JPH09254620A - 自動車のサスペンションアーム用部材 - Google Patents

自動車のサスペンションアーム用部材

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JPH09254620A
JPH09254620A JP6581396A JP6581396A JPH09254620A JP H09254620 A JPH09254620 A JP H09254620A JP 6581396 A JP6581396 A JP 6581396A JP 6581396 A JP6581396 A JP 6581396A JP H09254620 A JPH09254620 A JP H09254620A
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錬太郎 加藤
Shunta Shioda
俊太 潮田
Masatoshi Enomoto
正敏 榎本
Sadao Kokubo
貞男 小久保
Masaharu Tochigi
正晴 栃木
Yasuo Shiozawa
康夫 塩沢
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Sumitomo Riko Co Ltd
Showa Aluminum Corp
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  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブッシュと保持部との間の寸法精度の厳格性
を緩和でき、製作コストが安く、かつ長尺のものにも対
応できる自動車のサスペンションアーム用部材の提供を
目的とする。 【解決手段】 アルミニウム押出形材を軸方向に所要厚
さに切断されてなり、部材本体10の長さ方向の少なくと
も片端に円筒型ブッシュ40を装着するブッシュ装着部1
が一体的に形成された自動車のサスペンションアーム用
部材A である。前記ブッシュ装着部1 は、ブッシュ40が
嵌め込まれる保持部2 を備え、前記保持部2 に軸方向に
延びる開口部3 が形成され、該開口部3 において前記保
持部2 が拡開状態に開口可能となされるとともに、開口
部3 を閉塞状態に保持して保持部2内周面をブッシュ40
外周面に密着させることにより、ブッシュ40が嵌着固定
される巻締め式である。また、前記開口部3 の両方の開
口縁部またはその近傍に、一対の結合部4,5 が周方向対
向配置に設けられ、これら結合部4,5 が塑性変形を利用
した結合構造を介して結合されることにより、開口部3
を閉塞状態に保持するものとなされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アルミニウムか
らなる自動車のサスペンションアーム用部材に関する。
【0002】なお、この明細書において、アルミニウム
の語はアルミニウムおよびその合金を含む意味で用い
る。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】図17
に示すように、アッパーアーム、ロアアーム、トーショ
ンバー等の自動車のサスペンションアームを構成するサ
スペンションアーム用部材(50)は、棒状その他の形状か
らなる部材本体(51)と、その一部に円筒型の防振ブッシ
ュ(40)を装着するための円形の装着孔(52)を有する保持
部(53)とにより構成されている。そして、前記ブッシュ
(40)としては、中心に位置する支軸部材(41)と、該支軸
部材(41)の周囲に配設されるとともに外径が装着孔(52)
径よりもわずかに大きく設定された剛性スリーブ(42)と
が、それらの間に介挿されたゴム弾性体(43)によって連
結されたものが一般に用いられ、該ブッシュ(40)を前記
装着孔(52)に圧入することによりサスペンションアーム
用部材(50)に装着固定される。
【0004】上述のようなサスペンションアーム用部材
(50)は、従来、鉄系材料により全体を板金プレスにより
製作するか、あるいは部材本体が長尺の場合は、パイプ
または板からなる部材本体(51)と、別途プレスまたは鋳
造により作製した保持部(53)とを溶接することにより製
作していた。しかし、鉄系材料は重量であり、その上溶
接の場合はコスト高にもなるという欠点があった。
【0005】そこで、近年では、軽量のアルミニウム材
料で構成したサスペンションアーム用部材も用いられる
ようになっている。アルミニウムの場合は、展延性が良
好であることから専ら中空または中実の押出材が用いら
れる。中空押出材の場合は、図17と同様の中空部(装
着孔)を有する断面形状に押出したのち、軸方向に所要
厚さにスライス切断してサスペンションアーム用部材が
製作される。また、中実押出材の場合は、図18に示す
ように保持部(53') を中実とした押出材を所要厚さにス
ライス切断したのち、装着孔を切削形成してサスペンシ
ョンアーム用部材が製作される。
【0006】しかしながら、上記のような圧入式のブッ
シュは、圧入作業の容易性と圧入後のブッシュと保持部
との密着性が相反するが故に、アルミニウム製サスペン
ションアーム用部材においても次のような問題点があっ
た。
【0007】即ち、中空押出材を用いた場合には、ブッ
シュ(40)とサスペンションアーム用部材(51)の保持部(5
3)との密着性を確保できるようにこれらの寸法を設定す
ると、ブッシュ圧入時に保持部(53)の内周面にかじりを
