JPH09247979A - 独立駆動同期電動機の電磁力バランス方法 - Google Patents

独立駆動同期電動機の電磁力バランス方法

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JPH09247979A
JPH09247979A JP8081040A JP8104096A JPH09247979A JP H09247979 A JPH09247979 A JP H09247979A JP 8081040 A JP8081040 A JP 8081040A JP 8104096 A JP8104096 A JP 8104096A JP H09247979 A JPH09247979 A JP H09247979A
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智昭 谷本
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敏雄 松本
Kenichi Sekioka
賢一 関岡
Takayoshi Nakao
隆義 中尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 独立駆動する複数台の各同期電動機の電磁力
であるトルクあるいは推力を、精密に揃えて運転するた
めの簡便なバランス方法を提供すること目的とする。 【解決手段】 電磁力指令の値に比例して印加する電流
の大きさと、同期電動機の界磁極位置に応じてその電流
の位相とを決定して、同期電動機をベクトル制御する方
法において、各同期電動機とアンプとの組み合わせによ
って決まる発生電磁力Fi と電磁力指令の値Ir の比で
ある比例定数Ki (=Fi /Ir )とを、印加する電流
の位相を発生電磁力が最大になる電流の位相からずら
し、その位相ずらし量を調整して、複数台の各同期電動
機とアンプの比例定数Ki を同一(例えば、最小値K
min )にする同期電動機の電磁力バランス方法で、製作
コストの大幅な削減が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、同期電動機のベクトル
制御における同一の負荷につながれた同期電動機の電磁
力バランス方法に係り、特に独立駆動リニアモータの推
力バランス方法関する。
【0002】
【従来の技術】従来、同期電動機のベクトル制御は、位
置検出器(レゾルバやパルス発生器)により界磁極位置
を検出し、界磁極位置と同期した位相の正弦波電流の振
幅および位相の制御を行い電磁力制御を行うものであ
る。一般に、発生電磁力Fは印加する電流の大きさIに
比例する。 F=Km ・I・cos (δ) …………………………………………(1式) 但し、Km は正の定数であり、同期電動機に固有の定数
である。また、δは発生電磁力が最大になる電流位相か
らのずれの量、つまりずれの位相値である。通常、δ=
0°である。さらに電流Iは、電磁力指令の値Ir に比
例する。 I=Ka ・Ir …………………………………………(2式) ここに、Ka は正の定数であり、アンプに固有の定数で
ある。(1式),(2式)より、発生電磁力Fは電磁力
指令の値Ir に比例する。 F=K・Ir ・cos (δ) …………………………………………(3式) 但し、 K=Km ・Ka …………………………………………(4式) である。比例定数Kは同期電動機とアンプが決まると、
一義的に決まる定数である。
【0003】発生電磁力は、直動形の同期電動機の場合
は発生推力であり、回転形の同期電動機の場合は発生ト
ルクである。また、電磁力指令の値は、直動形の同期電
動機の場合は推力指令の値であり、回転形の同期電動機
の場合はトルク指令の値である。以下、直動形の同期電
動機の説明を行う。同一の負荷につながれた2台以上の
同期電動機を別々のアンプを用いて同一方向に駆動する
とき、発生推力に差がある場合運転精度に悪い影響を与
える。従来では、同一の推力指令の値に対して、同期電
動機の発生推力に差がないように、同期電動機に固有の
定数Km を同期電動機によらず一定になるように、さら
にまたアンプに固有の定数Ka をアンプによらず一定に
なるようにしていた[以下、これを『従来例』とい
う]。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが従来例におい
て、同期電動機に固有の定数Km を一定にするために
は、同期電動機に使用する永久磁石による界磁極の大き
さを一定にする必要がある。界磁極の大きさは、永久磁
