JPH09249604A - 2,3,5−トリメチルハイドロキノンの製造法 - Google Patents
2,3,5−トリメチルハイドロキノンの製造法Info
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- JPH09249604A JPH09249604A JP8062643A JP6264396A JPH09249604A JP H09249604 A JPH09249604 A JP H09249604A JP 8062643 A JP8062643 A JP 8062643A JP 6264396 A JP6264396 A JP 6264396A JP H09249604 A JPH09249604 A JP H09249604A
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- trimethylhydroquinone
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- trimethylphenol
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、2,3,6−トリメチルフェノー
ルから2,3,5−トリメチルハイドロキノンを高收率
でかつ容易に(一段で)製造する方法を提供することを
課題とする。 【解決手段】 本発明の課題は、2,3,6−トリメチ
ルフェノールを、タングステンを配位原子とするヘテロ
ポリ酸を共存させて、ケトンの存在下に過酸化水素で酸
化することを特徴とする2,3,5−トリメチルハイド
ロキノンの製造法によって達成される。
ルから2,3,5−トリメチルハイドロキノンを高收率
でかつ容易に(一段で)製造する方法を提供することを
課題とする。 【解決手段】 本発明の課題は、2,3,6−トリメチ
ルフェノールを、タングステンを配位原子とするヘテロ
ポリ酸を共存させて、ケトンの存在下に過酸化水素で酸
化することを特徴とする2,3,5−トリメチルハイド
ロキノンの製造法によって達成される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成ビタミンEの
原料として有用な2,3,5−トリメチルハイドロキノ
ンを製造する方法に関する。
原料として有用な2,3,5−トリメチルハイドロキノ
ンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2,3,5−トリメチルハイドロキノン
の製造法としては、(1)2,3,6−トリメチルフェ
ノールをスルホン化し、更に酸化して2,3,5−トリ
メチルベンゾキノンとした後、これを水素還元して2,
3,5−トリメチルハイドロキノンを得る方法(西独特
許第1932362号明細書、同第2225543号明
細書)、(2)2,3,6−トリメチルフェノールを酸
化して2,3,5−トリメチルベンゾキノンとした後、
これを水素還元して2,3,5−トリメチルハイドロキ
ノンを得る方法(特開昭61−27936号公報)、
(3)2,3,6−トリメチルフェノールを、必要であ
れば触媒として硫酸もしくはその塩又はスルホン酸もし
くはその塩を存在させて、ケトンの存在下に過酸化水素
で酸化して2,3,5−トリメチルハイドロキノンを得
る方法(特公昭55−30693号公報)、(4)2,
3,6−トリメチルフェノールを硫酸もしくはその塩又
はスルホン酸もしくはその塩の存在下にケトンパーオキ
サイドで酸化して2,3,5−トリメチルハイドロキノ
ンを得る方法(特公昭55−31763号公報)が知ら
れている。
の製造法としては、(1)2,3,6−トリメチルフェ
ノールをスルホン化し、更に酸化して2,3,5−トリ
メチルベンゾキノンとした後、これを水素還元して2,
3,5−トリメチルハイドロキノンを得る方法(西独特
許第1932362号明細書、同第2225543号明
細書)、(2)2,3,6−トリメチルフェノールを酸
化して2,3,5−トリメチルベンゾキノンとした後、
これを水素還元して2,3,5−トリメチルハイドロキ
ノンを得る方法(特開昭61−27936号公報)、
(3)2,3,6−トリメチルフェノールを、必要であ
れば触媒として硫酸もしくはその塩又はスルホン酸もし
くはその塩を存在させて、ケトンの存在下に過酸化水素
で酸化して2,3,5−トリメチルハイドロキノンを得
る方法(特公昭55−30693号公報)、(4)2,
3,6−トリメチルフェノールを硫酸もしくはその塩又
