JPH09254575A - 電子製品の製造方法 - Google Patents

電子製品の製造方法

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JPH09254575A
JPH09254575A JP8090522A JP9052296A JPH09254575A JP H09254575 A JPH09254575 A JP H09254575A JP 8090522 A JP8090522 A JP 8090522A JP 9052296 A JP9052296 A JP 9052296A JP H09254575 A JPH09254575 A JP H09254575A
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JP
Japan
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spacer
protective resin
electronic product
electronic
curing agent
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JP8090522A
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Susumu Echigo
将 愛知後
Atsushi Saito
淳 斎藤
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/01Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/10Bump connectors; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/15Structure, shape, material or disposition of the bump connectors after the connecting process
    • H01L2224/16Structure, shape, material or disposition of the bump connectors after the connecting process of an individual bump connector
    • H01L2224/161Disposition
    • H01L2224/16151Disposition the bump connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive
    • H01L2224/16221Disposition the bump connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked
    • H01L2224/16225Disposition the bump connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being non-metallic, e.g. insulating substrate with or without metallisation

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  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)
  • Credit Cards Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒子状硬化剤が保護樹脂より分離することを
防止でき,スペーサと蓋体との間が,優れた接着状態を
有し,かつ保護樹脂全体が均一に硬化可能な,電子製品
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 スペーサ10と回路基板11とにより凹
部100を形成し,該凹部100内において電子部品1
6を実装する。次いで,上記凹部100内に保護樹脂1
3を充填し,上記スペーサ10及び凹部100の上面に
接着剤を介して蓋体12を積層する。上記スペーサ10
と蓋体12との間の接着及び上記保護樹脂13の硬化を
同時に行う。上記保護樹脂13は粒子状硬化剤131を
含有してなり,該粒子状硬化剤131は,粒径が10μ
m以下であるものが,該粒子状硬化剤131中に,50
