JPH09256012A - 高炉への微粉炭吹き込み方法および微粉炭吹込管 - Google Patents
高炉への微粉炭吹き込み方法および微粉炭吹込管Info
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- JPH09256012A JPH09256012A JP8065793A JP6579396A JPH09256012A JP H09256012 A JPH09256012 A JP H09256012A JP 8065793 A JP8065793 A JP 8065793A JP 6579396 A JP6579396 A JP 6579396A JP H09256012 A JPH09256012 A JP H09256012A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 微粉炭の燃焼率を向上させる微粉炭吹き込み
方法および微粉炭吹込管を提案する。 【解決手段】 高炉羽口内に、先端部の外径を局所的に
拡大して、あるいはさらに該先端部に切込みを設けた微
粉炭吹込管を挿入し、前記羽口から高炉内に吹き込まれ
る熱風中に微粉炭を、熱風の流速より小さい流速の搬送
ガスと共に吹き込んで、前記搬送ガスと熱風の境界に乱
流を生ぜしめ、燃焼率を向上させる。
方法および微粉炭吹込管を提案する。 【解決手段】 高炉羽口内に、先端部の外径を局所的に
拡大して、あるいはさらに該先端部に切込みを設けた微
粉炭吹込管を挿入し、前記羽口から高炉内に吹き込まれ
る熱風中に微粉炭を、熱風の流速より小さい流速の搬送
ガスと共に吹き込んで、前記搬送ガスと熱風の境界に乱
流を生ぜしめ、燃焼率を向上させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉への微粉炭の
吹き込み方法および微粉炭吹込管に関する。
吹き込み方法および微粉炭吹込管に関する。
【0002】
【従来の技術】高炉における微粉炭の吹き込みは、高炉
操業の安定化とともに、安価な微粉炭を吹き込むことで
コークス比を低減でき、コストを削減できることから、
国内外で行われている。微粉炭吹き込みは、一般的に
は、図6に示すように、微粉炭吹込管1をその先端が羽
口3先端より送風上流側になるように設置し、その吹込
管より微粉炭を搬送ガスとともに吹き込むことにより行
われる。吹込管より吹き込まれた微粉炭は羽口、レース
ウェイを飛翔している間に燃焼するが、その燃焼率が低
い場合には、十分な発熱量を得ることができず、期待し
たコークスに対する置換率が得られないことになる。ま
た、燃焼率の低下により多量の未燃焼チャーが発生し、
高炉下部での粉率を増加させるため、溶銑、溶滓の通液
性が悪化し、高炉操業に悪影響を及ぼすことになる。
操業の安定化とともに、安価な微粉炭を吹き込むことで
コークス比を低減でき、コストを削減できることから、
国内外で行われている。微粉炭吹き込みは、一般的に
は、図6に示すように、微粉炭吹込管1をその先端が羽
口3先端より送風上流側になるように設置し、その吹込
管より微粉炭を搬送ガスとともに吹き込むことにより行
われる。吹込管より吹き込まれた微粉炭は羽口、レース
ウェイを飛翔している間に燃焼するが、その燃焼率が低
い場合には、十分な発熱量を得ることができず、期待し
たコークスに対する置換率が得られないことになる。ま
た、燃焼率の低下により多量の未燃焼チャーが発生し、
高炉下部での粉率を増加させるため、溶銑、溶滓の通液
性が悪化し、高炉操業に悪影響を及ぼすことになる。
【0003】羽口内に吹き込まれた微粉炭は、送風され
る熱風6によって昇温し、揮発分を放出しながら着火燃
焼していく。しかし、その反応は微粉炭の羽口内におけ
る滞在時間にくらべて遅いので、微粉炭は殆ど燃焼しな
いままレースウェイに入る。このような状態では、酸素
は炉内のコークスによって消費されてしまうため、微粉
炭の燃焼に利用できる酸素が少なくなり、微粉炭の燃焼
率を低下させる原因となっていた。
