JPH09253487A - 包接体触媒及びその製造法 - Google Patents

包接体触媒及びその製造法

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JPH09253487A
JPH09253487A JP10874896A JP10874896A JPH09253487A JP H09253487 A JPH09253487 A JP H09253487A JP 10874896 A JP10874896 A JP 10874896A JP 10874896 A JP10874896 A JP 10874896A JP H09253487 A JPH09253487 A JP H09253487A
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titanium oxide
layered compound
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titanium
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JP10874896A
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Toshiro Izawa
敏郎 井澤
Yoshiaki Ohashi
喜昭 大橋
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TOWA DENKA KOGYO KK
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TOWA DENKA KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】酸化チタン一金属成分を分子単位の状態で分離
した包接体触媒及びそれを含む気体透過性多孔質燒結体
触媒の提供。 【解決手段】膨潤性イオン交換法を有する層状化合物を
ホストとし。酸化チタンとその付活性金属をゲストとし
て、インターカレーションおよびイオン交換反応により
複合配位した包接体触媒を造り、さらに包接体触媒を成
型して多孔質燒結体を造る。多孔質燒結体において、酸
化チタンを層状化合物の三層格子が分画して遮るので、
粒子成長がない超微粒子性を保った燒結体組織を形成し
高い触媒活性を発現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸化チタンと金属を
複合して層状化合物に配位した包接体触媒とその多孔質
燒結体及びそれらの製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】酸化チタンは超微粒子の状態で、触媒、
光触媒、半導性担体等に用いられとくに光エネルギーに
より励起されて活性化し、流体の電気分解や物質の合
成、公害物質の分解除去等に利用されている。こうした
酸化チタンの活性は数nm以下の量子サイズで有効に発
現するのでその利用は超微粒子の状態に限られている。
したがって触媒の利用は容器に封蔵して用いるため反応
操作は間欠的となり非能率であった。
【0003】こうした酸化チタンの利用を連続的にする
ためには、酸化チタンによる多孔体を造り、流体を連続
的に透過させることが望ましい。しかしながら酸化チタ
ンを燒結すると、粒子同士が会合して粒子が成長するの
で量子サイズ効果を失い、活性が低下するという問題点
があった。
【0004】また触媒活性を向上させるために、酸化チ
タンに白金、パラジウム、ルテニウム、金、銀、バリウ
ム等の金属を担持する方法がとられている。これは上記
金属が酸化チタンの伝導帯電子による還元作用を促進す
る現象を利用するものであり酸化チタン超微粒子上の極
点に金属を固着させる微細な作業である。この方法とし
ては金属塩溶液に酸化チタンを懸濁させ、光照射による
電解作用により酸化チタン上に金属を析出させる方法、