生じたり、押出時の溶着部相当部位に割れが生じること
があった。また、押出材では、装着孔(52)の孔径および
真円度を所要の公差精度に製作することが困難であるた
め、中空押出材であっても押出後に保持部(53)の内周面
を切削する必要があり、コスト高になっていた。
【0008】一方、中実押出材を使用する場合は、孔あ
けのための工数が中空押出材の後加工よりも格段に多
く、やはりコストの点で大きな問題があった。
【0009】また、いずれの押出材の場合にも、押出機
やダイスの寸法的な制限から、長尺のサスペンションア
ーム用部材の製作には限界があった。
【0010】この発明は、このような技術的背景に鑑み
てなされたものであって、ブッシュと保持部との間の寸
法精度の厳格性を緩和できるのはもとより、製作コスト
が安く、かつ長尺のものにも対応できる自動車のサスペ
ンションアーム用部材の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明に係る自動車のサスペンションアーム用部
材は、基本的に、押出形材を使用するとともに、ブッシ
ュの固定方式として巻締め式を採用することにより、ブ
ッシュと保持部の寸法精度の厳格性を緩和するとともに
製作工数を減らし、かつ押出加工と展開加工とを組合わ
せることにより長尺のアームへの対応を可能としたもの
である。
【0012】即ち、この発明は、アルミニウム押出形材
を軸方向に所要厚さに切断されてなり、部材本体(10)の
少なくとも一部に円筒型防振ブッシュ(40)を装着するブ
ッシュ装着部(1) が形成された自動車のサスペンション
アーム用部材(A) において、前記ブッシュ装着部(1)
は、前記ブッシュ(40)が嵌め込まれる保持部(2) を備
え、前記保持部(2) の周方向の一箇所に軸方向に延びる
開口部(3) が形成され、該開口部(3) において前記保持
部(2) が拡開状態に開口可能となされるとともに、開口
部(3) を閉塞状態に保持して保持部(2) 内周面を前記ブ
ッシュ(40)の外周面に密着せしめることにより、ブッシ
ュ(40)が保持部(2) 内に嵌着固定されるものとなされた
巻締め式の装着部であって、前記開口部(3) の両方の開
口縁部またはその近傍に、外周面上に突出する一対の結
合部(4)(5)が周方向対向配置に設けられ、これら結合部
(4)(5)が塑性変形を利用した結合構造を介して結合され
ることにより、開口部(3) を閉塞状態に保持するものと
なされている、ことを特徴とするものである。
【0013】このように、塑性変形を利用してブッシュ
装着部(1) の結合部(4)(5)を結合させるものであるか
ら、結合部に形状や寸法の誤差があっても、該誤差を吸
収するように塑性変形させれば良く、厳格な精度は不要
となる。また、押出形材をスライス切断するだけである
から、製作工数も少ない。
【0014】具体的な結合構造として、一方の結合部
(5) に、他方の結合部(4) に向かって突出する潰し部
(6) が設けられる一方、他方の結合部(4) の前記潰し部
(6) に対応する位置に、深さ方向に向かって開口面積が
大となされた拡大部(7a)を有する食込み凹部(7) が形成
され、該食込み凹部(7) に前記潰し部(6) が嵌入されか
つ前記拡大部(7a)に食込んで抜止め状態に塑性変形され
ることにより、両結合部(4)(5)が結合されるものとなさ
れている場合を挙げ得る。かかる結合構造を採用した場
合には、結合部(4)(5)相互が直接的に結合され、効率的
な結合作業により強固な結合強度が得られるものとな
る。
【0015】また、結合構造の他の例として、前記各結
合部(14)(15)に潰し部(16)が突設されまたは食込み凹部
(17)が形成されるとともに、結合部(14)(15)の前記潰し
部(16)に対応して食込み凹部(17)が形成されまたは結合
部の前記食込み凹部に対応して潰し部が形成された連結
体(18)が、両結合部(14)(15)の間に配置され、かつ前記
食込み凹部(17)は深さ方向に向かって開口面積が大とな
された拡大部(17a) を有し、前記連結体(18)の食込み凹
部(17)に結合部(14)(15)の潰し部(16)が嵌入されかつ前
記拡大部(17)に食込んで抜止め状態に塑性変形されるこ
とにより、または結合部の食込み凹部に連結体の潰し部
が嵌入されかつ前記拡大部に食込んで抜止め状態に塑性
変形されることにより、両結合部(14)(15)が連結体(18)
を介して結合されるものとなされている場合を挙げ得
る。この場合には、各結合部(14)(15)に設けた食込み凹
部あるいは潰し部(17)の寸法に誤差を生じても、連結体
(18)に設ける潰し部あるいは食込み凹部(17)の位置を調
整することによりこれが吸収され、サスペンションアー
ム用部材のブッシュ装着部の寸法精度の厳格性が益々不
要となる。
【0016】また、結合構造のさらに他の例として、前
記両結合部(24)(25)が重ね合わされた状態でその一部が
剪断方向に変形されることにより接合されるものとなさ
れている場合を挙げ得る。この場合には、結合部(24)(2
5)に食込み凹部や潰し部を設ける必要がないから、結合
部(24)(25)の断面形状の単純化かつ薄肉化が可能とな
る。
【0017】さらに、前記押出形材として、横断面にお
いて部材本体(10)に少なくとも1つの円弧状ないしV字
状に屈曲したコーナー部(31)を有するものを使用する場
合は、該押出形材を軸方向に所要厚さに切断したのち
に、前記コーナー部(31)を直線状に展開加工することが
でき、長尺のサスペンションアーム用部材にも対応でき
