JPH09250559A - 付勢機構、クラッチ押圧機構及び多板クラッチ - Google Patents

付勢機構、クラッチ押圧機構及び多板クラッチ

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JPH09250559A
JPH09250559A JP6258796A JP6258796A JPH09250559A JP H09250559 A JPH09250559 A JP H09250559A JP 6258796 A JP6258796 A JP 6258796A JP 6258796 A JP6258796 A JP 6258796A JP H09250559 A JPH09250559 A JP H09250559A
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JP
Japan
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clutch
tubular portion
diaphragm spring
annular
plate
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Application number
JP6258796A
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English (en)
Inventor
Yoshinaga Fukuda
佳修 福田
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Exedy Corp
Original Assignee
Exedy Corp
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Publication date
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Priority to DE69718688T priority patent/DE69718688T3/de
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Abstract

(57)【要約】 【課題】2枚を重ねて使うダイヤフラムスプリングの組
み付け作業性を向上させることにある。 【解決手段】付勢機構30は、第1ダイヤフラムスプリ
ング30Aと第2ダイヤフラムスプリング30Bとを備
えている。第1ダイヤフラムスプリング30Aと第2ダ
イヤフラムスプリング30Bは、環状弾性部30aとそ
こから内周側に延びる複数のレバー部30bとからな
り、両面に固体潤滑被膜が形成されている。第1ダイヤ
フラムスプリング30Aと第2ダイヤフラムスプリング
30Bは重ねられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、付勢機構、クラッ
チ押圧機構及び多板クラッチに関し、特に、トルク伝達
容量を大きくするために2枚のダイヤフラムスプリング
を重ねて用いる付勢機構、クラッチ押圧機構及び多板ク
ラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、レース用自動車などに使用され
る多板クラッチは、フライホイールに固定される第1筒
状部と、第1筒状部の内周側に配置された第2筒状部を
有しシャフトに連結されるハブフランジと、前記第1筒
状部および第2筒状部にそれぞれ係合するドライブプレ
ートおよびドリブンプレートと、両プレートをフライホ
イール側に押圧または押圧解除するための押圧機構とを
備えている。押圧機構は、クラッチカバーとプレッシャ
ープレートとそれを付勢するためのダイヤフラムスプリ
ング等からなり、第1筒状部に固定されて、両プレート
のフライホイール側と反対側に配置されている。ハブフ
ランジは、第2筒状部の外周面にスプラインを、また内
周部にスプライン溝を有している。外周スプラインはド
リブンプレートに係合し、内周のスプライン溝はシャフ