石の特性、特にエネルギー積と密接な関係があり、これ
を管理するために、永久磁石を選別して使用していた。
また、アンプに固有の定数Ka を一定にするためには、
アンプの特性を一定にする必要がある。そのために、ア
ンプに使用する素子を選別して特性を揃えたり、可変抵
抗器等を使用して特性を調整していた。永久磁石を選
別、素子の選別、アンプの調整等が必要であり、製作コ
ストを上げる原因になっていた。しかも、複数の同期電
動機とそれらの駆動用アンプの各々の特性を厳密にそろ
えることはできなかった。精密位置決めをするために同
一負荷につながった複数の同期電動機を独立駆動する場
合、同期電動機の特性や駆動用アンプの特性が厳密にそ
ろっていないため、負荷のヨーイングにつながり負荷を
精密に制御できなかった。ここにおいて本発明は、従来
例の欠点を克服し、同期電動機とアンプから成る各組み
相互間の比例定数Ki のばらつきを、電流位相のずれ量
δi を調整して吸収する独立駆動同期電動機の電磁力バ
ランス方法を提供することを目的する。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、比例定数Ki のばらつきを電流位相のずれ
の位相値δi を調整することにより吸収して、電磁力指
令(各組共通の推力・トルク指令)の値Ir と発生推力
i との関係を一定にすることにより、独立駆動の複数
個の同期電動機の電磁力(推力・トルク)をバランスさ
せる方法としている。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、電磁力指令の値に比例して印加する電流の大きさ
と、同期電動機の界磁極位置に応じて前記電流の位相と
を決定して前記同期電動機を制御する方法において、前
記同期電動機と前記同期電動機駆動用のアンプとの組合
せによって決まる発生電磁力Fi と各組共通の電磁力指
令Ir の比Fi /Ir である比例定数Ki を、印加する
電流の位相を発生電磁力が最大になる電流位相からずら
し(iは組番号を表す整数)、前記電流位相からずらす
位相量δi を調整して、複数組の前記同期電動機と前記
アンプとの組合せの前記比例定数Ki をそれぞれ同一に
することを特徴とする独立駆動同期電動機の電磁力バラ
ンス方法としたものである。これにより、比例定数Ki
のばらつきを電流位相のずれの位相値δi を調整するこ
とにより吸収して、推力指令の値(電磁力指令)Ir
発生推力Fとの関係を一定にすることができるという作
用を有する。
【0007】本発明の請求項2に記載の発明は、前記同
期電動機と前記アンプとの組合せが持つ前記比例定数K
i は、同一極性の異なる2つの第1及び第2の電磁力指
令の値Ir-1 ,Ir-2 による加速度Ai-1 ,Ai-2 の差
から求めることを特徴とする請求項1記載の独立駆動同
期電動機の電磁力バランス方法としたものであり、これ
により各組みの比例定数Ki のばらつきを消すことがで
きるという作用を有する。
【0008】本発明の請求項3に記載の発明は、i番目
の前記アンプと前記同期電動機の組みに対し、第1の前
記推力指令Ir-1 (>0)を与えそのときの第1の前記
加速度Ai-1 で、このときの前記発生電磁力の第1の推
力Fi-1 =Ki ・Ir-1 とし、第2の推力指令I
r-2 (>0,≠Ir-1 )を与えそのときの第2の加速度
i-2 で、そのときの前記発生電磁力の第2の推力F
i-2 =Ki ・Ir-2 とし、外乱による一定推力をFd
負荷の重量をMとして、発生推力と加速度の関係をA
i-1 =(Fi-1 −Fd )/M, Ai-2 =(Fi-2 −F
d )/M と演算し、2つの加速度の差ΔAi を ΔA
i =Ai-2 −Ai-1 =(Fi-2 −Fi-1)/M=Ki
( Ir-2 −Ir-1 )/M のようにして求め、前記外乱
による一定推力Fd を打ち消すことを特徴とする請求項
2記載の独立駆動同期電動機の電磁力バランス方法とし
たものであり、請求項2と同じく比例定数Ki を特定可
能となる。
【0009】本発明の請求項4に記載の発明は、一組の
前記同期電動機と前記アンプとの組合せに与える前記電
流の位相のずらし位相量δi は、最小の比例定数Kmin
を電流の位相のずれ量を求めたい前記同期電動機と前記
アンプの組の前記比例定数Ki で除算したものの逆余弦
関数cos -1(Kmin /Ki )で与えることを特徴とする
請求項1記載の独立駆動同期電動機の電磁力バランス方
法としたものであり、これにより外乱を打ち消すことが
できるという作用を有する。