る。
【0018】
【発明の実施の形態】この発明の自動車のサスペンショ
ンアーム用部材の種々の実施形態について、図面を参照
しつつ詳述する。
【0019】[第1の実施形態]図1乃至図5は、この
発明の第1の実施形態を示すものである。
【0020】これらの図において(A) は自動車のサスペ
ンションアーム用部材であり、図1に示す断面形状のア
ルミニウム押出形材を軸方向において所定厚さに切断す
ることにより製作されたものである。該サスペンション
アーム用部材(A) は、角柱状の部材本体(10)の長さ方向
の両端に円筒型の防振ブッシュ(40)を装着するブッシュ
装着部(1) が形成され、該ブッシュ装着部(1) は、ブッ
シュ(40)が嵌め込まれる円筒状の保持部(2) を備えると
ともに、保持部(2) の周方向の一箇所が分断されて軸方
向に延びる開口部(3) が形成されている。従って、この
開口部(3) において保持部(2) が拡開状態に開口可能と
なされている。
【0021】さらに、開口部(3) の両方の開口縁部に
は、軸方向全域に渡って、外周面上に突出する断面方形
状の一対の結合部(4)(5)が周方向対向配置に設けられ、
かつ一方の結合部(4) は突出側端部で部材本体(10)の先
端に該部材本体(10)と一体的に形成されている。また、
各結合部(4)(5)の相互対向面の一方には、内外2列で軸
方向に延びる断面方形状の潰し部(6) が突設され、また
前記対向面の他方には、前記潰し部(6) との対応位置に
内外2列で軸方向に延びる食込み溝(7) が形成されてい
る。これらの潰し部(6) と食込み溝(7) は、該食込み溝
(7) に前記潰し部(6) を塑性変形させつつ充填させるこ
とにより両結合部(4) (5) を結合せしめ、ひいては開口
部(3) を閉塞状態に保持する役割を果たす。このため
に、食込み溝(7) は、その深さ方向の中間部に、深さ方
向の上下端よりも溝幅の大きな、従って開口面積の大き
な拡大部(7a)が形成される一方、潰し部(6) はその突出
高さが食込み溝(7) の深さよりも大きく設定されるとと
もに横断面積が食込み溝(7) の横断面積とほぼ同じに設
定され、開口部(3) の閉塞状態において、変形充填され
た潰し部(6) が該拡大部(7a)に十分に食込んで両結合部
(4) (5) の分離を強く阻止するものとなされている。
【0022】この実施形態のサスペンションアーム用部
材(A) のブッシュ保持方法を説明すると、開口部(3) に
おいて保持部(2) を拡開することにより保持部(2) 内周
長を実質的に大きくした状態で、図3のように円筒型の
ブッシュ(40)を保持部(2)に挿入する。ブッシュ(4
0)は、この実施形態では、中心に位置する支軸部材(4
1)と、該支軸部材(41)の周囲に配設された円筒型の
剛性スリーブ(42)とが、それらの間に介挿されたゴム
弾性体(43)によって連結されたソリッドタイプのもの
が用いられており、剛性スリーブ(42)の外径は、保持
部(2) の開口部(3) が閉塞されたときの保持部の内径よ
り僅かに大きく設定されている。而して、保持部(2) は
開口部(3) において拡開されているから、ブッシュ(4
0)を極めて容易に保持部(2) 内に装填することができ
る。
【0023】次に、開口部(3) を閉塞させるべくプレス
等により両結合部(4)(5)を接近方向に加圧すると、一方
の結合部(4) の潰し部(6) が他方の結合部(5) の食込み
溝(7) に嵌まり込み、図4に示されるように、開口部
(3) の閉塞前に潰し部(6) の先端が食込み溝(7) の底面
に当接する。この状態でさらに両結合部(4)(5)を密着方
向に加圧すると、図5に示されるように、潰し部(6) が
食込み溝(7) の形状に沿って圧潰状に塑性変形し拡大部
(7a)を含む食込み溝(7) 内に充填され、結合部(4)(5)の
相互対向面は密着方向に接近し、開口部(3) は縮小され
やがて閉塞状態となる。同時に、ブッシュ装着部(1) の
保持部(2) 内周面がブッシュ(40)の外周面に密着して
ブッシュ(40)は強固に巻締められた状態となる。
【0024】この状態で、結合部(4)(5)への加圧力を解
除しても、食込み溝(7) に変形充填された潰し部(6) が
食込み溝の拡大部(7a)に十分に食込んで両結合部の分離
を強く阻止し、ブッシュ(40)の保持部(2) 内での巻締
め固定状態が保持される。
【0025】[第2の実施形態]図6乃至図8は、この
発明の第2の実施形態のサスペンションアーム用部材
(B) を示すものである。この実施形態(B) では、ブッシ
ュ装着部(11)の両結合部(14)(15)をアルミニウム製の連
結体を介して結合させたものである。
【0026】これらの図に示したサスペンションアーム
用部材(B) は、全体概略形状が図1乃至図5に示したも
のと同様に棒状の部材本体(10)の長さ方向の両端にブッ
シュ装着部(11)が形成されたものであって、図6に示す
部分断面形状のアルミニウム押出形材を軸方向において
所定厚さに切断することにより製作されたものである。
【0027】前記ブッシュ装着部(11)において、(12)は
保持部、(13)は開口部であって、これら(12)(13)は図1
乃至5に示したもの(A) と同一構成である。そして、開
口部(13)の両方の開口縁部からわずかに周方向に離間し
た位置には、軸方向全域に渡って、外周面上に突出する
断面方形状の一対の結合部(14)(15)が周方向対向配置に
設けられ、かつ一方の結合部(14)は突出側端部で部材本