トのスプライン歯に係合している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来例の多板クラ
ッチでは、小型サイズでトルク伝達容量を大きくする必
要があるため、ダイヤフラムスプリングの押圧荷重を大
きくしなければならない。その目的で2枚のダイヤフラ
ムスプリングを重ねて使用する例が知られている。その
場合には2枚のダイヤフラムスプリングがたわむと、そ
の間で摩擦が生じる。このことは、たわみ─荷重の特性
において、ヒステリシス荷重が大きくなることを意味す
る。その結果、効率が低下する。そこで2枚のダイヤフ
ラムスプリング間での潤滑性を向上させるため、両接触
面に固体潤滑被膜が形成されている。しかし、2枚のダ
イヤフラムスプリングは各々が片面だけに潤滑処理をさ
れているため、組み付け時に必ず合わせ面を確認しなけ
ればいけない。
【0004】本発明の目的は、2枚を重ねて使うダイヤ
フラムスプリングの組み付け作業性を向上させることに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の付勢機
構は、第1ダイヤフラムスプリングと第2ダイヤフラム
スプリングとを備えている。第1ダイヤフラムスプリン
グは、1弾性環状部と第1弾性環状部から内周側に延び
る複数の第1レバー部とからなり、両面に固体潤滑被膜
が形成されている。第2ダイヤフラムスプリングは、第
2弾性環状部と第2弾性環状部から内周側に延びる複数
の第2レバー部とからなり、両面に固体潤滑被膜が形成
されている。第1ダイヤフラムスプリングと第2ダイヤ
フラムスプリングは重ねられている。
【0006】請求項2に記載のクラッチ押圧機構は、入
力側回転体にクラッチを押圧または押圧解除するための
機構であり、クラッチカバーとプレッシャープレートと
請求項1に記載の付勢機構とを備えている。クラッチカ
バーは入力回転体に固定される。プレッシャープレート
は、クラッチカバーとクラッチとの間に配置される。付
勢機構は、クラッチカバーに支持されプレッシャープレ
ートを付勢する。
【0007】請求項3に記載の多板クラッチは、回転フ
ライホイールから出力側回転体にトルクを伝達および遮
断するためのクラッチであり、入力側部材と出力側部材
と複数の第1環状摩擦板と複数の第2環状摩擦板と請求
項2に記載のクラッチ押圧機構とを備えている。入力側
部材は、回転フライホイールに固定される第1筒状部を
含む。出力側部材は、第1筒状部の内周側に配置された
第2筒状部を含み、前記出力側回転体に相対回転不能に
係合する。複数の第1環状摩擦板は、第1筒状部と第2
筒状部との間に配置され、外周部が前記第1筒状部に軸
方向に相対移動可能にかつ相対回転不能に係合する。複
数の第2環状摩擦板は、第1環状摩擦板と軸方向に交互
に配置され、内周部が第2筒状部に対して軸方向に相対
移動可能にかつ相対回転不能に係合する。クラッチ押圧
機構は第1筒状部に固定される。
【0008】第1ダイヤフラムスプリングと第2ダイヤ
フラムスプリングとは、摺動面に固体潤滑被膜が形成さ
れているため、たわみ変形する際に生じる摩擦が少な
い。また、第1ダイヤフラムスプリングと第2ダイヤフ
ラムスプリングは両面に固体潤滑被膜が形成されている
ため、組み付け作業時に摺動面を気にする必要がない。
その結果、組み付け作業性がよい。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態による
自動車用乾式多板クラッチ1の断面図である。図1のO
−Oが乾式多板クラッチ1の回転軸線である。乾式多板
クラッチ1は、エンジン(図示せず)のフライホイール
2からトランスミッションの入力軸(図示せず)にトル
クを伝達および遮断するための装置である。この乾式多
板クラッチ1は、主に、入力側部材であるフライホイー
ルリング5(第1筒状部)と、出力側部材であるハブフ
ランジ6と、フライホイールリング5とハブフランジ6
との間に配置された複数のドライブプレート7および複
数のドリブンプレート8からなる摩擦板群9と、両プレ
ート7,8を圧接および圧接解除するためのクラッチカ
バー組立体10(クラッチ押圧組立体)とを備えてい
る。
【0010】ハブフランジ6は、中心に配置されたボス
11と、ボス11から一体に外周側に広がるフランジ1
