JPH0925273A - ベンジルチアゾリジン誘導体の製造方法 - Google Patents

ベンジルチアゾリジン誘導体の製造方法

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JPH0925273A
JPH0925273A JP20026895A JP20026895A JPH0925273A JP H0925273 A JPH0925273 A JP H0925273A JP 20026895 A JP20026895 A JP 20026895A JP 20026895 A JP20026895 A JP 20026895A JP H0925273 A JPH0925273 A JP H0925273A
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浩幸 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成により容易に入手できるβ−フェニル乳
酸誘導体を原料として、医農薬中間体として有用なベン
ジルチアゾリジン誘導体を従来に比べて簡便かつ高収率
で製造する方法の提供。 【解決手段】 β−フェニル乳酸誘導体を、チオ尿素と
反応させ、加水分解させることにより、ベンジルチアゾ
リジン誘導体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベンジルチアゾリ
ジン誘導体の製造方法に関するものである。本発明によ
って得られる化合物は、医薬、農薬などの原料として有
用なものである。
【0002】
【従来技術】ベンジルチアゾリジン誘導体の製造法とし
ては、α−ハロ−β−フェニルプロピオン酸誘導体をチ
オ尿素と反応させる方法(たとえば、Chemical
Pharmaceutical Bulletin,
30巻,3563頁,1982年など)が一般に良く知
られている。
【0003】しかし、この方法は原料のα−ハロ−β−
フェニルプロピオン酸誘導体の入手が困難であること、
その製造には煩雑な工程を必要とし、廃棄が困難な銅触
媒を用いる必要があることなどの欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、製造
が容易なβ−フェニル乳酸誘導体を原料として用い、高
収率でベンジルチアゾリジン誘導体を製造することので
きる方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】ベンジルチアゾリジン誘
導体を製造する場合、α−ハロ−β−フェニルプロピオ
ン酸誘導体を用いる方法が一般的であるが、α−ハロ−
β−フェニルプロピオン酸誘導体の代わりにβ−フェニ
ル乳酸誘導体を用いても高収率でベンジルチアゾリジン
誘導体を製造できることを見いだした。
【0006】すなわち、本発明は、一般式(1) (式中、R1 は水素原子、置換基を有していてもよいフ
ェニル基、または置換基を有していてもよく、ベンゼン
環と縮合していてもよい5員もしくは6員環の複素環基
を示し、nは0から3の整数を示す)で表されるベンジ
ルチアゾリジン誘導体を製造するにあたり、一般式
(2) (式中、R2 はメタンスルホニル基もしくはp−トルエ
ンスルホニル基、置換基を有していてもよいフェニル
基、または置換基を有していてもよく、ベンゼン環と縮
合していてもよい5員もしくは6員環の複素環基を示
し、nは0から3の整数を示し、R3 はp−トルエンス
ルホニル基またはメタンスルホニル基を示し、R4 は低
級アルキル基を示す)で表されるβ−フェニル乳酸誘導
体とチオ尿素を縮合させ、さらに加水分解させることを
特徴とするベンジルチアゾリジン誘導体の製造方法に関
する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の目的化合物である前記一般式(1)で表される
ベンジルチアゾリジン誘導体および原料として用いる前
記一般式(2)で表されるβ−フェニル乳酸誘導体のR
1 およびR2 において、ベンゼン環と縮合していてもよ
い5員もしくは6員環の複素環基は、具体的にはピリジ
ン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、イミダゾー