る熱風6によって昇温し、揮発分を放出しながら着火燃
焼していく。しかし、その反応は微粉炭の羽口内におけ
る滞在時間にくらべて遅いので、微粉炭は殆ど燃焼しな
いままレースウェイに入る。このような状態では、酸素
は炉内のコークスによって消費されてしまうため、微粉
炭の燃焼に利用できる酸素が少なくなり、微粉炭の燃焼
率を低下させる原因となっていた。
【0004】微粉炭の燃焼率を向上させるために、微粉
炭の昇温を早め、微粉炭の揮発分の放出反応を促進し、
微粉炭の着火を早めて酸素が微粉炭によって優先的に消
費される状態を作ることが有効で、最も一般的には高送
風温度操業が考えられる。しかし、送風温度が設備的に
限界に達している場合や、高炉全体の熱バランスに制約
がある場合には、簡単には採用することができない。
炭の昇温を早め、微粉炭の揮発分の放出反応を促進し、
微粉炭の着火を早めて酸素が微粉炭によって優先的に消
費される状態を作ることが有効で、最も一般的には高送
風温度操業が考えられる。しかし、送風温度が設備的に
限界に達している場合や、高炉全体の熱バランスに制約
がある場合には、簡単には採用することができない。
【0005】特公平1−29847号公報には、微粉炭
吹き込みと同時にガス燃料の吹き込みを行う方法が提案
されている。微粉炭より着火の早いガス燃料の燃焼熱に
より微粉炭を昇温させ、微粉炭の燃焼率を向上させよう
とするものである。しかしながら、この方法では、常時
補助燃料ガスを用いる必要があり、特別に補助燃料ガス
の供給設備を準備しなければならないという問題があっ
た。
吹き込みと同時にガス燃料の吹き込みを行う方法が提案
されている。微粉炭より着火の早いガス燃料の燃焼熱に
より微粉炭を昇温させ、微粉炭の燃焼率を向上させよう
とするものである。しかしながら、この方法では、常時
補助燃料ガスを用いる必要があり、特別に補助燃料ガス
の供給設備を準備しなければならないという問題があっ
た。
【0006】また、特開平4−346610号公報に
は、先端部にコーン状の拡散体を設けた微粉炭吹き込み
ランスが提案されている。このコーン状の拡散体によ
り、吹き込まれた微粉炭を分散させ、微粉炭の燃焼率を
向上させようとするものである。しかしながら、このラ
ンス先端部に設けるコーン状の拡散体には、絶えず微粉
炭が衝突するため、摩耗し、吹き込みランスの寿命が短
いという問題があった。
は、先端部にコーン状の拡散体を設けた微粉炭吹き込み
ランスが提案されている。このコーン状の拡散体によ
り、吹き込まれた微粉炭を分散させ、微粉炭の燃焼率を
向上させようとするものである。しかしながら、このラ
ンス先端部に設けるコーン状の拡散体には、絶えず微粉
炭が衝突するため、摩耗し、吹き込みランスの寿命が短
いという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した問
題を有利に解決し、送風温度に制約を加えることなく、
また、特別な設備や消耗材料を必要とすることなく、さ
らに、微粉炭吹込管の寿命低下をきたすことなく、微粉
炭の燃焼率を向上させる微粉炭吹き込み方法および微粉
炭吹込管を提案することを目的とする。
題を有利に解決し、送風温度に制約を加えることなく、
また、特別な設備や消耗材料を必要とすることなく、さ
らに、微粉炭吹込管の寿命低下をきたすことなく、微粉
炭の燃焼率を向上させる微粉炭吹き込み方法および微粉
炭吹込管を提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】微粉炭吹込管をその先端
部が羽口先端より送風上流側となるように設置し、該吹
込管から微粉炭を搬送ガスとともに吹き込む。吹き込ま
れた微粉炭は、同時に吹き込まれた搬送ガスとともにし
だいに送風ガス(熱風)と混合するが、その混合速度
は、吹込管先端部で発生する乱流度に比例する。通常、
送風ガスは200m/sec、搬送ガスは数十m/se
c程度の流速で吹き込まれており、両者の間には流速差
がある。このため、吹込管先端部では、乱流状態になっ
