JPH09244555A - 磁気表示用磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

磁気表示用磁気ヘッドおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH09244555A
JPH09244555A JP8058044A JP5804496A JPH09244555A JP H09244555 A JPH09244555 A JP H09244555A JP 8058044 A JP8058044 A JP 8058044A JP 5804496 A JP5804496 A JP 5804496A JP H09244555 A JPH09244555 A JP H09244555A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
yoke
magnetic core
tip
void
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8058044A
Other languages
English (en)
Inventor
Ikunori Moritake
郁紀 森竹
Kiyoshi Urushibata
潔 漆畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Star Micronics Co Ltd
Original Assignee
Star Micronics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Star Micronics Co Ltd filed Critical Star Micronics Co Ltd
Priority to JP8058044A priority Critical patent/JPH09244555A/ja
Publication of JPH09244555A publication Critical patent/JPH09244555A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁芯の先端と印字面の空隙孔とを高精度に位
置合わせでき、高品質の磁気印字を実現できる磁気表示
用磁気ヘッドおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 磁気ヘッド30は、磁気表示シート10
に面する印字面40aを有し、印字面40aに複数の空
隙孔40bが形成されたフロントヨーク40と、フロン
トヨーク40の印字面40aから所定距離隔てて配置さ
れ、フロントヨーク40と共に磁気回路を形成するベー
スヨーク39と、先端が空隙孔40bに挿入され、フロ
ントヨーク40とベースヨーク39とを磁気的に結合し
て、ドット状の記録用磁界を発生するための複数の磁芯
37と、印字信号に基づいて磁芯37に磁界を供給する
ための電磁コイル38と、磁芯37の先端部37aを空
隙孔40bに対して位置決めするための非磁性スペーサ
43などで構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部ホスト装置か
ら送られた印字情報に基づいて、磁気表示体上に静止画
を記録、表示するための磁気表示用磁気ヘッドおよびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、磁界の方向や強さに感応して
発色したり消去したりする表示体として磁気感応性の磁
気表示シートが知られている(たとえば、特開昭48−
56393号、特開平2−146082号など)。
【0003】こうした磁気表示シートは、磁石を内蔵し
た磁石ペンをシート表面に接触させることによって簡単
な文字や図形を描くことができ、しかも消去によって何
回も再使用できるため、簡易なメモ板として実用化され
ている。
【0004】近年、外部ホスト装置から送られた印字情
報に基づいて記録ヘッドがドットマトリクス状の磁界を
形成することによって、磁気表示シート上に静止画を記
録、表示する電子式情報表示装置が開発されつつある。
電子式情報表示装置は、外部ホスト装置からの遠隔操作
によって表示内容を任意に変更することが可能であるた
め、公共施設や駅、小売店等に設置することによって多
種多様な情報を通行人に広く告知、宣伝することができ