【0010】本発明の請求項5に記載の発明は、最小の
加速度の差ΔAi をΔAmin 、最小の比例定数Ki をK
min 、両者の比をBi =ΔAmin /ΔAi =Kmin /K
i (ただし、i=1,2,…,n)、最小の加速度を与
える前記同期電動機と前記アンプの組みの記号をjと
し、i=jのときにBi =1、i≠jのときにBi ≦1
で、前記電流の位相ずれ量をδi =cos -1(Bi )とし
て、推力指令Ir に対するi番目の前記同期電動機と前
記アンプの組みによる発生推力Fi を Fi =Ki ・Ir ・cos (δi )=Ki ・Ir ・Bi
min ・Ir として導出し、前記比例定数Ki によらず前記発生推力
i を一定とすることを特徴とする請求項4記載の独立
駆動同期電動機の電磁力バランス方法としたものであ
り、請求項4と同様にこの演算の手法から外乱の影響を
除去可能となるという作用を有する。
【0011】本発明の請求項6に記載の発明は、直動形
の前記同期電動機における前記発生電磁力である前記推
力を、回転形の前記同期電動機の発生電磁力である発生
トルクに置き換えて、独立駆動回転形同期電動機の前記
発生トルクのバランスを行うことを特徴とする請求項2
ないし請求項5のいずれかの項に記載の独立駆動同期電
動機の電磁力バランス方法としたものであり、リニアモ
ータのみならず回転形の一般の回転形同期電動機の独立
駆動にも適用され得るという作用を有する。
【0012】本発明の請求項7に記載の発明は、前記同
期電動機の前記発生推力または前記発生トルクを歪み
計、レーザ光などの力のセンサによる変位検出による発
生推力情報または発生トルク情報から、加速度による前
記演算を前記発生推力または前記発生トルクに基づく演
算を行い、前記位相のずれ量δi を導出することから、
独立駆動直動形または独立駆動回転形の同期電動機のト
ルクのバランスを行うことを特徴とする請求項2ないし
請求項6のいずれかの項に記載の独立駆動同期電動機の
電磁力バランス方法としたものであり、加速度による前
記演算を力のセンサによる変位検出による発生推力情報
または発生トルク情報から行うことができるという作用
を有する。
【0013】(実施の形態1)以下、本発明の各具体例
を図面に基づいて説明する。なお、各図面において、同
一符号は同一もしくは相当部材を表す。図3は、本発明
による独立駆動同期電動機(リニアモータ)の推力バラ
ンス方法が適用される同一負荷につながれた同期電動機
の駆動装置の回路構成を表すブロック図である。図3に
おいて、上位コントローラ1はNo.1アンプ21 〜No.nア
ンプ2n に推力指令(その値)Ir1〜Irnおよび位相の
ずれ(量)δ1 〜δn を与える。No.1アンプ21 〜No.n
アンプ2n は、No.1位置検出器51 〜No.n位置検出器5
n の位置情報を基に、それぞれNo.1同期電動機31 〜N
o.n同期電動機3n を公知のベクトル制御で駆動する。
ここで、本発明におけるアンプとは、同期電動機を駆動
する制御信号に基づく電力増幅手段であり、例えばリニ
アアンプとかPWM[パルス幅変調器]などを包括して
いう。
【0014】No.1同期電動機31 〜No.n同期電動機3n
は、連結した共通の同一負荷4を独立に駆動する。負荷
4につながれたNo.1位置検出器51 〜No.n位置検出器5
n は負荷4の位置、すなわちNo.1同期電動機31 〜No.n
同期電動機3n の移動子の位置を検出する。なお、アン
プ,同期電動機および位置検出器の各記号(それに付加
しているサフィクス)に示すnは2以上の整数とする。
【0015】図4は、図3に対応する本発明における上
位コントローラの動作を示す機能ブロック図である。図
4における101 はNo.1位置検出器51 〜No.n位置検出器
n の位置情報の時間差分(微分)で負荷4の速度を演
算し、さらにその速度の時間差分(微分)で負荷4の加
速度を演算する。対象となるアンプと同期電動機の組み
は、推力指令が何番目の組みに対して与えられたものか
で分かる。
【0016】推力指令発生器102 は、推力指令Ir を出
力する。位相ずれ量δi を求めるための2 つの推力指令
r-1 、Ir-2 を出力し、また位相ずれ量δi の演算後
は制御に応じた推力指令を生成する。位相ずれ量δi
出器103 は加速度情報を基に、各アンプと同期電動機の
組の比例定数Ki との最小の比例定数Kmin との比を求
める。そして、それぞれのアンプと同期電動機の組みに
対する位相のずれ量δi を決定する。
【0017】(実施の形態2)図5は、位置検出器5を
