状
態で上記凹部26を減圧すれば、このプリズム31を上
記上面24dに吸引保持できるようになっている。つま
り、上記上面24dはプリズム31の保持面に形成され
ている。
【0040】上記プリズム31は薄い帯板状のゲルマニ
ウムを研磨加工して、たとえば長さ70mm、幅10mm、
厚さ0.5mmに形成される。研磨加工されたプリズム3
1は周辺部に「ダレ」が生じ易いから、通常は図8
(a)に示すように長手方向中途部が膨らんだ樽型にな
り易い。このプリズム31を保持部材24の上面24d
に吸着保持すると、図8(b)に示すようにプリズム3
1は下面が上記上面に接合する状態に変形するから、上
面がさらに凸状に変形する。この状態で、図8(c)に
示すように矯正駆動素子25に通電してその素子を伸長
させ、一対の可動部24cを上方へ揺動させれば、プリ
ズム31の上面が平坦に矯正されることになる。
【0041】上記ベ−ス部材23には上記取り付けフラ
ンジ16の第1の通孔16aに対応する位置に第2の通
孔23aが設けられ、上記保持部材24には上記第2の
通孔に対応する位置に第3の通孔24eが形成されてい
る。
【0042】一対の第1の通孔16aの下方で、上記チ
ルト調整手段1の第2の揺動体12の可動片12bの上
面には図1に示すように第1の反射ミラ−35と第2の
反射ミラ−36とが反射面を45度にして配置されてい
る。
【0043】上記第1の反射ミラ−35の反射面には光
源37から出射された赤外光Lが水平に入射する。この
赤外光Lは上記第1の反射ミラ−35の反射面で垂直方
向上方に反射し、プリズム31の長手方向一端側に位置
する第1乃至第3の通孔16a、23a、24dを順次
通過して上記プリズム31の一端に入射する。
【0044】プリズム31に入射した赤外光Lはその内
部で全反射を繰り返して他端側に至り、そこから出射す
る。プリズム31の他端から出射した赤外光Lはその他
端側に形成された第3乃至第1の通孔24d、23a、
16aを順次通過して第2の反射ミラ−36の反射面で
反射し、分析装置38に入射する。この分析装置38は
赤外光Lのスペクトルを解析することで、後述する試料
としての半導体ウエハUの表面における、たとえば原子
レベルの情報をを分析できるようになっている。
【0045】上記試料保持手段4は円形状の盤状体41
を有する。この盤状体41の中央部には上記プリズム保
持手段3の保持部材24を挿通させることができる大き
さの開口部42が設けられている。図7(a)、(b)
に示すように、上記開口部42の周辺部には矩形状の第
1の環状溝43aが形成され、この周囲には円形状の第
2の環状溝43bと第3の環状溝43cとが順次形成さ
れている。
【0046】上記第1の環状溝43aにはその四隅部に
連通する第1の吸引路44aを介して第1の吸引ポンプ
45aに連通されている。上記第2の環状溝43bはそ
の周方向2か所に連通した第2の吸引路44bを介して
第2の吸引ポンプ45bに連通され、さらに第3の環状
溝43cは同じく周方向2か所に連通した第3の吸引路
44cを介して第3の吸引ポンプ45cに連通されてい
る。それによって、各環状溝43a〜43cはそれぞれ
独立して吸引制御されるようになっている。
【0047】しかも、各環状溝43a〜43cには各吸
引路が複数箇所で連通しているので、これら環状溝は時
間的にほぼ均一に吸引力を発生させることができる。上
記盤状体41の上面は、上記半導体ウエハUを吸引保持
するための平坦な試料保持面41aになっている。この
試料保持面41aの平面度はたとえば0.3μm程度以
下に仕上げられている。この試料保持面41aに半導体
ウエハUを吸引保持する場合、半導体ウエハUを盤状体
41の試料保持面41aに載置した後、第1の環状溝4
3aに吸引力を発生させてその中央部分を吸引する。つ
いで、第2の環状溝43bに吸引力を発生させることで
半導体ウエハUの径方向中央部分を吸引し、最後に第3
の環状溝43cに吸引力を発生させて周辺部を吸引す
る。
