JPH09245623A - 電子放出素子、電子源基板、および画像形成装置の製造方法 - Google Patents

電子放出素子、電子源基板、および画像形成装置の製造方法

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JPH09245623A
JPH09245623A JP6900396A JP6900396A JPH09245623A JP H09245623 A JPH09245623 A JP H09245623A JP 6900396 A JP6900396 A JP 6900396A JP 6900396 A JP6900396 A JP 6900396A JP H09245623 A JPH09245623 A JP H09245623A
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2201/00Electrodes common to discharge tubes
    • H01J2201/30Cold cathodes
    • H01J2201/316Cold cathodes having an electric field parallel to the surface thereof, e.g. thin film cathodes
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  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一な素子電極を形成する。 【解決手段】 絶縁基板上において、少なくとも一対の
素子電極2、3と、この素子電極間に設けられた、電子
放出部を含む薄膜とで構成される表面伝導型電子放出素
子を製造する方法ならびに、この方法を用いた電子源基
板および画像形成装置の製造方法において、素子電極の
形成工程は、前記絶縁基板1上に、印刷法により、素子
電極の材料で素子電極2、3パターンを形成する工程
と、素子電極パターンを形成した前記絶縁基板に疎水処
理21を施す工程と、前記疎水処理を施した後、金属含
有溶液22を基板表面に塗布し焼成する工程とを有する
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面伝導型電子放
出素子、電子源基板、および画像形成装置の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より電子放出素子には大別して熱電
子放出素子と冷陰極電子放出素子を用いた2種類のもの
が知られている。冷陰極電子放出素子には電界放出型
(以下、「FE型」という)、金属/絶縁層/金属型
(以下、「MIM型」という)や表面伝導型電子放出素
子等がある。FE型の例としては「W.P.Dyke&
W.W.Doran、“Field Emissio
n”,Advance inElectron Phy
sics,8,89(1956)」あるいはC.A.S
pindt“Physical Properties
of thin−film field emiss
ion cathodes with molybde
nium cones”,J.Appl.Phys.,
47, 5248(1976)等に開示されたものが知
られている。MIM型ではC.A.Mead,“Ope
ration of Tunnel−Emission
Devices”,J.Appl.Phys.,3
2,646(1961)等に開示されたものが知られて
いる。表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成された
小面積の薄膜に膜面に平行に電流を流すことにより、電
子放出が生ずる。この表面伝導型電子放出素子として
は、前記エリンソン等によるSnO2 薄膜を用いたも
の、Au薄膜によるもの(G.Dittmer:Thi
n Solid Films,9,317(197
2))、In23 /SnO2 薄膜によるもの(M.H
artwell and C.G.Fonstad:I
EEE Trans.ED Conf.,519(19
75))、カーボン薄膜によるもの(荒木久 他:真
空、第26巻、第1号、22頁(1983)」)等が報
告されている。
【0003】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な例として前述のM.ハートウェルの素子構成を図12
に模式的に示す。同図において1は基板である。4は導
電性薄膜で、H型形状のパターンにスパッタで形成され
た金属酸化物薄膜等からなり、後述の通電フォーミング
と呼ばれる通電処理により電子放出部5が形成される。
尚、図中の素子電極間隔L1は0.5〜1mm、W’は
0.1mmで設定されている。
【0004】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に導電性薄膜4を予め通電
フォーミングと呼ばれる通電処理することによって電子
放出部5を形成するのが一般的であった。即ち、通電フ
ォーミングとは、導電性薄膜4両端に直流電圧あるいは
非常にゆっくりとした昇電圧を印加通電し、導電性薄膜
を局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、電気的に高
抵抗な状態にした電子放出部5を形成することである。
尚、電子放出部5では、導電性薄膜4の一部に亀裂が発
生しその亀裂付近から電子放出が行われる。前記通電フ
ォーミング処理をした表面伝導型電子放出素子は、上述
導電性薄膜4に電圧を印加し、素子に電流を流すことに
より上述の電子放出部5より電子を放出せしめるもので
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の表面伝導型放出
素子は構造が単純で製造も容易であることから、大面積
にわたって多数素子を配列形成できる利点がある。そこ
でこの特徴を活かした荷電ビーム源、表示装置等の応用
研究がなされている。多数の表面伝導型放出素子を配列
形成した例としては、後述する様に梯型配置と呼ぶ並列
に表面伝導型電子放出素子を配列し、個々の素子の両端
を配線(共通配線とも呼ぶ)で、それぞれ結線した行を
多数行配列した電子源があげられる(例えば、特開昭6
4−031332、特開平1−283749,2−25