体(10)の先端に該部材本体(10)と一体的に形成されてい
る。また、各結合部(14)(15)の相互対向面には、径方向
の中央部に軸方向に延びる各1個の断面方形状の潰し部
(16)が突設されている。一方、(18)は連結体であり、該
連結体(18)は結合部(14)(15)の対向面とほぼ同じ幅及び
長さを有する断面矩形に形成されている。かつ、連結体
(18)の両結合部と向き合う両面には、前記潰し部(16)と
の対応位置に軸方向に延びる食込み溝(17)が形成されて
いる。これらの潰し部(16)と食込み溝(17)は、該食込み
溝(17)に前記潰し部(16)を塑性変形させつつ充填させる
ことにより連結体(18)を介して両結合部(14)(15)を結合
せしめ、ひいては開口部(13)を閉塞状態に保持する役割
を果たす。このために、食込み溝(17)は、その深さ方向
の上部から底部に向かって連続的に溝幅の大きくなる
(開口面積の大きくなる)蟻溝状に形成されて、深さ方
向全域に拡大部(17a) が形成されている。一方、潰し部
(16)はその突出高さが食込み溝(17)の深さよりも大きく
設定され、開口部(13)の閉塞状態において、塑性変形し
た潰し部(16)が前記拡大部(17a) に食込んで両結合部(1
4)(15)の分離を強く阻止するものとなされている。ま
た、開口部(3) の閉塞状態において、連結体(18)と結合
部(14)(15)の対向面とがそれぞれ密着するように、連結
体(18)の高さが設定されている。
【0028】この実施形態のサスペンションアーム用部
材(B) のブッシュ保持方法を説明すると、開口部(13)に
おいて保持部(12)を拡開することにより保持部内周長を
実質的に大きくした状態で、図1乃至図5に示したもの
と同一構成の円筒型の防振ブッシュ(40)を保持部(12)
に挿入する。
【0029】次に、図7に示されるように、両結合部(1
4)(15)の間に連結体(18)を所定の向きで介挿したのち、
開口部(13)を閉塞させるべくプレス等により両結合部(1
4)(15)を接近方向に加圧する。すると、両結合部の各潰
し部(16)が連結体(18)の各食込み溝(17)に嵌まり込み、
開口部(13)の閉塞前に潰し部(16)の先端が食込み溝(17)
の底面に当接する。この状態でさらに両結合部(14)(15)
を密着方向に加圧すると、潰し部(16)が図8のように圧
潰傾斜状に塑性変形して食込み溝(17)内の拡大部(17a)
に食込でいくとともに、結合部(14)(15)と連結体(18)の
相互対向面は密着方向に接近し、開口部(13)は縮小され
やがて閉塞状態となる。同時に、ブッシュ装着部(11)の
保持部(12)内周面がブッシュ(40)の外周面に密着して
ブッシュ(40)は強固に巻締められた状態となる。
【0030】この状態で、結合部(14)(15)への加圧力を
解除しても、塑性変形した潰し部(16)が食込み溝(17)の
拡大部(17a) に食込んで両結合部(14)(15)の分離を強く
阻止し、ブッシュ(40)の保持部(12)内での巻締め固定
状態が保持される。
【0031】なお、上記の実施形態では、結合部(14)(1
5)に潰し部(16)を連結体(18)に食込み溝(17)を設けた場
合を示したが、結合部(14)(15)に食込み溝を連結体(18)
に潰し部を設けても良いし、一方の結合部には潰し部を
他方の結合部には食込み溝を設ける一方、連結体には対
応する食込み溝と潰し部を設けた構成としても良い。ま
た、潰し部(16)を食込み溝(17)の全体に充填されるよう
に塑性変形させても良い。
【0032】なお、第1およびお第2の実施形態におい
ては、潰し部(6)(16) を食込ませるための食込み凹部と
して、ブッシュ装着部(1)(11) の軸方向全域に渡って食
込み溝(7)(17) を設けた場合を示したが、必ずしもブッ
シュ装着部の軸方向全域に渡って設けなければならない
ものではなく、一個または複数個の貫通状あるいは非貫
通状の食込み孔(食込み穴)として形成しても良い。
【0033】[第3の実施形態]図9乃至図11はこの
発明のさらに他の実施形態のサスペンションアーム用部
材(C) を示すものである。この実施形態(C) では、ブッ
シュ装着部(22)の結合部(24)(25)の塑性変形による結合
構造として、剪断接合を採用したものである。
【0034】これらの図に示したサスペンションアーム
用部材(C) は、全体概略形状が第1の実施形態に示した
もの(C) と同様に、棒状の部材本体(10)の厚さ方向の両
端にブッシュ装着部(21)が形成されたものであって、図
9に示す部分断面形状のアルミニウム押出形材を軸方向
において所定長さに切断することにより製作されたもの
である。
【0035】前記ブッシュ装着部(21)において、(22)は
保持部、(23)は開口部であり、これらは図1乃至図5に
示した第1の実施形態と同一構成である。開口部(23)の
両方の開口縁部には、軸方向全域に渡って、外周面上に
突出する比較的肉薄の結合部(24)(25)が周方向対向配置
に設けられ、かつ一方の結合部(24)は突出側端部で部材
本体(10)の先端に該部材本体(10)と一体的に形成されて
いる。
【0036】このブッシュ装着部(21)では、開口部(23)
において保持部(22)を拡開することにより保持部(22)内
周長を実質的に大きくした状態で、図2乃至図5に示し
たもの同一構成の円筒型のブッシュ(40)を保持部(22)
に挿入する。そして、結合部(24)(25)を密着方向に押圧
して開口部(23)を閉塞せしめ、保持部(22)内周面をブッ
シュ(40)の外周面に密着させてこれを巻締めする。