【0048】このように、半導体ウエハUを、径方向中
央部分から周辺部分へと順次吸着することで、半導体ウ
エハUにたるみ(あそび)が生じるのを防止して、盤状
体41の試料保持面41aに密着させて吸引保持でき
る。上記半導体ウエハUは回路パタ−ンが形成される表
面、つまり高精度の平面度に研磨加工された表面を盤状
体41の試料保持面41aに接合させて吸着される。そ
れによって、半導体ウエハUは、その表面が上記盤状体
41の試料保持面41aの平坦度に応じた平坦な状態で
保持することができる。
【0049】図1に示すように上記盤状体41は、上記
チルト調整手段1が設けられたベ−ス盤50の上方に配
置される。つまり、上記ベ−ス盤50には複数の第1の
支持脚51が立設され、これら支持脚51の上端に上記
盤状体41の周辺部下面が接合され、ねじ52によって
固定されて水平に保持されている。
【0050】上記盤状体41は、その開口部42に上記
プリズム保持手段3の保持部材24が入り込み、しかも
盤状体41の試料保持面41aに上記保持部材24のプ
リズム31を吸着した上面24dがほぼ同じ高さになる
よう配置されている。
【0051】上記盤状体41の上方には上記測定手段5
が配置されている。この測定手段5は矩形状のテ−ブル
55を有する。このテ−ブル55は上記ベ−ス盤21に
立設された複数の第2の支持脚56によって水平に支持
されている。テ−ブル55には矩形状の開口部57が形
成されていて、この開口部57の両側には一対の第1の
レ−ル58が所定方向(この方向をX方向とする)に沿
って設けられている。
【0052】図3に示すように上記第1のレ−ル58に
はX可動体59が移動自在に設けられている。このX可
動体59の上面にはその移動方向に対して直交するY方
向に沿って第2のレ−ル61が設けられている。この第
2のレ−ル61にはY可動体62が移動自在に設けられ
ている。上記X可動体59はモ−タなどのX駆動源63
によって駆動され、Y可動体62はY駆動源65によっ
て駆動されるようになっている。
【0053】上記Y可動体62にはレ−ザ変位計などの
非接触式の測定センサ66が設けられている。この測定
センサ66は上記X可動体59とY可動体62とを駆動
することで、XY方向を水平に走行させることができる
ようになっている。それによって、上記測定センサ66
は、半導体ウエハUを保持する前の盤状体41の試料保
持面41aと、この盤状体41の開口部42に露出した
プリズム31の上面との平行度および変位量(高さの
差)を測定できるようになっている。
【0054】その測定原理を図9(a)〜(c)に基づ
いて説明する。図9(a)に示すように盤状体41の試
料保持面41aに対してプリズム31の上面の長手方向
が所定の角度で傾斜している場合、これらの面に対して
測定センサ65を矢印Xで示す方向に走査させる。する
と、図9(b)で示すように盤状体41の上面を測定し
た出力Aと、プリズム31の上面を測定した出力Bとが
上記測定センサ66によって検出される。
【0055】上記出力AとBとはそれぞれ直線近似でき
る。したがって、図9(b)に鎖線で示すこれら出力A
とBの直線近似式A1 、B1 を求め、これらの近似式が
同じ傾き角度および所定の切片の差(この実施形態では
0.3μm)を持つよう設定する。この状態を図9
(c)に示す。
【0056】具体的には、チルト調整手段1の第1の揺
動体11の可動片11bの揺動角度を制御することで、
上記直線A1 と直線B1 との傾きを同じにし、プリズム
31上面を試料保持面41aと平行に設定する。つい
で、直線A1 と直線B1 との出力が上記切片の差に応じ
た値となるように設定すれば、上記プリズム31の上面
を試料保持面41aに対して平行で、しかも5〜6μm
低い高さ位置(図9(c)に変位量として示す)に設定
されることになる。
【0057】なお、プリズム31の幅方向においても、
長手方向と同様に平行度および高さを設定すればよい
が、幅寸法は長さ寸法に比べて小さく、しかも測定光L