7552等)。また、特に表示装置等の画像形成装置に
おいては、近年、液晶を用いた平板型表示装置がCRT
に替わって普及してきたが、自発光型でないためバック
ライトを持たなければならない等の問題点があり、自発
光型の表示装置の開発が望まれてきた。自発光型表示装
置としては表面伝導型放出素子を多数配置した電子源と
電子源より放出された電子によって、可視光を発光せし
める蛍光体とを組み合わせた表示装置である画像形成装
置があげられる(例えばUSP5066883)。
【0006】これら表面伝導型電子放出素子を用いたデ
ィスプレイのリアパネルは、薄膜プロセスを用いて作製
されていたが、薄膜プロセスでは大面積化にあたり、工
程数が多くコストが非常にかかってしまっていた。
【0007】一方、スクリーン印刷等の印刷プロセス
を、電子源基板の作製に用いることが試みられている
が、素子電極は、電子放出素子に均一に電圧をかけるた
め、電極のエッジ部がなめらかで、膜厚が均一であるこ
とが好ましい。しかし、スクリーン等の印刷では電極の
エッジ部がなめらかでなかったり、また膜質がポーラス
で、素子を液体の状態で塗布すると電極に吸われてしま
い、素子特性のばらつきが大きくなる場合があり、この
製造方法を用いた表面伝導型電子放出素子を用いたディ
スプレイでは、製造歩留まりが低い場合があった。
【0008】本発明の目的は、この従来技術の問題点に
鑑み、印刷法により上記問題点を解決する素子電極を形
成しうる電子源基板の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明では、絶縁基板上において、少なくとも一対
の素子電極と、この素子電極間に設けられた、電子放出
部を含む薄膜とで構成される表面伝導型電子放出素子を
製造する方法、ならびにこの方法を用いた電子源基板お
よび画像形成装置の製造方法において、素子電極の形成
工程は、前記絶縁基板上に、印刷法により、素子電極の
材料で素子電極パターンを形成する工程と、素子電極パ
ターンを形成した前記絶縁基板に疎水処理を施す工程
と、前記疎水処理を施した後、金属含有溶液を基板表面
に塗布し焼成する工程とを有することを特徴とする。
【0010】すなわち、まず、スクリーン印刷法、また
はオフセット印刷法で素子電極を基板上に形成する。こ
れらの印刷方法で形成した電極は、エッジ部がなめらか
でなかったり、表面がポーラスで素子形成工程の有機溶
剤を吸い込んでしまう場合がある。そこで次に、この基
板にディッピング法などを用いて疎水処理剤を塗布し、
SiO2 面等であるギャップ部を疎水面にする。そし
て、この基板にディッピング法、インクジェット法等を
用い、金属含有溶液を塗布する。すると疎水面上を金属
含有溶液がはじき、素子電極上に液滴が付与される。こ
の基板を焼成するとエッジ部がなめらかで、ポーラスで
ない、吸い込みの少ない素子電極膜を形成することがで
きる。
【0011】これにより、この製造方法による素子電極
では、素子特性のばらつきを減少させることができる。
さらに、この製造方法では、フォトリソプロセスを使わ
ず、印刷法で電極を形成した後、セルフアライメントで
金属含有溶液を付与するため、製造コストも低い。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態を説明する。
【0013】まず、平面型表面伝導型電子放出素子につ
いて説明する。図2は、本発明の一実施形態における平
面型表面伝導型電子放出素子の構成を示す模式図であ
り、図2(a)は平面図、図2(b)は断面図である。
図2において1は基板、2と3は素子電極、4は導電性
薄膜、5は電子放出部である。
【0014】基板1としては、石英ガラス、Na等の不
純物含有量を低減させたガラス、青板ガラス、スパッタ
法等によりSiO2 を堆積させたガラス基板及びアルミ
ナ等のセラミックス基板等を用いることができる。
【0015】対向する素子電極2、3の材料としては、
一般的な導電材料を用いることができ、Ni,Cr,A
u,Mo,W,Pt,Ti,Al,Cu,Pd等の金属
或いは合金及びPd,As,Ag,Au,RuO2 ,P
d−Ag等の金属或は金属酸化物とガラス等から構成さ
れる印刷導体、In23 −SnO2 等の透明導電体及
びポリシリコン等の半導体導体材料等から選択すること
ができる。
【0016】素子電極間隔L1、素子電極長さW2、導
電性薄膜4の形状等は、応用される形態等を考慮して、
設計される。素子電極間隔L1は、好ましくは数千オン
グストロームから数百マイクロメートルの範囲であり、
より好ましくは素子電極間に印加する電圧等を考慮して
1マイクロメートルから100マイクロメートルの範囲
である。素子電極長さW2は、電極の抵抗値、電子放出
特性を考慮して、数マイクロメートルから数百マイクロ
メートルの範囲である。素子電極2、3の膜厚dは、1
00オングストロームから1マイクロメートルの範囲で
ある。尚、図2に示した構成だけでなく、基板1上に、
導電性薄膜4、対向する素子電極2、3の順に積層した
構成とすることもできる。
【0017】導電性薄膜4には、良好な電子放出特性を
得るために、微粒子で構成された微粒子膜を用いるのが
好ましい。その膜厚は素子電極2、3へのステップカバ
レージ、素子電極2、3間の抵抗値および後述するフォ
ーミング条件等を考慮して適宜設定されるが、通常は数
オングストロームないし数千オングストロームの範囲と
するのが好ましく、より好ましくは10オングストロー
ムないし500オングストロームの範囲とするのが良
い。その抵抗値は、RS が10の2乗ないし10の7乗
Ωの値である。なおRS は、厚さがt、幅がwで長さが
lの薄膜の抵抗Rを、R=RS (l/w)とおいたとき
に現れる値で、薄膜材料の抵抗率をρとするとRS =ρ
/tで表される。ここでは、フォーミング処理について
通電処理を例に挙げて説明するが、フォーミング処理は
これに限られるものではなく、膜に亀裂を生じさせて高
抵抗状態を形成する方法であればいかなる方法でも良
い。
【0018】導電性薄膜4を構成する材料は、Pd、P
t、Ru、Ag、Au、Ti、In、Cu、Cr、F
e、Zn、Sn、Ta、W、Pb等の金属、PdO、S
nO2、In23 、PbO、Sb23 等の酸化物、
HfB2 、ZrB2 、LaB6、CeB6 、YB4 、G
dB4 等の硼化物、TiC、ZrC、HfC、TaC、
SiC、WC等の炭化物、TiN、ZrN、HfN等の
窒化物、Si、Ge等の半導体、カーボン等の中から適