はスルホン酸もしくはその塩の存在下にケトンパーオキ
サイドで酸化して2,3,5−トリメチルハイドロキノ
ンを得る方法(特公昭55−31763号公報)が知ら
れている。
【0003】しかしながら、(1)及び(2)の方法で
は、産業廃棄物を副生し、しかも多段の反応であるため
に煩雑で工業的には好ましくないという問題がある。ま
た、(3)及び(4)の方法では、2,3,5−トリメ
チルハイドロキノンの收率が低く工業的に満足できるも
のではないという問題がある。
は、産業廃棄物を副生し、しかも多段の反応であるため
に煩雑で工業的には好ましくないという問題がある。ま
た、(3)及び(4)の方法では、2,3,5−トリメ
チルハイドロキノンの收率が低く工業的に満足できるも
のではないという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、2,3,6
−トリメチルフェノールから2,3,5−トリメチルハ
イドロキノンを高收率でかつ容易に(一段で)製造する
方法を提供することを課題とするものである。
−トリメチルフェノールから2,3,5−トリメチルハ
イドロキノンを高收率でかつ容易に(一段で)製造する
方法を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは2,3,6
−トリメチルフェノールから2,3,5−トリメチルハ
イドロキノンを製造する方法について鋭意研究した結
果、意外にもヘテロポリ酸を共存させて、2,3,6−
トリメチルフェノールをケトンの存在下に過酸化水素で
酸化することにより、従来の方法よりも著しく高い收率
で2,3,5−トリメチルハイドロキノンを製造できる
ことを見いだして本発明を完成した。
−トリメチルフェノールから2,3,5−トリメチルハ
イドロキノンを製造する方法について鋭意研究した結
果、意外にもヘテロポリ酸を共存させて、2,3,6−
トリメチルフェノールをケトンの存在下に過酸化水素で
酸化することにより、従来の方法よりも著しく高い收率
で2,3,5−トリメチルハイドロキノンを製造できる
ことを見いだして本発明を完成した。
【0006】即ち、本発明の課題は、2,3,6−トリ
メチルフェノールを、タングステンを配位原子とするヘ
テロポリ酸を共存させて、ケトンの存在下に過酸化水素
で酸化することを特徴とする2,3,5−トリメチルハ
イドロキノンの製造法によって達成される。
メチルフェノールを、タングステンを配位原子とするヘ
テロポリ酸を共存させて、ケトンの存在下に過酸化水素
で酸化することを特徴とする2,3,5−トリメチルハ
イドロキノンの製造法によって達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるケトンは特に
限定されるものではないが、例えば次のものが挙げられ
る。
限定されるものではないが、例えば次のものが挙げられ
る。
【0008】(1)次の一般式(I)で表される炭素数
3〜20のケトン:
3〜20のケトン:
【化1】 (式中、R1 及びR2 は炭素数1〜18を有する直鎖状
又は分枝を有するアルキル基又はフェニル基を表し、そ
れぞれ等しいか又は異なっていてもよい。また、これら
のアルキル基の水素原子はハロゲン原子、水酸基、アミ
ノ基又はフェニル基で置換されていてもよく、更にこれ
らのアルキル基は不飽和結合を有していてもよい。)
又は分枝を有するアルキル基又はフェニル基を表し、そ
れぞれ等しいか又は異なっていてもよい。また、これら
のアルキル基の水素原子はハロゲン原子、水酸基、アミ
ノ基又はフェニル基で置換されていてもよく、更にこれ
らのアルキル基は不飽和結合を有していてもよい。)
【0009】(2)次の一般式(II)で表される炭素数
3〜20のジケトン:
3〜20のジケトン:
【化2】 (式中、n1 は0〜16の整数を表し、R1 及びR2 は
前述と同一の意味を有する。)
前述と同一の意味を有する。)
【0010】(3)次の一般式(III) で表されるシクロ
ケトン:
ケトン:
【化3】 (式中、n2 は4〜11の整数を表し、m1 +m2 は3
〜10の整数を表す。また、R1 は前述と同一の意味を
有する。)
〜10の整数を表す。また、R1 は前述と同一の意味を
有する。)
【0011】一般式(I)で表されるケトンのうち、R
1 及びR2 が炭素数1〜18の直鎖状又は分枝を有する
(かつ不飽和結合を有しない)アルキル基としては、例
えば次のものが挙げられる:メチル、エチル、プロピ
ル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、
