JPH09244467A

JPH09244467A - 静電印刷方法及び装置

Info

Publication number: JPH09244467A
Application number: JP7306096A
Authority: JP
Inventors: Atsushi Sato; 篤佐藤; Tsutomu Akashi; 勉明石; Takashi Sakurai; 高志桜井
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1996-03-05
Filing date: 1996-03-05
Publication date: 1997-09-19

Abstract

(57)【要約】【課題】印刷装置の簡易化を図ること。【解決手段】静電印刷方法において、粘性体の帯電粒
子を印刷パターンに従って被印刷物１の表面に噴射させ
て塗布し、被印刷物１の表面に静電潜像を形成する粘性
体ジェット工程と、被印刷物１の表面に帯電したトナー
を与え、静電潜像を現像してトナー像を得る現像工程
と、被印刷物１の表面のトナー像を定着する定着工程と
を有してなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク等の被
印刷物に所定の文字や絵柄等の印刷パターンを印刷する
静電印刷方法及び装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】光ディスク等の被印刷物にインデックス
表示や各種デザインの印刷パターンを印刷する従来技術
として、スクリーン印刷、オフセット印刷等の刷版の転
写によるものが用いられている。

【０００３】また、従来の刷版の如くを用いない印刷装
置としてインクジェット印刷方式がある。従来のインク
ジェット印刷方式は、特開平6-295558号公報に記載の如
く、インクジェット装置の印字ヘッドからインク粒子を
印刷パターンに従って被印刷物の表面に噴射させて印刷
を行なうものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】然しながら、従来のス
クリーン印刷、オフセット印刷等の刷版を用いるものに
は、下記の問題点がある。印刷パターンの原稿から刷版を用意する必要があり、
多量印刷には適するものの、少量多品種印刷では生産性
が悪い。

【０００５】また、従来のインクジェット印刷方式によ
るものには、下記の問題点がある。インクジェット装置の印字ヘッドから噴射したインク
が被印刷物の表面に付着し易くなるように、被印刷物の
表面に予めインク被着層を塗布しておく前処理工程が必
要になる。このため、印刷工程が複雑になって生産性を
損なうとともに、装置構成が複雑になる。

【０００６】本発明の課題は、印刷の生産性を向上する
とともに、印刷装置の簡易化を図ることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の本発明
は、被印刷物に所定の印刷パターンを印刷する静電印刷
方法において、粘性体の帯電粒子を印刷パターンに従っ
て被印刷物の表面に噴射させて塗布し、被印刷物の表面
に静電潜像を形成する粘性体ジェット工程と、被印刷物
の表面に帯電したトナーを与え、静電潜像を現像してト
ナー像を得る現像工程と、被印刷物の表面のトナー像を
定着する定着工程とを有してなるようにしたものであ
る。

【０００８】請求項２に記載の本発明は、請求項１に記
載の本発明において更に、前記印刷パターンを複数の色
パターンに分解し、各色パターン毎に粘性体ジェット工
程と現像工程の少なくとも２工程を行なうことを色パタ
ーン数だけ繰り返し、多色印刷するようにしたものであ
る。

【０００９】請求項３に記載の本発明は、請求項１又は
２に記載の本発明において更に、前記被印刷物が板状剛
性体であるようにしたものである。

【００１０】請求項４に記載の本発明は、被印刷物に所
定の印刷パターンを印刷する静電印刷装置において、粘
性体の帯電粒子を印刷パターンに従って被印刷物の表面
に噴射させて塗布し、被印刷物の表面に静電潜像を形成
する粘性体ジェット装置と、被印刷物の表面に帯電した
トナーを与え、静電潜像を現像してトナー像を得る現像
装置と、被印刷物の表面のトナー像を定着する定着装置
と、被印刷物を粘性体ジェット装置、現像装置、定着装
置に順次位置付ける被印刷物移動装置とを有してなるよ
うにしたものである。

【００１１】本発明によれば下記、の作用がある。印刷パターン（原稿の絵柄データ）から直ちに被印刷
物の表面に静電潜像を形成でき、刷版を必要としない。
従って、少量多品種印刷での生産性が良い。

【００１２】粘性体ジェット装置の印字ヘッドから噴
射した粘性体の帯電粒子が被印刷物の表面にその粘着力
により確実に付着されて静電潜像を形成し、続いてこの
静電潜像が帯電トナーにより現像せしめられるものであ
る。従って、被印刷物の表面に予めインク被着層の如く
の前処理層を設けておく必要がなく、印刷工程と装置構
成を簡易化できる。