【0037】次に、重合わせ状態の結合部(24)(25)にお
ける変形予定部位(26)(図10に鎖線にて示す)に対
し、図11(a)のように厚さ方向への塑性変形力即ち
剪断力を付与してこれを変形させる。変形は、図11
(c)のように変形部分(27)における剪断方向後方(図
9及び図11の上側)の結合部(25)の肉厚の一部が剪断
によって生じた剪断孔(28)に僅かに残る程度まで行う。
次いで、この変形部分(27)を、図11(b)に示される
ように剪断パンチ(29a) と下型内に設けたアンビル(29
b) 等で肉厚方向に圧縮することにより、図11(c)
のように、変形部分(27)における剪断方向後方(上側)
の結合部(27b) の径方向の幅を拡大せしめて、剪断孔(2
8)の側壁部分に食込ませる一方、剪断方向前方(下側)
の結合部(27a)のバリを大きくすることにより径方向の
幅を剪断穴(28)の幅よりも大きくして、剪断方向と逆方
向への抜けを阻止する。こうして結合部(24)(25)の接合
力が高められ、ブッシュ(40)の保持部(22)内での巻締
め固定状態が保持されるものである。
【0038】このような剪断接合構造において、剪断変
形部分(27)の大きさや位等置は特に限定されることはな
いが、結合部相互間に隙間を生じないような接合力を生
じさせ得るように、それらを設定すべきである。また、
各結合部(24)(25)の肉厚tは、結合部の剛性や剪断荷重
等を考慮して適宜決定される。
【0039】以上説明した3つの実施形態では、ブッシ
ュ装着部(1) (11)(21)に嵌着固定されるブッシュ(40)
として、中心に位置する支軸部材(41)と、該支軸部材
の周囲に配設された円筒型の剛性スリーブ(42)とが、
それらの間に介挿されたゴム弾性体(43)によって連結
されたソリッドタイプのものを用いたが、ブッシュとし
て、外側剛性スリーブ(43)がなく、かつゴム弾性体
(43)内部に、外周面に設けられた注入口から液体を封
入され、この封入液体によって防振機能を発揮させる形
式のものを用いても良い。この場合、プレスによる結合
部(4) (5) (14)(15)(24)(25)の結合作業を液中で行うも
のとすると、ゴム弾性体への液封入と結合部の締結作業
とを同時に行うことができ、工程を省略できる。
【0040】[第4の実施形態]さらに、この発明にお
いては、長尺のサスペンションアーム用部材であって、
押出機や押出ダイスの寸法的な制限により目的断面形状
の押出形材の製作が困難である場合には、次に示す展開
加工を組合わせた方法によって製作することができる。
即ち、まず、図12および図13に示すように、横断面
形状において部材本体部分(10)に1つまたは複数の円弧
状のコーナー部(31)を有する形材(32)(33)を押出す。次
に、これらの該押出形材(32)(33)を軸方向において所要
厚さにスライス切断後、前記各コーナー部(31)を直線状
に展開加工して、目的形状とする。展開加工の具体的な
方法は特に限定されず、ロール成形、プレス成形、引張
成形などの公知の展開方法を適宜適用すれば良い。ま
た、展開加工は単に二次元的に開くだけでなく、ねじり
ながら三次元的に展開することもできる。このように押
出形材に対して展開加工を施すことにより、ダイス径よ
りもはるかに長尺のサスペンションアーム用部材を製作
することができる。
【0041】また、前記押出形材(32)(33)におけるコー
ナー部(31)の数は特に限定されない。また、コーナー部
(31)の屈曲方向も限定されず、図13に示すように隣り
合うコーナー部(31)の屈曲方向が交互に異なる波形のほ
か、全コーナー部(31)が同一方向に屈曲する多角形でも
良い。
【0042】さらに、この発明のサスペンションアーム
用部材においては、次の諸点に関し、上述したようなブ
ッシュ装着部の結合構造の種類や展開加工の有無に拘ら
ず、共通の特徴を有する。
【0043】まず、この発明のサスペンションアーム用
部材の材質は、アルミニウムである限り特に限定されな
いが、自動車の部材としての強度を有し、かつ押出性や
展開加工性も良好であることから6000系合金が好ま
しい。特に、6N01,6061が好ましい。
【0044】また、サスペンションアーム用部材各部の
寸法は、自動車の部材としての適切な寸法と押出形材で
あることを考慮して、図1に示すアーム全長(L)が1
00〜1700mmが好ましく、特に前述の展開加工品の
場合は500mm以上が好ましい。また、ブッシュ装着部
の直径は30〜100mm、厚さ(スライス切断時の切断
厚さ)は5〜50mmの各範囲が好ましい。
【0045】前記部材本体(10)の両端にブッシュ装着部
(1)(1)を設ける場合、ブッシュ装着部(1) の向きは両端
で対称形(図1、図12)でも、非対称形(図13)の
どちらでも良い。また,部材本体(10)の形状も特に限定
されることはなく,棒状でも良いし,例えばA形等の他
の形状でも良い。
【0046】また、この発明のサスペンションアーム用
部材は押出形材であるために、各部分に必要とされる強
度に応じて容易に肉厚を変えることができる。一般に、
自動車のサスペンションアーム用部材においては、前記
各ブッシュ装着部の部材本体接続部分に応力が集中する
のに対して、部材本体自身は相対的に応力負担が少な
い。例えば、第1の実施形態のサスペンションアーム用
部材(A) では、ブッシュ装着部(1) の部材本体接続側の
結合部(4) を部材本体(10)と同一肉厚とするとともに、
他方の結合部(5) をさらに肉厚とすることにより、ブッ