1,1−ジメチルエチル、2−メチルプロピル、ペンチ
ル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチル
ブチル、1,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、1−メ
チルペンチル、オクチル、デシル、ウンデシル、2−ド
デシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、オ
クタデシルなど。
1 及びR2 が炭素数1〜18の直鎖状又は分枝を有する
(かつ不飽和結合を有しない)アルキル基としては、例
えば次のものが挙げられる:メチル、エチル、プロピ
ル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、
1,1−ジメチルエチル、2−メチルプロピル、ペンチ
ル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチル
ブチル、1,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、1−メ
チルペンチル、オクチル、デシル、ウンデシル、2−ド
デシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、オ
クタデシルなど。
【0012】上記のアルキル基を有するケトンの代表例
としては、次のものが挙げられる:アセトン、メチルエ
チルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、3−メ
チル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノ
ン、3−メチル−2−ペンタノン、4−メチル−2−ペ
ンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプ
タノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2,4−ジ
メチル−3−ペンタノン、2−オクタノン、6−メチル
−2−ヘプタノン、2−ノナノン、2,6−ジメチル−
4−ヘプタノン、2,2,4,4−テトラメチル−3−
ヘプタノン、3−デカノン、6−ウンデカノン、2−ト
リデカノン、7−トリデカノン、2−テトラデカノン、
2−ペンタデカノン、2−ヘキサデカノン、2−ヘプタ
デカノン、3−オクタデカノン、4−ノナデカノン、5
−アイコサノンなど。
としては、次のものが挙げられる:アセトン、メチルエ
チルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、3−メ
チル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノ
ン、3−メチル−2−ペンタノン、4−メチル−2−ペ
ンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプ
タノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2,4−ジ
メチル−3−ペンタノン、2−オクタノン、6−メチル
−2−ヘプタノン、2−ノナノン、2,6−ジメチル−
4−ヘプタノン、2,2,4,4−テトラメチル−3−
ヘプタノン、3−デカノン、6−ウンデカノン、2−ト
リデカノン、7−トリデカノン、2−テトラデカノン、
2−ペンタデカノン、2−ヘキサデカノン、2−ヘプタ
デカノン、3−オクタデカノン、4−ノナデカノン、5
−アイコサノンなど。
【0013】一般式(I)で表されるケトンのうち、R
1 及びR2 が炭素数1〜18の直鎖状又は分枝を有する
アルキル基であってかつ不飽和結合を有するケトンの代
表例としては、例えば次のものが挙げられる(但し、不
飽和結合は二重結合、三重結合の何れでもよいが、二重
結合が好ましい):3−ブテン−2−オン、3−ペンテ
ン−2−オン、5−ヘキセン−2−オン、4−メチル−
3−ペンテン−2−オン、6−メチル−5−ヘプテン−
2−オン、5−オクテン−2−オン、7−ノナデセン−
2−オンなど。
1 及びR2 が炭素数1〜18の直鎖状又は分枝を有する
アルキル基であってかつ不飽和結合を有するケトンの代
表例としては、例えば次のものが挙げられる(但し、不
飽和結合は二重結合、三重結合の何れでもよいが、二重
結合が好ましい):3−ブテン−2−オン、3−ペンテ
