JPH09246526A - ガリウム・インジウム・リン系高電子移動度トランジスタ - Google Patents

ガリウム・インジウム・リン系高電子移動度トランジスタ

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JPH09246526A
JPH09246526A JP5116596A JP5116596A JPH09246526A JP H09246526 A JPH09246526 A JP H09246526A JP 5116596 A JP5116596 A JP 5116596A JP 5116596 A JP5116596 A JP 5116596A JP H09246526 A JPH09246526 A JP H09246526A
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JP
Japan
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ingaas
layer
channel layer
gallium
gainp
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Pending
Application number
JP5116596A
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English (en)
Inventor
Tadaitsu Tsuchiya
忠厳 土屋
Harunori Sakaguchi
春典 坂口
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のGaInP系HEMTは、チャネル層を
構成するInGaAsのIn組成増には制限があり、そ
のトランジスタ特性の改善には限界があった。 【解決手段】基板1、チャネル層3およびキャリア供給
層5を、それぞれGaAs、un型InGaAsおよび
n型GaInPによって構成して成るHEMTにおい
て、キャリア供給層5を格子定数がGaAsよりも小さ
く、しかも格子緩和が発生していないn型GaInPに
よって構成する。より具体的にはGa組成が54%以上
のn型GaInPによってキャリア供給層5を形成する
ことによりチャネル層3の膜厚増を可能にし、これによ
ってチャネル層3を構成するInGaAsのIn組成を
増やし、トランジスタ特性の向上をはかる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高電子移動度トラン
ジスタ(HEMT)に関し、特に、ガリウム・インジウ
ム・リン(GaInP)系HEMTに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のGaInP系HEMTとして、例
えば、特開平6−168960号公報に示されるものが
ある。
【0003】図5は、このGaInP系HEMTを示
し、半絶縁性のガリウム・砒素(GaAs)基板1の上
に、un(アンドープ)型GaAsから構成されるバッ
ファ層2と、un型インジウム・ガリウム・砒素(un
型InGaAs)から成るチャネル層3を設け、この上
にun型GaInPのスペーサ層4と、n型GaInP
から成るキャリア供給層5とを積層して構成されてお
り、チャネル層3のun型InGaAsのInAs組成
比は15〜30%である。
【0004】このInGaAsは、元来、格子定数が基
板を構成するGaAsよりも大きく、そのためGaAs
基板上へ成長させたときに歪みを内在させた状態とな
る。
【0005】InGaAsの膜厚が臨界膜厚を超える
と、その結晶自体が内部応力に耐えきれずに結晶欠陥を
発生させながら格子を緩和し、電気特性の悪化をも招く
ようになる。
【0006】従って、これまでは、InGaAsは格子
が緩和しない状態、すなわち歪みを内在させたいわゆる
スードモフィック状態で使用するのが普通とされてお
り、このチャネル層を備えたHEMTは、特に、電子の
伝導特性に優れていることから、有効なHEMTとして
しばしば活用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のGaI
nP系HEMTによると、チャネル層を構成するInG
aAsのInAs組成比設計に制約があるので、そのト
ランジスタ特性の向上には限界があった。
【0008】すなわち、このチャネル層に使用されるI
nGaAsは、そのInAs組成比が高くなるほどトラ
ンジスタの特性は向上するが、他方InAs組成比を高
めることは同時に格子定数の増大をも招く。
【0009】この格子定数の増大は、格子が緩和し始め
る臨界膜厚を薄くするように作用するため、結果として
使用するInGaAs層の厚さを薄くしなければない。
【0010】しかし、このInGaAs層の薄肉化は、
そのまゝトランジスタ特性を悪化させることにつなが
る。
【0011】要するに、InAs組成比と、InGaA
sの膜厚(つまりトランジスタ特性)との間には互いに
相矛盾する関係があり、この矛盾する関係のなかでIn
As組成比の最大値を決定しなければならない。
【0012】従って、本発明の目的は、InGaAsか
ら構成されるチャネル層の膜厚の厚肉化、およびInA
s組成比の増大を図りながらトランジスタ特性を向上さ
せたGaInP系HEMTを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、GaAsを基板とし、n型GaInPをキ
ャリア供給層とし、InGaAsをチャネル層とするH
EMTにおいて、前記キャリア供給層を格子定数がGa
Asよりも小さく且つ格子緩和が発生していないGaI
nPによって構成したことを特徴とするGaInP系H
EMTを提供するものである。
【0014】一般にキャリア供給層を構成するGaIn
Pは、GaAsよりも格子定数の小さなGaPと格子定
数の大きなInPとの混晶であり、通常は格子定数が基
板のGaAsとほぼ一致するように、GaP組成比を5
1〜52%としている。
【0015】本発明においては、このキャリア供給層を
構成するGaInPの格子定数を従来の常識を超えてG
aAsのそれよりも小さく設定すると共に、さらにこれ
を格子緩和が発生しない状態で使用し、これによってG
aInP内に働く引張応力を有効活用するところに発明
としての特徴があり、さらにはこれをより具体的に展開
するためにGaInPにおけるGaP組成比を通常の枠
を超えて高い水準に設定したところにも発明としての特
徴を有するものである。
【0016】すなわち、本発明は、GaInPの中に働
く上記した引張応力をInGaAs層の圧縮応力に対し
て作用させ、これによって格子の緩和を抑制した状態で
臨界膜厚を超える厚さのInGaAs層形成を可能にす
る。さらに、これによってInAs組成比を高めたIn
GaAsチャネル層の設計を可能にするもので、換言す
るならば、圧縮応力側を正のエネルギー、引張応力側を
負のエネルギーとした場合に、InGaAsの中の正の
エネルギーをGaInP中の負のエネルギーによって打
ち消させ、これによりInGaAsの臨界膜厚を増加さ