る。しかも、ポスターの張替え作業が不要で、紙などの
資源節約にも寄与するため、将来の掲示板として有望視
されている。
【0005】こうした電子式情報表示装置において、印
字信号に基づいてドットマトリクス状の記録用磁界を発
生させるための磁気ヘッドが使用される(たとえば、特
開昭63−259678号、特開平7−281621号
など)。磁気ヘッドは、たとえば1列または複数列に配
置された複数の磁芯と、各磁芯に装着された複数の電磁
コイルと、各磁芯の周囲に磁気漏洩用の空隙を形成する
ヨークなどで構成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】磁気表示シートでの記
録密度を上げるには、磁気ヘッドの磁芯を出来るだけ細
くして印字ドットを小さくする必要がある。しかし、磁
芯自体を細くしてしまうと、磁芯の磁気抵抗が増加して
しまい、磁界を磁芯先端へ効率良く伝達することが困難
になる。そのため、細い磁芯で所定の印字磁界を得るに
は、電磁コイルの巻線数や駆動電流を増やすという対策
が必要になるが、コイルの発熱やヘッドの大型化という
問題も出てくる。
【0007】そこで、特開昭63−259678号にお
いて、磁芯の先端を先細りのテーパー状に形成して、印
字ドットを小さくした書き込み電磁石が提案されてい
る。しかし、この書き込み電磁石は磁芯の先端面とヘッ
ド印字面との間の位置合わせを高精度に実現することが
極めて困難である。もし、磁芯の先端面がヘッド印字面
より突出していると、磁芯の角部が磁気表示シートを引
っ掻いて損傷させる恐れが出てくる。また、磁芯の先端
面がヘッド印字面より陥没していると、磁気表示シート
へ印加される磁界が弱まって、充分な印字濃度が出なく
なる。
【0008】さらに、この書き込み電磁石では、柱状の
磁芯を支持板にねじ止めしてから、印字面のヨークに挿
入し固定しているため、各磁芯の先端を印字面の空隙孔
内を移動させ空隙孔の中心に精度良く位置決めすること
が極めて困難である。もし、磁芯先端が空隙孔に対して
偏心していると、空隙で発生する記録用磁界が均一でな
くなるため、印字濃度むらの原因となり、しかもドット
間距離も空隙孔の範囲内でばらついてしまう。また、ヘ
ッド組立完了後に磁芯の偏心が発見された場合には、そ
の修正は殆ど不可能であり、ヘッド製造の歩留まり低下
をもたらす。
【0009】本発明の目的は、磁芯の先端と印字面の空
隙孔とを高精度に位置合わせでき、高品質の磁気印字を
実現できる磁気表示用磁気ヘッドおよびその製造方法を
提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁気表示体に
面する印字面を有し、該印字面に複数の空隙孔が形成さ
れた第1ヨークと、第1ヨークの印字面から所定距離隔
てて配置され、第1ヨークと共に磁気回路を形成する第
2ヨークと、先端が第1ヨークの各空隙孔に挿入され、
第1ヨークと第2ヨークとを磁気的に結合して、ドット
状の記録用磁界を発生するための複数の磁芯と、印字信
号に基づいて、磁芯に磁界を供給するための電磁コイル
と、磁芯の先端を第1ヨークの空隙孔に対して同心上に
位置決めするための先端位置決め手段と、磁芯の先端が
少なくとも第1ヨークの空隙孔の範囲内を移動可能な状
態で磁芯の根元部を第2ヨークに対して位置決めするた
めの根元位置決め手段とを備えることを特徴とする磁気
表示用磁気ヘッドである。 本発明に従えば、磁芯の先端が、少なくとも第1ヨーク
の空隙孔の範囲内を移動可能なように、磁芯の根元部を
第2ヨークに対して位置決めしているため、磁芯先端を
空隙孔の同心上に移動することが容易であり、第1ヨー
クに空隙孔を穿設する加工精度に配慮するだけで磁芯先
端と空隙孔との間の位置精度を大幅に向上できる。その
ため、磁芯先端付近の磁界分布が均一になって、印字濃
度むらを解消でき、しかもドット間距離も一様になる。
なお、先端位置決め手段として、内径が磁芯先端の外径
と略一致し、外径が空隙孔の内径と略一致する管状の非
磁性材料から成るスペーサなどが使用できる。
【0011】本発明は、前記根元位置決め手段は磁芯の
先端が第1ヨークの空隙孔の範囲内に収まるように磁芯
を立設保持することを特徴とする。 本発明に従えば、磁芯の根元部を第2ヨークに対して位
置決めしており、その際に磁芯の先端が第1ヨークの空
隙孔の範囲内に収まるような精度で位置決めすることに
よって、多数の磁芯が並んだ第2ヨークに対して第1ヨ