宜選択される。
【0019】ここで述べる微粒子膜とは複数の微粒子が
集合した膜であり、その微細構造は、微粒子が個々に分
散配置した状態あるいは微粒子が互いに隣接、あるいは
重なり合った状態(いくつかの微粒子が集合し、全体と
して島状構造を形成している場合も含む)をとってい
る。微粒子の粒径は、数オングストロームないし1μm
の範囲、好ましくは10オングストロームないし200
オングストロームの範囲である。
【0020】電子放出部5は、導電性薄膜4の一部に形
成された高抵抗の亀裂により構成され、導電性薄膜4の
膜厚、膜質、材料および後述する通電フォーミング等の
手法等に依存したものとなる。電子放出部5の内部に
は、1000オングストローム以下の粒径の導電性微粒
子を含む場合もある。この導電性微粒子は、導電性薄膜
4を構成する材料の元素の一部、あるいは全ての元素を
含有するものとなる。電子放出部5およびその近傍の導
電性薄膜4には、炭素あるいは炭素化合物を含む場合も
ある。
【0021】以下、図1および図3を参照しながら製造
方法の一例について説明する。図1および図3において
も、図2に示した部位と同じ部位には図2に付した符号
と同一の符号を付している。
【0022】基板1を洗剤、純水、有機溶剤等を用い
て十分に洗浄し、スクリーン印刷法、オフセット印刷法
等を用いて対向する素子電極を形成する(図1
(a))。この時の電極は、エッジ部がなめらかでない
ことがあり、また、表面がポーラスで後の素子形成工程
の有機金属溶液を吸い込んでしまうことがある。
【0023】次にこの基板1にシランカップリング剤等
の疎水処理剤を、ディッピング法、スピンナー法等でマ
スク等を用いて、素子電極以外に塗布した後焼成し、基
板1のガラス表面を疎水面にする(図1(b))。
【0024】そしてこの基板にディッピング法、インク
ジェット法等を用いて有機金属含有溶液を塗布する。す
るとこの溶液はガラス基板上をはじき、電極上のみに付
与される。この後、焼成する(図1(c))。焼成後に
はギャップ間の距離を変えることなく、エッジ部がなめ
らかで、表面がポーラスでない素子電極を形成すること
ができる。
【0025】素子電極2、3を設けた基板1に、有機
金属溶液を塗布して、有機金属薄膜を形成する。有機金
属溶液には、前述の導電性薄膜4の材料の金属を主元素
とする有機金属化合物の溶液を用いることができる。有
機金属薄膜を加熱焼成処理し、リフトオフ、エッチング
等によりパターニングし、導電性薄膜4を形成する(図
3(b))。ここでは、有機金属溶液の塗布法を挙げて
説明したが、導電性薄膜4の形成法はこれに限られるも
のでなく、真空蒸着法、スパッタ法、化学的気相堆積
法、分散塗布法、ディッピング法、スピンナー法、イン
クジェット法等を用いることもできる。
【0026】つづいて、フォーミング処理を施す。こ
のフォーミング処理方法の一例として通電処理による方
法を説明する。素子電極2、3間に、不図示の電源を用
いて、通電を行うと、導電性薄膜4の部位に、構造の変
化した電子放出部5が形成される(図3(c))。通電
フォーミングによれば導電性薄膜4に局所的に破壊、変
形もしくは変質等の構造変化した部位が形成される。該
部位が電子放出部5となる。通電フォーミングの電圧波
形の例を図5に示す。
【0027】電圧波形は、パルス波形が、好ましい。こ
れにはパルス波高値を定電圧としたパルスを連続的に印
加する図5(a)に示した手法とパルス波高値を増加さ
せながら、電圧パルスを印加する図5(b)に示した手
法とがある。
【0028】図5(a)におけるT1およびT2は電圧
波形のパルス幅とパルス間隔である。通常T1は1マイ
クロ秒〜10ミリ秒、T2は10マイクロ秒〜100ミ
リ秒の範囲で設定される。三角波の波高値(通電フォー
ミング時のピーク電圧)は、表面伝導型電子放出素子の
形態に応じて適宜選択される。このような条件のもと、
例えば、数秒から数十分間電圧を印加する。パルス波形
は三角波に限定されるものではなく、矩形波など所望の
波形を採用することができる。
【0029】図5(b)におけるT1およびT2は、図
5(a)に示したのと同様とすることができる。三角波
の波高値(通電フォーミング時のピーク電圧)は、例え
ば0.1Vステップ程度ずつ増加させることができる。
【0030】通電フォーミング処理の終了は、パルス間
隔T2中に、導電性薄膜4を局所的に破壊、変形しない
程度の電圧を印加し、電流を測定して検知することがで
きる。例えば0.1V程度の電圧印加により流れる素子
電流を測定し、抵抗値を求めて、1Mオーム以上の抵抗
を示した時に通電フォーミング終了させる。
【0031】フォーミングを終えた素子には活性化処
理を施すのが好ましい。活性化処理を施すことにより、
素子電流Ifと放出電流Ieが著しく変化する。活性化
処理は、例えば有機物質のガスを含有する雰囲気下で、
通電フォーミング同様に、パルスの印加を繰り返すこと
で行うことができる。この雰囲気は、例えば油拡散ポン
プやロータリーポンプなどを用いて真空容器内を排気し
た場合に雰囲気内に残留する有機ガスを利用して形成す
ることができる他、イオンポンプ等により一旦十分に排
気した真空中に適当な有機物質のガスを導入することに
よっても得られる。このときの好ましい有機物質のガス
圧は、前述の応用の形態、真空容器の形状や、有機物質
の種類等により異なるため場合に応じ適宜設定される。
適当な有機物質としては、アルカン、アルケン、アルキ
ンの脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール
類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類、フェノール、
カルボン酸、スルホン酸等の有機酸類等を挙げることが
でき、具体的にはメタン、エタン、プロパン等Cn
2n+2で表される飽和炭化水素、エチレン、プロピレン等
n2n等の組成式で表される不飽和炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、メタノール、エタノール、ホルムアルデ
ヒド、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルアミン、エチルアミン、フェノール、蟻酸、
酢酸、プロピオン酸等が使用できる。この処理により雰
囲気中に存在する有機物質から炭素あるいは炭素化合物