あるいは酸化チタンに金属コロイドを添加し蒸発乾固後
還元して金属を固着させる方法等がある。
【0005】こうした金属担持方法は、成分の均質混
合、不要夾雑物の除去、生成物の凝集防止等、製造上で
複雑かつ精密な管理を必要とした。さらに金属を担持し
た酸化チタンにおいても超微粒子粉末であるため、その
利用法はこれまた封蔵使用であり反応操作が間欠的で非
効率であった。したがってこの材料も気体透過性のある
多孔質燒結体にすることが望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術が
酸化チタン一金属の超微粒体であるため成型体において
酸化チタン粒子の会合が不可避であるのに鑑み、酸化チ
タン一金属成分を分子単位のサイズの状態で分離した包
接体触媒をつくり、さらにまたこの包接体触媒を燒結し
て気体透過性多孔質焼結体触媒を得ようとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は層状化合物によ
り、酸化チタンおよび各種金属を複合包接した触媒微粒
子を得ることを特徴としている。層状化合物としてはケ
イ酸塩に属する膨潤性合成マイカ系鉱物、天然モンモリ
ロナイト系鉱物が用いられる。これらの層状化合物はい
づれも超微粒子で膨潤性層間イオン交換性、インターカ
レーション反応性等の特性をもち、その特性を利用して
他材との間で金属イオンを交換したり、極性物を配位し
た包接化合物を造ることができる。本発明は層状化合物
の結晶層間に酸化チタンの水和物および金属イオンを複
合して配位させた後、加熱により酸化チタン結晶と金属
を複合配位させて包接体触媒を得ることを基本としてい
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる層状化合物で
人工による膨潤性合成マイカ系鉱物は、示性式X
1/3〜1.02〜3 (Z10)(OH,
F) 〔式中XはNa,Li、YはMg,Li、Zは
Si,Alを示す]で表わされ、結晶水がFのものは常
圧溶融法で、OHのものは水熱法で合成し供給されてい
る。代表的なものにテニオライト 〔(Na,Li)
MgLi (Si10)(OH,F)〕、
4−Siマイカ〔NaMg2.5(Si10)(O
H,F)〕、ヘクトライト〔(Na,Li) 1/3
Mg2 2/3 Li1/3(Si10)F
がある。また天然品ではスメクタイト系のモンモリロナ
イト 〔一般式Na1/3 Al1 2/3 Mg
1/3(Si10)(OH)〕や同系のサポナイ
ト、ヘクトライト等がある。
【0009】層状化合物の結晶構造はケイ酸四面体(Z
−O)がOを対向し上下面に、その中間に八面体(Y
−O,F)を挟んで配置された〔ケイ酸四面体−八
面体−ケイ酸四面体〕の三層格子を一単位層として平行
に積層しており、隣接する上下の層間に、三層格子内の
電荷平衡の関係から遊離した層間イオン (X−Na,
Li)がケイ酸四面体の上下面酸素6ケとO−X−O
の弱いイオン結合をしている。
【0010】本発明に用いる層状化合物は、層間結合の
弱さ、層間イオンの水和エネルギーが大きいことを主因
として、層間に大量の水を引き入れ膨潤し劈開して肉厚
が分子単位(30〜100Å)で径が200nm以下の
リン片状超微粒子となりゾルを形成する。層間イオンは
イオン交換性があり、他の金属イオンとイオン交換す
る。また層間は極性の有機物、無機物を引き入れるイン
ターカレーション(Inter callation)
反応性をもっている。結晶水がOHのものは600℃、
Fのものは1000℃まで安定である。
【0011】本発明はホストを層状化合物とし、ゲスト
を酸化チタン及び金属とする層間反応による包接体であ
る。本発明の包接体触媒は担持金属のイオンの形成の仕
方により次の2つに大別される。
【0012】(その1)担持する金属のイオンがカチオ
ンにしやすい銀やパラジウム、バリウムの場合これらの
金属塩溶液のカチオンにより層状化合物の層間イオンの
一部をイオン交換し、次いで酸化チタンの含水コロイド
をインターカレーションにより層間に配位させて金属一
