JPH09245632A - カラー陰極線管の製造方法 - Google Patents

カラー陰極線管の製造方法

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JPH09245632A
JPH09245632A JP4633796A JP4633796A JPH09245632A JP H09245632 A JPH09245632 A JP H09245632A JP 4633796 A JP4633796 A JP 4633796A JP 4633796 A JP4633796 A JP 4633796A JP H09245632 A JPH09245632 A JP H09245632A
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electron
film
shadow mask
electron beam
ray tube
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JP4633796A
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Fumio Takahashi
文雄 高橋
Hisamitsu Watanabe
尚光 渡辺
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シャドウマスク5に電子反射膜5aを塗布形
成する場合、電子ビーム通過孔の形状に影響を与えず、
微粒子の分布が密で均一な電子反射膜を塗布形成するこ
とが可能なカラー陰極線管の製造方法を提供する。 【解決手段】 シャドウマスク5の電子銃対向面に塗布
液をスプレーして電子反射膜5aを塗布形成する工程を
具備するカラー陰極線管の製造方法において、かかる塗
布液として、平均粒径が0.1乃至0.5μmの範囲内
の酸化ビスマス(Bi2 3 )の微粒子とバインダー剤
とを含有した懸濁液を用い、電子反射膜5aの膜質量が
0.1乃至0.5mg/cm2 の範囲内になるように塗
布形成するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー陰極線管の
製造方法に係わり、特に、シャドウマスクの電子銃対向
面に塗布液をスプレーし、電子ビームの射突に基づくシ
ャドウマスクの熱変形を抑制する電子反射膜を塗布形成
する際に、塗布された電子反射膜の状態を良好にする塗
布形成手段を用いるカラー陰極線管の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、カラー画像を表示するカラー陰
極線管は、画像を表示する螢光面をフロントパネル内面
に塗布形成しているパネル部と、3本の電子ビームを発
生する電子銃を格納している細長形状のネック部と、パ
ネル部とネック部とを連結する略漏斗形状のファンネル
部とで構成されており、パネル部の内側には、多くの電
子ビーム透過孔を有するシャドウマスクが螢光面に対向
するように配置されており、ファンネル部の外側には、
電子銃から発射された3本の電子ビームを偏向させ、偏
向させた3本の電子ビームをシャドウマスクの電子ビー
ム透過孔を通して螢光面上を走査する偏向装置が装着さ
れている。
【0003】この場合、電子銃から発射された3本の電
子ビームは、偏向装置において適宜偏向された後、各別
にシャドウマスクの電子ビーム透過孔を通して螢光面上
の対応する色の螢光体ドットまたはストライプを有する
部分に射突し、電子ビームの射突した部分の螢光面の輝
度を増大し、螢光面上に所要の表示画像を現出させるも
のである。
【0004】ここにおいて、3本の電子ビームがシャド
ウマスクの電子ビーム透過孔を透過して螢光面に到達す
る場合に、通常、3本の電子ビームが確実に螢光面上の