2と、フランジ12の外周に一体に設けられた第2筒状
部13とを有している。ボス11の中心にはスプライン
孔11aが形成されており、このスプライン孔11aが
トランスミッションの入力軸のスプライン歯に噛み合っ
ている。これにより、ハブフランジ6はトランスミッシ
ョンの入力軸に対して相対回転不能にかつ軸方向に移動
自在になっている。ハブフランジ6のフランジ12に
は、円周方向に間隔を隔てて複数の円形空気通路開口1
4が設けられている。第2筒状部13はフランジ12か
ら軸方向両側に突出している。第2筒状部13の外周に
は軸方向に延びる多数の外歯18aが形成されている。
外歯18aには軸方向に孔18cが貫通している。第2
筒状部13の軸方向両側に突出している部分には、それ
ぞれ複数の空気通路孔19,20が設けられている。空
気通路孔19,20は、それぞれ、第2筒状部13をほ
ぼ半径方向に貫通しており、半径方向外側の端部が外歯
18a間の底部に開口している。
【0011】第2筒状部13の半径方向外側にはフライ
ホイールリング5が同心に配置されている。フライホイ
ールリング5は、図1において左側の端部がエンジンの
フライホイール2に複数のボルト22(中心線のみ図
示)で固定される。フライホイールリング5は内歯23
aを備えている。フライホイールリング5の外周面の軸
方向に間隔を隔てた複数箇所(例えば3箇所)には、空
気通路溝24が設けられている。図1に示すように、空
気通路溝24はドリブンプレート8の半径方向外側に設
けられている。個々の空気通路溝24はフライホイール
リング5の円周方向に沿って円弧状に延びており、その
底部は複数の内歯23aの底面に開口している。空気通
路溝24が円周方向に長く延びていることで、フライホ
イールリング5が軽量化されている。
【0012】フライホイールリング5の内側とハブフラ
ンジ6の第2筒状部13との間には、摩擦板群9が配置
されている。摩擦板群9は、軸方向にはフライホイール
2の摩擦面と環状のプレッシャープレート(後述)との
間に配置されている。摩擦板群9は、互いに軸方向に交
互に並ぶ状態で配置されている4枚のドライブプレート
7と3枚のドリブンプレート8とからなる。ドライブプ
レート7及びドリブンプレート8は乾式のカーボン製環
状摩擦板であり、いずれも、トランスミッションの入力
軸と同心に配置されている。ドライブプレート7は外周
部に放射状の突起26を備え、突起26はフライホイー
ルリング5の内歯23aに相対回転不能にかつ軸方向に
摺動自在に係合している。ドリブンプレート8は放射状
の突起27を内周部に備えており、突起27は第2筒状
部13の外歯18aに相対回転不能にかつ軸方向に摺動
自在に係合している。
【0013】クラッチカバー組立体10は、クラッチカ
バー28と、クラッチカバー28内に配置された環状の
プレッシャープレート29と、プレッシャープレート2
9をフライホイール2側に付勢するための付勢機構30
と、付勢機構30をクラッチカバー28側に支持する支
持機構31とを主に備えている。クラッチカバー28は
前述のボルト22によりフライホイールリング5の端面
に固定されている。クラッチカバー28は、アルミニウ
ムを主とした金属製であり、軽量化されている。
【0014】プレッシャープレート29は、最もクラッ
チカバー28側に配置されたドライブプレート7の図1
右側に配置されている。プレッシャープレート29は、
放射状の突起32を外周部に備え、突起32が内歯23
aに相対回転不能にかつ軸方向に摺動自在に係合してい
る。プレッシャープレート29の背面(ドリブンプレー
ト8と反対側の面)の内周寄りの部分には、半円形断面
を有する環状隆起部33が一体に設けられている。
【0015】付勢機構30は、重ね合わされた第1ダイ
ヤフラムスプリング30Aと第2ダイヤフラムスプリン
グ30Bとから構成されている。両ダイヤフラムスプリ
ング30A,30Bは、環状弾性部30aと環状弾性部
30aの内周から半径方向内方へ延びる複数のレバー部
30bとから構成されている。レバー部30bは円周方
向に等間隔を隔てて設けてあり、隣接するレバー部30
bの間にスリットが形成されるとともに、各スリットの
半径方向外側の部分に、円周方向幅が比較的広い切り欠
