JPH0925299A - Cd44リガンド - Google Patents

Cd44リガンド

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JPH0925299A
JPH0925299A JP20047995A JP20047995A JPH0925299A JP H0925299 A JPH0925299 A JP H0925299A JP 20047995 A JP20047995 A JP 20047995A JP 20047995 A JP20047995 A JP 20047995A JP H0925299 A JPH0925299 A JP H0925299A
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JP
Japan
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ligand
cells
protein
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glycoprotein
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JP20047995A
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Noriko Tanmachi
典子 反町
Masayuki Miyasaka
昌之 宮坂
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 癌の転移やリンパ球のホーミングに重要な役
割を担う細胞表面タンパク質CD44のリガンドであっ
て、ヒアルロン酸ではない新規なCD44リガンド、そ
の抗体、その製造方法、それを用いたCD44検出法を
提供する。 【解決手段】 (1)分子量約60万の糖タンパク質
(プロテオグリカン)、(2)タンパク質部分(コアタ
ンパク質)の分子量約1.8万〜約2.2万、(3)糖
鎖がコンドロイチン4硫酸であり、(4)アミノ酸配列
中にセリン−グリシン繰り返し構造を持ち、(5)細胞
障害性T細胞をそれが持つCD44を介して活性化で
き、(6)ヒアルロン酸との結合部位とは異なる部位で
CD44と結合するCD44リガンド。セルグリシン産
生細胞の培養上清中から陰イオン交換クロマトグラフィ
ーとゲル濾過を繰り返し、最終的にハイドロキシアパタ
イトカラムで精製する前記CD44リガンドの製造方
法、それに対する抗体、そのコアタンパク質とそのコア
タンパク質に対する抗体、前記CD44リガンドを蛍光
色素、酵素または放射性同位元素で標識して使用するC
D44発現細胞または組織の検出法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CD44リガンド
に関し、さらに詳しくは、癌の転移やリンパ球のホーミ
ングに関し重要な役割を担う細胞表面タンパク質CD4
4のリガンドであって、ヒアルロン酸ではない新規なC
D44リガンド、その抗体、CD44リガンドの製造方
法、及び該CD44リガンドを用いたCD44検出法に
関する。
【0002】
【従来の技術】CD44(CD44分子)は、Pgp−
1、Hermes抗原、ECMR IIIまたはIn
(Lu)−related antigen等の名前で
知られている膜貫通型の糖タンパク質である。CD44
の分子構造は、N末端の軟骨リンクタンパク質に相同性
のある部分、コンドロイチン硫酸が付加される部分(以
上の2つの部分が細胞外部分)、膜貫通部位、及び細胞
内部分に大別される。CD44は、白血球、赤血球、線
維芽細胞、上皮細胞、血管内皮細胞などの広範な細胞に
発現が認められている。
【0003】CD44の機能は、極めて多彩である。例
えば、間質細胞上のCD44は、ヒアルロン酸を結合
し、その周囲にプロテオグリカン(proteobly
can)を集めることによって、マトリックスを構築す
ることが示唆されている。また、リンパ球系の細胞で
は、CD44が細胞内情報伝達物質として働いている。
その例としては、リンパ球系細胞表面のCD44分子に
刺激を与えると、同種細胞凝集が誘導される。
【0004】細胞傷害性T細胞(CTL)においては、
CD44からの刺激は、グランザイムの放出を誘導し、
CTL活性を上昇させる。リンパ球−血管内皮細胞の反
応では、CD44は、リンパ球がそれぞれに特定のリン
パ組織に集まる(homing)ときの接着を担う、リ
ンパ球表面分子であるホーミングレセプター(homi
ng receptor)であると考えられている。ま
た、CD44には、alternative spli