ークを装着する場合に、磁芯先端を各空隙孔へ導入する
ことが容易になる。したがって、磁気ヘッドの組立作業
が極めて簡単になる。
【0012】本発明は、第1ヨークの印字面に複数の空
隙孔を形成する工程と、磁芯の先端が少なくとも第1ヨ
ークの空隙孔の範囲内を移動可能な状態で磁芯の根元部
を第2ヨークに対して位置決めする工程と、各磁芯に磁
界を供給するための電磁コイルを装着する工程と、各磁
芯の先端が第1ヨークの空隙孔に挿入するように、第1
ヨークを第2ヨークに対して所定距離隔てて配置し固定
する工程と、磁芯の先端を第1ヨークの空隙孔に対して
同心上に位置決めする工程とを含むことを特徴とする磁
気表示用磁気ヘッドの製造方法である。 本発明に従えば、まず磁芯の先端が少なくとも第1ヨー
クの空隙孔の範囲内を移動可能な状態で磁芯の根元部を
第2ヨークに対して位置決めしておいて、その後、各磁
芯の先端が第1ヨークの空隙孔に挿入するように、第1
ヨークを第2ヨークに対して所定距離隔てて配置し固定
している。 その後、磁芯の先端を第1ヨークの空隙孔に対して位置
決めすることで、磁芯先端と空隙孔との間の位置精度を
大幅に向上できる。また、磁芯先端の位置決めに追従で
きるように、磁芯先端部が第1ヨークの空隙孔内で任意
の位置をとりうるように磁芯の根元部を第2ヨークに対
して位置決めするようにしているため、磁芯先端の位置
決めをする際に磁芯先端を空隙孔の同心上に移動するこ
とが容易である。こうして根元部より先端の位置精度を
優先することによって、簡単な組立作業で磁芯先端の位
置精度を大幅に向上できる。そのため高精度の磁芯先端
付近の磁界分布が均一になって、印字濃度むらを解消で
き、しかもドット間距離も一様になる。
【0013】本発明は、磁芯の先端を第1ヨークの空隙
孔に対して同心上に位置決めする場合、内径が磁芯先端
の外径と略一致し、外径が空隙孔の内径と略一致する管
状の非磁性材料から成るスペーサを挿入することを特徴
とする。 本発明に従えば、内径が磁芯先端の外径と略一致し、外
径が空隙孔の内径と略一致する管状の非磁性材料から成
るスペーサを用い、該スペーサを磁芯先端に挿入するこ
とによって、磁芯先端の位置決めを簡単な構造でしかも
高精度で実現できる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る磁気表示用磁
気ヘッドが用いられる電子式情報表示装置を示す側面か
ら見た断面図であり、図2はその部分斜視図である。筐
体1の内側上部に従動側のローラ50が配置され、内側
下部には駆動側のローラ60が配置されており、2本の
ローラ50、60の間には可撓性で無端状の磁気表示シ
ート10が懸け渡されている。ローラ50はバネ等の弾
性部材(不図示)によって上方に付勢され、磁気表示シ
ート10に一定の張力を付与することによってシート走
行の安定化およびシート表面の平面性を維持している。
ローラ60は、歯車61、62を介してモータ63によ
って回転駆動される。ローラ60の駆動によって、磁気
表示シート10は、筐体1の前面側(図1の左方、図2
の背面側)では下から上へ、筐体1の後面側(図1の右
方、図2の手前側)では上から下へ移送するように循環
する。筐体1の前面には、アクリル樹脂やガラス等の透
明材料から成る表示窓2が形成されている。
【0015】記録ヘッド30は、磁気表示シート10の
後面移送側の下方に設置されており、外部ホスト装置
(不図示)からの印字信号に基づいて、磁気表示シート
10の表面に向けてドットマトリクス状の記録用磁界を
発生する。記録ヘッド30は、たとえば千鳥配置された
複数の電磁コイルを有し、シート幅方向に往復移動する
キャリッジ31に搭載されている。キャリッジ31は2
つのプーリ34、35に懸け渡された無端状のベルト3
3の一部に固定されており、2本のガイド軸32によっ
て案内されながらプーリ35を回転駆動するモータ36
によって駆動される。
【0016】消去ヘッド20は、シート幅以上の長さを
持つ永久磁石などで構成され、磁気表示シート10の前
面移送側の上方で、磁気表示シート10の背面側に密着
するように配置されている。
【0017】図3は、磁気表示シート10の構造を示す
部分断面図である。磁気表示シート10には、磁気に感
応して発色するマイクロカプセル15が全面に渡って塗
布、固定されている。マイクロカプセル15は、高粘度
の液体と、液体を密閉して保持する球殻とで構成され、
