JPH09253504A - 熱疲労特性に優れるヒーターユニット - Google Patents

熱疲労特性に優れるヒーターユニット

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JPH09253504A
JPH09253504A JP8070221A JP7022196A JPH09253504A JP H09253504 A JPH09253504 A JP H09253504A JP 8070221 A JP8070221 A JP 8070221A JP 7022196 A JP7022196 A JP 7022196A JP H09253504 A JPH09253504 A JP H09253504A
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honeycomb
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heater unit
heater
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JP8070221A
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Kuroaki Oohashi
玄章 大橋
Takeshi Obuchi
武志 大渕
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NGK Insulators Ltd
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のヒーターユニットでは、保持部材がハ
ニカム構造体の溝部に無機接着剤で固着され、保持部材
が滑ることができず、応力が軽減できなかった。また、
従来のハニカム構造体では、熱衝撃に晒された際の寿命
に大きなバラツキがあった。 【解決手段】 ハニカムヒーター(20)をハウジング
(50)の内部に固定するための保持部材(10)を有
するヒーターユニット。保持部材がハニカム構造体(2
2)の径方向(22b)に滑ることができるようにする
ために、少なくともハニカム構造体の溝部(24)にお
いて、保持部材の挿入部(12)を被覆する滑り手段
(30、40)を有する。滑り手段は、一枚以上の耐熱
性の布地(32、34)であってもよいし、耐熱層(4
2)及び隙間(48)であってもよい。隔壁(25)の
厚さの標準偏差が、隔壁の厚さの平均の8%以下である
ハニカム構造体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、自動車等の排気ガス
の浄化に好適に用いることができるヒーターユニットに
関する。
【0002】
【従来の技術】 最近、自動車等の内燃機関から排出さ
れる排気ガス中の窒素酸化物(NOX )、一酸化炭素
(CO)、炭化水素(HC)等の汚染物質を浄化するた
めの触媒の担体等として、ハニカム構造体が用いられて
いる。メイン触媒要素は、一般には、多数の貫通孔を形
成するための隔壁を有するハニカム構造体と、その隔壁
の表面に被覆する触媒組成物とを有する。そして、触媒
組成物に含まれる貴金属等が触媒活性を示し、排気ガス
中の一酸化炭素、炭化水素等を酸化し、かつ、窒素酸化
物を還元することにより、これらの汚染物質を除去す
る。一方、排気ガス規制の強化に伴い、コールドスター
ト時の汚染物質の排出を低減することが切望されてい
る。自動車エンジンが始動する際など、排気ガスが暖ま
っていない場合などでは、メイン触媒要素の触媒組成物
が活性化せず、排気ガス中の汚染物質の除去が限られ
る。そこで、メイン触媒要素の上流に、低温の排気ガス
を触媒組成物の着火温度以上に速やかに加熱するための
プレヒーターを配置することが提案されている。
【0003】 かかるプレヒーターとしては、スリット
などの抵抗調節機構が設けられた金属質のハニカム構造
体と、そのハニカム構造体に電力を供給するための電極
と、スリット外周部に充填されたジルコニア系耐熱性無
機接着剤とを有するハニカムヒーターが提案されている
(特開平3−296184号)。また、このようなハニ
カムヒーターの外周面をセラミック質のマット、クロス
等の絶縁物質を介在させ金属質バンドで被覆することに
よりハニカムヒーターを保持する方法などが提案されて
いる(特開平4−241715号)。特開平4−241
715号には、Al23、ZrO2等のセラミックスを
溶射等することにより、バンドやリングの表面に、セラ
ミック製の絶縁保護層を形成することが記載されてい
る。
【0004】 更に、特開平7−259543号公報に
は、プレヒーターとして作用しうるハニカムヒーターを
缶体に保持するための保持部材が記載されている。この
保持部材は、ハニカム構造体のガス流れ方向に発生する
変位にハニカムヒーターを固定し、半径方向に発生する
変位は吸収しうる構造を有する。ここで、半径方向に発
生する変位としては、高温の排気ガスが流入した場合に
おいて、高温のハニカム構造体と比較的低温の缶体との
間で、熱膨張の差に起因する変位が想定されている。ま
た、この変位を吸収しうる構造として、半径方向にバネ
として作用しうる構造が記載されている。保持部材には
一般には金属が用いられるので、ハニカムヒーターと保
持部材との間は、絶縁部で絶縁されている。例えば、絶
縁性セラミックスで被覆された保持部材は、ハニカム構
造体の周面に形成された溝に挿入され、無機接着剤等で
固定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 上記した何れの方法
も、ハニカムヒーターの抵抗調節機構を絶縁して保護す
る手法を示すものである。しかし、自動車の運転条件下
では、ハニカムヒーターは自動車の耐用年数の間、振動
に晒される。また、ハニカムヒーターは、自動車を始動
するごとに、室温ないしー20〜ー30℃(冬の北国に