wt%以上含有されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,個人データカード等の小型かつ
薄型の電子製品の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来,小型かつ薄型の電子製品の製造方法
として,以下に説明する製造方法が広く行なわれてい
る。まず,図8に示すごとく,貫通穴を有するスペーサ
10と回路基板11とにより,上記貫通穴内に電子部品
搭載用の凹部100を形成し,該凹部100内において
上記回路基板11上に電子部品16を実装する。
【0003】次いで,上記凹部100内に上記電子部品
16を封止するための一液タイプの保護樹脂を充填す
る。更に,上記スペーサ10及び凹部100の上面に接
着剤であるホットメルト接着シート122を介して蓋体
12を積層する。次いで,上記回路基板11,スペーサ
10及び蓋体12よりなる積層体を押圧した状態で,上
記スペーサ10と蓋体12との間の接着及び上記保護樹
脂の硬化を同時に行う。以上により,電子製品を得るこ
とができる。
【0004】なお,上記接着及び硬化を同時に行う際に
は,上記積層体を加熱及び加圧することにより行う。後
述するごとく,上記保護樹脂は加熱により硬化するもの
である。また,上記加圧により,電子製品全体,特に該
電子製品の表面を平坦とすることができ,優れた外観性
を得ることができる(表2参照)。
【0005】上記保護樹脂は主剤となる各種の樹脂に対
し,各種の硬化剤,無機フィラー,上記保護樹脂の粘度
を調整する反応性希釈剤等を添加したもので,加熱によ
り硬化する性質を有している。よって,加熱することに
より,上記保護樹脂が硬化し,該電子部品16を完全に
封止することができ,該電子部品16の機能を損なうお
それのある機械的応力,熱的応力及び水分等から,これ
を保護することができる。
【0006】そして,特に一液タイプの保護樹脂が含有
する硬化剤としては,該保護樹脂に対し均一に添加する
ことができるよう,粒子状硬化剤が使用されている。上
記粒子状硬化剤の粒径は,最大のものが40〜60μ
m,あるいはそれ以上である。更に,10μm以上の粒
径を有するものが,粒子状硬化剤の全体の50wt%以
上を占めている。
【0007】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来製造
方法により製造された電子製品において,しばしば,蓋
体12とスペーサ10との間における接着不良が生じる
ことがある。これは,上記蓋体12の積層の際,蓋体1
2とスペーサ11との間に僅かな間隙(後述の図2
(b)における符号15)が形成され,該間隙に,硬化
不足または未硬化の保護樹脂が存在していたことが原因
である。なお,上記間隙において,硬化不足または未硬
化の液状状態の保護樹脂が存在し,これらが経時的に移
動することにより空洞が形成されたことも原因のひとつ
である。
【0008】上記蓋体12は,ホットメルト接着シート
122を介してスペーサ10に対し接着されているが,
上記ホットメルト接着シート122は波打つように湾曲
することがある。これにより,上記ホットメルト接着シ
ート122とスペーサ10の上面と間に僅かな間隙が生
じてしまう。この結果,上記間隙において毛細管現象が
発生し,凹部100に充填した液状の保護樹脂が,該間
隙に滲み広がってしまう。
【0009】更に,上記ホットメルト接着シート122
とスペーサ10との間に殆ど隙間が形成されなかったと
しても,上述したごとく,積層体の加熱及び加圧の際
に,保護樹脂が凹部100より溢れ,上記ホットメルト
接着シート122とスペーサ10との間に滲み広がるこ
とがある。
【0010】そして,上記間隙の大きさは最も広いとこ
ろであっても数十μm以下であり,よって,上記保護樹
脂における液状の成分である主剤は該間隙に滲み広がる
ことができるが,上述の粒子状硬化剤はその粒径が大き
すぎるため,上記間隙に入り込むことができなかった。
従って,硬化剤の分量が不足した保護樹脂が上記間隙内
に溜り,ここにおいて保護樹脂の硬化不足または未硬化
が発生した。以上により,上述したごとく,電子製品に
おける蓋体11とスペーサ12との間における接着不良
が発生した。
【0011】上記保護樹脂が上記間隙において硬化不足
または未硬化となった場合には,電子部品16における
絶縁不良が発生し,電子製品の品質不良を生じるおそれ
がある。また,硬化不足または未硬化のために液状状態
にある保護樹脂が経時的に移動し,ここに空洞が形成さ
れ,該空洞において,蓋体12等を透過し外部より浸入
した水分が結露するおそれもある。上記結露した水分は
