JPH09255321A - シリカ−アルミナ複合酸化物及びその製造方法 - Google Patents
シリカ−アルミナ複合酸化物及びその製造方法Info
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- JPH09255321A JPH09255321A JP8096068A JP9606896A JPH09255321A JP H09255321 A JPH09255321 A JP H09255321A JP 8096068 A JP8096068 A JP 8096068A JP 9606896 A JP9606896 A JP 9606896A JP H09255321 A JPH09255321 A JP H09255321A
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Abstract
シリカ−アルミナ複合酸化物及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 核としてのアルミナ粒子の表面にシリカ
層を形成した構造を有し、細孔直径が80〜100Åの
範囲に細孔容積分布の主ピークを有するシリカ−アルミ
ナ複合酸化物であって、その 29Si−NMRスペクト
ルにおいて、−80〜−110ppmの範囲にピークを
有し、その主たるピークの極大点が−80〜−90pp
mの範囲に位置し、かつそのピークの半値巾が19pp
m以下であるシリカ−アルミナ複合酸化物の製造方法に
おいて、アルミナ水和物ゲル粒子をアンモニウム塩水溶
液中に分散させて撹拌処理後水中に分散させた水溶液に
ケイ酸ナトリウムを含む水溶液を添加混合してアルミナ
水和物ゲル表面にシリカ水和物ゲルを沈着させ40〜8
0℃で熟成し、熟成水溶液からそれに含まれるゲル粒子
を分離、水洗、乾燥し、必要に応じて焼成する。
Description
ナ粒子の表面上にシリカ層を形成した構造を有するシリ
カ−アルミナ複合酸化物及びその製造方法に関するもの
である。
た構造を有するシリカ−アルミナ複合酸化物は知られて
おり、このようなシリカ−アルミナ複合酸化物はその細
孔特性を利用して触媒担体として用いられている(特公
平5−39662号)。前記触媒担体として用いられて
いるシリカ−アルミナ複合酸化物は、その細孔容積の主
ピークが細孔直径が40〜60Åの範囲に存在し、その
平均細孔直径は64Å以下という小さいものである。一
方、特開平2−75341号公報にも、同様の構造を有
するシリカ−アルミナ複合酸化物が記載されている。こ
のシリカアルミナは、200Å以上の大孔径の細孔に富
むもので、その200Å以上の直径を有する細孔容積
が、全細孔容積の55%以上にも達するものである。シ
リカ−アルミナ複合酸化物を触媒担体として用いる場
合、その細孔特性は触媒性能に大きな影響を与え、前記
した如き細孔特性を有するシリカ−アルミナ複合酸化物
は、その細孔径が極端に小さすぎるか又は大きすぎるも
ので、特定の触媒反応にしか有効に使用することができ
ず、細孔容積分布の主ピークが80〜100Åの細孔直
径範囲に位置するシリカ−アルミナ複合酸化物の開発が
強く要望されている。また、アルミナ粒子表面にシリカ
層を形成させたシリカ−アルミナ複合酸化物において、
その表面特性は、アルミナ粒子表面に形成されたシリカ
層におけるシリカの分散性に依存し、従来のシリカ−ア
ルミナ複合酸化物の場合、シリカの分散性は不十分であ
るため、水熱安定性において未だ満足する特性を示すも
のではなく、また、触媒として用いる場合にその活性点
となる酸点の分布数及び分布均一性においても未だ満足
し得る特性を示すものではなかった。
子表面にシリカ層を有し、細孔直径が80〜100Åの