はプリズム31の長手方向に進行するから、幅方向につ
いては行わなくて大きな支障はないが、第2の揺動体1
2の可動片12bの揺動角度を制御することで同様に行
うようにしてもよい。
【0058】上記プリズム保持手段3のベ−ス部材23
には、図1に示すようにギャップセンサ71が設けられ
ている。このギャップセンサ71は上記ベ−ス部材23
と、上記試料保持手段4の盤状体41に、この試料保持
面41aと平行に形成されて設けられた測定面72との
間隔を測定する。
【0059】つまり、試料保持面41aに対して上述し
たようにプリズム31の上面の平行度および高さを設定
した後、上記試料保持面41aに半導体ウエハUを表面
を下向きにして保持した状態においては、半導体ウエハ
Uが試料保持面41aを覆うから、この試料保持面41
a(半導体ウエハU)とプリズム31との間隔を測定用
センサ66によって測定することができない。
【0060】そこで、上記ギャップセンサ71によって
上記測定面72の高さをモニタすることで、上記試料保
持面41aに半導体ウエハUを保持した後でも、この半
導体ウエハUとプリズム31上面とのギャップを測定
し、その測定に基づいて調整することができる。
【0061】図10はギャップセンサ71によって試料
保持面41aと測定面72、つまりプリズム31上面と
半導体ウエハUの表面とのギャップを設定する原理を説
明する図で、同図において直線Eは試料保持面41aと
プリズム31の上面とが平行で、高さが一致したときの
測定手段5の測定センサ66の出力で、同図にFで示す
直線はそのときのギャップセンサ71の出力である。
【0062】試料保持面41aとプリズム31上面とが
同じ高さのときの上記ギャップセンサ71の出力を求め
たならば、上記直線Fからそのときのギャップセンサ7
1の出力D2 とギャップ用駆動素子18への印加電圧V
2 を確認し、さらにそこから上記プリズム31が所定の
高さ、この実施形態では0.3μm低い位置におけるギ
ャップセンサ71の出力D1 と印加電圧V2 とを確認し
ておく。
【0063】そして、上記ギャップセンサ71の出力を
モニタしながらギャップ用駆動素子18への印加電圧を
調整することで、試料保持面41aに半導体ウエハUを
吸着保持した後でも、上記保持面41aと半導体ウエハ
U表面との間隔を0.3μmの高精度に設定維持するこ
とが可能となる。
【0064】上記測定用センサ66とギャップセンサ7
1との出力は図4に示す制御装置75に入力される。こ
の制御装置75は上記センサ66、71からの出力を上
述したごとく処理し、その処理結果に基づいて上記チル
ト調整手段1の揺動駆動素子11d、12dおよびギャ
ップ駆動用素子18に印加する電圧を制御するようにな
っている。
【0065】さらに、制御装置75は上記測定手段5の
X駆動源63とY駆動源65とを駆動制御するととも
に、これら駆動源63、65からのフィ−ドバック信号
によって測定センサ66のXY座標を算出するようにな
っている。したがって、上記測定センサ66は、その座
標位置とともに試料保持面41aとプリズム31上面と
の平行度およびこれらの変位量を測定できるようになっ
ている。
【0066】つぎに、上記構成の試料分析装置を用いて
半導体ウエハUの表面を分析する手順を説明する。半導
体ウエハUを試料保持手段4の試料保持面41aに吸着
保持する前に、プリズム31をプリズム保持手段3の保
持部材24の上面24dに吸着保持したならば、この上
面の長手方向に沿って測定用センサ66を走査させてそ
の平面度をチェックする。
【0067】保持部材24の上面24dに吸着保持され
たプリズム31の上面は、通常、上述したようにその上
面が図8(b)に示すように凸面状となる。そこで、一
対の矯正駆動素子25への通電を制御して保持部材24
の可動部24cを上方へ揺動させることで、上記プリズ
ム31の上面を平坦となるよう矯正する。プリズム31
の上面が平坦な場合、上記測定用センサ66からの出力
は直線となる。