対応する色の螢光体ドットまたはストライプを有する部
分に到達するように、シャドウマスクにおける多くの電
子ビーム透過孔の適切な配置形成を行い、かつ、シャド
ウマスク自体の適切な配置を考慮している。
【0005】ところが、現実には、3本の電子ビームの
エネルギの多くの部分(約80%)が電子ビーム透過孔
を透過せずにシャドウマスクに直接衝突し、この衝突に
よりシャドウマスクに熱エネルギが与えられ、シャドウ
マスクの温度が上昇するようになる。この結果、シャド
ウマスクは、温度上昇に基づく熱膨張によって変形する
ようになり、変形前に正確に対応していた各電子ビーム
とシャドウマスクの各電子ビーム透過孔との位置関係が
ずれるようになり、その結果、螢光面上の対応する色の
螢光体ドットまたはストライプに到達する各電子ビーム
のエネルギも減少する。そして、各電子ビームとシャド
ウマスクの各電子ビーム透過孔との位置関係のずれを生
じたことにより、これまで以上にシャドウマスクに直接
衝突する電子ビームのエネルギが増え、さらにシャドウ
マスクの熱変形が進むという状態になり、螢光面の表示
画像の輝度が低下するとともに、表示画像に色ずれを生
じるという弊害をもたらす。
【0006】このような弊害を除くため、シャドウマス
クの電子銃対向面、即ち、シャドウマスクにおける電子
ビームの衝突する面に、塗布液を吹き付けることによっ
て電子反射膜を形成し、電子ビームがシャドウマスクに
直接衝突したとき、その電子ビームを反射させ、電子ビ
ームのエネルギがシャドウマスクに伝達されないように
するシャドウマスクの非変形手段が既に提案されてい
る。
【0007】前記シャドウマスクの非変形手段の1つ
は、例えば、特開平2−10626号に開示されている
ものであって、シャドウマスクの電子銃対向面に塗布液
を吹き付けて電子反射層を形成する際に、塗布液とし
て、平均粒径が0.1乃至1.0μmの範囲内にある酸
化ビスマス(Bi2 3 )の微粒子を20乃至45重量
%含んだものを使用するようにしている。
【0008】また、前記シャドウマスクの非変形手段の
他の1つは、特公昭60−14459号に開示されてい
るものであって、シャドウマスクの電子銃対向面に塗布
液を吹き付けて電子反射層を形成する際に、塗布液とし
て、70を超える原子番号を有する重金属の微粒子、例
えば、平均粒径が1.0μm以下の酸化ビスマス(Bi
2 3 )の微粒子を含んだものを使用し、形成される電
子反射層を、約0.2乃至2.0mg/cm2 の範囲内
の膜質量を有するようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】一般に、酸化ビスマス
(Bi2 3 )の微粒子は、その平均粒径が0.5乃至
1.0μmの範囲内のものであって、平均粒径が0.5
μm以下の酸化ビスマス(Bi2 3 )の微粒子を得る
ためには、平均粒径が0.5乃至1.0μm程度の酸化
ビスマス(Bi2 3 )の微粒子を何等かの手段によっ
て微細化する必要があり、また、平均粒径が0.1μm
以下の酸化ビスマス(Bi2 3 )の微粒子を得ること
は、現実に不可能である。
【0010】また、前記既知のシャドウマスクの非変形
手段は、いずれも、シャドウマスクの電子銃対向面に電
子反射膜を塗布形成する際に、その塗布液として、酸化
ビスマス(Bi2 3 )の微粒子を含有した懸濁液を用
いている。
【0011】この場合、かかる塗布液として、通常の平
均粒径である0.5乃至1.0μm程度の酸化ビスマス
(Bi2 3 )の微粒子を含有したものを使用し、電子
反射膜として、通常の膜質量である1乃至2mg/cm
2 の範囲内になるように塗布形成した場合は、図4に図
示されるように、シャドウマスクの電子ビーム通過孔の
領域においては、電子ビーム通過孔のエッジ部(壁面)