範囲に細孔容積分布の主ピークを有するシリカ−アルミ
ナ複合酸化物において、そのシリカ層におけるシリカの
分散性にすぐれたシリカ−アルミナ複合酸化物及びその
製造方法を提供することをその課題とする。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、核としてのアルミナ
粒子の表面にシリカ層を形成した構造を有し、細孔直径
が80〜100Åの範囲に細孔容積分布の主ピークを有
するシリカ−アルミナ複合酸化物であって、その 29S
i−NMRスペクトルにおいて、−80〜−110pp
mの範囲にピークを有し、その主たるピークの極大点が
−80〜−90ppmの範囲に位置し、かつそのピーク
の半値巾が19ppm以下であることを特徴とするシリ
カ−アルミナ複合酸化物が提供される。また、本発明に
よれば、核としてのアルミナ粒子の表面にシリカ層を形
成した構造を有し、細孔直径が80〜100Åの範囲に
細孔容積分布の主ピークを有するシリカ−アルミナ複合
酸化物であって、その 29Si−NMRスペクトルにお
いて、−80〜−110ppmの範囲にピークを有し、
その主たるピークの極大点が−80〜−90ppmの範
囲に位置し、かつそのピークの半値巾が19ppm以下
であるシリカ−アルミナ複合酸化物の製造方法におい
て、アルミナ水和物ゲル粒子をアンモニウム塩水溶液中
に分散させて撹拌処理する工程と、この撹拌処理された
アルミナ水和物ゲル粒子を水中に分散させる工程と、こ
のアルミナ水和物ゲル粒子を含む水溶液にケイ酸ナトリ
ウムを含む水溶液を添加混合してアルミナ水和物ゲル表
面にシリカ水和物ゲルを沈着させる工程と、このアルミ
ナ水和物ゲル表面にシリカ水和物ゲルが沈着した構造の
ゲル粒子を含む水溶液を40〜80℃で熟成する工程
と、この熟成工程で得られた水溶液からそれに含まれる
ゲル粒子を分離する工程と、この分離されたゲル粒子を
水洗する工程と、この水洗されたゲル粒子を乾燥し、必
要に応じて焼成する工程からなることを特徴とするシリ
カ−アルミナ複合酸化物の製造方法が提供される。本発
明においては、前記アルミナ水和物ゲル粒子としては、
水溶液中において酸性アルミニウム化合物と塩基性化合
物を反応させることによりアルミナ水和物ゲル粒子を含
む水溶液を生成させる工程と、このアルミナ水和物ゲル
粒子を含む水溶液を40〜80℃で熟成する工程と、こ
の熟成工程で得られた水溶液からそれに含まれるアルミ
ナゲル粒子を分離する工程を経て得られたアルミナゲル
粒子を用いることができる。
リカ分散性のすぐれたシリカ−アルミナ複合酸化物を製
造するには、先ず、水溶液中において酸性アルミニウム
化合物に塩基性化合物を反応させて、アルミナ水和物の
沈殿(アルミナヒドロゲル)を生成させる。酸性アルミ
ニウム化合物としては、アルミニウムの硫酸塩、塩化
物、硝酸塩等が用いられるが、好ましくは硫酸アルミニ
ウムが用いられる。塩基性化合物としては、アンモニア
水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム等が用いられるが、好ましくはアンモニア水である。
反応温度は常温〜40℃であり、反応圧力は常圧であ
る。
と塩基性化合物との反応を好ましく実施するには、あら
かじめ酸性アルミニウム化合物の水溶液を充填した反応
容器に対して、撹拌下において、塩基性化合物水溶液を
添加し、混合する。酸性アルミニウム化合物水溶液中の
アルミニウム化合物濃度は、特に制約されないが、通
常、酸化アルミニウム基準で0.5〜10重量%、好ま
しくは1〜8重量%である。塩基性化合物水溶液中の塩
基性化合物濃度は、0.1〜4規定、好ましくは0.5
〜2規定である。塩基性化合物水溶液の添加速度は、そ
の水溶液の添加開始から添加終了までの時間(添加時