ル、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、ベンゾフ
ラン、ベンゾチオフェン、インドール、キノリン、ベン
ゾ[2H]ピラン、ベンゾ[4H]ピラン、などを挙げ
ることができる。
【0008】本発明で原料として用いる前記一般式
(2)で表されるβ−フェニル乳酸誘導体は、具体的に
は、3−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メタンスル
ホニルオキシプロピオン酸メチルエステル、3−(4−
メトキシフェニル)−2−メタンスルホニルオキシプロ
ピオン酸エチルエステル、3−(4−プロポキシフェニ
ル)−2−メタンスルホニルオキシプロピオン酸メチル
エステル、3−(4−ベンジルオキシフェニル)−2−
メタンスルホニルオキシプロピオン酸メチルエステル、
3−[4−(2−フェニルエトキシ)フェニル]−2−
メタンスルホニルオキシプロピオン酸メチルエステル、
3−[4−(3−フェニルプロポキシ)フェニル]−2
−p−トルエンスルホニルオキシプロピオン酸メチルエ
ステル、3−[4−[3−(4−メトキシフェニル)プ
ロポキシ]フェニル]−2−p−トルエンスルホニルオ
キシプロピオン酸メチルエステル、3−[4−[3−
(3−メチルフェニル)プロポキシ]フェニル]−2−
p−トルエンスルホニルオキシプロピオン酸メチルエス
テル、3−[4−[3−(3−エチルフェニル)プロポ
キシ]フェニル]−2−p−トルエンスルホニルオキシ
プロピオン酸メチルエステル、3−[4−(2−ピリジ
ルメトキシ)フェニル]−2−p−トルエンスルホニル
オキシプロピオン酸エチルエステル、3−[4−[2−
(2−ピリジル)エトキシ]フェニル]−2−メタンス
ルホニルオキシプロピオン酸エチルエステル、3−[4
−[2−[2−(5−メチルピリジル)]エトキシ]フ
ェニル]−2−メタンスルホニルオキシプロピオン酸エ
チルエステル、3−[4−[2−(3−ピリジル)エト
キシ]フェニル]−2−メタンスルホニルオキシプロピ
オン酸エチルエステル、3−[4−[2−(4−ピリジ
ル)エトキシ]フェニル]−2−メタンスルホニルオキ
シプロピオン酸エチルエステル、3−[4−[3−(2
−ピリジル)プロポキシ]フェニル]−2−メタンスル
ホニルオキシプロピオン酸エチルエステル、3−[4−
[3−(3−ピリジル)プロポキシ]フェニル]−2−
メタンスルホニルオキシプロピオン酸エチルエステル、
3−[4−[3−(4−ピリジル)プロポキシ]フェニ
ル]−2−メタンスルホニルオキシプロピオン酸エチル
エステル、3−[4−(2−イミダゾリルメトキシ)フ
ェニル]−2−p−トルエンスルホニルオキシプロピオ
ン酸エチルエステル、3−[4−(2−ベンゾフラニル
メトキシ)フェニル]−2−p−トルエンスルホニルオ
キシプロピオン酸エチルエステル、3−[4−[3−
(2−ピリミジル)プロポキシ]フェニル]−2−メタ
ンスルホニルオキシプロピオン酸エチルエステル、3−
[4−[2−(2−ベンゾ[4H]ピラニル)エトキ
シ]フェニル]−2−p−トルエンスルホニルオキシプ
ロピオン酸メチルエステル、3−[4−[2−(2,3
−ジヒドロベンゾ[4H]ピラニル)エトキシ]フェニ
ル]−2−メタンスルホニルオキシプロピオン酸メチル
エステル、3−[4−[2−(2,3−ジヒドロ−5−
メチルベンゾ[4H]ピラニル)エトキシ]フェニル]
−2−p−トルエンスルホニルオキシプロピオン酸メチ
ルエステル、などを挙げることができる。
【0009】これらのβ−フェニル乳酸誘導体は、それ
ぞれ対応するβ−(p−置換フェニル)乳酸をエステル
化し、α−ヒドロキシ基をメタンスルホニル化またはp
−トルエンスルホニル化することにより容易に製造する
ことができる。
【0010】本発明の反応には、原料のβ−フェニル乳
酸誘導体を溶解するために反応に不活性な溶媒、たとえ
ば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチ
レングリコールなどの脂肪族アルコール類、ジメトキシ
エタン、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの脂肪族
エーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸エ
チルなどの脂肪族エステル類、トルエン、キシレンなど
の芳香族炭化水素類などが挙げられ、もう一方の原料で
あるチオ尿素の溶解性が高いことから、脂肪族アルコー
ル類、脂肪族エーテル類が好ましく、経済的に安価なメ
タノール、イソプロパノール、ジオキサンが特に好まし
い。
【0011】本発明の方法における反応温度としては、
0〜200℃の範囲で適用されるが、40〜150℃が
好ましい。反応時間は、反応温度によって変動するが、
通常は24時間以内、2〜12時間の範囲で適用され
る。
【0012】本発明の方法により生成したベンジルチア
ゾリジン誘導体は、反応系から蒸留、再結晶、抽出など
の一般的操作によって分離、精製することができる。
【0013】
【実施例】次に、参考例、実施例により本発明を更に具
体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定さ
れるものではない。
【0014】原料β−フェニル乳酸誘導体の合成を参考
例として示す。
【0015】参考例 2−メタンスルホニルオキシ−3−(4−メトキシフェ
ニル)プロピオン酸メチルエステルの合成 a)3−(4−メトキシフェニル)乳酸メチルエステル
の合成 3−(4−メトキシフェニル)乳酸19.6g、濃硫酸
0.98gおよび無水メタノール200mlを混合し、
2時間加熱還流した。反応後室温まで冷却し、反応液を
減圧下濃縮し、残渣に水100mlを加え、10%炭酸
ナトリウム水溶液で中和した。得られた混合液を酢酸エ
チルで抽出し、抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、減圧下溶媒を留去し、無色油状物の3−(4−メト
キシフェニル)乳酸メチルエステルを20.1g得た。
【0016】b)2−メタンスルホニルオキシ−3−
(4−メトキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル
の合成 3−(4−メトキシフェニル)乳酸メチルエステル1
6.8gをピリジン20mlに溶解し、氷冷撹拌下でメ
タンスルホニルクロライド10.1gを滴下した。滴下
終了後、室温で1時間撹拌し、次いで50℃で1時間撹
拌した。反応混合物に氷水120gを加え、塩化メチレ
ン80mlで2回抽出した。抽出液を5%塩酸50ml
で2回、飽和食塩水50mlで1回洗浄した。得られた
有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を
留去し、無色油状物の2−メタンスルホニルオキシ−3
−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸メチルエステ
ルを21.5g得た。
【0017】実施例1 2−メタンスルホニルオキシ−3−(4−メトキシフェ
ニル)プロピオン酸メチルエステル14.4g、チオ尿
素3.8gおよびジオキサン70mlを混合し、6時間
加熱還流した。反応混合物を放冷後、6N塩酸25ml
を加え、5時間加熱還流した。この反応混合物を減圧下
濃縮し、残渣に水50mlを加え、飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液で中和した。析出した結晶を濾取し、エタノ
ール−水の混液から再結晶して、5−(4−メトキシベ
ンジル)チアゾリジン−2,4−ジオンの無色結晶を
9.48g得た。
【0018】実施例2 2−メタンスルホニルオキシ−3−(4−メトキシフェ
ニル)プロピオン酸メチルエステルのかわりに2−メタ
ンスルホニルオキシ−3−(4−ベンジルオキシフェニ
ル)プロピオン酸エチルエステル18.2gを用いた以
外は実施例1と同様に操作して、5−(4−ベンジルオ
キシベンジル)チアゾリジン−2,4−ジオンの無色結
晶を11.8g得た。
【0019】実施例3 2−メタンスルホニルオキシ−3−(4−メトキシフェ
ニル)プロピオン酸メチルエステルのかわりに2−メタ
ンスルホニルオキシ−3−[4−[2−(2−ピリジ
ル)エトキシ]フェニル]プロピオン酸エチルエステル
18.95gを用いた以外は実施例1と同様に操作し
て、5−[4−[2−(2−ピリジル)エトキシベンジ
ル]チアゾリジン−2,4−ジオンの無色結晶を12.