が素子上に堆積し、素子電流If、放出電流Ieが著し
く変化する。活性化工程の終了判定は、素子電流Ifと
放出電流Ieを測定しながら行う。なおパルス幅、パル
ス間隔、パルス波高値等は適宜設定される。
【0032】炭素あるいは炭素化合物としては、HOP
G(Highly Oriented Pyrolytic Graphite)、PG(Py
rolytic Graphite)、GC(Glassy Carbon )等のグラ
ファイトが挙げられる。(HOPGはほぼ完全な結晶構
造をもつグラファイト、PGは結晶粒が200Å程度で
結晶構造がやや乱れたグラファイト、GCは結晶粒が2
0Å程度で結晶構造の乱れがさらに大きくなったものを
指す。)や、非晶質カーボン(アモルファスカーボン及
びアモルファスカーボンと前記グラファイトの微結晶の
混合物を含むカーボン)であり、その膜厚は、500オ
ングストローム以下にするのが好ましく、300オング
ストローム以下であればより好ましい。
【0033】活性化工程を経て得られた電子放出素子
は、安定化処理を行うことが好ましい。この処理は真空
容器内の有機物質の分圧が、1×10-8Torr以下、
望ましくは1×10-10 Torr以下で行うのが良い。
真空容器内の圧力は、10-6〜10-7torrが好まし
く、特に1×10-8torr以下が好ましい。真空容器
を排気する真空排気装置は、装置から発生するオイルが
素子の特性に影響を与えないように、オイルを使用しな
いものを用いるのが好ましい。具体的には、ソープショ
ンポンプ、イオンポンプ等の真空排気装置を挙げること
ができる。さらに真空容器内を排気するときには、真空
容器全体を加熱して、真空容器内壁や電子放出素子に吸
着した有機物質分子を排気しやすくするのが好ましい。
このときの加熱した状態での真空排気条件は、80〜2
00℃で5時間以上が望ましいが、特にこの条件に限る
ものではなく、真空容器の大きさや形状、電子放出素子
の構成などの諸条件により変化する。なお、上記有機物
質の分圧測定は質量分析装置により質量数が10〜20
0の炭素と水素を主成分とする有機分子の分圧を測定
し、それらの分圧を積算することにより求める。
【0034】安定化工程を経た後の、駆動時の雰囲気
は、上記安定化処理終了時の雰囲気を維持するのが好ま
しいが、これに限るものではなく、有機物質が十分除去
されていれば、真空度自体は多少低下しても十分安定な
特性を維持することができる。
【0035】このような真空雰囲気を採用することによ
り、新たな炭素あるいは炭素化合物の堆積を抑制でき、
結果として素子電流If、放出電流Ieが安定する。
【0036】電子放出素子の配列については、種々のも
のが採用できる。一例として、並列に配置した多数の電
子放出素子の個々を両端で接続し、電子放出素子の行を
多数個配し(行方向と呼ぶ)、この配線と直交する方向
(列方向と呼ぶ)で、該電子放出素子の上方に配した制
御電極(グリッドとも呼ぶ)により、電子放出素子から
の電子を制御駆動するはしご状配置のものがある。これ
とは別に、電子放出素子をX方向及びY方向に行列状に
複数個配し、同じ行に配された複数の電子放出素子の電
極の一方を、X方向の配線に共通に接続し、同じ列に配
された複数の電子放出素子の電極の他方を、Y方向の配
線に共通に接続するものが挙げられる。このようなもの
は所謂単純マトリクス配置である。まず単純マトリクス
配置について以下に詳述する。
【0037】電子放出素子を複数個マトリクス状に配し
て得られる電子源基板について、図6を用いて説明す
る。図6において、71は電子源基板、73はX方向配
線、72はY方向配線である。74は表面伝導型電子放
出素子の電子放出部である。
【0038】m本のX方向配線73は、Dox1、Do
x2、・・・ 、Doxmからなり、真空蒸着法、印刷法、
スパッタ法等を用いて形成された導電性金属等で構成す
ることができる。配線の材料、膜厚、幅は、適宜設計さ
れる。Y方向配線72は、Doy1、Doy2、・・・ 、
Doynのn本の配線よりなり、X方向配線73と同様
に形成される。これらm本のX方向配線73とn本のY
方向配線72との間には、不図示の層間絶縁層が設けら
れており、両者を電気的に分離している(m、nは、共
に正の整数)。
【0039】不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷
法、スパッタ法等を用いて形成されたSiO2 等で構成
される。例えば、X方向配線73を形成した基板71の
全面或は一部に所望の形状で形成され、特にX方向配線
73とY方向配線72の交差部の電位差に耐え得るよう
に膜厚、材料、製法が設定される。X方向配線73とY
方向配線72は、それぞれ外部端子として引き出されて
いる。
【0040】表面伝導型放出素子74を構成する各対の
電極(不図示)は、m本のX方向配線73と、n本のY
方向配線72と、導電性金属等からなる結線によって電
気的に接続されている。配線72と配線73を構成する
材料、結線を構成する材料及び一対の素子電極を構成す
る材料は、その構成元素の一部あるいは全部が同一であ
っても、またそれぞれ異なってもよい。これら材料は、
例えば前述の素子電極の材料より適宜選択される。素子
電極を構成する材料と配線材料が同一である場合には、
素子電極に接続した配線は素子電極ということもでき
る。
【0041】X方向配線73には、X方向に配列した表
面伝導型放出素子の行を選択するための走査信号を印加
する不図示の走査信号印加手段が接続される。一方、Y
方向配線72にはY方向に配列した表面伝導型放出素子
の各列を入力信号に応じて、変調するための不図示の変
調信号発生手段が接続される。各電子放出素子に印加さ
れる駆動電圧は、当該素子に印加される走査信号と変調
信号の差電圧として供給される。
【0042】上記構成においては、単純なマトリクス配
線を用いて、個別の素子を選択し、独立に駆動可能とす
ることができる。
【0043】このような単純マトリクス配置の電子源を
用いて構成した画像形成装置について、図7と図8及び
図9を用いて説明する。図7は画像形成装置の表示パネ
ルの一例を示す模式図であり、図8は図7の画像形成装
置に使用される蛍光膜の模式図である。図9はNTSC
方式のテレビ信号に応じて表示を行なうための駆動回路
の一例を示すブロック図である。
【0044】図7において71は電子放出素子を複数配
した電子源基板、81は電子源基板71を固定したリア