おける気温)から400ないし500℃程度の高温にま
で加熱されるという熱衝撃を繰り返し受けることにな
る。このような過酷な条件の下、特開平3−29618
4号のハニカムヒーターでは、無機接着剤が脱離する可
能性がある。また、特開平4−241715号のハニカ
ムヒーターでは、水平方向及び垂直方向の振動によりヒ
ーターが変形し、スペーサーが破壊したり、絶縁用マッ
トが損耗する恐れがある。
【0006】 更に、特開平7−259543号のハニ
カムヒーターでは、エンジンの始動時のように、保持部
材が十分に暖まっていない状態で、エンジンの始動、停
止を繰り返した場合には、ハニカム構造体が疲労し、少
ない繰り返し数でハニカム構造体が破壊する場合があっ
た。保持部材の温度が低い場合には、そのバネ定数が大
きくなるので、バネとして作用し難くなる。また、特開
平7−259543号の実施例では、保持部材はハニカ
ム構造体の溝部に接着剤、日産化学ホ゛ント゛エックス#64で固定
されている。かかる接着剤を用いた場合には、保持部材
の表面に接着剤が固着し、保持部材と接着層との間に隙
間が形成されず、保持部材はハニカム構造体の径方向に
滑ることができなかった。更に、特開平7−25954
3号の保持部材及びハニカム構造体について更に研究を
継続した結果、従来のハニカム構造体では、熱衝撃に晒
された際の寿命に大きなバラツキがあることが分かっ
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】 そこで、本発明では、
上記課題を解決するために、ハニカム構造体の溝におい
て、耐熱性布地、耐熱層等を保持部材の挿入部とハニカ
ム構造体の間に介在させることにより、ハニカム構造体
の径方向等に若干滑ることができるようにし、径方向に
かかる応力を軽減することとした。
【0008】 即ち、本発明によれば、ハウジングと、
ハニカムヒーターと、当該ハニカムヒーターを当該ハウ
ジングの内部に固定するための保持部材とを有するヒー
ターユニットであって、当該ハニカムヒーターは、多数
の貫通孔を形成するための隔壁を有する金属質のハニカ
ム構造体と、当該ハニカム構造体に電力を供給するため
の電極とを有し、当該ハニカム構造体は、流体が当該貫
通孔に流入する流入端面と、流体が当該貫通孔より流出
する流出端面と、周面とを有し、当該周面には溝が形成
され、当該ハニカム構造体の当該貫通孔は流体流れ方向
を形成し、当該保持部材は、当該ハニカム構造体の当該
溝に挿入される挿入部を有し、当該保持部材が当該ハニ
カム構造体の当該流体流れ方向に交わる方向に滑ること
ができるようにするために、少なくとも当該溝部におい
て、当該保持部材の当該挿入部を被覆する滑り手段を有
することを特徴とするヒーターユニットが提供される。
【0009】 本発明において、当該保持部材の当該挿
入部の表面と当該滑り手段の表面とは、接触していても
よいが、固着していないことが好ましい。また、当該滑
り手段は、当該ハニカム構造体の当該周面の回りを少な
くとも一周するように一体的に形成されていることが好
ましい。更に、当該滑り手段が、一枚以上の耐熱性の第
1の布地を有し、当該第1の布地が、当該保持部材の当
該挿入部の表面であって当該貫通孔に晒されている部分
を被覆することが好ましい。
【0010】 また、当該滑り手段は、耐熱層と、当該
耐熱層及び当該保持部材の挿入部の間に位置する隙間と
を有することが好ましい。更に、当該耐熱層は、2重量
%以下のアルカリ金属及び5重量%以下のリンを含有す
るセラミックスを含有することが好ましい。更にまた、
当該耐熱層は、酸化物セラミックスを含有することが好
ましい。また、当該保持部材の当該挿入部より当該ハニ
カム構造体の中心に向かう径方向に位置する緩衝材を有
することが好ましい。更に、当該緩衝材が、耐熱性の第
2の布地を有することが好ましい。更にまた、当該保持
部材の当該挿入部は、金属部と、当該金属部の表面に被
覆する絶縁層とを有し、当該絶縁層の表面と当該滑り手
段の当該表面とは、接触していてもよいが、固着してい
ないことが好ましい。更に、当該保持部材が、当該ハニ
カム構造体の当該流体流れ方向と交わる方向に発生する
変位を吸収するための弾性部を有することが好ましい。
更にまた、当該弾性部が、バネとして作用する足部を有
することが好ましい。
【0011】 また、当該ハニカム構造体の当該隔壁の
厚さの標準偏差は、当該ハニカム構造体の当該隔壁の厚
さの平均の8%以下であることが好ましい。更に、当該
ハニカム構造体の当該隔壁の厚さの平均が、108〜1
30μmであることが好ましい。更にまた、当該ハニカ
ムヒーターが、当該ハニカム構造体の当該周面に固定さ
れるプレートと、当該プレートに電気的に接続する当該
電極とを有することが好ましい。
【0012】 また、本発明によれば、多数の貫通孔を
形成するための隔壁を有するハニカム構造体であって、
当該ハニカム構造体は、流体が当該貫通孔に流入する流
入端面と、流体が当該貫通孔より流出する流出端面と、
周面とを有し、当該ハニカム構造体の当該隔壁の厚さの
標準偏差は、当該ハニカム構造体の当該隔壁の厚さの平
均の8%以下であることを特徴とするハニカム構造体が
提供される。本発明において、当該ハニカム構造体の当
該隔壁の厚さの標準偏差は、当該ハニカム構造体の当該
隔壁の厚さの平均の6%以下であることが好ましい。ま
た、当該ハニカム構造体の当該隔壁の厚さの平均が、1
08〜130μmであることが好ましい。更に、当該ハ
ニカム構造体が、押出成形された成形体を焼結すること
により得られたものであることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】 図1は、図2(b)のAの拡大
図に相当する。図2(a)及び図2(b)は、ハニカム
構造体22の一実施態様を示す。ただし、図2(a)及
び図2(b)では、保持部材及び滑り手段は省略されて
いる。本発明では、ハニカム構造体22を含めたハニカ