ン−2−オン、5−ヘキセン−2−オン、4−メチル−
3−ペンテン−2−オン、6−メチル−5−ヘプテン−
2−オン、5−オクテン−2−オン、7−ノナデセン−
2−オンなど。
【0014】一般式(I)で表されるケトンのうち、R
1 及びR2 が炭素数1〜18の直鎖状又は分枝を有する
アルキル基であって、かつその水素原子がハロゲン原子
(特に塩素原子、臭素原子)、水酸基、アミノ基又はフ
ェニル基で置換されているケトンの代表例としては、例
えば次のものが挙げられる:1−クロロ−2−プロパノ
ン、1−クロロ−3−ヘプタノン、1−ブロモ−3−ヘ
プタノン、1−ヒドロキシ−2−プロパノン、3−ヒド
ロキシ−2−ブタノン、4−アミノ−4−メチル−2−
ペンタノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、1−フ
ェニル−2−プロパノン、1−フェニル−1−ブタノ
ン、1−フェニル−3−ブタノン、1−フェニル−3−
ペンタノン、1,3−ジフェニル−2−プロパノンな
ど。
1 及びR2 が炭素数1〜18の直鎖状又は分枝を有する
アルキル基であって、かつその水素原子がハロゲン原子
(特に塩素原子、臭素原子)、水酸基、アミノ基又はフ
ェニル基で置換されているケトンの代表例としては、例
えば次のものが挙げられる:1−クロロ−2−プロパノ
ン、1−クロロ−3−ヘプタノン、1−ブロモ−3−ヘ
プタノン、1−ヒドロキシ−2−プロパノン、3−ヒド
ロキシ−2−ブタノン、4−アミノ−4−メチル−2−
ペンタノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、1−フ
ェニル−2−プロパノン、1−フェニル−1−ブタノ
ン、1−フェニル−3−ブタノン、1−フェニル−3−
ペンタノン、1,3−ジフェニル−2−プロパノンな
ど。
【0015】一般式(II)で表されるジケトンの代表例
としては、例えば次のものが挙げられる:2,3−ブタ
ンジオン、2,4−ペンタンジオン、2,5−ヘキサン
ジオンなど。
としては、例えば次のものが挙げられる:2,3−ブタ
ンジオン、2,4−ペンタンジオン、2,5−ヘキサン
ジオンなど。
【0016】一般式(III) で表されるシクロケトンの代
表例としては、例えば次のものが挙げられる:シクロペ
ンタノン、シクロヘキサノン、2−エチル−1−シクロ
ペンタノン、2−メチル−1−シクロヘキサノン、シク
ロドデカノンなど。
表例としては、例えば次のものが挙げられる:シクロペ
ンタノン、シクロヘキサノン、2−エチル−1−シクロ
ペンタノン、2−メチル−1−シクロヘキサノン、シク
ロドデカノンなど。
【0017】前記のケトンの中で特に好ましいものは、
置換基を有しない炭素数3〜15の飽和脂肪族モノケト
ン、炭素数5〜12の飽和脂環式モノケトン、又は芳香
族モノケトンである。
置換基を有しない炭素数3〜15の飽和脂肪族モノケト
ン、炭素数5〜12の飽和脂環式モノケトン、又は芳香
族モノケトンである。
【0018】本発明において、以上詳細に述べたケトン
の存在下での過酸化水素による2,3,6−トリメチル
フェノールの酸化は次の条件で行われる。使用する過酸
化水素の濃度については特に限定はなく、一般に使用さ
れている30〜60重量%の濃度の過酸化水素でも使用
できる。しかし、本発明の反応はできるだけ水の少ない
状態で実施すると酸化速度が速くなり、しかも2,3,
5−トリメチルハイドロキノンの收率が高くなるため、
60重量%以上の過酸化水素が好適に使用されることは
勿論である。過酸化水素の使用量に特別の制限はない
が、望ましいは使用量は2,3,6−トリメチルフェノ
ールに対するモル比で0.005〜0.5である。
の存在下での過酸化水素による2,3,6−トリメチル
フェノールの酸化は次の条件で行われる。使用する過酸
化水素の濃度については特に限定はなく、一般に使用さ
れている30〜60重量%の濃度の過酸化水素でも使用
できる。しかし、本発明の反応はできるだけ水の少ない
状態で実施すると酸化速度が速くなり、しかも2,3,
5−トリメチルハイドロキノンの收率が高くなるため、
60重量%以上の過酸化水素が好適に使用されることは
勿論である。過酸化水素の使用量に特別の制限はない
が、望ましいは使用量は2,3,6−トリメチルフェノ
ールに対するモル比で0.005〜0.5である。
【0019】使用するケトンの量は少量でもよいが、過
剰量のケトンは溶媒としての機能も有するので、使用量
の上限には特に制限はない。特に好ましいケトンの使用
量は過酸化水素に対するモル比で0.005〜20であ