【0068】このようにして、プリズム31の上面を平
坦化したならば、試料保持面41aと、プリズム保持手
段3の保持部材24の上面24dに吸着保持されたプリ
ズム31の上面との平行度および変位量とを設定する。
【0069】すなわち、その設定は、測定手段5の測定
センサ66を走査させ、その出力から上述したように上
記試料保持面41aとプリズム31の上面との平行度を
設定し、ついでプリズム31の上面を試料保持面41a
に対して5〜6μm(圧電素子18のストロ−クの範囲
内であればよい)低くなるよう設定する。この設定は、
上記測定センサ66からの出力に基づいて高精度に設定
することができる。
【0070】試料保持面41aとプリズム31の上面と
の平行度および変位量との設定は、制御装置75を用い
て自動的に行ってもよく、あるいは制御装置75では測
定センサ66からの測定結果だけを演算させ、その演算
に基づいて揺動駆動素子11d、12dとギャップ駆動
用素子18への印加電圧の制御は手動で行うようにして
もよい。
【0071】上記試料保持面41aとプリズム31の上
面との平行度および変位量とを設定したならば、上記試
料保持面41aに表面を下側にして半導体ウエハUを載
置したのち、盤状体41の第1乃至第3の環状溝43a
〜43cにそれぞれ接続された第1乃至第3の吸引ポン
プ45a〜45cを順次作動させる。つまり、第1の環
状溝43aに吸引力を発生させてから、第2の環状溝4
3b、第3の環状溝43cの順に吸引力を発生させる。
【0072】それによって、半導体ウエハUは、中央部
分が試料保持面に吸着保持されてから、周辺部が吸着保
持されため、半導体ウエハUにたるみが生じることなく
上記試料保持面41aに吸着保持されることになる。つ
まり、半導体ウエハUはその表面が試料保持面41aに
密着した状態で吸着保持されるから、半導体ウエハUの
表面を試料保持面41aに対して同一面とすることがで
きる。
【0073】このように、試料保持面41aに半導体ウ
エハUを吸着保持したならば、ギャップセンサ71によ
って試料保持面41aとプリズム31の上面とのギャッ
プをモニタしながら、そのギャップを予め定た、0.3
μmになるように圧電素子18への印加電圧を調整す
る。
【0074】試料保持面41aに対して、半導体ウエハ
Uの表面が0.3μmのギャップに設定されていること
が上記ギャップセンサ71によって確認されたならば、
その確認を継続しながら光源37を作動させて赤外光L
を出力し、その光を第1の反射ミラ−35で反射させて
プリズム31の一端側から入射させる。
【0075】プリズム31に入射した赤外光Lは、その
内部を全反射して他端から出射する。赤外光Lがプリズ
ム31内を全反射することで、その全反射部分から半導
体ウエハUへエバネッセント波がしみだし、その部分の
物質の成分などに応じて吸収される。
【0076】そのため、上記プリズム31から出射し、
第2の反射ミラ−36で反射して分析装置38に入射す
る赤外光Lのスペクトルを分析することで、上記半導体
ウエハUの表面における原子レベルの情報を分析するこ
とができる。
【0077】このように、プリズム31の上面を半導体
ウエハUの表面に対して所定の間隔となるように設定し
て上記半導体ウエハUを分析するようにしたことで、半
導体ウエハUの表面に汚染物質が付着しているようなこ
とがあっても、その汚染物質がプリズム31の上面に転
移するということが防止される。
【0078】そのため、複数の半導体ウエハUを順次分
析するような場合、プリズム31に汚染物質が転移して
分析結果に誤差が生じるということが防止される。しか
も、プリズム31と半導体ウエハUとを接触させる場合
のように、プリズム31に転移した汚染物質によってこ
れら両者の接触状態が均一とならずに測定デ−タの再現
性が得られなくなるということもない。
【0079】また、プリズム31と半導体ウエハUとの
間のギャップは、分析の最中であっても、ギャップセン