ムヒーター20そのものは、従来と同様のものを用いる
ことができる。ハニカム構造体22は、流体が貫通孔に
流入する流入端面22sと、流体が貫通孔より流出する
流出端面22tと、周面22uとを有する。ハニカム構
造体22は、多数の貫通孔26を形成するための隔壁2
5を有する。
【0014】 周面22uには溝24が形成されてい
る。溝24は、隣接する貫通孔26を遮る隔壁25が削
られて形成される。溝24は、周面22の全体を一周す
るように形成されていることが好ましい。ただし、溝2
4は周面22uの一部のみに形成されていてもよい。溝
24は、保持部材10の挿入部12の形状に相補う形状
を有することが好ましい。溝24は、焼結されたハニカ
ム構造体22に円筒研削加工を施すことによって得るこ
とができる。あるいは、粉末冶金で押出し成形する場合
には、ハニカム構造体の成形体に対して、予め同様の方
法で加工してもよい。
【0015】 ハニカム構造体22には、特開平3−2
95184号公報などに示すように、電流を遮るための
スリット23が形成されていることが好ましい。ただ
し、スリットの代わりに、絶縁材料により電流を遮って
もよい。図2(b)では、スリット23は、ハニカム構
造体22の軸方向22aと平行に形成されているが、必
ずしも平行に形成されている必要はない。
【0016】 図3は、一対の保持部材10の説明図で
ある。図3では、二つの保持部材10で、環形状を形成
しているが、3つ以上の保持部材で環形状を形成しても
よい。また、保持部材10が、ハニカム構造体22の周
面22uを一周するように形成される必要はなく、保持
部材を組み合わせた際に保持部材の間に隙間が形成され
ていてもよい。保持部材10は、厚さがほぼ一定の円弧
形状を有する円弧部13と、円弧部13より径方向に外
側に拡がる突起部16と、当該突起部に接続する足部1
8とを有する。足部18は、好ましくは、円弧部13が
拡がる径方向と垂直に折れ曲がっている。また、足部1
8は、ハウジング50の周壁52の内周面の形状に合致
し易くするために、保持部材10の周方向に折れ曲げる
ための屈曲部19を有することが好ましい。足部18
が、ハニカム構造体22の径方向に発生する変位を吸収
するためにバネ部材として作用することが好ましい。
【0017】 円弧部13、突起部16及び足部18
は、好ましくは金属から構成される。保持部材10は、
例えば、所望形状の金属板の突起部16から折り曲げて
足部18を形成し、足部18を屈曲部19で更に折り曲
げて製造することができる。円弧部13の表面は絶縁層
14で被覆される。円弧部13は、その内周面13sが
ハニカム構造体22の周面22uに対応する形状を有す
ることが好ましく、円弧部13が円弧形状を有している
必要はない。また、足部18がハウジング50の周壁5
2の内周面に対応する形状を有することが好ましい。保
持部材10としては、構造鋼、炭素鋼、ステンレス鋼等
の鉄鋼が好ましく用いられる。耐熱性を重視するときに
は、ステンレス鋼が好ましく、特に、オーステナイトス
テンレス鋼が熱歪みを低減するために好ましい。一方、
絶縁層等との密着性を重視するときには、フェライト径
ステンレス鋼、構造鋼、炭素鋼が好ましい。
【0018】 図1に示すように、円弧部13の表面に
は、絶縁層14が被覆され、挿入部12が形成されてい
ることが好ましい。円弧部13は、一般には金属から構
成されるからである。ただし、絶縁層が形成されず、後
述する布地、耐熱層が絶縁層として作用してもよい。絶
縁層14は、円弧部13の表面に限られず、突起部16
の表面まで連続的に被覆することが好ましい。ただし、
絶縁層14が突起部16を被覆する必要はない。突起部
16は、一般にはハニカム構造体22の溝24には挿入
されず、ハニカム構造体22に接触しないからである。
絶縁層としては、耐熱性に優れ、滑り手段との反応性が
乏しく、また、滑り手段と塗れ性が小さいものが好まし
い。例えば、結晶化ガラスのコーティング、アルミナ
系、ジルコニア系のセラミックの溶射、耐熱塗料等を用
いることができる。絶縁層の厚さは、5μm〜1mmで
あることが好ましく、10μm〜800μmであること
が更に好ましく、20μm〜500μmであることが更
になお好ましい。絶縁層が5μmより小さい場合には、
絶縁性が低下する。一方、絶縁層が1mmより厚いとき
には、絶縁層が剥離し易くなる。
【0019】 図1では、保持部材10の挿入部12
が、ハニカム構造体22の溝24に挿入されている。図
1に示すように、保持部材10の挿入部12の表面12
tがハニカム構造体22の周面22uより内側になるよ
うに、円弧部13全体が絶縁部14と共に溝24に挿入
されていることが好ましい。そして、ハニカム構造体2
2の溝部24において、布地32及び布地34が保持部
材の挿入部12を被覆している。より具体的には、布地
32は、貫通孔26に晒される挿入部12の表面12s
を被覆している。布地32、34により、保持部材10
の挿入部12がハニカム構造体22の径方向に滑りやす
くなるからである。
【0020】 しかし、図1に示すように、布地32
が、貫通孔26に晒されない挿入部12の表面12tま
で被覆することは要しない。布地32、34が、挿入部
12の表面12tを被覆しても、保持部材10の挿入部
12がハニカム構造体22の径方向に滑りやすくならな
いからである。また、図1に示すように、布地32、3
4が、挿入部12の表面12uであって貫通孔26が形
成する流入方向とほぼ平行な部分まで被覆することが好
ましい。布地32、34が、挿入部12の表面12uを
含めて、挿入部12の両面に渡って連続的に被覆してい
る方が、挿入部12がハニカム構造体22の径方向に滑
りやすいからである。しかし、本発明において、布地3
2、34は、挿入部12の表面12uまで被覆すること
を要しない。
【0021】 図1では、挿入部12の表面12sは布
地32の表面32sに接触している。しかし、挿入部1
2の表面12sは布地32の表面32sに接着等で固着