cingにより、多数のアイソフォームが存在するが、
ある種のアイソフォームでは、癌細胞が転移する際に出
現することが確かめられている。このように、CD44
は、リンパ球の増殖、活性化などに重要な情報伝達分子
であること、癌の転移にも直接関与し得る接着分子であ
ることが知られている。
【0005】しかしながら、CD44のリンパ球ホーミ
ングレセプターとしての機能には、いまだ不明な点が多
い。これを調べるには、CD44の機能調節機構の解明
が必要である。そのために、CD44が関与する各種現
象において、CD44が認識するリガンドが何であるか
についての探究が不可欠となっており、近年、その検索
に関する研究が行われている。これまでにヒアルロン酸
(hyaluronic acid)、コラーゲン、及
びフィブロネクチンがCD44リガンドとして知られて
いる。ヒアルロン酸は、CD44のN末端の軟骨リンク
タンパク質に相同性のある部分でCD44と結合する。
【0006】末梢リンパ球をPMAなどで刺激すると、
速やかにヒアルロン酸と結合するようになる。一方、前
述のホーミングレセプターとしてのCD44が認識する
リガンドは、ヒアルロン酸を分解するヒアルロニダーゼ
処理を行った後も、CD44と強い結合を示す。この結
果は、リンパ球ホーミングレセプターとしてのヒアルロ
ン酸以外の新しいCD44リガンドが存在することを示
唆している。また、前述のようにCD44には多数のア
イソフォームが存在し、アイソフォーム特異なリガンド
の存在も推定することができる。これらのCD44の未
知のリガンドを得ることができるならば、免疫学や癌の
基礎研究の試薬として有効である。さらに、癌の予防薬
として使用できる可能性もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、癌の
転移やリンパ球のホーミングに関し重要な役割を担う細
胞表面タンパク質CD44のリガンドであって、ヒアル
ロン酸ではない新規なCD44リガンドを提供すること
にある。本発明の他の目的は、このような新規なCD4
4リガンドの抗体、該CD44リガンドの製造方法、及
び該CD44リガンドを用いたCD44検出法を提供す
ることにある。さらに、CD44リガンドに対する抗体
を用いれば、CD44リガンドを発現している組織等が
あきらかになるとともに、リンパ球ホーミングの解析に
有用である。また、癌においては、抗体がCD44リガ
ンドをブロックしておくことで癌の予防や転移の抑制に
もかかわってくる。本発明者らは、従来から知られてい
るヒアルロン酸、ファイブロネクチン、及びコラーゲン
以外に新しいCD44のリガンドがあるのではと考え、
鋭意研究を行った結果、新規なCD44リガンドを見い
出した。
【0008】すなわち、CD44分子を発現していない
細胞にCD44遺伝子を導入し、CD44を介した細胞
間接着を誘導できるかどうか検討した。そして、細胞間
接着を誘導できた細胞において、ヒアルロニダーゼ処
理、ファイブロネチン、コラーゲン添加等の処理をして
も、接着が影響されない系を構築し、その細胞の培養上
清及び細胞の表面分子から、CD44と結合する分子を
抽出単離することにより新しいCD44リガンド分子を
得た。この新規なCD44リガンドは、セリン−グリシ
ンの繰り返し構造を持つセルグリシンにコンドロイチン
4硫酸が多数結合した構造のプロテオグリカンである。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(1)
分子量約60万の糖タンパク質(プロテオグリカン)で
あり、(2)タンパク質部分(コアタンパク質)の分子
量が約1.8万〜約2.2万で、(3)糖鎖がコンドロ
イチン4硫酸であり、(4)タンパク質のアミノ酸配列
中にセリン−グリシンの繰り返し構造を持ち、(5)細
胞障害性T細胞を該T細胞が持つCD44を介して活性
化することができ、(6)CD44とヒアルロン酸との
結合部位とは異なる部位でCD44と結合することがで
きることを特徴とするCD44リガンドが提供される。
【0010】また、本発明によれば、セルグリシン産生
細胞の培養上清中から陰イオン交換クロマトグラフィー
とゲル濾過を繰り返し行い、最終的にハイドロキシアパ
タイトカラムで精製することを特徴とする前記CD44
リガンドの製造方法が提供される。さらに、本発明によ
れば、CD44リガンドの抗体、前記CD44リガンド
を蛍光色素、酵素または放射性同位元素で標識し、これ
をCD44発現細胞または組織の検出に使用することを
特徴とするCD44検出法が提供される。この検出法で
は、前記CD44リガンドに、まずビオチンを結合さ
せ、得られた結合体をCD44発現細胞または組織と反
応させた後、蛍光色素、酵素または放射性同位元素とア
ビシンまたはストレプトアビジンとの結合体と反応させ
ることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
CD44がどのような機構で調節を受けて、その機能が
発現するのかを調べるためにCD44陰性マウスCTL
L−2細胞を、CD44遺伝子(マウスCD44cDN
A)を導入して、培養したところ、非常に強い細胞の凝
集が認められた。次に、この凝集がCD44遺伝子を細
胞に導入したことに起因するものであるか否かを調べる
ために、この系に抗CD44抗体を共存させてCD44
が機能しないようにして培養実験を行ったところ、細胞
の凝集が完全に阻害された。したがって、この凝集は、
CD44を介した現象であると推定された。一方、この
ときのCD44と結合している分子が何であるかについ
て調べるために、CD44遺伝子を導入したCTLL−
2細胞(トランスフェクタント)にヒアルロン酸分解酵
素(ヒアルロニダーゼ)を作用させたが、細胞の凝集
は、まったく影響を受けなかった。したがって、細胞の
凝集は、ヒアルロン酸とCD44との結合によるもので
はないことが判明した。
【0012】このような実験結果から、ヒアルロン酸で
はないCD44リガンドが関与していることが明らかに
なった。CD44の細胞外領域と免疫グロブリンの定常
領域とを連結して作成した可溶性CD44(CD44−
Ig)をプローブとして、CD44リガンドの検索を行
ったところ、CTLL−2及びトランスフェクタントの
細胞表面には、CD44リガンドは検出されなかった。
そこで、CTLL−2及びトランスフェクタントを35
−メチオニンで標識し、その培養上清を用いてCD44
−Igで免疫沈降を行ったところ、CD44−Igに特
異的に免疫沈降される高分子量のタンパク質が認められ
た。これらの実験結果から、上記の培養上清にCD44
リガンドが存在することが明らかになった。
【0013】そこで、CTLL−2細胞の培養上清か
ら、CD44と結合しうる物質の精製を試みた。具体的
には、CTLL−2細胞の培養上清から、4M尿素を含
む緩衝液を用いたイオン交換クロマトグラフィー、6M
グアニジンを含む0.1%CHAPS緩衝液を用いたゲ
ル濾過、4M尿素を含む緩衝液を用いたハイドロキシア
パタイトクロマトグラフィーを用いて精製した。得られ
た精製品を種々の糖鎖切断酵素で処理したところ、コン
ドロイチナーゼ処理によりCD44を介した細胞の凝集
が完全に消失した。したがって、CD44リガンドは、
糖鎖としてコンドロイチン4硫酸を持つ糖タンパク質
(プロテオグリカン)であることがわかった。その分子
量は、糖鎖のないコアタンパク質が約18〜約22kd
(約1.8万〜約2.2万)であり、糖鎖が付加されれ
ば約600kd(約60万)であることがSDS−PA
GE電気泳動によりわかった。
【0014】CD44リガンドのタンパク質部分につい
て、ペプチドシーケンサーで処理したところ、アミノ酸
分析の結果は、CD44リガンドのコアタンパク質のN
末端は、DDYGSGSGSGSGSGであった。この
コアタンパク質は、セリン−グリシンの繰り返し構造か
らなるセルグリシン(serglycin)の一種であ
る。つまり、このCD44リガンドは、コンドロイチン
4硫酸の糖鎖がついたセルグリシンである。また、本発
明のCD44リガンドは、実施例4に示すように、ヒア
ルロン酸に比べ有意に細胞障害性T細胞のグランザイム
放出を増強し、該T細胞を活性化させるものである。こ
のことから、本発明のCD44リガンドは、ヒアルロン
酸とは異なる機能を媒介し得るCD44リガンドである
と言える。
【0015】後記の実施例の実験結果から明らかなよう
に、本発明のCD44リガンドは、(1)分子量約60
万の糖タンパク質(プロテオグリカン)であり、(2)
タンパク質部分(コアタンパク質)の分子量が約1.8
万〜約2.2万であり、(3)糖鎖がコンドロイチン4
硫酸であり、(4)タンパク質のアミノ酸配列中にセリ
ン−グリシンの繰り返し構造を持ち、(5)細胞障害性
T細胞を該T細胞が持つCD44を介して活性化するこ
とができ、そして、(6)CD44とヒアルロン酸との
結合部位とは異なる部位で結合する新規なCD44リガ
ンドである。
【0016】本発明のCD44リガンドは、マウスCT
L細胞株(CTLL−2)の培養上清中から陰イオン交
換クロマトグラフィーとゲル濾過を繰り返し行い、最終
的にハイドロキシアパタイトカラムで精製することによ
り精製品として得ることができる。本発明のCD44リ
ガンドを蛍光色素、酵素または放射性同位元素で標識す
れば、これをCD44発現細胞または組織の検出に使用
することができる。この場合、CD44リガンドに、ま
ずビオチンを結合させ、得られた結合体をCD44発現
細胞または組織と反応させた後、蛍光色素、酵素または