間)で表わして、0.25〜2時間、好ましくは0.5
〜1時間である。このようにして反応を行うことによ
り、アルミナ水和物ゲル粒子(アルミナ水和物の沈殿)
を含むpH6.5〜9、好ましくは7〜8.5の水溶液
を得る。これによって、複合金属酸化物製造用のアルミ
ナ原料として好ましいアルミナ水和物ゲル粒子を含む水
溶液を得ることができる。
水溶液を加熱し、温度40〜80℃、好ましくは50〜
75℃に昇温し、この温度に保持して熟成する。その保
持時間は0.5〜10時間、好ましくは2〜5時間であ
る。このアルミナ水和物ゲル粒子は、濾過等の固液分離
手段により、液中から分離する。前記のようにして得ら
れたアルミナ水和物ゲル粒子は、本発明により、アンモ
ニウム塩水溶液中に分散し、撹拌処理する。撹拌温度
は、常温〜60℃、好ましくは30〜40℃である。撹
拌時間は0.5〜6時間、好ましくは1〜4時間であ
る。
えば、炭酸アンモニウム水溶液や炭酸水素アンモニウム
水溶液、カルバミン酸アンモニウム水溶液、塩化アンモ
ニウム水溶液、硝酸アンモニウム水溶液、硫酸アンモニ
ウム水溶液等が挙げられる。アンモニウム塩水溶液中に
おけるアンモニウムイオン濃度は、0.5〜2.0モル
/リットル、好ましくは1.0〜1.5モル/リットル
である。また、アルミナ水和物ゲル粒子1g(Al2O3
基準)当り、アンモニウムイオンは0.2〜1.0モ
ル、好ましくは0.3〜0.9モルの割合である。
溶液中で撹拌処理されたアルミナ水和物ゲルは、これを
液中から濾過等の固液分離法により分離した後、水中に
分散させる。水中のアルミナ水和物ゲル濃度は、Al2
O3換算量で、0.1〜1.0重量%、好ましくは0.
25〜0.80重量%である。
液に対し、複合化させるシリカに対応する水溶性ケイ素
化合物の水溶液を添加混合する。水溶性ケイ素化合物と
しては、アルカリ金属ケイ酸塩の使用が好ましい。アル
カリ金属ケイ酸塩としては、Na2O:SiO2のモル比
が1:2〜1:4の範囲にあるケイ酸ナトリウムの使用
が好ましい。水溶液中のケイ素化合物の濃度は、5〜1
0重量%、好ましくは6〜8重量%である。前記アルミ
ナ水和物ゲル粒子を含む水溶液に対するケイ素化合物の
添加量は、最終製品であるシリカ−アルミナ複合酸化物
の組成に対応する量である。アルミナ水和物ゲル粒子を
含む水溶液に対する水溶性ケイ素化合物の水溶液の添加
混合を好ましく行うには、アルミナ水和物ゲル粒子を含
む水溶液に対し、水溶性ケイ素化合物の水溶液を、1〜
60分、好ましくは10〜30分の添加時間で添加混合
させる。アルミナ水和物ゲル粒子を含む水溶液と水溶性
ケイ素化合物の水溶液との混合溶液は、pH6.5〜
9、好ましくはpH7〜8.5、より好ましくはpH約
8の条件に保持する。この場合、必要に応じて、鉱酸水
溶液や水酸化ナトリウム水溶液等のpH調節剤を添加
し、混合水溶液のpHを前記範囲に保持する。水溶性ケ
イ素化合物の添加終了後、混合水溶液を加熱し、温度4
0〜80℃、好ましくは50〜75℃に昇温し、この温
度に保持する。その保持時間は0.5〜10時間、好ま
しくは1〜5時間である。この操作により、アルミナ水
和物ゲル粒子上にシリカ水和物ゲルが沈着したゲル粒子
が得られる。このゲル粒子は、濾過等の固液分離手段に
より、液中から分離する。
子上にシリカ水和物ゲルが沈着した構造のゲル粒子が得
られるが、このゲル粒子は、これを濾過等の固液分離手
段により分離し、その分離されたゲル粒子をイオン交換
水を用いて洗浄し、得られた水洗物を乾燥し、必要に応
じて焼成する。乾燥は、酸素の存在下又は非存在下で常
温〜200℃の温度で行う。また、焼成は、酸素の存在
下で、450〜1200℃、好ましくは500〜800
℃で行う。このようにして、核としてのアルミナ表面上