酸化チタンの包接体とする。
【0013】(その2)担持する金属のイオンが錯体ア
ニオンの形態をとる白金、ルテニウム、金の場合、先行
して層状化合物に酸化チタン含水物を層間配位させ、加
熱処理により酸化チタン部を多孔体とし、その気孔に金
属の錯体アニオンや負帯電金属粒子を含浸吸着させて金
属一酸化チタンの包接体とする。
【0014】上記(その1)による方法は、先行して層
状化合物の層間イオンの20〜50%を銀、パラジウ
ム、バリウムイオンでイオン交換する。イオン交換量
は、前記した層状化合物の層間イオン(X)の量つまり
C.E.Cを定量し、金属イオンの添加量を設定する。
因に層状化合物のC.E.CはX1/3型で70〜80
meg/100gであり、X1.0型で210〜230
meg/100gである。イオン交換は層状化合物のゾ
ル(固形分3%以下)に、銀、パラジウム、バリウム等
の塩類たとえば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩等の稀薄溶液
(濃度5%以下)を滴下混合し、加温(50〜60℃)
と攪拌を加えながらイオン交換する。生成物はゆるい凝
集物となるので瀘過分離し、脱イオン水で充分洗浄した
後、脱イオン水を加えて再分散させてゾルを調整する。
【0015】酸化チタンのコロイドはチタン有機物、例
えばチタンテトラプロポキシド〔Ti(OC
〕やチタン無機塩、例えば硫酸チタニル〔T
iOSO〕や四塩化チタン 〔TiCl〕 等を加
水分解して酸化チタン含水物 〔Ti(OH)および
TiO(OH)〕のコロイドを精製して用いる。コロ
イドのPHを調節しよく解膠してゾル(固形分換算3%
以下)とし、これを層状化合物のC.E.Cの約倍当量
以上を攪拌下で、加熱(50〜60℃)した層状化合物
のゾル中に滴下し、約2〜3時間攪拌を継続してインタ
ーカレーション反応を行う。反応生成物はゆるい凝集体
となるので瀘過及び洗浄し、室温で充分乾燥する。この
操作により層状化合物の層間に酸化チタン(含水物)一
金属を配位した粉末が得られ、次いで後記する加熱処理
を施す。
【0016】上記(その2)の金属錯体アニオン又は負
帯電金属の超微粒子を担持させる方法は、先行して層状
化合物の層間に酸化チタンの多孔体を形成させ、次いで
金属を吸着させる方法である。酸化チタンはインターカ
レーションにより1〜2分子層が挿入されるが、加熱処
理により酸化チタンの含水分の揮散、配位間隔等の因子
により気孔(径4〜20Å)が形成され、120〜25
0m/gの比表面積をもつ完成した包接体中の酸化チ
タン(無水)の重量は反応時のコロイド生成量、反応時
間等により調整されるが、30〜80重量%である。
【0017】上記(その2)における酸化チタンと層状
化合物の層間配位の方法はインターカレーション方式と
イオン交換方式がある。インターカレーション方式は上
記(その1)同様チタン有機物や無機物の加水分解コロ
イドを用いる方法であり、イオン交換方式はチタンイオ
ン(Ti4+)をPH調整をして多核型のヒドロニウム
形態のカチオンとし、イオン交換して酸化チタン(含水
物)を層間配位させる方法である。この方法は層状化合
物のゾルにチタン塩水溶液(例えば、硫酸チタニル、四
塩化チタン)を添加してイオン交換を行う。この時緩衝
液を加えてチタンイオンの酸根との錯イオン化を防ぎな
がら行う。反応液は加水分解酸生成により酸性が強くな
る(PH1以下)が、苛性ソーダ(1N NaOH)を
添加しPHを7〜7.5位にすると、その過程でPH2
付近よりチタンイオンはヒドロニウムイオン(〔Ti
(OH)4−x(HO)x〕形式)となり層状化合物
の層間イオンとイオン交換して、インターカレーション
による酸化チタン(含水物)と同じ形態になる。
【0018】前記2方法により層間に酸化チタン(含水
物)を配位した層状化合物を精製し、室温乾燥を経て、
さらに耐火物容器に入れ400℃以上に加熱すると層間
域の酸化チタンは前記した多孔体を形成する。多孔体は
正に帯電するので、負に帯電している担持金属の錯体ア
ニオンを吸着する。