き30cが形成されている。第1ダイヤフラムスプリン
グ30Aと第2ダイヤフラムスプリング30Bには、両
面に固体潤滑被膜が形成されている。固体潤滑被膜によ
り、防錆と潤滑の効果が得られる。固体潤滑被膜の材料
としては、フッ素樹脂が好ましい。他の固体潤滑剤を用
いてもよい。
【0016】フッソ樹脂の被膜は、以下の工程で第1及
び第2ダイヤフラムスプリング30A,30Bの表面に
形成される。初めに第1及び第2ダイヤフラムスプリン
グ30A,30Bを脱脂、防錆、化成被膜、乾燥する。
次に、スプレー、浸漬またはハケ塗りのいずれかによる
方法で、第1及び第2ダイヤフラムスプリング30A,
30Bの表面にフッ素樹脂の被膜を形成する。最後に、
加熱硬化を行う。
【0017】支持機構31は、第1及び第2ダイヤフラ
ムスプリング30A,30Bの環状部30aの内周部を
支持する1対の第1及び第2環状支持部材35,36
と、両環状支持部材35,36をクラッチカバー28に
固定する複数のボルト37とを主に備えている。1対の
環状支持部材35,36は鋼製である。環状支持部材3
5,36は第1及び第2ダイヤフラムスプリング30
A,30Bに沿って円周方向に延びており、それぞれ外
周部に支持部38、39を備えている。支持部38,3
9は、それぞれ、第1及び第2ダイヤフラムスプリング
30A,30Bに当接する部分が半円形等の凸形断面を
有している。第1環状支持部材35の支持部38が第1
及び第2ダイヤフラムスプリング30A,30Bに対し
てクラッチカバー28側(図1の右側)から当接し、第
2環状支持部材36の支持部39が第1及び第2ダイヤ
フラムスプリング30A,30Bに対してハブフランジ
6側(図1の左側)から当接している。支持部38の内
周側で図1の右側には環状に延びる薄い着座部40が一
体に形成されている。着座部40には、軸方向に延びる
複数の脚部41が円周方向に間隔を隔てて一体に形成さ
れている。また、支持部39の内周側で図1の左側には
環状に延びる薄い環状部42が一体に形成されている。
環状部42には、軸方向に延びる複数の突部43が円周
方向に間隔を隔てて一体に設けられている。突部43は
支持部39の内周にも連続している。脚部41と突部4
3とは互いに接近する方に突出しており、図1に示す組
立状態では、脚部41は第1及び第2ダイヤフラムスプ
リング30A,30Bの切り欠き30cを通って先端面
が突部43に着座している。
【0018】前述のクラッチカバー28の内側端面に
は、第1環状支持部材35の着座部40背面ならびに内
周面及び外周面が着座する切り欠きが設けてあり、環状
支持部材35はこの切り欠きに着座した状態で、ボルト
37により固定されている。第1環状支持部材35にお
いて各脚部41とそれに連続する着座部40の部分に
は、ボルト37が通されるボルト挿通孔(ねじを備えて
いない孔)が設けてあり、これと同心のボルト挿通孔が
クラッチカバー28にも設けてある。第2環状支持部材
36の突部43とそれに連続する環状部42の部分には
ねじ孔が設けてあり、このねじ孔にボルト37のねじ部
が固定されている。
【0019】以上に説明したように、複数のボルト37
により環状支持部材35,36はクラッチカバー28に
固定されている。そして、これらの環状支持部材35,
36に支持されたダイヤフラスプリング30はその環状
部30aの外周部がプレッシャープレート29の隆起部
33に当接し、プレッシャープレート29をフライホイ
ール2側(図1の左側)に付勢する。
【0020】第1及び第2ダイヤフラムスプリング30
A,30Bの内周部に隣接して図示しないレリーズ装置
が配置されている。レリーズ装置が、第1及び第2ダイ
ヤフラムスプリング30A,30Bのレバー部30b先
端をフライホイール2側に押すと、第1及び第2ダイヤ
フラムスプリング30A,30Bの環状部30a外周が
プレッシャープレート29から離れる。この結果、クラ
ッチ連結が解除される。
【0021】上述の構造では、ハブフランジ6はトラン
スミッションの入力軸に対して軸方向に移動自在であ
り、従って、ハブフランジ6の軸方向移動を制限する必
要がある。そのために、図1および図3に示すように、
ハブフランジ6の第2筒状部13には、3枚の弧状プレ