電子部品16を腐蝕させる原因となる。
【0012】なお,上記空洞は製品に曲げ応力が加わっ
た場合,保護樹脂における応力集中(異常)点となる。
従って,ここを中心として保護樹脂に亀裂が生じやすく
なるおそれもある。更に,上記電子製品における,蓋体
12とスペーサ10との間に剥離を生じるおそれもあ
る。また,空洞の形成された部分のすぐ外方が凹み,電
子製品の外観性を悪化させるおそれもある。
【0013】一方,上記電子製品の中でも特にデータカ
ードの製造方法として,特開平4−286697号に
は,一部硬化したエポキシ樹脂を含浸させた布をスペー
サに積層し,該布に対して更に蓋体を積層し,その後,
これらを加熱及び加圧し,各部の間における接着と保護
樹脂の硬化とを行う工程が記載されている。上記製造方
法は,保護樹脂の滲み広がりの防止という点に対して,
ある程度有効である。しかし,製造コストが上昇すると
いう問題がある。
【0014】また,上記保護樹脂として,硬化剤または
硬化触媒として固体成分を含まない,液状の硬化剤又は
硬化触媒を含む保護樹脂を用いる方法もある。しかし,
このような保護樹脂は,一般に保存中における硬化反応
性が高く,保存安定性に欠けるおそれがある。この場合
の対策として,二液タイプの保護樹脂を使用することも
考えられる。しかし,この場合には,保護樹脂を構成す
る成分のうち,主剤と硬化剤または硬化触媒を二液とし
て分け,その使用の直前に混合しなくてはならない。更
に,上記二液タイプの保護樹脂は,二液を混合した後の
使用可能時間が短い。このため,上記二液タイプの保護
樹脂の仕様は製造コストを上昇させ,更に製造の手間を
増大させるという問題が生じる。
【0015】更に,上記保護樹脂の滲み広がりを防止す
るために,上記凹部に注入する保護樹脂の注入量を減少
させることも考えられる。しかし,この場合には硬化し
た保護樹脂の表面と蓋体との間に空気が残留し易くな
り,保護樹脂中に空洞が形成される確率が高くなる。前
述したごとく,保護樹脂中に形成された空洞は,水分が
結露する等の各種問題を生じる原因となるおそれがあ
り,好ましくない。
【0016】本発明は,かかる問題点に鑑み,粒子状硬
化剤が保護樹脂より分離することを防止でき,スペーサ
と蓋体との間が,優れた接着状態を有し,かつ保護樹脂
全体が均一に硬化可能な,電子製品の製造方法を提供し
ようとするものである。
【0017】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,貫通穴を有する
スペーサと回路基板とにより上記貫通穴内に電子部品搭
載用の凹部を形成し,該凹部内において上記回路基板上
に電子部品を実装し,次いで,上記凹部内に上記電子部
品を封止するための一液タイプの保護樹脂を充填し,次
いで,上記スペーサ及び凹部の上面に接着剤を介して蓋
体を積層し,上記回路基板,スペーサ及び蓋体よりなる
積層体を押圧した状態で,上記スペーサと蓋体との間の
接着及び上記保護樹脂の硬化を同時に行う電子製品の製
造方法であって,上記保護樹脂は粒子状硬化剤を含有し
てなり,該粒子状硬化剤は,粒径が10μm以下である
ものが,該粒子状硬化剤中に,50wt%以上含有され
ていることを特徴とする電子製品の製造方法にある。
【0018】本発明の作用につき,以下に説明する。本
発明の保護樹脂は,後述するごとく,液状の主剤と上述
の条件を満たす粒径の小さい粒子状硬化剤とよりなる。
これにより,上記保護樹脂が蓋体または該蓋体に設けら
れた接着剤とスペーサとの間に形成される僅かな間隙
(表2(b)参照)に滲み広がった際にも,上記粒子状
硬化剤が主剤より分離することなく共に滲み広がること
ができる。よって,上記間隙における保護樹脂の硬化不
足または未硬化を防止することができる。以上により,
上記蓋体とスペーサとの間に優れた接着状態を得ること
ができる。
【0019】また,上述したごとく,保護樹脂における
硬化不足または未硬化を防止することができるため,該
保護樹脂中における空洞の発生を防止することができ
る。従って,前述した空洞の発生に伴う,結露した水滴
による電子部品の腐蝕,異常点の形成による亀裂,剥離
の発生及び電子製品表面の凹みの発生を防止することが
できる。
【0020】また,上記保護樹脂は使用時に複数の液状
の成分を混合,調整する必要のない一液タイプの保護樹
脂である。従って,二液を混合するタイプの保護樹脂と
比較して,より製造コストを安くすることができる。
【0021】また,本発明の粒子状硬化剤は,粒径が1
0μm以下であるものが,該粒子状硬化剤中に,50w
t%以上含有されている。これにより,上記僅かな間隙