にシリカ層が形成した構造を有するシリカ−アルミナ複
合酸化物を得ることができる。
ナ複合酸化物を製造する場合、アルミナ水和物ゲル粒子
を含む水溶液としては、市販のアルミナを水中に分散さ
せることによって形成したものを用いることができる。
市販のアルミナを原料として用いることにより、シリカ
−アルミナ複合酸化物を製造する工程を短縮化すること
ができる。本発明のシリカ−アルミナ複合酸化物中に含
まれるシリカ含有量は5〜30重量%、好ましくは6〜
20重量%である。
そのシリカ層におけるシリカの分散性の良好なもので、
その 29Si−NMRスペクトルにおいて、−80〜−
110ppmの範囲にピークを有し、その主たるピーク
の極大点の位置が−80〜−90ppmの範囲に位置
し、かつそのピークの半値巾が19ppm以下であるこ
とを特徴とする。
トルの測定装置及び測定条件は、以下の通りである。 (1)装置 測定に用いた核磁気共鳴分光(NMR)装置は、BRU
KER社製のDSX−400である。 (2)測定条件 基準物質として、3−(トリメチルシリル)プロパンス
ルホン酸ナトリウム〔(CH3)3SiC3H6SO3Na〕
(1.46ppm)を用い、 29Si−NMRスペクト
ルを測定した。また測定試料としては、調製後に焼成
し、湿度30%程度のデシケーター内で保管したものを
用いた。試料は7KHzで回転させた。図1に本発明の
シリカ−アルミナ複合酸化物の1つの実施例について得
られた29Si−NMRのスペクトル図を示す。図1にお
いて、Aはスペクトルのピークを示し、Pはそのピーク
の極大点を示し、Xはピークの半値巾を示す。半値巾X
は、ピークAの高さの1/2におけるピークの巾の値を
示す。 (3)データ処理条件 得られたNMRデータは、exponential型の
ウィンドウ処理を行っており、その係数は50Hzであ
る。
カ−アルミナ複合酸化物表面におけるシリカの分散状態
の指標を与えるものである。このスペクトルにおいて、
たとえば−90ppmを示すSiの化学シフトは、式
(1)
又は2個の−OAl、1個の−OSi及び1個の−OH
に結合するSiの化学シフトを示す。−95ppmを示
すSiの化学シフトは、式(2)
Siの化学シフト又は1個の−OAl、2個の−OSi
及び1個の−OHと結合するSiの化学シフトを示す。
化学シフトが−100ppm、−105ppmとなるに
従って、結合する−OSiの数が増加し、−110pp
mを示す化学シフトは、−OAlとは結合せずに4個の
−OSiのみに結合するSiの化学シフトを示す。
リカ−アルミナ複合酸化物において、そのシリカ層にお
けるシリカの分散性が良いということは、Siに結合す
る−OSiの数が少ないことを意味し、Siに結合する
−OSiの数が0個であるときにシリカの分散性が最も
高いことを示し、Siに結合する−OSiの数が4個
で、Siが4個の−OSiのみに結合するときには、即
ち、シリカ同志の結合のみのときには、シリカの分散性
が最も悪いことを示す。従って、シリカ−アルミナ複合
酸化物の 29Si−NMRスペクトルにおいて、−90
ppm又はその付近に強いスペクトル(シグナル)が得
られるときには、そのシリカの分散性が非常に良いこと
を意味し、−110ppm又はその付近に強いスペクト
ルが得られるときには、そのシリカの分散性が非常に悪
いことを意味する。
は、その 29Si−NMRスペクトルにおいて、−80
ppm〜−110ppmの範囲にピークを有し、その主
たるピークの極大点が−80ppm〜−90ppmの範
囲に位置し、かつそのピークの半値巾が19ppm以
下、好ましくは16ppm以下であることを特徴とし、
シリカ層におけるシリカの分散性が非常に良いものであ
る。
前記のように、そのシリカの分散性が非常に良く、Si