【００１３】

【発明の実施の形態】図１は第１実施形態を示す模式
図、図２は第２実施形態を示す模式図、図３は第３実施
形態を示す模式図、図４は第４実施形態を示す模式図、
図５は被印刷物の印刷完了断面を示す模式図、図６は被
印刷物の印刷前断面を示す模式図である。

【００１４】（第１実施形態）（図１、図５、図６）被印刷物を板状剛性体である光ディスク（コンパクトデ
ィスクＣＤ）とする場合について説明する。印刷前の被
印刷物１は、図６に示す如く、ポリカーボネート等の樹
脂成形基板１Ａの上に金やアルミニウム等を蒸着した反
射層１Ｂを備え、反射層１Ｂの上に該反射層１Ｂの酸化
防止のための紫外線硬化性樹脂等の保護層１Ｃを備えた
構造になっている。この被印刷物１では、基板１Ａの表
面に凹凸状のデータ記録ピットを形成しており、この上
に反射層１Ｂが設けられている。そして、この被印刷物
１は、記録内容を示すインデックス表示や各種デザイン
を保護層１Ｃの表面に印刷される。印刷後の被印刷物１
は、図５に示す如く、保護層１Ｃの上に印刷層１Ｄ（粘
着体層２、トナー層３）を付与され、この上に紫外線硬
化性樹脂等の保護層１Ｅが設けられる。

【００１５】被印刷物１の印刷層１Ｄは、図１の印刷装
置１０により以下の如くに印刷される。印刷装置１０
は、被印刷物移動装置１１と、粘性体ジェット装置１２
と、現像装置１３と、定着装置１４とを有して構成され
る。

【００１６】被印刷物移動装置１１は、サーボモータ１
１Ａにより駆動される送りねじ１１Ｂにホルダ１１Ｃを
螺合し、ホルダ１１Ｃに保持される印刷前の被印刷物１
を、粘性体ジェット装置１２、現像装置１３、定着装置
１４に順次位置付ける。

【００１７】粘性体ジェット装置１２は、液状（もしく
は粉状）の粘性体の帯電粒子を印刷パターンに従って被
印刷物１の表面に噴射させて塗布し、被印刷物１の表面
に静電潜像を形成する。粘性体ジェット装置１２の粘性
体ジェット方式としては、後述する従来公知の各種イン
クジェット方式を採用できる。

【００１８】現像装置１３は、被印刷物１の表面に静電
ブラシ又は静電ロール等を用いて帯電（前述した粘性体
の帯電特性と逆特性）した着色粉体もしくは着色液体の
トナーを与え、静電潜像を現像してトナー像を得る（図
１において、２は粘着体層、３はトナー層）。トナー
は、静電潜像の電界により引き付けられて可視トナー像
となる。

【００１９】定着装置１４は、被印刷物１の表面のトナ
ー像を加熱定着（融着）する。この定着のため、粘性体
ジェット装置が１２が供給する粘性体もしくは現像装置
１３が供給するトナーとして、紫外線硬化性のものが用
いられる。

【００２０】尚、印刷装置１０の制御系は以下の如くで
ある。コンピュータ１０１は、所謂パーソナルコンピュ
ータであり、予め被印刷物１に印刷する印刷パターン
（絵柄）を作成し、この印刷パターンに従う印刷信号を
制御部１０２に転送する。そして、制御部１０２は、
(a) 送り制御部１０３を介して被印刷物移動装置１１を
駆動制御し、(b) 印字制御部１０４を介して粘性体ジェ
ット装置１２を駆動制御し、(c) 現像制御部１０５を介
して現像装置１３を駆動制御し、(d) 定着制御部１０６
を介して定着装置１４を駆動制御する。上記(b) におい
て、印字制御部１０４は、粘性体ジェット装置１２の印
字ヘッド１２Ａの例えば圧電素子（圧力制御型インクジ
ェット方式を採用したとき）に印刷信号のパルス電圧を
印加し、ノズルから粘性体を噴射せしめるとともに、印
字ヘッド１２Ａのリニア駆動部１２Ｂをホルダ１１Ｃの
送り方向と直交する方向に移動制御せしめる。

【００２１】また、粘性体ジェット装置１２は従来公知
の以下の如くのインクジェット方式を適宜採用できる。 (A) オンディマンド方式圧力制御方式圧電方式、パルスジェット方式、インパルスオンディマ
ンド方式等と呼ばれ、インク室（粘性体収容室）の壁面
に付けた圧電素子に印刷信号のパルス電圧を印加し、そ
れに応じて発生する室内の圧力により粘性体をノズルか
ら噴射せしめるもの。