サ71によってモニタでき、そのモニタの結果に基づい
てギャップが一定になるよう、制御装置75によってた
とえばギャップ駆動用素子18への印加電圧が制御され
る。
【0080】そのため、ギャップ駆動用素子18への印
加電圧や温度などの外部要因の変動によってギャップが
変動しようとしても、そのギャップは一定に維持される
から、分析の最中にギャップが変動して分析結果に誤差
が生じるようなこともない。
【0081】プリズム31と半導体ウエハUとの間のギ
ャップは、エバネッセント波の距離と強度の関係からで
きるだけ小さい方がよく、通常、3μm以内、さらに好
ましくは0.5μm以下がよい。
【0082】この発明は上記一実施形態に限定されず、
発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。た
とえば、試料としては半導体ウエハに限られず、ほかの
材料であってもよく、また測定用センサやギャップセン
サはレ−ザ変位計でなく、他のセンサであってもよく、
要は非接触で距離をサブミクロンの精度で測定できるも
のであればよい。
【0083】また、揺動駆動素子11d、12d、ギャ
ップ駆動用素子18および矯正駆動素子25に圧電素子
を用い、印加電圧を制御することでプリズム31のXY
方向のチルト角度、半導体ウエハU表面との間隔および
プリズム31の平坦度を制御するようにしたが、その制
御を圧電素子に変わり調整ねじを用いて行うようにして
もよい。
【0084】また、プリズム保持手段に複数のセンサを
設けることで、ギャップだけでなく、平行度もモニタで
きるようにしてもよい。さらに、プリズム保持手段のプ
リズムを吸引保持する保持面に、吸引力を発生させるた
めに環状溝を形成するようにしてもよい。また、半導体
ウエハを試料保持手段の試料保持面に吸引保持する際、
環状溝ぬ吸引力を発生する順序は半導体ウエハのクセな
どに応じて適宜設定すればよい。
【0085】
【発明の効果】以上述べたように請求項1の発明によれ
ば、2つの部材をサブミクロンオ−ダの微小ギャップで
位置決めする場合、これら部材がたとえば非常に薄くて
撓みやすく、しかも少なくとも一方の部材の上下面が平
行平面に加工されていないような場合であっても、各部
材を平坦な吸着面に吸着保持するとともに、一方の部材
の他方の部材に対向する面を平行化できるから、上記2
つの部材を平行かつ微小ギャップで位置決めすることが
できる。
【0086】請求項2の発明によれば、試料保持手段に
よって保持された試料と、プリズム保持手段によって保
持されたプリズムとの間隔と平行度を設定する手段を有
し、しかも上記間隔と平行度を測定する手段およびその
測定結果に基づいてその間隔と平行度を制御する制御手
段を有するから、上記試料に対して上記プリズムを平行
かつサブミクロンの微細な間隔で高精度に設定すること
ができる。
【0087】それによって、上記試料の分析を、この試
料にプリズムを接触させずに行うことができるから、汚
染物質がプリズムに転移して分析に誤差が生じたり、汚
染物質の介在によって測定デ−タの再現性が得られない
などのことがなくなる。
【0088】請求項3の発明によれば、試料保持手段の
試料保持面に独立して吸引制御される複数の環状溝を設
けたことで、上記試料保持面に吸着保持される上記試料
の保持状態を制御できる。
【0089】そのため、上記試料保持面に対して上記試
料の中心部を吸着保持してから周辺部を吸着保持すれ
ば、その試料を上記試料保持面に対してたるみのない状
態で吸着保持することが可能となり、それによってプリ
ズムと試料との平行度やギャップを高精度に設定するこ
とができる。
【0090】請求項4の発明によれば、プリズム保持手
段のプリズムを保持するプリズム保持面が形成された保
持部材を、固定部と、この固定部の両端に湾曲可能に設
けられて駆動素子により湾曲させられる一対の可動部に
よって形成したことで、この可動部の湾曲状態によって
上記プリズム保持面に保持されたプリズムの試料に対向