ている。本発明者らは、この先端部に生じる乱流度を高
めることにより、微粉炭と送風ガスとの混合を促進する
ことができ、それにより、微粉炭の昇温を早め、燃焼率
を向上できることに思い至った。
部が羽口先端より送風上流側となるように設置し、該吹
込管から微粉炭を搬送ガスとともに吹き込む。吹き込ま
れた微粉炭は、同時に吹き込まれた搬送ガスとともにし
だいに送風ガス(熱風)と混合するが、その混合速度
は、吹込管先端部で発生する乱流度に比例する。通常、
送風ガスは200m/sec、搬送ガスは数十m/se
c程度の流速で吹き込まれており、両者の間には流速差
がある。このため、吹込管先端部では、乱流状態になっ
ている。本発明者らは、この先端部に生じる乱流度を高
めることにより、微粉炭と送風ガスとの混合を促進する
ことができ、それにより、微粉炭の昇温を早め、燃焼率
を向上できることに思い至った。
【0009】また、直管でできた微粉炭吹込管で吹き込
まれた場合には、吹き込まれた微粉炭は、吹込管先端の
r−θ断面でみると、図3(b)に示すように、吹込管
中心と同一の中心を持った円として存在している。この
場合、最も昇温しにくく燃焼しにくいのは、中心領域に
存在する微粉炭である。この微粉炭を昇温させ燃焼させ
るためには、送風ガスが中心まで拡散するか、中心領域
に存在する微粉炭が送風ガスとの界面まで拡散する必要
がある。中心領域に存在する微粉炭を周辺方向に拡散さ
せて燃焼率を高めようとするのが前記した特開平4−3
46610号公報記載の発明である。しかし、吹込管内
を流れてくる微粉炭の運動エネルギーは搬送ガスの運動
エネルギーに比較し著しく大きいため、吹込管先端に拡
散体を設けると、微粉炭は慣性により拡散体に衝突して
からその方向を変えることとなる。その際、拡散体は微
粉炭の衝突により摩耗し、吹込管の寿命が低下するため
好ましくない。
まれた場合には、吹き込まれた微粉炭は、吹込管先端の
r−θ断面でみると、図3(b)に示すように、吹込管
中心と同一の中心を持った円として存在している。この
場合、最も昇温しにくく燃焼しにくいのは、中心領域に
存在する微粉炭である。この微粉炭を昇温させ燃焼させ
るためには、送風ガスが中心まで拡散するか、中心領域
に存在する微粉炭が送風ガスとの界面まで拡散する必要
がある。中心領域に存在する微粉炭を周辺方向に拡散さ
せて燃焼率を高めようとするのが前記した特開平4−3
46610号公報記載の発明である。しかし、吹込管内
を流れてくる微粉炭の運動エネルギーは搬送ガスの運動
エネルギーに比較し著しく大きいため、吹込管先端に拡
散体を設けると、微粉炭は慣性により拡散体に衝突して
からその方向を変えることとなる。その際、拡散体は微
粉炭の衝突により摩耗し、吹込管の寿命が低下するため
好ましくない。
【0010】そこで、本発明者らは、燃焼に使われてい
ない、まだ酸素分圧の高い周辺の空気を微粉炭流の中心
へ拡散させ、さらに同時に、特開平4−346610号公報記
載の発明とは別の手段で微粉炭を周辺方向に拡散させる
ことを考えた。本発明者らは、微粉炭流中心への空気の
拡散と微粉炭の周辺方向への拡散を促進するためには、
微粉炭を搬送するガスと羽口内の熱風との境界に乱流を
生じさせるのが効果的で、そのために、上記搬送ガス流
速を羽口内熱風の流速より小さくするとともに、羽口内
熱風の流速を微粉炭吹込管先端部で局所的に増大すれば
よいことを見いだした。
ない、まだ酸素分圧の高い周辺の空気を微粉炭流の中心
へ拡散させ、さらに同時に、特開平4−346610号公報記
載の発明とは別の手段で微粉炭を周辺方向に拡散させる
ことを考えた。本発明者らは、微粉炭流中心への空気の
拡散と微粉炭の周辺方向への拡散を促進するためには、
微粉炭を搬送するガスと羽口内の熱風との境界に乱流を
生じさせるのが効果的で、そのために、上記搬送ガス流
速を羽口内熱風の流速より小さくするとともに、羽口内
熱風の流速を微粉炭吹込管先端部で局所的に増大すれば
よいことを見いだした。
【0011】本発明は、上記した知見に基づいて構成さ
れたものであり、すなわち、本発明は、高炉羽口内に微