【0019】本発明による担持金属の錯体アニオンを例
示すると白金〔ptCl2−、パラジウム 〔Pd
Cl2− 、ルテニウム 〔RuCl2−
金[AuCl、銀〔AgCl〕等の塩化物があ
る。この外にも−CN、−Br、−SCNとの錯イオン
もあるが、−Cl系のものが操作上、又公害上の点から
好ましい。前記した層状化合物(酸化チタン多孔体形
成)の焼成粉末を粉砕して、水を添加しスラリーを調整
し、これに担持金属の錯体アニオンが安定して存在する
PH条件で金属塩溶液を加温下で攪拌しながら滴下し、
さらに減圧して焼成粉末に錯体アニオンを含浸吸着さ
せ、次いでこれを濾過洗浄して室温風乾する。これを耐
火物に装入し、加熱処理を行う。
【0020】加熱処理は層間に配位した酸化チタン含水
物を脱水し、結晶化を行うとともに、吸着した金属錯塩
を金属に還元する処理であり、また層間隔を縮めて金属
−酸化チタン結晶を強く固定して包接する工程である。
加熱は還元雰囲気(水素還流、又はCO中)の加熱炉に
より行われる。
【0021】加熱条件はホストに用いられる層状化合物
の組成によって異なる。層状化合物の結晶水が水酸基
(OH)であるもの、例えば水熱法による合成マイカ
類、ヘクトライトや天然モンモリロナイト類では結晶水
放出による結晶崩壊およびそれに伴う層間配位物の脱離
を配慮し、加熱上限温度は500℃とする。層状化合物
の結晶水がフッ素基(F)のもの、たとえばフッ素マイ
カ類では加熱上限温度は1000℃である。これは後記
する焼結体の加熱工程でも同様である。加熱は毎時50
〜150℃の昇温速度で加熱し、所定の到達温度で1〜
2時間保持して終了する。
【0022】加熱処理により、層間に配位した酸化チタ
ン(含水物)は約150℃までに物理的吸着水を脱水
し、150〜500℃間で(OH)がHOとして脱水
する。また工程中溶媒和して入った有機物も燃焼揮散す
る。酸化チタン(無水物)は、400〜500℃に保持
されたものはアナタース型結晶を形成する。さらに75
0℃以上に加熱したものはほとんどルチル形結晶に転移
している。加熱処理により金属−酸化チタンを複合して
配位した層状化合物による包接体触媒が完成する。
【0023】本発明の包接体触媒は単味でも使用できる
が、さらに燒結体や樹脂複合体等の成形体として利用す
ることができる。すなわち、本発明の包接体触媒は成形
体中で触媒粒子同士が接触しても層状化合物が介在し
て、酸化チタン同士の会合を防止できるので、分子単位
の酸化チタンの量子サイズの活性効果を維持することが
できる。とくに包接体触媒を大量に配合して、気体透過
性のある多孔質焼結体を造ることができる。
【0024】多孔質燒結体は包接体触媒粉末に結合材、
気孔形成材等を配合して成形し、次いで加熱炉に装入し
て焼結し、必要に応じて減圧脱気して多孔質焼結体が完
成する。
【0025】結合材には金属酸化物のゾル例えばアルミ
ナ(Al)、シリカ(SiO)、酸化亜鉛(Z
nO)、酸化錫(SnO)、酸化鉄(α−Fe
等より1〜2種を選んで用いる。また必要に応じて結合
助材としてリン酸塩、水ガラス、ホウ酸等が添加され、
また成形時の可塑材として少量の有機バインダー(例え
ば、CMC、PVA、アクリン塩等)が用いられる。
【0026】気孔形成材として、燒結時に燃焼して空孔
をつくるため、炭素質粉末(例えば無煙炭、木炭、活性
炭等)や木粉が用いられる。又燒結体中に空隙をつくる
ため必要に応じて形状や粒径の異なるフィラー(例えば
非膨潤性のマイカ、ムライト繊維、アルミナ繊維等)を
添加することがある。
【0027】多孔質燒結体は常法的な加圧成型法、注型
法により行われ、加圧成型法及び押出成型法の配合は、
重量%で包接体触媒50〜90%、結合材10〜50
%、結合助材0〜10%、有機バインダー0〜2%の範
囲であり、形状、強度、気孔率、焼成温度、用途等を配
慮して設定する。この2法は金属酸化物のゾル(固形分
5%以下)に、包接体触媒粉末を添加し強制攪拌により
均質に混合した後、結合助材や有機バインダーを攪拌下
で添加して均質な配合物スラリーとする。加圧成形の場