していないことが好ましい。これにより、保持部材10
の挿入部12が、挿入部12と布地32の界面12s、
32s及び布地32と布地34との界面32t、34s
において、ハニカム構造体22の径方向22aに滑り易
くなる。また、布地32の表面32tは布地34の表面
34sに接触している。しかし、布地32の表面32t
は布地34の表面34sに接着等で固着していないこと
が好ましい。これにより、保持部材10の挿入部12
が、布地32と共に、布地32と布地34との界面32
t、34sにおいて、ハニカム構造体22の径方向22
aに滑り易くなる。
【0022】 図1のみでは、保持部材10の挿入部1
2が、ハニカム構造体22の径方向22aの外側にのみ
滑って、保持部材10の挿入部12が溝24より外れる
おすれがあるようにみえる。しかし、保持部材10は、
図2に示すように、一般にはハニカム構造体22の周面
22uの回りでハニカム構造体22を保持しているの
で、保持部材10の挿入部12の一部が、ハニカム構造
体22の径方向22aの外側に向かって滑る場合には、
保持部材10の挿入部12の反対側が、ハニカム構造体
22の径方向22aの内側に向かって滑ることになる。
従って、保持部材10の挿入部12は溝24より外れな
い。
【0023】 また、布地32、34の各々は、ハニカ
ム構造体22の周面22uの回りを少なくとも一周する
ように一体的に形成されていることが好ましく、一枚の
布地32又は一枚の布地34が、ハニカム構造体22の
周面22uの回りを一周する環形状を有することが更に
好ましい。また、一枚の布地をハニカム構造体22の周
面22uの回りを二周以上させて、その布地の両端を接
合して、環形状にしてもよい。図1では、2枚の布地が
用いられている。本発明では、1枚以上4枚以下の布地
が用いられることが好ましい。布地の枚数が少ない方
が、保持部材とハニカム構造体との間がルーズになり、
滑りやすくなり、組立作業も簡便になる。一方、布地の
枚数が多い方が、ヒーターユニットを自動車に搭載した
際の振動に対する耐久性が向上する。
【0024】 耐熱性の布地としては、耐熱繊維からな
る布地を好ましく用いることができる。耐熱性の布地と
しては、シリカ、アルミナ、ジルコニア等の酸化物を含
有するものが好ましい。例えば、住友3Mのネクステ
ル、インタラム、三菱化成マフテック、ニチアスマリン
テックス、イソライト工業のカオウール、カーボランダ
ムXPE、ICIのサフィル、東芝モノフラックスのFi
berfrax等の耐熱テキスタイルを用いることができる。
【0025】 図4では、保持部材10の挿入部12よ
りハニカム構造体22の中心に向かう径方向22aに、
緩衝材36が設けられている。緩衝材36としては、布
地32、34と同様に、耐熱性の布地を好ましく用いる
ことができる。また、緩衝材36は、グラスウール、耐
熱性のゴムなどであってもよい。ゴムのときには、リン
グ形状をしていることが好ましい。緩衝材36により、
挿入部12がハニカム構造体22の中心に向かう径方向
に滑るときの応力を軽減することができる。図4では、
緩衝材36は、布地32、34と共に用いられている。
しかし、緩衝材36は、後述する耐熱層と共に用いられ
てもよい。
【0026】 図5には、滑り手段40として、耐熱層
42及び隙間48を示す。耐熱層42と挿入部12との
間には隙間48が設けられていて、耐熱層42の内面
は、挿入部12の表面12sに接触することはできる
が、接着などの固着はしていない。このように、隙間4
8が形成されているので、ハニカム構造体22は、径方
向に若干滑ることができる。耐熱層42及び隙間48
は、ハニカム構造体22の周面22uの回りを一周する
ように一体的に形成されていることが好ましい。
【0027】 図5では、保持部材10に突起部16が
形成されていない場所における断面を示す。一方、図6
では、保持部材10に突起部16及び足部18が形成さ
れている場所における断面を示す。図6では、絶縁層1
4が、円弧部13に限られず、突起部16及び足部18
にまで連続的に被覆している。耐熱層42は、保持部材
10の円弧部13を被覆し、更に突起部16の一部まで
連続的に被覆している。しかし、保持部材10の足部1
8又はその近傍の突起部16までは被覆していない。た
だし、耐熱層42が、保持部材10の突起部16を全て
被覆していてもよい。
【0028】 耐熱層としては、セラミックス、特に酸
化物セラミックスが好ましく用いられ、酸化物セラミッ
クスとしては、例えば、アルミナ、シリカ、シリカ・ア
ルミナ、ジルコニア、カルシア等が挙げられる。具体的
には、デンカアルミナセメント、日産化学ボンドエック
ス80W、東亜合成アロンセラミック、住友化学スミセ
ラムS−10A、L−50A−20、スリーボンド無機
接着剤3732、東芝モノフラックスのFiberfrax等を
固化させたものを用いることができる。これらの中で
も、ペーストが弱アルカリ性、中性又は酸性を示すもの
が好ましく、中性を示すものが更に好ましい。
【0029】 耐熱層は、2重量%以下のアルカリ金属
及び5重量%以下のリンを含有するセラミックスを含有
することが好ましい。アルカリ金属の含有量が2重量%
より大きいときには、耐熱層が絶縁層に結合して隙間を
形成し難くなるからである。リンの含有量が5重量%よ
り大きいときには、挿入部12の円弧部13が腐食し易
くなったり、ハニカム構造体22に担持する触媒組成物
が被毒し易くなるからである。アルカリ金属の含有量が
1重量%以下であることが更に好ましく、0.7重量%
以下であることが更になお好ましい。また、リンの含有
量が3重量%以下であることが好ましく、2重量%以下
であることが更に好ましい。
【0030】 図7は、本発明のヒーターユニットの他
の実施態様を示す。保持部材10の形状、及び、保持部
材10とハニカム構造体22との結合態様が若干異な
る。図7では、保持部材10の円弧部13の外側が、ハ
ニカム構造体22の溝24より若干はみ出している。ま
た、保持部材10の突起部16の形状が、図3における