プレート、86はガラス基板83の内面に蛍光膜84と
メタルバック85等が形成されたフェースプレートであ
る。82は、支持枠であり該支持枠82には、リアプレ
ート81、フェースプレート86がフリットガラス等を
用いて接続されている。88は外囲器であり、例えば大
気中あるいは窒素中で400〜500℃の温度範囲で1
0分以上焼成され、封着される。74は、図2における
電子放出部に相当する。72、73は、各表面伝導型電
子放出素子の各対の素子電極と接続されたX方向配線及
びY方向配線である。
【0045】外囲器88は、上述の如く、フェースプレ
ート86、支持枠82、リアプレート81で構成され
る。リアプレート81は主に電源基板71の強度を補強
する目的で設けられるため、電子源基板71自体で十分
な強度を持つ場合は別体のリアプレート81は不要とす
ることができる。即ち、基板71に直接支持枠82を封
着し、フェースプレート86、支持枠82及び基板71
で外囲器88を構成しても良い。一方、フェースプレー
ト86、リアプレート81間に、スペーサー(耐大気圧
支持部材)とよばれる不図示の支持体を設置することに
より、大気圧に対して十分な強度をもつ外囲器88を構
成することもできる。
【0046】図8は、蛍光膜84を示す模式図である。
蛍光膜84は、モノクロームの場合は蛍光体のみから構
成することができる。カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体
の配列によりブラックストライプあるいはブラックマト
リクスなどと呼ばれる黒色部材91と蛍光体92とから
構成することができる。ブラックストライプ、ブラック
マトリクスを設ける目的は、カラー表示の場合、必要と
なる三原色蛍光体の各蛍光体92間の塗り分け部を黒く
することで混色等を目立たなくすることと、外光反射に
よるコントラストの低下を抑制することにある。ブラッ
クストライプの材料としては、通常用いられている黒鉛
を主成分とする材料の他、光の透過及び反射が少ない材
料であれば、これを用いることができる。
【0047】ガラス基板93に蛍光体を塗布する方法
は、モノクローム、カラーによらず、沈澱法、印刷法等
が採用できる。蛍光膜84の内面側には、通常メタルバ
ック85が設けられる。メタルバックを設ける目的は、
蛍光体の発光のうち内面側への光をフェースプレート8
6側へ鏡面反射させることにより輝度を向上させるこ
と、電子ビーム加速電圧を印加するための電極として作
用させること、外囲器内で発生した負イオンの衝突によ
るダメージから蛍光体の保護すること等である。メタル
バックは、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化
処理(通常、「フィルミング」と呼ばれる。)を行い、
その後Alを真空蒸着等を用いて堆積させることで作製
できる。
【0048】フェースプレート86には、更に蛍光膜8
4の導電性を高めるため、蛍光膜84の外面側(ガラス
基板83側)に透明電極(不図示)を設けてもよい。前
述の封着を行う際には、カラーの場合は各色蛍光体と電
子放出素子とを対応させる必要があり、十分な位置合わ
せが不可欠となる。
【0049】図7に示した表示パネルは、例えば以下の
ようにして製造される。外囲器88は、前述の安定化工
程と同様に、適宜加熱しながら、イオンポンプ、ソープ
ションポンプなどのオイルを使用しない排気装置により
不図示の排気管を通じて排気し、10-7Torr程度の
真空度の有機物質の十分少ない雰囲気にした後、封止さ
れる。外囲器88の封止後の真空度を維持するために、
ゲッター処理を行うこともできる。これは、外囲器88
の封止を行う直前あるいは封止後に、抵抗加熱あるいは
高周波加熱等を用いた加熱により、外囲器88内の所定
の位置(不図示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着
膜を形成する処理である。ゲッターは通常Ba等が主成
分であり、該蒸着膜の吸着作用により、例えば1×10
-5ないしは1×10-7Torrの真空度を維持するもの
である。
【0050】次に、単純マトリクス配置の電子源を用い
て構成した表示パネルに、NTSC法のテレビ信号に基
づいたテレビジョン表示を行うための駆動回路の構成例
について、図9を用いて説明する。図9において、10
1は画像表示パネル、102は走査回路、103は制御
回路、104はシフトレジスタである。105はライン
メモリ、106は同期信号分離回路、107は変調信号
発生器、Vx及びVaは直流電圧源である。
【0051】表示パネル101は、端子Dox1ないし
Doxm、端子Doy1ないしDoyn、及び高圧端子
Hvを介して外部の電気回路と接続している。端子Do
x1ないしDoxmには、表示パネル内に設けられてい
る電子源、即ち、M行N列の行列状にマトリクス配線さ
れた表面伝導型電子放出素子群を一行(N素子)ずつ順
次駆動するための走査信号が印加される。
【0052】端子Doy1ないしDoynには、前記走
査信号により選択された一行の表面伝導型電子放出素子
の各素子の出力電子ビームを制御するための変調信号が
印加される。高圧端子Hvには、直流電圧源Vaより、
例えば10K[V]の直流電圧が供給されるが、これは
表面伝導型電子放出素子から放出される電子ビームに蛍
光体を励起するのに十分なエネルギーを付与するための
加速電圧である。
【0053】走査回路102について説明する。同回路
は、内部にM個のスイッチング素子を備えたもので(図
中、S1ないしSmで模式的に示している)ある。各ス
イッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしくは
0[V](グランドレベル)のいずれか一方を選択し、
表示パネル101の端子Dox1ないしDoxmと電気
的に接続される。S1ないしSmの各スイッチング素子
は、制御回路103が出力する制御信号Tscanに基
づいて動作するものであり、例えばFETのようなスイ
ッチング素子を組み合わせることにより構成することが
できる。
【0054】直流電圧源Vxは、本例の場合には表面伝
導型電子放出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に基
づき走査されていない素子に印加される駆動電圧が電子
放出しきい値電圧以下となるような一定電圧を出力する
よう設定されている。