3g得た。
【0020】実施例4 2−メタンスルホニルオキシ−3−(4−メトキシフェ
ニル)プロピオン酸メチルエステルのかわりに2−メタ
ンスルホニルオキシ−3−[4−[2−(2−オキサゾ
リル)エトキシ]フェニル]プロピオン酸エチルエステ
ル18.45gを用いた以外は実施例1と同様に操作し
て、5−[4−[2−(2−オキサゾリル)エトキシ]
ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオンの無色結晶を
12.8g得た。
【0021】実施例5 2−メタンスルホニルオキシ−3−(4−メトキシフェ
ニル)プロピオン酸メチルエステルのかわりに2−メタ
ンスルホニルオキシ−3−[4−(3−フェニルプロポ
キシ)フェニル]プロピオン酸メチルエステル19.6
gを用いた以外は実施例1と同様に操作して、5−[4
−(3−フェニルプロポキシ)ベンジル]チアゾリジン
−2,4−ジオンの無色結晶を13.6g得た。
【0022】実施例6 2−メタンスルホニルオキシ−3−(4−メトキシフェ
ニル)プロピオン酸メチルエステルのかわりに2−p−
トルエンスルホニルオキシ−3−[4−[2−(4−ト
リフルオロメチルフェニル)エトキシ]フェニル]プロ
ピオン酸メチルエステル22.3gを用いた以外は実施
例1と同様に操作して、5−[4−[2−(4−トリフ
ルオロメチルフェニル)エトキシ]ベンジル]チアゾリ
ジン−2,4−ジオンの無色結晶を17.7g得た。
【0023】実施例7 2−メタンスルホニルオキシ−3−(4−メタンスルホ
ニルオキシフェニル)プロピオン酸エチルエステル1
8.3g、チオ尿素3.8gおよびジオキサン70ml
を混合し、6時間加熱還流した。反応混合物を放冷後、
6N塩酸25mlを加え、6時間加熱還流した。この反
応混合物を減圧下濃縮し、残渣に水50mlを加え、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した。析出した結晶
を濾取し、エタノール−水の混液から再結晶して、5−
(4−ヒドロキシベンジル)チアゾリジン−2,4−ジ
オンの無色結晶を9.58g得た。
【0024】
【発明の効果】本発明の方法によれば、製造が容易なβ
−フェニル乳酸誘導体を原料として用い、高収率でベン
ジルチアゾリジン誘導体を製造することができる。ま
た、本発明の方法は、特殊な操作や装置を必要とするこ
となく実施することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 277:34) (C07D 417/12 263:32 277:34)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) (式中、R1 は水素原子、置換基を有していてもよいフ
    ェニル基、または置換基を有していてもよく、ベンゼン
    環と縮合していてもよい5員もしくは6員環の複素環基
    を示し、nは0から3の整数を示す)で表されるベンジ
    ルチアゾリジン誘導体を製造するにあたり、一般式
    (2) (式中、R2 はメタンスルホニル基もしくはp−トルエ
    ンスルホニル基、置換基を有していてもよいフェニル
    基、または置換基を有していてもよく、ベンゼン環と縮
    合していてもよい5員もしくは6員環の複素環基を示
    し、nは0から3の整数を示し、R3 はp−トルエンス
    ルホニル基またはメタンスルホニル基を示し、R4 は低
    級アルキル基を示す)で表されるβ−フェニル乳酸誘導
    体とチオ尿素を縮合させ、さらに加水分解させることを
    特徴とするベンジルチアゾリジン誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 複素環基が、窒素、酸素および硫黄から
    選ばれた少なくとも一種を含有するものである請求項1
    記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7858600B2 (en) 2000-03-31 2010-12-28 Paratek Pharmaceuticals, Inc. 7- and 9- carbamate, urea, thiourea, thiocarbamate, and heteroaryl-amino substituted tetracycline compounds

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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