1個設け、それでNo.1同期電動機31 〜No.n同期電動機
3n の移動子の位置を検出する場合の他の実施の形態を
示す回路構成ブロック図である。位置検出器5からの同
一位置情報が、それぞれ上位コントローラ1及びNo.1ア
ンプ21 〜No.nアンプ2n に共通に与えられ、推力のバ
ランスが図られる。図6は、図5に対応する本発明にお
ける上位コントローラの動作を示す機能ブロック図であ
る。加速度演算器の101 の位置の入力情報が1つである
以外は、図4と同じである。
【0018】次に、これら実施の形態1及び実施の形態
2などに共通して適用される理論として、位相のずれ量
δi を決定する原理を一般的に説明する。i番目のアン
プと同期電動機の組みに対し、推力指令Ir (>0)を
与える。その時の加速度Ai-1 とする。このときの、発
生推力Fi-1 は Fi-1 =Ki ・Ir-1 …………………………………………(5式) となる。同様に、推力指令Ir-2 (>0,≠Ir-1 )を
与える。その時の加速度Ai-2とする。そのときの、発
生推力Fi-2 はまた Fi-2 =Ki ・Ir-2 …………………………………………(6式) となる。
【0019】外乱による推力をFd (一定)、負荷4の
重量をMとすると、発生推力と加速度の関係は次のよう
になる。 Ai-1 =(Fi-1 −Fd )/M…………………………………………(7式) Ai-2 =(Fi-2 −Fd )/M…………………………………………(8式) ここで、外乱による推力をFd を打ち消すために2つの
加速度の差ΔAi を求める。なお、この外乱とは負荷4
の傾き等に基づく、時間的に不変な恒常的な重力よる外
乱を意味し、所謂過度的なものは含まない。 ΔAi =Ai-2 −Ai-1 =(Fi-2 −Fi-1)/M =Ki ・( Ir-2 −Ir-1 )/M …………………………(9式)
【0020】ところで加速度の差ΔAi は比例定数Ki
に比例する。よって最小の比例定数Ki を見けること
は、最小の加速度の差ΔAi を見つけることと等価であ
る。いま、最小の加速度の差ΔAi をΔAmin とし、最
小の比例定数Ki をKminとする。また、両者の比をB
i と定義する。つまり Bi =ΔAmin /ΔAi =Kmin /Ki …………………………………………(10式) 但し、i=1,2,…,nである。
【0021】そして、最小の加速度を与えるアンプと同
期電動機の組みの記号(それに付加しているサフィク
ス)をjとすれば、i=jのときにBi =1であり、i
≠jのときにBi ≦1である。ここで、電流の位相ずれ
(量)δi を次の(11式)のように定義する。 δi =cos -1(Bi ) …………………………………………(11式) すると、推力指令(値)Ir に対するi番目のアンプと
同期電動機の組みによる発生推力Fi は、次の(12
式)で与えられる。 Fi =Ki ・Ir ・cos (δi )……………………………………(12式) 上式を変形すると、 Fi =Ki ・Ir ・Bi =Ki ・Ir ・Kmin /Ki =Kmin ・Ir ………………………………………(13式) となり、比例定数Ki によらず一定となる。
【0022】次に、本発明の各実施の形態において共通
した電流のずれ(量)δi を決定する方法を、図1のフ
ローチャートを参照しながら説明する。 (処理11) 各アンプと同期電動機の組みの番号iに
対し、推力指令Ir-1とIr-2 における加速度Ai-1
i-2 を測定する。このとき、他のアンプに対する推力
指令は、推力を発生させずフリーな状態にしておく。そ
して処理12へ進む。 (処理12) 後述の方法で、最小の比例定数Kmin
得られるアンプと同期電動機の組みの番号jを求める。
次の処理13に進む。 (処理13) 各アンプと同期電動機の組みの番号iに
対し、加速度の比Biを演算する。そして、位相のずれ
δi を決定する。処理を完了する。
【0023】図2は、先の最小の比例定数Kmin が得ら
れるアンプと同期電動機の組みの番号を求める手段を説
明する流れ図である。各ステップを図の流れに沿って説
明する。 (ステップ21) 最小の加速度の差ΔAmin =ΔA1
とする。また、最小の比例定数Kmin の組番号j=1と
する。ステップ22へ進む。 (ステップ22)組番号i=2とする。ステップ23へ
進む。 (ステップ23)加速度の差の比Bi (=ΔAmin /Δ
i )を計算する。それからステップ24へ進む。
【0024】(ステップ24)加速度の差の比Bi の大