合は配合物スラリーを水分約3%以下に脱水乾燥してウ
エットケーキとした後、粉砕して型に充填し加圧(10
0〜300kg/cm)により所望の形状物(粒体、
各種立方体、管等)とし、離型後100〜150℃で1
〜2時間乾燥する。
【0028】注型法の場合の配合は重量%で結合材3〜
15%、結合助材2〜8%、有機バインダー1〜3%、
残余が包接体触媒で配合物スラリーの粘度が700〜1
200ポアズ(60r.p.m)に調製し、攪拌しなが
ら型に注型し、1〜2時間静置した後、型ごと緩除に1
00〜150℃に加熱乾燥する。
【0029】各成型品は耐火物容器に収容し、加熱炉に
より、毎時50〜150℃の昇温速度で加熱し、包接体
触媒で層状化合物の結晶水が(OH)のものは550
℃、フッ素(F)のものは900℃を最高温度として加
熱し、最高温度で1〜2時間保持して燒結を完了する。
フッ素を結晶水成分とする層状化合物を用いたものは、
フッ素の存在により自己焼結性もあり、耐熱性が高いの
で、高温度焼結ができ、燒結強度の大きいものが得られ
るので、大寸法のもの、複雑な形状のものに好適であ
る。燒結により、加圧成形品、押出成形品で気孔率30
〜50%、曲げ強度100〜250kg/cm、注型
品で気孔率40〜65%、曲げ強度75〜150kg/
cmの製品を得る。
【0030】
【実施例】本例は原料の調製例を示す。
【0031】(例1) A.層状化合物ゾルの調製 (1)Naヘクトライト:化学組成Na1/3 Mg
2/3 (Si10)F 粒径200〜800Å、肉厚20〜50Å (2)Na−4Siマイカ:化学組成Na Mg2.5
(Si10)F 粒径0.1〜1.0μm、肉厚100Å以下 (3)Li−テニオライト:化学組成LiMgLi
(Si10)F 粒径0.1〜1.0μm、肉厚50Å以下 (4)Na−モンモリロナイト:化学組成Na1/3
Al2/3Mg1/3Si10 (OH)粒径100〜1000Å、肉厚100Å以下 (1)〜(4)の層状化合物をそれぞれ27重量%ゾル
に調製する。ここで調製したゾルをA−(1)〜A−
(4)とする。
【0032】B.金属を部分担持した層状化合物の調製 層状化合物のゾルA−(1)〜A−(4)の2重量%を
分散させたゾル200ml に対して、(a)塩化パラ
ジウム(PdCl)8g、(b)硝酸銀(AgN
)10g、(c)硝酸バリウム〔Ba(N
〕7.5gを溶解して造った 水溶液をそれ
ぞれ別個に滴下注入し、50〜60℃間に保温しながら
3時間 攪拌をつづけてイオン交換処理を行い、生成
した凝集物を減圧濾過器により 濾過及び脱イオン水
による洗浄を行い、凝集物を再び分散させて、金属を部
分担架持した2重量%のゾルを調製した。ここで調
製したゾルをB−(1) 〜B−(4)とする。
【0033】C.チタンコロイドの調製 (1)チタン有機物による方法は市販のチタニウムテト
ライソプロポキシド〔Ti(i−OC〕に蒸
留水を加えて加水分解により生成した酸化チタンの白色
ゲルを得る。ゲル体中のTiO(換算)量に対し、HC
Iを4倍当量加えて解膠して透明ゾルを調製する。 (2)無機チタン塩による方法は、0.1gの硫酸チタ
ンに対し0.1N硫酸40mlを加え、この溶液に硫酸
チタンに対してアルミニウム粉末0.12gを加え、8
0℃以上に保持しながら充分攪拌して硫酸チタンを加水
分解し、ゾルを分離して蒸留水で還流洗浄し、水分を加
えてゾルを調製する。
【0034】(例2)その1の方法は金 属担持層状化
合物と酸化チタンの反応を示す。例1のB−(1)およ
びB−(4)のゾルでは、ゾル固形分1重量部に対しチ
タンコロイドのTiO固形分換算で0.12重量部の
ゾルを、またB−(2)およびB−(3)のゾルで
は、ゾル固形分1重量部に対しチタンコロイドのTiO
固形分換算で0.3重量部のゾルを用意した。層状化合
物のゾルB−(1)−〜B−(4)を50〜60℃間に
加温しながらC−(1)およびC−(2)のチタンコロ
イド(ゾル)を滴下し、3時間攪拌を継続するとゆるい
凝集体を生成す。る凝集体を濾過、洗浄し、凝集体を室
温で2時間風乾後、さらに乾燥器に入れ102℃で2時