に結合する−OSiの数が少なく、つまりシリカ同志の
結合が非常に少ないことから、水熱安定性にすぐれると
ともに、多くの酸点(触媒における活性点)を有する。
また、シリカ同志の結合が非常に少ないことから、その
嵩密度も高められたものとなり、例えば、シリカ含有量
が6〜10重量%のシリカ−アルミナ複合酸化物粒子に
おいて、その粒径が30〜60メッシュの範囲において
粒子の嵩密度は、0.70g/cc以上、通常、0.7
0〜0.8g/ccの範囲にある。
ミナ複合酸化物の表面特性を示すと、以下の通りであ
る。 (1)細孔直径が80〜100Åの範囲に細孔容積分布
の主ピークを有する。 (2)その主ピークを含む80〜100Åの範囲の直径
を有する細孔の容積Aが、60〜200Åの範囲の直径
を有する細孔容積Bの30%以上、好ましくは40%以
上であり、かつ60〜200Åの直径を有する細孔容積
Bが、全細孔容積Tの50%以上、好ましくは75%以
上である。 (3)100〜200Åの範囲の直径を有する細孔容積
Cが、全細孔容積Tの40%以下、好ましくは25%以
下であり、また、その細孔容積Bの50%以下、好まし
くは25%以下である。 (4)比表面積が240m2/g以上、好ましくは30
0m2/g以上である。 (5)全細孔容積が0.65cc/g以上、好ましくは
0.8cc/g以上である。 (6)シリカ含有量が5〜30重量%、好ましくは6〜
20重量%である。
重質油分解用添加剤成分としてすぐれた効果を示す。本
発明のシリカ−アルミナ複合酸化物を用いて重質油分解
用添加剤を調製するには、シリカゾル液に、粘土(例え
ば、カオリン、ベントナイト、木節粘土等)及びシリカ
−アルミナ複合酸化物を添加し、均一に撹拌して分散液
を作る。この場合、粘土の平均粒径は、0.5〜5μ
m、好ましくは2〜3μmである。シリカ−アルミナ複
合酸化物の平均粒径は、0.5〜10μm、好ましくは
3〜7μmである。また、分散液中の全固形分濃度は、
10〜50重量%、好ましくは20〜30重量%であ
る。次に、このようにして得られた分散液を噴霧乾燥す
る。この場合の乾燥温度は、180〜300℃、好まし
くは200〜270℃である。この噴霧乾燥により添加
剤が粉末状で得られる。この粉末の平均粒径は、50〜
80μm、好ましくは55〜70μmである。また、こ
のようにして得られる乾燥品は、必要に応じ、300〜
700℃、好ましくは400〜600℃に焼成して用い
ることができ、さらに、これらの粉末状の添加剤は、必
要に応じ、押出成形等により成形し、顆粒状、球状、筒
状、棒状等の形状の成形品とすることもできる。
ナ複合酸化物の含有量は、5〜70重量%、好ましくは
10〜60重量%であり、その粘土の含有量は、10〜
70重量%、好ましくは20〜60重量%である。シリ
カの含有量は、10〜30重量%、好ましくは15〜2
5重量%であり、その粘土分を除く全ケイ素の含有量
は、SiO2換算量で、10〜60重量%、好ましくは
20〜50重量%の範囲に規定するのがよい。全ケイ素
の含有量が前記範囲より多くなると、添加剤の水熱安定
性が悪くなり、一方、前記範囲より少なくなると重質成
分に対する分解活性が低下する。
〜80m2/g、好ましくは40〜60m2/gであり、
その全細孔容積Tは0.14〜0.45ml/g、好ま
しくは0.20〜0.40ml/gである。また、細孔
直径が80〜100Åの細孔容積Aは、全細孔容積Tの
10%以上、好ましくは15%以上であり、かつ60〜
200Åの範囲の直径を有する細孔容積Bの15%以
上、好ましくは20%以上である。また、細孔容積Bは
全細孔容積Tの45%以上、好ましくは60%以上であ
る。細孔直径が100〜200Åの細孔容積Cは全細孔
容積Tの30%以上、好ましくは40%以上である。そ