きさを判定する。Bi >1の場合はステップ25に進
む。Bi ≦1のときはステップ27へ進む。 (ステップ25)最小の加速度の差ΔAmin を更新す
る。ΔAmin =ΔAi とする。ステップ26へ進む。 (ステップ26)最小の加速度の差ΔAmin の組番号j
を更新し、j=iとする。後、ステップ27へ進む。
【0025】(ステップ27)さらに、組番号iを更新
し、i=i+1とする。ステップ28へ進む。 (ステップ28)組番号iを判定する。i>nの場合、
すなわち、全てのアンプと同期電動機の組nをチェック
したとき、本処理を終了する。i≦nの場合、すなわ
ち、全部の組をチエックしていないとき、ステップ23
へ戻り、それ以下のステップを繰り返し処理する。
【0026】(実施の形態3)以上の説明は主として、
直動形の同期電動機の推力のバランス方法について行っ
たが、回転形の同期電動機についても、直動形の推力を
回転形のトルクに置き換えることにより、同様な独立駆
動回転形同期電動機のトルクのバランス方法が得られ
る。
【0027】(実施の形態4)さらにまた、直動形の同
期電動機の発生推力が検出できる場合、例えば力のセン
サ(歪み計、レーザ光などによる変位検出)等による発
生推力情報から、加速度による前記演算を発生推力に基
づく演算機構を用いて、位相のずれ(量)δiを導出す
ることから、独立駆動直動形の同期電動機の推力のバラ
ンス方法が得られる。勿論、このことは回転形の同期電
動機についてもについても同様に実施可能で、力のセン
サ等による発生トルク情報から、加速度による前記演算
を発生トルクに基づく演算機構を用いて、位相のずれδ
i を導出することができる独立駆動回転形の同期電動機
のトルクのバランス方法が得られる。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は同期電動機
の発生電磁力に係る比例定数のばらつきを、電流位相の
ずれを調整することによって吸収できるので、同期電動
機の界磁極を構成する永久磁石及び電動機を駆動するア
ンプの構成素子等の煩瑣な選別を無くすことができ、個
別駆動の同期電動機の組合せから成る設備装置の製作コ
ストを大幅に下げるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態を示すフローチャー
【図2】図1における最小の比例定数Kmin の組番号j
を求める方法を表す流れ図
【図3】本発明が適用される同一負荷につながれた同期
電動機の駆動装置の一つの実施の形態における回路構成
を示すブロック図
【図4】図3における上位コントローラの処理を示す機
能ブロック図
【図5】本発明が適用される同一負荷につながれた同期
電動機の駆動装置の他の実施の形態における回路構成を
示すブロック図
【図6】図5における上位コントローラの処理を示す機
能ブロック図
【符号の説明】
1 上位コントローラ 21 〜2n アンプ[但し、i=1,2,…,nであ
る。以下同様] 31 〜3n 同期電動機 4 負荷 5,51 〜5n 位置検出器 101 加速度演算器 102 推力指令発生器 103 位置ずれ量δi 演算器 Ai-1 ,Ai-2 アンプと同期電動機の組の第1の加速
度,第2の加速度 ΔAi 2つの加速度の差(例えばAi-2 −Ai-1 ) Bi 2つの加速度の比(例えばΔAmin /ΔAi =co
s δi ) Fi 推力指令Ir に対するi番目のアンプと同期電動
機の組による発生推力 Fd 外乱による推力[負荷等の傾きから重力による恒
常的な外乱の推力] Fi-1 ,Fi-2 アンプと同期電動機の組の第1の発生
推力,第2の発生推力 Ir 推力指令(その値) Ir-1,r-2 アンプに対する第1の推力指令, 第2の
推力指令 K 各アンプと同期電動機の組における同一の比例定数 Ki 任意のアンプと同期電動機の組の比例定数 Kmin 最小の比例定数 M 負荷4の重量 δ1 〜δn 電流の位相のずれ量 δi 任意のアンプと同期電動機の組の電流の位相ずれ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中尾 隆義 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石2番1号 株式会社安川電機内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁力指令の値に比例して印加する電流
    の大きさと、同期電動機の界磁極位置に応じて前記電流
    の位相とを決定して前記同期電動機を制御する方法にお