放射性同位元素とアビシンまたはストレプトアビジンと
の結合体と反応させる方法が好ましい。
【0017】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明についてより
具体的に説明する。
【0018】[実施例1]CD44リガンドの精製 (1)CTLL−2の大量培養 CTLL−2は、無血清培地EX−cell 300T
M(JRH Bioscience製)を用いて培養し
た。培養には、IL−2をInM培養液中に加え、ソフ
トセルバック(積水化学製)600ml用に1リットル
の培地を入れ、合計6リットル培養した。 (2)濃縮 細胞培養後、5000gで20分間遠心分離を行い、培
養上清を回収した。この培養上清を、Minitan
TM system(分子量30,000カット、ミリ
ポア製)を用いて、450mlに濃縮した。この濃縮液
を、8M尿素、40mMトリス(pH8.0)と0.4
M NaCl 450mlにて2倍に希釈した。その
後、さらにMinitan TM systemにて4
50mlに再濃縮した。 (3)イオン交換クロマトグラフィー 前記(2)で濃縮した液をイオン交換グロマトグラフィ
ーにて精製した。TSKG−DEAE(東ソ−製)のゲ
ルを用い、1ml/minの流速で、NaClの0.2
Mから1.0Mの直線グラジエントで精製した。緩衝液
は、4M尿素、20mMトリス(pH8.0)、0.2
M NaClから1.0M NaClで行った。0.5
MのNaClで溶出した画分を回収し、蒸留水で透析し
た。その後、セントリプレップー30(アミコン製)に
て濃縮した。
【0019】(4)ゲル濾過 前記(3)で精製し、濃縮した液を、6Mグアニジン、
20mMトリス(pH8.0)、0.1%CHAPS緩
衝液に置換後、TSKG−3000カラムを用いて、
0.5ml/minの流速にてゲル濾過した。その後、
ボイドボリュームのフラクションを回収した。これを蒸
留水で透析後、6Mグアニジン、20mMトリス(pH
8.0)、0.1%CHAPS緩衝液で、TSKG−3
000カラムで0.5ml/minの流速にてゲル濾過
した。再びボイドのフラクションを回収後、10mMの
リン酸緩衝液にて透析した。 (5)ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー 前記(4)で回収した液をハイドロキシアパタイトカラ
ムでクロマトグラフィーを行った。非吸着の部分を回収
し、蒸留水にて透析後、4M尿素、20mMトリス(p
H8.0)、0.2MNaNlの液に置換した。 (6)イオン交換クロマトグラフィー 前記(5)で回収した液を再び(3)で実施した内容と
同様の操作を行った。0.5M NaClで溶出される
画分(フラクション)を回収後、蒸留水で透析し、凍結
乾燥した。こうして得られたCD44リガンドの収量
は、1.2mgであった。
【0020】[実施例2]CD44リガンドの同定 (1)アミノ酸分析 精製したCD44リガンドをコンドロイチナーゼABC
20μg/mlで処理後、475A−ガスフェイズ・プ
ロテインシーケンサー(ABI製)にてN末端を調べ
た。その結果、CD44リガンドのN末端がDDYGS
GSGSGSGSGであることがわかり、セルグリシン
の一種であることが同定された。 CD44リガンドのN末端:Asp−Asp−Tyr−
Gly−Ser−Gly−Ser−Gly−Ser−G
ly−Ser−Gly−Ser−Gly(すなわち、D
DYGSGSGSGSGSG) (2)糖鎖の分析 精製したCD44リガンドを(1)と同様にコンドロイ
チナーゼABC処理した後、HPLCにてオリゴ糖の分
析を行った。その結果、コンドロイチン4硫酸であるこ
とがわかった。 (3)分子量の測定 精製したCD44リガンドを、酵素処理前後で、SDS
−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を実施した。その結
果、CD44リガンドは、分子量約60万で、そのコア
タンパク質の分子量が約18〜約22kdであることが
判明した。すなわち、得られたCD44リガンドは、分
子量約1.8〜約2.2万のコアタンパク質と糖鎖がコ
ンドロイチン4硫酸からなる分子量約60万の糖タンパ
ク質(ただし、プロテオグリカン)であった。
【0021】[実施例3]CD44リガンドのCD44結合におけるコンドロイチ
ン4硫酸の重要性 CD44リガンドを、コンドロイチナーゼABC処理の
有無で、CD44との反応性を調べた。精製したCD4
4リガンド、該リガンドをコンドロイチナーゼABC処
理した物及び該リガンドのコアタンパク質をそれぞれC
D44を発現しているBW5147の培養液中に添加し
たところ、精製したCD44リガンドを添加した場合に