る。
剰量のケトンは溶媒としての機能も有するので、使用量
の上限には特に制限はない。特に好ましいケトンの使用
量は過酸化水素に対するモル比で0.005〜20であ
る。
【0020】反応は0〜250℃、好ましくは45〜2
00℃の温度で実施される。反応時間は特に制限されな
いが、反応温度と後述する触媒(ヘテロポリ酸)の量に
より異なる。なお、反応は通常は大気圧下で行うが、減
圧下又は加圧下で行ってもよい。
00℃の温度で実施される。反応時間は特に制限されな
いが、反応温度と後述する触媒(ヘテロポリ酸)の量に
より異なる。なお、反応は通常は大気圧下で行うが、減
圧下又は加圧下で行ってもよい。
【0021】溶媒は使用しなくてもよいが、使用する場
合には酸化反応を妨げない溶媒、例えば酢酸メチル、酢
酸エチル、二酢酸エチレン、安息香酸メチル、フタル酸
ジメチル、フタル酸ジエチル、ベンゼン等が用いられ
る。また、前述の如く、ケトンを多く用いる場合には、
ケトンが溶媒の役目をもすることになる。なお、2,
3,6−トリメチルフェノールの融点以下で反応させる
ときには溶媒の使用を必要とする。
合には酸化反応を妨げない溶媒、例えば酢酸メチル、酢
酸エチル、二酢酸エチレン、安息香酸メチル、フタル酸
ジメチル、フタル酸ジエチル、ベンゼン等が用いられ
る。また、前述の如く、ケトンを多く用いる場合には、
ケトンが溶媒の役目をもすることになる。なお、2,
3,6−トリメチルフェノールの融点以下で反応させる
ときには溶媒の使用を必要とする。
【0022】反応系に含まれる水分は、前述のように
2,3,5−トリメチルハイドロキノンの收率向上のた
めにできるだけ少ないほうが好ましい。反応系の水を少
なくするには、公知の方法に準じて、例えば過酸化水素
に含まれる水分を、水単独、ケトン、2,3,6−トリ
メチルフェノール又は溶媒との共沸成分として反応前又
は反応中に蒸発させて反応系外に留去することができ
る。
2,3,5−トリメチルハイドロキノンの收率向上のた
めにできるだけ少ないほうが好ましい。反応系の水を少
なくするには、公知の方法に準じて、例えば過酸化水素
に含まれる水分を、水単独、ケトン、2,3,6−トリ
メチルフェノール又は溶媒との共沸成分として反応前又
は反応中に蒸発させて反応系外に留去することができ
る。
【0023】本発明で使用されるタングステンを配位原
子とするヘテロポリ酸としては、12−タングストリン
酸(H3 PW12O40)、20−タングスト二リン酸(H
6 P 2 W18O62)等のリンを中心原子とするもの、12
−タングストケイ酸(H4 SiW12O40)、18−タン
グスト二ケイ酸(H8 Si2 W20O68)等のケイ素を中
心原子とするもの、12−タングストホウ酸(H5 BW
12O40)等のホウ素を中心原子とするものが挙げられ
る。これらのヘテロポリ酸は無水物でも含水物でもよ
い。なお、これらのヘテロポリ酸の中ではリンを中心原
子とするもの及びケイ素を中心原子とするものが好まし
い。
子とするヘテロポリ酸としては、12−タングストリン
酸(H3 PW12O40)、20−タングスト二リン酸(H
6 P 2 W18O62)等のリンを中心原子とするもの、12
−タングストケイ酸(H4 SiW12O40)、18−タン
グスト二ケイ酸(H8 Si2 W20O68)等のケイ素を中
心原子とするもの、12−タングストホウ酸(H5 BW
12O40)等のホウ素を中心原子とするものが挙げられ
る。これらのヘテロポリ酸は無水物でも含水物でもよ
い。なお、これらのヘテロポリ酸の中ではリンを中心原
子とするもの及びケイ素を中心原子とするものが好まし
い。
【0024】ヘテロポリ酸は単独で使用しても又は混合
して使用してもよく、そして均一系又は不均一系いずれ
でも使用することができる。不均一系で使用する場合に
は懸濁又は錠剤等各種の形態で用いる。ヘテロポリ酸の
量は広範囲に変えうるが、充分な反応速度を得るには
2,3,6−トリメチルフェノールに対して0.000
01重量%以上、更に0.0001以上、特には0.1
〜0.5重量%であることが好ましい。
して使用してもよく、そして均一系又は不均一系いずれ
でも使用することができる。不均一系で使用する場合に
は懸濁又は錠剤等各種の形態で用いる。ヘテロポリ酸の
量は広範囲に変えうるが、充分な反応速度を得るには
2,3,6−トリメチルフェノールに対して0.000
01重量%以上、更に0.0001以上、特には0.1
〜0.5重量%であることが好ましい。
【0025】以上においては本発明の反応を回分式で行