シュ(40)装着後の部材本体接続部分は部材本体(10)の2
倍以上の肉厚となって、応力集中に十分に対応すること
ができる。逆に、相対的に高い強度を要しない場合は、
強度要件を満たす範囲において、図14(a)(b)に
示す部材本体(10a)(10b)のようにハモニカ形状やトラス
形状等の中空部を設けて軽量化を図ることも可能であ
る。このように、各部分で必要とされる強度に応じて肉
厚を変えることにより、サスペンションアーム用部材と
しての強度向上を図りつつ、軽量化を実現することがで
きる。また、部材本体部分に展開加工を施す場合であっ
ても、コーナー部のみを中実に形成すれば、中空部を有
する部材本体の製作が可能であり軽量化を図ることがで
きる。また、部材本体部分に取付け等のためのボルト孔
を設けても良い。
【0047】また、第1および第2の実施形態の食込み
凹部(食込み溝)は、その深さ方向に向かって開口面積
が大となされた拡大部を形成することにより、潰し部を
抜止め状態に塑性変形させることが可能であるが、食込
み凹部の具体的形状としては、図15(a)(b)
(c)に示すようなものを例示できる。図15(a)は
第1の実施形態で示した食込み凹部(7) と同形であり、
側面が曲面に形成され、かつ深さ方向の中間部に上下端
よりも最も開口面積が大となされた拡大部(7a)が形成さ
れている。また、(b)は第2の実施形態で示した食込
み凹部(17)と同形であって、その深さ方向の上部から底
部に向かって連続的に溝幅の大きくなる(開口面積の大
きくなる)蟻溝状に形成されて、深さ方向全域に拡大部
(17a) が形成されている。さらに、(c)は側面が曲面
に形成された食込み凹部(37)であって、その深さ方向の
上部から底部に向かって連続的に溝幅が大きく形成され
て、深さ方向全域に拡大部(37a) が形成されている。
【0048】また、食込み凹部は必ずしも深さ方向にお
いて拡大部が形成されなければならないものではなく、
図16(a)に示すように、溝幅が同じで深さ方向に真
直な食込み凹部(47)でも良く、あるいはこれを同図
(b)に示すように、深さ方向に対して傾斜角度(θ)
を30度以下で傾斜させることにより、食込み凹部と潰
し部とのより強い結合力を実現せしめうるものとしても
良い。
【0049】また、結合後の抜け止め状態を確実なもの
とするためには、食込み凹部の拡大部や潰し部の断面形
状を上述のようにする他、食込み凹部の深さおよび潰し
部の長さを単に長くすることや、これらの数を増やすこ
とによっても、有効に抜止め状態を確保することができ
る。
【0050】さらに、前記結合部において、ねじれ方向
の応力に対して抜止め状態を確保するためには、食込み
凹部を部材本体(10)の長さ方向に2つ以上形成し、かつ
形成間隔を大きくすることが有効である。
【0051】なお、第3の実施形態においては、変形部
分(27)の数や面積を増やし、あるいは変形部分の間隔を
大きくすることにより、上述の第1および第2の実施形
態と同様に、抜止め状態を確保することができる。
【0052】また、ブッシュ装着部(1) において、保持
部(2) の締め代(δ)は,防振ブッシュ(40)の外径
(d)、および保持部(2) の内周長さより計算される完
全閉塞時の保持部(2) の内径(D)に基づき,δ=d−
D で表される。前記締め代(δ)は、0〜5mmの範囲
が好ましい。0mm未満、即ちd<Dではブッシュ(40)と
保持部(2) との間に隙間ができてブッシュ(40)を保持部
(2) 内に固定することができない。一方、5mmを超える
と、結合部(4)(5)をいかに塑性変形させても開口部(3)
を完全に閉塞させて食込み凹部(7) 内に潰し部(6) を充
填させることが困難となり、結合力が弱くなる。特に好
ましい締め代(δ)の下限値は0.05mm、上限値は
1.0mmである。
【0053】また、第1および第2の実施形態におい
て、潰し部(6)(16) は必ずしも食込み溝(7)(17) 内全体
に充填されなければならないものではなく、潰し部(6)
(16) が塑性変形して食込み溝(7)(17) 内の拡大部(7a)
(17a) に食込み、潰し部(6)(16)の抜けを阻止し得る態
様であれば良い。しかしながら、ブッシュ(40)を装着固
定後に結合部(4)(5),(14)(15) 間に隙間があると、その
隙間から泥や水が侵入して腐食の原因となり、ひいては
サスペンションアーム用部材(A)(B)の強度が低下するお
それがある。このため、結合部(4)(5),(14)(15) の形状
は、結合後に極力隙間ができないようなものとし、かつ
塑性変形によってさらにその隙間をさらに減少させるこ
とが好ましい。また、泥や水は微細な隙間からでも徐々
に侵入するため、結合部(4)(5),(14)(15) の界面をレー
ザー溶接、摩擦溶接等により溶接したり,シーラント,
ロックタイト等の接着剤で接着して隙間を完全に塞ぐこ
とが好ましい。また、第3の実施形態においても、変形
部(27)の結合部(24)(25)間を溶接または接着することに
よって、泥や水の侵入をより一層確実に防止できる。
【0054】
【発明の効果】この発明は上述の次第で、部材本体の長
さ方向の少なくとも片端に円筒型防振ブッシュを装着す
るブッシュ装着部が形成された自動車のサスペンション
アーム用部材において、前記ブッシュ装着部は、前記ブ
ッシュが嵌め込まれる保持部を備え、前記保持部の周方
向の一箇所に軸方向に延びる開口部が形成され、該開口
部において前記保持部が拡開状態に開口可能となされる
とともに、開口部を閉塞状態に保持して保持部内周面を