【0055】制御回路103は、外部より入力する画像
信号に基づいて適切な表示が行われるように各部の動作
を整合させる機能を有する。制御回路103は、同期信
号分離回路106より送られる同期信号Tsyncに基
づいて、各部に対してTscan及びTsft及びTm
ryの各制御信号を発生する。
【0056】同期信号分離回路106は、外部から入力
されるNTSC法のテレビ信号から同期信号成分と輝度
信号成分とを分離するための回路で、一般的な周波数分
離(フィルター)回路等を用いて構成できる。同期信号
分離回路106により分離された同期信号は、垂直同期
信号と水平同期信号よりなるが、ここでは説明の便宜上
Tsync信号として図示した。前記テレビ信号から分
離された画像の輝度信号成分は便宜上DATA信号と表
した。該DATA信号はシフトレジスタ104に入力さ
れる。
【0057】シフトレジスタ104は、時系列的にシリ
アルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン
毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制
御回路103より送られる制御信号Tsftに基づいて
動作する(即ち、制御信号Tsftは、シフトレジスタ
104のシフトクロックであるということもでき
る。)。シリアル/パラレル変換された画像1ライン分
(電子放出素子N素子分の駆動データに相当)のデータ
は、Id1ないしIdnのN個の並列信号として前記シ
フトレジスタ104より出力される。
【0058】ラインメモリ105は、画像1ライン分の
データを必要時間の間だけ記憶するための記憶装置であ
り、制御回路103より送られる制御信号Tmryに従
って適宜Id1ないしIdnの内容を記憶する。記憶さ
れた内容は、I’d1ないしI’dnとして出力され、
変調信号発生器107に入力される。
【0059】変調信号発生器107は、画像データI’
d1ないしI’dnの各々に応じて表面伝導型電子放出
素子の各々を適切に駆動変調するための信号源であり、
その出力信号は、端子Doy1ないしDoynを通じて
表示パネル101内の表面伝導型電子放出素子に印加さ
れる。この電子放出素子は放出電流Ieに対して以下の
基本特性を有している。即ち、電子放出には明確なしき
い値電圧Vthがあり、Vth以上の電圧を印加された
時のみ電子放出が生じる。電子放出しきい値以上の電圧
に対しては、素子への印加電圧の変化に応じて放出電流
も変化する。このことから、本素子にパルス状の電圧を
印加する場合、例えば電子放出閾値以下の電圧を印加し
ても電子放出は生じないが、電子放出閾値以上の電圧を
印加する場合には電子ビームが出力される。その際、パ
ルスの波高値Vmを変化させることにより出力電子ビー
ムの強度を制御することが可能である。また、パルスの
幅Pwを変化させることにより出力される電子ビームの
電荷の総量を制御することが可能である。したがって、
入力信号に応じて、電子放出素子を変調する方式として
は、電圧変調方式、パルス幅変調法等が採用できる。電
圧変調法を実施するに際しては、変調信号発生器107
として、一定長さの電圧パルスを発生し、入力されるデ
ータに応じて適宜パルスの波高値を変調するような電圧
変調法の回路を用いることができる。
【0060】パルス幅変調法を実施するに際しては、変
調信号発生器107として、一定の波高値の電圧パルス
を発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パルスの
幅を変調するようなパルス幅変調法の回路を用いること
ができる。
【0061】シフトレジスタ104やラインメモリ10
5としては、デジタル信号式のものをもアナログ信号式
のものをも採用できる。画像信号のシリアル/パラレル
変換や記憶が所定の速度で行なわれれば良いからであ
る。
【0062】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路106の出力信号DATAをデジタル信号化
する必要があるが、これには106の出力部にA/D変
換器を設ければ良い。これに関連してラインメモリ10
5の出力信号がデジタル信号かアナログ信号かにより、
変調信号発生器107に用いられる回路が若干異なった
ものとなる。即ち、デジタル信号を用いた電圧変調法の
場合、変調信号発生器107には、例えばD/A変換回
路を用い、必要に応じて増幅回路などを付加する。パル
ス幅変調法の場合、変調信号発生器107には、例えば
高速の発振器及び発振器の出力する波数を計数する計数
器(カウンタ)及び計数器の出力値と前記メモリの出力
値を比較する比較器(コンパレータ)を組み合せた回路
を用いる。必要に応じて、比較器の出力するパルス幅変
調された変調信号を表面伝導型電子放出素子の駆動電圧
にまで電圧増幅するための増幅器を付加することもでき
る。
【0063】アナログ信号を用いた電圧変調法の場合、
変調信号発生器107には、例えばオペアンプなどを用
いた増幅回路を採用でき、必要に応じてレベルシフト回
路などを付加することもできる。パルス幅変調法の場合
には、例えば、電圧制御型発振回路(VCO)を採用で
き、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動電圧ま
で電圧増幅するための増幅器を付加することもできる。
【0064】このような構成をとり得る本発明の画像表
示装置においては、各電子放出素子に、容器外端子Do
x1ないしDoxm、Doy1ないしDoynを介して
電圧を印加することにより、電子放出が生ずる。高圧端
子Hvを介してメタルバック85、あるいは透明電極
(不図示)に高圧を印加し、電子ビームを加速する。加
速された電子は、蛍光膜84に衝突し、発光が生じて画
像が形成される。
【0065】ここで述べた画像形成装置の構成は一例で
あり、本発明の技術思想に基づいて種々の変形が可能で
ある。入力信号については、NTSC法を挙げたが入力
信号はこれに限られるものではなく、PAL、SECA
M法など他、これよりも多数の走査線からなるTV信号
(例えば、MUSE法をはじめとする高品位TV)法を
も採用できる。
【0066】次に、はしご型配置の電子源及び画像形成
装置について図10及び図11を用いて説明する。図1
0は、はしご型配置の電子源の一例を示す模式図であ
る。図10において、110は電子源基板、111は電