ート52が連結されている。以下にその構造及び取付け
方法を説明する。
【0022】第2筒状部13の外歯18aのフライホイ
ール2側には円周溝56が形成されている。円周溝56
は外歯18aの底部付近までの深さを有している。円周
溝56には、円周方向に等間隔で3箇所に半径方向内側
に延び第2筒状部13を貫通する収容部56aが形成さ
れている。収容部56aは半径方向外側から内側に向か
って円周方向幅が狭くなっている。各弧状プレート52
は、弧状部52aと両端の固定部52bとを有してい
る。固定部52bは径方向内側に伸びており、ボルト挿
通孔が形成されている。各弧状プレート52は円周溝5
6内に嵌入されている。各固定部52bは隣接する固定
部52bとともに収容部56a内に挿入されている。各
固定部52aは、ボルト53によって第2筒状部13に
固定されている。このようにして、弧状プレート52の
弧状部52aが2枚の第2ドリブンプレート8の突起2
7間に配置されている。
【0023】前述のフライホイール2及びプレッシャー
プレート29は、ドライブプレート7及びドリブンプレ
ート8の軸方向の移動範囲を制限している。このように
軸方向位置の制限された2枚のドリブンプレート8の突
起27の間に複数の弧状プレート52が位置することに
より、ハブフランジ6の軸方向の位置も所定範囲内に限
定される。
【0024】次に動作を説明する。クラッチ接続状態で
は、図示しないレリーズ装置は付勢機構30の第1及び
第2ダイヤフラムスプリング30A,30Bをフライホ
イール2側に押圧しておらず、第1及び第2ダイヤフラ
ムスプリング30A,30B自らの弾性力がプレッシャ
ープレート29を摩擦板群9側に押し付けている。この
とき、2枚の第1及び第2ダイヤフラムスプリング30
A,30Bに大きな押圧荷重が得られる。これにより、
ドライブプレート7とドリブンプレート8が互いに圧接
し、フライホイール2からフライホイールリング5に入
力されたトルクが、ドライブプレート7及びドリブンプ
レート8を介してハブフランジ6に伝達され、さらに、
ハブフランジ6からトランスミッションの入力軸へ出力
される。2枚の第1及び第2ダイヤフラムスプリング3
0A,30Bに大きな押圧荷重が得られるため、トルク
伝達容量が大きくなる。
【0025】クラッチを遮断する場合、図示しないレリ
ーズ装置が第1及び第2ダイヤフラムスプリング30
A,30Bのレバー部30bの先端をフライホイール2
側へ押し、第1及び第2ダイヤフラムスプリング30
A,30Bの環状部30a外周部をプレッシャープレー
ト29から離れる方向に移動させる。これにより、ドラ
イブプレート7とドリブンプレート8の圧接が解放さ
れ、クラッチが遮断される。
【0026】付勢機構30を構成する2枚の第1及び第
2ダイヤフラムスプリング30A,30Bは合わせられ
た面に固体潤滑被膜が形成されているため、両部材間で
摩擦が生じにくい。そのため、付勢機構30の操作にお
いて効率がよい。また、2枚の第1及び第2ダイヤフラ
ムスプリング30A,30Bは合わせ面と反対側の面に
も固体潤滑被膜が形成されているため、支持部38,3
9、プレッシャープレート29の隆起部33、図示しな
いレリーズ装置との接触部分などの耐磨耗性が向上す
る。
【0027】さらに、第1ダイヤフラムスプリング30
Aと第2ダイヤフラムスプリング30Bとは、両面に固
体潤滑被膜が形成されているため、組み付け作業時に摺
動面を気にする必要がない。その結果、組み付け作業性
がよい。ハブフランジ6は3枚の弧状プレート52によ
って、ドライブプレート7及びドリブンレート8と係合
し、軸方向の位置決めをされている。すなわち、弧状プ
レート51が2枚のドリブンプレート8の突起27に軸
方向から当接する。
【0028】上述の構造では、3枚の弧状プレート52
からなる環状部分が全周にわたってドリブンプレート8
の突起27に当接する。すなわち、突起27に当接する
面積が従来より大幅に増えている。そのため、突起27
への面圧が低くなっている。その結果、ドリブンプレー
ト8の突起27が磨耗しにくい。各弧状プレート52
は、第2筒状部13の円周溝56への着脱が容易であ
る。また、図2からも明らかなように、各弧状プレート