この液体中には略黒色の磁性粒子および略白色の非磁性
粒子が分散されている。たとえば、磁性粒子として粒径
0.1〜5μmの黒色酸化鉄(FeO)粒子が用いら
れ、非磁性粒子として粒径0.1〜5μmの白色酸化チ
タン粒子が用いられる。また、高粘度の液体として、水
性液体、油脂、界面活性剤系溶剤等を含む有機溶剤が用
いられ、球殻の材料として主にゼラチンが用いられ、マ
イクロカプセル15の粒径は100〜1000μmの範
囲に分布している。
【0018】マイクロカプセル15は、透明性の高い合
成ゴム系接着剤等から成るバインダ14とともに混練さ
れて、ポリエチレンテレフタレート等の透明材料から成
る基体11に塗布され、たとえば厚さ400〜1000
μmのカプセル塗布層12が形成される。
【0019】カプセル塗布層12の裏面には、ポリプロ
ピレン長繊維不織布などから成る保護シート13がたと
えば厚さ300〜1000μmとなるように接着され、
シート走行の円滑化が図られている。
【0020】次に磁気記録・表示および消去の原理につ
いて説明する。このような構造を持つ磁気表示シート1
0において、図1に示すように、基体10が位置する表
面側に記録ヘッド30を近接させ、印字信号に基づいて
記録用磁界を発生すると、マイクロカプセル15内に分
散した磁性粒子が基体10側に引き寄せられ、その圧力
によって非磁性粒子が保護シート13側に移動する。す
ると、磁気表示シート10の表面側から見ると記録磁界
の印加部分が略黒色に発色したように観察され、記録ヘ
ッド30を用いてドットマトリクス状に磁界を印加する
ことによって、ドットプリンタと同様に文字や記号等を
記録できる。
【0021】次に磁気表示シート10の背面側、すなわ
ち保護シート13が位置する側に消去ヘッド20を近接
させると、マイクロカプセル15内に分散した磁性粒子
が保護シート13側に引き寄せられ、その圧力によって
非磁性粒子が基体10側に移動する。すると、磁気表示
シート10の表面側から見ると消去磁界の印加部分が略
白色になり、消去磁界をシート幅全面に印加することに
よって一様に消去される。
【0022】マイクロカプセル15中の前述の高粘度の
液体は、磁界印加によって裏面側もしくは表面側に移動
した磁性粒子による表示状態を保持するために所定の粘
性を有する液体が選定されている。すなわち、液体の粘
性が低いと一旦表面側もしくは裏面側に移動した粒子が
沈降したり振動などで移動することで表示状態が崩れる
ことを防止している。したがって、前述の記録ヘッド3
0および消去ヘッド20における磁気吸引力は上記液体
の粘性による降伏値を上回る力が必要であり、これによ
って表示の書込みや消去が行われるものである。
【0023】次に装置全体の動作について説明する。図
1および図2を参照して、まず印字を開始する前に、磁
気表示シート10を一定速度で循環して消去ヘッド20
による全面消去を行う。次に外部ホスト装置から印字信
号を受け取って、1印字行分のイメージデータの展開が
終了するごとに、記録ヘッド30がシート幅方向に移動
しながら電磁コイル38に数m秒〜数100m秒程度の
パルス電流を通電し、磁気表示シート10の表面にドッ
トマトリクス状の磁界を印加することによって磁気印字
を行う。
【0024】1行分の印字が終わると、磁気表示シート
10を所定送りピッチ分移送して停止した後、次の印字
行について展開されたイメージデータに基づいて印字を
行う。こうしてイメージデータの展開、記録ヘッド30
のシリアル印字、磁気表示シート10の間欠送りを繰り
返しながら1枚分の画像を形成する。
【0025】次に新たな画像を印字する場合には、上述
と同様に、磁気表示シート10を一定速度で循環して消
去ヘッド20による全面消去を行った後、記録ヘッド3
0によるシリアル印字を行う。
【0026】図4は、本発明に係る記録ヘッド30の外
観を示す斜視図である。記録ヘッド30は、開口部を下
方に向けた箱型のフロントヨーク40と、フロントヨー
ク40と共に磁気回路を形成する板状のベースヨーク3
9と、PC(ポリカーボネート)やLCP(液晶ポリマ
ー)などの合成樹脂シート等から成る電気絶縁用の絶縁
スペーサ41と、ヘッド内に配置された複数の電磁コイ
ルとの電気接続を得るための配線基板42などで構成さ
れる。フロントヨーク40の下端部にはフランジ40e
が形成され、このフランジ40e、ベースヨーク39、
絶縁スペーサ41および配線基板42が重なった状態で
上方からねじQで固定されている。