間乾燥した。
【0035】得られた乾燥粉末をアルミナ製坩堝にのせ
て加熱炉(水素ガス還流)に入れ毎時150℃の昇温速
度で加熱し、A−(1)およびA−(4)ゾル使用のも
のは最高温度500℃、A−(2)およびA−(3)ゾ
ル使用のものは最高温度900℃まで昇温し、最高温度
で1時間保持し加熱処理をして製品とした。
【0036】(例3)その2は層状化合物に酸化チタン
コロイドを配位させた後に金属イオンを担持させる方
法。 A.例1のAによる層状化合物のゾルA−(1)、A−
(2)、A−(3)、A−(4)に、例1のC−(1)
による酸化チタンコロイド(ゾル)を、配合比A−
(1)およびA−(2)の固形分1重量部に対し、酸化
チタンコロイド(TiO換算)を2重量部添加し、例
2と同様の操作で生成凝集物の乾燥粉末を得た。この乾
燥粉末を加熱炉で400℃で1.5時間加熱したのちほ
ぼ1000メッシュに粉砕して焼成粉末を得た。
【0037】B.前記例1の層状化合物のゾルA−
(3)(Li−テニオライト)の2%ゾル500ml
に、NaC1を1200g添加してNaCl飽和ゾルと
し、0.1NのHClによりPHを1とする。別に塩化
チタン(TiCl)のNaCl飽和溶液500ml
(PH0.5以下)をつくり、前記Li−テニオライト
ゾルに滴下添加する。50〜60℃に加温し攪拌を続け
る。1NのNaOHでPHを7にするがこの過程でPH
2.8〜3.2付近からチタンはヒドロニウムイオン化
してLi−テニオライトの層間に複合してゆるい凝集体
を生成する。遠心分離により瀘液を分離して脱イオン水
により洗浄し風乾し、120℃で乾燥し、次いでアルミ
ナ坩堝に入れて加熱炉で400℃で1.5時間加熱し、
冷却後100メッシュに粉砕して焼成粉末を得た。
【0038】金属の錯体アニオンの水溶液を下記のよう
に調製した。 (AuCl :塩化金酸(HAuCl ・4H
O)の2%水溶液 (RuCl2−:塩化ルテニウム(RuCl)を
0.1NのHC1で溶かした2%水溶液 (ptCl2−:塩化白金酸(HPtCl)の
2.5%水溶液
【0039】上記例3のA及びBの焼成粉末に水を加え
て固形分3%のスラリーをつくる。焼成粉末1重量部に
対し金属錯体アニオンが0.2重量部になるように各水
溶液を添加し、50〜60℃の加温下で攪拌を2時間継
続して金属錯体アニオンの吸着を行い、次いで濾過し、
脱イオン水で充分洗浄した後、風乾し、さらに乾燥器で
120℃で2時間乾燥して製品160gを得た。
【0040】(例4) 多孔質焼結体の製造 (1)触媒の種類を表1に示す。前記例2、例3により
得られた触媒の粉末(粒径1000μm以下のもの)
【0041】
【表1】
【0042】 下記表1における註事項:−註1、層状化合物:例1に示すゾル。 2、担持金属:(c)はカチオン交換 (b)はアニオン吸着 3、酸化チタン:酸化チタンの形成法 OR=チタン有機物 IN=無機チタン塩 IO=ヒドロニウム 交換
【0043】(2)結合材、結合助材、バインダーを表
2に示す。 (a)結合材:金属酸化物ゾル(材質、ZnO、Sn
O、Fe、Al、SiOの精製ゾル(各
濃度5%) (b)結合助材:リン酸(濃度80%)、第一リン酸ア
ルミニウム(濃度50%)、オルソリン酸エタノール錯
体〔AlPO・HCl(COH)〕(濃度1
5%)の各溶液。 (c)有機バインダー:PVA(濃度1%)の溶液。
【0044】配合、成型、焼結 a.配合:表2に示す配合率により各原料を配合する。 先づ触媒粉末を採取し、表2に示すように、金属酸化物
のゾルおよびPVAを添加して固形分15重量%含有の
スラリーとし、攪拌捏合したのちリン酸塩を添加して3
0分攪拌し、クリーム状粘稠体とする。 b.注型:成型は注型法と加圧法で行なった。 (1)注型法:離型性のある樹脂製容器(内規寸法、径
30mm、高さ50mmの円筒)に前記クリーム状の原
料配合物を容器のほぼ一杯にまで注入し、30分静置し
た。次いで乾燥器に入れ約80℃で2時間乾燥したの
ち、硬化した成型品を取り出す。 (2)加圧成型法:前記クリーム状の原料配合物を水分