突起部16の形状と若干異なる。また、足部18には、
屈曲部19が形成されていない。
【0031】 本発明では、ハニカム構造体22の隔壁
25の厚さの標準偏差が、隔壁25の厚さの平均が8%
以下であることが好ましく、6%以下であることが更に
好ましく、5%以下であることが更になお好ましい。隔
壁の厚さにバラツキがある場合には、隔壁が薄い部分の
機械強度がそれ以外の部分より劣ることになる。そし
て、熱応力等が繰り返しかかるときには、その隔壁が薄
い部分が破壊される。このように、ハニカム構造体の寿
命は、隔壁が薄い部分の機械強度に依存する。そこで、
隔壁の厚さの標準偏差を小さくすることにより、隔壁が
薄い部分を減少することができ、特に標準偏差を8%以
下にすることが、ハニカム構造体の寿命を長くするのに
効果的である。
【0032】 また、ハニカム構造体22の隔壁25の
厚さの平均が、108〜130μmであることが好まし
い。隔壁の厚さの平均が130μmより厚いときには、
ハニカム構造体全体が歪んだ場合に、隔壁の表面におけ
る歪みが大きくなり、ハニカム構造体の寿命が短くな
る。一方、ハニカム構造体22の隔壁25の厚さの平均
が108μmより小さいときには、隔壁が座屈し易くな
り、ハニカム構造体の寿命が短くなる。このような隔壁
25の厚さの平均の影響は、隔壁25の厚さの標準偏差
が小さくなるほど顕著に現れる。例えば、図12に示す
ように、厚さの標準偏差が4%の場合において、厚さの
平均が120μmのハニカム構造体の寿命は、厚さの平
均が110μmのハニカム構造体の寿命の約2倍であ
り、厚さの平均が90μmのハニカム構造体の寿命の約
5倍になる。
【0033】 ハニカム構造体22の貫通孔の水平断面
形状は特に限定されないが、耐熱衝撃性の点から四角形
や三角形の形状に比して、六角形やそれ以上の多角形、
コルゲート形等の伸縮に対してフレキシブルな形状が好
ましい。
【0034】 ハニカム構造体のセル密度、即ち、貫通
孔の密度についても特に限定されないが、熱伝導効率、
触媒浄化効率等の点で、100〜600セル/インチ2
が好ましく、200〜500セル/インチ2 が更に好ま
しい。セル数が600セル/インチ2 を超えると、流体
の圧力損失の点で問題が生じる。ハニカム構造体22の
流出端面22tの面積が64cm2以下であることが好
ましく、45cm2以下であることが更に好ましい。ハ
ニカム構造体としては、圧延した薄板(フォイル)に波
型をつけて巻き上げるフォイル型、および粉末冶金押出
し法による押出し型の両者を用いることができるが、耐
久性の点で押出し型が好ましい。ハニカムヒーターのハ
ニカム構造体22の隔壁の表面に触媒組成物を被覆して
もよい。
【0035】 ハニカム構造体22の材質としては、通
電により発熱する金属であれば任意の材質が使用でき
る。自動車排気ガス等の高温に晒されるため、耐熱性、
耐酸化性の点から、Fe−Cr−Al系の合金が好まし
く、特に少量のボロンが添加されているものが好まし
い。また、隔壁の厚さの標準偏差を限定する発明は、セ
ラミック製のハニカム構造体にも適用することができ
る。セラミックスとしては、例えば、コーディエライト
等が挙げられる。
【0036】 触媒組成物は、大きな表面積を有する担
体と、担体に担持される触媒活性物質とを含有する。こ
こで、担体としては、例えばγ−Al23 系、TiO
2 系、SiO2 −Al23 系等やペロブスカイト系の
紛状物、粒状物が代表的なものとして挙げられる。触媒
活性物質としては、例えば白金(Pt)、パラジウム
(Pd)、ロジウム(Rh)などの貴金属、Cu、N
i、Cr、Coなどの卑金属等を挙げることができる。
10〜100gの白金(Pt)及びパラジウム(Pd)
が1立方フィートのγ−Al23 系担体に担持された
触媒組成物10〜100gが好ましい。
【0037】 ハニカムヒーター20は、金属質のハニ
カム構造体22と、当該ハニカム構造体に電力を供給す
るための電極とを有する。ハニカム構造体22の外周面
などには、電力を供給するための電極が少なくとも1個
接続され、好ましくは、導電性の連結部材29が、ハニ
カム構造体22と電極28との導通を確保する。なお、
ここでいう電極とは、当該ヒーターに電圧をかけるため
の端子の総称を意味し、アース等の端子を含む。電極
は、プレート等によりハニカム構造体に電気的に接続さ
れる。内燃機関等の排気ガス等の流体は、ハニカムヒー
ター20のハニカム構造体22の流入端面22sに導か
れ、貫通孔を通過し、流出端面22tより流出する。電
極28がハニカム構造体22に電力を供給し、流体は、
ハニカム構造体22の貫通孔を通過する際に加熱され
る。
【0038】 図8及び図9では、ハニカムヒーター2
0では、電極28の軸方向と、ハニカム構造体22の軸
方向22aとのなす角度が約135度に定められてい
る。ハニカム構造体22の軸方向22aと電極28の軸
方向とのなす角度αが80度以上170度以下であるこ
とが好ましく、80度以上150度以下であることが更
に好ましい。ハニカムヒーター20を通電加熱するため
の電極22としては特に限定されるものではない。ただ
し、連結部材、緩衝部材を用いてハニカムヒーター、ハ
ウジングと連結したものが、ハニカムヒーター20の発
生する半径方向の変位を吸収して好ましい。
【0039】
【実施例】 以下、本発明を実施例に基いて更に詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。 (実施例1〜10、比較例1〜3)ハニカム構造体 :平均粒径44μm以下のFe粉末、C
r−30Al粉末(重量%)、Fe−50Al粉末(重
量%)、Fe−20B粉末(重量%)及びY23 粉末
をFe−16Cr−8Al−0.05B−0.5Y2
3 という組成になるように添加、混合した。この混合物
100g当り、メチルセルロース(4g)を有機バイン
ダーとして、また、オレイン酸(1g)を酸化防止剤と