【0027】フロントヨーク40の印字面40aは、磁
気表示シート10との密着性を上げるために平坦な面に
形成している。この印字面40aには、複数の空隙孔4
0bがマトリクス状に形成され、この空隙孔40bより
磁芯37の先端部37aが表面に露出している。磁気回
路の空隙は、磁芯37の先端部37aと空隙孔40bと
の間の隙間によって形成され、この隙間には先端部37
aを位置決めするために真鍮やLCP(液晶ポリマー)
などの非磁性材料から成る非磁性スペーサ43を装着し
ている。
【0028】図5は、磁芯37の形状を示す斜視図であ
る。磁芯37は、PBパーマロイや純鉄などの高透磁率
材料で形成され、円柱状(たとえば直径2.5mm)に
形成された磁芯本体37cと、円柱状(たとえば直径
0.5mm)に形成された先端部37aと、両者をつな
ぐテーパー部37bと、下端側に形成された円柱状(た
とえば直径0.5mm)の支持部37dとを有する。
【0029】図6は、記録ヘッド30の内部構造を示す
部分断面図である。磁芯37はベースプレート39の上
に立設しており、支持部37dはベースプレート39に
穿設された支持孔39aに先端部37aが空隙孔40b
の範囲内を移動できる様に支持孔39aに対して所定の
クリアランスを持たせた形で挿入されている。磁芯37
の先端部37aには非磁性スペーサ43が装着され、先
端部37aを空隙孔40bに対して同心上に位置するよ
うに固定するとともに、先端部37aの端面および非磁
性スペーサ43の端面はフロントヨーク40の印字面4
0aと同一面になるように形成されている。
【0030】フロントヨーク40の内部には補強用の内
壁40cが形成され、外壁とともにベースヨーク39に
接触することによって全体の磁気回路を構成する。な
お、フロントヨーク40の内部空間40dには、シリコ
ンゴム等の充填剤が放熱と部品固定を兼ねて充填されて
いる。
【0031】ベースヨーク39に立設した磁芯37に
は、電磁コイル38がコイルボビン38aに巻回された
状態で装着される。コイルボビン38aの脚部には接続
端子38cが設けられ、電磁コイル38のリード線38
bが接続される。ベースヨーク39、絶縁スペーサ41
および配線基板42には、コイルボビン38aの脚に対
応する位置に貫通孔が形成され、接続端子38cは配線
基板42上の導体パターンに半田付けされる。
【0032】こうして電磁コイル38で発生した磁界
は、磁芯37、先端部37a、フロントヨーク40、ベ
ースヨーク39、磁芯37の磁性体による経路を通過す
るとともに、非磁性スペーサ43の位置する先端部37
aと空隙孔40bの間には磁気表示シート10に向けて
記録用磁界が発生する。
【0033】次に本発明に係る記録ヘッド30の製造方
法について説明する。まず、図5に示したように、先端
部37aが円柱状に形成された磁芯37を用意する。一
方、図4に示したように、フロントヨーク40の印字面
40aに先端部37aが貫通可能な空隙孔40bをマト
リクス状に形成する。
【0034】次に図6に示したように、配線基板42、
絶縁スペーサ41およびベースヨーク39に所定の孔を
穿設して、これらを重ねてから磁芯37およびコイルボ
ビン38aをベースヨーク39の上に多数立設させて、
接続端子38cを配線基板42に半田付けする。このと
き、磁芯37の支持部37dとベースプレート39の支
持孔39aとの間には、所定のクリアランス、たとえば
20μmオーダの隙間を付与している。この程度のクリ
アランスによって、磁芯37の先端部37aがフロント
ヨークの空隙孔40bの範囲内に収まるように位置決め
され、しかも先端部37aの振れをある程度許容してい
る。
【0035】次に、フロントヨーク40をベースヨーク
39の上に被せて、磁芯37の先端部37aをフロント
ヨーク40の空隙孔40bに挿入する。このとき、先端
部37aの一部が印字面40aから突出するように、磁
芯37および印字面40aの各高さを予め調整してお
く。次に、フロントヨーク40のフランジ部40eをベ
ースヨーク39に対してねじQで上方からねじ止めす
る。
【0036】次に、図7に示すように、非磁性スペーサ
43を磁芯37の先端部37aに挿着する。非磁性スペ
ーサ43は、たとえば外径0.8mm、内径0.5m
m、高さ0.7mmの円筒形状を有し、これらの寸法は
先端部37aおよび空隙孔40bに対してガタ無く嵌合
するように調整される。こうして磁芯37の先端部37