粉炭吹込管を挿入し、前記微粉炭吹込管から微粉炭を搬
送ガスと共に、前記羽口から高炉内に吹き込まれる熱風
中に吹き込んで燃焼させる高炉への微粉炭吹き込み方法
において、前記搬送ガスの流速を羽口内における熱風の
流速より小さくし、かつ、前記微粉炭吹込管の先端部に
おいて局所的に熱風の流速を増大して前記搬送ガスと熱
風の境界に乱流を生ぜしめることを特徴とする高炉への
微粉炭吹き込み方法である。また、好ましくは、本発明
は、前記微粉炭吹込管の先端部の外径を局所的に拡大し
て、あるいはさらに該先端部に切込みを設けて、前記搬
送ガスと熱風の境界に乱流を生ぜしめることを特徴とす
る高炉への微粉炭吹き込み方法である。また、本発明
は、高炉羽口内へ挿入し、微粉炭を搬送ガスと共に、前
記羽口から高炉内に吹き込まれる熱風中に吹き込む微粉
炭吹込管で、搬送ガスと熱風の境界に乱流を生ぜしめる
ため、前記吹込管の先端部の外径を拡大し、あるいはさ
らに、該吹込管先端部に切込みを設けた高炉への微粉炭
吹込管である。
れたものであり、すなわち、本発明は、高炉羽口内に微
粉炭吹込管を挿入し、前記微粉炭吹込管から微粉炭を搬
送ガスと共に、前記羽口から高炉内に吹き込まれる熱風
中に吹き込んで燃焼させる高炉への微粉炭吹き込み方法
において、前記搬送ガスの流速を羽口内における熱風の
流速より小さくし、かつ、前記微粉炭吹込管の先端部に
おいて局所的に熱風の流速を増大して前記搬送ガスと熱
風の境界に乱流を生ぜしめることを特徴とする高炉への
微粉炭吹き込み方法である。また、好ましくは、本発明
は、前記微粉炭吹込管の先端部の外径を局所的に拡大し
て、あるいはさらに該先端部に切込みを設けて、前記搬
送ガスと熱風の境界に乱流を生ぜしめることを特徴とす
る高炉への微粉炭吹き込み方法である。また、本発明
は、高炉羽口内へ挿入し、微粉炭を搬送ガスと共に、前
記羽口から高炉内に吹き込まれる熱風中に吹き込む微粉
炭吹込管で、搬送ガスと熱風の境界に乱流を生ぜしめる
ため、前記吹込管の先端部の外径を拡大し、あるいはさ
らに、該吹込管先端部に切込みを設けた高炉への微粉炭
吹込管である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明では、高炉羽口内に微粉炭
吹込管を挿入し、前記微粉炭吹込管から微粉炭を搬送ガ
スと共に、前記羽口から高炉内に吹きまれる熱風中に吹
き込んで燃焼させる。微粉炭吹き込みは、図6に示すよ
うに、微粉炭吹込管1をその吹込管先端が羽口3先端よ
り送風上流側になるように設置する。
吹込管を挿入し、前記微粉炭吹込管から微粉炭を搬送ガ
スと共に、前記羽口から高炉内に吹きまれる熱風中に吹
き込んで燃焼させる。微粉炭吹き込みは、図6に示すよ
うに、微粉炭吹込管1をその吹込管先端が羽口3先端よ
り送風上流側になるように設置する。
【0013】本発明では、微粉炭吹込管から吹き込む搬
送ガスの流速を羽口内における熱風の流速より小さくす
る。該吹込管先端部では、乱流状態になり、微粉炭と熱
風との混合を促進することができる。さらに、微粉炭吹
込管の先端部において局所的に熱風の流速を増大して、
該吹込管先端部での乱流状態を増大させる。微粉炭吹込
管の先端部において局所的に熱風の流速を増大させる具
体的手段としては、該吹込管先端部の外径を局所的に拡
大するのがよい。また、さらに、該吹込管先端部の外径
を局所的に拡大したうえ、該外径の拡大部に切込みを入
れるのがよい。これにより、該吹込管先端部での乱流度
を高めることができ、拡散距離を短くすることができ
る。
送ガスの流速を羽口内における熱風の流速より小さくす
る。該吹込管先端部では、乱流状態になり、微粉炭と熱
風との混合を促進することができる。さらに、微粉炭吹
込管の先端部において局所的に熱風の流速を増大して、
該吹込管先端部での乱流状態を増大させる。微粉炭吹込
管の先端部において局所的に熱風の流速を増大させる具
体的手段としては、該吹込管先端部の外径を局所的に拡
大するのがよい。また、さらに、該吹込管先端部の外径