【００２２】熱制御方式サーマルジェット方式とも呼ばれ、発熱抵抗素子をヘッ
ド内のインク流路（粘性体流路）中に置き、その素子を
印刷信号に応じて瞬間的に発熱させ（300 ℃）、膜沸騰
現象を利用して、粘性体に気泡を発生させ、その圧力
（内圧：15気圧位）で、粘性体をノズルから噴出せしめ
るもの。

【００２３】電界制御方式静電方式や間欠噴射方式と呼ばれ、粘性体に微少加圧を
して、ノズルの先端にメニスカスを形成し、同時に、ノ
ズルと被印刷物に高電圧を印加し、強電界を作り、その
静電気力で粘性体を吸引し、均一な粘性体粒子を形成す
るもの。

【００２４】放電方式ノズル部分を加熱し、粘性体内に気泡を発生させる。そ
の気泡が成長して、粘性体の圧力限界になった時点で高
圧電を印加して放電させ、そのエネルギーで、粘性体を
ノズルから噴射させるもの。

【００２５】電気浸透方式電極の電位による電気浸透を利用してインクを噴射させ
るもの。

【００２６】(B) 連続噴射方式荷電制御方式、発散制御方式、インクミスト方式等、粘
性体滴に荷電し、その粘性体の飛行距離を制御して被印
刷物に届くものとそうでないものとを生成し、粘性体滴
を連続的にノズルから噴射するもの。

【００２７】従って、印刷装置１０による印刷工程は以
下の如くになる。 (1) 粘性体ジェット工程被印刷物移動装置１１により被印刷物１を粘性体ジェッ
ト装置１２に位置付け、粘性体の帯電粒子を印刷パター
ンに従って被印刷物１の表面に噴射させて塗布し、被印
刷物１の表面に静電潜像を形成する。

【００２８】(2) 現像工程被印刷物移動装置１１により被印刷物１を現像装置１３
に位置付け、被印刷物１の表面に帯電したトナーを与
え、静電潜像を現像してトナー像を得る。即ち、現像装
置１３の静電ブラシもしくは静電ロールにより被印刷物
１の粘着体層２をなぞっていくと、トナーが粘性体付着
パターン（静電潜像）に沿って付着する。

【００２９】(3) 定着工程被印刷物移動装置１１により被印刷物１を定着装置１４
に位置付け、被印刷物１の表面のトナー像を定着する。

【００３０】従って、本実施形態によれば下記、の
作用がある。印刷パターン（原稿の絵柄データ）から直ちに被印刷
物１の表面に静電潜像を形成でき、刷版を必要としな
い。従って、少量多品種印刷での生産性が良い。

【００３１】粘性体ジェット装置１２の印字ヘッド１
２Ａから噴射した粘性体の帯電粒子が被印刷物１の表面
にその粘着力により確実に付着されて静電潜像を形成
し、続いてこの静電潜像が帯電トナーにより現像せしめ
られるものである。従って、被印刷物１の表面に予めイ
ンク被着層の如くの前処理層を設けておく必要がなく、
印刷工程と装置構成を簡易化できる。

【００３２】（第２実施形態）（図２）図２の印刷装置２０が印刷装置１０と異なる点は、被印
刷物移動装置１１による被印刷物１の移動経路に沿っ
て、粘性体ジェット装置１２、現像装置１３及び定着装
置１４からなる組を２組（もしくは多数組）設け、２色
印刷（もしくは多色印刷）できるようにしたことにあ
る。

【００３３】即ち、印刷装置２０による２色印刷は以下
の如くなされる。 (1) １組目の粘性体ジェット装置１２、現像装置１３及
び定着装置１４により１色目のトナー像の定着までを行
なう。

【００３４】(2) ２組目の粘性体ジェット装置１２、現
像装置１３及び定着装置１４により２色目のトナー像の
定着までを行なう。

【００３５】（第３実施形態）（図３）図３の印刷装置３０が印刷装置１０と異なる点は、被印
刷物移動装置１１による被印刷物１の移動経路に沿っ
て、粘性体ジェット装置１２及び現像装置１３からなる
組を２組（もしくは多数組）設け、最後に定着装置１４
を設け、２色印刷（もしくは多色印刷）できるようにし
たことにある。