    いて、 前記同期電動機と前記同期電動機駆動用のアンプとの組
    合せによって決まる発生電磁力Fi と各組共通の電磁力
    指令Ir の比Fi /Ir である比例定数Ki を、印加す
    る電流の位相を発生電磁力が最大になる電流位相からず
    らし(iは組番号を表す整数)、 前記電流位相からずらす位相量δi を調整して、複数組
    の前記同期電動機と前記アンプとの組合せの前記比例定
    数Ki をそれぞれ同一にすることを特徴とする独立駆動
    同期電動機の電磁力バランス方法。
  2. 【請求項2】 前記同期電動機と前記アンプとの組合せ
    が持つ前記比例定数Ki は、同一極性の異なる2つの第
    1及び第2の電磁力指令の値Ir-1 ,Ir-2による加速
    度Ai-1 ,Ai-2 の差から求めることを特徴とする請求
    項1記載の独立駆動同期電動機の電磁力バランス方法。
  3. 【請求項3】 i番目の前記アンプと前記同期電動機の
    組みに対し、第1の前記推力指令Ir-1 (>0)を与え
    そのときの第1の前記加速度Ai-1 で、このときの前記
    発生電磁力の第1の推力Fi-1 =Ki ・Ir-1 とし、第
    2の推力指令Ir-2 (>0,≠Ir-1 )を与えそのとき
    の第2の加速度Ai-2 で、そのときの前記発生電磁力の
    第2の推力Fi-2 =Ki ・Ir-2 とし、外乱による一定
    推力をFd 、負荷の重量をMとして、発生推力と加速度
    の関係を Ai-1 =(Fi-1 −Fd )/M, Ai-2 =(Fi-2
    d )/M と演算し、2つの加速度の差ΔAi をΔAi =Ai-2
    i-1 =(Fi-2 −Fi-1)/M=Ki ・( Ir-2 −I
    r-1)/M のようにして求め、前記外乱による一定推
    力Fd を打ち消すことを特徴とする請求項2記載の独立
    駆動同期電動機の電磁力バランス方法。
  4. 【請求項4】 一組の前記同期電動機と前記アンプとの
    組合せに与える前記電流の位相のずらし位相量δi は、
    最小の比例定数Kmin を電流の位相のずれ量を求めたい
    前記同期電動機と前記アンプの組の前記比例定数Ki
    除算したものの逆余弦関数cos -1(Kmin /Ki )で与
    えることを特徴とする請求項1記載の独立駆動同期電動
    機の電磁力バランス方法。
  5. 【請求項5】 最小の加速度の差ΔAi をΔAmin 、最
    小の比例定数Ki をKmin 、両者の比をBi =ΔAmin
    /ΔAi =Kmin /Ki (ただし、i=1,2,…,
    n)、最小の加速度を与える前記同期電動機と前記アン
    プの組みの記号をjとし、i=jのときにBi =1、i
    ≠jのときにBi ≦1で、前記電流の位相ずれ量をδi
    =cos -1(Bi )として、推力指令Ir に対するi番目
    の前記同期電動機と前記アンプの組みによる発生推力F
    i を Fi =Ki ・Ir ・cos (δi )=Ki ・Ir ・Bi
    min ・Ir として導出し、前記比例定数Ki によらず前記発生推力
    i を一定とすることを特徴とする請求項4記載の独立
    駆動同期電動機の電磁力バランス方法。
  6. 【請求項6】 直動形の前記同期電動機における前記発
    生電磁力である前記推力を、回転形の前記同期電動機の
    発生電磁力である発生トルクに置き換えて、独立駆動回
    転形同期電動機の前記発生トルクのバランスを行うこと
    を特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれかの項に
    記載の独立駆動同期電動機の電磁力バランス方法。
  7. 【請求項7】 前記同期電動機の前記発生推力または前
    記発生トルクを歪み計、レーザ光などの力のセンサによ
    る変位検出による発生推力情報または発生トルク情報か
    ら、加速度による前記演算を前記発生推力または前記発
    生トルクに基づく演算を行い、前記位相のずれ量δi
    導出することから、独立駆動直動形または独立駆動回転
    形の同期電動機のトルクのバランスを行うことを特徴と
    する請求項2ないし請求項6のいずれかの項に記載の独
    立駆動同期電動機の電磁力バランス方法。
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