を局所的に拡大したうえ、該外径の拡大部に切込みを入
れるのがよい。これにより、該吹込管先端部での乱流度
を高めることができ、拡散距離を短くすることができ
る。
【0014】微粉炭吹込管先端部の外径を拡大する方法
は、内径一定にし、管肉厚を厚くしてもよいが、内・外
径ともに拡大しラッパ状とするか、あるいは、管長手方
向に切込みを入れ、外側に曲げ加工しても良い。微粉炭
吹込管1先端部の外径を拡大した場合、送風ガス(熱
風)6は、図1に示すように、該先端部の外径拡大部近
傍で、吹込管に沿って流れるため、吹込管先端部ではガ
スが集中し流速が速くなるとともに、r方向への速度成
分をも有するようになる。このため、先端部に外径拡大
部を有しない直管にくらべ、送風ガス(熱風)6と搬送
ガス5間の速度差が大きくなり、また、ガスの流れの方
向差も生じて、微粉炭吹込管先端で強い乱流が生じるこ
とになる。この場合、生ずる渦7は、r方向とz方向の
速度成分を有する。
は、内径一定にし、管肉厚を厚くしてもよいが、内・外
径ともに拡大しラッパ状とするか、あるいは、管長手方
向に切込みを入れ、外側に曲げ加工しても良い。微粉炭
吹込管1先端部の外径を拡大した場合、送風ガス(熱
風)6は、図1に示すように、該先端部の外径拡大部近
傍で、吹込管に沿って流れるため、吹込管先端部ではガ
スが集中し流速が速くなるとともに、r方向への速度成
分をも有するようになる。このため、先端部に外径拡大
部を有しない直管にくらべ、送風ガス(熱風)6と搬送
ガス5間の速度差が大きくなり、また、ガスの流れの方
向差も生じて、微粉炭吹込管先端で強い乱流が生じるこ
とになる。この場合、生ずる渦7は、r方向とz方向の
速度成分を有する。
【0015】また、微粉炭吹込管1先端部の外径を拡大
しさらに、外径拡大部に切込みを入れた場合には、送風
ガス(熱風)6は、図2(a)に示すように、該先端部
の外径拡大部近傍で、吹込管に沿って流れ、吹込管先端
でr方向とz方向の速度成分を有する渦7と、図2
(b)に示すように、送風ガス6の一部は切込みを通る
ため、切込み部でスパイラル状の渦7aを生じる。この
場合、先端部の外径拡大の度合いにより変化するが、生
じる渦7aは、図2(b)に示すように、基本的にr方
向とθ方向に速度成分を有する。このように、微粉炭吹
込管1先端部の外径を拡大しさらに、外径拡大部に切込
みを入れた場合には、微粉炭吹込管先端部に強い乱流状
態を作り出すことができ、強く複雑な渦を生じさせるこ
とができる。
しさらに、外径拡大部に切込みを入れた場合には、送風
ガス(熱風)6は、図2(a)に示すように、該先端部
の外径拡大部近傍で、吹込管に沿って流れ、吹込管先端
でr方向とz方向の速度成分を有する渦7と、図2
(b)に示すように、送風ガス6の一部は切込みを通る
ため、切込み部でスパイラル状の渦7aを生じる。この
場合、先端部の外径拡大の度合いにより変化するが、生
じる渦7aは、図2(b)に示すように、基本的にr方
向とθ方向に速度成分を有する。このように、微粉炭吹
込管1先端部の外径を拡大しさらに、外径拡大部に切込
みを入れた場合には、微粉炭吹込管先端部に強い乱流状
態を作り出すことができ、強く複雑な渦を生じさせるこ
とができる。
【0016】微粉炭吹込管先端部の外径を拡大しさら
に、外径拡大部に切込みを入れた微粉炭吹込管により吹
き込みを行った場合には、微粉炭の存在領域は、図3
(a)に示すように、菊型になる。菊型の存在領域は、
円形の存在領域にくらべ、周長が長く、したがって、微
粉炭と送風ガスとの接触面積も大きくなり昇温しやす
く、燃焼率も高くなる。この場合、最も燃焼しにくい部
分は、図3(a)のAの部分の微粉炭であるが、昇温、
燃焼のために必要な拡散距離はLであり、図3(b)に
示す直管の微粉炭吹込管による吹き込みの場合にくら
べ、短い。
に、外径拡大部に切込みを入れた微粉炭吹込管により吹
き込みを行った場合には、微粉炭の存在領域は、図3
(a)に示すように、菊型になる。菊型の存在領域は、
円形の存在領域にくらべ、周長が長く、したがって、微