aは、フロントヨーク40の空隙孔40bに対して同心
となるように高精度に位置決めされるとともに、支持部
37dはクリアランスによって多少の移動が許されるた
め先端部37aの位置決めが優先されることになる。こ
の工程において、先端部37aの先端位置が空隙孔40
b内で任意にとりうるので、空隙孔40bの孔径および
先端部37bの外径に対して高精度に作られた非磁性ス
ペーサ43を挿着する際、非磁性スペーサ43を空隙孔
40bおよび先端部37bにすんなりと挿着することが
可能である。
【0037】また、非磁性スペーサ43の両端面は、表
裏どちらからでも挿着し易くするため、すりばち状に形
成している。また、図7の一点鎖線で示す位置に挿着し
た状態で、非磁性スペーサ43の一部が印字面40aか
ら突出するように予め調整しておく。
【0038】フロントヨーク40に穿設された空隙孔4
0bは、印字面40a側に形成したたとえば直径0.8
mmの平行部と内面側に形成したテーパー部とから成る
断面形状を有する。ここで、空隙孔40bの平行部に関
する最近接部分が磁芯37の先端部37aになるように
調整し、磁芯37のテーパー部37bに出来るだけ接近
しないように調整することによって、磁界が出来るだけ
印字面40a側を通過するようにしている。
【0039】また、非磁性スペーサ43を挿着する際
に、接着剤を塗布しておくことによって、磁芯37、非
磁性スペーサ43およびフロントヨーク40を互いに固
定している。また、フロントヨーク40の内部空間40
dには、シリコンゴム等を充填しておく。こうして磁芯
37および非磁性スペーサ43の一部が印字面40aか
ら突出した状態の記録ヘッド30が得られる。
【0040】次に、磁芯37の突出部およびフロントヨ
ーク40の印字面40aに研磨加工を施すことによっ
て、磁芯37の先端部37aおよび非磁性スペーサ43
の端面と印字面40aとを同一面に揃える。このとき、
研磨方向を記録ヘッド30の走行方向(図2に示す主走
査方向)に揃えることが好ましく、記録ヘッド30の走
行時において摩擦負荷を減少させ、ヘッド走行の安定化
に資する。
【0041】また、非磁性スペーサ43を真鍮などの硬
質な非磁性材料で形成することにより、ヘッドを研磨し
た際に非磁性スペーサ43の表面がささくれたり軸芯3
7がぐらついたりすることがなくなる。すなわち非磁性
スペーサ43の材質を軟質の材料(たとえば、やわらか
い樹脂)を用いた場合には、上述の研磨の際に、軸芯3
7の先端面に研磨体(砥石やサンドペーパ)から受ける
力によって非磁性スペーサ43がつぶされ軸芯37が倒
されたり、非磁性スペーサ43の研磨面がささくれたり
することが考えられるからである。軸芯37が倒れた場
合には、空隙孔40bと先端部37aの同心度がずれて
しまう。
【0042】こうして磁芯37の端面および印字面40
aを極めて高精度で同一面に形成し、しかも磁芯37の
先端部37aと空隙孔40bとの位置精度が大幅に向上
した記録ヘッド30が得られる。また、磁芯37の先端
部37aを柱状に形成しているため、研磨加工の際に軸
芯先端の径の変化がなく、空隙の間隔を一定とすること
ができる。
【0043】図8は、磁芯37の支持構造の他の例を示
す部分断面図であり、非磁性スペーサ43の挿着前の状
態を示す。図8に示す磁芯37は、図7で示した支持部
37dを欠いており、その根元部は直円柱状(たとえば
直径2.5mm)に形成されている。さらに、磁芯37
の外径より僅かに大きい内径を有し、非貫通の支持孔3
9bがベースプレート39に形成されている。こうした
支持構造によっても、磁芯37の先端部37aの振れを
ある程度許容しつつ、磁芯根元部をベースヨーク39に
対して所定のクリアランス(たとえば20μmオーダの
隙間)で位置決めできる。
【0044】図9は、磁芯37の支持構造のさらに他の
例を示す部分断面図であり、非磁性スペーサ43の挿着
前の状態を示す。図9に示す磁芯37の支持部37dは
円柱状(たとえば直径2.5mm)に形成された磁芯本
体37cの外径より小さい球面形状(たとえば直径2m
m)に形成され、この支持部37dの球面半径とほぼ一
致するように球面状の支持座39cがベースプレート3
9に形成されている。こうした支持構造によっても、磁
芯37の先端部37aは少なくとも空隙孔40bの範囲
内を移動可能であり、また、磁芯根元部をベースヨーク
39に対して位置決めできる。この場合には磁芯の支持