して添加し、混合した。このように坏土を調製した後、
直径が106mm、厚さ10mmの円柱形状のハニカム
成形体を押出成形により得た。さらに、同一組成からな
る厚さ2mm、幅9.6mm、長さ15mmのプレート
を作成し、2枚のプレート27をハニカム成形体の外周
面に接着した。
【0040】 このハニカム成形体を大気中、90℃で
16時間乾燥し、次いで、水素雰囲気下で1325℃に
2時間保持して焼結した。上記方法により、外径88m
m、厚さ8.3mmのほぼ円柱形状を有するハニカム構
造体を得た。このハニカム構造体では、隔壁の平均厚さ
が110μmであり、その標準偏差が11μm以下(即
ち、平均厚さの10%以下)であった。また、貫通孔の
水平断面形状が正六角形であり、セル密度が450セル
/平方インチであった。
【0041】 次に、このハニカム構造体22の外周面
22uに円筒研削盤にて幅1.8mm、深さ5mmの溝
24を形成し、さらにスリット23を貫通孔の軸と平行
な方向に、スリット間のセル数が13個となるようにダ
イヤモンドソーにより研削加工して形成し、次いで空気
中、1150℃で30分熱処理を行なうことにより、図
2に示すハニカム構造体22を得た。
【0042】 触媒組成物の製造方法:γ−Al23
とCeO2 とを重量比で70:30となるように、それ
ぞれの粉末を調整し、これらの粉末に水と微量の硝酸を
添加し、湿式法で粉砕し、担持スラリーを調整した。こ
の担持スラリーを用い、ディップ法により、ハニカム構
造体22の隔壁25の表面にウォッシュコート層を形成
した。次いで、このウォッシュコート層を乾燥した後、
500℃で焼成し、γ−Al23 とCeO2 とを被覆
した。次いで、白金(Pt)とロジウム(Rh)とをモ
ル比で5:1、かつ総担持量が40g/ft3 になるよ
うに、塩化白金酸と硝酸ロジウムとからなる水溶液に約
20分含浸させ、活性成分である白金及びロジウムを担
持した。
【0043】 電極:厚さ1.5mm、幅8mm、長さ
45mmのSUS409Lのスチール製導電プレートを
厚さ方向にR:50mmで曲げ、導電プレート29を作
成した。導電プレート29の一方の端部に、ネジ型電極
28の端面を溶接して固定した。ネジ型電極28として
は、外径10mm、ピッチ1.25mm、長さ30mm
のSUS409Lのスチール製のものを用いた。導電プ
レート29の他方の端部をハニカム構造体22に溶接し
て、固定した。
【0044】 保持部材:保持部材10としては、図3
に示す形状を有し、かつ、鉄鋼SUS310Sからなる
部材を2個用いた。円弧部13aは、厚さ1.5mm、
外径と内径の差が4.0mmの半円弧形状を有する。6
本の足部18の各々は、厚さ1.5mm、幅8mm、長
さ12.5mmの板形状を有する。保持部材10の円弧
部13aの表面にアルミナを20〜25μm溶射し、絶
縁層14を被覆した。
【0045】 ハニカムヒーターと保持部材との接合
実施例1〜6及び比較例1では、滑り手段として、耐熱
性の布地が用いられた。これに対して、実施例7〜10
及び比較例2〜3では、滑り手段として耐熱層が用いら
れた。実施例1〜6及び比較例1 実施例1〜4では、表1に示す枚数の耐熱性の布地32
を滑り手段30として用いた。緩衝材36は用いなかっ
た。一方、実施例5及び6では、耐熱性の布地32のみ
ならず、緩衝材36も用いた。耐熱性の布地32及び緩
衝材36としては、住友3M製ネクステルを用いた。こ
れに対して、比較例1では、耐熱性の布地も緩衝材も用
いなかった。ハニカム構造体22の溝24に、まず、緩
衝材36を挿入し、次いで、耐熱性の布地32で包み込
んだ保持部材10の挿入部12をハニカム構造体22の
溝24に挿入した。
【0046】 実施例7〜10及び比較例2及び3 まず、ハニカム構造体22のスリット23において、溝
24以外の部分に厚さ0.8mmのスペーサーを挿入
し、仮止めした。次いで、ハニカム構造体22の溝24
に表2及び表3に示す接着剤を充填した後、ハニカム構
造体24の溝24に2個の保持部材10の挿入部12を
挿入し、空気中で100℃で1時間、次いで300℃で
1時間乾燥し、接着剤を固化させた。乾燥後、仮止めス
ペーサーをはずし、2つの保持部材10の突き合せ部を
溶接にて結合し、図9のように環状化した。
【0047】 ハニカムヒーターとハウジングとの接
:ハウジング50の周壁52には、直径14mmの孔
が設けられ、ネジ型電極28がこの孔から突出するよう
にした。ハウジング50の周壁52と、ネジ型電極28
との間には、外径20mm、内径11mm、厚さ4mm
の酸化アルミニウム製の碍子を挟んで、ナットにて固定
した。保持部材10が固定されたハニカムヒーター20
を、図9に示すようにハウジング(SUS310S、厚
さ1.5mm)50の周壁52に嵌めこみ、電極28の
固定リングとハウジング50び周壁52とを、並びに、
保持部材10の足部18とハウジング50の周壁52の
内周面とを、それぞれ溶接にて固定した。次に、ハニカ
ム構造体22と遮風リング54との隙間が2mmとなる
ように、遮風リング(SUS310S、厚さ1.5m
m)54をハウジングの周壁52の端面に溶接で固定し
た。遮風リング54は、流体がハニカム構造体22の周
面22uとハウジング50の周壁52の内周面との間を
通過し難くするためのものである。
【0048】 次に、ヒーターユニットの試験方法につ
いて述べる。 (1) 通電サイクル試験 エンジンを繰り返しコールドスタートさせた場合をモデ
ルにした通電サイクル試験により、ヒーターユニットの
耐久性を調べた。大気中、室温にて、ヒーターユニット
に2kwの電力を5秒間供給し、ハニカム構造体22の
温度を480℃まで昇温させた。次いで、通電を停止
し、約30秒間冷却した。冷却中は、電動ファンでヒー
ターユニットに通風した。以上の操作を1サイクルとし
て10万サイクルまで繰り返し、ハニカム構造体の隔壁
等の状態を目視で判断した。
【0049】(2) 振動バーナー試験 振動バーナー試験では、実際の自動車におけるヒーター