う場合について説明したが、反応を連続式で行うことも
勿論可能である。即ち、触媒充填層中に原料混合液を連
続的に送入して反応させる方法、あるいは原料混合液に
触媒を溶解又は懸濁させて反応帯域を通過させる方法等
で行うことができる。後者の場合、所要触媒量は回分式
に準じて決定される。
う場合について説明したが、反応を連続式で行うことも
勿論可能である。即ち、触媒充填層中に原料混合液を連
続的に送入して反応させる方法、あるいは原料混合液に
触媒を溶解又は懸濁させて反応帯域を通過させる方法等
で行うことができる。後者の場合、所要触媒量は回分式
に準じて決定される。
【0026】反応終了後、2,3,5−トリメチルハイ
ドロキノンは、反応液中に目的物の分離を妨害するもの
が含まれていないので、公知法に準じて容易に分離する
ことができる。例えば、反応液を冷却し、そして多くの
場合は触媒を除去した後に、反応液を蒸留に付すること
により、2,3,5−トリメチルハイドロキノンを分離
できる。即ち、水、ケトン、2,3,6−トリメチルフ
ェノール及び2,3,5−トリメチルハイドロキノンを
適宜蒸留・分離すればよい。分離したケトン及び2,
3,6−トリメチルフェノールは循環して、次の反応に
使用できる。
ドロキノンは、反応液中に目的物の分離を妨害するもの
が含まれていないので、公知法に準じて容易に分離する
ことができる。例えば、反応液を冷却し、そして多くの
場合は触媒を除去した後に、反応液を蒸留に付すること
により、2,3,5−トリメチルハイドロキノンを分離
できる。即ち、水、ケトン、2,3,6−トリメチルフ
ェノール及び2,3,5−トリメチルハイドロキノンを
適宜蒸留・分離すればよい。分離したケトン及び2,
3,6−トリメチルフェノールは循環して、次の反応に
使用できる。
【0027】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明する。 実施例1 水分離器を有する還流冷却器、温度計及び攪拌機を備え
た内容積100mlのガラス製三口フラスコに、2,
3,6−トリメチルフェノール13.62g(100m
mol)とメチルエチルケトン0.5796g(8mm
ol)及び60重量%過酸化水素水0.2835g(5
mmol)を仕込んで、反応器内を窒素で置換した後、
反応器を70℃の油浴中に浸した。反応液温が70℃に
達したところで、12−タングストリン酸(H3 PW12
O40)0.050g(0.37重量%)を添加し、反応
液を攪拌しながらそのまま1時間反応させた。この間、
生成水は連続的に水分離器に補集した。反応終了後、反
応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、2,
3,5−トリメチルハイドロキノン3.04g(1.9
98mmol)が生成していた。收率は下記の定義に基
づく過酸化水素基準で40.0%であった。
体的に説明する。 実施例1 水分離器を有する還流冷却器、温度計及び攪拌機を備え
た内容積100mlのガラス製三口フラスコに、2,
3,6−トリメチルフェノール13.62g(100m
mol)とメチルエチルケトン0.5796g(8mm
ol)及び60重量%過酸化水素水0.2835g(5
mmol)を仕込んで、反応器内を窒素で置換した後、
反応器を70℃の油浴中に浸した。反応液温が70℃に
達したところで、12−タングストリン酸(H3 PW12
O40)0.050g(0.37重量%)を添加し、反応
液を攪拌しながらそのまま1時間反応させた。この間、
生成水は連続的に水分離器に補集した。反応終了後、反
応液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、2,
3,5−トリメチルハイドロキノン3.04g(1.9
98mmol)が生成していた。收率は下記の定義に基
づく過酸化水素基準で40.0%であった。
【0028】
【数1】
【0029】実施例2 触媒として12−タングストリン酸の代わりに12−タ
ングストケイ酸(H4SiW12O40)0.050g
(0.37重量%)を使用した以外は、実施例1と同様
に反応と分析を行った。その結果、2,3,5−トリメ
チルハイドロキノンの收率は37.9%であった。
ングストケイ酸(H4SiW12O40)0.050g
(0.37重量%)を使用した以外は、実施例1と同様
に反応と分析を行った。その結果、2,3,5−トリメ
チルハイドロキノンの收率は37.9%であった。
【0030】比較例1 触媒として12−タングストリン酸の代わりに硫酸0.