に滲み広がった保護樹脂において,硬化が可能となる程
度の粒子状硬化剤を含有させることができる。
【0022】なお,上記粒子状硬化剤の粒径は,好まし
くは,1〜10μmの範囲にあるものが,該粒子状硬化
剤中に,50wt%以上含有されていることが好ましい
(表1,図5参照)。粒径が1μm未満である粒子状硬
化剤は,保存中に吸湿し,粒子同士が吸着し合い,フロ
ック状となるおそれがある。フロック状となった粒子状
硬化剤は,その粒径が数十μm程度へと大きくなってし
まうため,本発明の効果を得ることができなくなるおそ
れがある。更に好ましい粒子状硬化剤の粒径の条件は,
粒径が5μm以下であるものが粒子状硬化剤中に,10
wt%以上含有されていることである(表1参照)。
【0023】以上により,本発明によれば,粒子状硬化
剤が保護樹脂より分離することを防止でき,スペーサと
蓋体との間が,優れた接着状態を有し,かつ保護樹脂全
体が均一に硬化可能な,電子製品の製造方法を提供する
ことができる。
【0024】なお,上記電子部品としては,特に限定す
ることなく,ICチップ,コンデンサ,抵抗,ダイオー
ド等,多くの種類の電子部品を使用することができる。
また,上記電子部品の実装方法も,はんだ,ワイヤボン
ディング,導電性接着剤,導電性接着フィルム等,多く
の方法を適用することができる。
【0025】また,上記保護樹脂の充填に当たっては,
上記凹部全体を充填するように上記保護樹脂を注入する
ことが好ましい。仮に,凹部全体を充填しなかった場合
には,上記保護樹脂中に空気が残留し,該保護樹脂中に
空洞が形成されてしまうおそれがある。上記空洞が形成
された場合には,上述した各種の問題が発生してしまう
おそれがある。
【0026】また,上記保護樹脂は主剤となる各種の樹
脂に対し,各種の硬化剤,無機フィラー,上記保護樹脂
の粘度を調整する反応性希釈剤等を添加したもので,加
熱等により硬化する性質を有している。また,これ以外
にも,カーボンが添加されることもある。そして,上記
主剤としては,例えば,エポキシ樹脂,フェノール樹
脂,ウレタン樹脂,ポリイミド樹脂,アクリル樹脂,シ
リコーン樹脂等から選ばれる一種以上の樹脂を使用する
ことができる。このため,上記保護樹脂を硬化させる手
段として,加熱以外に,例えば,光(可視光,紫外線
等),電子線,X線等の照射という方法を採用すること
ができる。
【0027】なお,上記粒子状硬化剤は,球状,針状,
塊状,鱗状,紡錘状等の各種形状を有しているが,特に
球状以外の場合における粒子状硬化剤の粒径は,各粒子
の長辺の長さとする。
【0028】次に,請求項2の発明のように,上記粒子
状硬化剤は,アミン系,フェノール系,イミダゾール
系,イソシアネート系,チオール系のグループより選ば
れる一種以上の化合物であることが好ましい。上記化合
物を使用することにより,粒子状硬化剤の室温での主剤
との反応が抑制され,保護樹脂の保存安定性を向上させ
ることができる。更に,加熱時に上記粒子状硬化剤は溶
融,液化するため,主剤の硬化反応を速やかに進行させ
ることができる。即ち,上記化合物よりなる粒子状硬化
剤は,潜在硬化性を有するため好ましい。
【0029】次に,請求項3の発明のように,上記粒子
状硬化剤は,反応性硬化剤または硬化触媒であることが
好ましい。上記反応性硬化剤とは,加熱または光等の照
射により主剤と反応し,主剤と共に硬化することができ
る硬化剤である。一方,上記硬化触媒とは,加熱または
光等の照射等により生じる主剤の硬化反応を促進するこ
とができる硬化剤である。上記保護樹脂に含有される硬
化剤は,上記反応性硬化剤のみよりなる,または上記硬
化触媒のみよりなることができる。更に,上記硬化剤
は,上記反応性硬化剤及び硬化触媒を混合したものより
なることができる。
【0030】次に,請求項4の発明のように,上記蓋体
は,電子回路を有することが好ましい。電子製品の中に
は,多層構造の電子回路を構成することができるよう回
路基板の上に更に別の回路基板を設けた構造を採用した
電子製品がある。これらの電子製品の中には,特に蓋体
となる部分にも電子回路を設けた構造の電子製品も存在
する。本発明の製造方法はそのような構造の電子製品の
製造においても適用することができる。なお,そのよう
な構造の電子製品においては,スペーサにスルーホール
等を設け,上記電子回路の一部となすことがある。
【0031】次に,請求項5の発明のように,上記回路
基板とスペーサは一体品であることが好ましい。即ち,
従来より,製造工程の簡略化,材料コストの削減,電子
製品の小型化及び薄型化への要請から,回路基板を下ケ
ースに設け,ここに電子部品を実装し,保護樹脂による