前記ブッシュの外周面に密着せしめることにより、ブッ
シュが保持部内に嵌着固定されるものとなされた巻締め
式であるから、ブッシュをブッシュ装着部の保持部内に
圧入装填する圧入式のものに較べて、ブッシュと保持部
との間の厳格な寸法精度を不要となしえ、ブッシュ装着
部の保持部内周面を必要寸法精度に仕上げるための特別
な加工を不要となし得る。
【0055】しかも、開口部の両方の開口縁部またはそ
の近傍に、外周面上に突出する結合部が周方向対向配置
に設けられ、これらの結合部が塑性変形を利用した結合
構造を介して結合されることにより、開口部を閉塞状態
に保持するものとなされているから、結合部位に形状や
寸法の誤差があっても、該誤差を吸収するように塑性変
形させれば良く、厳格な寸法精度を不要となしえ、結合
部位の加工が容易となる。
【0056】また、このサスペンションアーム用部材
は、ブッシュ装着部と部材本体とが一体的に形成された
押出形材であり、該押出形材を軸方向に所要厚さに切断
してなるものであるから、部材本体にブッシュ装着部を
接続するための溶接が不要となり、前述の寸法精度の厳
格性の緩和によって加工工数が減少しこたとも相俟っ
て、製作コストが低減される。
【0057】また、前記自動車のサスペンションアーム
用部材において、一方の結合部に、他方の結合部に向か
って突出する潰し部が設けられる一方、他方の結合部の
前記潰し部に対応する位置に、深さ方向に向かって開口
面積が大となされた拡大部を有する食込み凹部が形成さ
れ、該食込み凹部に前記潰し部が嵌入されかつ前記拡大
部に食込んで抜止め状態に塑性変形されることにより両
結合部が結合されるものとなされている場合には、結合
部相互を直接的に結合することができるから、結合作業
を効率的に行うことができるとともに、より強固な結合
強度を得ることができる。
【0058】また、各結合部に潰し部が突設されまたは
食込み凹部が形成されるとともに、結合部の前記潰し部
に対応して食込み凹部が形成されまたは結合部の前記食
込み凹部に対応して潰し部が形成された連結体が、両結
合部の間に配置され、かつ前記食込み凹部は深さ方向に
向かって開口面積が大となされた拡大部を有し、前記連
結体の食込み凹部に結合部の潰し部が嵌入されかつ前記
拡大部に食込んで抜止め状態に塑性変形されることによ
り、または結合部の食込み凹部に連結体の潰し部が嵌入
されかつ前記拡大部に食込んで抜止め状態に塑性変形さ
れることにより、両結合部が連結体を介して結合される
ものとなされている場合には、各結合部に設けた食込み
凹部あるいは潰し部の寸法に誤差を生じても、連結体に
設ける潰し部あるいは食込み凹部の位置を調整すること
によりこれを吸収でき、ブッシュ装着部の寸法精度の厳
格性を益々不要となし得る効果がある。
【0059】また、両結合部が重ね合わされた状態でそ
の一部が剪断方向に変形されることにより接合されるも
のとなされている場合には、結合部に食込み溝や潰し部
を設ける必要がないから、結合部の断面形状の単純化か
つ薄肉化が可能となり、サスペンションアーム用部材の
製作を簡素化できるとともに使用材料を低減でき、コス
ト的にも有利となし得る。
【0060】さらに、前記押出形材として、横断面にお
いて部材本体に少なくとも1つの円弧状ないしV字状に
屈曲したコーナー部を有するものを使用して、該押出形
材を軸方向に所要厚さにスライス切断したのちに、前記
コーナー部を直線状に展開加工する場合は、押出ダイス
径よりもはるかに長いサスペンションアーム用部材の製
作が可能となる。そのため、長尺のものであっても、溶
接することなくサスペンションアーム用部材を製作する
ことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る自動車のサス
ペンションアーム用部材の横断面図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】図1のサスペンションアーム用部材にブッシュ
を装填した状態を示す横断面図である。
【図4】ブッシュの装填後、開口部を閉じ合わせる途中
の状態を示す横断面図である。
【図5】結合部の結合状態を示す横断面拡大図である。
【図6】(a)はこの発明の第2の実施形態に係る自動
車のサスペンションアーム用部材の横断面図、(b)は
連結片の横断面図である。
【図7】図6の自動車のサスペンションアーム用部材に
ブッシュを装填して、開口部を閉じ合わせる途中の状態
を示す横断面図である。
【図8】結合部の結合状態を示す横断面拡大図である。
【図9】この発明の第3の実施形態を示すもので、自動
車のサスペンションアーム用部材にブッシュを装填し
て、開口部を閉じ合わせた状態を示す横断面図である。
【図10】図9の平面図である。
【図11】(a)は結合部を剪断力により塑性変形させ
た状態の斜視図、(b)は変形後に変形部を加圧する前
の状態を示す斜視図、(c)は変形部加圧後の変形部近
傍の横断面図である。
【図12】この発明の第4の実施形態を示すもので、部
材本体に1つのコーナー部を有する押出形材および展開
加工方法を示す横断面図である。
【図13】この発明の第4の実施形態を示すもので、部
材本体に複数のコーナー部を有する押出形材および展開
加工方法を示す横断面図である。
【図14】中空部を有する部材本体の横断面図であり、
中空部の形状が、(a)はハモニカ形状、(b)はトラ
ス形状である。
【図15】種々の食込み凹部の縦断面図であり、(a)
は側面が曲面で深さ方向の中間部に拡大部を有するも