に酸化ビスマス(Bi2 3 )の微粒子が多く付着する
ようになって、電子反射膜が電子ビーム通過孔の孔側に
張り出した形になり、電子ビーム通過孔の孔径が縮小さ
れたり、孔形状が不規則になったりする他に、シャドウ
マスクの電子ビーム通過孔間の領域においても、酸化ビ
スマス(Bi2 3 )の微粒子の分布が粗く不均一にな
り、均一な膜質の電子反射膜が得られなくなる。
【0012】その結果、シャドウマスクの電子ビーム通
過孔を透過する電子ビームは、電子ビーム通過孔の孔径
が縮小したり、孔形状が不規則になっていることにより
透過エネルギ量が減少し、表示画像の輝度が低下すると
いう問題があり、また、電子ビーム通過孔を透過する電
子ビームは、孔形状が不規則になっていることにより乱
反射を生じ、表示画像に色ずれを生じたり、電子ビーム
通過孔間の領域にある微粒子の分布の粗い不均一な電子
反射膜によりシャドウマスクが部分的に熱変形を起し、
前述のように表示画像の輝度を低下させたり、表示画像
に色ずれを発生たりするという問題がある。そして、こ
れらの問題は、特に、最近、カラー陰極線管の主流にな
りつつある高精細カラー陰極線管において、カラー陰極
線管の品質の低下につながる重大な問題になる。
【0013】ところで、前記既知の特開平2−1062
6号に開示の手段は、電子反射膜の塗布形成に用いられ
る塗布液に、平均粒径が0.1乃至1.0μmの範囲内
にある酸化ビスマス(Bi2 3 )の微粒子を含有した
懸濁液を用いるものであるが、通常の平均粒径である
0.5乃至1.0μm程度の酸化ビスマス(Bi
2 3)の微粒子を含有した懸濁液を用いて電子反射膜
を塗布形成した場合と、それよりも粒径の微細な平均粒
径が0.1乃至0.5μmの範囲内にある酸化ビスマス
(Bi2 3 )の微粒子を含有した懸濁液を用いて電子
反射膜を形成した場合との間に、得られた電子反射膜に
ついて、その膜形状や膜特性に大きな差異が有ることに
ついては何等言及されていない。
【0014】即ち、前記既知の特開平2−10626号
に開示の手段においては、平均粒径が0.1乃至1.0
μmの範囲内にある酸化ビスマス(Bi2 3 )の微粒
子について、特に、平均粒径が0.1乃至0.5μmの
範囲内にある酸化ビスマス(Bi2 3 )の微粒子を含
有した懸濁液を用いて電子反射膜を塗布形成し、かつ、
電子反射膜の膜質量を、通常のこの種の膜質量よりも小
さい0.1乃至0.5mg/cm2 の範囲内に選んだ場
合、良好な膜形状を有し、良好な膜特性を有する電子反
射膜が得られることについては、何等の認識がされてい
ないものである。
【0015】また、前記既知の特公昭60−14459
号に開示の手段は、電子反射膜の塗布形成に用いられる
塗布液に、平均粒径が1.0μm以下の酸化ビスマス
(Bi2 3 )の微粒子を含有した懸濁液を用いるもの
であって、その他に、シャドウマスクの電子ビーム通過
孔間の領域における電子反射膜の膜質量を略0.2乃至
2.0mg/cm2 に、電子ビーム通過孔の壁面におけ
る電子反射膜の膜質量を0.2mg/cm2 以下に選ん
でいるものであるが、やはり、通常の平均粒径である
0.5乃至1.0μm程度の酸化ビスマス(Bi
2 3 )の微粒子を含有した懸濁液を用い、電子反射膜
における通常の膜質量である1.0乃至2.0mg/c
2 の範囲内の電子反射膜を塗布形成した場合と、通常
の粒径よりも微細な平均粒径が0.1乃至0.5μmの
範囲内にある酸化ビスマス(Bi2 3 )の微粒子を含
有した懸濁液を用い、通常の膜質量より小さい0.1乃
至0.5mg/cm2 の範囲内にある電子反射膜を形成
した場合との間に、得られた電子反射膜について、その
膜形状や膜特性に大きな差異が有ることについては何等
言及されていない。
【0016】即ち、前記既知の特公昭60−14459
号に開示の手段においても、平均粒径が0.1乃至1.