粉炭と送風ガスとの接触面積も大きくなり昇温しやす
く、燃焼率も高くなる。この場合、最も燃焼しにくい部
分は、図3(a)のAの部分の微粉炭であるが、昇温、
燃焼のために必要な拡散距離はLであり、図3(b)に
示す直管の微粉炭吹込管による吹き込みの場合にくら
べ、短い。
【0017】
【実施例】内容積2584m3 、羽口数30本の高炉で
微粉炭の吹き込みを実施した。実施例および従来例とし
て用いた微粉炭吹込管の形状を、図4に示す。本発明
(実施例1)の微粉炭吹込管の形状を、図4(a)に示
す。外径27mm(肉厚3mm)のステンレス製直管を
用い、先端部を加熱し、円錐型工具(開き角度60度)
8に押し当て、先端を拡大して、微粉炭吹込管とした。
微粉炭の吹き込みを実施した。実施例および従来例とし
て用いた微粉炭吹込管の形状を、図4に示す。本発明
(実施例1)の微粉炭吹込管の形状を、図4(a)に示
す。外径27mm(肉厚3mm)のステンレス製直管を
用い、先端部を加熱し、円錐型工具(開き角度60度)
8に押し当て、先端を拡大して、微粉炭吹込管とした。
【0018】本発明(実施例2)の微粉炭吹込管の形状
を、図4(b)に示す。外径27mm(肉厚3mm)の
ステンレス製直管を用い、吹込管の先端円周上に高速カ
ッターで深さ12mmの切込みを等間隔に4か所入れ、
先端部を加熱し、円錐型工具(開き角度60度)8に押
し当て、先端を拡大して、微粉炭吹込管とした。従来例
の微粉炭吹込管の形状を、図4(c)に示す。外径27
mm(肉厚3mm)のステンレス製直管を用いて微粉炭
吹込管とした。
を、図4(b)に示す。外径27mm(肉厚3mm)の
ステンレス製直管を用い、吹込管の先端円周上に高速カ
ッターで深さ12mmの切込みを等間隔に4か所入れ、
先端部を加熱し、円錐型工具(開き角度60度)8に押
し当て、先端を拡大して、微粉炭吹込管とした。従来例
の微粉炭吹込管の形状を、図4(c)に示す。外径27
mm(肉厚3mm)のステンレス製直管を用いて微粉炭
吹込管とした。
【0019】通常操業として、送風温度730℃、羽口
先端での送風の流速170m/sec、出銑比1.4t
/m3 ・dで、燃料比570kg/t−pで操業した。
燃料比のうち微粉炭比は65kg/t−pとして、40
本の羽口に均等に吹き込んだ。微粉炭の吹き込みは、図
4(c)に示す形状の従来例の微粉炭吹込管を用いた。
なお、搬送ガスの流速は29m/secとした。
先端での送風の流速170m/sec、出銑比1.4t
/m3 ・dで、燃料比570kg/t−pで操業した。
燃料比のうち微粉炭比は65kg/t−pとして、40
本の羽口に均等に吹き込んだ。微粉炭の吹き込みは、図
4(c)に示す形状の従来例の微粉炭吹込管を用いた。
なお、搬送ガスの流速は29m/secとした。
【0020】炭材のコスト削減のため、同じ微粉炭吹込
管(図4(c))で、微粉炭比の増加を試みた。しか
し、図5に示すように、炉頂ダスト(ダスト比)が増加
し、高炉下部通気性(ΔP/V)が悪化し、それに伴い
荷下がりが不安定(スリップ回数)となり、さらに溶銑
温度が変動(R−HMT)した。この時、炉頂ダストを
顕微鏡で観察すると、微粉炭の未燃焼チャーが確認さ
れ、高炉炉下部通気性の悪化は炉下部に未燃焼チャーが
堆積したことによるものであることがわかった。
管(図4(c))で、微粉炭比の増加を試みた。しか
し、図5に示すように、炉頂ダスト(ダスト比)が増加
し、高炉下部通気性(ΔP/V)が悪化し、それに伴い
荷下がりが不安定(スリップ回数)となり、さらに溶銑
温度が変動(R−HMT)した。この時、炉頂ダストを
顕微鏡で観察すると、微粉炭の未燃焼チャーが確認さ
れ、高炉炉下部通気性の悪化は炉下部に未燃焼チャーが
堆積したことによるものであることがわかった。
【0021】そこで、休風時に、微粉炭吹込管を全数と
も図4(a)に示す本発明の微粉炭吹込管に交換し、操
業を行った。その結果、図5に示すように、微粉炭比を
100kg/t−pまでの高微粉炭比操業を行っても特
別な操業上の問題は発生しなかった。しかし、微粉炭比