のC/Bの比は50〜70%、好ましくは55〜65%
である。また、この添加剤は80〜120Åの範囲に細
孔容積分布の主ピークを有する。
と、それに応じて全酸量も多くなる傾向を示すが、その
比表面積及び全酸量が前記範囲を超えるようになると、
重質油分解触媒に対する実質的添加効果が得られなくな
り、重質油分解触媒を単独で使用した場合に比較して、
転化率、ナフサ収率及びLCO(ライトサイクルオイ
ル)収率の実質的向上を示さない。また、この添加剤
は、0.14〜0.45ml/gの全細孔容積を有する
が、その細孔直径が60〜200Åの比較的大きな細孔
の容積は、全細孔容積に対して10%以上に保持され、
それより小さくなると、コーク生成防止効果が不十分な
ものとなる。
件により調節することができる。例えば、比表面積及び
全細孔容積は添加する複合金属酸化物の比表面積を調節
することやその粒径を調節してシリカゾルとの反応性を
調節することにより調節することができる。
させて使用することができる他、従来公知の重質油分解
触媒に混合して用いることができる。この添加剤は、粉
末状でFCC触媒に混入して用いるのが好ましい。FC
C触媒は、多孔性無機酸化物とゼオライトから構成され
るもので、その多孔性無機酸化物としては、シリカ−ア
ルミナ複合酸化物、シリカ−ジルコニア、シリカ−マグ
ネシア等が用いられている。本発明のシリカ−アルミナ
複合酸化物を含有する添加剤は、特に、ゼオライト、シ
リカ、アルミナ、カオリンから構成されるFCC触媒に
対して適用するのが好ましい。本発明の添加剤のFCC
触媒に対する添加量は、FCC触媒100重量部に対し
て、2〜30重量部、好ましくは4〜20重量部の割合
量である。
お、以下において示す%は重量%である。
入し、これに硫酸アルミニウムをAl2O3換算量で9.
7gを添加し、溶液の温度を30℃に保持して撹拌し
て、硫酸アルミニウム水溶液(pH:3.0)を作っ
た。次に、前記のようにして得た硫酸アルミニウム水溶
液を激しく撹拌しながら、この水溶液に、1規定のアン
モニア水を混合溶液のpHが8.0となるまで約0.5
時間をかけて添加し(アンモニア水の添加速度:20m
l/分)、白色のアルミナ水和物ゲル粒子(沈殿)を生
成させた。
液を30分かけて60℃に昇温し、この温度において3
時間保持して熟成した後、濾過し、得られた濾過ケーキ
を、濃度6%の炭酸アンモニウム水溶液0.75リット
ル中に分散させ、30℃で60分間撹拌処理した。次
に、この撹拌処理されたアルミナ水和物ゲルを含む溶液
を濾過し、得られた濾過ケーキを30℃のイオン交換水
0.75リットル中に分散させ、このアルミナ水和物ゲ
ル粒子を含むスラリー溶液に、撹拌下、水ガラス3号
(SiO2含有量:29wt%)のイオン交換水溶液
(SiO2含有量:6wt%)を、シリカ含量が6%の
シリカ−アルミナ複合酸化物を得るために、SiO2と
して0.62gとなるように、約2分をかけて添加した
(添加速度:10ml/分)。次に、この溶液を30分
かけて60℃に昇温し、この温度において3時間保持し
て熟成した。これにより、アルミナ水和物ゲル粒子の表
面にシリカ水和物が沈着したゲル粒子を含むスラリー液
が得られた。このスラリー溶液を濾過し、得られた濾過
ケーキを、水洗し、120℃で15時間乾燥し、乾燥固
体(シリカ含有量6%のシリカ−アルミナ複合酸化物)
を得た。この乾燥固体を500℃で3時間空気中で焼成
した。
ミナ複合酸化物を得るために、水ガラス3号水溶液の量
をSiO2として1.1g用いた以外は同様にして実験
を行った。
拌処理を実施しない以外は同様にして実験を行った。
イオン交換水を用いた以外は同様にして実験を行った。
入し、これに硫酸アルミニウムをAl2O3換算量で9.