0μmの範囲内にある酸化ビスマス(Bi2 3 )の微
粒子について、特に、平均粒径が0.1乃至0.5μm
の範囲内にある酸化ビスマス(Bi2 3 )の微粒子を
含有した懸濁液を用いて電子反射膜を塗布形成し、か
つ、電子反射膜の膜質量を、通常のこの種の膜質量より
も小さい0.1乃至0.5mg/cm2 の範囲内に選ん
だ場合、良好な膜形状を有し、良好な膜特性を有する電
子反射膜が得られることについては、何等の認識がされ
ていないものである。
【0017】本発明は、前記問題点を解決するもので、
その目的は、シャドウマスクに電子反射膜を塗布形成す
る場合、電子ビーム通過孔の形状に影響を与えず、微粒
子の分布が密で均一な電子反射膜を塗布形成することが
可能なカラー陰極線管の製造方法を提供することにあ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明によるカラー陰極線管の製造方法は、シャド
ウマスクの電子銃対向面に塗布液をスプレーして電子反
射膜を塗布形成する場合に、塗布液には、酸化ビスマス
(Bi2 3 )の微粒子における通常の平均粒径よりも
かなり微細な、0.1乃至0.5μmの範囲内の平均粒
径を有する酸化ビスマス(Bi2 3 )の微粒子とバイ
ンダー剤とを含有した懸濁液を用い、電子反射膜の膜質
量を通常のこの種の膜の膜質量よりもかなり小さい、
0.1乃至0.5mg/cm2 の範囲内の膜質量になる
ように塗布形成するものである。
【0019】かかる製造方法によりシャドウマスクの電
子銃対向面に塗布形成された電子反射膜は、電子ビーム
通過孔の領域においては、電子ビーム通過孔のエッジ部
(壁面)に酸化ビスマス(Bi2 3 )の微粒子が多く
付着することがなくなって、電子反射膜が電子ビーム通
過孔の孔側に張り出すことがなくなり、電子ビーム通過
孔の孔径が縮小されたり、孔形状が不規則になったりす
ることがなくなり、また、シャドウマスクの電子ビーム
通過孔間の領域においては、酸化ビスマス(Bi
2 3 )の微粒子の分布が密で均一になり、均一な膜質
の電子反射膜が得られるようになる。
【0020】このように、本発明によるカラー陰極線管
の製造方法によれば、電子ビーム通過孔の孔径が縮小し
たり、孔形状が不規則になることがなく、シャドウマス
クの電子ビーム通過孔を透過する電子ビームのエネルギ
の減少が生じないので、表示画像の輝度が低下すること
がなく、また、電子ビーム通過孔の孔形状が不規則にな
らないので、電子ビーム通過孔を透過する電子ビームが
乱反射を起し、表示画像が色ずれを生じたりすることが
なくなる。さらに、電子ビーム通過孔間の領域の電子反
射膜の膜質の均一化により、シャドウマスクが部分的に
熱変形を起すことが少なくなり、シャドウマスクの熱変
形に伴う表示画像の輝度の低下や表示画像の色ずれの発
生をなくすことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明におけるカラー陰極線管の
製造方法の実施の形態は、シャドウマスクの電子銃対向
面に、シャドウマスクに直接衝突する電子ビームを反射
させる電子反射膜を、塗布液のスプレーによって塗布形
成する場合、この塗布液には、酸化ビスマス(Bi2
3 )の微粒子における通常の平均粒径(略0.5乃至
1.0μm)よりもかなり微細な平均粒径を有する酸化
ビスマス(Bi2 3 )の微粒子、具体的には、0.1
乃至0.5μmの範囲内の平均粒径を有する酸化ビスマ
ス(Bi2 3 )の微粒子を選択し、ここで選択した酸
化ビスマス(Bi2 3 )の微粒子とバインダー剤とを
含有した懸濁液を用いるものである。そして、かかる塗
布液のスプレーによって電子反射膜を塗布形成する場
合、形成する電子反射膜の膜質量を通常のこの種の膜の
膜質量(略1.0乃至2.0mg/cm2 )よりもかな
り小さい膜質量、具体的には、0.1乃至0.5mg/
cm2 の範囲内の膜質量になるように塗布形成し、電子
反射膜を得ているものである。
【0022】そして、シャドウマスクの電子銃対向面に
前述のように電子反射膜を塗布形成した場合、この電子
反射膜の電子ビーム通過孔の領域においては、電子ビー
ム通過孔のエッジ部(壁面)に酸化ビスマス(Bi2
3 )の微粒子が多く付着することがなくなり、電子ビー