する面を平坦面になるよう制御することができる。
【0091】そのため、プリズムを研磨加工する際、周
辺部のダレによって上下両面が凸面となっても、上記可
動部の揺動角度を制御することで、その上面を試料に対
して平行に対向するよう上記プリズム保持面に保持され
たプリズムの上面を平坦面に矯正することが可能とな
る。
【0092】請求項5の発明によれば、請求項3の保持
部材に、この保持部材に保持されたプリズムに測定光を
導入する導入窓およびプリズム内を全反射した上記測定
光を導出する導出窓を形成した。
【0093】そのため、保持部材のプリズム保持面に吸
着保持されたプリズムに対して測定光の導入および導出
を確実に行える。請求項6の発明によれば、ギャップ設
定手段は、ギャップ用駆動素子によって変位させること
ができる取付部を有し、この取付部にプリズム保持手段
を取り付けるようにした。
【0094】そのため、プリズム保持手段に保持された
プリズムを、試料保持手段に保持された試料に対して所
定の間隔となるように設定することができる。請求項7
の発明によれば、ギャップ設定手段は、試料保持手段に
試料を保持した後で、試料とプリズムとの間隔を検出す
るギャップセンサを有するから、試料保持手段に試料を
保持した後でも、試料とプリズムとの間隔を設定するこ
とが可能となる。
【0095】そのため、試料を試料保持面に保持してか
らでも、試料とプリズムとの間隔を設定することができ
るから、分析精度の向上を計ることができる。請求項8
の発明によれば、チルト調整手段が揺動方向を90度違
えた第1の揺動体と第2の揺動体とからなり、この第2
の揺動体にギャップ設定手段を取り付けたことで、この
ギャップ設定手段を介して保持手段の保持面に保持され
たプリズムの平行度を設定することができる。
【0096】請求項9の発明によれば、測定手段は、試
料保持面と、この試料保持面に形成された開口部から露
出したプリズムとの上面を走査することができる測定セ
ンサを有するから、上記試料保持面とプリズムとの上面
の平行度および変位量を検出することができる。
【0097】請求項10の発明によれば、試料に対して
平行度および変位量が設定されたプリズムに対して測定
光を入射させる光源と、プリズムから出射した測定光を
分析する分析装置とを有するから、上記試料をプリズム
と接触させることなく分析することができる。
【0098】請求項11の発明によれば、請求項1の発
明と同様、試料に対してプリズムを平行かつサブミクロ
ンの微細な間隔で高精度に設定することができる。それ
によって、上記試料の分析を、この試料にプリズムを接
触させずに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態の全体構成を示す縦断面
図。
【図2】同じく図1のII−II線に沿う断面図。
【図3】同じく全体の分解斜視図。
【図4】同じく制御ブロック図。
【図5】同じくチルト調整手段の揺動体の側面図。
【図6】(a)はプリズム保持手段の平面図、(b)は
同じく側面図。
【図7】(a)は試料保持手段の平面図、(b)は同じ
く側面図。
【図8】(a)は加工されたプリズムの側面図、(b)
はそのプリズムをプリズム保持面に着保持したときの説
明図、(c)プリズムの上面が平坦面になるよう矯正し
たときの説明図。
【図9】(a)は試料保持面とプリズム上面との変位状
態を測定するときの説明図、(b)はそのときの測定用
センサの出力の説明図、(c)は試料保持面とプリズム
上面とが平行かつ所定の間隔で設定されたときの測定用
センサの出力の説明図。
【図10】ギャップセンサによってプリズムと試料保持
面に保持された半導体ウエハとの間隔を測定する原理を
説明した説明図。
【図11】従来のATR法の説明図。
【符号の説明】
1…チルト調整手段、2…ギャップ設定手段、3…プリ
ズム保持手段、4…試料保持手段、5…測定手段、11
…第1の揺動体、12…第2の揺動体、11a、12a
…固定片、11b、12b…可動片、11d、12d…