せようとするところに発明の狙いをおくものである。
【0017】本発明においてキャリア供給層を構成する
GaInPのInP組成比は、多くの場合54%以上に
設定される。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態におけ
るGaInP系HEMTのエピタキシャルウエハ積層構
造例を示したもので、1は半絶縁性のGaAs基板、2
はこの基板1の上に形成されたun型GaAsバッファ
層、3はInAs組成比40%のun型InGaAsか
ら成るチャネル層である。
【0019】このチャネル層3は4〜20nmの厚さで
成長形成される。具体的には、4、6、8、10、1
2、15および20nm厚のチャネル層を備えた7種類
のエピタキシャルウエハが作成された。
【0020】4はGaP組成比60%のun型GaIn
Pから成る2nm厚のスペーサ層、5はGaP組成比6
0%のn型GaInPから成る50nm厚のキャリア供
給層を示す。
【0021】図2は本発明との対比のために引用された
従来のGaInP系HEMTエピタキシャルウエハの積
層構造を示したもので、この従来例は、n型GaInP
キャリア供給層5におけるGaP組成比が51%と従来
一般のレベルである点、そしてチャネル層3を構成する
un型InGaAsのInAs組成比が30%とこれも
従来レベルのものが使用されている点にある。
【0022】そしてチャネル層3の厚さが、トランジス
タ特性を考慮した最大厚である6nmの厚さに設定され
ている点も本発明の実施例とは大きく異なるところであ
る。
【0023】さらに、GaInPスペーサ層4のGa組
成も本発明の実施例とは異なるが、これら3層以外の他
の部分は実施例の場合と同じように構成した。
【0024】なお、実施例および従来例とも各層の成長
には有機金属気相成長法を用い、キャリアガスとしては
水素を使用し、原料としてはターシャリーブチルフォス
フィン、トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、ト
リメチルインジウム、アルシン、フォスフィンおよびジ
シランを使用した。
【0025】また、成長圧力は約55torr、成長温
度650℃、基板には半絶縁性のGaAsを使用し、面
方位は(100)で最近接〔110〕方向に2度傾けた
ものとした。
【0026】図3はこれら実施例および従来例のエピタ
キシャルウエハを使用して構成したGaInP系HEM
Tのデバイス構造を示したもので、6はn型GaAsか
ら成るコンタクト層、7はこの上に形成されたソース電
極、8はゲート電極、9はドレイン電極を示す。
【0027】図4は実施例および従来例を対象として測
定したホール特性を示す。
【0028】ホール特性はトランジスタとしての特性を
決める最も重要な電気特性であるが、従来のものが、I
nGaAsの膜厚が6nmにおいて、○で示されたシー
トキャリア濃度と、□で示された電子移動度とにとどま
っているのに対し、本発明の実施例によるものは、Aの
範囲内(InGaAs膜厚:7〜15.5nm)におい
て、シートキャリア濃度(●)、電子移動度(■)とも
高い特性を示していることが認められる。
【0029】これは従来例のInGaAsの膜厚が冒頭
に記した理由により6nm厚の薄肉に制限され、従って
InAs組成比も低いレベル(30%)に抑えざるを得
ないのに対し、本実施例の場合にはキャリア供給層5を
構成するGaInPのGaP組成比を高く設定したこと
から、チャネル層3を厚く形成することが可能となり、
その結果チャネル層3を構成するInGaAsにおける
InAs組成比の増量(40%)が実現し、これにより
シートキャリア濃度と電子移動度とによって示されるホ
ール特性が向上しているものである。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明はチャンネ
ル層のInGaAsの厚肉化、およびInAs組成比の
増大を図りながら高いトランジスタ特性を有するGaI
nP系HEMTを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるGaInP系HEMT
エピタキシャルウエハの積層構造図。
【図2】本発明との対比のために引用された従来のGa
InP系HEMTエピタキシャルウエハの積層構造図。
【図3】図1、2のエピタキシャルウエハを使用して構
成したGaInP系HEMTのデバイス構造。
【図4】本発明の実施例と従来例との特性対比グラフ。
【図5】従来のGaInP系HEMTエピタキシャルウ
エハを説明するための説明図。
【符号の説明】
1 半絶縁性GaAs基板 2 バッファ層 3 チャネル層 4 スペーサ層 5 キャリア供給層 6 コンタクト層 7 ソース電極 8 ゲート電極 9 ドレイン電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガリウム・砒素を基板とし、n型ガリウム
    ・インジウム・リンをキャリア供給層とし、インジウム
    ・ガリウム・砒素をチャネル層とする高電子移動度トラ
    ンジスタにおいて、 前記キャリア供給層を格子定数がガリウム・砒素よりも
    小さく且つ格子緩和が発生していないガリウム・インジ
    ウム・リンによって構成したことを特徴とするガリウム
    ・インジウム・リン系高電子移動度トランジスタ。
  2. 【請求項2】前記ガリウム・インジウム・リンが、ガリ
    ウム・リン組成比が54%以上で且つ格子緩和が発生し
    ていないことを特徴とする請求項第1項記載のガリウム
    ・インジウム・リン系高電子移動度トランジスタ。
JP5116596A 1996-03-08 1996-03-08 ガリウム・インジウム・リン系高電子移動度トランジスタ Pending JPH09246526A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1030371A1 (en) * 1999-02-19 2000-08-23 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Field-effect transistor
WO2002031886A1 (en) * 2000-10-13 2002-04-18 Kwangju Institute Of Science And Technology Monolithically integrated e/d mode hemt and method for fabricating the same

Cited By (3)

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US6670652B2 (en) 2000-10-13 2003-12-30 Kwangju Institute Of Science And Technology Monolithically integrated E/D mode HEMT and method for fabricating the same

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