が約10%になるように減圧乾燥し、ステンレス製網に
押し出し粒径2mm/mmφ×2mm/mmを造粒し、
乾燥して水分を5%にした。次いでプレス機により10
0kg/cmの圧力で成型し、直径50mm、厚さ5
mmの円板状の成型品とした。 c.燒結:注型および加圧による成型品をそれぞれ10
0℃で2時間乾燥したのち、アルミナ匣鉢にのせ、電気
炉(H2還流)に挿入して毎時150〜170℃の昇温
速度で表2に示す到達時間まで加熱したのち放冷して燒
結体を得た。得られた燒結体は最小が19.0gないし
最大が23.5gの燒結体で、その触媒多孔質燒結体の
特性を表3に示す。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【0048】
【0048】
【発明の効果】本発明の包接体触媒は、酸化チタン一金
属が層状化合物の包接により超微粒子性を保ち、化学
的、熱的に安定した触媒活性を発現する。また包接体触
媒を高配合した多孔質焼結体も酸化チタンの超微粒子性
を保持しているばかりでなく、燒結体の気孔表面は活性
を示すので、気体の透過による連続的処理を図ることが
できる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年12月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正内容】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化チタンと金属を層状化合物の層間に
    配位してなる包接体触媒。
  2. 【請求項2】 金属が白金、パラジウム、ルテニウム、
    金、銀およびバリウムより選ばれたものである請求項1
    記載の包接体触媒。
  3. 【請求項3】 層状化合物が膨潤性合成フッ素マイカ、
    フッ素ヘクトライトより選ばれたものである請求項1記
    載の包接体触媒。
  4. 【請求項4】 層状化合物が水酸基をもつ膨潤性合成マ
    イカ、天然モンモリロナイトより選ばれたものである請
    求項1記載の包接体触媒。
  5. 【請求項5】 酸化チタンと金属を層間に配位した層状
    化合物よりなる包接体触媒と金属酸化物とを少なくとも
    成分とした多孔質焼結体。
  6. 【請求項6】 金属酸化物がアルミナ、シリカ、酸化亜
    鉛、酸化錫および酸化鉄より選ばれたものである請求項
    5記載の多孔質焼結体。
  7. 【請求項7】 層状化合物の層間イオンの一部をパラジ
    ウム、銀、バリウムより選ばれたイオンでイオン交換
    し、次いでこれに有機または無機のチタン化合物を加水
    分解して得られる酸化チタン含水物を層間に配位させた
    後、乾燥し400〜1000℃に加熱することを特徴と
    する包接体触媒の製造法。
  8. 【請求項8】 層状化合物の層間に有機または無機のチ
    タン化合物を加水分解して得られる酸化チタン含水物を
    配位させるか、または層状化合物の層間イオンをチタン
    のヒドロニウムで交換して得られる、酸化チタン含水物
    を配位させた、生成物を瀘過、洗浄および乾燥し400
    ℃以上に加熱した多孔質粉末によるスラリをつくり、次
    いで白金、パラジウム、ルテニウム、金、銀およびバリ
    ウムより選ばれた金属錯体アニオンの溶液を添加し多孔
    質粉末に金属錯体アニオンを吸着させ瀘過し、乾燥し、
    次いで還元雰囲気で400〜1000℃に加熱すること
    を特徴とする包接体触媒の製造法。
  9. 【請求項9】 酸化チタンと金属を層状化合物の層間に
    配置してなる包接体触媒の粉末スラリに結合材として金
    属酸化物および結合助材を添加した配合物を成型し、乾
    燥し、次いで400〜1000℃で加熱することを特徴
    とする多孔質燒結体の製造法。
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