ム通過孔の孔側に張り出す電子反射膜部分がなくなるの
で、電子ビーム通過孔の孔径が張り出した電子反射膜部
分により縮小したり、電子ビーム通過孔の孔形状が同じ
く張り出した電子反射膜部分により不規則になったりす
ることがなく、また、この電子反射膜の電子ビーム通過
孔間の領域においては、酸化ビスマス(Bi2 3 )の
微粒子の分布が全体的に密で均一になり、得られる電子
反射膜の膜質がほぼ均一化される。
【0023】このように、本発明の実施の形態によれ
ば、電子ビーム通過孔の孔径が張り出した電子反射膜部
分によって縮小したり、電子ビーム通過孔の孔形状が同
じく張り出した電子反射膜部分によって不規則になるこ
とがなくなることから、シャドウマスクの電子ビーム通
過孔を透過する電子ビームのエネルギが減少することは
なく、表示画像の輝度の低下をもたらすことがない。ま
た、電子ビーム通過孔の孔形状が張り出した電子反射膜
部分により不規則にならないことから、電子ビーム通過
孔を透過する電子ビームが張り出した電子反射膜部分に
よって乱反射を生じることがなく、表示画像に色ずれを
発生したりすることがない。さらに、電子ビーム通過孔
間の領域における電子反射膜の膜質の均一化によって、
シャドウマスクが部分的に熱変形を起すことは少なくな
り、シャドウマスクの熱変形に伴う表示画像の輝度の低
下や表示画像の色ずれの発生をなくすことができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。
【0025】図1は、本発明によるカラー陰極線管の製
造方法が適用されるカラー陰極線管の構成を示す概略断
面図である。
【0026】図1において、1はパネル部、2はネック
部、3はファンネル部、4は螢光膜、5はシャドウマス
ク、5aは電子反射膜、6はマスクフレーム、7は電子
銃、8は偏向ヨーク、9はピュリテイ調整用マグネッ
ト、10はセンタービームスタティックコンバーゼンス
調整用マグネット、11はサイドビームスタティックコ
ンバーゼンス調整用マグネット、12は電子ビームであ
る。
【0027】そして、カラー陰極線管を構成する管体
(ガラス製)は、管体の前面側を構成するパネル部1
と、管体の後面側に配置され、電子銃7を収納している
細長形状のネック部2と、パネル部1及びネック部2を
連結する略漏斗形状のファンネル部3とからなってい
る。パネル部1は、フロントパネル内面に螢光膜4が被
着形成され、この螢光膜4に対向するように多くの電子
ビーム通過孔(記号なし)を有するシャドウマスク5が
配置される。シャドウマスク5は、スカート部がマスク
フレーム6に嵌合され、マスクフレーム6の一部がパネ
ル部1の内壁に取付け部材(記号なし)によって固定さ
れる。シャドウマスク5における電子銃7側の面(電子
銃対向面)には、シャドウマスク5に衝突する電子ビー
ム12を反射させる電子反射膜5aが被着形成される。
パネル部1とファンネル部3の結合部分の内側には磁気
シールド(図示なし)が配置され、ファンネル部3とネ
ック部2の連結部分の外側には偏向ヨーク8が配置装着
される。ネック部2の外側に、ピュリテイ調整用マグネ
ット9、センタービームスタティックコンバーゼンス調
整用マグネット10、サイドビームスタティックコンバ
ーゼンス調整用マグネット11が並設配置され、電子銃
7から投射された3本の電子ビーム(1本だけが図示さ
れている)12は、偏向ヨーク8による偏向によって所
定方向に偏向された後、シャドウマスク5の多くの電子
ビーム通過孔を通して螢光膜4における対応する色の画
素に到達するように構成されている。
【0028】前記構成によるカラー陰極線管における動
作、即ち、画像表示動作は、既知のカラー陰極線管にお
ける画像表示動作と全く同じであるので、このカラー陰
極線管における画像表示動作については、その動作説明
を省略する。
【0029】ここで、本発明によるカラー陰極線管の製
造方法の実施例について述べる。
【0030】始めに、本発明による第1の実施例は、市
販されている平均粒径が1.0μm程度の酸化ビスマス
(Bi2 3 )の微粒子300gと、28%珪酸ソーダ
系水ガラス(バインダー剤)71gと、純水1629g
とを混合し、この混合液に粉砕用ボールを加えた後、そ
れらをボールミルポットに収容して約1日間ボールミル
を行い、平均粒径が0.5μmの酸化ビスマス(Bi2