子放出素子である。112(Dx1〜Dx10)は、電
子放出素子111を接続するための共通配線である。電
子放出素子111は、基板110上に、X方向に並列に
複数個配されている(これを素子行と呼ぶ)。この素子
行が複数個配されて、電子源を構成している。各素子行
の共通配線間に駆動電圧を印加することで、各素子行を
独立に駆動させることができる。即ち、電子ビームを放
出させたい素子行には、電子放出しきい値以上の電圧
を、電子ビームを放出しない素子行には、電子放出しき
い値以下の電圧を印加する。各素子行間の共通配線Dx
2〜Dx9は、例えばDx2、Dx3を同一配線とする
こともできる。
【0067】図11は、はしご型配置の電子源を備えた
画像形成装置におけるパネル構造の一例を示す模式図で
ある。120はグリッド電極、121は電子が通過する
ため空孔、122はDox1、Dox2、・・・ 、Dox
mよりなる容器外端子である。123は、グリッド電極
120と接続されたG1、G2、・・・ 、Gnからなる容
器外端子、110は各素子行間の共通配線を同一配線と
した電子源基板である。図11においては、図7、図1
0に示した部位と同じ部位には、これらの図に付したの
と同一の符号を付している。ここに示した画像形成装置
と、図7に示した単純マトリクス配置の画像形成装置と
の大きな違いは、電子源基板110とフェースプレート
86の間にグリッド電極120を備えているか否かであ
る。
【0068】図11においては、基板110とフェース
プレート86の間には、グリッド電極120が設けられ
ている。グリッド電極120は、表面伝導型放出素子か
ら放出された電子ビームを変調するためのものであり、
はしご型配置の素子行と直交して設けられたストライプ
状の電極に電子ビームを通過させるため、各素子に対応
して1個ずつ円形の開口121が設けられている。グリ
ッドの形状や設置位置は図11に示したものに限定され
るものではない。例えば、開口としてメッシュ状に多数
の通過口を設けることもでき、グリッドを表面伝導型放
出素子の周囲や近傍に設けることもできる。
【0069】容器外端子122及びグリッド容器外端子
123は、不図示の制御回路と電気的に接続されてい
る。
【0070】本例の画像形成装置では、素子行を1列ず
つ順次駆動(走査)していくのと同期してグリッド電極
列に画像1ライン分の変調信号を同時に印加する。これ
により、各電子ビームの蛍光体への照射を制御し、画像
を1ラインずつ表示することができる。
【0071】図7や図11の表示パネルを用いた画像形
成装置は、テレビジョン放送の表示装置、テレビ会議シ
ステムやコンピューター等の表示装置の他、感光性ドラ
ム等を用いて構成された光プリンターとしての画像形成
装置等としても用いることができる。
【0072】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳しく説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0073】(実施例1)図1は本発明の特徴を最もよ
く表わす図面であり、図1を用いて本発明の第1の実施
例に係る素子電極の形成方法を説明する。
【0074】まず図1(a)に示すように、清浄化した
青板ガラスからなる基板1に、スクリーン印刷法によ
り、素子電極2、3のパターン(ギャップ幅20マイク
ロメータ)の版を用いてAuペーストを塗布した後、6
00℃で焼成した。このとき、素子電極2、3のエッジ
がなめらかでなかったり、表面がポーラスであったりす
る場合があった。なおペーストの材料はAuに限らず、
Cu,Ag等でも同様であった。
【0075】次に図1(b)に示すように、この基板に
シランカップリング剤をディッピング法により塗布し、
200℃で焼成してガラス基板1上を疎水面21にし
た。なおシランカップリング剤の塗布方法はディッピン
グ法に限るものでなく、スピンコート法等でも可能であ
った。
【0076】そしてこの基板にディッピング法を用い、
金属含有溶液を塗布したところガラス基板上をはじき、
図1(c)に示すように、素子電極2、3上にのみ溶液
22が塗布された。この基板を300℃で焼成した結
果、エッジがなめらかで、表面がポーラスでない電極を
形成できた。ここで、金属含有溶液の塗布方法は、ディ
ッピング法に限るものでなく、スピンコート法、インク
ジェット法でも同様の効果が得られた。
【0077】この製造方法による素子電極に、スピンコ
ートで有機金属溶液を塗布し、エッチングでパターニン
グして導電性薄膜4を形成し(図3(b))、特性を評
価した結果、非常にばらつきが小さく良好であった。導
電性薄膜4の形成法はこれに限られるものでなく、真空
蒸着法、スパッタ法、化学的気相堆積法、分散塗布法、
ディッピング法,インクジェット法等を用いることもで
きる。
【0078】(実施例2)清浄化した青板ガラスからな
る基板1に、オフセット印刷法により、素子電極パター
ン(ギャップ幅20マイクロメータ)の版を用いAuペ
ーストを塗布した後、600℃で焼成したところ、実施
例1と同様の問題が生じる場合があった。そこで実施例
1と同様の方法により金属含有溶液を素子電極上にのみ
塗布し、焼成したところ、同様の効果が得られた。
【0079】(実施例3)実施例1同様に、洗浄した青
板基板にスクリーン印刷法で電極を形成し、疎水処理を
施したものに、インクジェット噴射装置で金属含有溶液
を塗布したところ、ガラス基板上をはじき、素子電極上
にのみ溶液が塗布された。これを焼成して、エッジのな
めらかな、また表面がポーラスでない電極を得た。
【0080】この製造方法による素子電極に、スピンコ
ートで有機金属溶液を塗布し、エッチングでパターニン
グして導電性薄膜4を形成し(図3(b))、特性を評
価した結果、非常にばらつきが小さく良好であった。導
電性薄膜4の形成法はこれに限られるものでなく、真空
蒸着法、スパッタ法、化学的気相堆積法、分散塗布法、
ディッピング法、インクジェット法等を用いることもで
きる。
【0081】(実施例4)実施例4として、実施例1〜
3の製造方法による素子電極を用いた、MTX(マトリ
クス)配置の表面伝導型電子放出素子を用いたディスプ
レイの表示パネルを作製した。図4に表面伝導型電子放
出素子を用いたディスプレイのリアパネルの一部を示
す。
【0082】すなわち、まず、実施例1〜3の方法で素
子電極2、3及び導電性薄膜を形成したガラス基板に、
スクリーン印刷法で、行方向配線6、層間絶縁膜7及び