030g(0.22重量%)を使用した以外は、実施例
1と同様に反応と分析を行った。その結果、2,3,5
−トリメチルハイドロキノンの收率は20.8%であっ
た。
030g(0.22重量%)を使用した以外は、実施例
1と同様に反応と分析を行った。その結果、2,3,5
−トリメチルハイドロキノンの收率は20.8%であっ
た。
【0031】実施例3 ケトンとしてメチルエチルケトンの代わりに4−メチル
−2−ペンタノン0.8013g(8mmol)を使用
した以外は、実施例1と同様に反応と分析を行った。そ
の結果、2,3,5−トリメチルハイドロキノンの收率
は46.6%であった。実施例及び比較例の結果を表1
に示す。
−2−ペンタノン0.8013g(8mmol)を使用
した以外は、実施例1と同様に反応と分析を行った。そ
の結果、2,3,5−トリメチルハイドロキノンの收率
は46.6%であった。実施例及び比較例の結果を表1
に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明により、2,3,6−トリメチル
フェノールから2,3,5−トリメチルハイドロキノン
を一段階の反応でしかも公知の硫酸を触媒とする方法よ
りも約2倍の高い收率で製造することができる。本発明
の反応は一段で非常に容易であることから、本発明によ
り、工業的に好適な2,3,5−トリメチルハイドロキ
ノンの製造法を提供することができる。
フェノールから2,3,5−トリメチルハイドロキノン
を一段階の反応でしかも公知の硫酸を触媒とする方法よ
りも約2倍の高い收率で製造することができる。本発明
の反応は一段で非常に容易であることから、本発明によ
り、工業的に好適な2,3,5−トリメチルハイドロキ
ノンの製造法を提供することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 2,3,6−トリメチルフェノールを、
タングステンを配位原子とするヘテロポリ酸を共存させ
て、ケトンの存在下に過酸化水素で酸化することを特徴
とする2,3,5−トリメチルハイドロキノンの製造
法。 - 【請求項2】 ヘテロポリ酸がリンタングステン酸、ケ
イタングステン酸又はホウタングステン酸であることを
特徴とする請求項1記載の2,3,5−トリメチルハイ
ドロキノンの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8062643A JPH09249604A (ja) | 1996-03-19 | 1996-03-19 | 2,3,5−トリメチルハイドロキノンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8062643A JPH09249604A (ja) | 1996-03-19 | 1996-03-19 | 2,3,5−トリメチルハイドロキノンの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09249604A true JPH09249604A (ja) | 1997-09-22 |
Family
ID=13206225
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8062643A Pending JPH09249604A (ja) | 1996-03-19 | 1996-03-19 | 2,3,5−トリメチルハイドロキノンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09249604A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006038893A1 (en) * | 2004-10-06 | 2006-04-13 | Agency For Science, Technology And Research | Oxidation of phenolic compound with hydrogen peroxide generated in the presence of the phenolic compound |
-
1996
- 1996-03-19 JP JP8062643A patent/JPH09249604A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006038893A1 (en) * | 2004-10-06 | 2006-04-13 | Agency For Science, Technology And Research | Oxidation of phenolic compound with hydrogen peroxide generated in the presence of the phenolic compound |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040220 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040302 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040810 |