3 )の微粒子を含有した懸濁液を形成する。そして、
得られた懸濁液を図1に図示されているシャドウマスク
5の電子銃対向面に、膜質量が0.5mg/cm2 にな
るようにスプレーによって塗布し、電子反射膜5aを塗
布形成する。
【0031】この場合、本実施例のカラー陰極線管の製
造方法においては、シャドウマスク5に電子反射膜5a
を塗布形成する手段を除けば、通常の既知のカラー陰極
線管の製造方法と同じであり、かかるカラー陰極線管の
製造方法はよく知られているところであるので、本実施
例のカラー陰極線管の製造方法についての前記手段以外
については、その説明を省略する。
【0032】次に、本発明による第2の実施例は、市販
されている平均粒径が1.0μm程度の酸化ビスマス
(Bi2 3 )の微粒子300gと、28%珪酸ソーダ
系水ガラス(バインダー剤)71gと、純水1629g
とを混合し、この混合液に粉砕用ボールを加えた後、そ
れらをボールミルポットに収容して約6日間ボールミル
を行い、平均粒径が0.2μmの酸化ビスマス(Bi2
3 )の微粒子を含有した懸濁液を形成する。そして、
得られた懸濁液を第1の実施例と同様にシャドウマスク
5の電子銃対向面に、膜質量が0.3mg/cm2 にな
るようにスプレーによって塗布し、電子反射膜5aを塗
布形成する。
【0033】この場合も、本実施例のカラー陰極線管の
製造方法においては、シャドウマスク5に電子反射膜5
aを塗布形成する手段を除けば、通常の既知のカラー陰
極線管の製造方法と同じであり、かかるカラー陰極線管
の製造方法はよく知られているところであるので、本実
施例のカラー陰極線管の製造方法についての前記手段以
外については、その説明を省略する。
【0034】図2は、第1の実施例及び第2の実施例の
製造方法によって得られたシャドウマスク5上の電子反
射膜5aの状態の一例を示す断面拡大構成図である。
【0035】図2に示されるように、第1の実施例及び
第2の実施例の製造方法によって得られた電子反射膜5
aは、シャドウマスク5の電子ビーム通過孔の領域で
は、電子ビーム通過孔のエッジ部(壁面)に酸化ビスマ
ス(Bi2 3 )の微粒子が多く付着することがなく、
電子反射膜5aの電子ビーム通過孔の孔側への張り出し
も極めて少なくなっており、また、シャドウマスク5の
電子ビーム通過孔間の領域では、酸化ビスマス(Bi2
3 )の微粒子の分布が均一で、膜厚が均一になってい
る。
【0036】次いで、図3は、電子反射膜5aの膜質量
と電子反射膜5aの電子ビーム通過孔の孔側への張り出
し長さdとの関係を示す特性図であって、電子反射膜5
aの形成に使用される酸化ビスマス(Bi2 3 )の微
粒子の平均粒径別に、実験によって求めたものである。
【0037】図3の曲線Aに示されるように、電子反射
膜5aを塗布形成する際に、懸濁液に平均粒径が1.0
μmの酸化ビスマス(Bi2 3 )の微粒子(既知の製
造方法)を使用し、1.0mg/cm2 の膜質量に構成
すると、電子反射膜5aの電子ビーム通過孔の孔側への
張り出し長さdは約10μmにもなり、このような電子
反射膜5aを形成した場合は、当然のことながら表示画
像の輝度の低下や色にじみを生じるようになる。また、
平均粒径が1.0μmの酸化ビスマス(Bi23 )の
微粒子を使用しているとき、膜質量を1.0mg/cm
2 より低下させれば、それに準じて張り出し長さdは若
干少なくなるが、酸化ビスマス(Bi23 )の微粒子
の平均粒径が大きいことから、シャドウマスク5の電子
ビーム通過孔間の領域における微粒子の分布が粗く不均
一になり、充分なドーミング抑制機能を達成することが
できない。
【0038】これに対し、図3の曲線B及びCに示され
るように、懸濁液に平均粒径が0.5μmの酸化ビスマ
ス(Bi2 3 )の微粒子(第1の実施例の製造方法)
を使用するか、平均粒径が0.2μmの酸化ビスマス
(Bi2 3 )の微粒子(第2の実施例の製造方法)を
使用し、かつ、膜質量を0.1乃至0.5mg/cm2
の範囲内(第1及び第2の実施例)になるように構成す
ると、電子反射膜5aの電子ビーム通過孔の孔側への張
り出し長さdは、いずれも5μm以下になる。そして、
前記張り出し長さdが5μm以下である場合は、その電
子反射膜5aの張り出し長さdの部分が当該電子ビーム