を120kg/t−pまで増加すると、炉頂ダスト(ダ
スト比)が増加し、微粉炭の未燃焼チャーが確認され
た。
も図4(a)に示す本発明の微粉炭吹込管に交換し、操
業を行った。その結果、図5に示すように、微粉炭比を
100kg/t−pまでの高微粉炭比操業を行っても特
別な操業上の問題は発生しなかった。しかし、微粉炭比
を120kg/t−pまで増加すると、炉頂ダスト(ダ
スト比)が増加し、微粉炭の未燃焼チャーが確認され
た。
【0022】そこで、休風時に、微粉炭吹込管を全数と
も図4(b)に示す本発明の微粉炭吹込管に交換し、操
業を行った。その結果、図5に示すように、微粉炭比を
120kg/t−pまでの高微粉炭比操業を行っても特
別な操業上の問題は発生しなかった。本発明の微粉炭吹
込管は、従来の微粉炭吹込管にくらべ、未燃焼チャーの
発生が少なく、微粉炭の燃焼率が向上する。
も図4(b)に示す本発明の微粉炭吹込管に交換し、操
業を行った。その結果、図5に示すように、微粉炭比を
120kg/t−pまでの高微粉炭比操業を行っても特
別な操業上の問題は発生しなかった。本発明の微粉炭吹
込管は、従来の微粉炭吹込管にくらべ、未燃焼チャーの
発生が少なく、微粉炭の燃焼率が向上する。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、送風温度に制約を加え
ることなく、また、特別な設備や消耗材料を必要とする
ことなく、さらに、微粉炭吹込管の寿命低下をきたすこ
となく、微粉炭の昇温速度を早め、燃焼率を向上させる
ことができ、高炉操業の安定化、コスト削減に大きな寄
与を示す。
ることなく、また、特別な設備や消耗材料を必要とする
ことなく、さらに、微粉炭吹込管の寿命低下をきたすこ
となく、微粉炭の昇温速度を早め、燃焼率を向上させる
ことができ、高炉操業の安定化、コスト削減に大きな寄
与を示す。
【図1】本発明の一実施例である微粉炭吹込管先端部断
面での送風ガスの流動と、渦の発生を示す説明図であ
る。
面での送風ガスの流動と、渦の発生を示す説明図であ
る。
【図2】本発明の一実施例である微粉炭吹込管先端部で
の送風ガスの流動と、渦の発生を示す説明図であり、
(a)は、r−z面における断面図で、(b)はr−θ
面における平面図である。
の送風ガスの流動と、渦の発生を示す説明図であり、
(a)は、r−z面における断面図で、(b)はr−θ
面における平面図である。
【図3】微粉炭吹込管先端部のr−θ面における微粉炭
存在領域を示す説明図であり、(a)は図2の微粉炭吹
込管先端部における例であり、(b)は、従来例の直管
による微粉炭吹込管先端部における例である。
存在領域を示す説明図であり、(a)は図2の微粉炭吹
込管先端部における例であり、(b)は、従来例の直管
による微粉炭吹込管先端部における例である。
【図4】微粉炭吹込管先端部の形状と、製造方法を示す
説明図である。
説明図である。
【図5】本発明の実施例と従来例の微粉炭吹込管を用い
た高炉の操業状況を示すグラフである。
た高炉の操業状況を示すグラフである。
【図6】高炉羽口への微粉炭吹込み設備を示す説明図で
ある。
ある。
1 微粉炭吹込管 2 ブローパイプ 3 羽口 4 高炉炉体 5 気送微粉炭(搬送ガス+微粉炭) 6 送風ガス(熱風) 7 渦 7a 渦 8 円錐型工具
Claims (5)
- 【請求項1】 高炉羽口内に微粉炭吹込管を挿入し、前
記微粉炭吹込管から微粉炭を搬送ガスと共に、前記羽口
から高炉内に吹き込まれる熱風中に吹き込んで燃焼させ
る高炉への微粉炭吹き込み方法において、前記搬送ガス
の流速を羽口内における熱風の流速より小さくし、か
つ、前記微粉炭吹込管の先端部において局所的に熱風の
流速を増大して前記搬送ガスと熱風の境界に乱流を生ぜ
しめることを特徴とする高炉への微粉炭吹き込み方法。 - 【請求項2】 高炉羽口内に微粉炭吹込管を挿入し、前
記微粉炭吹込管から微粉炭を搬送ガスと共に、前記羽口
から高炉内に吹き込まれる熱風中に吹き込んで燃焼させ
る高炉への微粉炭吹き込み方法において、前記搬送ガス