部37dの球面と、支持座39cは密着する為空隙がな
く、磁気抵抗が少ないものとなり漏洩磁束を少なくする
ものである。
【0045】なお、以上の説明において、磁気回路の空
隙を充填するために固形の非磁性スペーサ43を使用す
る例を示したが、非磁性スペーサ43の代わりに、別の
位置決め部材で先端部37aを仮固定した状態で粘性の
非磁性の接着剤を充填し固化するようにしても構わな
い。
【0046】
【発明の効果】以上詳説したように本発明の磁気ヘッド
に従えば、磁芯の先端を第1ヨークの空隙孔に対して同
心となるように高精度に位置決めすることができ、その
ため磁芯先端付近の磁界分布が均一になって、印字濃度
むらを解消でき、しかもドット間距離も一様になる。
【0047】また、磁芯の先端が第1ヨークの空隙孔の
範囲内に収まるような精度で磁芯の根元部を第2ヨーク
に対して位置決めすることによって、多数の磁芯が並ん
だ第2ヨークに対して第1ヨークを装着する場合に、磁
芯先端を各空隙孔へ導入することが容易になるため、磁
気ヘッドの組立作業が極めて簡単になる。
【0048】また本発明の製造方法に従えば、まず磁芯
の先端が少なくとも第1ヨークの空隙孔の範囲内を移動
可能な状態で磁芯の根元部を第2ヨークに対して位置決
めしておいて、その後、各磁芯の先端が第1ヨークの空
隙孔に挿入するように、第1ヨークを第2ヨークに対し
て所定距離隔てて配置し固定し、その後、磁芯の先端を
第1ヨークの空隙孔に対して位置決めすることで、磁芯
先端と空隙孔との間の位置精度を大幅に向上できる。
【0049】また、磁芯先端の位置決めに追従できるよ
うに、磁芯先端部が第1ヨークの空隙孔内で任意の位置
をとりうるように磁芯の根元部を第2ヨークに対して位
置決めするようにしているため、磁芯先端の位置決めを
する際に磁芯先端を空隙孔の同心上に移動することが容
易である。
【0050】また、内径が磁芯先端の外径と略一致し、
外径が空隙孔の内径と略一致する管状の非磁性材料から
成るスペーサを用い、該スペーサを磁芯先端に挿入する
ことによって、磁芯先端の位置決めを簡単な構造でしか
も高精度で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気表示用磁気ヘッドが用いられ
る電子式情報表示装置を示す側面から見た断面図であ
る。
【図2】図1の電子式情報表示装置の内部構成を示す部
分斜視図である。
【図3】磁気表示シート10の構造を示す部分断面図で
ある。
【図4】本発明に係る記録ヘッド30の外観を示す斜視
図である。
【図5】磁芯37の形状を示す斜視図である。
【図6】記録ヘッド30の内部構造を示す部分断面図で
ある。
【図7】本発明に係る製造方法の途中経過を示す部分断
面図である。
【図8】磁芯37の支持構造の他の例を示す部分断面図
である。
【図9】磁芯37の支持構造のさらに他の例を示す部分
断面図である。
【符号の説明】
1 筐体 2 表示窓 10 磁気表示シート 11 基体 12 カプセル塗布層 13 保護シート 14 バインダ 15 マイクロカプセル 20 消去ヘッド 30 記録ヘッド 31 キャリッジ 32 ガイド軸 33 ベルト 37 磁芯 38 電磁コイル 39 ベースヨーク 40 フロントヨーク 40a 印字面 40b 空隙孔 43 非磁性スペーサ 50、60 ローラ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気表示体に面する印字面を有し、該印
    字面に複数の空隙孔が形成された第1ヨークと、 第1ヨークの印字面から所定距離隔てて配置され、第1
    ヨークと共に磁気回路を形成する第2ヨークと、 先端が第1ヨークの各空隙孔に挿入され、第1ヨークと
    第2ヨークとを磁気的に結合して、ドット状の記録用磁
    界を発生するための複数の磁芯と、 印字信号に基づいて、磁芯に磁界を供給するための電磁
    コイルと、 磁芯の先端を第1ヨークの空隙孔に対して同心上に位置
    決めするための先端位置決め手段と、 磁芯の先端が少なくとも第1ヨークの空隙孔の範囲内を
    移動可能な状態で磁芯の根元部を第2ヨークに対して位
    置決めするための根元位置決め手段とを備えることを特
    徴とする磁気表示用磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記根元位置決め手段は磁芯の先端が第
    1ヨークの空隙孔の範囲内に収まるように磁芯を立設保