7gを添加し、溶液の温度を30℃に保持して撹拌し
て、硫酸アルミニウム水溶液(pH:3.0)を作っ
た。次に、前記のようにして得た硫酸アルミニウム水溶
液を激しく撹拌しながら、この水溶液に、1規定のアン
モニア水を混合溶液のpHが8.0となるまで約0.5
時間をかけて添加し(アンモニア水の添加速度:20m
l/分)、白色のアルミナ水和物ゲル粒子(沈殿)を生
成させた。
和物ゲル粒子を含むスラリー溶液に、撹拌下、水ガラス
3号(SiO2含有量:29wt%)のイオン交換水溶
液(SiO2含有量:6wt%)を、シリカ含量が6%
のシリカ−アルミナ複合酸化物を得るために、SiO2
として1.1gとなるように、約2分をかけて添加した
(添加速度:10ml/分)。次に、溶液を30分かけ
て60℃に昇温し、この温度において3時間保持した。
これにより、アルミナ水和物ゲル粒子の表面にシリカ水
和物が沈着したゲル粒子を含むスラリー液が得られた。
このスラリー溶液を濾過し、得られた濾過ケーキを、濃
度6%の炭酸アンモニウム水溶液中に分散させ、温度3
0℃で90分間撹拌処理した。次に、前記撹拌処理され
たスラリー液を濾過し、得られた濾過ケーキを水洗し
た。次に、このようにして得たケーキを、120℃で1
5時間乾燥し、乾燥固体(シリカ含有量10重量%のシ
リカ−アルミナ複合酸化物)を得た。この乾燥固体を5
00℃で3時間空気中で焼成した。
拌処理を実施しない以外は同様にして実験を行った。
オン交換水を用いた以外は同様にして実験を行った。
得られたシリカ−アルミナ複合酸化物(500℃焼成
品)について、その 29Si−NMRスペクトルを測定
し、その結果を表1に示すとともに、その表面性状を測
定し、その結果を表2及び表3に示す。なお、表2〜表
3に示した符号は次の内容を示す。 A:80〜100Åの範囲の直径を有する細孔の容積 B:60〜200Åの範囲の直径を有する細孔の容積 C:100〜200Åの範囲の直径を有する細孔の容積 T:全細孔容積
孔容積は以下のようにして測定されたものである。 (比表面積)試料0.2gを200℃、1×10-3トー
ルの条件下に1時間保持した後、液体窒素温度(77
K)にて窒素ガスの吸着を行い、その吸着量を用いて比
表面積を求めた。その算出にはBET法を用いた。 (細孔容積)上記比表面積測定に続いて、液体窒素温度
(77K)にて、窒素ガスを相対圧1.0まで吸着した
後、窒素ガスの脱着を相対圧0.14まで行い、その脱
着量を用いて細孔容積を求めた。その算出には、BJH
法を用いた。なお、前記比表面積及び細孔容積の測定に
おいては、直径10Å以下の微小細孔は無視されてい
る。
を含む重質油分解用添加剤の調製例及びその性能実験例
を以下に示す。
H:12)660gを2規定の硫酸に添加して、そのp
Hを3に調節してシリカゾルを得た。次に、このシリカ
ゾル液1180gに、カオリン100g、実施例1で得
たシリカ−アルミナを乾燥重量換算で300g添加し、
均一に分散させた後、噴霧乾燥し、表4に示す組成及び
細孔特性を有する平均粒径60μmの添加剤Aを得た。
比較例1のシリカ−アルミナを使用した以外は同様にし
て実験を行って比較用の添加剤Bを得た。
比較例5のシリカ−アルミナを使用した以外は同様にし
て実験を行って、比較用の添加剤Cを得た。
各添加剤A、B及びCの500℃焼成品及び760℃で
のスチーム処理品について、その比表面積及び酸量を測
定し、両者の比率から残存率を算出した。その結果を表
4に示す。
ようにして測定されたものである。 (酸量)試料0.5gを400℃、1×10-4トールの
条件下に4時間保持した後、アンモニアガスを吸着さ
せ、その際に発生する吸着熱を測定し、その吸着熱が7
0KJ/mol以上のアンモニア吸着量を全酸量とし
た。なお、本測定は、東京理工社製、「吸着熱測定装