通過孔を透過する電子ビームに殆んど影響を与えること
がなく、一方、前記張り出し長さdが5μmを超える
と、その電子反射膜5aの張り出し長さdの部分が当該
電子ビーム通過孔を透過する電子ビームに何等かの影響
を及ぼすことをそれぞれ実験によって確かめている。ま
た、酸化ビスマス(Bi2 3 )の微粒子の平均粒径が
0.5μm及び0.2μmというように、これまでの微
粒子の平均粒径(1.0μm程度)に比べて相当に小さ
くなったことから、膜質量が小さくなったにも係わら
ず、シャドウマスク5の電子ビーム通過孔間の領域にお
ける微粒子の分布が密で均一になる。
【0039】このように、第1及び第2の実施例の製造
方法によれば、電子反射膜5aの電子ビーム通過孔の孔
側への張り出し長さdが5μm以下であることから、電
子ビーム通過孔の孔径が縮小されたり、孔形状が不規則
になったりすることがなく、表示画像の輝度が低下する
ことがなく、表示画像に色にじみが生じることもなく、
高画質の表示画像を現出できるカラー陰極線管を得るこ
とができる。
【0040】また、第1及び第2の実施例の製造方法に
よれば、シャドウマスク5の電子ビーム通過孔間の領域
における電子反射膜5aは、微粒子の分布が密で均一に
なっていることから、充分なドーミング抑制機能を達成
することができる。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明のカラー陰極線管
の製造方法によれば、電子ビーム通過孔の孔径が張り出
した電子反射膜部分により縮小したり、電子ビーム通過
孔の孔形状が同じく張り出した電子反射膜部分により不
規則になることがないので、シャドウマスクの電子ビー
ム通過孔を透過する電子ビームのエネルギが減少するこ
とはなく、表示画像の輝度の低下をもたらさないという
効果がある。
【0042】また、本発明のカラー陰極線管の製造方法
によれば、電子ビーム通過孔の孔形状が張り出した電子
反射膜部分により不規則になることがないので、電子ビ
ーム通過孔を透過する電子ビームが張り出した電子反射
膜部分により乱反射を生じることがなく、表示画像に色
ずれを生じたりすることがないという効果がある。
【0043】さらに、本発明のカラー陰極線管の製造方
法によれば、電子ビーム通過孔間の領域における電子反
射膜の膜質が均一になることにより、シャドウマスクが
部分的に熱変形を起すことは少なくなり、シャドウマス
クの熱変形に伴う表示画像の輝度の低下や表示画像の色
ずれの発生をなくすことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカラー陰極線管の製造方法が適用
されるカラー陰極線管の構成を示す概略断面図である。
【図2】第1の実施例及び第2の実施例の製造方法によ
って得られたシャドウマスク上の電子反射膜の状態の一
例を示す断面拡大構成図である。
【図3】電子反射膜の膜質量と電子反射膜の電子ビーム
通過孔の孔側への張り出し長さとの関係を示す特性図で
ある。
【図4】既知のの製造方法によって得られたシャドウマ
スク上の電子反射膜の状態の一例を示す断面拡大構成図
である。
【符号の説明】
1 パネル部 2 ネック部 3 ファンネル部 4 螢光膜 5 シャドウマスク 5a 電子反射膜 6 マスクフレーム 7 電子銃 8 偏向ヨーク 9 ピュリテイ調整用マグネット 10 センタービームスタティックコンバーゼンス調整
用マグネット 11 サイドビームスタティックコンバーゼンス調整用
マグネット 12 電子ビーム

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャドウマスクの電子銃対向面に塗布液
    をスプレーして電子反射膜を塗布形成する工程を具備す
    るカラー陰極線管の製造方法において、前記塗布液とし
    て、平均粒径が0.1乃至0.5μmの範囲内の酸化ビ
    スマス(Bi2 3 )の微粒子とバインダー剤とを含有
    した懸濁液を用い、前記電子反射膜の膜質量が0.1乃
    至0.5mg/cm2 の範囲内になるように塗布形成す
    ることを特徴とするカラー陰極線管の製造方法。
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