列方向配線8を順次形成してリアパネルを作製した。な
お、配線6,8は、スクリーン印刷で薄く形成した後、
めっき法で厚く形成することも可能である。
【0083】この後、配線、電子放出部の形成されたリ
アパネルと、蛍光体を備えたフェイスパネルを対向さ
せ、支持枠を介しフリットガラスで、400℃程度以上
の温度で封着することによって真空容器部を形成した。
封着工程の後、前述の実装、そしてフォーミングを行
い、電子放出部を形成した。この電子放出部の膜面に平
行に電流を流し画像表示したところ、均一な輝度が得ら
れた。
【0084】なお、本実施例では、まず始めに素子電極
を形成したが、配線及び絶縁層を先に印刷法で形成し、
その後実施例1の方法で素子電極を形成してもよい。
【0085】以上のような製造方法で表面伝導型電子放
出素子を用いたディスプレイを作製したことにより、薄
膜プロセスに比べコストが低く、また製造歩留まりが大
変向上した。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製造方法
を用いることにより、ギャップ部がなめらかで、表面が
ポーラスでない素子電極が形成でき、素子特性のばらつ
きが減少する。さらにこの素子電極の製造方法を用いた
表面伝導型電子放出素子を用いたディスプレイでは、印
刷法を用いることができるので、フォトリソグラフィー
技術を用いた場合と比べより大面積において、コストを
低減できまた製造歩留まりが向上するという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る製造方法を示す斜
視図である。
【図2】 本発明の一実施形態における平面型表面伝導
型電子放出素子の構成を示す模式的平面図および断面図
である。
【図3】 本発明の一実施形態に係る表面伝導型電子放
出素子の製造方法を示す模式図である。
【図4】 本発明のマトリクス配置型の電子源基板の一
部を示す図ある。
【図5】 本発明の表面伝導型電子放出素子の製造に際
して採用できる通電フォーミング処理における電圧波形
の一例を示す模式図である。
【図6】 本発明が適用しうるマトリクス配置型の電子
源基板の一例を示す模式図である。
【図7】 本発明が適用しうる画像形成装置の表示パネ
ルの一例を示す模式図である。
【図8】 図7の装置に適用しうる蛍光膜の一例を示す
模式図である。
【図9】 図7の表示パネルにNTSC方式のテレビ信
号に応じて表示を行うための駆動回路の一例を示すブロ
ック図である。
【図10】 本発明が適用しうる梯子配置型電子源基板
の一例を示す模式図である。
【図11】 本発明が適用しうる画像形成装置の表示パ
ネルの一例を示す模式図である。
【図12】 表面伝導型電子放出素子の従来例を示す図
である。
【符号の説明】
1:基板、2、3:素子電極、4:導電性薄膜、5:電
子放出部、6:行方向配線、7:層間絶縁膜、8:列方
向配線、21:疎水面、22:金属含有溶液、71:電
子源基板、72:X方向配線、73:Y方向配線、7
4:表面伝導型電子放出素子、75:結線、81:リア
プレート、82:支持枠、83:ガラス基板、84:蛍
光膜、85:メタルバック、86:フェースプレート、
87:高圧端子、88:外囲器、91:黒色部材、9
2:蛍光体、101:表示パネル、102:走査回路、
103:制御回路、104:シフトレジスタ、105:
ラインメモリ、106:同期信号分離回路、107:変
調信号発生器、Vx 、Va :直流電圧源、110:電子
源基板、111:電子放出素子、112:Dx1〜Dx
10は電子放出素子を配線するための共通配線、12
0:グリッド電極、121:電子が通過するための開
孔、122:Dox1,Dox2,・・・・・・Dox
mよりなる容器外端子、123:グリッド電極120と
接続されたG1、G2。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上において、少なくとも一対の
    素子電極と、この素子電極間に設けられた、電子放出部
    を含む薄膜とで構成される表面伝導型電子放出素子を製
    造する方法において、素子電極の形成工程は、 前記絶縁基板上に、印刷法により、素子電極の材料で素
    子電極パターンを形成する工程と、 素子電極パターンを形成した前記絶縁基板に疎水処理を
    施す工程と、 前記疎水処理を施した後、金属含有溶液を基板表面に塗
    布し焼成する工程とを有することを特徴とする電子放出
    素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記金属含有溶液の塗布は、ディッピン
    グ法により行うことを特徴とする請求項1記載の電子源
    放出素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記金属含有溶液の塗布は、インクジェ
    ット法により行うことを特徴とする請求項1記載の電子
    源放出素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれかの方法により製造
    した電子放出素子を用いて単純マトリクス配置の電子源
    基板を製造することを特徴とする電子源基板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3いずれかの方法により製造
    した電子放出素子を用いてはしご型配置の電子源基板を
    製造することを特徴とする電子源基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれかの方法を用いて画
    像形成装置を製造することを特徴とする画像形成装置の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6737287B1 (en) 1999-02-17 2004-05-18 Canon Kabushiki Kaisha Ink used for ink jet, and methods for manufacturing conductive film, electron-emitting device, electron source and image-forming apparatus

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