置」を用いて行った。
テストを以下のようにして行った。 (触媒活性テスト)前記各添加剤A、B及びCの性能試
験を行うために、添加剤A、B及びCをFCC触媒に均
一に混合した後、この触媒組成物をマイクロアクティビ
ティテスト(MAT)装置を用い、同一原料油、同一条
件で流動接触分解反応を行った。その結果を表5に示
す。FCC触媒に対する添加剤の添加量は、FCC触媒
100重量部に対し、10重量部とした。前記原料重質
油としては、脱硫VGOを用いた。また、試験に先立
ち、FCC触媒と添加剤からなる触媒組成物は、650
℃で1時間焼成した後、760℃で16時間100%ス
チーム雰囲気で処理した。
は以下の通りであった。 (1)反応温度:510℃ (2)反応圧力:常圧 (3)触媒組成物/油比:2.5〜4.5wt/wt (4)接触時間:32hr-1
いて、A、B、C、T、ピーク位置及び平均細孔直径の
内容は次の通りである。 A:直径80〜100Åの細孔容積 B:直径60〜200Åの細孔容積 C:直径100〜200Åの細孔容積 T:全細孔容積 ピーク位置:細孔容積のピークを示す細孔の直径(Å)
を示す。 平均細孔直径:細孔の形状を円柱状と仮定して、4×細
孔容積/比表面積により算出した。
上昇は、添加剤を添加しないFCC触媒を用いた転化率
を基準にし、FCC触媒に添加剤を添加した触媒組成物
を用いた転化率の測定値から、その基準転化率の値を差
引いた値である。
そのシリカ分散性の良好なもので、水熱安定性にすぐれ
るとともに、酸点の分布特性にすぐれ、固体酸触媒とし
てすぐれた活性を示す。また、本発明のシリカ−アルミ
ナ複合酸化物は、細孔直径が80〜100Åの範囲に細
孔容積分布の主ピークを有するもので、FCC触媒に対
する添加剤や、水素化処理触媒における触媒担体等とし
て有利に用いることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 核としてのアルミナ粒子の表面にシリカ
層を形成した構造を有し、細孔直径が80〜100Åの
範囲に細孔容積分布の主ピークを有するシリカ−アルミ
ナ複合酸化物であって、その 29Si−NMRスペクト
ルにおいて、−80〜−110ppmの範囲にピークを
有し、その主たるピークの極大点が−80〜−90pp
mの範囲に位置し、かつそのピークの半値巾が19pp
m以下であることを特徴とするシリカ−アルミナ複合酸
化物。 - 【請求項2】 核としてのアルミナ粒子の表面にシリカ
層を形成した構造を有し、細孔直径が80〜100Åの
範囲に細孔容積分布の主ピークを有するシリカ−アルミ
ナ複合酸化物であって、その 29Si−NMRスペクト
ルにおいて、−80〜−110ppmの範囲にピークを
有し、その主たるピークの極大点が−80〜−90pp
mの範囲に位置し、かつそのピークの半値巾が19pp
m以下であるシリカ−アルミナ複合酸化物の製造方法に
おいて、アルミナ水和物ゲル粒子をアンモニウム塩水溶
液中に分散させて撹拌処理する工程と、この撹拌処理さ
れたアルミナ水和物ゲル粒子を水中に分散させる工程
と、このアルミナ水和物ゲル粒子を含む水溶液にケイ酸
ナトリウムを含む水溶液を添加混合してアルミナ水和物
ゲル表面にシリカ水和物ゲルを沈着させる工程と、この
アルミナ水和物ゲル表面にシリカ水和物ゲルが沈着した
構造のゲル粒子を含む水溶液を40〜80℃で熟成する
工程と、この熟成工程で得られた水溶液からそれに含ま
れるゲル粒子を分離する工程と、この分離されたゲル粒
子を水洗する工程と、この水洗されたゲル粒子を乾燥
し、必要に応じて焼成する工程からなることを特徴とす
るシリカ−アルミナ複合酸化物の製造方法。
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