52の固定部52b同士は軸方向に重なっておらず、各
々が別々に第2筒状部13に固定されている。そのた
め、固定部52bの厚みを薄くする必要がなく、弧状部
52aと固定部52bの厚みは同一になっている。その
結果、固定部52bの強度が向上している。
【0029】弧状プレート52を固定する手段はボルト
以外の他の手段でもよい。弧状プレート52の枚数は3
枚に限定されない。
【0030】
【発明の効果】本願発明に係る第1ダイヤフラムスプリ
ングと第2ダイヤフラムスプリングとは、摺動面に固体
潤滑被膜が形成されているため、摩擦が生じにくい。ま
た、第1ダイヤフラムスプリングと第2ダイヤフラムス
プリングは両面に固体潤滑被膜が形成されているため、
組み付け作業時に摺動面を気にする必要がない。その結
果、組み付け時の作業性がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施例の自動車用乾式多板
クラッチの断面図。
【図2】多板クラッチの一部を省略した平面図。
【図3】ハブフランジの平面図。
【符号の説明】
1 乾式多板クラッチ 2 フライホイール 5 フライホイール支持部 6 ハブフランジ 7 ドライブプレート 8 ドリブンプレート 10 クラッチカバー組立体 13 第2筒状部 30 付勢機構 30A 第1ダイヤフラムスプリング 30B 第2ダイヤフラムスプリング

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1弾性環状部と前記第1弾性環状部から
    内周側に延びる複数の第1レバー部とからなり、両面に
    固体潤滑被膜が形成された第1ダイヤフラムスプリング
    と、 第2弾性環状部と前記第2弾性環状部から内周側に延び
    る複数の第2レバー部とからなり、両面に固体潤滑被膜
    が形成され、前記第1ダイヤフラムスプリングと重ねら
    れている第2ダイヤフラムスプリングと、を備えた付勢
    機構。
  2. 【請求項2】入力側回転体にクラッチを押圧または押圧
    解除するためのクラッチ押圧機構であって、 前記入力側回転体に固定されるクラッチカバーと、 前記クラッチカバーと前記クラッチとの間に配置された
    プレッシャープレートと、 前記クラッチカバーに支持され前記プレッシャープレー
    トを前記クラッチ側に付勢する請求項1に記載の前記付
    勢機構と、を備えたクラッチ押圧機構。
  3. 【請求項3】回転フライホイールから出力側回転体にト
    ルクを伝達および遮断するための多板クラッチであっ
    て、 前記回転フライホイールに固定される第1筒状部を含む
    入力側部材と、 前記第1筒状部の内周側に配置された第2筒状部を含
    み、前記出力側回転体に相対回転不能に係合する出力側
    部材と、 前記第1筒状部と前記第2筒状部との間に配置され、外
    周部が前記第1筒状部に軸方向に相対移動可能にかつ相
    対回転不能に係合する複数の第1環状摩擦板と、 前記第1環状摩擦板と軸方向に交互に配置され、内周部
    が前記第2筒状部に対して軸方向に相対移動可能にかつ
    相対回転不能に係合する複数の第2環状摩擦板と、 前記第1筒状部に固定される請求項2に記載の前記クラ
    ッチ押圧機構と、を備えた多板クラッチ。
JP6258796A 1996-03-19 1996-03-19 付勢機構、クラッチ押圧機構及び多板クラッチ Pending JPH09250559A (ja)

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JP6258796A JPH09250559A (ja) 1996-03-19 1996-03-19 付勢機構、クラッチ押圧機構及び多板クラッチ
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JP2006242303A (ja) * 2005-03-04 2006-09-14 Exedy Corp 多板クラッチ装置及びクラッチディスク組立体

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