のみ細胞の凝集が認められ、コンドロイチナーゼ処理物
では細胞の凝集が起こらなかった。また、標準品のコン
ドロイチン4硫酸のみでも、BW5147は凝集しな
い。したがって、コンドロイチン4硫酸がセルグリシン
のコアタンパク質に結合した立体構造が細胞の凝集のた
めに重要であることが判明した。
【0022】[実施例4]新しいCD44リガンドの細胞傷害性T細胞の活性化 細胞障害性T細胞2×105個を抗CD3抗体10μg
/mlでコートした。これを96well培養プレート
に入れ、そして、10μg/mlのヒアルロン酸と50
μg/mlのCD44リガンドを入れた培地10%FC
S・RPMI1640 200μl/wellにて培養
した。37℃で3時間培養した後、培養上清20μlに
ついて、グランザイムの一種であるセリンエステラーゼ
の放出を調べた。また、対象として、CD44リガンド
を入れず、ヒアルロン酸のみを加えた培地でも同様に培
養した。その結果、CD44リガンドを加えることによ
り、セリンエステラーゼの放出が増強されることが認め
られた(表1)。したがって、CD44リガンドが細胞
障害性T細胞を該T細胞が持つCD44を介して活性化
することができることがわかった。
【0023】
【表1】 (*1)放出量は、細胞中に含まれるセリンエステラー
ゼ全量を100%とする。
【0024】
【発明の効果】本発明の新しいCD44リガンドは、例
えば、免疫学や癌の基礎研究の試薬として有効である。
また、このCD44リガンドは、細胞障害性T細胞を活
性化することから、免疫増強剤としての期待がもてる。
さらには、CD44が癌の転移に関わることから、新規
CD44リガンドは、癌転移の予防薬としての有用性が
期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:91)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)分子量約60万の糖タンパク質
    (プロテオグリカン)であり、(2)タンパク質部分
    (コアタンパク質)の分子量が約1.8万〜約2.2万
    で、(3)糖鎖がコンドロイチン4硫酸であり、(4)
    タンパク質のアミノ酸配列中にセリン−グリシンの繰り
    返し構造を持ち、(5)細胞障害性T細胞を該T細胞が
    持つCD44を介して活性化することができ、(6)C
    D44とヒアルロン酸との結合部位とは異なる部位でC
    D44と結合することを特徴とするCD44リガンド。
  2. 【請求項2】 セルグリシン産生細胞の培養上清中から
    陰イオン交換クロマトグラフィーとゲル濾過を繰り返し
    行い、最終的にハイドロキシアパタイトカラムで精製す
    ることを特徴とする請求項1記載のCD44リガンドの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 細胞株がマウスCTL細胞株(CTLL
    −2)であることを特徴とする請求項2記載のCD44
    リガンド。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    のCD44リガンドのコアタンパク質。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のCD44リガンドに対す
    る抗体。
  6. 【請求項6】 請求項4記載のCD44リガンドのコア
    タンパク質に対する抗体。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のCD44リガンドを蛍光
    色素、酵素または放射性同位元素で標識し、これをCD
    44発現細胞または組織の検出に使用することを特徴と
    するCD44検出法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のCD44リガンドに、ま
    ずビオチンを結合させ、得られた結合体をCD44発現
    細胞または組織と反応させた後、蛍光色素、酵素または
    放射性同位元素とアビシンまたはストレプトアビジンと
    の結合体と反応させる請求項7記載のCD44検出法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7910368B2 (en) 2001-08-15 2011-03-22 Takara Bio Inc. Method of extended culture for antigen-specific cytotoxic lymphocytes
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