封止を行った後,上ケースとなる蓋体を積層する構造を
有する電子製品がある。
【0032】このような構造の電子製品においては,下
ケースが回路基板とスペーサとの一体品となっている。
本発明は,このような構造の電子製品の製造においても
適用することができる。なお,本発明は,上述した各種
構造以外の構造を有する電子製品においても,適用する
ことができる。また,上記電子製品としては,具体的に
は,個人データカード,カード型計算機,電子手帳,ノ
ート型パーソナルコンピュータ等が挙げられる。
【0033】
【発明の実施の形態】
実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる電子製品につき,図1〜図
4を用いて説明する。図3,4に示すごとく,本例の電
子製品1は,貫通穴を有するスペーサ10と回路基板1
1とにより上記貫通穴内に電子部品搭載用の凹部100
が形成され,該凹部100内において上記回路基板11
上に電子部品16を実装してある。上記凹部100内に
は,上記電子部品16を封止するための一液タイプの保
護樹脂が充填され,上記スペーサ10及び凹部100の
上面に接着剤を介して蓋体12が積層されてある。な
お,図3における符号139は硬化した上記保護樹脂で
ある。
【0034】そして,図1,図2に示すごとく,上記電
子製品1を製造するに当たっては,貫通穴を有するスペ
ーサ10と回路基板11とにより上記貫通穴内に電子部
品搭載用の凹部100を形成し,該凹部100内におい
て上記回路基板11上に電子部品16を実装する。次い
で,上記凹部100内に上記電子部品16を封止するた
めの一液タイプの保護樹脂13を充填する。
【0035】次いで,上記スペーサ10及び凹部100
の上面に接着剤を介して蓋体12を積層し,上記回路基
板11,スペーサ10及び蓋体12よりなる積層体10
9を押圧した状態で,上記スペーサ10と蓋体12との
間の接着及び上記保護樹脂13の硬化を同時に行うそし
て,上記保護樹脂13は粒子状硬化剤131を含有して
なり,該粒子状硬化剤131は,粒径が10μm以下で
あるものが,該粒子状硬化剤131中に,50wt%以
上含有されている(表1参照)。
【0036】以下,本発明の電子製品1につき詳細に説
明する。図4に示すごとく,本例の電子製品1は,個人
データカードである。上記電子製品1は下ケースと上ケ
ースとよりなる。上記下ケースは回路基板11であり,
上記上ケースは蓋体12である。そして,上記回路基板
11と蓋体12との間には,電子部品である半導体素子
16,ダイオード17,半導体素子の電源となるリチウ
ム電池19を実装するための凹部100となる貫通穴を
設けたスペーサ10が設けられている。
【0037】また,図1〜3に示すごとく,上記回路基
板11には印刷により形成された電子回路111が設け
てある。また,上記回路基板11とスペーサ10との間
は接着剤により固定されている。また,上記スペーサ1
0と蓋体12との間も同様に接着剤により固定されてい
る。なお,上記接着剤はホットメルト接着シート11
2,122よりなる。なお,図1〜3において符号16
1は,電子部品16を実装するための電極である。
【0038】次に,上記電子製品1の製造方法につき詳
細に説明する。まず,図1(a)に示すごとく,電子製
品1における下ケースである,絶縁板110に電子回路
112の印刷された回路基板11を準備する。次いで,
上記回路基板11に対してホットメルト接着シート11
2を仮接着し,該ホットメルト接着シート122に対し
て上記スペーサ10を仮接着する。その後,図1(b)
に示すごとく,上記凹部100に電子部品16を実装す
る。なお,上記ホットメルト接着シート112において
は,予め電子部品16の実装を行う凹部100に対応し
た位置に打ち抜き穴113が設けてある。
【0039】次に,図2(a)に示すごとく,上記凹部
100に対し,試料1にかかる(後述の表1参照)保護
樹脂13を注入する。上記注入の際には,上記スペーサ
10の上面と同一面に,上記保護樹脂13の液面が位置
するように注入する。その後,上記スペーサ10の上
に,ホットメルト接着シート122を介して蓋体12を
積層し,積層体109となす。
【0040】その後,図2(b)に示すごとく,上記積
層体109を減圧雰囲気において,加熱及び加圧を同時
に施すことができる熱プレス機2にかける。そして,減
圧雰囲気において,上記積層体109を加熱及び加圧
し,上記回路基板11とスペーサ10との間の接着,ま
た上記スペーサ10と上記蓋体12との間の接着を行う
と同時に,上記保護樹脂13を硬化させ,完全硬化した