の、(b)は側面全体に拡大部が形成された蟻溝状のも
の、(c)は側面が曲面で側面全体に拡大部が形成され
たものである。
【図16】(a)(b)は食込み凹部の縦断面図であ
る。
【図17】先行技術にかかる自動車のサスペンションア
ーム用部材およびブッシュの装着方法を示す斜視図であ
る。
【図18】先行技術にかかる自動車のサスペンションア
ーム用部材の製作材料を示す部分斜視図である。
【符号の説明】
A,B,C…自動車のサスペンションアーム用部材 1、11、21…ブッシュ装着部 2、12、22…保持部 3、13、23…開口部 4、14、24…結合部 5、15、25…結合部 6、16…潰し部 7、17…食込み凹部(食込み溝) 7a、17a …拡大部 10…部材本体 18…連結体 27…変形部 40…ブッシュ
フロントページの続き (72)発明者 榎本 正敏 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニウ ム株式会社内 (72)発明者 小久保 貞男 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニウ ム株式会社内 (72)発明者 栃木 正晴 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニウ ム株式会社内 (72)発明者 塩沢 康夫 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニウ ム株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム押出形材を軸方向に所要厚
    さに切断されてなり、部材本体(10)の少なくとも一部に
    円筒型防振ブッシュ(40)を装着するブッシュ装着部(1)
    が形成された自動車のサスペンションアーム用部材(A)
    において、 前記ブッシュ装着部(1) は、前記ブッシュ(40)が嵌め込
    まれる保持部(2) を備え、前記保持部(2) の周方向の一
    箇所に軸方向に延びる開口部(3) が形成され、該開口部
    (3) において前記保持部(2) が拡開状態に開口可能とな
    されるとともに、開口部(3) を閉塞状態に保持して保持
    部(2) 内周面を前記ブッシュ(40)の外周面に密着せしめ
    ることにより、ブッシュ(40)が保持部(2) 内に嵌着固定
    されるものとなされた巻締め式の装着部であって、 前記開口部(3) の両方の開口縁部またはその近傍に、外
    周面上に突出する一対の結合部(4)(5)が周方向対向配置
    に設けられ、これら結合部(4)(5)が塑性変形を利用した
    結合構造を介して結合されることにより、開口部(3) を
    閉塞状態に保持するものとなされている、 ことを特徴とする自動車のサスペンションアーム用部
    材。
  2. 【請求項2】 前記一対の結合部(4)(5)のうち、任意の
    一方の結合部(5) に、他方の結合部(4) に向かって突出
    する潰し部(6) が設けられる一方、他方の結合部(4) の
    前記潰し部(6) に対応する位置に、深さ方向に向かって
    開口面積が大となされた拡大部(7a)を有する食込み凹部
    (7) が形成され、該食込み凹部(7) に前記潰し部(6) が
    嵌入されかつ前記拡大部(7a)に食込んで抜止め状態に塑
    性変形されることにより、両結合部(4)(5)が結合される
    ものとなされている請求項1に記載の自動車のサスペン
    ションアーム用部材。
  3. 【請求項3】 前記各結合部(14)(15)に潰し部(16)が突
    設されまたは食込み凹部が形成されるとともに、結合部
    (14)(15)の前記潰し部(16)に対応して食込み凹部(17)が
    形成されまたは結合部の前記食込み凹部に対応して潰し
    部が形成された連結体(18)が、両結合部(14)(15)の間に
    配置され、かつ前記食込み凹部(17)は深さ方向に向かっ
    て開口面積が大となされた拡大部(17a) を有し、前記連
    結体(18)の食込み凹部(17)に結合部(14)(15)の潰し部(1
    6)が嵌入されかつ前記拡大部(17a) に食込んで抜止め状
    態に塑性変形されることにより、または結合部(14)(15)
    の食込み凹部(17)に連結体(18)の潰し部(16)が嵌入され
    かつ前記拡大部(17a) に食込んで抜止め状態に塑性変形
    されることにより、両結合部(14)(15)が連結体(18)を介
    して結合されるものとなされている請求項1に記載の自
    動車のサスペンションアーム用部材。
  4. 【請求項4】 前記両結合部(24)(25)が重ね合わされた
    状態でその一部が剪断方向に変形されることにより接合
    されるものとなされている請求項1に記載の自動車のサ
    スペンションアーム用部材。
  5. 【請求項5】 前記押出形材は、横断面において部材本
    体(10)に少なくとも1つの円弧状ないしV字状に屈曲し
    たコーナー部(31)を有するものであり、該押出形材を軸
    方向に所要厚さに切断したのちに、前記コーナー部(31)
    を直線状に展開加工してなる請求項1乃至4のいずれか
    に記載の自動車のサスペンションアーム用部材。
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