揺動駆動素子、15…ブロック(ギャップ設定手段
の)、15a…基部、15b…取付部、18…ギャップ
駆動用素子、23…ベ−ス部材、23a…第2の通孔
(導入窓、導出窓)、24…保持部材、24a…固定
部、24b…可動部、24d…プリズム保持面、25…
矯正駆動素子、31…プリズム、37…光源、38…分
析装置、41…盤状体、41a…試料保持面、43a〜
43c…環状溝、55…テ−ブル、59…X可動体、6
2…Y可動体、66…測定用センサ、71…ギャップセ
ンサ、75…制御装置、U…半導体ウエハ(試料)、L
…赤外光(測定光)。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の部材の一面を第1の吸着面に吸着
    しこの第1の吸着面を変形させ上記第1の部材の他の一
    面を平坦にする第1の吸着手段と、 上記第1の吸着体が挿通される開口部が設けられた平坦
    な第2の吸着面に対し第2の部材の一面を吸着する第2
    の吸着手段と、 上記平坦にされた第1の部材の一面と上記平坦にされた
    第2の部材の一面とを平行にする平行化手段と、 上記平坦にされた第1の部材の一面と上記平坦にされた
    第2の部材の一面との距離を測定する測距手段と、 上記平坦にされた第1の部材の一面と上記平坦にされた
    第2の部材の一面とを接離する方向に変位させ上記測距
    手段からの上方に基づいて上記変位を停止する接離手段
    とを具備したことを特徴とするギャップ設定機構。
  2. 【請求項2】 プリズムに測定光を入射させ、このプリ
    ズムから出射する上記測定光のスペクトルから試料の表
    面を分析する試料分析装置において、 開口部を有し上面が上記試料を保持する試料保持面に形
    成された試料保持手段と、 上面を上記開口部に対向させて配置されその上面が上記
    プリズムを保持するプリズム保持面に形成されたプリズ
    ム保持手段と、 このプリズム保持手段に保持されたプリズムを上記開口
    部に臨ませた上記試料に対して接離する方向に変位さ
    せ、上記試料とプリズムとの間隔を設定するギャップ設
    定手段と、 上記試料と上記プリズムとの平行度を設定するチルト調
    整手段と、 上記試料を上記試料保持手段に保持する前に上記試料保
    持面と上記プリズム保持面に保持されたプリズムとの平
    行度および上記試料保持面と上記プリズムとの変位量と
    を測定する測定手段とこの測定手段の測定に基づいて上
    記試料保持面と上記プリズム保持面に保持されたプリズ
    ムとの平行度および上記試料保持面と上記プリズムとの
    変位量とを制御する制御手段とを具備したことを特徴と
    する試料分析装置。
  3. 【請求項3】 上記試料保持手段は、上面が上記試料保
    持面に形成された盤状体と、この試料保持面に形成され
    それぞれ独立して吸引制御される複数の環状吸引溝とを
    備えていることを特徴とする請求項2記載の試料分析装
    置。
  4. 【請求項4】 上記プリズム保持手段は、ベ−ス部材
    と、中央部が上記ベ−ス部材に接合される固定部に形成
    され両端部が上記固定部に対して湾曲自在に連結された
    可動部に形成されていて、上面が上記プリズム保持面に
    形成された保持部材と、この保持部材の一対の可動部を
    湾曲変位させて上記プリズム保持面に保持されたプリズ
    ムの上記試料に対向する面が平坦になるよう矯正する駆
    動素子とを備えていることを特徴とする請求項2記載の
    試料分析装置。
  5. 【請求項5】 上記保持部材には、上記プリズム保持面
    に保持されたプリズムの一端に測定光を導入する導入窓
    と、このプリズム内を反射し他端から出射する上記測定
    光を導出する導出窓が形成されていることを特徴とする
    請求項4記載の試料分析装置。