    持することを特徴とする請求項1記載の磁気表示用磁気
    ヘッド。
  3. 【請求項3】 第1ヨークの印字面に複数の空隙孔を形
    成する工程と、 磁芯の先端が少なくとも第1ヨークの空隙孔の範囲内を
    移動可能な状態で磁芯の根元部を第2ヨークに対して位
    置決めする工程と、 各磁芯に磁界を供給するための電磁コイルを装着する工
    程と、 各磁芯の先端が第1ヨークの空隙孔に挿入するように、
    第1ヨークを第2ヨークに対して所定距離隔てて配置し
    固定する工程と、 磁芯の先端を第1ヨークの空隙孔に対して同心上に位置
    決めする工程とを含むことを特徴とする磁気表示用磁気
    ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 磁芯の先端を第1ヨークの空隙孔に対し
    て同心上に位置決めする場合、内径が磁芯先端の外径と
    略一致し、外径が空隙孔の内径と略一致する管状の非磁
    性材料から成るスペーサを挿入することを特徴とする請
    求項3記載の磁気表示用磁気ヘッドの製造方法。
JP8058044A 1996-03-14 1996-03-14 磁気表示用磁気ヘッドおよびその製造方法 Pending JPH09244555A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8058044A JPH09244555A (ja) 1996-03-14 1996-03-14 磁気表示用磁気ヘッドおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8058044A JPH09244555A (ja) 1996-03-14 1996-03-14 磁気表示用磁気ヘッドおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09244555A true JPH09244555A (ja) 1997-09-19

Family

ID=13072943

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8058044A Pending JPH09244555A (ja) 1996-03-14 1996-03-14 磁気表示用磁気ヘッドおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09244555A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09244555A (ja) 磁気表示用磁気ヘッドおよびその製造方法
JPH09230807A (ja) 磁気表示用磁気ヘッドの製造方法
JPH041696B2 (ja)
US3787879A (en) Magnetic ink recording system
JPH09297545A (ja) 磁気表示用磁気ヘッド
EP0837440B1 (en) A magnetic head for a magnetic display
JPH09305129A (ja) 磁気表示用磁気ヘッド
KR900007521B1 (ko) 잉크 도트 프린터
JPH10161573A (ja) 磁気表示用磁気ヘッドおよび磁気表示装置
JPH10198295A (ja) 電子式情報表示装置
JPH1039802A (ja) 電子式情報表示装置
JPH1055139A (ja) 電子式情報表示装置
JPH1031436A (ja) 電子式情報表示装置
JPH10222106A (ja) 電子式情報表示装置
JPH10232630A (ja) カラー表示シートおよび電子式情報表示装置
JPH09218657A (ja) 電子式情報表示装置
JPH06251178A (ja) 磁気表示書込みヘッド
JPH10198294A (ja) 電子式情報表示装置
JPH10214051A (ja) 電子式情報表示装置
JPH1055140A (ja) 電子式情報表示装置
JPH1031437A (ja) 電子式情報表示装置
JPH10187068A (ja) 電子式情報表示装置
JPH06243278A (ja) 磁気表示シート書込みヘッド
JPH09218655A (ja) 電子式情報表示装置
JPS6292987A (ja) 書込ヘツドアレイを用いる透磁粉表示パネル