ユニットの温度変化及び振動をモデルし、ヒーターユニ
ットの耐久性を調べた。プロパンバーナーの排気ガスを
ヒーターユニットに導入した。吸入空気量は、1m3
min.であり、プロパンガスは、20ノルマルl/m
in.であった。この排気ガスの温度は1サイクルで、
5分間で200℃から950℃まで上昇させ、更に、次
の5分間で950℃から200℃まで低下させた。この
サイクルを200サイクル繰り返しつつ、同時にヒータ
ーユニットを振動させた。振動装置を用いて、ガスが流
れる方向に28G、200Hzで振動させた。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】なお、比較例2及び3では、保持部材10
の挿入部12と耐熱層42との間に隙間48が形成され
ず、耐熱層42が挿入部12の表面に固着した。
【0054】(実施例11〜21、比較例4〜5)実施
例11〜21及び比較例4〜5は、ハニカム構造体22
の隔壁25の平均厚さ及びその標準偏差と、ハニカム構
造体22の寿命との相関を示すものである。 上記した
ように、ハニカム構造体22を成形し、乾燥した。その
乾燥体より、図10aに示す形状にサンプル60を切り
出した。同じ素地のペーストにより、このサンプル60
を挟むように、一対の伝達板62に接着した。その後、
水素中で1330℃、2時間保持し、焼結し、伝達板付
きハニカム構造体を得た。そして、一対の押し棒(ステ
ンレス鋼、SUS430)64を伝達板62に溶接部6
6で溶接により固定した。
【0055】 サンプル60において、貫通孔の軸方向
は、伝達板62が延びる方向と平行であり、押し棒64
が圧縮する方向と垂直である。サンプル60において、
一対の伝達板62の間には、押し棒64の圧縮方向に9
つのセルが挟まれている。また、押し棒64の圧縮方向
に垂直な方向には、サンプル60の主要部において7つ
のセルが挟まれている。一方、サンプル60が伝達板6
2に接触する段では、9つのセルにより伝達板62に固
定されている。
【0056】 この試験片を油圧式疲労試験器に取り付
け、大気中室温で疲労試験を行った。押し棒64を介し
て、サンプル60が引っ張り方向に0.35%延びるよ
うに引っ張り、また、圧縮方向に0.35%圧縮するよ
うに圧縮した。この引っ張り歪み及び圧縮歪みは、図1
3に示すように、繰り返し加えた。即ち、引っ張り歪み
及び圧縮歪みは1秒間で1サイクルとなるように加え
た。ロードセルを用いてサンプル60の荷重の経時変化
を記録し、荷重が初期値の3/4まで低下した時を疲労
寿命とした。
【0057】 図11で、サンプル60の拡大断面図を
示す。六角形のセル形状を有するサンプル60におい
て、壁部25は、交点25aで互いに交わる。そして、
各交点25aにおいて、壁部25の厚さを3箇所25b
で求めた。そして、その平均値を平均厚さと定義し、不
偏標準偏差σn-1を標準偏差と定義した。表4及び5で
は、標準偏差を平均厚さで割った値をパーセントで示
す。
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】
【発明の効果】 本発明によれば、触媒要素のハニカム
構造体と比較してハニカムヒーターのハニカム構造体の
水平断面の面積を小さくすることにより、自動車の運転
時などの苛酷な条件下、排気ガスの浄化性能を維持しつ
つ、ハニカム構造体の耐久性、特に長期間に及ぶ振動に
対する耐性を向上することができる。また、ハニカムヒ
ーターが短時間で昇温することができる。また、本発明
によれば、触媒要素のハニカム構造体の周辺部における
温度上昇に対する応答性を改善した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のヒーターユニットの一実施態様の断
面説明図である。図2(b)のAに相当する部分の拡大
図である。
【図2】 本発明のヒーターユニットに用いられるハニ
カム構造体の一実施態様を示す。(a)は平面図、
(b) は側面図である。
【図3】 本発明のヒーターユニットに用いられる保持
部材の一実施態様を示す平面図である。
【図4】 本発明のヒーターユニットの他の実施態様の
断面説明図である。図2(b)のAに相当する部分の拡
大図である。
【図5】 本発明のヒーターユニットの他の実施態様の
断面説明図である。図2(b)のAに相当する部分の拡
大図である。
【図6】 本発明のヒーターユニットの他の実施態様の
断面説明図である。図2(b)のAに相当する部分の拡
大図である。
【図7】 本発明のヒーターユニットの部分断面図であ
る。(a)は、C−C’の断面である。(b)は、B−
B’の断面である。
【図8】 本発明に用いることができるハニカムヒータ
ーの平面図である。
【図9】 本発明のヒーターユニットの一実施態様を示
す一部に切欠き平面図である。
【図10】 ハニカム構造体の疲労試験の説明図であ
る。(a)は、ハニカム構造体のサンプルを示す説明図
である。(b)は、サンプルと伝達板との結合体を示す
説明図である。(c)は、疲労試験片を示す説明図であ
る。
【図11】 ハニカム構造体のサンプルの一部の拡大断
面図である。
【図12】 ハニカムヒーターのハニカム構造体の変形
挙動を示すグラフである。
【図13】 ハニカム構造体の疲労試験における歪みに
ついてのグラフである。
【符合の説明】
10・・・保持部材、12・・・挿入部、12s・・・挿入部の
表面、13・・・円弧部、13s・・・内周面、14・・・絶縁
層、16・・・突起部、18・・・足部、19・・・屈曲部、2
0・・・ハニカムヒーター、22・・・ハニカム構造体、22
a・・・ハニカム構造体の軸方向、22b・・・ハニカム構造
体の径方向、22s・・・流入端面、22t・・・流出端面、
22u・・・内周面、23・・・スリット、24・・・溝、25・
・・隔壁、26・・・貫通孔、27…プレート、28…電
極、29…連結部材、30・・・滑り手段、32・・・布地、
34・・・布地、36・・・緩衝材、40・・・滑り手段、42・