保護樹脂139となす。以上により,図3,図4に示す
ごとき,電子製品1を得る。なお,上記熱プレス機2
は,その外部に設けた真空ポンプ29に接続された減圧
室20と,該減圧室20の内部に,上下方向に対面配置
した2枚のプレス板21,22とよりなる。
【0041】次に,本例における作用効果につき説明す
る。本例の保護樹脂13は,液状の主剤と,上述の条件
を満たす粒径の小さい粒子状硬化剤131とよりなる。
これにより,上記保護樹脂13が,図2(b)及び図3
に示すごとく,スペーサ10とホットメルト接着シート
122との間に形成された僅かな間隙15に滲み広がっ
た際にも,上記粒子状硬化剤131が主剤より分離する
ことなく共に滲み広がることができる。よって,上記間
隙15における保護樹脂13の硬化不足または未硬化を
防止することができる。以上により,上記蓋体12とス
ペーサ10との間に優れた接着状態を得ることができ
る。
【0042】また,上述したごとく,保護樹脂13にお
ける硬化不足または未硬化を防止することができるた
め,該保護樹脂13中における空洞の発生を防止するこ
とができる。従って,前述した空洞の発生に伴う各種の
不具合,結露した水滴による電子部品16の腐蝕,異常
点の形成による亀裂,剥離の発生及び電子製品1の表面
の凹みの発生等を防止することができる。
【0043】また,上記保護樹脂13は使用時に複数の
液状の成分を混合,調整する必要のない一液タイプの保
護樹脂である。従って,二液を混合するタイプの保護樹
脂と比較して,より製造コストを安くすることができ
る。
【0044】次に,本発明の製造方法により得られた電
子製品の性能につき,個人データカードの場合につい
て,表1,表2を用い,比較例と共に説明する。なお,
表1には,本発明にかかる試料1〜3の個人データカー
ド,表2には,比較例にかかる比較試料C1〜C3の個
人データカードについての,材質,加熱及び加圧の際の
条件,特性を記したものである。なお,表1及び表2に
おいて,『粒子状硬化剤』にかかる『粒径10μm以
下』及び『粒径5μm以下』の欄には,それぞれ該当す
る粒径以下のものが上記粒子状硬化剤全体に占める重量
比をwt%により記した。
【0045】また,同表における『性能』にかかる『平
坦性』の欄には,電子部品実装部における回路基板およ
び蓋体表面の最大段差が50μm未満である状態のもの
を『優』,同段差が50μm以上200μm未満である
状態のものを『良』,同段差が200μm以上である状
態のものを『不良』と評価し,これを記した。
【0046】また,『接着性』の欄においては,図5に
示した様にスペーサと蓋体との接触面積全体に占める剥
離面積比率が5%未満である状態のものを『優』,同面
積比率が5%以上,20%未満である状態のものを
『良』,同面積比率が20%以上である状態のものを
『不良』と評価し,これを記した。
【0047】なお,上記『接着性』の欄における『初
期』には,個人データカードの製造直後の測定結果を記
した。また,『曲げテスト後』には,個人データカード
をISO10536に準拠し,長手方向にたわみ量20
mm,1分間に30回の速度で250回曲げた後,さら
に短手方向にたわみ量10mm,1分間に30回の速度
で250回曲げ,これらを各々,表裏反転させ,合計1
000回曲げるという試験を施した後の測定結果を記し
た。
【0048】上記表1及び表2によれば,本発明にかか
る試料1〜3は,『平坦性』及び『接着性』において優
れていることが分かった。また,上記『接着性』は曲げ
テスト終了後においても維持されており,本発明にかか
る試料1〜3は曲げに対する耐久性においても優れてい
ることが分かった。また,試料2,3の測定結果より,
粒径5μm以下であるものが,粒子状硬化剤中に,10
wt%以上含有されている場合には,特に『接着性』に
優れていることが分かった。
【0049】一方,従来の製造方法にかかる比較試料C
1〜C3の『接着性』は,試料1〜3と比較して,これ
らよりも劣っていることが分かった。特に,保護樹脂を
硬化させる際に圧力を加えなかった比較試料C3に関し
ては,『平坦性』についても劣っていることが分かっ
た。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】実施形態例2 本例は,図5に示すごとく,蓋体に電子回路を有する電
子製品と,図6に示すごとく,回路基板とスペーサが一
体品である電子製品とを示すものである。まず,図5に
示す電子製品19は,下ケースと上ケースとよりなり,
下ケースは回路基板11よりなり,上ケースは上記回路
基板11を被覆する蓋体12よりなる。そして,上記回