【００３６】即ち、印刷装置３０による２色印刷は以下
の如くなされる。 (1) １組目の粘性体ジェット装置１２及び現像装置１３
により１色目のトナー像の現像までを行なう。

【００３７】(2) ２色目の粘性体ジェット装置１２及び
現像装置１３により２色目のトナー像の現像までを行な
う。

【００３８】(3) 最後に、１色目のトナー像と２色目の
トナー像を、定着装置１４により同時に定着する。

【００３９】（第４実施形態）（図４）図４の印刷装置４０が印刷装置１０と異なる点は、被印
刷物移動装置１１による被印刷物１の移動経路に沿っ
て、粘性体ジェット装置１２、３個（もしくは多数個）
の現像装置１３Ａ〜１３Ｃ及び定着装置１４を設け、３
色印刷（もしくは多色印刷）できるようにしたことにあ
る。

【００４０】即ち、印刷装置４０による３色印刷は以下
の如くなされる。 (1) 粘性体ジェット装置１２、１個目の現像装置１３
Ａ、及び定着装置１４（２個目と３個目の現像装置１３
Ｂ、１３Ｃは素通り）により１色目のトナー像の定着ま
でを行なう。

【００４１】(2) 粘性体ジェット装置１２、２個目の現
像装置１３Ｂ、及び定着装置１４（１個目と３個目の現
像装置１３Ａ、１３Ｃは素通り）により２色目のトナー
像の定着までを行なう。

【００４２】(3) 粘性体ジェット装置１２、３個目の現
像装置１３Ｃ、及び定着装置１４（１個目と２個目の現
像装置１３Ａ、１３Ｂは素通り）により３色目のトナー
像の定着までを行なう。

【００４３】また、印刷装置４０は下記(1) 〜(4) によ
り３色印刷することができる。 (1) 粘性体ジェット装置１２、及び１個目の現像装置１
３Ａにより１色目のトナー像の現像までを行なう。

【００４４】(2) 粘性体ジェット装置１２、及び２個目
の現像装置１３Ｂ（１個目の現像装置１３Ａは素通り）
により２色目のトナー像の現像までを行なう。

【００４５】(3) 粘性体ジェット装置１２、及び３個目
の現像装置１３Ｃ（１個目と２個目の現像装置１３Ａ、
１３Ｂは素通り）により３色目のトナー像の現像までを
行なう。

【００４６】(4) 最後に、１色目のトナー像と２色目の
トナー像と３色目のトナー像を、定着装置１４により同
時に定着する。

【００４７】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。

【００４８】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、印刷装置
の簡易化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は第１実施形態を示す模式図である。

【図２】図２は第２実施形態を示す模式図である。

【図３】図３は第３実施形態を示す模式図である。

【図４】図４は第４実施形態を示す模式図である。

【図５】図５は被印刷物の印刷完了断面を示す模式図で
ある。

【図６】図６は被印刷物の印刷前断面を示す模式図であ
る。

【符号の説明】

１被印刷物１０、２０、３０、４０印刷装置１１被印刷物移動装置１２粘性体ジェット装置１３、１３Ａ〜１３Ｃ現像装置１４定着装置

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】被印刷物に所定の印刷パターンを印刷す
る静電印刷方法において、粘性体の帯電粒子を印刷パターンに従って被印刷物の表
面に噴射させて塗布し、被印刷物の表面に静電潜像を形
成する粘性体ジェット工程と、被印刷物の表面に帯電したトナーを与え、静電潜像を現
像してトナー像を得る現像工程と、被印刷物の表面のトナー像を定着する定着工程とを有し
てなることを特徴とする静電印刷方法。
【請求項２】前記印刷パターンを複数の色パターンに
分解し、各色パターン毎に粘性体ジェット工程と現像工
程の少なくとも２工程を行なうことを色パターン数だけ
繰り返し、多色印刷する請求項１記載の静電印刷方法。
【請求項３】前記被印刷物が板状剛性体である請求項
１又は２記載の静電印刷方法。
【請求項４】被印刷物に所定の印刷パターンを印刷す
る静電印刷装置において、粘性体の帯電粒子を印刷パターンに従って被印刷物の表
面に噴射させて塗布し、被印刷物の表面に静電潜像を形
成する粘性体ジェット装置と、被印刷物の表面に帯電したトナーを与え、静電潜像を現
像してトナー像を得る現像装置と、被印刷物の表面のトナー像を定着する定着装置と、被印刷物を粘性体ジェット装置、現像装置、定着装置に
順次位置付ける被印刷物移動装置とを有してなることを
特徴とする静電印刷装置。