・・耐熱層、48・・・隙間、50・・・ハウジング、52・・・
周壁、54・・・遮風リング、60・・・サンプル、62・・・
伝達板、64・・・押し棒、66・・・溶接部

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングと、ハニカムヒーターと、当
    該ハニカムヒーターを当該ハウジングの内部に固定する
    ための保持部材とを有するヒーターユニットであって、 当該ハニカムヒーターは、多数の貫通孔を形成するため
    の隔壁を有する金属質のハニカム構造体と、当該ハニカ
    ム構造体に電力を供給するための電極とを有し、 当該ハニカム構造体は、流体が当該貫通孔に流入する流
    入端面と、流体が当該貫通孔より流出する流出端面と、
    周面とを有し、当該周面には溝が形成され、当該ハニカ
    ム構造体の当該貫通孔は流体流れ方向を形成し、 当該保持部材は、当該ハニカム構造体の当該溝に挿入さ
    れる挿入部を有し、 当該保持部材が当該ハニカム構造体の当該流体流れ方向
    に交わる方向に滑ることができるようにするために、少
    なくとも当該溝部において、当該保持部材の当該挿入部
    を被覆する滑り手段を有することを特徴とするヒーター
    ユニット。
  2. 【請求項2】 当該保持部材の当該挿入部の表面と当該
    滑り手段の表面とは、接触していてもよいが、固着して
    いないことを特徴とする請求項1に記載のヒーターユニ
    ット。
  3. 【請求項3】 当該滑り手段は、当該ハニカム構造体の
    当該周面の回りを少なくとも一周するように一体的に形
    成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    ヒーターユニット。
  4. 【請求項4】 当該滑り手段が、一枚以上の耐熱性の第
    1の布地を有し、当該第1の布地が、当該保持部材の当
    該挿入部の表面であって当該貫通孔に晒されている部分
    を被覆することを特徴とする請求項1、2又は3に記載
    のヒーターユニット。
  5. 【請求項5】 当該滑り手段は、耐熱層と、当該耐熱層
    及び当該保持部材の挿入部の間に位置する隙間とを有す
    ることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のヒータ
    ーユニット。
  6. 【請求項6】 当該耐熱層は、2重量%以下のアルカリ
    金属及び5重量%以下のリンを含有するセラミックスを
    含有することを特徴とする請求項5に記載のヒーターユ
    ニット。
  7. 【請求項7】 当該耐熱層は、酸化物セラミックスを含
    有することを特徴とする請求項5又は6に記載のヒータ
    ーユニット。
  8. 【請求項8】 当該保持部材の当該挿入部より当該ハニ
    カム構造体の中心に向かう径方向に位置する緩衝材を有
    することを特徴とする上記請求項の何れかに記載のヒー
    ターユニット。
  9. 【請求項9】 当該緩衝材が、耐熱性の第2の布地を有
    することを特徴とする請求項8に記載のヒーターユニッ
    ト。
  10. 【請求項10】 当該保持部材の当該挿入部は、金属部
    と、当該金属部の表面に被覆する絶縁層とを有し、当該
    絶縁層の表面と当該滑り手段の当該表面とは、接触して
    いてもよいが、固着していないことを特徴とする請求項
    2〜9に記載のヒーターユニット。
  11. 【請求項11】 当該保持部材が、当該ハニカム構造体
    の当該流体流れ方向と交わる方向に発生する変位を吸収
    するための弾性部を有することを特徴とする上記請求項
    の何れかに記載のヒーターユニット。
  12. 【請求項12】 当該弾性部が、バネとして作用する足
    部を有することを特徴とする請求項11に記載のヒータ
    ーユニット。
  13. 【請求項13】 当該ハニカム構造体の当該隔壁の厚さ
    の標準偏差は、当該ハニカム構造体の当該隔壁の厚さの
    平均の8%以下であることを特徴とする上記請求項の何
    れかに記載のヒーターユニット。
  14. 【請求項14】 当該ハニカム構造体の当該隔壁の厚さ
    の平均が、108〜130μmであることを特徴とする
    請求項13に記載のヒーターユニット。
  15. 【請求項15】 当該ハニカムヒーターが、当該ハニカ
    ム構造体の当該周面に固定されるプレートと、当該プレ
    ートに電気的に接続する当該電極とを有することを特徴
    とする上記請求項の何れかに記載のヒーターユニット。
  16. 【請求項16】 多数の貫通孔を形成するための隔壁を
    有するハニカム構造体であって、当該ハニカム構造体
    は、流体が当該貫通孔に流入する流入端面と、流体が当
    該貫通孔より流出する流出端面と、周面とを有し、 当該ハニカム構造体の当該隔壁の厚さの標準偏差は、当
    該ハニカム構造体の当該隔壁の厚さの平均の8%以下で
    あることを特徴とするハニカム構造体。
  17. 【請求項17】 当該ハニカム構造体の当該隔壁の厚さ
    の標準偏差は、当該ハニカム構造体の当該隔壁の厚さの
    平均の7%以下であることを特徴とする請求項16に記
    載のハニカム構造体。
  18. 【請求項18】 当該ハニカム構造体の当該隔壁の厚さ
    の平均が、108〜130μmであることを特徴とする
    請求項16又は17に記載のハニカム構造体。
  19. 【請求項19】 当該ハニカム構造体が、押出成形され
    た成形体を焼結することにより得られたものであること
    を特徴とする請求項16、17又は18に記載のハニカ
    ム構造体。
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