路基板11と上記蓋体12との間には,電子部品16で
ある半導体素子等を実装するための凹部100を形成す
るためのスペーサ10が配置されている。
【0053】そして,上記上ケースである蓋体12に
も,回路基板11と同様の電子回路121が設けてあ
り,下ケースである回路基板11に設けた電子回路11
1との導通は,上記スペーサ10に設けたスルーホール
101により取られている。なお,その他の構造は実施
形態例1と同様であり,また,実施形態例1において示
した製造方法により,上記電子製品19を製造すること
ができる。
【0054】次に,図6に示す電子製品3は,下ケース
31と上ケース32とよりなり,該下ケース31は電子
回路311が印刷された回路基板と電子部品16を実装
する凹部300を形成するためのスペーサとの一体品で
ある。また,上記上ケース32は,上記下ケース31を
被覆する蓋体である。なお,その他の構造は実施形態例
1と同様であり,また,実施形態例1において示した製
造方法により,上記電子製品3を製造することができ
る。
【0055】本例の図5にかかる電子製品19について
は,上ケースと下ケースとの双方に電子回路111,1
21が設けてあるため,より小型かつ薄型の電子製品を
得ることができる。また,本例の図6にかかる電子製品
3については,下ケース31において回路基板とスペー
サが一体化されているため,部品点数が少なくなり,よ
って製造工程の工数を削減することができる。いすれ
も,その他は実施形態例1と同様の作用効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,電子製品の製造方法を
示す説明図。
【図2】実施形態例1における,図1に続く電子製品の
製造方法を示す説明図。
【図3】実施形態例1における,電子製品の要部説明
図。
【図4】実施形態例1における,電子製品の展開斜視
図。
【図5】実施形態例1における,剥離面積の比率と粒径
10μm以下の硬化剤含有率との関係を示す線図。
【図6】実施形態例2における,蓋体が電子回路を有す
る電子製品の要部説明図。
【図7】実施形態例2における,回路基板とスペーサと
が一体品である電子製品の要部説明図。
【図8】従来例にかかる,電子製品の展開説明図。
【符号の説明】
1,19,3...電子製品, 10...スペーサ, 100...凹部, 109・・・積層体, 11...回路基板, 111...電子回路, 12...蓋体, 13...保護樹脂, 131...粒子状硬化剤, 16...電子部品,

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貫通穴を有するスペーサと回路基板とに
    より上記貫通穴内に電子部品搭載用の凹部を形成し,該
    凹部内において上記回路基板上に電子部品を実装し,次
    いで,上記凹部内に上記電子部品を封止するための一液
    タイプの保護樹脂を充填し,次いで,上記スペーサ及び
    凹部の上面に接着剤を介して蓋体を積層し,上記回路基
    板,スペーサ及び蓋体よりなる積層体を押圧した状態
    で,上記スペーサと蓋体との間の接着及び上記保護樹脂
    の硬化を同時に行う電子製品の製造方法であって,上記
    保護樹脂は粒子状硬化剤を含有してなり,該粒子状硬化
    剤は,粒径が10μm以下であるものが,該粒子状硬化
    剤中に,50wt%以上含有されていることを特徴とす
    る電子製品の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記粒子状硬化剤
    は,アミン系,フェノール系,イミダゾール系,イソシ
    アネート系,チオール系のグループより選ばれる一種以
    上の化合物であることを特徴とする電子製品の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において,上記粒子状
    硬化剤は,反応性硬化剤または硬化触媒であることを特
    徴とする電子製品の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項において,
    上記蓋体は,電子回路を有することを特徴とする電子製
    品の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項において,
    上記回路基板とスペーサは一体品であることを特徴とす
    る電子製品の製造方法。
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