の流速を羽口内における熱風の流速より小さくし、か
つ、前記微粉炭吹込管の先端部の外径を局所的に拡大し
て前記搬送ガスと熱風の境界に乱流を生ぜしめることを
特徴とする高炉への微粉炭吹き込み方法。 - 【請求項3】 高炉羽口内に微粉炭吹込管を挿入し、前
記微粉炭吹込管から微粉炭を搬送ガスと共に、前記羽口
から高炉内に吹き込まれる熱風中に吹き込んで燃焼させ
る高炉への微粉炭吹き込み方法において、前記搬送ガス
の流速を羽口内における熱風の流速より小さくし、か
つ、前記微粉炭吹込管の先端部の外径を局所的に拡大し
さらに該先端部に切込みを設けて前記搬送ガスと熱風の
境界に乱流を生ぜしめることを特徴とする高炉への微粉
炭吹き込み方法。 - 【請求項4】 高炉羽口内へ挿入し、微粉炭を搬送ガス
と共に、前記羽口から高炉内に吹き込まれる熱風中に吹
き込む微粉炭吹込管であって、前記吹込管の先端部の外
径を拡大したことを特徴とする微粉炭吹込管。 - 【請求項5】 前記微粉炭吹込管が、さらに、該吹込管
先端部に切込みを設けたことを特徴とする請求項4記載
の微粉炭吹込管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8065793A JPH09256012A (ja) | 1996-03-22 | 1996-03-22 | 高炉への微粉炭吹き込み方法および微粉炭吹込管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8065793A JPH09256012A (ja) | 1996-03-22 | 1996-03-22 | 高炉への微粉炭吹き込み方法および微粉炭吹込管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09256012A true JPH09256012A (ja) | 1997-09-30 |
Family
ID=13297272
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8065793A Pending JPH09256012A (ja) | 1996-03-22 | 1996-03-22 | 高炉への微粉炭吹き込み方法および微粉炭吹込管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09256012A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013095957A (ja) * | 2011-10-31 | 2013-05-20 | Jfe Steel Corp | 高炉操業方法 |
JP2014047390A (ja) * | 2012-08-31 | 2014-03-17 | Jfe Steel Corp | 高炉用微粉炭吹き込み装置および高炉内への微粉炭吹き込み方法 |
JP2016148090A (ja) * | 2015-02-13 | 2016-08-18 | Jfeスチール株式会社 | ランス及び高炉操業方法 |
-
1996
- 1996-03-22 JP JP8065793A patent/JPH09256012A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013095957A (ja) * | 2011-10-31 | 2013-05-20 | Jfe Steel Corp | 高炉操業方法 |
JP2014047390A (ja) * | 2012-08-31 | 2014-03-17 | Jfe Steel Corp | 高炉用微粉炭吹き込み装置および高炉内への微粉炭吹き込み方法 |
JP2016148090A (ja) * | 2015-02-13 | 2016-08-18 | Jfeスチール株式会社 | ランス及び高炉操業方法 |
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