  6. 【請求項6】 上記ギャップ設定手段は、基部と、この
    基部に弾性的に変位可能に設けられ上記プリズム保持手
    段が取り付けられた取付部と、この取付部を変位させて
    上記プリズムを上記試料に対して所定の間隔に設定する
    ギャップ用駆動素子とを備えていることを特徴とする請
    求項2記載の試料分析装置。
  7. 【請求項7】 上記ギャップ設定手段には上記試料保持
    手段に試料を保持した後で、上記プリズムと上記試料と
    の間隔を検出するギャップセンサが設けられていること
    を特徴とする請求項2または請求項6記載の試料分析装
    置。
  8. 【請求項8】 上記チルト調整手段は、第1の揺動体と
    第2の揺動体とを有し、各揺動体は、固定片と、この固
    定片に対して一端が揺動可能に連結された可動片と、こ
    の可動片を揺動駆動する揺動用駆動素子とから構成さ
    れ、上記第1の揺動体の可動片と上記第2の揺動体の可
    動片とは揺動方向をほぼ90度ずらして配置されるとと
    もに、上記第2の揺動体の可動片には上記ギャップ設定
    手段が取り付けられることを特徴とする請求項2記載の
    試料分析装置。
  9. 【請求項9】 上記測定手段は、上記試料保持手段の上
    方に配置されたテ−ブルと、このテ−ブルに上記プリズ
    ムの長手方向と幅方向のうちの少なくとも長手方向に沿
    って走行自在に設けられた可動体と、この可動体に設け
    られ可動体の走行に応じて上記試料保持手段の保持面と
    この保持手段の開口部に露出した上記プリズムとの平行
    度および変位量を測定する測定センサとを具備したこと
    を特徴とする請求項2記載の試料分析装置。
  10. 【請求項10】 上記プリズムに入射する測定光を出射
    する光源と、上記プリズムから出射した測定光を受けて
    この測定光のスペクトルから上記プリズムに対向した試
    料の表面を分析する分析装置とを具備したことを特徴と
    する請求項2記載の試料分析装置。
  11. 【請求項11】 プリズムに測定光を入射させ、このプ
    リズムから出射する上記測定光のスペクトルから上記試
    料の表面を分析する試料分析方法において、 上記試料を保持する試料保持面と上記プリズムの上面と
    の平行度および変位量を測定する第1の工程と、 この第1の工程の測定結果に基づいて上記試料保持面と
    上記プリズムの上面との平行度を設定するとともに上記
    試料保持面に対して上記プリズムの上面を所定量下方に
    変位した位置に設定する第2の工程と、 上記試料保持面に上記試料を保持することで、この試料
    と上記プリズムとの互いに対向する面の間に上記試料保
    持面と上記プリズムとの上面の変位量に応じた間隔を形
    成する第3の工程とを具備したことを特徴とする試料分
    析定方法。
JP6325796A 1996-03-19 1996-03-19 ギャップ設定機構およびそれを用いた試料分析装置とその方法 Pending JPH09257700A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011237439A (ja) * 2011-06-23 2011-11-24 Canon Inc サンプル検出装置とそれを含む検体分析装置
JP2013140073A (ja) * 2012-01-04 2013-07-18 Sumitomo Chemical Co Ltd ハニカム構造体の封口部の検査装置及び検査方法
JP2022501587A (ja) * 2018-09-30 2022-01-06 アジレント・テクノロジーズ・インクAgilent Technologies, Inc. Atr結晶と試料との間の接触を自動化する方法及び装置

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